JP4531388B2 - 光電変換素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、色素増感太陽電池などの光電変換素子の製造方法に係る。より詳細には、電解質層を作用極と対極で挟んでなる積層体からなるセル自体に加熱などの負荷をかけることなく、セル構成部材とその外側に配されるパッケージ材とを一括で封止することが可能な、光電変換素子の製造方法に関する。
環境問題、資源問題などを背景に、クリーンエネルギーとしての太陽電池が注目を集めている。太陽電池としては単結晶、多結晶あるいはアモルファスのシリコンを用いたものがある。しかし、従来のシリコン系太陽電池は製造コストが高い、原料供給が不充分などの課題が残されており、大幅普及には至っていない。
また、Cu−In−Se系(CIS系とも呼ぶ)などの化合物系太陽電池が開発されており、極めて高い変換効率を示すなど優れた特徴を有しているが、コストや環境負荷などの問題があり、やはり大幅普及への障害となっている。
これらに対して、色素増感型太陽電池は、スイスのグレッツェルらのグループなどから提案されたもので、安価で高い変換効率を得られる光電変換素子として着目されている。
図2は、従来の色素増感型太陽電池の一例を示す模式的な断面図である。
この色素増感型太陽電池30は、増感色素を担持させた多孔質半導体電極(以下、色素増感半導体電極とも呼ぶ)33が一方の面に形成された第一基板31と、導電膜34が形成された第二基板35と、これらの間に封入された例えばゲル状電解質からなる電解質層36を主な構成要素としている。
第一基板31としては光透過性の板材が用いられ、第一基板31の色素増感半導体電極33と接する面には導電性を持たせるために透明導電層32が配置されており、第一基板31、透明導電層32及び色素増感半導体電極33により窓極38をなす。
一方、第二基板35としては、電解質層36と接する側の面には導電性を持たせるために例えば炭素や白金からなる導電層34が設けられ、第二基板35及び導電層34により対極39を構成している。
色素増感半導体電極33と導電層34が対向するように、第一基板31と第二基板35を所定の間隔をおいて配置し、両基板間の周辺部に熱可塑性樹脂からなる封止剤37を設ける。そして、この封止剤37を介して2つの基板31、35を貼り合わせてセルを組み上げ、電解液の注入口30を通して、両極38、39間にヨウ素・ヨウ化物イオンなどの酸化・還元種を含む有機電解液を充填し、電荷移送用の電解質層36を形成したものが挙げられる。つまり、封止剤37は電解質層36中に含まれる電解液が漏出したり、揮発性成分が揮発したりするのを防ぐ役目を果たしている。この電解液の注入としては、太陽電池のセルを組み上げた上で、背面などに設けた注液口から毛細管現象、圧力差などを利用してバッチ式で注入している。
このような電解液としてイオン性液体を用いる試み(例えば、非特許文献1を参照)や、電解液を用いた場合、製造時やセル破損時に電解液が漏出するおそれがあるので、この液漏れの対策として、適当なゲル化剤を用いて電解液をゲル化(擬固体化)する試み(例えば、特許文献1を参照)が、各研究機関において盛んに行われている。
しかしながら、上述した従来の色素増感型太陽電池は、熱可塑性樹脂を用いて封止することにより封止剤37を形成していた。図2に示すように、具体的には、熱をかけて樹脂を溶融させ2枚の電極(窓極38、対極39)を接着していた。その際に、熱が第一基板31を介して色素増感半導体電極33まで達するため、色素増感半導体電極33に吸着した色素に悪影響を及ぼす恐れがあった。
また、封止剤37は樹脂で形成されているので、長期使用した際に耐候性の点において問題があった。
さらには、電解液を注入する際には、まず、2枚の電極板を融着しセルの形を組んでから、予め開けておいた注入口30を通して、極めて狭い空間をなす2枚の電極間に注入し、最後に注入口30に蓋をしなければならず、製造工程が複雑になる問題があった。また、電解液の粘度が高いと、電解液を注入するために多大な時間と手間を要することから、製造コストの増大をまねいていた。
そこで、本発明者らは、図3に示すような構成の光電変換素子50を開発した。この光電変換素子50は、次に述べるような主に2つの観点から改良されている。
第一には、電極を接着する際に加わる熱が色素増感半導体電極に吸着した色素に及ぼす影響を抑制するとともに、長期使用時における耐候性に優れ、電解液の注入を容易に行うことが可能である。
