JP4530130B2 - ポリマー膜の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリマー膜の形成方法に関する。
従来、半導体素子などにおける層間絶縁膜として、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などの真空プロセスで形成されたシリカ(SiO)膜が多用されている。そして、近年、より均一な層間絶縁膜を形成することを目的として、SOG(Spin on Glass)膜と呼ばれるテトラアルコキシランの加水分解生成物を主成分とする塗布型の絶縁膜も使用されるようになっている。また、半導体素子などの高集積化に伴い、有機SOGと呼ばれるポリオルガノシロキサンを主成分とする低比誘電率の層間絶縁膜が開発されている。
特に半導体素子などのさらなる高集積化や多層化に伴い、より優れた導体間の電気絶縁性が要求されており、したがって、より低比誘電率でかつクラック耐性、機械的強度に優れた層間絶縁膜材料が求められるようになっている。
低比誘電率の材料としては、アンモニアの存在下にアルコキシシランを縮合して得られる微粒子とアルコキシシランの塩基性部分加水分解物との混合物からなる組成物(特開平5−263045号公報、同5−315319号公報)や、ポリアルコキシシランの塩基性加水分解物をアンモニアの存在下で縮合することにより得られた塗布液(特開平11−340219号公報、同11−340220号公報)が提案されている。しかしながら、これらの方法で得られる材料は、反応の生成物の性質が安定せず、塗膜の比誘電率、クラック耐性、機械的強度、密着性などのバラツキも大きいため、工業的生産には不向きであった。また、ポリカルボシラン溶液とポリシロキサン溶液を混合することにより塗布液を調製し、低誘電率絶縁膜を形成する方法(特開2001−127152号公報)が提案されているが、この方法ではカルボシランとシロキサンのドメインが不均一な状態で塗膜中にそれぞれ分散してしまうという問題があった。
さらに、近年の半導体装置の製造プロセスにおいては、膜の平坦化を目的としてCMP(Chemical Mechanical Polishing)工程が用いられている。そのため、絶縁膜材料に高いCMP耐性が求められている。また、半導体装置の製造プロセスにおいては、層間絶縁膜のエッチングあるいはレジストのアッシングの後に洗浄が行われ、この洗浄工程では、希フッ酸等の薬液が用いられる。そのため、絶縁膜材料には、高い薬液耐性が求められている。
特開平5−263045号公報 特開平5−315319号公報 特開平11−340219号公報 特開平11−340220号公報 特開2001−127152号公報
本発明は、均一な膜質が得られ、さらに比誘電率が小さく、機械的強度、CMP耐性および薬液耐性に優れたポリマー形成方法を提供することにある。
本発明に係るポリマーの製造方法は、(A)加水分解性基含有シランモノマーおよび/またはその加水分解縮合物と、(B)環状カルボシランとを混合し、することを含む。
本発明に係るポリマーの製造方法は、(A)加水分解性基含有シランモノマーおよび/またはその加水分解縮合物と、(B)環状カルボシランとを、有機溶媒存在下で混合し、加熱することを含む。
前記(A)加水分解性基含有シランモノマーは、下記一般式(1)および(2)で表される化合物の群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物であることができる。
SiX4−a ・・・・(1)
(式中、Rは水素原子,フッ素原子または1価の有機基、Xはアルコキシ基またはハロゲン元素、aは0〜3の整数を示す。)
3−bSi−(R−SiZ3−c ・・・(2)
〔式中、RおよびRは同一または異なり、それぞれ1価の有機基、bおよびcは同一または異なり、0〜3の整数を示し、Rは酸素原子,フェニレン基または−(CH−で表される基(ここで、eは1〜6の整数である)、YおよびZは同一または異なり、アルコキシ基またはハロゲン元素、dは0または1を示す。〕
前記(B)環状カルボシランは、下記一般式(3)で表される化合物の群から選ばれた少なくとも1種の環状カルボシランであることができる。
Figure 0004530130
(式中、R〜Rは同一または異なり、水素原子,ハロゲン原子,ヒドロキシル基、アルコキシル基,スルホン基、メタンスルホン基、トリフルオロメタンスルホン基または1価の炭化水素基、mは1〜6の整数、nは1〜10の整数を示す。)
本発明に係るポリマーの製造方法よれば、(A)加水分解性基含有シランモノマーおよび/またはその加水分解縮合物と、(B)環状カルボシランとを混合し、加熱することにより、ポリシロキサンとポリカルボシランとが複合化されたポリマーを得ることができる。このポリマーは、ポリシロキサンとポリカルボシランとをブレンドした場合のように、膜中に相分離を発生することがない。このような特定のポリマーを含有する膜形成用組成物を用いることにより、比誘電率が小さく、機械的強度、CMP耐性ならびに薬液耐性に優れたポリマー膜を得ることができる。
本発明に係るポリマーは、上述した本発明に係る製造方法によって得られる。
本発明に係るポリマー膜形成用組成物は、本発明に係るポリマーを含有する。
本発明に係るポリマー膜の形成方法は、本発明に係るポリマー膜形成用組成物を基板に塗布し、30〜450℃に加熱することを含むことができる。
本発明に係るポリマー膜の形成方法は、本発明に係るポリマー膜形成用組成物を基板に塗布し、高エネルギー線の照射下で30〜450℃に加熱することを含むことができる。
本発明に係るシリカ系のポリマー膜は、本発明に係るポリマー膜の形成方法により得られる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明のポリマーは、例えば、前記一般式(1)および(2)で表される化合物の群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物と、前記一般式(3)で表される化合物の群から選ばれた少なくとも1種の環状カルボシランとを、有機溶媒中で触媒の存在下で混合し、加熱して得られる。
1.加水分解性基含有シランモノマー
まず、一般式(1)または(2)で表されるシラン化合物について説明する。
1.1.一般式(1)で表される化合物
前記一般式(1)において、Rは水素原子,フッ素原子または1価の有機基である。1価の有機基としては、アルキル基、アリール基、アリル基、グリシジル基などを挙げることができる。また、一般式(1)において、Rは1価の有機基、特にアルキル基またはフェニル基であることが好ましい。
ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基などが挙げられ、好ましくは炭素数1〜5である。これらのアルキル基は鎖状でも、分岐していてもよく、さらに水素原子がフッ素原子などに置換されていてもよい。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基などを挙げることができる。
また、前記一般式(1)において、Xはアルコキシ基またはハロゲン原子である。Xのアルコキシル基の炭化水素部位については、Rの1価の有機基として挙げられたものを例示できる。
一般式(1)で表される化合物(以下、「化合物1」ともいう)の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリ−n−プロポキシシラン、トリ−iso−プロポキシシラン、トリ−n−ブトキシシラン、トリ−sec−ブトキシシラン、トリ−tert−ブトキシシラン、トリフェノキシシラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、フルオロトリ−n−プロポキシシラン、フルオロトリ−iso−プロポキシシラン、フルオロトリ−n−ブトキシシラン、フルオロトリ−sec−ブトキシシラン、フルオロトリ−tert−ブトキシシラン、フルオロトリフェノキシシランなど;
