JP4530549B2 - 移動体搭載品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は移動体搭載品に関し、より詳細には、車両などの移動体に搭載される電装品(例えば、ラジオ、CD、MDなどのオーディオ装置、テレビ、ナビゲーション装置)などの移動体搭載品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両に搭載される電装品の盗難防止装置として、IDコードをプリセットキーなどより一旦入力すると警戒モード(いわゆる、セキュリティモード)となり、その後、当該電装品と車載バッテリとの接続が一旦絶たれた場合、登録された正規のIDコードを再度入力して警戒モードを解除しないと、電装品が正常に作動しないようにしたものが知られている。
【0003】
このようなIDコード入力式の盗難防止装置が車両に装備されている場合には、当該電装品を盗んだとしても、IDコードを知らない限り、他の車両に取り付けて使用することはできない。従って、かかる盗難防止装置が装備されていることを盗難行為を働こうとする者に知らしめることにより、効果的に盗難行為の抑制を図ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
通常時において、プリセットキーというのはラジオの受信周波数の切り替えなどに使用するものであるので、上記したように、IDコードをプリセットキーを使って入力するためには、ある特定のキーを多重押しするなどして、IDコードを入力可能な状態にする必要がある。
【0005】
このように、従来の盗難防止装置では、警戒モードへの設定、解除に大変な手間がかかっていた。また、IDコードには数字しか用いることができないといった不便さもあった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、警戒モード(セキュリティモード)への設定や解除などを簡単、かつ確実に行うことのできる盗難防止機能が装備された移動体搭載品を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記目的を達成するために本発明に係る移動体搭載品(1)は、車両などの移動体に搭載される電装品などの搭載品で、盗難を防止する機能が装備されたものであり、コードが登録されると、前記搭載品の盗難を警戒する警戒モードを設定する第1の警戒モード設定手段と、前記警戒モードが設定されているときに、前記コードが登録されると、前記警戒モードを解除する第1の警戒モード解除手段と、前記搭載品の正常動作禁止モードが設定されているときに、前記コードが登録されると、前記正常動作禁止モードを解除する第1の禁止モード解除手段とのうちの少なくとも1手段を備えた移動体搭載品において、ナビゲーション装置などのディスプレイとして利用される表示手段と、コードを構成する文字、記号などが複数配置されたコード登録画面を前記表示手段に表示させる第1の表示制御手段と、前記コード登録画面を通じて、前記コードを入力して登録するためのコード入力手段とを備えていることを特徴としている。
【0008】
上記した移動体搭載品(1)によれば、前記警戒モードの設定や解除、又は前記正常動作禁止モードの解除を行うためのコード入力を、前記表示手段に表示される前記コード登録画面を通じて行うので、従来に比べて、非常に簡単かつ確実にコードの入力を行うことができる。
【0009】
例えば、前記コード登録画面を後述する図4に示したような画面とし、コードを構成する文字や記号などの決定をポインタPの操作で行うようにすることによって、非常に簡単かつ確実にコードの入力を行うことができるようになる。また、数字だけでなく、英字や記号なども使用することが可能となるので、正規の所有者にとって覚え易いコードを登録しておくことができる。
【0010】
また本発明に係る移動体搭載品(2)は、車両などの移動体に搭載される電装品などの搭載品であり、盗難を防止する機能が装備された移動体搭載品において、特定地点の登録を行うための登録設定機能を有し、該登録設定機能を使って、所望の地点が登録されると、前記搭載品の盗難を警戒する警戒モードを設定する第2の警戒モード設定手段を備えていることを特徴している。