すなわち、図3の構成によれば、2枚の電極すなわち作用極58と対極59に熱が直接的に加わることがないので、上述した色素に対する熱の影響を回避できる。また、色素増感半導体電極53に電解液を滴下して挟み込むことにより、作用極58と対極59で挟んでなる積層体60を形成することが可能なため、電解液の注入工程が省けるという利点がある。さらに、作用極58と対極59は筐体51の内側に収納されているので、外部から直接的な衝撃を受けることがないため、外力に対する強度が確保されるという長所も備えている。
第二には、電極を構成する基板に歪みや破損が生じることなく封止でき、基板の薄型化も図れ、かつ、電気的な接続安定性も確保される。
すなわち、光電変換素子50では、筐体51の内部を通過し積層体60の側面に接触しないように、対極59と作用極58に一端がそれぞれ接続され、筐体51の外に他端がそれぞれ延びる導電体68、69を個別に設けたことにより、光電変換素子50は外部との電気的な接続が図れる。特に、作用極58に一端が接続された導電体68は、積層体60の一側面と筐体61との間に配された弾性部材66aと、作用極58を構成する透明導電膜52との接触面に沿って延びるように配置されているので、導電体68が積層体60の側面との接触して短絡するのを防止できるとともに、封止した際に弾性部材66aが変形しても導電体68はその影響を受けることが無いので、導電体68の一端と作用極58との間で電気的接続の安定性が確保される。
このように作用極58がその端部近傍で偏った圧力を受けにくい形態とすることにより、作用極58を構成する第一基板51として、厚さが例えば0.3mmという極めて薄いガラス基板の採用が可能となるので、ひいては光電変換素子50の薄型化をもたらす。
しかしながら、図3の光電変換素子50は、筐体51を構成する箱体62の中にセル構成部材である積層体60を入れて、筐体51を構成する蓋体65で押さえつける封止法により作製しており、作用極58と蓋体65との間に生じる空気層を取り除くために隙間充填材57を設けていた。すると、上記封止の際、隙間充填材57のうち余分となったものは作用極58と蓋体65との間から染み出し、弾性部材66aに吸収されて外観が著しく損なわれるという問題があった。
また、この余分な隙間充填材57が、光電変換素子50の製造作業中に、所定外の部分に付着してしまい、箱体62と蓋体65の接着を阻害したり、あるいはセルを構成する透明導電膜52と、取り出し電極である導電体68との電気的な接続に不具合が生じる恐れがあった。
特開2002−184478号公報 N.Papageorgiou et al., J. Electrochem. Soc., 143(10), 3099, 1996
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、色素増感半導体電極に電解液を滴下して注入することが可能であり、かつ、隙間充填材の染み出しやこれに伴う電気的な接続の不具合を解消し、電気的な接続安定性も確保される、光電変換素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る光電変換素子の製造方法は、増感色素を表面に担持させた多孔質酸化物半導体層を有する作用極、該作用極の多孔質酸化物半導体層側においてこれに対向して配置される対極、及びこれら両極の間の少なくとも一部に電解質層を配した光電変換素子の製造方法であって、
前記作用極を構成する多孔質酸化物半導体層に液状またはゲル状の電解質を充填して電解質層を形成する工程と、
筐体を構成する箱体の内底面と直接的または間接的に前記対極を設け、該対極に前記電解質層が接するように前記作用極を重ねて積層体を形成し、該作用極が前記筐体の蓋体をなすように配した後、レーザ法または接着法により前記作用極を前記箱体に封止して前記筐体を作製する工程と、
を少なくとも具備することを特徴としている。
かかる製造方法は、特に、筐体を構成する箱体の内底面と直接的または間接的に前記対極を設け、該対極に前記電解質層が接するように前記作用極を重ねて積層体を形成し、該作用極が前記筐体の蓋体をなすように配した後、レーザ法または接着法により前記作用極を前記箱体に封止して前記筐体を作製する工程を備えているので、充填することで電解質が注入できるという利点を保ったまま、従来のように樹脂を用いることなく、封止する部分にレーザ照射をする(レーザ法と呼ぶ)か、あるいは接着剤を設ける(接着法と呼ぶ)だけで簡便に封止することができる。つまり、本発明に係る製造方法では、蓋体と箱体の接続部のみレーザ照射または接着して封止するため、従来の封止法のようにセル自体すなわち積層体に対して加熱や加圧などの負荷をかけることなく、筐体を構成する箱体の中にセルをなす積層体を収納し、その上に蓋体を設け、筐体を一括して封止することができる。また、封止用の樹脂が回り込むことによる不具合の発生も回避されるので好ましい