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−sec−ブトキシシラン、メチルトリ−tert−ブトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−sec−ブトキシシラン、エチルトリ−tert−ブトキシシラン、エチルトリフェノキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−プロポキシシラン、ビニルトリ−iso−プロポキシシラン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリ−sec−ブトキシシラン、ビニルトリ−tert−ブトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−sec−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、n−プロピルトリフェノキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、i−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、i−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、i−プロピルトリ−sec−ブトキシシラン、i−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、i−プロピルトリフェノキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、n−ブチルトリフェノキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチルトリエトキシシラン、sec−ブチル−トリ−n−プロポキシシラン、sec−ブチル−トリ−iso−プロポキシシラン、sec−ブチル−トリ−n−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリ−sec−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリ−tert−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリフェノキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、t−ブチルトリフェノキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−iso−プロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−sec−ブトキシシラン、フェニルトリ−tert−ブトキシシラン、フェニルトリフェノキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−トリフロロプロピルトリエトキシシランなど;
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジメチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジメチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジメチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジメチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジエチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジエチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジエチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジエチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−フェノキシシラン、ジ−iso−プロピルジメトキシシラン、ジ−iso−プロピルジエトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−フェノキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジ−sec−ブチルジメトキシシラン、ジ−sec−ブチルジエトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニル−ジ−エトキシシラン、ジフェニル−ジ−n−プロポキシシラン、ジフェニル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジフェニル−ジ−n−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、ジビニルトリメトキシシランなど;
テトラクロロシラン、テトラブロモシラン、テトラヨードシラン、トリクロロシラン、トリブロモシラン、トリヨードシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、イソプロピルトリクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、t−ブチルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、フェネチルトリクロロシラン、2−ノルボルニルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、メチルトリブロモシラン、エチルトリブロモシラン、n−プロピルトリブロモシラン、イソプロピルトリブロモシラン、n−ブチルトリブロモシラン、t−ブチルトリブロモシラン、シクロヘキシルトリブロモシラン、フェネチルトリブロモシラン、2−ノルボルニルトリブロモシラン、ビニルトリブロモシラン、フェニルトリブロモシラン、メチルトリヨードシラン、エチルトリヨードシラン、n−プロピルトリヨードシラン、イソプロピルトリヨードシラン、n−ブチルトリヨードシラン、t−ブチルトリヨードシラン、シクロヘキシルトリヨードシラン、フェネチルトリヨードシラン、2−ノルボルニルトリヨードシラン、ビニルトリヨードシラン、フェニルトリヨードシラン、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジ−n−プロピルジクロロシラン、ジイソプロピルジクロロシラン、ジ−n−ブチルジクロロシラン、ジ−t−ブチルジクロロシラン、ジシクロヘキシルジクロロシラン、ジフェネチルジクロロシラン、ジ−2−ノルボルニルジクロロシラン、ジビニルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ジメチルジブロモシラン、ジエチルジブロモシラン、ジ−n−プロピルジブロモシラン、ジイソプロピルジブロモシラン、ジ−n−ブチルジブロモシラン、ジ−t−ブチルジブロモシラン、ジシクロヘキシルジブロモシラン、ジフェネチルジブロモシラン、ジ−2−ノルボルニルジブロモシラン、ジビニルジブロモシラン、ジフェニルジブロモシラン、ジメチルジヨードシラン、ジエチルジヨードシラン、ジ−n−プロピルジヨードシラン、ジイソプロピルジヨードシラン、ジ−n−ブチルジヨードシラン、ジ−t−ブチルジヨードシラン、ジシクロヘキシルジヨードシラン、ジフェネチルジヨードシラン、ジ−2−ノルボルニルジヨードシラン、ジビニルジヨードシラン、ジフェニルジヨードシラン、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、トリ−n−プロピルクロロシラン、トリイソプロピルクロロシラン、トリ−n−ブチルクロロシラン、トリ−t−ブチルクロロシラン、トリシクロヘキシルクロロシラン、トリフェネチルクロロシラン、トリ−2−ノルボルニルクロロシラン、トリビニルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、トリメチルブロモシラン、トリエチルブロモシラン、トリ−n−プロピルブロモシラン、トリイソプロピルブロモシラン、トリ−n−ブチルブロモシラン、トリ−t−ブチルブロモシラン、トリシクロヘキシルブロモシラン、トリフェネチルブロモシラン、トリ−2−ノルボルニルブロモシラン、トリビニルブロモシラン、トリフェニルブロモシラン、トリメチルヨードシラン、トリエチルヨードシラン、トリ−n−プロピルヨードシラン、トリイソプロピルヨードシラン、トリ−n−ブチルヨードシラン、トリ−t−ブチルヨードシラン、トリシクロヘキシルヨードシラン、トリフェネチルヨードシラン、トリ−2−ノルボルニルヨードシラン、トリビニルヨードシラン、トリフェニルヨードシランなどのケイ素化合物を挙げることができる。これらの化合物は1種単独でも使用できるし、2種以上を混合して使用することもできる。
