JP4529610B2 - 画像形成装置並びに現像装置、間隙保持部材 - Google Patents
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Description
このとき、現像領域では、像担持体の潜像電位と現像剤担持体に印加された現像バイアスとの電位差により、現像剤担持体上の帯電した現像剤が静電引力を受け、像担持体側に飛翔し、像担持体上の画像部に選択的に付着して現像が行われる。
また、像担持体としては、一般的にアルミニウムドラム表面に有機感光体等の感光層を塗工したもので構成され、現像剤担持体も一般的にアルミニウム等の円筒スリーブ状となっている。そのため、像担持体や現像剤担持体の外表面の真円度の振れを小さくすると共に、両者の平行度を正確に保つことが、現像むらのない高画質な画像形成を達成するために重要な要因となる。
特許文献1では、樹脂で形成されたキャップ形状の間隙保持部材(スペーサコロ)を使用して、像担持体と現像剤担持体との間隙を形成保持する方式が提案されている。そして、特に、このスペーサコロに使用する樹脂として曲げ強度を1100kgf/cm2(約1.08×108Pa)以上、鈴木式摩擦摩耗試験法での鋼(S45C)に対する動摩擦係数が0.2以下のものを使用することで、耐摩耗性や機械的強度に優れたスペーサコロを実現できると記されている。そのため、POM,PA,PBT,PPS樹脂のいずれかが好ましく、これらの樹脂を成形することで、0.2mmの間隙を保持する例を述べている。しかしながら、この文献においては、像担持体と現像剤担持体との間隙を100μm以下、好ましくは50μm以下とするような態様については何ら考慮がなされていない。
一方、像担持体と現像剤担持体隙間にフィルム等のシート状部材を挟持させて固定配置し、規制間隙を保持しようとする提案もなされている(例えば特許文献5,6参照)。しかしながら、これらの方式では、像担持体と現像剤担持体との間にシート部材が固定配置されているため、像担持体及び現像剤担持体とシート部材との摺擦により、シート部材が摩耗し、長期に亘って規制間隙を安定に保持することが困難となる。
そのため、一旦全ての現像剤を飛翔させるために、通常、現像バイアスとして交流電界を印加する方式が採られている。
したがって、現像バイアスとして交流電界を印加すると、現像剤担持体上の現像剤が現像空間で往復運動を行う結果、不要な現像剤が像担持体上の非画像部に付着して地肌かぶり(かぶり)を生じたり、現像剤担持体に戻りきらずに、装置内を運ばれ、他の箇所に付着して汚染源となったりすることがある。
像担持体上の潜像電位による電界では、像担持体表面より高々50μm程度の範囲内にある現像剤にのみ、影響を及ぼすことが可能であり、これ以上間隙が広がると、この電界では、現像剤担持体表面の現像剤層まで影響を及ぼすことはできない。また、細線画像においては更に影響が小さくなる。
しかしながら、現像剤担持体表面の現像剤を飛翔させるために、交流電界を印加すると地肌かぶり等の不具合を発生することから、交流電界を使用しないで済む現像間隙として、50μm以下の間隙を安定して保持できるようにすれば、高画質の画像形成が可能となる。
また、像担持体1は、ロール状、ベルト状いずれでもよく、更に、現像剤担持体2は、現像剤を担持搬送するものであれば、ロール状、ベルト状を含み、更に、弾性状、剛性状いずれであっても差し支えない。
そして、像担持体1と現像剤担持体2との間の間隙を保持する観点からは、像担持体1及び現像剤担持体2は共にロール状が好ましく、また、共に剛体状が好ましい。この場合、両者間の規制間隙Gが一層狭く安定するようになる。
このことで、環状スペーサ部材4が像担持体1と現像剤担持体2との規制間隙Gを一層安定して維持することができると共に、ストッパ部材6によって、環状スペーサ部材4が軸方向に移動して抜けることを防止することが可能になる。
尚、支持部材5は、環状スペーサ部材4の表面又は裏面のいずれかに固定される態様であってもよいが、小型化の観点からは裏面側に固定される方が好ましい。また、支持部材5は回転可能な形状であればよいが、摩擦抵抗力を軽減する観点からは円形が好ましい。
更に、現像バイアスとして、直流電界のみを印加するようにすれば、例えば現像バイアスとして交流電界を重畳した場合に比べ、現像剤の飛散が少なくなり、良好な現像特性が維持されるようになる。
