JP4529241B2 - 電動圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷凍冷蔵機器や空調機器等に使用される電動圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術について図7の往復動式電動圧縮機を用いて説明する。
【0003】
図7において、1は電動圧縮機の密閉容器で、内部下方に設けた圧縮機構部2と、この圧縮機構部2の上方に設けた電動機部3とを備えている。4は電動機部3の回転子14に取付けられた軸で、クランク部4aを備えている。
【0004】
5は鉄系材料の鋳物からなるシリンダブロックで、前記軸4が挿入される軸受部6と、この軸受部6とほぼ直角に形成されたシリンダ7とが形成されている。
【0005】
9はシリンダ7内を摺動するピストンで、圧縮室10を形成し前記クランク部4aとコネクティングロッド8を介して連結されている。11は前記クランク部4aの先端に取付けられた給油管で、密閉容器1の底部に貯溜する潤滑油12を圧縮機構部2や軸4に給油して摺動部の潤滑をスムースにさせている。
【0006】
前記電動機部3は、積層電磁鋼板よりなる固定子鉄心に巻線を巻装した固定子13と、積層電磁鋼板よりなる回転子鉄心15に2次導体を設けてなる回転子14とから構成される2極の誘導電動機である。
【0007】
また、回転子鉄心15の圧縮機構部2に対向する側の端部にはボア部16が設けられており、軸受部6がボア部16の内側まで延在している。
【0008】
以上のように構成された従来の往復動型電動圧縮機の動作について説明する。
【0009】
回転子14の回転に伴い、軸4のクランク部4aに連結されたコネクティングロッド8を介してピストン9が往復動し、圧縮室10内の冷媒ガスを圧縮して吐出管(図示せず)を通じて冷凍冷蔵機器や空調機器等のシステムに向けて吐出される。
【0010】
ここで圧縮機構部2の軸受部6、シリンダ7,コネクティングロッド8およびピストン9等の各摺動部への給油は、軸4の下端に装着された給油管11が回転してそのポンプ作用により潤滑油12を汲み上げて給油する構成となっている。
【0011】
近年省エネルギーや小型化の観点から冷凍冷蔵機器や空調機器の消費電力量の低減や高さ方向を小さくするための検討が盛んに行われ、小型化については、回転子をできるだけ圧縮機構部に近づけているためボア部に軸受の一部を延在させて回転子の回転振れを抑制するとともに、電動圧縮機の全高を低くしている。
【0012】
しかし、冷凍システムの中で最も大きな消費電力を占める電動機の高効率化という点において要望を満すまでに到っていなかった。
【0013】
従来電動圧縮機に使用されてきた2極の誘導電動機についても低鉄損の電磁鋼板の採用やコア形状の最適化、あるいは使用材料の増量等様々な高効率化の検討がなされてきた。しかしながら、誘導電動機はトルクを発生して負荷を回転させるための電力のほかに、磁気回路を形成するための励磁電力が必要であるため、電動機の効率は飽和傾向にあり、さらに大幅に効率を向上させることは困難な状況にある。
【0014】
そこで、電動機のさらなる高効率化の手段として、回転子に永久磁石を内蔵することにより、励磁電力が不要となり高い効率が得られる2極の自己始動形永久磁石式同期電動機を電動圧縮機に適用することに着目した。
【0015】
この自己始動形永久磁石式同期電動機の一実施例について図8および図9を用いて説明する。
【0016】
なお、電動圧縮機としては電動機部が異なるだけなので、この点について説明する。
【0017】
17は同期電動機の回転子で、電磁鋼板が積層された回転子鉄心18と、この回転子鉄心18に軸4を嵌合する軸孔19とからなっている。20は回転子鉄心18の軸方向の端部に設けたボア部であり、図示しないがシリンダブロック5の軸受部6の一部が延在している。20aはボア部20のボア径である。
【0018】
そして回転子17に2個の平板形で同極性の永久磁石21を突き合わせ角度αで山形状に挿入配置して回転子磁極の一つの極を形成し、回転子全体で2極の回転子磁極を形成している。ここで、永久磁石21の幅寸法をPとする。
【0019】
また、回転子鉄心18に設けた多数の導体バー22と、回転子鉄心18の軸方向の両端に位置する短絡環23とをアルミダイカストで一体成型して始動用かご形導体を形成している。
【0020】