以下、実施の形態に基づいて本発明を説明するが、本発明は上述した作用と効果を満たす構成であればよく、これらの実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明に係る光電変換素子の一例を示す模式的な断面図である。
この色素増感型太陽電池(光電変換素子)10は、増感色素を表面に担持させた多孔質酸化物半導体層(酸化物電極とも呼ぶ)13を有する作用極(窓極とも呼ぶ)18と、作用極18の多孔質酸化物半導体層13側においてこれに対向して配置される対極19と、及びこれら両極の間の少なくとも一部に電解質層16とを配してなる。作用極18は、例えば第一基板11とその上に順に配される透明導電膜12および酸化物電極13からなる。一方の対極19は、例えば第二基板15とその上に配される導電膜14からなる。
電解質層16を作用極18と対極19で挟んでなる積層体20がセル構成部材、すなわち光電変換素子として機能する。色素増感型太陽電池10において作用極18の一部である第一基板11は、セルをなす一方の電極として働くとともに、筐体を構成する蓋体としての役割も果たす。つまり、積層体20は、これを取り囲む箱体22と蓋体(作用極18)とからなる筐体の内側に収納されており、積層体20の下面は箱体22の内底面と接している。筐体の蓋体としての役割も果たす作用極18を構成する第一基板11には、太陽光を透過する光学特性を備えた部材が好適に用いられる。
色素増感型太陽電池10では、電解質層16を作用極18と対極19で挟んでなる積層体20がその下面を、箱体22の内底面すなわち底部23の内面に接するように収納されており、作用極18の一部である第一基板11が蓋体として働く。つまり、色素増感型太陽電池10における積層体20は、筐体をなす箱体22の底部23と蓋体でもある第一基板11とによって、上下面を挟み込むように構成されている。
したがって、筐体を構成する箱体22の内底面すなわち底部23の内面と直接的または間接的に接するように対極19を設け、対極19に電解質層16が接するように作用極18を重ねて積層体20を形成し、作用極18の一部である第一基板11が筐体の蓋体をなすように配した後、レーザ法により作用極18の第一基板11と箱体22の側部24が接する部分で封止すれば、積層体20からなるセル構成部材も含め一括で封止することが可能となる。これに加えて、この構成によれば、従来の光電変換素子では必須の構成物であった隙間充填材を設ける必要がないことから、隙間充填材の染み出しやこれに伴う電気的な接続の不具合の発生が無いので、電気的な接続安定性が確保されるという利点がもたらされる。
また、この構成を採用した光電変換素子10では、電解質層16を作用極18と対極19で挟んでなる積層体20を利用できるので、例えば一方の電極上に液状またはゲル状の電解質を充填して、その上から他方の電極を挟み込むことで積層体を形成できる。その際、電極間に挟まれた電解液は、毛細管現象により隙間からこぼれ出ることはない。したがって、本発明によれば、従来多大な時間を要した電解液の注入工程を省けるので、本発明は低コストな光電変換素子の提供に寄与する。
さらに、上述した光電変換素子10において、前記作用極を構成する第一基板としては、太陽光を透過する光学特性とレーザ光を受光した際に生じる熱に耐えうる特性(耐熱性)とを兼ね備えた部材が好ましい。太陽光を透過する光学特性をもつことにより、筐体内に収納されている積層体まで太陽光を十分に到達させることができる。また、耐熱性を有することにより、封止の際に受ける熱的影響で反りなどの発生が抑制され、電極間距離が保持されるので発電特性の長期安定性が確保される。
なお、図1において積層体20に向かう矢印は、筐体21を封止した際に積層体20に加わる力の方向を示している。積層体20に対してこのような向きに外力が加わったとき、積層体20において横ズレが発生するのを抑制したり、あるいは積層体20が上下方向に柔軟性を保ちながら強固に固定されるように積層体20を封止する目的から、対極19と筐体21を構成する底部23との間には弾性部材26を設けることが好ましい。
この弾性部材26の設置は、上下の電極がその面内方向に相対的な位置ずれを抑制するとともに、外力に対する高い形状安定や耐震性をもたらすので望ましい。
