JP2013099064A - 永久磁石式電動機及びそれを利用した密閉形圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 回転子磁極間の漏れ磁束量を大幅に低減し、電動機の大型化をすることなく電動機の性能を高効率化する永久磁石式電動機と密閉形圧縮機を提供する。
【解決手段】 固定子鉄心の円筒形内周面に沿って形成された複数のスロット内に電機子巻線が施された固定子と、固定子鉄心の円筒形内周面に対向し、複数の永久磁石を回転子鉄心の外周方向に分離して備え、かつ、回転可能に設けられた回転子とからなる永久磁石式電動機であって、回転子を構成する回転子鉄心は、内径側鉄心6と、当該内径側鉄心に対して径方向に分離された複数の外径側鉄心7とで構成されており、かつ、各外径側鉄心は、一枚の永久磁石3をその間に挿入して前記内径側鉄心に固定されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 固定子鉄心の円筒形内周面に沿って形成された複数のスロット内に電機子巻線が施された固定子と、固定子鉄心の円筒形内周面に対向し、複数の永久磁石を回転子鉄心の外周方向に分離して備え、かつ、回転可能に設けられた回転子とからなる永久磁石式電動機であって、回転子を構成する回転子鉄心は、内径側鉄心6と、当該内径側鉄心に対して径方向に分離された複数の外径側鉄心7とで構成されており、かつ、各外径側鉄心は、一枚の永久磁石3をその間に挿入して前記内径側鉄心に固定されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電動機、特に、永久磁石式電動機における回転子の改良に関し、更には、かかる回転子をその回転子として利用した永久磁石式電動機及びそれを利用した密閉形圧縮機に関する。
一般に、冷蔵庫や空気調和機等に使用されている電動圧縮機では、その消費電力を低減するための手段として、電動機の回転子内に永久磁石を埋め込んだ、所謂、永久磁石式回転電動機が広く採用されている。即ち、かかる永久磁石式回転電動機の構成によれば、回転子の磁極が永久磁石により形成されるため、固定子巻線電流を低減することが出来、もって、固定子巻線のジュール熱損失を低減して高効率化を可能とするものである。
一方、かかる永久磁石回転電動機の高効率化のためには、回転子の磁極から発生する磁束をより多くの固定子巻線に鎖交させることが必要であり、そのための手段として、例えば、永久磁石から発生する磁束量を増加させることが挙げられる。しかしながら、例えば、ネオジム磁石(Neodymium magnet)のような高磁束密度の永久磁石の採用は、電動機の低コスト化の妨げとなり、これに対し、通常の永久磁石を採用した場合には、磁石が大型化してしまい、電動機全体の小形化の妨げとなっていた。そのため、低コスト化を実現し、小形でありながらも高効率な電動機を実現するためには、回転子の磁束を効率よく固定子に配分し、かつ、漏れ磁束量を低減するための鉄心の形状が必要であった。
従来、かかる漏れ磁束を減少させる方法としては、例えば、以下の特許文献1に記載のように、磁極間にフラックスバリアを設ける方法が採用されている。この特許文献1に開示された方法では、永久磁石が埋設された磁極間において、回転子鉄心にフラックスバリアと呼ばれる凹部の空気層を設け、回転子の磁極間を短絡する漏れ磁束を低減するものである。即ち、電動機では、永久磁石から発生した磁束が固定子と鎖交することによりトルクを得ているため、漏れ磁束が多くなるとモータの性能が低下する。そこで、この漏れ磁束による性能低下を防ぐため、回転子鉄心の磁極間に透磁率の低い空気層のフラックスバリアを設け、短絡磁路の幅を狭くしたり、又は、短絡磁路の長さを長くすることにより、短絡磁路の磁気抵抗を高くしている。