【0011】
また本発明に係る移動体搭載品(3)は、上記移動体搭載品(2)において、前記登録設定機能が、ナビゲーション装置における特定地点の登録を行うための登録設定機能であることを特徴としている。
【0012】
また本発明に係る移動体搭載品(4)は、上記移動体搭載品(2)又は(3)において、前記登録設定機能が、自宅の位置の登録を行うためのものであり、前記第2の警戒モード設定手段が、前記登録設定機能を使って、自宅の位置が登録されると、前記警戒モードを設定するものであることを特徴としている。
【0013】
上記した移動体搭載品(2)〜(4)のいずれかによれば、前記登録設定機能を使うことによって前記警戒モードの設定を行うので、従来のようにコード入力を行わなくとも、例えば、住所や電話番号、ディスプレイに表示される地図などから前記所望の地点を登録するといった簡単な操作を行うだけで、前記警戒モードを設定することができる。
【0014】
さらに上記した移動体搭載品(3)によれば、前記所望の地点の登録に、ナビゲーション装置における特定地点の登録を行うための登録設定機能を使うので、新たな登録設定機能を設ける必要がない。従って、装置の簡素化とコストの低減化を図ることができる。
【0015】
また、ナビゲーション装置の使用開始時には、初期設定の一つとして、所有者の自宅の位置や、頻繁に訪れる場所などを登録しておく場合が多い。そのため、この登録を受けて前記警戒モードの設定を行うようにしておけば、前記警戒モードの設定のためだけの操作を全く必要としなくなるので、使用者にとって非常に使い勝手の良い、優れた装置を実現することができる。
【0016】
また上記した移動体搭載品(4)によれば、前記登録設定機能が、自宅の位置の登録を行うためのものであるので、自宅の位置を登録することによって、前記警戒モードの設定を行うことができる。例えば、前記登録設定機能が、ナビゲーション装置における自宅の位置の登録を行うための機能である場合には、ナビゲーション装置の使用開始時に殆どの人が行う自宅位置の登録を受けて、前記警戒モードの設定を行うことができるので、全く無駄のない、非常に優れた装置を実現することができる。
【0017】
また本発明に係る移動体搭載品(5)は、上記移動体搭載品(2)〜(4)のいずれかにおいて、前記警戒モードを解除する第2の警戒モード解除手段と、前記移動体の位置情報を検出する位置情報検出手段と、該位置情報検出手段により検出される位置情報に基づいて、前記移動体が前記所望の地点に存在しているか否かを判断する位置判断手段とを備え、前記第2の警戒モード解除手段が、前記位置判断手段により、前記移動体が前記所望の地点に存在していると判断されたときに限り、前記警戒モードを解除するものであることを特徴としている。
【0018】
また本発明に係る移動体搭載品(6)は、上記移動体搭載品(5)において、特定地点の登録を取り消すための登録取消機能を有し、前記警戒モードが設定されているときに、前記移動体が前記所望の地点に存在し、前記登録取消機能を使って、前記所望の地点の登録が取り消されると、前記第2の警戒モード解除手段が、前記警戒モードを解除するものであることを特徴としている。
【0019】
上記した移動体搭載品(5)又は(6)によれば、前記移動体が前記所望の地点に存在しているとき(例えば、車両が自宅に戻っているとき)に限り、前記警戒モードの解除を行うことができるので、安全性の向上を図ることができる。
【0020】
上記した移動体搭載品(6)によれば、前記登録取消機能を使うことによって前記警戒モードの解除を行うので、従来のようにコード入力を行わなくとも、前記所望の地点の登録を取り消すといった簡単な操作を行うだけで、前記警戒モードを解除することができる。
【0021】