24は永久磁石21が脱落するのを防止する保護用の非磁性体からなる端板である。また、25は隣り合う永久磁石間の磁束短絡を防止するための磁束短絡防止用バリアであり、前記始動用かご形導体とアルミダイカストで同時成型されている。
【0021】
図9を参考に、永久磁石21の磁束の流れを矢印の線で概念的に説明すると、各永久磁石21の内側を流れる磁束の流れは、上部2個の永久磁石21から出る磁束は回転子鉄心18の中央部を集中して通り図中下部に示す2個の永久磁石21に吸い込まれるが、ボア径20aの外周付近の回転子鉄心18aを通る磁束の磁束密度は、非常に高くなる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の誘導電動機に変えて自己始動形永久磁石式同期電動機を用いることが考えられるが、ボア部20の内側に鉄系材料の軸受部6が位置するため、励磁されたボア部20の内周と軸受部6との間に磁気吸引力が働いて、電動機の発生トルクを低下させるロストルクが生じるとともに、永久磁石21の磁束が軸受部6側に流れて鉄損(特に渦電流損)が発生する。このロストルクと鉄損(特に渦電流損)を補って運転を続けるために電動機として、その見合い分の余分な電力を投入する必要があり、効率向上を阻害する要因となってくる。
【0023】
本発明は上記課題に鑑み、軸受部での磁気吸引力によるロストルクと鉄損(特に渦電流損)を少なくした高効率の電動圧縮機を提供することを目的とするものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は2極の永久磁石型電動機を搭載した電動圧縮機の圧縮機構部の軸受部を非磁性材料とし回転子鉄心のボア部の内側にこの一部を延在したものである。
【0025】
また、本発明は圧縮機構部の軸受部が回転子鉄心のボア部の内側に延在する部分を非磁性材料としたものである。
【0026】
また、回転子鉄心と軸受部の各端面が縦断面において重なり合わないことを特徴とする。
【0027】
また、2極の永久磁石型電動機が、回転子鉄心の外周に始動用かご形導体の多数の導体バーを有し、その内側に複数個の永久磁石を埋設してなる回転子を備えた自己始動形永久磁石式同期電動機とするものである。
【0028】
さらに、永久磁石を希土類磁石で形成するものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、密閉容器内に収納され、かつ軸受部を備えた圧縮機構部と、前記圧縮機構部に連結して駆動する電動機部とからなり、前記電動機部が回転子の回転子鉄心に永久磁石を内蔵した2極の永久磁石型電動機であって、前記回転子鉄心の前記圧縮機構部に対向する側の端部にボア部を設け、前記軸受部は、前記電動機部側の軸受部と前記圧縮機構部側の軸受部との2部材から構成されるものとし、前記電動機部側の軸受部は非磁性材料で構成されるとともに、前記回転子鉄心のボア部の内側に延在して配置され、前記圧縮機構部側の軸受部は鉄系材料で構成されることを特徴とするもので、ボア部の内周と軸受部との間には磁気吸引力が働かないのでロストルクが生じず、また、永久磁石の磁束による軸受部内での鉄損の内、渦電流損の発生を防ぐことができるとともに、前記軸受部を前記ボア部の内側に延在する部分以外は安価な鉄系材料とすることができ、且つ前記圧縮機構部のシリンダブロックと一体的に形成することが可能となるので、高効率で安価な電動圧縮機を提供することができるという作用を有する。
【0030】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、2極の永久磁石型電動機が、回転子鉄心の外周に始動用かご形導体の多数の導体バーを有し、その内側に複数個の永久磁石を埋設してなる回転子を備えた自己始動形永久磁石式同期電動機である。
【0031】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、永久磁石を希土類磁石で形成したものであり、希土類磁石は強い磁力を得ることができるので、電動機の小型軽量化ひいては電動圧縮機の小型軽量化を図ることができるという作用を有する。
【0032】
以下本発明の一実施例を示す電動圧縮機の参考例および実施の形態を説明する。
【0033】
参考例1)
図1から図2を用いて説明する。図1は2極の自己始動形永久磁石式同期電動機を用いた圧縮機の縦断面図、図2は図1の回転子のボア部を横切る断面図である。
【0034】