更にまた、環状スペーサ部材4をコイル部材によって構成することも可能で、機械的強度が確保され、この場合も、長期に亘って使用しても、摺擦等による破損等を防ぐことができ、安定した規制間隙Gが保持できる。
このように現像剤担持体2側に間隙保持部材3を備えることで、通常、像担持体1側に間隙保持部材3を備える態様に比べ、間隙保持部材3を小型化できるようになる。
また、樹脂被覆層8の厚みについては、現像剤の粒子径以上で50μm以下、好ましくは30〜40μmになるようにすれば、上述したように、現像バイアスとして交流電界を使用しなくてもよく、画質を安定させることができる。
尚、金属製の現像剤担持体表面等に樹脂コート層を施すことは知られている。例えば特許文献7では、現像剤の搬送を樹脂コート層の静電気保持力を利用して行うようにしたもので、両端部のシール部材への現像剤の入り込みを抑えるため、現像剤担持体の軸方向中央部に樹脂コート層を施し、両端部には樹脂コート層を施さない態様が記されている。しかしながら、現像剤担持体の内寄りに樹脂コート層を設けたものであり、本件とはその態様を大きく異にするものである。
◎実施の形態1
図3は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す。同図において、符号21は、矢印方向に回転する有機感光体等からなる静電潜像を担持する感光体であり、この感光体21は、帯電ロール等の帯電装置22によって帯電された後、レーザ書込装置やLEDアレイを有する露光装置23によって静電潜像が書き込まれる。この静電潜像は、光の当たった感光体21表面電位が低下し、光の当たっていない高電位部分とのコントラストによる電位画像として形成される。
また、転写装置25は、例えば感光体21に接触配置される転写ロールにて構成され、図示外のバイアス電源によって感光体21上のトナー像が引き付けられる方向の転写バイアスを印加することで、感光体21上のトナー像を記録材としての用紙S上に転写させるようにしたものである。
更に、感光体21上に残留したトナーは、例えばドクターブレード式のクリーニング装置24によって除去される。
また、現像ロール31の供給ロール32との対向部位より下流側で感光体21との対向部位の上流側には、現像ロール31上のトナー層を帯電規制する例えば可撓性フィルム等によって構成された帯電規制ロール33が現像ロール31に接触配置されている。
本実施の形態では、現像ロール31と供給ロール32とは、その間隙が約100μmとなるように配置されており、両者間の周速度差や電界等によって、所定量のトナーのみが供給ロール32側から現像ロール31側へ供給されるようになっている。
そして、供給ロール32の上流側には、トナーを収容するトナーホッパ34が設けられ、このトナーホッパ34のトナー供給口34aからトナーが供給ロール32側へ流れるようになっている。また、トナーホッパ34内では、収容されたトナーを撹拌搬送するためのアジテータ35が配設され、現像時には、このアジテータ35が回転することで、例えばポリエステルシートからなるアジテータ35の羽根35aによって、トナーがトナーホッパ34から少しずつ掻き出されるようになっている。
尚、これらの現像装置30の構成部は、図示外の現像ハウジング内に収容され、現像ロール31の一部に相当する部位に開口部が設けられ、感光体21と対向配置される。
本実施の形態における現像ロール31は、外径を20mmとし、その両端には間隙保持部材40が挿入配置されている。
間隙保持部材40は、環状スペーサ部材としてのポリイミド樹脂からなる厚さ40μmの筒状フィルム部材41の内周面一端側に、ポリカーボネート樹脂からなる支持部材としての端部コロ42を接着固定したものである。端部コロ42の外径は、現像ロール31の外径より大きい22mmであり、その中心には現像ロール31の回転軸31aの外径より大きな孔部42aを有している。
更に、現像ロール31の回転軸31aには、端部コロ42をこの回転軸31aに通した後に、端部コロ42の軸方向の移動を規制する(特に間隙保持部材40の抜け防止)ストッパ43が回転軸31aに接着等の手段にて固着されている。