化合物1としては、好ましくは、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどである。これらは、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
1.2.一般式(2)で表される化合物(以下、「化合物2」ともいう)
一般式(2)において、R,Rで表される1価の有機基としては、先の一般式(1)で表される化合物においてRとして例示した有機基と同じものを挙げることができる。
一般式(2)のうち、Rが酸素原子の化合物としては、ヘキサクロロジシロキサン、ヘキサブロモジシロキサン、ヘキサヨードシジシロキサン、ヘキサメトキシジシロキサン、ヘキサエトキシジシロキサン、ヘキサフェノキシジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタメトキシ−3−メチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエトキシ−3−メチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタフェノキシ−3−メチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタメトキシ−3−エチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエトキシ−3−エチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタフェノキシ−3−エチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタメトキシ−3−フェニルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエトキシ−3−フェニルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタフェノキシ−3−フェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジエチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジエチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ジエチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,1,3−トリメトキシ−1,3,3−トリメチルジシロキサン、1,1,3−トリエトキシ−1,3,3−トリメチルジシロキサン、1,1,3−トリフェノキシ−1,3,3−トリメチルジシロキサン、1,1,3−トリメトキシ−1,3,3−トリエチルジシロキサン、1,1,3−トリエトキシ−1,3,3−トリエチルジシロキサン、1,1,3−トリフェノキシ−1,3,3−トリエチルジシロキサン、1,1,3−トリメトキシ−1,3,3−トリフェニルジシロキサン、1,1,3−トリエトキシ−1,3,3−トリフェニルジシロキサン、1,1,3−トリフェノキシ−1,3,3−トリフェニルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェノキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,3−ジフェノキシ−1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジフェノキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサンなどを挙げることができる。
これらのうち、ヘキサメトキシジシロキサン、ヘキサエトキシジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサンなどを、好ましい例として挙げることができる。
また、一般式(2)において、dが0の化合物としては、ヘキサクロロジシラン、ヘキサブロモジシラン、ヘキサヨードシジシラン、ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシラン、ヘキサフェノキシジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタフェノキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−エチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−エチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタフェノキシ−2−エチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−フェニルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−フェニルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタフェノキシ−2−フェニルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラフェノキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジエチルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジエチルジシラン、1,1,2,2−テトラフェノキシ−1,2−ジエチルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2,2−テトラフェノキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリフェノキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリエチルジシラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリエチルジシラン、1,1,2−トリフェノキシ−1,2,2−トリエチルジシラン、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、1,1,2−トリフェノキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラエチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラエチルジシラン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラエチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシランなどを挙げることができる。
これらのうち、ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシランなどを、好ましい例として挙げることができる。