しかしながら、上述した特許文献1のように、磁極間の磁路長さを長く確保することは、永久磁石の大きさを小さくする必要があり、それでは磁石から発生する磁束量そのものを低減してしまい、そして、短絡磁路の磁路幅の縮小は、回転子の鉄心の機械的強度を保つために限界があり、そのため、磁路幅の縮小(特に、限界値を超えた縮小)は、特に、高速回転で運転時における電動機の信頼性の低下を招いてしまう。
このように、上述した従来技術では、永久磁石の発生磁束を損なうことなく、漏れ磁束の量を大幅に低減することは困難であった。即ち、従来では、電動機の性能を確保するための手段として、上述したネオジム磁石に代表される高磁束密度の希土類磁石を使用することが有効であるとされていた。このように、磁石の磁束を高密度化すると、永久磁石からの発生磁束の量が増加するため、磁極間に漏れ磁束があっても、電動機性能への影響を小さくすることが出来る。しかしながら、かかる手段では、既に上述したように、高価な希土類の永久磁石を採用することになり、電動機のコストアップとなってしまう。加えて、磁石の材質を変更する以外の方法で磁束量を増加させるためには、電動機の軸方向の長さを長くする必要があり、これでは、やはり、コスト高を、そして、電動機の大型化を招くこととなってしまい、特に、密閉形圧縮機では、その密閉容器内部での取り付け寸法の制約によっては、その採用は困難であった。
そこで、本発明は上述した従来技術における問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転子の磁極間における漏れ磁束量を大幅に低減し、電動機の大型化することなくその性能を高効率化することが可能な永久磁石式電動機及びそれを利用した密閉形圧縮機を提供することである。
上述した目的を達成するため、本発明によれば、固定子鉄心の円筒形内周面に沿って形成された複数のスロット内に電機子巻線が施された固定子と、前記固定子鉄心の円筒形内周面に対向し、複数の永久磁石を回転子鉄心の外周方向に分離して備え、かつ、回転可能に設けられた回転子とからなる永久磁石式電動機において、前記回転子を構成する前記回転子鉄心は、内径側鉄心と、当該内径側鉄心に対して径方向に分離された複数の外径側鉄心とで構成されており、かつ、各外径側鉄心は、一枚の前記永久磁石をその間に挿入して前記内径側鉄心に固定されている永久磁石式電動機が提供される。
また、本発明によれば、前記に記載した永久磁石式電動機において、前記各外径側鉄心は、固定部材により、前記一枚の前記永久磁石をその間に挿入して前記内径側鉄心に対して固定されていることが好ましく、そして、前記固定部材は、金属製の外形がC字形状であり、その両端部を、前記内径側鉄心と前記各外径側鉄心に形成された溝又は挿入孔に挿入し、もって、前記永久磁石をその間に挿入して固定していることが好ましく、更には、前記C字形状の固定部材は、前記固定子鉄心の両端面において挿入されていることが好ましい。
また、本発明によれば、前記に記載した永久磁石式電動機において、前記各外径側鉄心は、樹脂により、前記一枚の前記永久磁石をその間に挿入して前記内径側鉄心に対して固定されていることが好ましく、更には、前記内径側鉄心と前記各外径側鉄心には注入孔が形成されており、かつ、前記樹脂は、前記注入孔を含めて射出成形により前記内径側固定と前記各外径側鉄心との間に成形されていることが好ましい。又は、前記各外径側鉄心は、金属部材により、前記一枚の前記永久磁石をその間に挿入して前記内径側鉄心に対して固定されていることが好ましい。加えて、前記永久磁石はフェライト磁石であることが好ましい。
更に、本発明によれば、やはり上述した目的を達成するため、密閉容器内において、電動機部と、当該電動機部の回転により冷媒ガスを圧縮する圧縮機機構部とを備えた密閉形圧縮機において、前記電動機部は、前記に記載された永久磁石式電動機である密閉形圧縮機が提供される。なお、前記電動機部は、3600回/分(min−1)以上の回転速度で回転することが好ましい。