そのため、間隙保持部材40が現像ロール31に対し装着された状態では、筒状フィルム部材41のみの部分が装着され、間隙保持部材40は現像ロール31に対し自由に回転できると共に、現像ロール31の軸方向に対しては移動規制(抜け防止)がなされるような構成となっている。そのため、筒状フィルム部材41が現像ロール31や感光体21(図3参照)との接触部位での摩耗が低減される。尚、筒状フィルム部材41の弾性率は、4.3×1010Paとなっている。
トナーホッパ34内に収容されたトナーは、アジテータ35の回転に伴ってトナー供給口34aから供給ロール32側へ徐々に供給される。
供給ロール32へ供給されたトナーは、所定量のトナーのみが現像ロール31側に移動し、帯電規制ロール33によって、所定の帯電量の付与と均し作用が行われ、現像ロール31上には、所定のトナー帯電量と所定のトナー量を備えたトナー薄層が形成される。
その後、現像ロール31と感光体21との対向部位にて、現像ロール31上のトナー薄層が、感光体21の潜像電位と現像ロール31に印加された現像バイアスによって、感光体21上の潜像を現像する(顕像化される)。
感光体21上で顕像化されたトナー像は、転写装置25によって図示外の給紙カセット等から搬送された用紙S上に転写され、用紙S上に定着された未定着トナー像は、図示外の定着装置に搬送されて定着される。
本実施の形態における間隙保持部材40は、図5に示すように、現像部位では、筒状フィルム部材41が感光体21と現像ロール31とに挟み込まれた状態で回転するため、間隙保持部材40が現像ロール31に連れ回るように回転する。また、間隙保持部材40の端部コロ42は現像ロール31の軸方向の動きをストッパ43によって規制(抜け防止)され軸方向の動き自体が殆どないが、仮に、間隙保持部材40が現像ロール31の軸方向へ若干移動したとしても、現像ロール31の軸方向の現像領域は、シール部材44の内側であることから、特に支障はない。
図6(a)は、本実施の形態における現像バイアスとして直流電界のみを印加した場合のトナーの挙動を示し、(b)は、従来例として現像バイアスに交流電界を印加したときのトナーの挙動を示したものである。
(a)では、感光体21と現像ロール31との規制間隙Gは狭く、外部から印加される直流電界のみの現像バイアス51と、感光体21上の画像部IPと非画像部との潜像電位によって、現像ロール31上のトナーは感光体21上の画像部IPにのみトナーを付着させることができる。
一方、従来例(b)では、感光体21と現像ロール31との規制間隙G’は大きく、直流電界52aと交流電界52bとを重畳させた現像バイアス52を使用していることから、現像ロール31上のトナーは一旦感光体21側へ飛翔する。そして、直流電界52aと感光体21上の画像部IP及び非画像部との潜像電位との差により、画像部IPのみにトナーを付着させようとする。しかしながら、現像部位でのトナーの飛翔が盛んに行われるため、感光体21上の非画像部にもトナーが付着し易くなる。また、飛翔したトナーが、感光体21方向ではなく、現像部位からそれ以外の方向へ飛散することもある。
したがって、本実施の形態のように、感光体21と現像ロール31との規制間隙Gを狭くすることで、現像バイアス51として直流電界のみを使用することができるため、トナーの非画像部への付着を抑制し、地肌かぶりが大幅に軽減され、現像むらも低減され、エッジのシャープな細線画像も得られるようになる。また、トナーの飛散による装置内汚染等もない画像形成装置を提供することが可能になる。
更に、本実施の形態では、現像部位での規制間隙Gが一定に保持されることから、現像むら(画像濃度むら)を防ぐことが可能になる。
更にまた、現像バイアス51として高価な交流電界を使用する必要性を排除したことで、現像バイアス51を供給する電源として、安価な方式の採用が可能になる。
そのため、間隙保持部材40を製造するに際して、その製造コストを抑えることができると共に、筒状フィルム部材41を現像ロール31に装着する際にも簡単に装着できるため、組立の容易な画像形成装置が提供できる。
図7は、本発明が適用された実施の形態2の画像形成装置に用いられる現像ロールに挿入された間隙保持部材を示す。本実施の形態は、実施の形態1と異なり、現像ロール31に挿入される間隙保持部材40の構成が異なり、実施の形態1では環状スペーサ部材として筒状フィルム部材を使用したが、本実施の形態ではコイル部材を使用している点が異なる。尚、本実施の形態における画像形成装置は実施の形態1と同様の構成のため、ここでは省略する。