さらに、一般式(2)において、Rが−(CH−で表される基の化合物としては、ビス(トリクロロシリル)メタン、ビス(トリブロモシリル)メタン、ビス(トリヨードシリル)メタン、ビス(トリクロロシリル)エタン、ビス(トリブロモシリル)エタン、ビス(トリヨードシリル)エタン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリ−n−プロポキシシリル)メタン、ビス(トリ−i−プロポキシシリル)メタン、ビス(トリ−n−ブトキシシリル)メタン、ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)メタン、ビス(トリ−t−ブトキシシリル)メタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)エタン、1、2−ビス(トリ−i−プロポキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−n−1、ブトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)エタン、1、1,2、2−ビス(トリ−t−ブトキシシリル)エタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−1−(トリメトキシシリル)メタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−1−(トリエトキシシリル)メタン、1−(ジ−n−プロポキシメチルシリル)−1−(トリ−n−プロポキシシリル)メタン、1−(ジ−i−プロポキシメチルシリル)−1−(トリ−i−プロポキシシリル)メタン、1−(ジ−n−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−n−ブトキシシリル)メタン、1−(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−sec−ブトキシシリル)メタン、1−(ジ−t−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−t−ブトキシシリル)メタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−2−(トリメトキシシリル)エタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−2−(トリエトキシシリル)エタン、1−(ジ−n−プロポキシメチルシリル)−2−(トリ−n−プロポキシシリル)エタン、1−(ジ−i−プロポキシメチルシリル)−2−(トリ−i−プロポキシシリル)エタン、1−(ジ−n−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−n−ブトキシシリル)エタン、1−(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−sec−ブトキシシリル)エタン、1−(ジ−t−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−t−ブトキシシリル)エタン、ビス(ジメトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−n−プロポキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−i−プロポキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−n−ブトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−t−ブトキシメチルシリル)メタン、1,2−ビス(ジメトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジエトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−n−プロポキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−i−プロポキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−n−ブトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−t−ブトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−i−プロポキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−t−ブトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−i−プロポキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−t−ブトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−i−プロポキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−t−ブトキシシリル)ベンゼンなど挙げることができる。
これらのうち、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−1−(トリメトキシシリル)メタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−1−(トリエトキシシリル)メタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−2−(トリメトキシシリル)エタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−2−(トリエトキシシリル)エタン、ビス(ジメトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)メタン、1,2−ビス(ジメトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジエトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼンなどを好ましい例として挙げることができる。
化合物1,2としては、1種もしくは2種以上を用いることができる。
2.環状カルボシラン
環状カルボシランとしては、前記一般式(3)で表される化合物の群から選ばれた少なくとも1種の環状カルボシランであることができる。
2.1.一般式(3)で表される化合物(以下、「化合物3」ともいう)
化合物3としては、1,1−ジメチル−シラシクロブタン、1,1−ジメトキシ−シラシクロブタン、1,1−ジエトキシ−シラシクロブタン、1,1−ジイソプロポキシ−シラシクロブタン、1,1−ジジメチル−シラシクロペンタン、1,1−ジメトキシ−シラシクロペンタン、1,1−ジエトキシ−シラシクロペンタン、1,1−ジイソプロポキシ−シラシクロペンタン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラシクロブタン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジシラシクロブタン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジシラシクロブタン、1,1,3,3−テトライソプロポキシ−1,3−ジシラシクロブタン、1,3−ジメチル−1,3−ジメトキシ−1,3−ジシラシクロブタン、1,3−ジメチル−1,3−ジエトキシ−1,3−ジシラシクロブタン、1,3−ジメチル−1,3−ジイソプロポキシ−1,3−ジシラシクロブタン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,3,5−トリシラシクロヘキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメトキシ−1,3,5−トリシラシクロヘキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエトキシ−1,3,5−トリシラシクロヘキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエトキシ−1,3,5−トリシラシクロヘキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサイソプロポキシ−1,3,5−トリシラシクロヘキサンなどを挙げることができる。これらの環状カルボシランは、1種もしくは2種以上を用いることができる。
3.ポリマーの製造方法
本発明のポリマーは、例えば、化合物1,2の群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物と、化合物3の群から選ばれた少なくとも1種の環状カルボシランとを、有機溶媒中で混合し、加熱することにより、化合物1〜3が加水分解,縮合して得られる。
化合物1,2の群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物と、化合物3の群から選ばれた少なくとも1種の環状カルボシランとを混合、加熱する際に、化合物1,2の1モル当たり0.5モルを越え150モル以下の水を用いることが好ましく、0.5モルを越え130モル以下の水を加えることが特に好ましい。