また本発明に係る移動体搭載品(7)は、上記移動体搭載品(2)〜(6)のいずれかにおいて、前記搭載品の異常を検出する異常検出手段と、前記警戒モードが設定されているときに、前記異常検出手段により、前記搭載品の異常が検出されると、前記搭載品を正常動作禁止モードに設定する禁止モード設定手段と、前記正常動作禁止モードを解除する第2の禁止モード解除手段と、前記移動体の位置情報を検出する位置情報検出手段と、該位置情報検出手段により検出される位置情報に基づいて、前記移動体が前記所望の地点に存在しているか否かを判断する位置判断手段とを備え、前記第2の禁止モード解除手段が、前記位置判断手段により、前記移動体が前記所望の地点に存在していると判断されたときに限り、前記正常動作禁止モードを解除するものであることを特徴としている。
【0022】
また本発明に係る移動体搭載品(8)は、上記移動体搭載品(7)において、特定地点の登録を取り消すための登録取消機能を有し、前記正常動作禁止モードが設定されているときに、前記移動体が前記所望の地点に存在し、前記登録取消機能を使って、前記所望の地点の登録が取り消されると、前記第2の禁止モード解除手段が、前記正常動作禁止モードを解除するものであることを特徴としている。
【0023】
上記した移動体搭載品(7)又は(8)によれば、前記移動体が前記所望の地点に存在しているとき(例えば、車両が自宅に戻っているとき)に限り、前記正常動作禁止モードの解除を行うことができるので、安全性の向上を図ることができる。
【0024】
上記した移動体搭載品(8)によれば、前記登録取消機能を使うことによって前記正常動作禁止モードの解除を行うので、従来のようにコード入力を行わなくとも、前記所望の地点の登録を取り消すといった簡単な操作を行うだけで、前記正常動作禁止モードを解除することができる。
【0025】
また本発明に係る移動体搭載品(9)は、上記移動体搭載品(6)又は(8)において、前記登録取消機能が、ナビゲーション装置における特定地点の登録を取り消すための登録取消機能であることを特徴としている。
【0026】
上記した移動体搭載品(9)によれば、前記所望の地点の登録の取り消しに、ナビゲーション装置における特定地点の登録の取り消しを行うための登録取消機能を使うので、新たな登録取消機能を設ける必要がない。従って、装置の簡素化とコストの低減化を図ることができる。
【0027】
また本発明に係る移動体搭載品(10)は、車両などの移動体に搭載される電装品などの搭載品であり、盗難を防止する機能が装備された移動体搭載品において、ナビゲーション装置などのディスプレイとして利用される表示手段と、前記搭載品に電源が投入されると、所定の画面を前記表示手段に表示させる第2の表示制御手段とを備え、前記所定の画面には、前記搭載品の所有者、又は該所有者に相当する者を特定するための所有者情報と、前記搭載品に盗難防止機能が装備されている旨を示す情報とのうちの少なくとも1情報が配置されていることを特徴としている。
【0028】
また本発明に係る移動体搭載品(11)は、上記移動体搭載品(10)において、前記所有者情報を構成する文字、記号などが複数配置された所有者情報登録画面を前記表示手段に表示させる第3の表示制御手段と、前記所有者情報登録画面を通じて、前記所有者情報を入力して登録するための所有者情報入力手段とを備えていることを特徴としている。
【0029】
上記した移動体搭載品(10)又は(11)によれば、前記搭載品に電源が投入される(例えば、イグニッションスイッチがACCポジションにセットされ、前記搭載品にACC電源系から給電される)と、前記表示手段に、前記搭載品の所有者、又は該所有者に相当する者を特定するための所有者情報(例えば、所有者の名前や連絡先)や、前記搭載品に盗難防止機能が装備されている旨を示す情報(例えば、「盗難防止機能作動中」といったメッセージ)を表示する。
【0030】
このように、前記盗難防止機能が装備されている旨を示す情報をディスプレイに表示するので、従来に比べて、前記搭載品がセキュリティー対応品であることを非常に分かり易くすることができる。また、正規の所有者を特定するための情報をディスプレイに表示するので、仮に前記搭載品が盗まれたとしても、ブラックマーケットに流れずに、正規の所有者の手元に戻ってくる可能性を高くすることができる。
【0031】