本実施の形態では、コイル部材45の線径が感光体21と現像ロール31との規制間隙Gを保持することから、安定した規制間隙Gを保持することができ、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、コイル部材45として、例えばマグネットワイヤのセグメント線(50μm以下の径)をスパイラル状に巻き、自己融着することで空芯コイル状に形成することも可能で、この場合、セグメント線同士を融着させ連続的な形状とすることができることから、機械的強度を向上させることも可能になる。
図8は、本発明に関連する参考発明が適用された実施の形態3の画像形成装置に用いられる現像ロール周辺を示したものである。本実施の形態は、実施の形態1,2のように環状スペーサ部材を使用した間隙保持部材ではなく、間隙保持部材40として、樹脂被覆層46を現像ロール31側に設けた点に特徴点を有する。尚、本実施の形態における画像形成装置は実施の形態1と同様の構成のため、ここでは省略する。
そのため、現像ロール31上のトナーは、シール部材44によって樹脂被覆層46側に飛散せずに、現像ロール31と感光体21との規制間隙Gは、樹脂被覆層46の膜厚のみによって決定され、安定して保持されるようになる。
このような樹脂被覆層46の厚さを規制間隙Gとして利用することで、長期に亘って狭く安定した規制間隙を保持することができる。そのため、現像時の地肌かぶりや現像むらが低減され、細線画像のエッジもシャープな画像を得ることが可能になる。
本実施例は、実施の形態1の構成にて、各種の環状スペーサ部材(以降筒状部材と称す)を使用したときの、画像評価と耐久性について評価確認したものである。
画像形成装置の主要な構成要件は、次のようにした。
トナーは、粉砕法で作製された非磁性1成分系トナーで、体積中心粒径8.9μmの不定形トナーを使用した。
供給ロールは、SUSスリーブの鏡面仕上げ加工を行い、同じくSUSスリーブの鏡面仕上げ加工を行った現像ロールとは100μmの間隙を開けて配置し、両者間に所定の供給バイアスを印加することで、現像ロール側に所定量のトナーが供給されるようになっている。
更に、現像ロールの周速度を144mm/sec、感光体の周速度を118mm/secとし、感光体の帯電電位を−850V、露光部電位を約−150V、現像バイアスを−500Vとした。
(1)ポリイミド
厚さ40μmのポリイミドチューブを使用し、弾性率は4.3×1010Paであった。
尚、このとき、筒状部材と現像ロールや感光体とのスティックスリップ現象を防止するために、筒状部材の内面及び外面にPVdF(ポリフッ化ビニリデン)の微粒子を適量塗布した。
(2)ポリフッ化ビニリデン
厚さ40μmのポリフッ化ビニリデンチューブを使用し、弾性率は1.3×109Paであった。
(3)ニッケル電鋳品
厚さ30μmのニッケル電鋳の筒状品を使用し、弾性率は2.0×1011Paであった。
このニッケル電鋳品を使用する際には、感光体と現像ロールとの絶縁性を確保するために、感光体両端部に画像非形成領域に、表面絶縁保護層を形成した。
表面絶縁保護層は、デソライトKZ7861(JSR社製、シリカ粒子及びそれと化学的に結合している有機化合物並びに光重合開始剤を主に含有する組成物)のメタノール塗料液(固形分比率53%)を、更に倍量のメタノールで希釈し、この希釈液中に感光体端部を浸漬した後、80℃10分間恒温槽中で乾燥し、アルコールを完全に飛ばした後、低圧水銀ランプでUV照射を1分間行って硬化させ、厚さ約3μmの被膜を形成した。
尚、間隙保持部材の筒状部材自体が導電性を備える場合には、この表面絶縁保護層を感光体側ではなく、現像ロール側若しくは筒状部材自体に施してもよい。
(4)ポリアミド
厚さ50μmのポリアミド樹脂チューブを使用し、弾性率は2.9×109Paであった。尚、このとき、筒状部材と現像ロールや感光体とのスティックスリップ現象を防止するために、筒状部材の内面及び外面にPVdF(ポリフッ化ビニリデン)の微粒子を適量塗布した。
(5)金属コイル
線径30μmの金属コイルをスパイラル状に巻いたコイル部材を使用した。
