JP4530494B2 - 高周波用複合素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、FET、トランジスタなどの半導体増幅器、特に移動体通信機器やマイクロ波帯通信機に用いる高効率増幅器と非可逆回路素子とを素子基板上に一体的に配設した高周波用複合素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図28は従来の高周波回路装置である。
図28において、200は高周波回路装置で、従来の携帯端末機に代表される無線機に用いられている送信部の一部を構成する。202はアイソレータ、204は高効率増幅器、204aは高効率増幅器204の本体、204bは本体204aを覆うカバー、206はアイソレータ202と高効率増幅器204とを接続する伝送線路、208は回路基板で、図示されてはいないが、高効率増幅器204やアイソレータ202のほかに種々の回路要素が伝送線路により接続されている。
【0003】
移動体通信機器などではアンテナの状態に関わらず、高効率増幅器204を効率よく動作させるために、アイソレータ202に代表される非可逆回路素子を用いる。
高効率増幅器204の入力端子(図示せず)から入力された信号は、高効率増幅器204で増幅され、増幅された信号は伝送線路206、アイソレータ202を経由して、アイソレータ202の出力端子(図示せず)から出力される。アイソレータ202の出力端子より先で反射された反射波はアイソレータ202で遮断されるために、高効率増幅器204に戻ることがないので、高効率増幅器204は高効率動作を保ったまま安定動作が可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
携帯端末機は近年小型化や軽量化が進んでおり、この小型化や軽量化は携帯端末機の開発に当たっての重要な要素となっている。この携帯端末機の小型化や軽量化に寄与する部品は電池で、この電池を小型にすることが携帯端末機の小型化や軽量化に繋がる。
しかしながら電池を単に小型化するだけでは、一定の通話時間を確保するという要求が満たされなくなり、携帯端末機の消費電力を少なくするための回路部品の高効率化が必要である。この回路部品の中で消費電力の大きな割合を占めるのは増幅器であるので、増幅器の高効率化が重要になってくる。
【0005】
一般に高効率増幅器204の出力インピーダンスおよびアイソレータ202の入力インピーダンスは50Ωであり、その間の伝送線路206の特性インピーダンスも50オームに合わせることによって、伝送線路206による損失を小さくし、高効率増幅器204の消費電力を少なくしている。
【0006】
しかしながら携帯端末機の薄型化、小型化によって回路基板208も薄くなる傾向にあり、伝送線路206の特性インピーダンスを50Ωに維持するとすれば、伝送線路206の幅も狭くなり伝送線路の特性インピーダンスがばらつくとともに、高効率増幅器204の出力インピーダンス、アイソレータ202の入力インピーダンスのバラツキと相俟って、インピーダンス整合が適切に行われず、伝送損失が増大し、高効率増幅器204の消費電力を少なくすることが困難になる場合がある。
【0007】
これの最も簡単な対処方法は、高効率増幅器204、アイソレータ202、及び伝送線路206を含む回路基板208の規格に余裕を持たせることであるが、この結果としてコストアップに繋がるという問題点があった。
また、回路基板を設計する設計者は伝送線路の正確なインピーダンス設計が必要となり、開発期間が長くなると言う問題が生じた。
【0008】
この問題点の対処方法の一つは、特開平10−327003号公報に記載された発明で、インピーダンス整合回路を一体的に内蔵したアイソレータを送信電力増幅器に内蔵させ、送信電力増幅器の出力増幅素子の出力端子とアイソレータとを低インピーダンスの伝送線路で接続することにより、回路基板の薄型化に関わらずマイクロストリップ線路を広して、これによってインピーダンス整合不良に対処することにより伝送損失を解消するものである。
【0009】
ただこの場合も送信電力増幅器の回路基板は通常の回路基板を使用しており、回路基板の薄型化に関わらずマイクロストリップ線路を広くできることが、逆に回路基板の平面積を少なくすることに対しての阻害要因にもなり兼ねない。
さらにアイソレータは送信電力増幅器の回路基板上に搭載されている。アイソレータの高さは回路要素部品のなかでも高さが高く、この高さを低くするとアイソレータの特性が劣化するので、あまりその高さを低くできない。このため送信電力増幅器の回路基板上にアイソレータを配置して内蔵させた場合には、送信電力増幅器の薄型化が困難となる場合があった。
【0010】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、第1の目的は、小型でかつその厚みが薄く、回路基板に実装しやすく、安価で、増幅器と非可逆回路素子とを一体的に形成した高効率な高周波用複合素子を提供することである。
【0011】
なお、付言すれば携帯端末機としての携帯電話機は小型化の要求が高く、当然薄型化に対する要求も高い。たとえば日本国内の携帯電話機では、現状において厚さが15mm以下の機種もあり、新製品が出されるたびに1mm単位で薄型化が進む。このため携帯電話機を構成する各部品も薄型化に対する要求が強い。携帯電話機内の回路基板に実装されている電子部品でもっとも厚い部品の一つがアイソレータである。現在のアイソレータの厚さは2mm程度であり、アイソレータの電気的特性を落とさずに、これを0.1mm単位で薄くすることが要求されている。
【0012】
なお、特開平9−270608号公報には送受信装置において、アンプの出力側にアイソレータを設けた回路が記載されている。
また特開2000−58977号公報には、光・高周波通信ユニットにおいて、一つのパッケージの中に、低速の制御信号回路と高周波信号回路を個別の基板に設け、各回路基板にシールドを設け干渉を防止するとともに、高周波信号回路の特性インピーダンスの最適化設計を行なって伝送特性の向上を図った発明が記載されている。
さらに、特開平9−8584号公報には、携帯電話装置等における送信用フィルタおよび分波回路の各回路素子を、多層基板の導電パターンまたはチップ部品で構成し、受信用フィルタにはSAWフィルタを適用して多層基板に実装した発明が記載されている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る高周波用複合素子は、多層基板及びこの多層基板に配設された半導体素子を有する本体とこの本体を覆うカバーとを有する増幅用素子と、磁性体、この磁性体の周囲に配設され互いに絶縁された複数の中心電極、磁性体と中心電極とに磁界を印加する磁石、及び中心電極の一つに接続された入力端子を有する本体組立部とこの本体組立部を遮蔽する遮蔽部とを有する非可逆回路素子と、増幅用素子の出力端子と非可逆回路素子の入力端子とを接続する第1の接続導体とを備えたものである。この構成により増幅用素子が小型に形成できるとともに増幅用素子と非可逆回路素子とが隣接配置されて一体化される。
【0014】