本発明によれば、回転子磁極間のもれ磁束量を、従来例に対し、大幅に低減し、電動機の大型化を伴うことなく、永久磁石式電動機を高効率化することができ、更には、これを利用することにより、密閉形圧縮機の性能を大幅に改善することができるという、実用的にも優れた効果を発揮する。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。まず、本発明の原理について、添付の図1を参照しながら、以下に詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態になる永久磁石式電動機、特に、その回転子の組み立て構造を示す一部拡大斜視図である。図1(A)において、まず、断面略「U」又は「V」字状の通常のフェライト磁石からなる永久磁石3を用意すると共に、磁性鋼板を所定の形状(本例では、略星形)に打ち抜いた積層板を複数枚、積層して形成した内径側鉄心6と、やはり、磁性鋼板を所定の形状(本例では、略三角又は台形)に打ち抜いた積層板を複数枚、積層して形成した外径側鉄心7とを用意する(図1(A)を参照)。なお、外径側鉄心7を形成する各積層板には、その略中央部には、予め長方形の貫通孔71が、他方、内径側鉄心6を形成する各積層板には、上記貫通孔71に対向した位置(具体的には、貫通孔71から内径側鉄心6の回転中心へ向かう線上の内周面)には、予め長方形の断面を有する溝61が形成されている。
続いて、上述した内径側鉄心6と外径側鉄心7との間に、上記通常の永久磁石3を挟み込み(図1(B)を参照)、更に、内径側鉄心6の溝61と外径側鉄心7の貫通(挿入)孔71との間に、例えば、鋼板からなり、外形C字状(日本語のカタカナではコ字状)の固定部材8を挿入し(図の破線の矢印を参照)、回転子を組み立てる。なお、内径側鉄心6と外径側鉄心7との間に永久磁石3を挟み込み、外径側鉄心7と永久磁石3とを、内径側鉄心6に対して、上記固定部材8により固定した状態を、即ち、上記図1(B)におけるA−A断面を、添付の図2に示している。なお、この図の例では、外形C字状の固定部材8の先端部には、挿入作業を容易・確実にするための折り曲げ部81が形成されている。
即ち、上記からも明らかなように、本発明では、漏れ磁束を減少させる方法として、特に、回転子の外周面において互いに隣接する永久磁石間の鉄心を取り除く構造を採用したものである。そして、従来、内径側鉄心6と同一の磁性鋼板により構成していた外径側鉄心7を、上記永久磁石3と共に、固定部材8により、内径側鉄心6の外周に固定したものである。即ち、かかる新規な構成によれば、回転子の外周面において互いに隣接する永久磁石間には、透磁率の低い空気の層が形成されることから、永久磁石から発生する磁束の漏れを大幅に減少することが可能となる。このことによれば、ネオジム磁石のような高磁束密度の永久磁石を採用することなく、通常の永久磁石を採用しても、回転子の磁束を効率よく固定子に配分することが可能となることから、高効率な電動機を実現することが可能となる。更に、その構造からも、電動機全体の小形化の妨げとはならず、簡単な構成により低コスト化を実現することも可能となる。
なお、以上の説明では、固定部材8としては、外形C字状のものとした。しかしながら、本発明はこれに限定されることなく、例えば、当該固定部材8を、更に、永久磁石3、固定部材8、そして、内径側鉄心6の外周に延長し、その両端を、例えば、溶接等により固定することによれば、より確実な固定が可能となる。また、上述した本発明になる回転子の構造によれば、回転子の内径側鉄心6と外径側鉄心7との間に挿入される永久磁石3を分割等の加工を施すことなく、即ち、従来の形状のままで、上記固定部材8により確実に固定することが出来ることから、磁束を効率よく固定子に配分することが可能となり、高効率な電動機を実現することが可能となる。
続いて、以上にその原理を説明した本発明になる永久磁石式電動機の実施例について、以下に、詳細に説明する。なお、以下の説明においても、上記と同様の構成要件については、同一の符号を付して示しており、その詳細な説明については、重複を避けるため、省略する。