上記した移動体搭載品(11)によれば、前記所有者、又は該所有者に相当する者を特定するための情報の入力を、前記表示手段に表示される前記所有者情報登録画面を通じて行うので、非常に簡単かつ確実に前記情報の入力を行うことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る移動体搭載品の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、実施の形態(1)に係る移動体搭載品を採用したオーディオ(Audio )&ナビゲーション(Navigation)システム(以下、ANシステムと記す)の要部を概略的に示したブロック図である。
【0033】
図1に示したANシステムにおいては、車速から演算して走行距離を取得するための車速センサ2と、進行方向を取得するためのジャイロセンサ3とがマイコン1に接続されており、マイコン1は、演算した走行距離、及び進行方向に基づいて自車位置を割り出すようになっている(自律航法)。
【0034】
GPS受信機4は、アンテナ5を介して衛星からのGPS信号を受信するものであり、マイコン1に接続されており、マイコン1は、GPS信号に基づいて自車位置を割り出すようになっている(GPS航法)。
【0035】
また、電子地図データ等が記憶されたDVD−ROM7(CD−ROMなどの大容量記憶装置も可能)から電子地図データ等を取り込むことのできるDVDドライブ6がマイコン1に接続されており、マイコン1は、割り出した自車位置と電子地図データとを合わせる(いわゆる、マップマッチング処理を行う)ことによって、自車位置が正確に示された地図を表示パネル9cへ表示するようになっている。
【0036】
また、リモコン8に設けられたジョイスティック8aやボタンスイッチ8bから出力されたスイッチ信号や、表示装置9に設けられたジョイスティック9aやボタンスイッチ9bから出力されたスイッチ信号がマイコン1に入力され、これらスイッチ信号に応じた処理がマイコン1で行われるようになっている。例えば、マイコン1は、これらスイッチから移動目的地の情報を取り込むと、自車位置から目的地までの最適ルートを探索し、これを誘導ルートとして地図と共に表示パネル9c上に表示するようになっている。
【0037】
さらに、マイコン1には受信機10と、CDドライブ12と、カセットデッキ14とが接続されており、マイコン1は、アンテナ11及び受信機10を介して、放送局などからの電波を受信したり、CD13やカセットテープ(図示せず)から音楽情報などを取得し、アンプ15を介して、スピーカ16から放送内容や音楽などを出力させることができるようになっている。
【0038】
また、マイコン1にはバッテリ17が接続されており、バッテリ17から電力が供給されるようになっている。また、マイコン1は、バッテリ17との接続が切断されたか否かを検出することができるようになっている。
【0039】
実施の形態(1)に係る移動体搭載品を採用したANシステムにおけるマイコン1の行う処理動作〈1〉を図2に示したフローチャートに基づいて説明する。まず、ANシステムに異常が検出されたか否か、例えば、マイコン1とバッテリ17との間の接続が遮断(電源切断)されたか否かを判断し(ステップS1)、遮断されたと判断すれば、ANシステムに警戒モードが設定されているか否かを判断する(ステップS2)。
【0040】
警戒モードに設定されている(すなわち、警戒モードの設定中にマイコン1とバッテリ17との電気的な接続が遮断された)と判断すれば、車両に搭載されている電装品の盗難が発生したと看做してANシステムを正常動作禁止モードに設定する(ステップS3)。一方、警戒モードに設定されていないと判断すれば、ANシステムを正常動作禁止モードに設定する必要がないので、ステップS3における処理を行わずに、そのまま処理動作〈1〉を終了する。なお、マイコン1とバッテリ17との電気的な接続が遮断される場合としては、盗難時以外では、バッテリ17の交換、あるいはANシステムのメンテナンス時などが挙げられる。
【0041】
他方、マイコン1とバッテリ17との間の接続が遮断されていないと判断すれば、表示装置9に装備されている主電源スイッチ9dがONされて、電源が投入されたか否かを判断する(ステップS4)。
【0042】
