JP4530870B2 - バックドアにおけるロック装置 - Google Patents
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Description
この発明では、ロック機構を収納する金属製ケースに、金属製のロック解除規制部材を一体的に設けている。このロック解除規制部材は、別の車両の衝突等によってバックドアが変形すると、この際の衝撃力によって塑性変形し、その一部がロック解除レバーの移動軌跡上に突出する。すると、ロック解除レバーが、オープンレバーがロック保持位置へ移動するのを許容する方向に回転できなくなるので、仮に衝突の衝撃力によってアウトサイドハンドルが解除方向に移動しても、ロック機構はロック状態を保持する。
上記ロック機構が、上記ストライカと係合して上記バックドアの閉状態を保持するロック位置と、ストライカとの係合を解除する位置とに回転可能なフックと、該フックと係合しない非係合位置と、上記フックに係合して該フックを上記ロック位置に保持する係合位置との間を回転可能なポールと、を有し、上記オープンレバーは上記ロック解除位置に移動したときに、上記係合位置に位置する上記ポールを上記非係合位置まで押圧してもよい。
また、上記バックドアの後面パネルは、該バックドアに後方から衝突荷重が掛かったときに前方に変形することにより、上記ロック解除規制部を上記ストッパ部と干渉可能な位置まで変形させることが可能であり、上記オープンレバーに上記所定値以上の後突荷重がかからないとき、上記ロック解除規制部が上記ストッパ部より後方かつ上記後面パネルの前方に位置していてもよい。
図1に示すように、車両本体100の後部には開口部101が穿設されており、開口部101の上縁部にはバックドア102が左右方向の回転軸によって回転可能に枢着されており、バックドア102によって開口部101を開閉できる。開口部101の下縁部にはストライカ103が突設されており、バックドア102の内面のストライカ103と対応する位置にはキャンセル機能付ロック装置LSが設けられている。
このキャンセル機能付ロック装置LSはストライカ103と係脱可能な公知のロック機構10を具備している。ロック機構10は金属製のケース11を具備しており、ケース11のストライカ103との対向部にはストライカ103が進入可能な進入溝12が形成されている。ケース11の上板と底板の間にはバックドア102の閉塞時に共に上下方向を向く一対の回転軸13、回転軸14が固定されている。回転軸13にはフック15が回転軸13回りに回転可能として取り付けられており、回転軸14にはポール16が回転軸14回りに回転可能として取り付けられている。
フック15には、ストライカ103が進入可能な係合溝17と、ポール16と係脱可能な係合突部18が設けられている。フック15は図11に示すロック解除位置と図10に示すロック位置の間を回転可能であり、進入溝12にストライカ103が係合した状態でフック15がロック位置に移動すると、フック15の係合溝17がストライカ103をロックする。
ポール16は、フック15と係合しない図11に示す非係合位置と、その係止部19がフック15の係合突部18と係合して、ロック位置にあるフック15がロック解除位置に回転するのを防止する、図10に示す係合位置との間を回動可能である。ポール16の係止部19がフック15の係合突部18と係合するのがロック機構10のロック状態であり、係止部19と係合突部18の係合が解除され、フック15がロック解除位置に移動したときがロック機構10のアンロック状態である。
フック15とケース11の間、及びポール16とケース11の間にはそれぞれ捻りコイルばねS1と捻りコイルばねS2が設けられ、捻りコイルばねS1と捻りコイルばねS2の回転付勢力によって、フック15とポール16はロック状態となるように回転付勢されている。
スライド用長孔24、スライダ25、係合ピン26、押圧ピン27、キャンセルレバー36、および係合ピン移動孔37はキャンセル機構の構成要素である。
通常、車両走行中はキーシリンダKCからキーが抜き取られている。そのため、キャンセルレバー36が図4に示すロック解除不能位置に位置するので、係合ピン移動孔37及び係合ピン26の働きによってスライダ25はスライド用長孔24内の退避位置(図4の位置)に位置する。従って、仮にアウトサイドハンドル104に力が加わってロック解除レバー30が図2に示すロック許容位置から図3に示すロック解除位置に移動しても、押圧部33は押圧ピン27を押圧しないので、オープンレバー23はロック解除位置には移動せず、フック15によるストライカ103のロック状態が維持される。