なお、この実施例1では、特に、冷蔵庫や空気調和機等に使用されている密閉形の電動圧縮機において、その回転駆動源として広く用いられている永久磁石式電動機の回転子を示している。この実施例1では、特に、内側鉄心6と外径側鉄心7とを、それぞれ、所定形状に打ち抜いた磁性鋼板の複数枚を、所謂、「かしめ」加工により一体に締結することにより、内径側鉄心6と外側鉄心7としたものである。
図3及び図4は、本実施例1になる回転子の斜視図と平面図である。これらの図にも示すように、6極を有する回転子鉄心は、内径側鉄心6と外径形側鉄心7とに、径方向に分離されており、永久磁石3を間に挟み込んで、固定部材8により互いに固定されている。また、図5は、永久磁石3や固定部材8を取り除いた回転子鉄心の斜視図であり、図6は、内径側鉄心6と外径形側鉄心7との間を固定する固定部材8の斜視図を示している。更に、図7は、上記図4のB−B断面を示す。
なお、これらの図、特に、図7からも明らかなように、冷蔵庫や空気調和機等に使用される密閉形電動圧縮機の永久磁石式電動機の回転子では、その内径側鉄心6の下部に回転シャフトとの締結部62が内周側に形成されており、そして、当該下部においては、上述した内径側鉄心6の内周面に形成した溝61は、貫通孔63として形成されている。
また、回転子鉄心を構成する内径側鉄心6と外径側鉄心7は、共に、その鉄心上には、所謂、「カシメ」加工が施されており、特に、本例では、「Vカシメ」5が施されている。即ち、このカシメ5により、複数枚の積層鉄心の軸方向の締結を行っている。なお、このVカシメ5の詳細を添付の図8に示す。図8(A)は、鉄心上における上記「Vカシメ」5が施された部分の拡大斜視図であり、そして、図8(B)は、当該図8(A)によけるC−C断面図、図8(C)は、当該図8(A)によけるD−D断面図をそれぞれ示す。
即ち、上述した実施例1になる回転子の構造によれば、回転子鉄心を構成する内径側鉄心6と外径側鉄心7を、それぞれ、その積層鉄心を一体に、又は、上下に分割して、所望の単位に予め組み立てることが出来ることから、上記図6に示した固定部材8を、回転子鉄心の上下から、外径側鉄心7の貫通孔71、内径側鉄心6の溝61又は貫通孔63に挿入することにより、その間に永久磁石3を間に挟み込んで、確実に固定することが可能となる。
このことによれば、外径側鉄心7は、永久磁石を埋設する磁極間において、透磁率の低い空気層を挟んで、互いに分離されて複数個が形成されることとなる。即ち、隣り合う永久磁石の磁極間の境界は、磁極間に短絡磁束の磁路となる鉄心が存在しないため、隣接する永久磁石間での漏れ磁束の発生を大幅に低減し、磁束を効率よく固定子に配分することにより、電動機の性能を改善することが出来る。ここで、固定部材8としては、透磁率が低く、かつ、回転子鉄心を固定するのに十分な金属を用いることにより、性能向上効果を高め、かつ、高速運転時における信頼性を確保することが出来る。
なお、上記の説明では、回転子鉄心を構成する内径側鉄心6及び外径側鉄心7は、薄板をVカシメ5で積層しているとしたが、しかしながら本発明ではこれに限定されることなく、カシメ以外の方法でもよく、例えば、溶接によって積層コアの締結を行ってもよい。そして、このようにして締結して積層された内径側鉄心6と外径側鉄心7の間には永久磁石3が埋設され、内径側鉄心6と外径側鉄心7に設けられた固定用部材8を挿入するための溝61や貫通(挿入)孔62、71に図6に示す固定部材8を差し込むことにより高効率な電動機を実現する回転子が構成される。
続いて、本発明の他の実施形態として、実施例2になる永久磁石式電動機の回転子を、添付の図9〜図14を用いて説明する。なお、ここでも、上記と同様の構成要件については、同一の符号を付して示しており、その詳細な説明については、重複を避けるため、省略する。
図9は本発明の実施例2になる永久磁石式電動機の回転子の斜視図、図10は、上記回転子鉄心の斜視図、図11は、上記回転子鉄心を構成する鉄心固定用のモールド部材だけを取り出してその形状を示す斜視図、図12は、上記回転子鉄心をその軸方向に垂直な面で切った横断面を示す断面図、そして、図13は、上記図12の断面図における磁極間境界部の拡大図を、それぞれ、示している。