また、色素増感型太陽電池10では、第一基板11からなる蓋体と箱体22で構成される筐体の内側を通過し積層体20の側面に接触しないように、対極19と作用極18に一端がそれぞれ接続され、筐体21の外に他端がそれぞれ延びる導電体28,29を個別に設けてなる構成を採用している。
この構成によれば、不図示の外部回路と接続するために用いられる導電体28、29の他端を、筐体21の如何なる箇所からでも自由に筐体外に導出させることが可能なので、外部回路系に合わせた多様な設置条件に応えることができる。
作用極18に一端が接続され、筐体の外に他端が延びる導電体28にあっては、筐体21の内部を通過し積層体20の側面に接触しないようにするため、例えば図1に示すように、積層体20の一部を構成する酸化物電極13、導電膜14および第二基板15の各側面と導電体28との間に弾性部材26aを挟む込むように設けても構わない。これにより、筐体の蓋体をなす作用極18の第一基板11の内側を通過し、積層体20の一部を構成する酸化物電極13、導電膜14および第二基板15の各側面に接触しないように、対極19と作用極18に一端がそれぞれ接続され、筐体の外に他端がそれぞれ延びる導電体28、29を個別に設けることが可能となり、光電変換素子10は外部との電気的な接続が図れる。
特に、光電変換素子10では、作用極18に一端が接続された導電体28は、積層体20の一部を構成する酸化物電極13、導電膜14および第二基板15の各側面と導電体28との間に設けられた弾性部材26aと、作用極18を構成する透明導電膜12の端部12aとが接触してなる面に沿って延びるように配置されている。この配置は、導電体28が積層体20の一部を構成する酸化物電極13や導電膜14の側面と接触して短絡するのを防ぐ。また、封止した際に弾性部材26aが縮んでその形状が変化した場合でも、導電体28は弾性部材26aの中を通過せずに、透明導電膜12の端部12aと弾性部材26aとの接触面に存在するので、その影響を大きく受けることは殆ど無い。よって、導電体28の一端と作用極18を構成する透明導電膜12との電気的接続は極めて安定に保たれるので、この電気的接続の改善は光電変換素子の出力特性の長期安定性をもたらす。
また、光電変換素子10では、筐体の側部24を積層体20の側面20tと接するように配置した。このように積層体20の側方に空隙を設けない構成とすることにより、作用極18はその中央部のみならず端部近傍においても必ず積層体20と接した状態が保たれる。したがって、封止した際に、作用極18は端部近傍で偏った圧力を受けることがないので、作用極18を構成する第一基板31などが歪んだり破損する危険性を低く抑えることが可能となる。
筐体が積層体の全ての側面と接するように配置する形態が最も好ましいが、このように、作用極18に一端が接続された導電体28を積層体20の厚さ方向へ導く箇所のみ、筐体の側部24と、積層体20の一部を構成する酸化物電極13、導電膜14および第二基板15の各側面との間に弾性部材46aを配置する形態としても構わない。弾性部材46aとして絶縁性を有する部材を用いることにより、積層体20と導電体28が短絡する恐れが回避できるので好ましい。導電体28が存在する近傍のみに弾性部材46aを設けて、筐体の他の側部24と積層体20との間は接するように配置すれば、上述した作用がほぼ同様に得られる。
本発明に係る光電変換素子の製造方法は、増感色素を表面に担持させた多孔質酸化物半導体層13を有する作用極18、この作用極18の多孔質酸化物半導体層13側においてこれに対向して配置される対極19、及びこれら両極18、19の間の少なくとも一部に電解質層16を配した光電変換素子10の製造方法であって、次の2つの工程を少なくとも具備している。
第一の工程においては、作用極18を構成する多孔質酸化物半導体層18に液状またはゲル状の電解質を充填して電解質層16を形成する。
第二の工程においては、筐体を構成する箱体22の内底面すなわち底部23の内面と直接的または間接的に接触させて対極19を設け、この対極19に電解質層16が接するように作用極18を重ねて積層体18を形成し、この作用極18を構成する第一基板11が筐体の蓋体をなすように配した後、作用極18をなす第一基板11と箱体22の側部24との接触部をレーザ法または接着法により封止して筐体を作製する。
