JP4529271B2 - 電極板裁断加工用金型 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウムポリマー電池等の電極板を所定の形状に裁断する金型の改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近では、携帯電話やノートパソコンなど各種の携帯用電気機器の電源として小型のリチウム2次電池が軽量にして高容量な電池として、一般的に広く使用されるようになってきた。しかし、さらなる軽量化、高容量化、安全性の向上、コストダウンなどが、市場より強く求められている。それらの市場からの要望に対する取り組みの一環として、軽量、且つ高容量であるのみならず、液状の電解液に変えて、ゲル状または固体電解質を用い、漏液の心配が無く、安全性や信頼性に関しても格段に優れる電池として、最近では、リチウムポリマー電池の開発が積極的に進められている。
【0003】
従来から一般的に採用されているリチウムポリマー電池の正極板の形状について、その一例を図4に示すように、正極板1は大小2個の長方形を、共に長方形の短辺の部分で接触させ、つなぎ合わせた形状であり、大きな長方形の長辺の長さAは約50mm、短辺の長さBは約30mmであり、この部分2の両面には活物質その他が塗着されており、厚さ130μm程度に仕上げられる。小さな方の長方形の部分3は、集電部として、溶接またはカシメなどの方法により外部端子に接続されるために、芯材5である厚さ40μm程度のアルミニウム製ラスの金属表面が露出した状態となっている。
【0004】
又、一般的な負極板は、正極板1と類似形状であり、活物質を塗着する部分2の面積が正極板1よりも僅かに大きいこと、及び厚さが幾分厚く設定されている点で異なるのみであり、本発明の内容とは関係が希薄であるので図示は省略する。
【0005】
正極板1の場合、芯材5は集電体としての機能をも兼ねるために、耐触性と導電性に優れる帯状に加工されたアルミニウム製ラスを芯材として、その両面にコバルト酸リチウム、導電材、バインダーなどを混合しペースト状としたものを塗着乾燥した後、活物質などの塗着物の高密度化と電極板の厚さの均一性を確保するためのロールプレス加工を加えた後に、プレス加工により図4に示す形状に切断される。
【0006】
上記のような形状の正極板と負極板を、厚さ約20μmで微小な孔を多数有する樹脂フイルムからなるセパレーターを介して積層したリチウムポリマー電池の電極群の一例について、その積層した状態を図6に斜視図として示す。但し、図6に於いては、正極板1と負極板28を積層したその位置関係と、相対的な大きさの関係を明瞭に示すために、セパレーターは負極板28とほぼ同じ大きさで、負極板の両面に接触する状態で積層されるが、セパレーターの図示は省略している。
【0007】
このような状態に積層される場合には、正極板1の切断面に発生したバリ27が、大きくてセパレーターを突き破る場合には、負極板28に正極板1から伸びるバリ27が直接接触して重大な短絡不良の原因となる。特に切断面に平行な方向を向くバリは、短絡不良の原因となる可能性が高い。但し、サイズの大きい負極板28の切断面に発生したバリに対しては、その付近に正極板1は存在しないので、直接正極板に接触することはなく、短絡不良を直ちに引き起こす原因となることはない。しかし、品質の不安定要因にはなると考えられ、小さく制限する必要がある。
【0008】
正極板1の切断面に垂直な方向を向くバリは、この姿勢が安定して維持できる場合には短絡不良の原因となる心配は少ないが、バリの姿勢は非常に不安定であると予想されるので、バリの向きには無関係に、バリの長さは50μm以下に管理されている。又、バリの測定器としては、バリは非常に不安定であるために、非接触式の測定器を用いて、測定誤差のバラツキを出来る限り排除するようにしながら測定し、バリの高さ、または長さが50μmに接近した時を、金型の寿命と判定し、金型の再研削を行っている。
【0009】