また、ニッケル電鋳品と同様に、感光体と現像ロールとの絶縁性を確保するため、ニッケル電鋳品のところで使用した表面絶縁保護層を感光体の両端部に形成した。
また、筒状部材の耐久性については筒材質によって異なり、ポリフッ化ビニリデンとポリアミドを使用した場合に、若干の低下が確認された。具体的には、次のような結果であった。
(1)ポリイミド
5000枚の印刷時間に相当する時間後に、フィルムに若干のへたりが認められたが、フィルムそのものには破れや裂け等の発生はなかった。
(2)ポリフッ化ビニリデン(PVdF)
3000枚の印刷時間に相当する時間後に、フィルムに若干のしわの発生が確認されたが、画像形成そのものへの影響は確認されなかった。
(3)ニッケル電鋳品
5000枚の印刷時間に相当する時間後も、部材自体の変化は確認されなかった。
(4)ポリアミド
3000枚の印刷時間に相当する時間後に、フィルムに若干のしわの発生が確認されたが、画像形成そのものへの影響は確認されなかった。
(5)金属コイル
5000枚の印刷時間に相当する時間後も、部材自体の変化は確認されなかった。
また、感光体の周速度を118mm/secに固定し、現像ロールの周速度を144mm/secから223mm/secまで段階的に増加させて画像評価を確認したが、いずれの周速度でも144mm/secの場合と同様に、地肌かぶりのない、細線再現性や画像濃度も良好な画像が得られた。
更に、現像ロールの周速度が144mm/secの状態で、トナーを粉砕法で作製された体積中心粒径8.9μmの不定形トナーから、乳化重合凝集法で作製された体積中心粒径5μmの所謂球形トナーに変えて同様の画像評価を行ったが、この場合も不定形トナーと同様の良好な画像が得られることが確認された。
本実施例は、実施例1で示した表面絶縁保護層を、感光体側ではなく、現像ロール側に塗布した例を示す。
本実施例で、現像ロールはアルミニウムの鏡面仕上げ品を使用していることから、表面絶縁保護層をアルミニウム表面に塗布形成する。
表面絶縁保護層は、デソライトKZ7861(JSR社製、シリカ粒子及びそれと化学的に結合している有機化合物並びに光重合開始剤を主に含有する組成物)のメタノール塗料液(固形分比率53%)を、更に倍量のメタノールで希釈し、この希釈液中に現像ロールの端部を浸漬した後、80℃10分間恒温槽中で乾燥し、アルコールを完全に飛ばした後、低圧水銀ランプでUV照射を1分間行って硬化させ、厚さ約10μmの被膜を形成した。尚、被膜の厚みは浸漬塗工時の引き上げ速度の調節により任意の厚みに変えることが可能である。今回の現像ローラに対しては感光体上に形成した場合とは異なる引き上げ速度にて厚み10μmを達成した。
この表面絶縁保護層が形成された円板を試料とし、テーバー式摩耗試験機(東洋精機製作所製、摩耗輪MS−10、負荷加重500g、1000回転)を用いて摩耗試験を行ったところ、摩耗量は0.5μm以下と良好な結果が得られた。このことから、表面絶縁保護層の耐摩耗性が良好であり、実用的にも使用可能であることが確認された。
本実施例は、実施の形態3の構成を具現化するための樹脂被覆層の形成方法並びに評価結果を示したもので、上述した実施例2と同様に、アルミニウム製の現像ロールの両端部に、表面絶縁保護層を形成した。
本実施例では、希釈液への浸漬及び乾燥を繰り返し、最終的な塗膜厚が約40μmとなるように行った。
その後、この現像ロールと感光体とを接触させ、規制間隙を約40μmとする状態で、両者を同一周速度で回転させた。この状態で、現像ロール上のトナー付着量を8g/m2とし、トナーの帯電量を−20μC/gとしたとき、十分な画像濃度が得られることが確認された。
Claims (13)
- 静電潜像が担持され且つ回転可能な像担持体と、この像担持体と離間して対向配置され且つ表面に現像剤を担持する回転可能な現像剤担持体と、この現像剤担持体の両端部に像担持体と現像剤担持体との間の規制間隙を保持する間隙保持部材とを備えた画像形成装置であって、
間隙保持部材は、
前記規制間隙に相当する厚み及び現像剤担持体の外径より大きな内径を有する環状の可撓性部材からなり、現像剤担持体の回転軸方向に沿った方向で現像剤担持体の端部位置内側周囲及び外側周囲を覆うように配置される環状スペーサ部材と、
この環状スペーサ部材の環状形状が保持されるように当該環状スペーサ部材の内周面一方側に固定支持され且つ前記現像剤担持体の端部から離間した部位に配置される支持部材と、