電源が投入されていないと判断すれば、そのまま処理動作〈1〉を終了し、電源が投入されたと判断すれば、ANシステムにおけるユーザー名(例えば、所有者の名前)が登録されているか否か(後述するステップS15〜S17参照)を判断し(ステップS5)、ユーザー名(ここでは、「山田太郎」)が登録されていると判断すれば、図3(a)に示したような画面を表示パネル9cに表示するように表示装置9を制御し(ステップS6)、その後、ステップS8へ進む。一方、ユーザー名が登録されていないと判断すれば、図3(b)に示したような画面を表示パネル9cに表示するように表示装置9を制御し(ステップS7)、その後、ステップS8へ進む。
【0043】
ステップS8では、ユーザーから警戒モード設定/解除画面の表示指示があったか否か、すなわち、図3(a)、(b)に示した画面を通じて、「セキュリティ」ボタンが選択されたか否かを判断し(ステップS8)、「セキュリティ」ボタンが選択されていないと判断すれば、メニュー画面の表示指示があったか否か、すなわち、図3(a)、(b)に示した画面を通じて、「メニュー」ボタンが選択されたか否かを判断し(ステップS9)、「メニュー」ボタンが選択されていないと判断すれば、ステップS8へ戻る。なお。「セキュリティ」ボタンや「メニュー」ボタンの選択方法としては、ジョイスティック8a、9aを操作することによってポインタPを使って選択する方法や、ボタンスイッチ9bを押下することによって選択する方法が挙げられる。
【0044】
一方、ステップS9における判断処理で、「メニュー」ボタンが選択されたと判断すれば、ANシステムに正常動作禁止モードが設定されているか否かを判断し(ステップS10)、正常動作禁止モードが設定されていないと判断すれば、ANシステムの動作に制約を加える必要がないので、メニュー画面を表示パネル9cに表示するように表示装置9を制御する。なお、これ以降の処理動作については、従来通りに行えば良いのでここではその説明を省略する。他方、正常動作禁止モードが設定されていると判断すれば、メニュー画面を表示させずに、ステップS8へ戻る。
【0045】
ステップS8における判断処理で、警戒モード設定/解除画面の表示指示があった、すなわち「セキュリティ」ボタンが選択されたと判断すれば、ANシステムに正常動作禁止モードが設定されているか否かを判断し(ステップS11)、正常動作禁止モードが設定されていないと判断すれば、次に、ANシステムに警戒モードが設定されているか否かを判断する(ステップS12)。
【0046】
警戒モードが設定されていないと判断すれば、図4に示したような「警戒モード設定(IDコードの登録)」画面を表示パネル9cに表示するように表示装置9を制御する(ステップS13)。なお、ユーザーは前記画面を通じて、リモコン8に設けられたジョイスティック8aやボタンスイッチ8b、表示装置9に設けられたジョイスティック9aやボタンスイッチ9bなどを操作することによって、IDコードの入力を行うことができるようになっている。
【0047】
その後、ユーザー自身が自由に決めることのできるIDコードの入力が完了したか否かを判断し(ステップS14)、IDコードの入力が完了したと判断すれば、図5に示したような「警戒モード設定(ユーザー名の登録)」画面を表示パネル9cに表示するように表示装置9を制御する(ステップS15)。その後、ユーザー名の入力が完了したか否かを判断し(ステップS16)、ユーザー名の入力が完了したと判断すれば、IDコードとユーザー名とをマイコン1内に設けられている不揮発性メモリであるEEPROM21へ書き込み(ステップS17)、ANシステムを警戒モードに設定する(ステップS18)。
【0048】
他方、ステップS12における判断処理で、ANシステムに警戒モードが設定されていると判断すれば、図6に示したような「警戒モード解除」画面を表示パネル9cに表示するように表示装置9を制御する(ステップS19)。その後、IDコードの入力が完了したか否かを判断し(ステップS20)、IDコードの入力が完了したと判断すれば、入力されたIDコードが正規のIDコード(すなわち、EEPROM21に書き込まれているIDコード)であるか否かを判断する(ステップS21)。
【0049】
正規のIDコードであると判断すれば、ANシステムの警戒モードを解除する(ステップS22)。一方、正規のIDコードでないと判断すれば、警戒モードを解除することはできないので、そのまま処理動作〈1〉を終了する。