図において、51は電動圧縮機の密閉容器で、内部下方に設けた圧縮機構部52と、この圧縮機構部52の上方に設けた自己始動形永久磁石式の同期電動機53とを備えている。54は同期電動機53の回転子55に取付けられた軸でクランク部56を備えている。
【0035】
前記圧縮機構部52は前記軸54が挿入される非磁性材であるアルミダイカストからなる軸受部57と、ピストン58が摺動するシリンダ59を備えた鉄系材料の鋳物からなるシリンダブロック60とからなり、ピストン58を前記クランク部56にコネクティングロッド61で取付けて、シリンダ59内に圧縮室62を形成させている。
【0036】
そして、軸受部57とシリンダブロック60とはボルトBにて取付けられている。このシリンダ59の先端には吐出弁や吸込弁(ともに図示せず)を有した弁室63が取付けられている。
【0037】
64は弁室63の吸込弁側に取付けられたサクションマフラーである。
【0038】
65は前記クランク部56の先端に取付けられた給油管で、容閉容器51の底部に貯溜する潤滑油66を圧縮機構部52の摺動部に導いて、潤滑をスムースにさせている。
【0039】
また、前記同期電動機53は、積厚L1の積層電磁鋼板よりなる固定鉄心に巻線を巻装した固定子67と、積層電磁鋼板よりなる回転子鉄心68とからなる回転子55とから構成されている。この回転子55の圧縮機構部52側にはボア部69が形成されており、このボア部69内へ前記軸受部57の一部が延在している。
【0040】
70aは2個の平板形の希土類磁石であるネオジウム・鉄・ボロン系の強磁性体からなる永久磁石で、同極性の永久磁石を突き合わせ角度α’で山形状に突き合せるように挿入配置して回転子鉄心68の軸方向に埋設されており、2個の永久磁石で1極の回転子磁極を形成し、回転子55全体で2極の回転子磁極を形成している。なお、永久磁石の幅寸法はP’に設定されている。
【0041】
ここで、永久磁石の着磁方法であるが、回転子鉄心68へ挿入前に着磁しても挿入後に着磁してもよいが、作業性を考えると永久磁石となる磁性体を挿入固定後に着磁作業をする方がよい。
【0042】
また、同極性の永久磁石2個を山形状に配置して1極の回転子磁極を形成しているが、弓状の1個の永久磁石で1極の回転子磁極を形成してもよい。
【0043】
そして、回転子鉄心68に設けた多数の導体バー71と、回転子鉄心68の軸方向の両端に位置する短絡環72とをアルミダイカストで一体に成型して始動用かご形導体を形成している。73は永久磁石70a,70bが脱落するのを防止する保護用の非磁性の端板である。
【0044】
74は隣り合う永久磁石間の磁束短絡を防止するための磁石短絡防止用バリアでスロット状の孔からなり前記始動用かご形導体とアルミダイカストの同時成型で、この孔内にもアルミダイカストが充填されている。
【0045】
次に永久磁石70a,70bの磁束の流れを図2の矢印線で概念的に説明すると、上部2個の永久磁石70aから出た磁束はボア部69の外周に近い回転子鉄心68を集中的に通って下部の2個の永久磁石70bに吸い込まれていく。
【0046】
このとき、回転子鉄心68は部分的に狭い磁路が形成されているので、磁束密度が非常に高い値となるが、ボア部69の内側に延在する軸受部57が非磁性材料のアルミダイカストから形成されているため、ボア部69の内周と軸受部57との間には磁気吸引力が働かないのでロストルクは生じない。また、軸受部は磁束を吸引しないので磁束が軸受部57に流れ込んで軸受部57内で鉄損(特に渦電流損)を生じるといったロスは発生しない。
【0047】
従って、電動圧縮機は電動機の高い効率を反映させることができ、高効率の電動圧縮機を提供することができる。
【0048】
また、図1では軸受部57をシリンダブロック60にボルト固定した構成としたが、図3に示すように軸受部57をシリンダブロック60に焼嵌め固定または圧入固定してもよい。
【0049】
(実施の形態
図4を用いて説明するが参考例1で説明した構成と同じ構成には同一番号を付与してその詳細な説明を省略する。
【0050】
75は軸54が挿入されるアルミダイカスト等の非磁性材料からなる軸受部である。76は鉄系材料の鋳物からなるシリンダブロックで、前記軸54が挿入される軸受部77と、軸54のクランク部56にコネクティングロッド61にて取付けられたピストン58を摺動させて圧縮室62を形成するシリンダ59とを有している。そして軸受部75はボア部69内へ延在し、ボア部69外でシリンダブロック76の軸受部77と嵌合連結されている。