ところで、従来から一般的に、ゴムや紙、布などのような弾力性がある物、柔軟な繊維質の製品などを、複雑な形状に切断する場合には、しばしば金型の先端部にシャープな鋭角に加工された刃先部分を有する裁断加工用金型が用いられている。リチウムポリマー電池の電極板材料に対しても、リチウムポリマー電池の電極板の芯材として、アルミニウム、銅などの軟質金属の薄板に加工を加えて網目状としたラスが用いられているために、切断加工の際に発生しがちなバリを小さくする手段の一つとして、図7に示すような裁断加工用金型が用いられる場合が多い。
【0010】
図7では、金型構造を簡略に解りやすく示すために、プレスの一ストローク当たり1枚の正極板1を裁断する最も単純な構造の裁断加工用金型を断面図にて示す。(a)は下型11で電極板材料4を支え、裁断加工用金型の切れ刃7を下降させて、電極材料4に押しつける直前の様子を示し、(b)は上型を下降させて、裁断加工用金型の切れ刃7を押しつけ正極板1を裁断した状態を示す。なお、ストリッパー8は裁断された正極板1が切れ刃の内径と嵌まり合い、金型からの排出が困難となることを防止するために設けられるのが一般的である。
【0011】
上記のような形状と性状を有する電極板を、プレス加工により能率的に裁断する場合には、このような裁断加工用金型を使用するのが一般的であるが、正極板1の場合には、薄くて軟質な芯材5の表面に活物質として高硬度なコバルト酸リチウムなどの粉末が塗着されているため、裁断加工用金型の刃先7が非常に磨耗し易い。
【0012】
従来から、金型の刃先7の磨耗を極力小さくする手段として、靱性と耐磨耗性に優れた粉末ハイス製や、各種の超硬合金製の金型などの使用が試みられた。また、刃先7を非常に鋭角にシャープに加工するのではなく、故意に刃先を僅かに丸めたり、平らに加工して幾分鈍くすることにより、刃先7のチッピングを防ぎ刃先の寿命を引き伸ばすことや、これらの金型の表面に、種々のセラミックコーティングによる表面処理を施して裁断加工用金型の寿命の延長を図ることも試みられた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、電極板を裁断する際に、切断面に発生するバリを小さく制限し、電池の短絡不良の主要な原因の一つを排除して、電池の品質を安定させることは非常に大切である。さらに、電極板裁断用金型の寿命を伸ばし、電極板を裁断する工程の稼働率を高め、生産性を高めると同時に、電極板裁断用金型のイニシャルコストと、ランニングコストなども併せて低減することが強く求められている。
【0014】
これらの課題は、従来から度々取り組みのなされた課題であるが、非常に解決が困難であり、従来から用いられている一般的な裁断加工用金型での正極板の打ち抜き寿命は、1回の研削当たり数万ストローク程度に過ぎず、満足できる状態からは程遠いものであった。本発明は、このような電極板の切断面に発生するバリを小さくし、金型の寿命を伸ばすという課題の解決を図るものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような課題を解決するために、帯状の電極板材料を裁断加工用金型の下型(アンビル)の上面で支えておき、上型を下型に向けて下降させて電極板を裁断し、引き続いて、バリや抜きかす部分も含めて、電極板の外側にある電極板材料を、上型を構成する切れ刃と外側ストリッパーの両者で、アンビルの上面に押しつけた状態で、上型の切れ刃の内側に設けられた内側ストリッパーと下型の一部を構成するリフターを用いて、前記の裁断された電極板を表裏両面から適度な加圧力を加えて挟み、平面状に保持しつつ、一度裁断加工用金型の切れ刃の内側に所定の距離だけ押し込む。
【0016】
その後に、前記電極板を切れ刃の先端部まで引き戻すことにより、裁断加工用金型の内側の所定距離を電極板の切断面と平行な方向に一回以上往復させて、金型から排出する。
【0017】
切れ刃による電極板の裁断時に切断面の付近に発生したバリは、そのほとんどが切断面に平行で下型の方向に向いているが、まれには、切れ刃の先端部に生じた欠けや磨耗などのために、電極板及びその周囲の電極板材料と完全には切断されず、切れ刃の先端部で押しつぶされた状態のままバリとして両者につながった状態で残り、電極板が電極板材料から完全に分離された後も、切断面に対して垂直方向に向くものなども一部存在する。しかし、本発明の金型によると、上記のような方法により、電極板を切れ刃の内側に一度押し込む際に、この部分は引きちぎられ、バリの大部分は残材側に取り残されて極端に大きなバリは電極板の切断面からなくなる。