さらに、第1の接続導体の特性インピーダンスを50Ω未満としたものである。この構成により、高周波用複合素子を構成する際のインピーダンス不整合が起こりにくくなる。
【0015】
誘電体基板をさらに備え、第1の接続導体を誘電体基板上に配設された伝送線路とするとともに、増幅用素子と非可逆回路素子とを誘電体基板に一体的に接着したもので、簡単な構成で高周波用複合素子をコンパクトに構成できる。
【0016】
さらに、増幅用素子のカバーと非可逆回路素子の遮蔽部とを一体的に形成したものである。この構成により、素子基板を薄くしながら、素子の曲げ剛性を保持できる。
【0017】
さらに、誘電体基板に凹部を設け、非可逆回路素子、または非可逆回路素子と増幅用素子の両方の、本体または本体組立部の底面を含む一部を凹部に埋設したものである。この構成により、高周波用複合素子の薄型化を図ることができる。
【0018】
さらに、非可逆回路素子と増幅用素子の両方を埋設する樹脂層を誘電体基板上に配設したものである。この構成により高周波用複合素子の薄型化を図るとともに高周波用複合素子の曲げ剛性を高めることができる。
【0019】
さらに、誘電体基板を非可逆回路素子と増幅用素子の側部に配設したものである。この構成により、高周波用複合素子を非可逆回路素子または増幅用素子の高さ程度まで薄型化を図ることができる。
【0020】
さらに、誘電体基板を複数にし、非可逆回路素子と増幅用素子の上側と下側に配設するとともに、伝送線路を上側または下側のいずれか一方の誘電体基板に配設したものである。この構成により、高周波用複合素子の薄型化を図るとともに曲げ剛性を保持することができる。
【0021】
さらに、伝送線路をトリプレートストリップ線路としたものである。この構成により、伝送線路の幅をより小さくできる。
【0022】
また、さらに非可逆回路素子の入力端子と第1の接続導体とを一体的に形成したものである。この構成により、非可逆回路素子の入力端子で直接に増幅用素子の出力端子と接続され、素子基板が不要となる。
【0023】
さらに、第1の接続導体を複数にしたものである。この構成により、非可逆回路素子と増幅用素子とを接続する機械的強度を高めることができる。
【0024】
また、非可逆回路素子の本体組立部を装着する樹脂構造部をさらに有し、この樹脂構造部を増幅用素子側に延在させるとともに増幅用素子の本体をこの樹脂構造部に装着したものである。この構成により簡単な構成で高周波用複合素子の小型化と薄型化を図りながら曲げ剛性を高めることができる。
【0025】
また、非可逆回路素子をアイソレータとしたものである。この構成により、増幅用素子とアイソレータを組み合わせた高周波用複合素子をコンパクトに構成できる。
【0026】
また、非可逆回路素子をサーキュレータとするとともに、終端抵抗およびこの終端抵抗とサーキュレータとを接続する第2の接続導体をさらに備えたものである。この構成により、増幅用素子とサーキュレータを組み合わせた高周波用複合素子をコンパクトに構成できる。
【0027】
さらに、終端抵抗が冷却端を有し、この冷却端を遮蔽部に接触させたものである。この構成により放熱特性のよい高周波用複合素子を構成できる。
【0028】
さらに、第2の接続導体に検波回路が接続されたものである。この構成により、反射電力を測定することができる。
【0029】
また、第1の接続導体に接続された結合回路をさらに備えたものである。この構成により、高周波用複合素子の出力をモニターすることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この実施の形態は、多層基板に半導体素子を配設した増幅器素子とアイソレータとを隣接させ、これらを素子基板上に設けた伝送線路で接続することにより複合素子としたものである。
図1はこの実施の形態にかかる複合素子の斜視図である。
【0031】
図1において、10は高周波用複合素子としての複合素子で、複合素子10は、非可逆回路素子としてのアイソレータ12、増幅用素子としての高効率増幅器14、高効率増幅器14の出力端子(図示せず)とアイソレータ12の入力端子(図示せず)とを接続する伝送線路16が素子基板18に配設されたものである。伝送線路16はマイクロストリップ線路でもコプレーナ線路でもよい。素子基板18は0.2mm程度の厚さで、材料はガラスエポキシである。
高効率増幅器14の入力側は、信号の入力端子、接地端子、および電源端子を、また出力側は信号の出力端子、接地端子、および電源端子を備えている。またアイソレータ12の入力側は信号の入力端子および接地端子を、また出力側は信号の出力端子および接地端子を備えている。
複合素子10は、たとえば携帯端末機の無線送信部基板であるガラスエポキシやセラミクスの回路基板20上の伝送線路(記載せず)によって接続された一つの回路要素であって、他の回路要素と伝送線路で接続され、携帯端末機の無線送信部を形成している。回路基板20の厚さは1mm程度である。
【0032】
図2はアイソレータ12の分解斜視図である。
図2において、22は下面ヨークで、磁性材料、たとえば鉄系材料で形成されている。24は下面ヨーク22上に形成された樹脂ケースで、この樹脂ケース24にアイソレータ本体組立部26が埋め込まれている。アイソレータ本体組立部26はたとえば特開平10−327003号公報に記載された公知のもので、中央に配設されたフェライトなどの磁性体、このフェライトの周りに互いに絶縁されて配置され3つの中心電極及びこの磁性体と中心電極に磁界を印加する磁石から構成されている。
【0033】
三つの中心電極のうち、一つがアイソレータの入力端子に、一つがアイソレータの出力端子に、もう一つが終端抵抗に接続されている。
アイソレータ本体組立部26と樹脂ケース24から構成されるアイソレータ本体28を介して下面ヨーク22と対向して配置された上面ヨーク30は、下面ヨーク22と同様の磁性材料で形成されている。
【0034】
図3は図2のアイソレータのIII−III断面の断面図である。
遮蔽部としての、上面ヨーク30および下面ヨーク22は半田32で接続され磁気回路を形成するように構成される。
図4はアイソレータ12の裏面側から見た下面図である。図4の上下方向がIII−III断面の方向に相当する。34はアイソレータの入力端子、36はアイソレータの出力端子、37は接地端子で、アイソレータ本体28が下面ヨーク22から両側に突出している突出部に設けられている。
【0035】
図5は図1の高効率増幅器14のV−V断面の断面図である。
図5において、40は多層基板で、厚さが0.8mm程度、材料はガラスエポキシまたはガラスセラミクスが使用されている。40aは多層基板40の配線層である。42は多層基板40に形成された回路要素、回路要素42の一つである半導体素子は別途形成されてこの多層基板40上に配設される。この多層基板40と回路要素42で増幅用素子の本体としての高効率増幅器本体44を構成する。46はカバーで、この高効率増幅器本体44を覆うように設けられている。カバー46の高さHは0.7mm程度、カバー46の肉厚h1は0.1mm〜0.15mm程度である。
【0036】
伝送線路16は、通常は50Ωの特性インピーダンスを有するものであるが、この実施の形態においては、50Ω未満の特性インピーダンス、たとえば3〜30Ω、さらに望ましくは10〜20Ωになるように設定されている。