【0051】
このことにより、ボア部69の内周と軸受部との間には磁気吸引力が働かないのでロストルクが生じず、軸受部75内で渦電流損を生じることがなく、高効率の電動圧縮機を実現することができる。
【0052】
なお軸受部75はアルミ系材料を使用する例を述べたが、銅系やセラミック材料の軸受等他の非磁性材料で形成してもよい。
【0053】
また軸受部75のみを非磁性材料とすれば良いから軸受部77とシリンダブロック76とを安価な鉄系材料で一体形成することができるので、高効率で安価な電動圧縮機を提供することができる。
【0054】
参考例2
図5および図6を用いて説明する。
【0055】
図5は本参考例2電動圧縮機の縦断面図であり、図6は図5の要部拡大横断面図である。
【0056】
図において、101は電動圧縮機の密閉容器で、内部下方に設けた圧縮機構部102と、この圧縮機構部102の上方に設けた自己始動形永久磁石式の同期電動機103とを備えている。104は同期電動機103の回転子105に取付けられた軸で、クランク部106を備えている。
【0057】
107は鉄系材料の鋳物で形成された軸受部で、ピストン208が摺動するシリンダ109を備えたシリンダブロック200と一体に形成されている。前記ピストン202は前記クランク部106にコネクティングロッド201を介して取付けて、シリンダ200内に圧縮室202を形成させている。
【0058】
そして、シリンダ200の先端には吐出弁や吸込弁(ともに図示せず)を有した弁室203が取付けられている。
【0059】
204は弁室203の吸込弁側に取付けられたサクションマフラーである。
【0060】
205は前記クランク部106の先端に取付けられた給油管で、容閉容器101の底部に貯溜する潤滑油206を圧縮機構部102の摺動部に導いて、潤滑をスムースにさせている。
【0061】
また、前記同期電動機103は、積厚L2の積層電磁鋼板よりなる固定鉄心に巻線を巻装した固定子207と、積層電磁鋼板よりなる回転子鉄心108とからなる回転子105とから構成されている。
【0062】
また、回転子105には、ボア部が設けられておらず、軸受部107の電動機部側端面107aは、回転子鉄心108の端面から離れており、前記回転子鉄心と軸受部の各端面108a、107aが縦断面の投影線において重なり合わないように配置している。
【0063】
300a、300bは2個の平板形の希土類磁石であるネオジウム・鉄・ボロン系の強磁性体の永久磁石で、同極性の永久磁石を突き合わせ角度βで山形状に突き合せるように挿入配置して回転子鉄心108の軸方向に埋設されており、2個の永久磁石で1極の回転子磁極を形成し、回転子105全体で2極の回転子磁極を形成している。なお、永久磁石の幅寸法はQに設定されている。
【0064】
ここで、永久磁石の着磁方法であるが、回転子鉄心108へ挿入前に着磁しても挿入後に着磁してもよいが、作業性を考えると永久磁石となる磁性体の挿入固定後に着磁作業をするほうがよい。
【0065】
また、同極性の永久磁石2個を山形状に配置して1極の回転子磁極を形成しているが、弓状の1個の永久磁石で1極の回転子磁極を形成してもよい。
【0066】
そして、回転子鉄心108に設けた多数の導体バー301と、回転子鉄心105の軸方向の両端に位置する短絡環302とをアルミダイカストで一体に成型して始動用かご形導体を形成している。303は永久磁石300a,300bが脱落するのを防止する保護用の非磁性の端板である。
【0067】
304は隣り合う永久磁石間の磁束短絡を防止するための磁石短絡防止用バリアでスロット状の孔からなり前記始動用かご形導体とアルミダイカストの同時成型で、この孔内にもアルミが充填されている。
【0068】
なお、実施の形態1,2と比較するとL2<L1、β>α’、Q>P’という関係である。
【0069】
したがって、回転子105から取り出させる永久磁石による磁束量は、磁石の幅と軸方向の長さの積、すなわち磁石の磁極面積にほぼ比例して得られると考えてよい。
【0070】
このことから、本実施例においては、永久磁石の突き合せ角度をα’からβに拡げ、永久磁石の幅寸法をP’からQに拡大することによって、永久磁石の軸方向の長さを短縮することができ、回転子鉄心108の積層電磁鋼板の積厚を低減することができる。
【0071】
一方、固定子207の積層電磁鋼板の積厚は固定子鉄心の磁路を拡大することによりL1からL2に低減することができ、回転子鉄心108の積厚に対応させることができる。