【0018】
なお、バリを引きちぎる際に、従来は芯材部分に異常な力が働き、電極板の芯材と活物質との間に割れ目や隙間が生じ、活物質と芯材との密着性が損なわれる場合も認められたが、本発明においては電極板材料を外側ストリッパーと切れ刃でアンビルに押さえつけながら電極板の上下両面から、内側ストリッパーとリフターで適度な加圧力を加えた状態でバリを引きちぎるので、芯材と活物質の密着性が損なわれることもなくなる。
【0019】
また、裁断加工用金型の切れ刃の内側には抜き勾配を設けていないので、裁断加工用金型の切れ刃の内側に、前記の裁断された電極板をリフターによりさらに押し込むと、切断面に働く切れ刃の内側面との摩擦力によりほぼ完全にバリの向きは切断面と平行で、且つ下型の方向を向く方向に揃うようになる。
【0020】
その後、リフターと内側ストリッパーで電極板を上下両側から挟んだ状態で、裁断加工用金型の切れ刃の先端方向に引き戻すと、金型の内側の面と再度こすれて切断面には前記とは逆向きの力が働き、ほぼ完全に下型の方向に向いていたバリの一部は脱落したり、一部はその向きを逆方向に向けたりするが、多くは、裁断時に切断面に生じたバリの長さを縮小することとなり、裁断加工用金型の実質的に一研削当たりの寿命を延長させることが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の電極板裁断加工用金型の主要部構造と動作を断面図で示し、アルファベット順に切れ刃7を正極板材料4に押しつけ裁断する直前の様子から、裁断された正極板1を金型から排出する直前の様子までを示す。
【0022】
図2は、本発明の電極板裁断加工用金型の一例についての正面断面図を示す。図3は本発明の電極板裁断加工用金型を用いる場合に、正極板1の切断面の付近に発生するバリ27が小さくなり、金型寿命が実質的に長くなる理由を説明するための図であり、工程順に正極板の切断面が変化する様子を拡大図で示す。
【0023】
図5は本発明の裁断加工用金型を利用して、正極板1を裁断する装置全体の概略を示す斜視図である。
【0024】
以下順を追って、本発明の金型をリチウムポリマー電池の正極板1の裁断に対して用いた場合について簡単に説明する。
【0025】
図1において、(a)は裁断加工用金型の切れ刃7と外側ストリッパー6と内側ストリッパー8などからなる上型18を上昇させた状態で、アンビル11とリフター9からなり、上面が一平面内に平らに揃えられた下型22上に、帯状の正極板材料4を送り込んだ状態を示す。なお、切れ刃7の内側には、正極板1の裁断時に正極板の切断面に生じたバリを、切断面と切れ刃の間に働く摩擦力を利用して小さく押しつぶすために抜き勾配などは設けられていない。又、送られてきた正極板材料4や裁断された正極板1の位置ずれを防止し、確実に所定の位置に保持するために、リフター9の上面には真空吸着用の孔10が適当な間隔を隔てて複数個設けられている。
【0026】
(b)は前記の送られてきた帯状の正極板材料4を、リフター9に設けられた真空吸着孔10を利用して、所定の位置に吸着保持した状態で上型18を下降させて、まず外側ストリッパー6と内側ストリッパー8により下型22のアンビル11及びリフター9の上面に正極板材料4を押しつけ平面状に保持する。引き続き正極板材料4を、裁断時に働く外力や振動により位置ずれが生じないように保持しつつ、鋭利な楔状の切れ刃7を下降させて正極板材料4を切れ刃7とアンビル11で挟み、所定の力を加えて正極板1を裁断した状態を示す。
【0027】
(c)は正極板1の裁断に引き続き、正極板の裁断により孔のあいた正極板材料4を外側ストリッパー6と切れ刃7で、アンビル11に対して押さえつけながら裁断された正極板1を内側ストリッパー8とリフター9で上下両面から適度な力を加えて挟み、正極板を平らな状態に保持しつつ、リフター8の力で押し上げて裁断加工用金型の切れ刃7の内径に1.5mm程度押し込んだ状態を示す。
【0028】