本発明のポリマーを製造するに際しては、化合物1,2の群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物と、化合物3の群から選ばれた少なくとも1種の環状カルボシランとを加水分解,縮合させる際に、特定の触媒を用いることができる。触媒としては、アルカリ触媒、金属キレート触媒、酸触媒の群から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
アルカリ触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、ピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ペンチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、N,N−ジプロピルアミン、N,N−ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルアミン、トリメチルイミジン、1−アミノ−3−メチルブタン、ジメチルグリシン、3−アミノ−3−メチルアミンなどを挙げることができ、アミンあるいはアミン塩が好ましく、有機アミンあるいは有機アミン塩が特に好ましく、アルキルアミン、テトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイドが最も好ましい。これらのアルカリ触媒は1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
金属キレート触媒としては、例えば、トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、テトラキス(アセチルアセトナート)チタン、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)チタン、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)チタン、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)チタンなどのチタンキレート化合物;
トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウムキレート化合物;
トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合物;
などを挙げることができ、好ましくはチタンまたはアルミニウムのキレート化合物、特に好ましくはチタンのキレート化合物を挙げることができる。これらの金属キレート触媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
酸触媒としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸、ホウ酸、シュウ酸などの無機酸;
酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、シキミ酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、リンゴ酸、グルタル酸の加水分解物、無水マレイン酸の加水分解物、無水フタル酸の加水分解物などの有機酸を挙げることができ、有機カルボン酸をより好ましい例として挙げることができる。これらの酸触媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
前記触媒の使用量は、化合物1,2中の加水分解性基X,Y,Zで表される基の総量1モルに対して、通常、0.00001〜10モル、好ましくは0.00005〜5モルである。触媒の使用量が前記範囲内であれば、反応中のポリマーの析出やゲル化の恐れが少ない。また、本発明において、化合物1,2を加水分解するときの温度は、通常0〜100℃、好ましくは15〜80℃である。
本発明において、環状カルボシラン(化合物3)に対する化合物1,2の使用量は、環状カルボシラン100重量部に対して化合物1,2の総量成分が10〜4000重量部、より好ましくは1000〜3000重量部である。使用量がこの範囲であると、塗布膜の機械的強度の向上が効果的に発現する。
4.ポリマー膜形成組成物
本発明のポリマー膜形成用組成物(以下、「膜形成用組成物」という)には、本発明のポリマーに加え、さらにβ−ジケトン、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、有機ポリマー、界面活性剤、シランカップリング剤、ラジカル発生剤などの成分を添加してもよい。
β−ジケトンとしては、アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,4−オクタンジオン、3,5−オクタンジオン、2,4−ノナンジオン、3,5−ノナンジオン、5−メチル−2,4−ヘキサンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ヘプタンジオンなどを挙げることができ、より好ましくはアセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオンである。これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
コロイド状シリカとは、例えば、高純度の無水ケイ酸を前記親水性有機溶媒に分散した分散液であり、通常、平均粒径が5〜30nm、好ましくは10〜20nm、固形分濃度が10〜40重量%程度のものである。このような、コロイド状シリカとしては、例えば、日産化学工業(株)製、メタノールシリカゾルおよびイソプロパノールシリカゾル;触媒化成工業(株)製、オスカルなどが挙げられる。
コロイド状アルミナとしては、日産化学工業(株)製のアルミナゾル520、同100、同200;川研ファインケミカル(株)製のアルミナクリアーゾル、アルミナゾル10、同132などが挙げられる。
有機ポリマーとしては、例えば、糖鎖構造を有する化合物、ビニルアミド系重合体、(メタ)アクリル系重合体、芳香族ビニル化合物、デンドリマー、ポリイミド,ポリアミック酸、ポリアリーレン、ポリアミド、ポリキノキサリン、ポリオキサジアゾール、フッ素系重合体、ポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物などを挙げることができる。
ポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物としては、ポリメチレンオキサイド構造、ポリエチレンオキサイド構造、ポリプロピレンオキサイド構造、ポリテトラメチレンオキサイド構造、ポリブチレンオキシド構造などが挙げられる。
具体的には、ポリオキシメチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエテチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのエーテル型化合物、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩などのエーテルエステル型化合物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエーテルエステル型化合物などを挙げることができる。
ポリオキシチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーとしては下記のようなブロック構造を有する化合物が挙げられる。
−(X’)j−(Y’)k−
−(X’)j−(Y’)k−(X’)1−
(式中、X’は−CHCHO−で表される基を、Y’は−CHCH(CH)O−で表される基を示し、jは1〜90、kは10〜99、lは0〜90の数を示す。)