【0050】
また、ステップS11における判断処理で、ANシステムに正常動作禁止モードが設定されていると判断すれば、図7に示したような「禁止モード解除」画面を表示パネル9cに表示するように表示装置9を制御し(ステップS23)、その後、IDコードの入力が完了したか否かを判断する(ステップS24)。IDコードの入力が完了したと判断すれば、入力されたIDコードが正規のIDコード(すなわち、EEPROM21に書き込まれているIDコード)であるか否かを判断する(ステップS25)。
【0051】
正規のIDコードであると判断すれば、ANシステムの正常動作禁止モードを解除する(ステップS26)。一方、正規のIDコードでないと判断すれば、正常動作禁止モードを解除することはできないので、そのまま処理動作〈1〉を終了する。
【0052】
上記実施の形態(1)に係る移動体搭載品によれば、ANシステムに対する警戒モードの設定や解除、正常動作禁止モードの解除を行うためのコード入力を、表示パネル9cに表示される画面を通じて行うので、従来に比べて、非常に簡単かつ確実にコードの入力を行うことができる。また、数字だけでなく、英字や記号なども使用することが可能となるので、使用者にとって覚え易いコードを登録しておくことができる。
【0053】
次に、実施の形態(2)に係る移動体搭載品を採用したANシステムについて説明する。但し、実施の形態(2)に係る移動体搭載品を採用したANシステムの構成については、マイコン1及びEEPROM21を除いて、図1に示したANシステムの構成と同様であるため、マイコン及びEEPROMには異なる符号を付して説明し、その他の構成部分の説明をここでは省略する。
【0054】
実施の形態(2)に係る移動体搭載品を採用したANシステムにおけるマイコン1Aの行う処理動作〈2〉を図8に示したフローチャートに基づいて説明する。まず、ANシステムに異常が検出されたか否か、例えば、マイコン1Aとバッテリ17との間の接続が遮断(電源切断)されたか否かを判断し(ステップS31)、遮断されたと判断すれば、ANシステムに警戒モードが設定されているか否かを判断する(ステップS32)。
【0055】
警戒モードに設定されている(すなわち、警戒モードの設定中にマイコン1Aとバッテリ17との電気的な接続が遮断された)と判断すれば、車両に搭載されている電装品の盗難が発生したと看做してANシステムを正常動作禁止モードに設定する(ステップS33)。一方、警戒モードに設定されていないと判断すれば、ANシステムを正常動作禁止モードに設定する必要がないので、ステップS32における処理を行わずに、そのまま処理動作〈2〉を終了する。
【0056】
他方、マイコン1Aとバッテリ17との間の接続が遮断されていないと判断すれば、表示装置9に装備されている主電源スイッチ9dがONされて、電源が投入されたか否かを判断する(ステップS34)。
【0057】
電源が投入されていないと判断すれば、そのまま処理動作〈2〉を終了し、電源が投入されたと判断すれば、図9に示したような「メニュー」画面を表示パネル9cに表示するように表示装置9を制御し(ステップS35)、その後、ユーザーからナビゲーション用のメニュー画面の表示指示があったか否か、すなわち、図9に示した画面を通じて、「ナビゲーション・メニュー」ボタンが選択されたか否かを判断し(ステップS36)、「ナビゲーション・メニュー」ボタンが選択されていないと判断すれば、ユーザーからその他の指示があったか否かを判断し(ステップS37)、その他の指示もないと判断すれば、ステップS36へ戻る。
【0058】
一方、その他の指示があったと判断すれば、ANシステムに正常動作禁止モードが設定されているか否かを判断し(ステップS38)、正常動作禁止モードが設定されていないと判断すれば、ANシステムの動作に制約を加える必要がないので、ユーザーの指示通りの処理を行う。なお、これ以降の処理動作については、従来通りに行えば良いのでここではその説明を省略する。他方、正常動作禁止モードが設定されていると判断すれば、ユーザーの指示通りには処理を行わず、ステップS36へ戻る。
【0059】