一方、車両の停車中などにキーによってキーシリンダKCを解錠すると、キャンセルレバー36が図3に示すロック解除可能位置に移動するので、係合ピン移動孔37が係合ピン26を下方に押圧し、スライダ25をスライド用長孔24内の係合可能位置(図2及び図3の位置)に移動させる。スライダ25が係合可能位置に移動した状態で、アウトサイドハンドル104を解除操作すると、リンク部材31によってロック解除レバー30がロック解除位置に移動し、その押圧部33が押圧ピン27を図2から図4の反時計方向に回転付勢(押圧)する。すると、係合ピン26が係合ピン移動孔37内を図2から図4の左方に移動し、かつ、オープンレバー23が図2から図4の反時計方向に回転し、押圧端部28がポール16を図11及び図12の時計方向に回転させる。すると、ポール16の係止部19とフック15の係合突部18の係合が解除されるので、フック15は捻りコイルばねS1の付勢力によってロック解除位置に移動し、フック15によるストライカ103のロックが解除される。
さらに、本実施形態ではロック解除規制部42をストッパ部32の後方に位置させているので、バックドア102に衝撃力が加わると、この衝撃力によって先端規制部43が確実にストッパ部32と干渉可能な位置まで変形する。
101 開口部
102 バックドア
103 ストライカ
104 アウトサイドハンドル
10 ロック機構
11 ケース
12 進入溝
13 14 回転軸
15 フック
16 ポール
17 係合溝
18 係合突部
19 係止部
20 延出部
21 レバー用開口
22 枢着ピン
23 オープンレバー
24 スライド用長孔
25 スライダ
26 係合ピン
27 押圧ピン
28 押圧端部
29 支持金具(ベース部材)
30 ロック解除レバー
31 リンク部材
32 ストッパ部
33 押圧部
35 枢着ピン
36 キャンセルレバー
37 係合ピン移動孔
38 円弧状孔
39 嵌合ピン
40 リンク部材
42 ロック解除規制部
43 先端規制部
KC キーシリンダ
LS キャンセル機能付ロック装置
S1 S2 S3 S4 捻りコイルばね
Claims (3)
- 車両本体後部の開口部の周縁に固定されたストライカと、該開口部を開閉可能に塞ぐバックドアに設けられ、該ストライカと係合してバックドアの閉状態を保持するロック状態と、ストライカとの係合を解除するアンロック状態とに移行可能なロック機構とを有するロック装置において、
上記ロック機構をロック状態に保持するロック保持位置に向けて移動付勢され、該付勢力に抗してロック機構のロックを解除するロック解除位置に回動可能なオープンレバーと、
バックドアに設けたアウトサイドハンドルのロック解除操作に連動して上記オープンレバーをロック解除位置に移動させ、アウトサイドハンドルの非操作時にはオープンレバーのロック保持位置への移動を許容するロック解除レバーと、
を備え、
上記オープンレバーが、塑性変形可能な金属材料からなり、かつ、該オープンレバー自体に所定値以上の後突荷重がかかったとき、上記オープンレバーとロック解除レバーを枢着したベース部材に一体に設けたストッパ部と干渉可能な位置に変形し、該オープンレバーがロック解除位置に回動するのを機械的に防止するロック解除規制部を一体的に備えていることを特徴とするバックドアにおけるロック装置。 - 請求項1記載のバックドアにおけるロック装置において、
上記ロック機構が、上記ストライカと係合して上記バックドアの閉状態を保持するロック位置と、ストライカとの係合を解除する位置とに回転可能なフックと、該フックと係合しない非係合位置と、上記フックに係合して該フックを上記ロック位置に保持する係合位置との間を回転可能なポールと、を有し、
上記オープンレバーは上記ロック解除位置に移動したときに、上記係合位置に位置する上記ポールを上記非係合位置まで押圧するバックドアにおけるロック装置。 - 請求項1または2記載のバックドアにおけるロック装置において、
上記バックドアの後面パネルは、該バックドアに後方から衝突荷重が掛かったときに前方に変形することにより、上記ロック解除規制部を上記ストッパ部と干渉可能な位置まで変形させることが可能であり、
上記オープンレバーに上記所定値以上の後突荷重がかからないとき、上記ロック解除規制部が上記ストッパ部より後方かつ上記後面パネルの前方に位置しているバックドアにおけるロック装置。
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