これらの中で、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、などのエーテル型化合物をより好ましい例として挙げることができる。これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、さらには、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、ポリ(メタ)アクリレート系界面活性剤などを挙げることができ、好ましくはフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤を挙げることができる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば1,1,2,2−テトラフロロオクチル(1,1,2,2−テトラフロロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフロロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、パーフロロドデシルスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフロロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロデカン、N−[3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]−N,N‘−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタイン、パーフルオロアルキルスルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル−N−エチルスルホニルグリシン塩、リン酸ビス(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−エチルアミノエチル)、モノパーフルオロアルキルエチルリン酸エステル等の末端、主鎖および側鎖の少なくとも何れかの部位にフルオロアルキルまたはフルオロアルキレン基を有する化合物からなるフッ素系界面活性剤を挙げることができる。
また、市販品としてはメガファックF142D、同F172、同F173、同F183(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、エフトップEF301、同303、同352(新秋田化成(株)製)、フロラードFC−430、同FC−431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SB−101、同SB−102、同SB−103、同SB−104、同SB−105、同SB−106(旭硝子(株)製)、BM−1000、BM−1100(裕商(株)製)、NBX−15((株)ネオス)などの名称で市販されているフッ素系界面活性剤を挙げることができる。これらの中でも、前記メガファックF172,BM−1000,BM−1100,NBX−15が特に好ましい。
シリコーン系界面活性剤としては、例えばSH7PA、SH21PA、SH30PA、ST94PA(いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製などを用いることが出来る。これらの中でも、前記SH28PA、SH30PAが特に好ましい。
界面活性剤の使用量は、本発明のポリマー(完全加水分解縮合物)に対して通常0.0001〜10重量部である。これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
シランカップリング剤としては、例えば3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノグリシジロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
ラジカル発生剤としては、例えばイソブチリルパーオキサイド、α、α’ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ−nプロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、ジメトキブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、スクシニックパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、m−トルオイルアンドベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルパーオキシ−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α、α’ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ヘキシルヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等を挙げることができる。ラジカル発生剤の配合量は、ポリマー(完全加水分解縮合物)100重量部に対し、0.1〜10重量部が好ましい。これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
本発明の膜形成用組成物では、ポリマー(加水分解縮合物)および必要に応じて用いられる上記添加剤を溶媒に溶解あるいは分散してなる。
この際使用できる溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒および非プロトン系溶媒の群から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
ここで、アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコールなどのモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコールなどの多価アルコール系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルなどの多価アルコール部分エーテル系溶媒;
などを挙げることができる。これらのアルコール系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン、フェンチョンなどのほか、アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,4−オクタンジオン、3,5−オクタンジオン、2,4−ノナンジオン、3,5−ノナンジオン、5−メチル−2,4−ヘキサンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ヘプタンジオンなどのβ−ジケトン類などが挙げられる。これらのケトン系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
アミド系溶媒としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、N−ホルミルモルホリン、N−ホルミルピペリジン、N−ホルミルピロリジン、N−アセチルモルホリン、N−アセチルピペリジン、N−アセチルピロリジンなどが挙げられる。これらアミド系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
エステル系溶媒としては、ジエチルカーボネート、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジエチル、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチルなどが挙げられる。これらエステル系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
非プロトン系溶媒としては、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N,N´,N´−テトラエチルスルファミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N−メチルモルホロン、N−メチルピロール、N−エチルピロール、N−メチル−Δ−ピロリン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N,N−ジメチルピペラジン、N−メチルイミダゾール、N−メチル−4−ピペリドン、N−メチル−2−ピペリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチルテトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノンなどを挙げることができる。これら非プロトン系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