これらの図からも明らかなように、この実施例2の回転子鉄心では、内径側鉄心6と外径側鉄心7とが径方向に分離されており、かつ、外径側鉄心6は、永久磁石を埋設する磁極間のつなぎ目が互いに分離されており(但し、実施例1とは異なり、モールド樹脂材により分離される)、換言すれば、隣接しながらも互いに分離された複数個の外径側鉄心7を形成している。また、内径側鉄心6及び外径側鉄心7は、それぞれ、磁性鋼板の薄板をVカシメ5により積層して形成されている。このようにして締結積層された内径側鉄心6と外径側鉄心7の間には、永久磁石3が埋設され、そして、分離されて形成された内径側鉄心6、外径側鉄心7、永久磁石3は、射出成形により形成されたモールド部材11により一体に固定される。即ち、この実施例2になる永久磁石式電動機の回転子では、内径側鉄心6、外径側鉄心7、永久磁石3は、上述した固定用部材8に代えて、モールド樹脂部材11により一体に固定される。
なお、このような構成によっても、上記の実施例1と同様の効果が得られることは明らかであろう。また、ここでは、内径側鉄心6及び外径側鉄心7を構成する磁性鋼板の薄板の締結方法としては、上述したカシメ以外に方法でもよく、又は、磁性鋼板の薄板の締結を行わなくてもよい。
また、図11に示すように、一体成形された回転子のモールド部11のみを取り出したモールド部材11は、回転子鉄心の軸方向の両端に円盤状に形成し、鉄心の磁極間の隙間、及び、モールド部材注入用の貫通(注入)孔10aに樹脂が流れることにより、所謂、かご型の形状をなしており、内径側鉄心6、外形側鉄心7、永久磁石3を確実に固定している。更に、添付の図12、図13において、図の斜線部11a、11bは、モールド部材が流れ込んでいる箇所を示す。回転子外周の磁極間には非磁性体の樹脂11aが流れ込んでいるため、短絡磁束が流れることがなく、電動機の性能を改善することが出来る。
更に、本発明の他の実施の形態(実施例3)としては、上述した実施例2において、樹脂により固定部を成形するのではなく、例えば、銅やアルミニウムやその合金など、比較的鍛流線(メタルフロー)が得易い金属材料を、メタルフローによりを流し込み、内径側鉄心6、外形側鉄心7、永久磁石3を締結・固定するものである。この実施例3によれば、特に、密閉形電動圧縮機のように、電動機の使用雰囲気の温度が高く、即ち、樹脂の耐熱温度を超える場合や、使用回転速度が高い場合など、回転子締結の強度を上げる必要があるときに有効である。
以上に述べた実施例1〜3では、永久磁石から発生する磁束量を、有効に、固定子側に鎖交させることが出来る。そのため、従来の構造では、電動機の性能を改善するために永久磁石の高磁束密度化を実施していたのに対し、本発明によれば、フェライト磁石のような低磁束密度の永久磁石でも、その性能改善を図ることが出来る。即ち、永久磁石の材料費をコストアップすることなく、電動機の性能を改善することが出来る。
図15には、以上にその詳細な構造を説明した回転子を備えた電動機を搭載した密閉形圧縮機の縦断面図を示し、そして、図16には、前記密閉形圧縮機を搭載した冷蔵庫の縦断面図を示す。
これらの図において、密閉容器20内に構成される密閉形圧縮機は、上述した構成からなり、かつ、回転可能に設けられた回転子12と、当該回転子の外周面に対向する固定子鉄心の円筒形内周面に沿って形成された複数のスロット内に電機子巻線が施された固定子13とから構成される電動機部14と、回転子に締結されたクランクシャフト15と当該クランクシャフトの回転運動をピストン17の往復運動に変換するコンロッド16で構成される動力伝達部と、ピストン17の往復運動によりシリンダ18内で冷媒ガスを圧縮し冷媒ガスの吸込・吸込を制御するバルブプレート19から構成される圧縮機機構部から構成される。この密閉形圧縮機20により圧縮された冷媒は、冷蔵庫22内の配管で接続された熱交換器21等の冷凍サイクルを循環することにより冷凍能力を得る。即ち、密閉形圧縮機20の電動機14で消費される電力(通常、電動機は、回転速度は3600回/分(min−1)以上で駆動される)を冷蔵庫の冷却力に変換している。よって、本発明の密閉形圧縮機によれば低消費電力量の冷蔵庫を提供することが出来る。
