JP4530561B2 - 水封装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体を通す配管内の水を排出するドレン配管の開口端を水封する水封装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
消化ガス等の気体を送る配管内には、気体中に含まれた水分が凝結して付着し、これらの水滴が落下して配管内に溜まるため、配管内に溜まった水をドレン配管を通して排出するようにしている。
【0003】
図2は、従来の水封装置を示したもので、気体を送る配管100にドレン配管として、U字状のドレントラップ101を連結し、このドレントラップ101のU字状部101aに水102を溜め、配管100内を水102によって外部と遮断している。そして、U字状部101aの水102が一定以上溜まるとドレントラップ101に続く排水管103を通して排出されるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、配管100内の圧力が急激に増加して一定圧を越えると、一定の水面高さHを維持していたドレントラップ101の水102が排水管103を通して排出され、配管100内の水封が保持できなくなることがある。これによって、配管100内の気体が直接、大気中に放出され、異臭を発生する等の原因になる課題がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決し、ドレン配管の水封を保つ水封槽の水を常時、一定量確保し、確実に水封を保つことができる水封装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、配管内を流れる気体に含まれた水分をドレン用配管を通して槽内に排出するするとともに、該槽内に溜められた水によって上記配管内を大気中から遮断する水封装置において、上記ドレン用配管の開口端を水没させて水封する水封槽と、該水封槽からオーバーフローした水を溜めるドレン槽を設け、該ドレン槽に溜められた水を水封槽に戻す循環手段を設けたことにある。
また、本発明は、上記水封槽に堰を設け、上記ドレン用配管の開口端から水面高さまでが一定高さを維持するように上記ドレン用配管の開口端位置を設定したことにある。
さらに、本発明は、上記堰からオーバーフローした水を上記ドレン槽に溜めるとともに、上記水封槽の水面高さが一定高さを維持するように、上記循環手段を制御したことにある。
さらに、本発明は、上記ドレン槽の水面高さを一定に保持するための堰をドレン槽に設けたことにある。
またさらに、本発明は、上記ドレン槽の水面高さが一定高さを維持するように排水手段および給水手段を設けたことにある。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1において、消化ガス等、水分を多く含んだ気体1を送る配管2には、気体1に含まれた水分が内壁面に凝結して付着し、これが水滴となって落下し、配管2内に溜まる。この水滴となって落下した水は、配管2に設けられたドレン配管3を通して水封槽4に溜められる。水封槽4は、一定の水5を収容できるようにしたタンクであり、この水封槽4に並設させてドレン槽6が設けられている。
【0008】
水封槽4は、ドレン槽6との仕切壁7に堰8を設けており、ドレン配管3の開口端3aから水面高さまでの距離H1が一定の大きさになるように設定している。
ドレン槽6には、循環ポンプ9が設置されており、ドレン槽6と水封槽4との間に連通されたパイプ10を介してドレン槽6内の水を水封槽4に戻すようにしている。ドレン槽6の壁面にも堰11が設けられており、この堰11を通してドレン槽6内の水5を屋外にオーバーフローさせるようにしている。また、ドレン槽6にもドレン排水ポンプ12が設置されており、このドレン排水ポンプ12を介して排水管13から屋外に強制的に排水できるようにしている。ドレン槽6には、ドレン槽6の水位を検出するドレン槽レベル計14が設置されており、ドレン槽6の水位が低下した場合には、給水手段15により給水できるようにしている。
【0009】
つぎに、上記構成による水封装置の動作を説明する。
配管2内の気体1に含まれた水分が配管2の内壁面に凝結して付着し、この水分が水滴となってドレン配管3を通して水封槽4に入る。そして、水封槽4の水5は、水面高さが堰8を越えると、堰8を通してドレン槽6に流入する。一方、ドレン槽6では、循環ポンプ9の作動により、パイプ10を通してドレン槽6の水を水封槽4に供給し、水封槽4の水面高さが、一定高さを維持するように制御する。