このようにして得られる本発明の膜形成組成物の全固形分濃度は、好ましくは、2〜30重量%であり、使用目的に応じて適宜調整される。膜形成組成物の全固形分濃度が2〜30重量%であると、塗膜の膜厚が適当な範囲となり、保存安定性もより優れるものである。なお、この全固形分濃度の調整は、必要であれば、濃縮および前記有機溶剤による希釈によって行われる。
5.ポリマー膜
本発明のポリマー膜は、上記膜形成用組成物を塗布して塗膜を形成した後、塗膜を加熱および/または高エネルギー線照射するによって得られる。
本発明の膜形成組成物を、シリコンウエハ、SiOウエハ、SiNウエハなどの基材に塗布する際には、スピンコート、浸漬法、ロールコート法、スプレー法などの塗装手段が用いられる。
この際の膜厚は、乾燥膜厚として、1回塗りで厚さ0.05〜2.5μm程度、2回塗りでは厚さ0.1〜5.0μm程度の塗膜を形成することができる。その後、常温で乾燥するか、あるいは通常80〜600℃、好ましくは30〜450℃、より好ましくは60〜430℃の温度で、通常5〜240分程度、加熱して乾燥することにより、ガラス質または巨大高分子の塗膜を形成することができる。
この際の加熱方法としては、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用することが出来、加熱雰囲気としては、大気下、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空下、酸素濃度をコントロールした減圧下などで行うことができる。
また、前記塗膜の硬化速度を制御するため、必要に応じて、段階的に加熱したり、窒素、空気、酸素、減圧などの雰囲気を選択することができる。
本発明では、膜形成用組成物を基板に塗布し、高エネルギー線照射下で通常25〜500℃、好ましくは30〜450℃、より好ましくは60〜430℃に加熱することができる。
高エネルギー線としては、電子線、紫外線およびX線から選ばれる少なくとも1種の高エネルギー線であることができる。以下に、一例として電子線を使用した場合の照射条件を記す。
ここで、電子線を照射する場合のエネルギー(加速電圧)は0.1〜50keV、好ましくは1〜30keV、電子線照射量は1〜1000μC/cm、好ましくは10〜500μC/cmである。また、加速電圧が、0.1〜50keVであると電子線が膜を透過して下部の半導体素子へダメージを与えることがなく、塗膜内部にまで電子線を十分に進入させる事ができる。さらに、電子線照射量が1〜1000μC/cmであると、塗膜全体を反応させ、かつ塗膜へのダメージも少なくなる。電子線照射時の基板温度は、通常25〜500℃、好ましくは30〜450℃である。塗膜の電子線照射に先立ち基板を250〜500℃に熱した状態で本発明の塗膜を予め熱硬化させた後、電子線を照射する事もできる。この方法によると、電子線照射量の不均一性に依存する膜厚ムラを低減することが可能であり有効である。電子線照射は酸素濃度が10,000ppm以下、好ましくは1,000ppmの雰囲気下で行うことが好ましい。また、電子線照射は、不活性ガス雰囲気下で行うこともできる。ここで、使用される不活性ガスとはN、He、Ar、KrおよびXe、好ましくはHeおよびArなどを挙げることができる。電子線照射を不活性ガス雰囲気下で行うことにより膜が酸化されにくくなり、得られる塗膜の低誘電率を維持する事ができる。電子線照射は、減圧雰囲気で行っても良く、その減圧度は、通常1000mTorr以下、好ましくは1〜200mTorrの範囲である。また、電子線硬化に要する時間は、該して1分から5分ほどであり、熱硬化の場合に要する15分〜2時間に比べて著しく短くてすみ、電子線照射はウエハーの枚葉処理に適しているといえる。
このようにして得られる本発明のシリカ系のポリマー膜は、膜密度が、通常、0.35〜1.2g/cm、好ましくは0.4〜1.1g/cm、さらに好ましくは0.5〜1.0g/cmである。膜密度が0.35g/cm未満では、塗膜の機械的強度が低下し、一方、1.2g/cmを超えると低比誘電率が得られない。さらに、本発明のポリマー膜の比誘電率は、通常、3.2〜1.2、好ましくは3.0〜1.5、さらに好ましくは2.7〜1.8である。
本発明によって得られたポリマー膜は、膜構造中にケイ素−炭素結合を多く有するという特徴を有する。また、本発明によって得られたポリマーは、加水分解性基含有シランモノマーおよび/またはその加水分解縮合物と、環状カルボシランとを共存させた状態で加水分解・縮合することにより、ポリシロキサンとポリカルボシランとが複合化されたポリマーである。このポリマーは、共縮合物であるので、ポリシロキサンとポリカルボシランとをブレンドした場合のように、膜中に相分離を発生することがなく、均質な膜を得ることができる。このポリマーを含有する膜形成用組成物を用いることにより、比誘電率が小さく、機械的強度、CMP耐性ならびに薬液耐性に優れたポリマー膜を得ることができる。
本発明のポリマー膜は、低比誘電率でかつ機械的強度、CMP耐性ならびに薬液耐性に優れることから、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAMなどの半導体素子用層間絶縁膜やエッチングストッパー膜、半導体素子の表面コート膜などの保護膜、多層レジストを用いた半導体作製工程の中間層、多層配線基板の層間絶縁膜、液晶表示素子用の保護膜や絶縁膜などの用途に有用である。
6.実施例
以下、本発明を実施例を挙げてさらに具体的に説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の「部」および「%」は、特記しない限り、それぞれ重量部および重量%であることを示している。
6.1.評価方法
各種の評価は、次のようにして行なった。
6.1.1.比誘電率
得られたポリマー膜に対して蒸着法によりアルミニウム電極パターンを形成させ、比誘電率測定用サンプルを作成した。該サンプルを周波数100kHzの周波数で、横河・ヒューレットパッカード(株)製、HP16451B電極およびHP4284AプレシジョンLCRメータを用いて、CV法により室温における当該ポリマー膜の比誘電率を測定した。
6.1.2.機械的強度(弾性率・硬度)
MTS社製超微少硬度計(Nanoindentator XP)にバーコビッチ型圧子を取り付け、得られたポリマー膜のユニバーサル硬度を求めた。また、ポリマー膜の弾性率は連続剛性測定法により測定した。
6.1.3.CMP耐性
得られたポリマー膜を以下の条件で研磨した。
スラリー:シリカ−過酸化水素系
研磨圧力:280g/cm
研磨時間:120秒
CMP後の膜の外観を35万ルクスの光源で観察し、以下の基準で評価した。
○:変化無し。
×:膜に傷や剥がれが確認される。
6.1.4.薬液耐性
ポリマー膜が形成された8インチウエハーを、室温で0.2%の希フッ酸水溶液中に1分間浸漬し、ポリマー膜の浸漬前後の膜厚変化を観察した。下記に定義する残膜率が99%以上であれば、薬液耐性が良好であると判断する。
残膜率(%)=(浸漬後の膜の膜厚)÷(浸漬前の膜の膜厚)×100
6.1.5.膜の相分離有無の確認
ポリマー膜の断面を、集束イオンビーム法で観察用に加工し、TEMを用いて18000倍にて調べた。判断結果を以下のようにして示す。
○:均一な膜が得られている。
×:膜に海島状のドメイン相分離が確認される。
6.2.ポリシロキサン溶液の調整
6.2.1.合成例1
40%メチルアミン水溶液1.1g、超純水23.2gおよびエタノール86.9gの混合溶液中に、メチルトリメトキシシラン8.0g(完全加水分解縮合物換算3.9g)とテトラエトキシシラン8.0g(完全加水分解縮合物換算2.3g)を加えて、60℃で2時間反応させポリシロキサン(加水分解縮合物)溶液(A−1)を得た。
6.2.2.合成例2
25%テトラメチルアンモニウムハイドライド水溶液8.0g、超純水11.0gおよびエタノール183.8gの混合溶液中に、メチルトリメトキシシラン10.7g(完全加水分解縮合物換算5.2g)とテトラエトキシシラン4.0g(完全加水分解縮合物換算1.1g)を加えて、60℃で3時間反応させポリシロキサン(加水分解縮合物)溶液(A−2)を得た。
6.3.環状カルボシランの合成
6.3.1.合成例3