3…永久磁石、5…カシメ、6…内径側鉄心、7…外径側鉄心、8…固定部材、11…モールド部材、12…回転子、13…固定子、14…電動機、20…密閉形圧縮機(密閉容器)。
Claims (10)
- 固定子鉄心の円筒形内周面に沿って形成された複数のスロット内に電機子巻線が施された固定子と、
前記固定子鉄心の円筒形内周面に対向し、複数の永久磁石を回転子鉄心の外周方向に分離して備え、かつ、回転可能に設けられた回転子とからなる永久磁石式電動機において、
前記回転子を構成する前記回転子鉄心は、内径側鉄心と、当該内径側鉄心に対して径方向に分離された複数の外径側鉄心とで構成されており、かつ、各外径側鉄心は、一枚の前記永久磁石をその間に挿入して前記内径側鉄心に固定されていることを特徴とする永久磁石式電動機。 - 前記請求項1に記載した永久磁石式電動機において、前記各外径側鉄心は、固定部材により、前記一枚の前記永久磁石をその間に挿入して前記内径側鉄心に対して固定されていることを特徴とする永久磁石式電動機。
- 前記請求項2に記載した永久磁石式電動機において、前記固定部材は、金属製の外形がC字形状であり、その両端部を、前記内径側鉄心と前記各外径側鉄心に形成された溝又は挿入孔に挿入し、もって、前記永久磁石をその間に挿入して固定していることを特徴とする永久磁石式電動機。
- 前記請求項3に記載した永久磁石式電動機において、前記C字形状の固定部材は、前記固定子鉄心の両端面において挿入されていることを特徴とする永久磁石式電動機。
- 前記請求項1に記載した永久磁石式電動機において、前記各外径側鉄心は、樹脂により、前記一枚の前記永久磁石をその間に挿入して前記内径側鉄心に対して固定されていることを特徴とする永久磁石式電動機。
- 前記請求項5に記載した永久磁石式電動機において、前記内径側鉄心と前記各外径側鉄心には注入孔が形成されており、かつ、前記樹脂は、前記注入孔を含めて射出成形により前記内径側鉄心と前記各外径側鉄心との間に成形されていることを特徴とする永久磁石式電動機。
- 前記請求項1に記載した永久磁石式電動機において、前記各外径側鉄心は、金属部材により、前記一枚の前記永久磁石をその間に挿入して前記内径側鉄心に対して固定されていることを特徴とする永久磁石式電動機。
- 前記請求項1に記載した永久磁石式電動機において、前記永久磁石はフェライト磁石であることを特徴とする永久磁石式電動機。
- 密閉容器内において、電動機部と、当該電動機部の回転により冷媒ガスを圧縮する圧縮機機構部とを備えた密閉形圧縮機において、
前記電動機部は、前記請求項1〜9の何れか一項に記載された永久磁石式電動機であることを特徴とする密閉形圧縮機。 - 前記請求項9に記載した密閉形圧縮機において、前記電動機部は、3600回/分(min−1)以上の回転速度で回転することを特徴とする密閉形圧縮機。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016073139A (ja) * | 2014-10-01 | 2016-05-09 | 日立アプライアンス株式会社 | 永久磁石式回転電機および縦型洗濯機 |
JPWO2017022107A1 (ja) * | 2015-08-05 | 2018-03-08 | 三菱電機株式会社 | 電動機の回転子、電動機、送風機及び冷凍空調機 |
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2011
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