JP4529575B2 - 除塵装置のダスト払落し方法 - Google Patents
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Description
なお、本明細書において廃棄物というときは、都市ごみ、産業廃棄物、汚泥、バイオマス、およびこれらの混合物をいう。
このような構成の廃棄物処理装置における除塵装置22においては、可燃性ガスを、その温度を250〜500℃に保ちつつ、ろ過体に導入して可燃性ガス中のダスト濃度を0.1g/Nm3以下まで低減するとしている。可燃性ガスの温度を上記範囲に設定した理由は、250℃未満では可燃性ガスに含まれるタールの大部分が凝縮して液状であるため除塵装置へ可燃性ガスを導入するダクト内面や除塵装置入口付近に付着して、可燃性ガスの流通に支障が生じる問題があり、500℃より高いとダスト中の塩類が溶融してろ過体の目詰まりが生じる問題があるからである。
さらに、酸素濃度5%以下のガスあるいは窒素ガスで定期的にろ過体の付着物を払い落とすこととしている(特許文献1参照)。
図7はパルスジェットの噴射とフィルタ3の差圧との関係を示すグラフであり、縦軸がフィルタ差圧、横軸が時間を示している。フィルタ差圧は例えば除塵装置入口と出口の圧力差を計測して求められる。図7に示すように、フィルタ3にはダストが付着することで差圧が上昇するが、定期的に吹き込まれるパルスジェットによって付着したダストが払い落とされると、一旦上昇した差圧は低下する。
図8はタール分が含まれる可燃性ガスの除塵を行たったときのフィルタ3の差圧の変化を示したグラフであり、縦軸がフィルタの差圧を示し、横軸が時間を示している。
図8に示されるように、可燃性ガスにタールが含まれる場合には、パルスジェットの吹き込みによるベース差圧(パルスジェットによる払落しを行った後の安定したフィルタ差圧)が一つ前のベース差圧よりも若干高くなり、時間と共に徐々に上昇していく。これはフィルタ3に付着したタールが払落しガスの払い落としでは十分に払い落とすことが出来ず、付着分が徐々に増加してベース差圧増加の原因となるからである。
このように、フィルタ差圧の上昇は廃棄物処理装置の稼動にとって非常に重大な影響を及ぼすことからフィルタ差圧の管理は重要な問題である。
しかしながら、従来においては、定期的なパルスジェットによるダストの払落しはなされているものの、ダスト性状の変化に起因する急激なフィルタ差圧の上昇やタールの付着によるベース差圧上昇に対する対策はなんらなされていない。
ろ過体の差圧上昇は通常図7のようになる。すなわち、ろ過体表面にダストが付着し堆積していくにつれて、ろ過体の差圧は上昇するがその差圧上昇率は一定であり、差圧は通常一次的に増加していくが、許容差圧に達するまでにパルスジェットによる払い落としがなされ、ベース差圧まで下がる。ろ過体表面の全領域に渡ってダストが付着すると、ろ過体表面に付着したダストの上にダストが付着するようになるので、今まで一次的に増加して来た差圧の勾配すなわち差圧上昇率は変化してくる場合があり、この差圧上昇率の変化する点を変曲点と呼ぶ。
一方、付着性が大きく、かさ比重、平均粒径が小さいダストは、ダスト同士の付着力に対して自重などによる自己剥離力が極めて小さいため、ダストの上にダストが急激に堆積していくようになり、変曲点以後の差圧は急上昇し、変曲点前後の差圧上昇率の変化は小から大になるものと考えられる(図4参照)。
他方、図4のような場合は、この状態をそのまま放置しておくと、次回の定期的な払い落とし動作の前に差圧が許容範囲を超え、操業に問題が生じてしまう可能性がある。
そこで、このような場合には定期的な払い落とし動作とは別にパルスジェットによる払落しを行うことで、上記操業上の問題の発生を回避できる。
もっとも、差圧上昇率が一時的に増加したような場合にまで定期的な払落し動作と別の払落しをする必要はなく、差圧上昇率が増加し、その差圧上昇率が所定時間継続する場合に行えば足りる。
本発明は以上の知見を基になされたものである。
なお、廃棄物から可燃性ガスを発生させる方法としては、部分酸化、熱分解、ガス化及び乾留によるものがある。
また、ろ過体にダスト払落し用のガスを定期的に噴射すると共に、ろ過体のベース差圧が所定値を超えたときに、前記定期的に噴射するガス圧力を大きくするようにしたことにより、ベース差圧の上昇を防止して除塵装置の継続運転を可能にできる。
除塵装置が設置されるプラントとしては、図5に示した廃棄物処理装置があり、このような廃棄物処理装置は、廃棄物が投入されると共に酸化用の空気が供給され、部分酸化によって可燃性ガスを発生する部分酸化炉21と、部分酸化炉21で発生した可燃性ガスの除塵を行う除塵装置22と、除塵装置22で除塵された可燃性ガスを燃焼する燃焼炉23と、燃焼したガスの熱回収を行うボイラ24とを備えてなる。
なお、除塵装置22の差圧とは、除塵装置内のフィルタの入口側と出口側の差圧をいう。
以下、本実施の形態に係るダスト払落し方法について図1を参照しながら説明する。
さらに、その後差圧が上昇して上記と同様の差圧上昇率が急激に高くなる変曲点が現れ、これが5分間継続したので、パルスジェットを噴射した(パルス(3))。これによって、差圧はベース差圧まで低下した。
以降は同様の動作を繰り返した。
なお、定期的なものとは別にパルスジェットを噴射した後、短時間後に定期的なパルスジェットの噴射の時期となる場合は、定期的なパルスジェットの噴射を省略してもよい。
本実施の形態では上昇した差圧上昇率が継続する時間が5分以上の場合、定期的なものとは別にパルスジェットを噴射しているが、差圧上昇率の継続時間の所定値としては適宜に設定すればよい。
図2は本発明の他の実施の形態に係る除塵装置のダスト払い落とし方法を行ったときの除塵装置の差圧の変化を示したものであり、縦軸が除塵装置の差圧、横軸が時間を示している。
除塵装置によって可燃性ガスの除塵を行っていく過程において、ベース差圧の上昇が確認されたので、除塵装置下から回収されたダストを分析したところタール分が多いことが確認された。このことから、ベース差圧の上昇が処理対象物の変化によるタール分の上昇であることが分かった。
そこで、ベース差圧が許容限界値として予め設定した所定値になった時点(図2におけるアの時点)で前記定期的に噴射するガス圧力を一時的に大きくしてパルスジェットを噴射した。これによって、タールによってフィルタに強固に付着したダストが払い落とされてベース差圧が初期値である基準ベース差圧に回復した。
以降は通常の圧力でのパルスジェットの噴射を行った。
Claims (2)
- 廃棄物から発生させた可燃性ガスを250℃〜500℃でろ過体にてろ過して除塵する除塵装置のダスト払落し方法であって、
前記ろ過体にダスト払落し用のガスを定期的に噴射すると共に、前記ろ過体の差圧上昇率が1.5倍以上となり、かつ該上昇した差圧上昇率が所定時間以上継続する場合、その時点で前記定期的な払落しガスの噴射とは別にダスト払落しガスを噴射してダストの払い落としをすることを特徴とする除塵装置のダスト払落し方法。 - ろ過体のベース差圧が所定値を超えたときに、定期的に噴射するガス圧力を大きくすることを特徴とする請求項1記載の除塵装置のダスト払落し方法。
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