【0010】
こうして、ドレン配管3の開口端3aから水面高さまでの距離H1が一定になるように保たれる。
したがって、配管2内の圧力が急激に上昇して水封槽4の水5が堰8を通してドレン槽6にオーバーフローした場合にも、循環ポンプ9の作動により、常時、パイプ10を通してドレン槽6の水を水封槽4に供給するので、ドレン配管3の水封を保持することができる。よって、配管2内の気体1が外部に流出して異臭を発生する等の不具合を除去することができる。
【0011】
なお、本発明は、上記実施の形態のみに限定されるものではなく、例えば、水分を含んだ気体を流す配管であれば、どの様な配管に対しても適用することができる。また、水封槽4の大きさとしては、任意に設定することが出来るもので、水封槽4の水面高さも必要に応じて設定することができる。等、その他、本発明の要旨を変更しない範囲内で適宜変更して実施し得ることは言うまでもない。
【0012】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の水封装置によれば、以下の効果を奏することができる。
請求項1において、配管内を流れる気体に含まれた水分をドレン用配管を通して槽内に排出するするとともに、該槽内に溜められた水によって上記配管内を大気中から遮断する水封装置において、上記ドレン用配管の開口端を水没させて水封する水封槽と、該水封槽からオーバーフローした水を溜めるドレン槽を設け、該ドレン槽に溜められた水を水封槽に戻す循環手段を設けたので、常時、水封槽の水量を保持することができることから、確実な水封を保つことができる。
また、請求項2において、上記水封槽に堰を設け、上記ドレン用配管の開口端から水面高さまでが一定高さを維持するように上記ドレン用配管の開口端位置を設定したので、必要以上に流入した水を堰を通してドレン槽にオーバーフローさせることができる。
さらに、本発明は、請求項3において、上記堰からオーバーフローした水を上記ドレン槽に溜めるとともに、上記水封槽の水面高さが一定高さを維持するように、上記循環手段を制御したので、オーバーフローした水を再び水封槽に戻すことが出来ることから、水の循環により、一定の水量を維持することができ、極めて経済的である。
さらに、本発明は、請求項4において、上記ドレン槽の水面高さを一定に保持するための堰をドレン槽に設けたので、ドレン槽の水位が必要以上になる不具合を防止することができる。
またさらに、本発明は、請求項5において、上記ドレン槽の水面高さが一定高さを維持するように排水手段および給水手段を設けたので、ドレン槽の水位も一定に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による水封装置の概念断面図を示す。
【図2】従来の水封装置を示す概念図である。
【符号の説明】
1 気体
2 配管
3 ドレン配管
4 水封槽
5 堰
6 ドレン槽
7 仕切壁
8、11 堰
9 循環ポンプ
10 パイプ
12 ドレン排水ポンプ
13 排水管(排水手段)
14 ドレン槽レベル計
15 給水手段

Claims (5)

  1. 配管内を流れる気体に含まれた水分をドレン用配管を通して槽内に排出するするとともに、該槽内に溜められた水によって上記配管内を大気中から遮断する水封装置において、上記ドレン用配管の開口端を水没させて水封する水封槽と、該水封槽からオーバーフローした水を溜めるドレン槽を設け、該ドレン槽に溜められた水を水封槽に戻す循環手段を設けたことを特徴とする水封装置。
  2. 上記水封槽に堰を設け、上記ドレン用配管の開口端から水面高さまでが一定高さを維持するように上記ドレン用配管の開口端位置を設定したことを特徴とする請求項1に記載の水封装置。
  3. 上記堰からオーバーフローした水を上記ドレン槽に溜めるとともに、上記水封槽の水面高さが一定高さを維持するように、上記循環手段を制御したことを特徴とする請求項2に記載の水封装置。
  4. 上記ドレン槽の水面高さを一定に保持するための堰をドレン槽に設けたことを特徴とする特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水封装置。
  5. 上記ドレン槽の水面高さが一定高さを維持するように排水手段および給水手段を設けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の水封装置。
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