上記第一の工程によれば、封止した後ではなく、予め充填することで液状またはゲル状の電解質を注入することができる。つまり、従来の製造方法における電解液を注入する際の問題、まず、2枚の電極板を融着しセルの形を組んでから、予め開けておいた注入口を通して、極めて狭い空間をなす2枚の電極間に注入し、最後に注入口に蓋をしなければならず、製造工程が複雑になる問題や、電解液の粘度が高いと、電解液を注入するために多大な時間と手間を要する問題、これらの理由から製造コストが増大するという問題を全て、本発明に係る第一の工程は解消できる。
上記第二の工程によれば、作用極18をなす第一基板11と箱体22の側部24との接触部をレーザ法または接着法により封止して筐体を作製するので、この封止の際に加わる熱が伝導して色素増感半導体電極13に吸着した色素に及ぼす影響を一段と抑制できる。従来の製造方法では必須であった隙間充填材を用いる必要がないので、工程が省けることから低コスト化が図れるとともに、作用極に入射する光量の増大ももたらす。また、この隙間充填材の不使用は、隙間充填材のうち余った分が弾性部材に染み込んだり、あるいは封止部分の接着や作用極と対極との電気的な接触が阻害されるという問題も全て解決する。
つまり、上記製造方法では、第一の工程により充填することで液状またはゲル状の電解質を注入し、第二の工程により、従来のように樹脂を用いることなく、封止する部分にレーザ照射を施すか、あるいは接着剤を設けるだけで簡便に封止することができる。本発明に係る製造方法では、作用極18の第一基板11からなる筐体の蓋体を兼ね、この蓋体と筐体の箱体22の接続部のみレーザ照射または接着剤で封止するため、従来の封止法のようにセル自体すなわち積層体に対して加熱や加圧などの負荷をかけることなく、筐体を構成する箱体の中にセルをなす積層体を収納し、その上に蓋体を設け、筐体を一括して封止することが可能となる。また、従来のように樹脂を用いる必要がないので、樹脂が回り込むことにより不具合が発生するという問題も解消できる。
以下では、前述した光電変換素子10を例として好適な各構成部材を説明する。
本発明に係る第一基板11としては、光透過性の素材からなる板が用いられ、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンなど、通常太陽電池の透明基板として用いられるものであればどのようなものも用いることができる。電解液への耐性などを考慮して適宜選択すればよいが、用途上、できるだけ光透過性の高い基板が好ましい。
第一基板11の色素増感半導体電極13側の面には金属、炭素、導電性金属酸化物層などからなる透明導電膜12を形成して導電性を与えておくことが好ましい。透明導電膜12として金属層や炭素層を形成する場合には透明性を著しく損ねない構造とすることが好ましく、導電性と透明性を損なわない薄膜を形成できるものという観点から金属の種類も適宜選択される。導電性金属酸化物としては、例えばITO、SnO、フッ素ドープのSnOなどを用いることができる。
第一基板11に載置された透明導電層2の上にはさらに半導体多孔質膜に増感色素を担持させてなる色素増感半導体電極13が設けられる。第一基板11、透明導電層2及び色素増感半導体電極13により作用極(窓極)18が構成される。色素増感半導体電極13の半導体多孔質膜を形成する半導体としては特に限定はされず、通常、太陽電池用の多孔質半導体を形成するに用いられるものであればどのようなものも用いることができ、例えば、TiO、SnO、WO、ZnO、Nbなどを用いることができる。多孔質膜を形成する方法としては、例えばゾルゲル法からの膜形成、微粒子の泳動電着、発泡剤による多孔質化、ポリマービーズなどとの混合物塗布後の余剰成分の除去などの方法を例示できるが、これらに限定されるものではない。
増感色素としては、ビピリジン構造、ターピリジン構造などを配位子に含むルテニウム錯体、ポルフィリン、フタロシアニン等の含金属錯体をはじめ、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素なども使用することができ、用途、使用半導体に適した励起挙動をとるものを特に限定無く選ぶことができる。
第二基板15としては、特に光透過性をもつ必要はないことから金属板を用いることができるし、第一基板11と同様のものを用いても構わない。第二基板15の上には導電膜14を設けた電極が対極19として用いられる。導電膜14としては、例えば炭素や白金などの層を、蒸着、スパッタ、塩化白金酸塗布後に熱処理を行ったものが好適に用いられるが、電極として機能するものであれば特に限定されるものではない。