また、ステップS36における判断処理で、ナビゲーション用のメニュー画面の表示指示があった、すなわち「ナビゲーション・メニュー」ボタンが選択されたと判断すれば、図10に示したような「メニュー(ナビゲーション)」画面を表示パネル9cに表示するように表示装置9を制御し(ステップS39)、その後、ユーザーから自宅位置設定画面の表示指示があったか否か、すなわち、図10に示した画面を通じて、「自宅位置設定」ボタンが選択されたか否かを判断し(ステップS40)、「自宅位置設定」ボタンが選択されていないと判断すれば、ユーザーからその他の指示があったか否かを判断し(ステップS41)、その他の指示もないと判断すれば、ステップS40へ戻る。
【0060】
一方、その他の指示があったと判断すれば、ANシステムに正常動作禁止モードが設定されているか否かを判断し(ステップS42)、正常動作禁止モードが設定されていないと判断すれば、ANシステムの動作に制約を加える必要がないので、ユーザーの指示通りの処理を行う。なお、これ以降の処理動作については、従来通りに行えば良いのでここではその説明を省略する。他方、正常動作禁止モードが設定されていると判断すれば、ユーザーの指示通りには処理を行わず、ステップS40へ戻る。
【0061】
また、ステップS40における判断処理で、自宅位置設定画面の表示指示があった、すなわち「自宅位置設定」ボタンが選択されたと判断すれば、図示しない「自宅位置設定」画面を表示パネル9cに表示するように表示装置9を制御する(ステップS43)。ユーザーは、この「自宅位置設定」画面を通じて、自宅の位置を決定したり、又は既に登録されている自宅の位置情報を取り消したりすることができる。なお、自宅位置の決定方法については、従来からのナビゲーション装置に採用されている、住所や電話番号、表示パネル9cに表示される地図などから決定する方法が挙げられる。
【0062】
次に、ユーザーにより自宅の位置が決定されたか否かを判断し(ステップS44)、自宅の位置が決定されたと判断すれば、ANシステムが警戒モードに設定されているか否かを判断し(ステップS45)、警戒モードに設定されていないと判断すれば、自宅の位置情報をマイコン1A設けられているナビゲーション機能用のメモリ(図示せず)と不揮発性メモリであるEEPROM21Aとへ書き込み(ステップS46、S47)、そして、ANシステムを警戒モードに設定する(ステップS48)。一方、ANシステムが警戒モードに設定されていると判断すれば、ステップS46〜S48の処理動作を飛ばして、そのまま処理動作〈2〉を終了する。
【0063】
他方、ステップS44における判断処理で、ユーザーにより自宅の位置が決定されていないと判断すれば、ユーザーにより既に登録されている自宅の位置情報の取り消し指示があったか否かを判断し(ステップS49)、取り消し指示がないと判断すれば、ステップS44へ戻り、取り消し指示があったと判断すれば、ANシステムが警戒モードに設定されているか否かを判断する(ステップS50)。
【0064】
ANシステムが警戒モードに設定されていると判断すれば、GPS信号などに基づいて算出される自車の位置情報を取得し(ステップS51)、取得した位置情報とEEPROM21Aに書き込まれている自宅の位置情報とに基づいて、自車が自宅に存在するか否かを判断し(ステップS52)、自車が自宅に存在する、すなわち自車が自宅に戻っていると判断すれば、ナビゲーション機能用のメモリに書き込まれている自宅の位置情報を消去し(ステップS53)、ANシステムが正常動作禁止モードに設定されているか否かを判断する(ステップS54)。
【0065】
ANシステムが正常動作禁止モードに設定されていないと判断すれば、正常動作禁止モードを解除する必要がないので、警戒モードだけを解除し(ステップS55)、一方、ANシステムが正常動作禁止モードに設定されていると判断すれば、警戒モードと正常動作禁止モードとの両モードを解除する(ステップS56)。
【0066】
他方、ステップS52における判断処理で、自車が自宅に存在しないと判断すれば、警戒モード、及び正常動作禁止モードのいずれをも解除することはできないので、ステップS53〜S56を飛ばして、そのまま処理動作〈2〉を終了する。