伝送線路16の特性インピーダンスを50Ω未満の低インピーダンスにすることにより、高効率増幅器14の出力インピーダンス、アイソレータ12の入力インピーダンスとのインピーダンス整合が取り易くなり、高効率増幅器14、アイソレータ12、および素子基板18に形成された伝送線路16の規格の余裕度を少なくすることができるので、複合素子10の低価格化に繋がる。
【0037】
次に複合素子10の動作に就いて説明する。
高効率増幅器14で増幅された信号は伝送線路16を伝送され、アイソレータ12を経由して出力端子36から出力される。アイソレータ12より先で反射された反射波は、アイソレータ12の出力端子36からアイソレータ12に戻されるが、アイソレータの入力端子34には戻らずにアイソレータ本体組立部26の中心電極を経由して終端抵抗に流れそこで消費され、反射波が高効率増幅器14に戻らずアイソレータ12で遮断されてしまう。したがって高効率増幅器14は高効率動作を維持することができる。
【0038】
この実施の形態においては、高効率増幅器本体44は、高価であるが配線層40aを立体的に構成でき半導体素子も一体的に形成できる多層基板40を用いて形成され、高効率増幅器本体44の表面積を小さく構成することができる。
アイソレータ12は2mm程度の高さがあり、携帯端末機の部品の中で最も高さの高いものに属する。またアイソレータ12の高さはその特性に大きく影響するので、高さを低くすることはし難い。このために高効率増幅器14の高さはアイソレータ12の高さを越えない限り、高くすることができるので、多層基板40を用いて高効率増幅器本体44の厚みが多少厚くなったとしても、多層基板40を用いることにより高効率増幅器14の平面積を小さくできる効果の方が大きい。
【0039】
すなわちこの実施の形態の複合素子10は、アイソレータ12と高効率増幅器本体44とを素子基板18上に隣接させて伝送線路16で接続することにより、複合素子10の高さを素子基板18の厚みとアイソレータ12の高さとの和の高さ以内にして薄型化をはかり、アイソレータ12の特性を劣化させないようにしている。しかも高効率増幅器14には多層基板40を用いてその平面積を少なくすることにより、複合素子10の占有面積をも少なくしたものである。
【0040】
したがって、従来例の構成のように、増幅器の回路基板上にアイソレータを内蔵させて一体化した場合には、得られない薄型化、小型化が実現できる。
また、この小型化された高効率増幅器14を素子基板18上で、低インピーダンスの伝送線路16を用いてアイソレータ12と一体化した複合素子10を形成することにより、複合素子10の構成部品のインピーダンス整合の余裕度を小さくしても整合が取り易いので、安価で伝送損失の少ない複合素子を構成することができる。
【0041】
さらに高効率増幅器14とアイソレータ12との間の伝送線路16の特性確認を複合素子10組立前に行ない、その特性によって高効率増幅器14、アイソレータ12の特性を調整して複合素子10の特性のばらつきを抑えることができるので、複合素子10の歩留まりを向上させることができる。
また、無線送信部の設計者は高効率増幅器14とアイソレータ12との間の伝送線路16の設計を行なう必要が無くなるので無線送信部の開発期間を短縮することができる。
【0042】
実施の形態2.
この実施の形態は、素子基板を薄くして複合素子の厚さを薄くするとともにアイソレータの上面ヨークと高効率増幅器のカバーとを一体化することにより、素子基板を薄くしたために低下した複合素子の曲げ剛性を補償しようとするものである。
図6はこの実施の形態にかかる複合素子の斜視図である。
【0043】
図6において、50は複合素子、52は遮蔽部としての共通カバーである。共通カバー52は実施の形態1の上面ヨーク30と材料などは基本的には同様のものである。複合素子50の構成は共通カバー52と、素子基板18が薄くされた以外は実施の形態1と同じ構成である。
実施の形態1と同じ符号は同じものか相当のものである。また以下の実施の形態においても同じ符号は同じものか相当のものであることを示す。
【0044】
この実施の形態では、複合素子50の薄型化を実現するために、素子基板18を薄くして行くと、素子基板18の曲げ剛性が低下し、アイソレータ本体28と高効率増幅器本体44とを接続する伝送線路16の部分で曲がったりする。これを防ぐために、鉄系材料で構成されている上面ヨーク30とカバー46とを一体化し、素子基板18を薄くすることにより低下した曲げ剛性を補償し、複合素子50の伝送線路16の部分の曲げ剛性を保持したものである。
この実施の形態の複合素子50は薄型化が図られるとともに曲げ剛性は保持されて機械的信頼性を確保できる。また構成が簡単化され安価になる。
【0045】
実施の形態3.
この実施の形態は、素子基板に凹部を設け、この凹部に底面を含むアイソレータおよび高効率増幅器の一部を埋設し、複合素子を薄く構成したものである。
図7はこの実施の形態にかかる複合素子の分解斜視図である。
【0046】
図7において、56は複合素子、58は素子基板18に設けられた凹部で、アイソレータ12の下面ヨーク22とアイソレータ本体28の下側の一部が、また高効率増幅器本体44の下側の一部が、それぞれ凹部58に埋設される。
アイソレータ本体28、高効率増幅器本体44はそれぞれの側面に、凹部58に埋設されないようにそれぞれの側面から突出した突出部28a、44aを両側に有し、このアイソレータ本体28の突出部28aの下面には入力端子34(図示せず)および出力端子36(図示せず)、また高効率増幅器本体44の突出部44aの下面には入出力端子(図示せず)が設けられ、アイソレータ本体28の入力端子34と高効率増幅器本体44の出力端子とが伝送線路16と接続されている。
【0047】
この実施の形態の複合素子56は、素子基板18の凹部58によってその厚み分だけアイソレータ12や高効率増幅器14を埋設することができるので、素子基板18の厚みを厚くしても複合素子56の厚みが厚くならないので、素子基板18の厚みを、十分な曲げ剛性や機械的強度を持つような厚みにすることができる。
複合素子56の構成は素子基板18に凹部58が設けられ、アイソレータ本体28、高効率増幅器本体44の形状が変化している以外は実施の形態1と同じ構成である。
【0048】
この実施の形態にかかる複合素子56は、アイソレータ12および高効率増幅器14が埋設された深さ分だけ、複合素子を薄く構成することができ、アイソレータ12や高効率増幅器14の厚さと同じ程度の厚さまで薄くすることができる。
この実施の形態では、アイソレータ12と高効率増幅器14の両方を凹部58に埋設するようにしたが、どちらか一方のみを凹部58に埋設するようにしてもよい。
【0049】
また、アイソレータ本体28、高効率増幅器本体44に突出部28a、44aをもうけ、その下面で、伝送線路16等と接続するようにしたが、突出部28a、44aを設け、ここに入出力端子を設ける代わりに、アイソレータ本体28や高効率増幅器本体44の側部にリード等の入出力端子を設けてその下面を素子基板に設けた伝送線路16等に接続するようにしてもよい。また凹部58は貫通穴でも、底を有する穴でもよい。
【0050】
実施の形態4.