上述した作用極18と対極19との間には電解質層16が設けられ、積層体20からなるセル構成部材をなす。後述するように、本発明に係る積層体20は、作用極18を構成する多孔質酸化物半導体層13に液状またはゲル状の電解質を充填して電解質層16を形成した後、対極19に電解質層16が接するように作用極18を重ねて積層体20を形成した後、積層体20の積層方向に荷重を加える方法によって形成される。
ゆえに、本発明の電解質層16としては、従来は注入口から狭い電極間隙に注入することが困難であった粘性の高い材料でも使用できることから、適当なゲル化剤を用いて電解液をゲル化(擬固体化)したもので、かつ高粘度のものでも利用できるが、従来から用いられている如何なる材料であっても構わない。
電解質層16を作用極18と対極19で挟んでなる積層体20は、箱体22と第一基板11からなる蓋体とで構成される筐体内に収納されており、積層体20の下面は筐体の箱体22を構成する底部23の内面と直接的または間接的に接している。筐体のうち少なくとも蓋体、すなわち作用極18を構成する第一基板11としては、上述したように太陽光を透過する光学特性を備えた部材から構成され、例えばアクリル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ソーダガラスなど透明で剛性のある材質が挙げられる。筐体の他の部分、すなわち底部23と側部24から構成される箱体22は、2つの電極から各々、筐体の外部回路に延びる導電体28、29との絶縁性さえ確保されていれば、特にその材料は限定されない。
例えば、筐体を構成する箱体22の内底面と直接的に接して対極19を設け、対極19に電解質層16が接するように作用極18を重ねて積層体20を形成し、この作用極18を覆うように筐体22を構成する蓋体すなわち第一基板11を配した後、この蓋体と筐体の箱体22の接続部のみレーザ照射して封止する。これにより、従来の封止法のようにセル自体すなわち積層体に対して加熱や加圧などの負荷をかけることなく、筐体を構成する箱体の中にセルをなす積層体を収納するとともに、筐体を一括して封止することにより、色素増感型太陽電池10は得られる。箱体22の内底面と対極19の間に弾性部材を設け、箱体22の内底面と対極19が間接的に接するように配しても構わない。また、レーザ照射して封止する方法に代えて、接着剤を用いて封止してもよい。
電解質層16をなす電解液は、作用極(窓極)18に滴下した後、対極19と挟み合わせることで充填することができるので、従来のように対極19に孔を開け、電解液を注入し、孔をふさぐという複雑な工程を省くことができるので、製造工程の簡略化や労力の削減が図れるので、低コストな光電変換素子が得られる。
本発明によれば、色素増感半導体電極に液状またはゲル状の電解質を充填して注入することによるメリットを保ちながら、隙間充填材に起因する染み出しやこれに伴う電気的な接続の不具合を解消し、電気的な接続安定性も確保される、光電変換素子及びその製造方法を提供することができる。ゆえに、本発明は、電気的接続において高い信頼性を備えるとともに、隙間充填材の不採用により入射光量を増大させて高い出力特性を実現し、また出力特性の長期安定性も兼ね備えた光電変換素子の製造に貢献する。
本発明に係る光電変換素子の一例を示す断面図である。 従来の光電変換素子の一例を示す断面図である。 従来の光電変換素子の他の一例を示す断面図である。
符号の説明
10 色素増感型太陽電池(光電変換素子)、11 第一基板(蓋体)、12 透明導電膜、13 多孔質酸化物半導体層(酸化物電極)、14 導電膜、15 第二基板、16 電解質層、18 作用極(窓極)、19 対極、20 積層体、22 箱体、23 底部、24 側部、26、26a 弾性部材、28、29 導電体。

Claims (1)

  1. 増感色素を表面に担持させた多孔質酸化物半導体層を有する作用極、該作用極の多孔質酸化物半導体層側においてこれに対向して配置される対極、及びこれら両極の間の少なくとも一部に電解質層を配した光電変換素子の製造方法であって、
    前記作用極を構成する多孔質酸化物半導体層に液状またはゲル状の電解質を充填して電解質層を形成する工程と、
    筐体を構成する箱体の内底面と直接的または間接的に前記対極を設け、該対極に前記電解質層が接するように前記作用極を重ねて積層体を形成し、該作用極が前記筐体の蓋体をなすように配した後、レーザ法または接着法により前記作用極を前記箱体に封止して前記筐体を作製する工程と、
    を少なくとも具備することを特徴とする光電変換素子の製造方法。
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