(d)は(c)に示す状態から、切れ刃7のみを上昇させ、他の部分は全く移動させていないので、内側ストリッパー8とリフター9で正極板1を両面から挟み、フラットな状態に保持しつつ、相対的に正極板1を切れ刃7の先端部まで引き戻したと同じ状態にある様子を示す。
【0029】
(e)は(d)に示す状態から、上型18を構成する外側ストリッパー6、内側ストリッパー8、切れ刃7などの全てを上昇させて、正極板材料4への拘束を開放すると同時に、裁断された正極板1への拘束をも解き、裁断加工用金型から排出する直前の様子を示す。なお、下型22は(d)と(e)では共に、移動させていない。
【0030】
本発明の電極板裁断加工用金型の特徴は、上記のように裁断された正極板1を、一旦切れ刃7の内径に押し込んだ後に、切れ刃7の先端部まで引き戻すことにより、切れ刃の内側に所定距離を正極板の切断面と平行な方向に一往復させて、切れ刃7の内側表面と正極板1の切断面に切断面と平行で反対向きの摩擦力を働かせて、切断面の付近に発生するバリを脱落させたり、小さく短縮させたりすることにある。
【0031】
なお、正極板が裁断された後もさらに、ストリッパー8とリフター9で正極板1を挟み、切れ刃の内側を上下に移動させる距離を0.05〜3mmと限定する理由は、移動距離の増加にともなって、わずかずつ正極板の裁断スピードが低下する傾向にあること、および移動距離を少なくするに伴って、バリを押しつぶす効果が減少するので、極板の厚さや、材質などを考慮して適当な移動距離を設定する必要があるためである。
【0032】
つまり、0.05mmより少ない場合は電極板を切れ刃の内側で保持することが不安定となり、3mmより大きい場合は電極板の厚さに比べて不必要に大きくなり却って変形等の支障を招く。
【0033】
又、裁断加工用金型の上型18をアンビル11上に支持された正極板材料4に向けて下降させて正極板1を裁断した際に、裁断加工用金型の刃先の局部的な磨耗や欠け、またはプレスや金型の精度不良などにより刃先7とアンビル11により完全には芯材5などが切断されず、まれにバリとして残った場合にも、周囲の正極板材料4を外側ストリッパー6と刃先7でアンビル11に対して押えつけながら、裁断された正極板1をリフター9でアンビル11から引き離す方向に上昇させるとバリは引きちぎられ、そのほとんどが残材側に取り残されて、極端に大きなバリが正極板1の切断面に残存することはなくなる。
【0034】
図2は本発明の電極板裁断加工用金型の一例について、主要部の正面断面図を示す。図2に於いては、プレスのラムが一回の下降動作をする毎に2枚の正極板1の裁断が可能な金型構造の場合を示している。上型18の外側ストリッパー6と内側ストリッパー8は、圧縮ばね17の力に抗して強い力を加えると、ガイドポスト16に沿って上下に摺動可能な構造である。又、下型22の各部は切れ刃7に対しても上下方向の相対的位置関係を変えられる構造であり、下型22のリフター9にもリフター駆動部23を経由して駆動力が伝達され、プレスのラムの動作に同期してリフター9は上下に摺動可能な構造である。
【0035】
なお、図示を省略しているが、上型18と下型22の位置合わせを容易化するための上型と下型を繋ぐガイドポストが設けられている。さらに、楔状をした刃先7は超硬合金製であり、金型寿命を伸ばすための特殊な表面処理も施し、さらに、刃先の寿命を安定化させるために僅かに先端部は鈍く平らにし刃先の厚さは数10μm程度に加工されている。
【0036】
図3は本発明の電極板裁断加工用金型を用いる場合に、正極板1の切断部の付近に発生するバリ27が小さくなり、金型寿命が実質的に長くなる理由を説明するための図であり、工程順に正極板の切断面の形状とバリの長さが変化する様子を拡大図で示す。
【0037】
(a)は下型を構成するリフター9とアンビル11に支えられた正極板材料4に切れ刃7を押しつけて正極板1を裁断した状態を示す。切れ刃7の先端部はバリを小さくするために、シャープに加工されるが、あまりにシャープ過ぎると刃先の欠けなどが生じやすくなるために、寿命が不安定となる傾向があり、数10μm程度の幾分フラットな部分が設けられている様子を示している。
【0038】