この実施の形態は、アイソレータの代わりにサーキュレータを用い、その入出力端子と異なる第3の端子に伝送線路を介して終端抵抗を接続し、サーキュレータの外に終端抵抗を設けて、終端抵抗の放熱を良くしたものである。
図8はこの実施の形態にかかる複合素子の斜視図である。また図9はこの複合素子の等価回路を示す回路図である。
【0051】
図8において、60は複合素子、62は非可逆回路素子としてのサーキュレータ、64はサーキュレータ本体、66は第2の接続導体としての伝送線路、68は終端抵抗である。
サーキュレータ本体64は、その具体的構成は図示していないが、中央に配設されたフェライトなどの磁性体、この磁性体の周りに互いに絶縁されて配置され3つの中心電極及びこの磁性体と中心電極に磁界を印加する磁石と、これらを収納する樹脂ケースなどから構成され、基本的には実施の形態1のアイソレータ本体28と同じ構成であるが終端抵抗が含まれていない構成である。
三つの中心電極のうち、一つがサキュレータ62の入力端子に、一つがサキュレータ62の出力端子に、もう一つの第3の端子が伝送線路66に接続され、この伝送線路66が終端抵抗68に接続されている。
【0052】
サキュレータ62は上面ヨーク30、サーキュレータ本体64及び下面ヨーク22で構成されていて、サーキュレータ本体64が下面ヨーク22から突出した部分に入出力端子が設けられている。この入出力端子が素子基板18に設けられた伝送線路16と接続されている。サキュレータ62と終端抵抗68とを合わせたものがアイソレータと同様の機能を有している。
【0053】
実施の形態1ではアイソレータ12は出力端子36から入力する反射電力をアイソレータ12内に内蔵した終端抵抗で熱に変換されるので、アイソレータ12に熱設計が必要となり、小型化、低価格化に対して制約があったが、この実施の形態では、サキュレータ62の出力端子からサーキュレータ62に入力される反射電力が終端抵抗68で熱に変換されるために、サーキュレータ62の熱設計が不要となり、小型化が可能となる。
【0054】
図10はこの実施の形態の変形例である複合素子の一部破断斜視図である。
図10において、70は複合素子、72は遮蔽部としての遮蔽カバーで、遮蔽カバー72はサキュレータ62の磁気回路を構成しているために磁性材料たとえば鉄系材料で形成され、サーキュレータ本体64の下側にも回り込むように形成されている。
図11は図10のXI−XI断面における複合素子70の断面図である。
図11において示されるように、終端抵抗の冷却端68aを遮蔽カバー72に接触させることにより、終端抵抗68の放熱が良好になる。
【0055】
図12はこの実施の形態の他の変形例である複合素子の等価回路を示す回路図である。
図12において、74は検波回路である。この検波回路74はサキュレータ62と終端抵抗68との間に検波回路74を接続することによって、反射電力を測定することができる。すなわち終端抵抗68と検波回路74との間に、電力検出量を最適とする結合部としてのコンデンサー76を設けることによって、検波が可能となる。
【0056】
実施の形態5.
この実施の形態は、アイソレータと高効率増幅器とを一体的な遮蔽カバーで覆い、アイソレータと遮蔽カバーとを半田で接着し、アイソレータを複合素子として一体化するときの接着強度を改善したものである。
図13はこの実施の形態に係る複合素子の断面図である。
図13において、76は複合素子、78は遮蔽カバーで金属製である。80は半田である。
【0057】
図13において、遮蔽カバー78は高効率増幅器14(図示せず)とアイソレータ12とを覆っている。この複合素子76ではアイソレータ12の上面が接地面で半田80によりアイソレータ12の接地面と遮蔽カバー78とが半田で接着されていて、アイソレータ12の接地が良好になるように改善されるとともにアイソレータ12と遮蔽カバー78との機械的な接着強度も改善される。
図14はこの実施の形態の他の変形例を示す複合素子の断面図である。
図14において、82は複合素子、84は遮蔽カバー78に設けられた開口である。
【0058】
この複合素子82においては、遮蔽カバー78とアイソレータ12接着面である上面に開口84が設けられているので、この開口84を介して遮蔽カバー78とアイソレータ12の上面を半田接着する。この開口84を設けることによって、半田付け作業が容易になるとともに半田の接着状態の確認作業が容易になる。
図15はこの実施の形態の他の変形例を示す複合素子の断面図である。
図15において、86は複合素子である。
この複合素子86では、アイソレータ12の下面および側面で素子基板18と半田接着することにより、アイソレータ12の接地が良好になるように改善されるとともにアイソレータ12と素子基板18との機械的な接着強度も改善される。
【0059】
実施の形態6.
この実施の形態は、アイソレータと高効率増幅器を接続する伝送線路をトリプレートストリップ線路で構成したものである。
図16はこの実施の形態に係る複合素子の断面図である。
図16において、90は複合素子、92は素子基板18に設けられた伝送線路16の一つとして用いたトリプレートストリップ線路である。94は整合回路である。伝送線路16の特性インピーダンスを一定にした場合、マイクロストリップ線路で接続するよりもトリプレートストリップ線路92で接続した方が線路幅を小さくすることができ、複合素子90は小型化される。
【0060】
さらにトリプレートストリップ線路92に整合回路94を接続することによって高効率増幅器14の出力インピーダンス、アイソレータ12の入力インピーダンスおよびトリプレートストリップ線路92の特性インピーダンスのばらつきの補正を容易に行なうことができる。
【0061】
実施の形態7.