【0072】
このことにより、参考例1、実施の形態1におけるボア部69の積厚分だけ低減してボア部が無くとも圧縮機としての高さ方向の寸法を低減できる。また、軸受部107は鉄系材料であってもその端面107aを回転子鉄心108の端面から離れた位置になるようにすることにより、磁気吸引力によるロストルクや軸受部107内における渦電流損の発生は回転子鉄心108の端面からの漏れ磁束によるものであるが、ボア部内に延在する鉄系材料の軸受部の場合に比べて極めて微少であり無視することができる。
【0073】
したがって、軸受部107は安価な鉄系材料の鋳物でシリンダブロック200と一体的に形成でき、かつ回転子にボア部が無いので回転子の製造が容易となり圧縮機の高さ寸法を増大させることなく、高効率で安価な圧縮機が提供できる。
【0074】
尚、実施の形態1および参考例1、2において、自己始動形永久磁石式同期電動機を参考に説明したが、2極の直流ブラシレス電動機においても、回転子の導体バー71と短絡環72(すなわち、始動用のかご形導体)がないだけで、回転子に永久磁石が埋設されている点で共通しており、永久磁石とボア部、軸受部の位置関係を同様にすることにより、同様の作用効果を奏するものである。
【0075】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の発明は、圧縮機構部の軸受部が、回転子鉄心のボア部の内側に延在する部分だけを非磁性材料としたので、磁気吸引力によるロストルクや永久磁石の磁束による軸受部内での渦電流損の発生を防ぐことができるとともに、前記軸受部を前記ボア部内側に延在する部分以外は安価な鉄系材料とすることができ、且つ前記圧縮機構部のシリンダブロックと一体的に形成することが可能となるので、高効率で安価な電動圧縮機とすることができるという作用を有する。
【0076】
また、請求項2に記載の発明は、2極の永久磁石型電動機が、回転子鉄心に始動用かご形導体を有し、その内側に複数個の永久磁石を埋設してなる回転子を備えた自己始動形永久磁石式同期電動機とすることにより、同期電動機の高い効率を圧縮機に提供できる。
【0077】
さらに、請求項3に記載の発明は、永久磁石を希土類磁石で形成したものであり、希土類磁石は強い磁力を得ることができるので電動機の小型軽量化ひいては電動圧縮機の小型軽量化を図ることができるという作用を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による参考例1の縦部分断面図
【図2】 図1の回転子の横断面図
【図3】 本発明の参考例1の変形構成を示す電動圧縮機の縦部分断面図
【図4】 本発明の実施の形態1における電動圧縮機の縦部分断面図
【図5】 本発明による参考例2の縦部分断面図
【図6】 図5の回転子の横断面図
【図7】 従来の電動圧縮機の縦部分断面図
【図8】 従来の2極自己始動形永久磁石式同期電動機における回転子の軸方向断面図
【図9】 従来の回転子の横断面図
【符号の説明】
51 密閉容器
52 圧縮機構部
53 電動機部
55 回転子
68 回転子鉄心
57 軸受部
69 ボア部
70a,70b 永久磁石

Claims (3)

  1. 密閉容器内に収納され、かつ軸受部を備えた圧縮機構部と、前記圧縮機構部に連結して駆動する電動機部とからなり、前記電動機部が回転子の回転子鉄心に永久磁石を内蔵した2極の永久磁石型電動機であって、前記回転子鉄心の前記圧縮機構部に対向する側の端部にボア部を設け、前記軸受部は、前記電動機部側の軸受部と前記圧縮機構部側の軸受部との2部材から構成されるものとし、前記電動機部側の軸受部は非磁性材料で構成されるとともに、前記回転子鉄心のボア部の内側に延在して配置され、前記圧縮機構部側の軸受部は鉄系材料で構成されることを特徴とする電動圧縮機。
  2. 2極の永久磁石型電動機が、回転子鉄心の外周に始動用かご形導体の多数の導体バーを有し、その内側に複数個の永久磁石を埋設してなる回転子を備えた自己始動形永久磁石式同期電動機であることを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。
  3. 永久磁石を希土類磁石で形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の電動圧縮機。
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