を具備することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置のうち、支持部材が像担持体又は現像剤担持体の軸方向に沿って移動可能である態様において、
像担持体と現像剤担持体との規制間隙内から環状スペーサ部材が離脱しない範囲で支持部材の変位が抑えられるストッパ部材を設けることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
支持部材は現像剤担持体の回転軸方向に沿った孔部を有し、当該孔部は現像剤担持体の回転軸に接触しないように前記回転軸より大きく構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
像担持体表面、現像剤担持体表面及び環状スペーサ部材の表面又は裏面の少なくともいずれか一箇所が絶縁性を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
現像剤担持体と像担持体との間隙は、現像剤の粒子径以上で且つ50μm以下とすることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4記載の画像形成装置において、
現像剤担持体と像担持体との間には、直流電界のみの現像バイアスが印加されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
環状スペーサ部材は、フィルム部材によって構成されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
環状スペーサ部材は、コイル部材によって構成されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項7記載の画像形成装置において、
前記フィルム部材は、弾性率が4.3×1010Pa以上のものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項7記載の画像形成装置において、
前記フィルム部材は、金属薄板からなるものであることを特徴とする画像形成装置。 - 表面に現像剤を担持する回転可能な現像剤担持体と、
この現像剤担持体に対向配置され且つ静電潜像が担持される像担持体と前記現像剤担持体との間の規制間隙を当該現像剤担持体の両端部にて保持する一対の間隙保持部材とを備え、
間隙保持部材は、
前記規制間隙に相当する厚み及び現像剤担持体の外径より大きな内径を有する環状の可撓性部材からなり、現像剤担持体の回転軸方向に沿った方向で現像剤担持体の端部位置内側周囲及び外側周囲を覆うように配置される環状スペーサ部材と、
この環状スペーサ部材の環状形状が保持されるように当該環状スペーサ部材の内周面一方側に固定支持され且つ前記現像剤担持体の端部から離間した部位に配置される支持部材と、
を具備することを特徴とする現像装置。 - 請求項11記載の現像装置において、
現像剤担持体に接触し且つ環状スペーサ部材の装着部位より内側には、現像剤が当該環状スペーサ部材側に漏れることを抑止するシール部材を設けることを特徴とする現像装置。 - 静電潜像が担持され且つ回転可能な像担持体と、この像担持体と離間して対向配置され且つ表面に現像剤を担持する回転可能な現像剤担持体との間の規制間隙を保持する間隙保持部材であって、
前記規制間隙に相当する厚み及び現像剤担持体の外径より大きな内径を有する環状の可撓性部材からなり、現像剤担持体の回転軸方向に沿った方向で現像剤担持体の端部位置内側周囲及び外側周囲を覆うように配置される環状スペーサ部材と、
この環状スペーサ部材の環状形状が保持されるように当該環状スペーサ部材の内周面一方側に固定支持される支持部材と、
を具備することを特徴とする間隙保持部材。
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JPH06102754A (ja) * | 1992-09-21 | 1994-04-15 | Canon Inc | 画像形成装置及び現像剤規制部材 |
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