この実施の形態は、アイソレータの入力端子を直接に高効率増幅器の出力端子に接続し、伝送線路を設けた素子基板を省略することにより複合素子の厚さを薄くしたものである。
図17はこの実施の形態の複合素子の側面図である。
【0062】
図17において、96は複合素子、98はアイソレータの入力端子で、高効率増幅器本体44の上面に設けられた高効率増幅器14の出力電極(図示せず)に接続しやすいように、アイソレータ12の側面のからリード状に突出している。100は高効率増幅器14に設けられた複合素子96の入力端子、102はアイソレータ12に設けられた複合素子96の出力端子で、それぞれ信号端子、電源端子及び接地端子を有している。この実施の形態では、入力端子100および出力端子102はそれぞれ、高効率増幅器14およびアイソレータ12の底面と同じ高さでリード状に形成されている。
【0063】
複合素子96ではアイソレータ12の入力端子98が直接に高効率増幅器14の出力電極に接続され入力端子98が伝送線路を兼ねるとともにアイソレータ12と高効率増幅器14とを一体化する接続部材の役目を担っている。このため素子基板を必要としない。
それ故、複合素子96の厚みが素子基板分だけ薄く構成できて、アイソレータ12や高効率増幅器14の高さと同じになるので、複合素子の薄型化、軽量化を図ることができる。
また、入力端子98が直接に高効率増幅器14の出力電極に接続され、アイソレータ12と高効率増幅器14とが隣接し、接続線路長が短くなり、伝送損失が少なくなる。
【0064】
さらに、入力端子100および出力端子102はそれぞれ、高効率増幅器14およびアイソレータ12の底面と同じ高さにあるので、複合素子96を回路基板20に実装するときは、表面実装が可能となり、素子の実装に際して機械化が可能となり、実装工程の簡易化、短縮がはかれる。
【0065】
図18はこの実施の形態の他の変形例である複合素子の平面図である。
図18においては、アイソレータ12の入力端子を、単に信号の入力端子だけで構成するのではなく、接地端子なども含めて複数で構成し、高効率増幅器14の出力電極の信号電極や接地電極なども含めて直接接続した構成を示している。この構成によりアイソレータ12の入力端子にかかる機械的負荷を少なくし、機械的強度を高めることにより、複合素子96を扱う際の機械的な信頼性を高めることができる。
さらには電気的な端子のみではなく機械的な保持用接続部材や遮蔽カバーなどを一体化して、個々の入力端子にかかる機械的負荷を少なくし、機械的な信頼性を高めてもよい。
【0066】
実施の形態8.
この実施の形態は、アイソレータと高効率増幅器を一体化する接続部材をアイソレータ、高効率増幅器それぞれの側面に配設し、複合素子を薄型化するものである。
図19はこの実施の形態に係る複合素子の側面図であり、図20はこの複合素子の平面図である。
【0067】
図19および図20において、106は複合素子、108はアイソレータ12と高効率増幅器14とを一体化するための、誘電体基板としての保持基板である。16aは伝送線路16の信号配線で、16bは伝送線路16の接地配線である。
この複合素子106はアイソレータ12と高効率増幅器14それぞれの両側面に保持基板108を接着し、複合素子として一体化したものである。さらに保持基板108に伝送線路、電源電極、接地電極を備えることもできる。
図19および図20において示されたこの伝送線路16は保持基板108に形成されているが、実施の形態1において素子基板18に形成された伝送線路16と同様に、高効率増幅器14の出力端子(図示せず)とアイソレータ12の入力端子(図示せず)とを接続している。
先に示した実施の形態7ではアイソレータの入力端子を直接に高効率増幅器の出力端子に接続し、伝送線路を設けた素子基板を省略することにより複合素子の厚さを薄くしたが、この実施の形態においても、複合素子106はアイソレータ12と高効率増幅器14それぞれの両側面に保持基板108が接着されたことで示されるように、アイソレータ12と高効率増幅器14とを複合素子として一体化するための保持基板108を側面に配設したから、複合素子として一体化するために複合素子の底面に設ける素子基板が不要になり、素子基板分だけ複合素子の厚みが薄くなり、アイソレータ12や高効率増幅器14の高さと同じになるので、複合素子の薄型化を図ることができる。
【0068】
実施の形態9.
この実施の形態は、素子基板上に配設されたアイソレータと高効率増幅器を樹脂層で囲って複合素子の曲げ剛性を高めたものである。
図21はこの実施の形態に係る複合素子の一部透過斜視図である。
図21において、110は複合素子、112は樹脂層である。
【0069】
複合素子110は、素子基板18にアイソレータ12と高効率増幅器14とを半田で接着し、素子基板18に設けられた伝送線路16を介してこれらを接続し、さらにアイソレータ12と高効率増幅器14の周囲に樹脂層112を巡らし、この樹脂層112を基板に接着したもので、素子基板18をできるだけ薄くするとともに、素子基板18を薄くすることによる曲げ剛性の低下を、アイソレータ12と高効率増幅器14の周囲に樹脂112を巡らした樹脂層112により補償したものである。
【0070】
この実施の形態ではアイソレータ12と高効率増幅器14の両方の上面を樹脂層112で覆わないようにして、複合素子110の厚さが増加しないように配慮されているが、アイソレータ12と高効率増幅器14のうち高さの高い方の上面が樹脂層112で覆われないようにすればよい。
この実施の形態に係る複合素子110は、複合素子の薄型化を図りながら、複合素子の機械的な剛性低下を防止し、薄型で機械的強度の点で信頼性の高い複合素子を構成することができる。
【0071】
実施の形態10.
この実施の形態は、素子基板を薄くするとともに複合素子の曲げ剛性を高めるためにアイソレータおよび高効率増幅器それぞれの上面、下面同士を相互に素子基板で接着し一体化したものである。
図22はこの実施の形態に係る複合素子の斜視図である。
図22において、116は複合素子、118は上側素子基板である。
【0072】
この実施の形態に係る複合素子116は、素子基板18にアイソレータ12と高効率増幅器14とを半田で接着し、素子基板18に設けられた伝送線路16を介してこれらを接続し、さらにもう一枚の上側素子基板118とアイソレータ12、高効率増幅器14それぞれの上面とを半田で接着し、相互に接続したものである。
【0073】
素子基板18は薄くすることによって曲げ剛性が低下しするが引張り強さは比較的大きいので、折れ曲がりやすくなるが簡単に破断することはない。このために曲げ剛性を高めれば機械的な信頼性は確保できる。
この実施の形態は、アイソレータ12および高効率増幅器14それぞれの上面、下面同士を相互に上側素子基板118、素子基板18で接着し一体化することによって、複合素子の厚さを薄くしながら、曲げ剛性の低下を防いだもので、複合素子の薄型化を図りながら機械的な信頼性の高い複合素子を得ることができる。
【0074】
実施の形態11.