【0067】
また、ステップS50における判断処理で、ANシステムが警戒モードに設定されていないと判断すれば、ステップS51〜S56の処理動作を行う必要がないので、そのまま処理動作〈2〉を終了する。
【0068】
上記実施の形態(2)に係る移動体搭載品によれば、自宅位置の登録設定機能や登録取消機能を使うことによって、ANシステムの警戒モードの設定や解除、又は正常動作禁止モードの解除を行うので、従来のようにコード入力を行わなくとも、例えば、住所や電話番号、表示パネル9cに表示される地図などから自宅の位置を登録するといった簡単な操作を行うだけで、警戒モードを設定したり、あるいは自宅位置の取り消しといった簡単な操作を行うだけで、警戒モードや正常動作禁止モードを解除することができる。また、警戒モードや正常動作禁止モードの解除については、自車が自宅に戻っているときに限り行うことができるので、安全性の向上を図ることができる。
【0069】
また上記実施の形態(2)に係る移動体搭載品では、自車が自宅の位置に存在するときに、自宅の位置情報を取り消すことによって、警戒モードや正常動作禁止モードが解除されるようになっているが、別の実施の形態に係る移動体搭載品では、自車が自宅の位置に存在することだけを解除の必須条件として、その他の解除条件については、例えば、特定のボタンをONするといったことであっても良い。
【0070】
また上記実施の形態(2)に係る移動体搭載品では、自宅の位置を登録した場合や、取り消した場合について、警戒モードの設定を行ったり、解除を行ったりするようにしているが、別の実施の形態に係る移動体搭載品では、自宅ではなく、勤務先であるとか、自分の思い出の場所であるとか、そのような地点の登録などに対して、警戒モードの設定や解除を行うようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態(1)に係る移動体搭載品を採用したANシステムの要部を概略的に示したブロック図である。
【図2】 実施の形態(1)に係る移動体搭載品を採用したANシステムにおけるマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図3】 (a)、(b)は実施の形態(1)に移動体搭載品を採用したANシステムの表示パネルに表示される操作画面を示した図である。
【図4】〜【図7】 実施の形態(1)に移動体搭載品を採用したANシステムの表示パネルに表示される操作画面を示した図である。
【図8】 実施の形態(2)に係る移動体搭載品を採用したANシステムにおけるマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図9】、【図10】 実施の形態(2)に移動体搭載品を採用したANシステムの表示パネルに表示される操作画面を示した図である。
【符号の説明】
1、1A マイコン
4 GPS受信機
9 表示装置
17 バッテリ
21、21A EEPROM
Claims (2)
- 移動体に搭載される移動体搭載品において、
該搭載品の盗難を警戒する警戒モードを設定する警戒モード設定手段と、
前記警戒モードを解除する解除手段と、
特定地点の登録を行う地点登録手段とを備えると共に、
前記解除手段による前記警戒モードの解除条件に、前記移動体が前記地点登録手段によって登録された前記特定地点に存在することが含まれていることを特徴とする移動体搭載品。 - 移動体に搭載される移動体搭載品において、
該搭載品の盗難を警戒する警戒モードを設定する警戒モード設定手段と、
前記搭載品の異常を検出する異常検出手段と、
前記警戒モードが設定されているときに、前記異常検出手段により前記搭載品の異常が検出されると、前記搭載品の正常動作を禁止する禁止モードを設定する禁止モード設定手段と、
前記禁止モードを解除する解除手段と、
特定地点の登録を行う地点登録手段とを備えると共に、
前記解除手段による前記禁止モードの解除条件に、前記移動体が前記地点登録手段によって登録された前記特定地点に存在することが含まれていることを特徴とする移動体搭載品。
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