なお、本発明の金型を用いるとバリが押しつぶされて小さくなることを説明するために、左側の切れ刃7は正常で切断面のバリも比較的小さくなっている状態を示し、右側の切れ刃7は故意に刃先7が磨耗して芯材5が不完全な状態に切断されて、切れ刃の先端部にもバリ27が残り、正極板1とその周囲の電極板材料4が僅かに芯材5から成るバリでつながっている状態を示す。
【0039】
この状態で切れ刃を上昇させて、正極板1を金型から取り出すと、バリ27は引きちぎられて正極板側または電極板材料側の何れかにくっついた状態となるが、引きちぎられる場所が不安定で、場合によっては正極板の切断面に異常に大きなバリが残る場合も考えられる。
【0040】
(b)は正極板1を裁断後も切れ刃7と外側ストリッパー6を下降させた状態で、正極板1の周囲に位置する電極板材料4をアンビルに対して押さえ込んだままで、正極板1を内側ストリッパー8とリフター9で上下両側から適度な加圧力を加えて挟み、平らに保持しつつ裁断加工用金型の切れ刃の内側を2mm程度、切れ刃の奥深くまで押し込んだ状態を示す。
【0041】
右側の切れ刃の内側で押さえ込まれたバリ27は、ほぼ確実に切れ刃の先端部の内径付近と正極板1の切断面の中間部に位置する芯材との間で引きちぎられるので、正極板1側に残るバリ27の長さはやや短くなり、しかも極度に長いものはなくなる傾向にある。また、正極板1を切れ刃7の内径深くまで押し込み、切断面に対して切れ刃の内径表面との間に働く摩擦力を働かせると、バリに対してもほぼ同様な方向を向く力が働き、バリ27は切断面と平行で、その先端の方向は下型22の方向に向く。
【0042】
(c)は(b)の状態から切れ刃7のみを上昇させた状態を示す。正極板1と切れ刃7との位置関係に注目すると、正極板1を切れ刃7の内径奥深くから先端部の方向に引き戻し、さらに、切れ刃部分より取り出した状態と成っている。
【0043】
その際、正極板1の切断面とその付近のバリ27には、切れ刃7の内径面との間に正極板を切れ刃の深くに押し込んだ際とは反対方向の摩擦力が働き、切断面の左右両端の下側コーナーも、尖った状態から小さいながらも幾分丸みをもった形状に変化し、バリ27も一部は脱落し、一部は押しづぶされ長さを短くし先端部の向きも(b)とは反対方向に向く状態となる。本発明の金型を用いると、このような現象が生ずるので、実質的に電極板裁断用金型の寿命が伸びたと考えることが出来る。
【0044】
図5は本発明の裁断加工用金型を用いて電極板を裁断する際に用いる装置の概略を示す斜視図である。左上方面よりロール状に巻き取られた帯状の電極板材料4を巻き戻しながら、グリッパーフィード装置26により、本発明の金型を取り付けたプレスの所定の位置に電極板材料4を間欠的に送り込み、プレスのラムの1ストローク当たり2枚づつ電極板1を裁断し、インデックステーブル29を利用した取り出し装置でバリの小さな電極板を取り出し、次工程に供給する構造となっている。なお、本装置においてはプレスのラム及びリフターの駆動源を共通な一台のモーターとし、それぞれに向けて、歯車、チェーン、リンク機構、クランク機構などを経由して、所定の上下方向の往復運動に変換して動力が伝達される構造としたが、この他にも種々の方式が可能である。
【0045】
特にバリの小さいことが求められる、電極板1の裁断に対して、従来から一般的に用いられている図7に示される金型の場合では、数万ストローク程度に過ぎなかったものが、本発明の裁断加工用金型を用いる場合には、数10万ストローク以上と、10倍以上にも大幅に伸び、電極板の裁断工程における生産性は改善され、金型コストは大きく低減し、さらに電池の製造工程における品質も安定した。
【0046】
【発明の効果】
本発明の裁断加工用金型を利用する場合には、裁断された電極板を表裏両面から適度な加圧力を加えて挟み、フラットな状態に保持しつつ、裁断加工用金型の切れ刃の内側の所定距離を往復させることにより、電極板の切断面及びバリに対して、切断面と平行で逆方向の摩擦力を加えて、切断面の付近に発生したバリを切断面から脱落させ、または短く押しつぶすことが出来る。
【0047】