この実施の形態は、アイソレータの下面ヨーク、樹脂ケース、上面ヨークを横方向に延長し、樹脂ケースにアイソレータ本体組立部と高効率増幅器本体とを隣接して装着するとともに、アイソレータ本体組立部と高効率増幅器本体との間の樹脂ケースの部分に伝送線路を設けてアイソレータ本体組立部と高効率増幅器本体とを接続し、これらを一体的に組み立てることにより複合素子を構成したものである。
【0075】
図23はこの実施の形態に係る複合素子の分解斜視図である。
図23において、120は複合素子、122は上面ヨーク、124は樹脂構造部としての樹脂ケース、124aはアイソレータ用ポケット、124bは増幅器用ポケットで、アイソレータ用ポケット124aと増幅器用ポケット124bとは少し間隔を置いて隣接して樹脂ケース124に設けられている。
【0076】
このアイソレータ用ポケット124aにはアイソレータ本体組立部26が、また増幅器用ポケット124bには高効率増幅器本体44がそれぞれ装着される。アイソレータ用ポケット124aと増幅器用ポケット124bとの間には伝送線路126が配設され、高効率増幅器本体44の出力端子(図示せず)とアイソレータ本体組立部26の入力端子(図示せず)が接続される。このため素子基板が不要となり複合素子の厚みを薄くすることができる。
【0077】
増幅器用ポケット124bには開口124cが設けられている。また下面ヨーク128には、増幅器用ポケット124bと対応する位置に突起部128aが設けられていて、増幅器用ポケット124bの開口124cを介して高効率増幅器本体44の下面と接触し、高効率増幅器本体44の下面の接地面と半田接着される。
図24は、図23のXXIV−XXIV断面の断面図である。
図24は高効率増幅器本体44が増幅器用ポケット124bに装着され、下面ヨーク128の突起部128aが開口124cを介して高効率増幅器本体44の下面と接触している状態を示している。
突起部128aは高効率増幅器本体44の接地面と接続されるとともに、突起部128aは開口124cに挿入されるので、樹脂ケース124と下面ヨーク128とが位置決めされることになる。下面ヨーク128と上面ヨーク122とは半田で接着されるので、突起部128aが開口124cに挿入されることにより、樹脂ケース124と下面ヨーク128と上面ヨークとが複合素子として一体的に構成されることになる。
【0078】
また遮蔽部としての上面ヨーク122と下面ヨーク128とは半田130で接着されアイソレータ側の磁気回路を構成している。
図25はこの実施の形態に係る複合素子の平面図である。この図25は上面ヨーク122を除いた状態で記載されている。
図25から分かるように樹脂ケース124の長さは下面ヨーク128の長さよりも長く、両側で下面ヨーク128から突出した構成になっている。
図26はこの複合素子120の下面図である。
【0079】
図26において、132は複合素子120の入力端子で、134は複合素子120の出力端子である。入力端子132および出力端子134とこれらそれぞれに隣接する接地端子136及び電源端子138とが、樹脂ケース124の下面ヨーク128から突出した部分に配設されている。
アイソレータ本体組立部26及び高効率増幅器本体44は実施の形態1と同様であり、また上面ヨーク122、樹脂ケース124および下面ヨーク128は基本的には実施の形態1と同様である。
【0080】
この実施の形態の複合素子120は、アイソレータに必要な樹脂ケースを延長して、アイソレータ本体組立部26及び高効率増幅器本体44を装着するとともに伝送線路126を設けたので、素子基板を省くことによって複合素子の薄型化を図るとともに、構成を簡略にして複合素子を小型、低価格にできる。
さらに上面ヨーク122、樹脂ケース124および下面ヨーク128をアイソレータと高効率増幅器側とを接続する接続部材とすることにより、複合素子の曲げ剛性を保持し、機械的な信頼性を高めることができる。
【0081】
実施の形態12.
この実施の形態は、アイソレータと高効率増幅器を接続する伝送線路に結合回路を設けたものである。
図27はこの実施の形態に係る複合素子の等価回路の回路図である。
【0082】
図27において、140は複合素子、142はこの複合素子140に設けられた結合回路としての容量で、伝送線路16に並列に接続点Aで接続されている。容量142の具体的構成としては配線を2本並列に配置し容量142として用いてもいいし、チップ部品を容量142として用いてもよい。144はこの複合素子140の、たとえば外部回路として設けられ、接続点Bで容量142と接続された電力測定回路である。
【0083】
この複合素子140の具体的構成は、実施の形態1ないし11のいずれにおいても伝送線路16にコンデンサーを設けたものでよい。
この複合素子140では、高効率増幅器14からアイソレータ12に伝えられる電力の一定の割合の電力が、接続点Bから出力される。この電力を電力測定回路144で測定することによって、高効率増幅器14から出力される電力量をモニターすることができる。
なお上記の各実施の形態において、伝送線路のインピーダンスを50Ω未満として説明したが、50Ωとしても同様の効果がある。
【0084】
【発明の効果】
この発明に係る高周波用複合素子は以上に説明したような構成を備えているので、以下のような効果を有する。
この発明に係る高周波用複合素子によれば、多層基板及びこの多層基板に配設された半導体素子を有する本体とこの本体を覆うカバーとを有する増幅用素子と、磁性体、この磁性体の周囲に配設され互いに絶縁された複数の中心電極、磁性体と中心電極とに磁界を印加する磁石、及び中心電極の一つに接続された入力端子を有する本体組立部とこの本体組立部を遮蔽する遮蔽部とを有する非可逆回路素子と、増幅用素子の出力端子と非可逆回路素子の入力端子とを接続する第1の接続導体とを備えたものである。この構成により増幅用素子が小型に形成できるとともに増幅用素子と非可逆回路素子とが隣接配置されて一体化されているので、高周波用複合素子の厚みを薄く、かつ小型に構成できる。
【0085】
さらに、第1の接続導体の特性インピーダンスを50Ω未満としたものである。この構成により、高周波用複合素子を構成する際のインピーダンス不整合が起こりにくくなる。延いては伝送効率のいい高周波用複合素子を構成することができる。
【0086】
誘電体基板をさらに備え、第1の接続導体を誘電体基板上に配設された伝送線路とするとともに、増幅用素子と非可逆回路素子とを誘電体基板に一体的に接着したもので、簡単な構成で高周波用複合素子をコンパクトに構成できる。
【0087】
さらに、増幅用素子のカバーと非可逆回路素子の遮蔽部とを一体的に形成したものである。この構成により、高周波用複合素子の薄型化を図りながら、曲げ剛性を保持し、機械的信頼性を保持することができる。
【0088】
さらに、誘電体基板に凹部を設け、非可逆回路素子、または非可逆回路素子と増幅用素子の両方の、本体または本体組立部の底面を含む一部を凹部に埋設したもので、この構成により高周波用複合素子の薄型化を図ることができる。