クロロメチルメチルジクロロシラン164.0gをトルエン300mlに溶解し、ここにピリジン160.2gを加えた。この溶液を室温下スリーワンモーターを用いて攪拌させながら、メタノール70.8gを滴下ロートを用いて少しずつ加えた。滴下終了後、さらに室温で2時間攪拌を続けた後、反応溶液と生成したピリジン塩酸塩をグラスフィルターで濾別した。濾液は減圧濃縮により溶媒を留去したのち減圧蒸留にて精製し、124.7gのクロロメチルメチルジメトキシシランを得た。次にこの化合物をテトラヒドロフラン250mlに溶解し、少量のヨウ素片をここに加えた。液温が50℃以上にならないように必要があれば冷却をしつつ、24.2gのマグネシウムリボンを少量ずつこの反応溶液に添加し攪拌をおこなった。その後液温を50℃に上げて3時間攪拌を継続した。冷却後、マグネシウム塩を濾別し、濾液を濃縮後、減圧蒸留することにより、28.4gの1,3−ジメチル−1,3−ジメトキシ−1,3−ジシラシクロブタン(B−1)を得た。
6.4.実施例,比較例
6.4.1.実施例1
合成例1で得たポリシロキサン溶液(A−1)全量に、合成例3で得た0.63gの環状カルボシラン化合物(B−1)を加え、60℃で2時間反応させたのち、プロピレングリコールモノプロピルエーテル221gを加え、その後、減圧下で全溶液量61gとなるまで濃縮した。その後、液に酢酸の10%プロピレングリコールモノプロピルエーテル溶液4gを添加し、固形分含有量10%の本発明の膜形成用組成物(H−1)を得た。
6.4.2.実施例2
合成例2で得たポリシロキサン溶液(A−2)全量に、合成例3で得た0.65gの環状カルボシラン化合物(B−1)を加え、60℃で2時間反応させたのち、プロピレングリコールモノプロピルエーテル390gを加え、その後、減圧下で全溶液量61gとなるまで濃縮した。その後、液に酢酸の10%プロピレングリコールモノプロピルエーテル溶液3gを添加し、固形分含有量10%の本発明の膜形成用組成物(H−2)を得た。
6.4.3.実施例3
40%メチルアミン水溶液1.2g、超純水21.8gおよびエタノール86.1gの混合溶液中に、メチルトリメトキシシラン8.3g(完全加水分解縮合物換算4.0g)とテトラエトキシシラン8.0g(完全加水分解縮合物換算2.3g)ならびに0.85gの環状カルボシラン化合物(B−1)を加えて、60℃で2時間反応させたのち、プロピレングリコールモノプロピルエーテル218gを加え、その後、減圧下で全溶液量62gとなるまで濃縮した。その後、液に酢酸の10%プロピレングリコールモノプロピルエーテル溶液4gを添加し、固形分含有量10%の本発明の膜形成用組成物(H−3)を得た。
6.4.4.実施例4
膜形成用組成物(H−1)を8インチシリコンウエハ(基板)上に、スピンコート法を用いて塗布し、膜厚0.5μmの塗膜を得た。ホットプレートを用いて、窒素雰囲気において90℃で3分間、ついで200℃で3分間、基板を加熱した。さらに、ホットプレートを用いて、窒素雰囲気において400℃で60分間、基板を加熱し塗膜を焼成した。焼成後に得られた塗膜(ポリマー膜)を、6.1.のとおり評価した。結果を表1に示す。
6.4.5.実施例5〜9
膜形成用組成物(H−1)〜(H−3)を用いて実施例4と同様な操作方法で塗膜を得た。焼成後に得られた塗膜を、6.1.の評価方法のとおり評価した。結果を表1に示す。
6.4.6.実施例10
膜形成用組成物(H−1)を8インチシリコンウエハ上に、スピンコート法を用いて塗布し、膜厚0.5μmの塗膜を得た。ホットプレートを用いて、窒素雰囲気において、90℃で3分間、ついで200℃で3分間、基板を加熱した。得られた塗膜に表1に示す条件で電子線を照射した。電子線照射後に得られた塗膜を、6.1.の評価方法のとおり評価した。結果を表1に示す。
6.4.7.実施例11,12
膜形成用組成物(H−2)〜(H−3)を用いて実施例10と同様な方法で塗膜を得た。その後、加速電圧5keV、照射量100uC/m、HP温度100℃、圧力1.33Pa、雰囲気ガスHeの条件で電子線を塗膜に照射した。電子線照射後に得られた塗膜を、6.1.の評価方法のとおり評価した。評価結果を表1に示す。
6.4.8.比較例1
40%メチルアミン水溶液1.2g、超純水23.2gおよびエタノール86.9gの混合溶液中に、メチルトリメトキシシラン8.0g(完全加水分解縮合物換算3.9g)とテトラエトキシシラン8.0g(完全加水分解縮合物換算2.3g)を加えて、60℃で2時間反応させたのち、プロピレングリコールモノプロピルエーテル222gを加え、その後、減圧下で全溶液量59gとなるまで濃縮した。その後、液に酢酸の10%プロピレングリコールモノプロピルエーテル溶液4gを添加し、固形分含有量10%の膜形成用組成物(A’−1)を得た。この膜形成用組成物(A’−1)をそれぞれ8インチシリコンウエハ(基板)上に、スピンコート法を用いて塗布し、膜厚0.5μmの塗膜を得た。ホットプレートを用いて、窒素雰囲気において、90℃で3分間、ついで200℃で3分間、基板を加熱した。さらに、ホットプレートを用いて、窒素雰囲気において400℃で60分間、基板を加熱して塗膜を焼成した。焼成後に得られた塗膜を、6.1.のとおり評価した。結果を表1に示す。
6.4.9.比較例2
市販ポリカルボシラン(「NIPUSI Type-S」、日本カーボン株式会社から入手可能のポリジメチルシランのカルボシラン化ポリマー)を、プロピレングリコールモノプロピルエーテルとシクロヘキサノンの混合溶液(プロピレングリコールモノプロピルエーテル:シクロヘキサノン=50:50(重量比))に固形分含有量10%になるように溶解し、組成物溶液(B’−1)を得た。次に比較例1で得た膜形成用組成物(A’−1)と前記組成物溶液(B’−1)とを重量比70:30の割合で混合し、膜形成用組成物(M−1)を得た。続いて8インチシリコンウエハ(基板)上に、スピンコート法を用いて膜形成用組成物(M−1)を塗布し、膜厚0.5μmの塗膜を得た。ホットプレートを用いて、窒素雰囲気において90℃で3分間、ついで200℃で3分間、基板を加熱した。さらにホットプレートを用いて、窒素雰囲気において400℃で60分間、基板を加熱して塗膜を焼成した。焼成後に得られた塗膜を、6.1.のとおり評価した。結果を表1に示す。
Figure 0004530130

Claims (2)

  1. ポリマーを含有する組成物を基板に塗布し、高エネルギー線照射下で30〜450℃に加熱することを含み、
    前記ポリマーは、
    (A)加水分解性基含有シランモノマーおよび/またはその加水分解縮合物10〜4000重量部と、(B)環状カルボシラン100重量部とを、酸触媒、アルカリ触媒、およびチタンまたはアルミニウムのキレート化合物である金属キレート触媒から選ばれる少なくとも1種の触媒と有機溶媒との存在下で0〜100℃にて加水分解縮合することにより得られ、
    前記(A)加水分解性基含有シランモノマーは、下記一般式(1)および(2)で表される化合物の群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物であり、
    SiX4−a ・・・・(1)
    (式中、Rは水素原子,フッ素原子または1価の有機基を示し、Xはアルコキシ基またはハロゲン元素を示し、aは0〜3の整数を示す。)
    3−bSi−(R−SiZ3−c ・・・(2)
    〔式中、RおよびRは同一または異なり、それぞれ1価の有機基を示し、bおよびcは同一または異なり、0〜3の整数を示し、Rは酸素原子,フェニレン基または−(CH−で表される基(ここで、eは1〜6の整数である)を示し、YおよびZは同一または異なり、アルコキシ基またはハロゲン原子を示し、dは0または1を示す。〕
    前記(B)環状カルボシランは、下記一般式(3)で表される化合物の群から選ばれた少なくとも1種の環状カルボシランであり、
    前記少なくとも1種の触媒の使用量は、前記(A)加水分解性基含有シランモノマーおよび/またはその加水分解縮合物の加水分解性基X,Y,Zで表される基の総量1モルに対して0.00001〜10モルである、ポリマー形成方法。
    Figure 0004530130
    (式中、R〜Rは同一または異なり、水素原子,ハロゲン原子,ヒドロキシル基、アルコキシル基,スルホン基、メタンスルホン基、トリフルオロメタンスルホン基または1価の炭化水素基を示し、mは1〜6の整数を示し、nは1〜10の整数を示す。)
  2. 請求項において、
    前記高エネルギー線は、電子線、紫外線、X線から選ばれる少なくとも1種の高エネルギー線である、ポリマー膜の形成方法。
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