又、切れ刃をアンビル上に支持された電極板に向けて下降させて、電極板を裁断した際に、裁断加工用金型の刃先の局部的な磨耗や欠けのために刃先とアンビルにより完全に切断されず、まれに、芯材などがバリとして残った場合にも、周囲の電極板材料を外側ストリッパーと刃先でアンビルに対して押えつけながら、裁断された電極板を内側ストリッパーとリフターで所定の加圧力を加えて挟み上昇させると、バリは引きちぎられるが、ほとんどが残材側に取り残されて、極端に大きなバリが電極板の切断面に残ることはなくなる。さらに、活物質と芯材との間に隙間が生じ、密着性が損なわれることもなくなる。
【0048】
従来から一般的に、金型寿命は裁断された電極板に発生するバリの大きさにより判定されるのが常識であり、本発明のバリを押しつぶして小さくする金型の採用により、電極板裁断加工用金型の寿命を大幅に引き伸ばすことが出来る。従って、電極板の裁断加工の生産性は大幅に伸び、また電池1個当たりの金型コストも大幅に低減出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の裁断加工用金型主要部の構造とその動作を示す断面図
(a)上型を上昇させ、電極板材料を金型に供給した状態を示す図
(b)上型を下型に向けて下降させて、電極板を裁断した状態を示す図
(c)裁断された電極板を切れ刃の内側に押し込んだ状態を示す図
(d)切れ刃を上昇させ、電極板を切れ刃の先端部迄引き戻した状態を示す図
(e)裁断は完了し、電極板を金型から排出する直前の状態を示す図
【図2】 本発明の裁断加工用金型の一例について、構造を示す正面断面図
【図3】 正極板の切断面と切断面に生じたバリの形状の変化を示す断面図
(a)切れ刃を正極板材料に押し付けて、正極板を裁断した直後の様子を示す図
(b)内側セパレーターとリフターで正極板の上下両側より挟み、切れ刃の内側に押し込んだ様子を示す図
(c)切れ刃の内側から、正極板を引き戻した様子を示す図
【図4】 正極板の平面図
【図5】 本発明の金型を用いて電極板を裁断する装置全体の概略を示す斜視図
【図6】 電極板の積層した状態を示す斜視図
【図7】 従来の裁断加工用金型断面図
(a)電極板材料を下型に供給した状態を示す図
(b)上型を下降させて電極板を裁断した状態を示す図
【符号の説明】
1 電極板(正極板)
2 活物質塗着部
3 集電部
4 電極板材料(正極板材料)
5 芯材
6 外側ストリッパー
7 切れ刃
8 内側ストリッパー
9 リフター
10 真空吸着孔
11 アンビル
13 シャンク
15 パンチプレート
16 ガイドポスト
17 圧縮ばね
18 上型
19 圧縮ばね
20 ガイドポスト
21 ダイプレート
22 下型
23 リフター駆動部
24 プレスベッド
25 プレスフレーム
26 グリッパーフィード
27 バリ
28 負極板
29 インデックステーブル
A 活物質塗着部の長辺
B 活物質塗着部の短辺

Claims (3)

  1. 上型の主要部は、切れ刃と、外側ストリッパーと内側ストリッパーの3つの部分から構成され、下型の主要部は、アンビルとリフターの2つの部分から構成されている電極板裁断加工用金型であって、位置決めされた電極板材料を前記下型で支えた状態で、裁断加工用金型の前記上型を前記下型に向けて下降させて、電極板を所定の形状に裁断し、引き続き前記切れ刃と、前記外側ストリッパーで前記電極板の周囲の電極板材料を前記アンビルに押さえつけながら、前記内側ストリッパーと、前記リフターを用いて、前記裁断された電極板を表裏両面から挟みフラットに保持しつつ、前記切れ刃の内径の奥に向けて所定距離だけ押し込んだ後に、押し込まれた電極板を押し下げるか、または切れ刃を上昇させることにより、相対的に前記電極板を前記切れ刃の先端部まで引き戻してから、前記裁断加工用金型から排出することを可能とした電極板裁断加工用金型。
  2. 切れ刃の内径の奥に向けて所定距離だけ押し込む際に、電極板の切断付近に発生したバリを引きちぎり、前記電極板を切れ刃の先端に向けて引き戻すことにより、前記バリを押しつぶすことを可能とした請求項1または2記載の電極板裁断加工用金型。
  3. 電極板を裁断後、ストリッパーとリフターを用いて電極板を表裏両面から挟み、裁断加工用金型の内側の奥に向けて押し込む距離は0.05mm〜3mmの範囲内にあることを特徴とする請求項1または2に記載の電極板裁断加工用金型。
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