【0089】
さらに、非可逆回路素子と増幅用素子の両方を埋設する樹脂層を誘電体基板上に配設したもので、この構成により高周波用複合素子の薄型化を図るとともに高周波用複合素子の曲げ剛性を高めることができ、延いては薄型で機械的信頼性の高い高周波用複合素子を得ることができる。
【0090】
さらに、誘電体基板を非可逆回路素子と増幅用素子の側部に配設したもので、この構成により高周波用複合素子を非可逆回路素子または増幅用素子の高さ程度まで薄型化を図ることができる。
【0091】
さらに、誘電体基板を複数にし、非可逆回路素子と増幅用素子の上側と下側に配設するとともに、伝送線路を上側または下側のいずれか一方の誘電体基板に配設したもので、この構成により高周波用複合素子の薄型化を図るとともに曲げ剛性を保持することができる。延いては薄型で機械的信頼性も高い高周波用複合素子を得ることができる。
【0092】
さらに、伝送線路をトリプレートストリップ線路としたものである。この構成により、伝送線路の幅をより小さくでき、高周波用複合素子の小型化を図ることができる。
【0093】
また、さらに非可逆回路素子の入力端子と第1の接続導体とを一体的に形成したもので、この構成により非可逆回路素子の入力端子が直接に増幅用素子の出力端子と接続され素子基板が不要となり、高周波用複合素子の小型化、薄型化、低価格化を図ることができる。
【0094】
さらに、第1の接続導体を複数にしたもので、この構成により非可逆回路素子と増幅用素子とを接続する機械的強度を高めることができる。延いては機械的信頼性の高い高周波用複合素子を得ることができる。
【0095】
また、非可逆回路素子の本体組立部を装着する樹脂構造部をさらに有し、この樹脂構造部を増幅用素子側に延在させるとともに増幅用素子の本体をこの樹脂構造部に装着したもので、この構成により高周波用複合素子の小型化と薄型化を図りながら曲げ剛性を高めることができ、小型で厚さが薄く、機械的信頼性も高い高周波用複合素子を得ることができる。また構成が簡単で安価になる。
【0096】
また、非可逆回路素子をアイソレータとしたもので、この構成により増幅用素子とアイソレータを組み合わせた高周波用複合素子をコンパクトに構成できる。
【0097】
また、非可逆回路素子をサーキュレータとするとともに、終端抵抗およびこの終端抵抗とサーキュレータとを接続する第2の接続導体をさらに備えたもので、この構成により増幅用素子とサーキュレータを組み合わせた高周波用複合素子をコンパクトに構成できる。
【0098】
さらに、終端抵抗が冷却端を有し、この冷却端を遮蔽部に接触させたもので、この構成により放熱特性のよい高周波用複合素子を構成できる。
【0099】
さらに、第2の接続導体に検波回路が接続されたもので、この構成により、反射電力を測定することができる高周波用複合素子を得ることができる。
【0100】
また、第1の接続導体に接続された結合回路をさらに備えたもので、この構成により高周波用複合素子の出力をモニターすることができる高周波用複合素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る複合素子の斜視図である。
【図2】 この発明に係るアイソレータの分解斜視図である。
【図3】 図2のアイソレータのIII−III断面の断面図である。
【図4】 この発明に係るアイソレータの下面図である。
【図5】 図1の高効率増幅器のV−V断面の断面図である。
【図6】 この発明に係る複合素子の斜視図である。
【図7】 この発明に係る複合素子の分解斜視図である。
【図8】 この発明に係る複合素子の斜視図である。
【図9】 この発明に係る複合素子の等価回路を示す回路図である。
【図10】 この発明に係る複合素子の一部破断斜視図である。
【図11】 図10のXI−XI断面における複合素子の断面図である。
【図12】 この発明に係る複合素子の等価回路を示す回路図である。
【図13】 この発明に係る複合素子の断面図である。
【図14】 この発明に係る複合素子の断面図である。
【図15】 この発明に係る複合素子の断面図である。
【図16】 この発明に係る複合素子の断面図である。
【図17】 この発明に係る複合素子の側面図である。
【図18】 この発明に係る複合素子の平面図である。
【図19】 この発明に係る複合素子の側面図である。
【図20】 この発明に係る複合素子の平面図である。
【図21】 この発明に係る複合素子の一部透過斜視図である。
【図22】 この発明に係る複合素子の斜視図である。
【図23】 この発明に係る複合素子の分解斜視図である。
【図24】 図23のXXIV−XXIV断面における複合素子の断面図である。
【図25】 この発明に係る複合素子の平面図である。
【図26】 この発明に係る複合素子の下面図である。
【図27】 この発明に係る複合素子の等価回路の回路図である。
【図28】 従来の高周波回路装置である。
【符号の説明】
14 増幅用素子、12,62 非可逆回路素子、16 第1の導電体、18誘電体基板、112 樹脂層、124 樹脂構造部、68 終端抵抗、66 第2の接続導体、74 検波回路、142 結合回路。

Claims (20)

  1. 多層基板及びこの多層基板に配設された半導体素子を有する増幅用素子本体とこの増幅用素子本体を覆うカバーとを有する増幅用素子と、
    磁性体、この磁性体の周囲に配設され互いに絶縁された複数の中心電極、上記磁性体と中心電極とに磁界を印加する磁石、及び上記中心電極の一つに接続された入力端子を有する非可逆回路素子本体とこの非可逆回路素子本体を遮蔽する遮蔽部とを有する非可逆回路素子と、
    上記増幅用素子と非可逆回路素子とが一体的に接着された誘電体基板と、
    この誘電体基板上に配設され上記増幅用素子の出力端子と非可逆回路素子の上記入力端子とを接続する第1の接続導体とを備えるとともに、
    第1の接続導体を伝送線路とし、増幅用素子のカバーと非可逆回路素子の遮蔽部とを一体的に形成したことを特徴とする高周波用複合素子。
  2. 多層基板及びこの多層基板に配設された半導体素子を有する増幅用素子本体とこの増幅用素子本体を覆うカバーとを有する増幅用素子と、
    磁性体、この磁性体の周囲に配設され互いに絶縁された複数の中心電極、上記磁性体と中心電極とに磁界を印加する磁石、及び上記中心電極の一つに接続された入力端子を有する非可逆回路素子本体とこの非可逆回路素子本体を遮蔽する遮蔽部とを有する非可逆回路素子と、
    上記増幅用素子と非可逆回路素子とが一体的に接着された誘電体基板と、
    この誘電体基板上に配設され上記増幅用素子の出力端子と非可逆回路素子の上記入力端子とを接続する第1の接続導体とを備えるとともに、
    第1の接続導体を伝送線路とし、誘電体基板に凹部を設け、非可逆回路素子、または非可逆回路素子と増幅用素子の両方の、増幅用素子本体または非可逆回路素子本体の底面を含む一部を上記凹部に埋設したことを特徴とする高周波用複合素子。
  3. 増幅用素子のカバーと非可逆回路素子の遮蔽部とを一体的に形成したことを特徴とする請求項2記載の高周波用複合素子。
  4. 多層基板及びこの多層基板に配設された半導体素子を有する増幅用素子本体とこの増幅用素子本体を覆うカバーとを有する増幅用素子と、
    磁性体、この磁性体の周囲に配設され互いに絶縁された複数の中心電極、上記磁性体と中心電極とに磁界を印加する磁石、及び上記中心電極の一つに接続された入力端子を有する非可逆回路素子本体とこの非可逆回路素子本体を遮蔽する遮蔽部とを有する非可逆回路素子と、
    上記増幅用素子と非可逆回路素子とが一体的に接着された誘電体基板と、
    この誘電体基板上に配設され上記増幅用素子の出力端子と非可逆回路素子の上記入力端子とを接続する第1の接続導体とを備えるとともに、
    第1の接続導体を伝送線路とし、非可逆回路素子と増幅用素子の一方の誘電体基板表面からの高さが高い方の頂部を除いて周囲を一体的に埋設し、誘電体基板と接着された樹脂層を有することを特徴とした高周波用複合素子。
  5. 増幅用素子のカバーと非可逆回路素子の遮蔽部とを一体的に形成したことを特徴とする請求項4記載の高周波用複合素子。
  6. 誘電体基板に凹部を設け、非可逆回路素子、または非可逆回路素子と増幅用素子の両方の、増幅用素子本体または非可逆回路素子本体の底面を含む一部を上記凹部に埋設したことを特徴とする請求項4または5記載の高周波用複合素子。
  7. 多層基板及びこの多層基板に配設された半導体素子を有する増幅用素子本体とこの増幅用素子本体を覆うカバーとを有する増幅用素子と、
    磁性体、この磁性体の周囲に配設され互いに絶縁された複数の中心電極、上記磁性体と中心電極とに磁界を印加する磁石、及び上記中心電極の一つに接続された入力端子を有する非可逆回路素子本体とこの非可逆回路素子本体を遮蔽する遮蔽部とを有する非可逆回路素子と、
    上記増幅用素子と非可逆回路素子とが一体的に接着された誘電体基板と、
    この誘電体基板上に配設され上記増幅用素子の出力端子と非可逆回路素子の上記入力端子とを接続する第1の接続導体とを備えるとともに、
    第1の接続導体を伝送線路とし、上記誘電体基板が非可逆回路素子および増幅用素子を、この非可逆回路素子および増幅用素子それぞれの側面を介して、一体的に接着するとともに、この誘電体基板に配設された伝送線路により増幅用素子の出力端子と非可逆回路素子の入力端子とが接続されたことを特徴とする高周波用複合素子。
  8. 増幅用素子のカバーと非可逆回路素子の遮蔽部とを一体的に形成したことを特徴とする請求項7記載の高周波用複合素子。
  9. 多層基板及びこの多層基板に配設された半導体素子を有する増幅用素子本体とこの増幅用素子本体を覆うカバーとを有する増幅用素子と、
    磁性体、この磁性体の周囲に配設され互いに絶縁された複数の中心電極、上記磁性体と中心電極とに磁界を印加する磁石、及び上記中心電極の一つに接続された入力端子を有する非可逆回路素子本体とこの非可逆回路素子本体を遮蔽する遮蔽部とを有する非可逆回路素子と、
    上記増幅用素子と非可逆回路素子とが一体的に接着された誘電体基板と、
    この誘電体基板上に配設され上記増幅用素子の出力端子と非可逆回路素子の上記入力端子とを接続する第1の接続導体とを備えるとともに、
    第1の接続導体を伝送線路とし、誘電体基板を複数にし、非可逆回路素子と増幅用素子の上側と下側に配設され、伝送線路は上側または下側のいずれか一方の誘電体基板に配設されたことを特徴とする高周波用複合素子。
  10. 誘電体基板に凹部を設け、非可逆回路素子、または非可逆回路素子と増幅用素子の両方の、増幅用素子本体または非可逆回路素子本体の底面を含む一部を上記凹部に埋設したことを特徴とする請求項9記載の高周波用複合素子。
  11. 増幅用素子のカバーと非可逆回路素子の遮蔽部とを一体的に形成したことを特徴とする請求項10記載の高周波用複合素子。
  12. 伝送線路をトリプレートストリップ線路としたことを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の高周波用複合素子。
  13. 多層基板及びこの多層基板に配設された半導体素子を有する増幅用素子本体とこの増幅用素子本体を覆うカバーとを有する増幅用素子と、
    磁性体、この磁性体の周囲に配設され互いに絶縁された複数の中心電極、上記磁性体と中心電極とに磁界を印加する磁石、及び上記中心電極の一つに接続された入力端子を有する非可逆回路素子本体とこの非可逆回路素子本体を遮蔽する遮蔽部とを有する非可逆回路素子と、
    上記増幅用素子の出力端子と非可逆回路素子の上記入力端子とを接続するとともに非可逆回路素子の上記入力端子と一体的に形成された第1の接続導体と、を備え、
    この第1の接続導体が複数であることを特徴とした高周波用複合素子。
  14. 表面に凹部を有し、この凹部の底面の一部に貫通穴を有する樹脂筐体と、
    この樹脂筐体の凹部に配設され、多層基板及びこの多層基板に配設された半導体素子を有する増幅用素子本体と、
    上記樹脂筐体の凹部に配設され、磁性体、この磁性体の周囲に配設され互いに絶縁された複数の中心電極、上記磁性体と中心電極とに磁界を印加する磁石、及び上記中心電極の一つに接続された入力端子を有する非可逆回路素子本体と
    上記増幅用素子本体と非可逆回路素子本体との間に介在して上記樹脂筐体に配設され、上記増幅用素子の出力端子と非可逆回路素子の上記入力端子とを接続する第1の接続導体と、
    上記増幅用素子本体および非可逆回路素子本体とを含む樹脂筐体の表面側と上記樹脂筐体の裏面側とを遮蔽するとともに上記樹脂筐体の貫通穴に対向して上記樹脂筐体の裏面側から表面側に突出した突起を有する遮蔽部と、を備えた高周波用複合素子。
  15. 非可逆回路素子をアイソレータとしたことを特徴とする請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の高周波用複合素子。
  16. 非可逆回路素子をサーキュレータとするとともに、終端抵抗およびこの終端抵抗と上記サーキュレータとを接続する第2の接続導体をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の高周波用複合素子。
  17. さらに伝熱部材を備え、伝熱部材を介して終端抵抗を遮蔽部に接触させたことを特徴とする請求項16記載の高周波用複合素子。
  18. 第1の接続導体の特性インピーダンスが50Ω未満であることを特徴とする請求項1ないし17のいずれか1項に記載の高周波用複合素子。
  19. 第2の接続導体に検波回路が接続されたことを特徴とする請求項16または17に記載の高周波用複合素子。
  20. 第1の接続導体に接続された結合回路をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし19のいずれか1項に記載の高周波用複合素子。
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