以下に、本発明に係る弾球遊技機の一実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜図4は、本実施の形態に係る弾球遊技機の説明に供する図である。図1は本実施の形態に係る弾球遊技機の概略的な構成を示す正面側の斜視図を、図2は図1に示した本実施の形態に係る弾球遊技機の概略的な構成を示す背面側の斜視図を、図3は図1に示した本実施の形態に係る弾球遊技機における遊技盤の概略的な構成を示す正面図を、図4は本実施の形態に係る弾球遊技機における可変入賞装置の概略的な構成を示す斜視図を示したものである。
以下、本発明に係る弾球遊技機として電動役物を備えたパチンコ遊技機を例に挙げて説明する。また、各図面において、同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。なお、本明細書中で「入賞」と称する場合は、入賞ゲートや入賞口に遊技球が「通過」または「入球」することを含み、「演出」と称する場合は、文字、図形、または画像を用いた種々の演出態様を含む意味である。
図1に示すように、遊技機本体100は、外枠110と、外枠110に開閉自在に取り付けられた前枠120とを備えている。
前枠120は遊技盤300(図3参照)を裏側から着脱自在に装着する機能を備え、外枠110の一端部に設けられた上下一対のヒンジ部110aによって、縦軸回りに開閉自在に取り付けられている。また、前枠120にはガラス扉枠121と前面板123とが縦軸回りに開閉自在に取り付けられている。
ガラス扉枠121は、遊技盤300に形成された遊技領域を視認可能とするための窓部121aが形成されている。窓部121aは、遊技盤300と外部との接触を遮断し、遊技領域を視認可能とする透明板121bによって覆われている。
また、前枠120の上部には、遊技状態に応じた効果音を発生するスピーカ130が配置されている。なお、スピーカ130は演出手段または異常報知手段の一つとして機能する。
前面板123には、遊技球を貯留したり、貯留された遊技球を発射装置(図示はしていない)に供給したりする上受け皿125aが配置されている。また、前面板123の下部には、余剰の遊技球を貯留したり、貯留した遊技球を外部に取り出したりする球抜き部125cを備えた下受け皿125bと、発射装置を作動させる発射ハンドル140とが配置されている。
ガラス扉枠121と前面板123とには、遊技状態に応じた演出効果を発揮する複数の発光素子を備える装飾ランプ部150(図には一部の装飾ランプ部を示している)が配置されている。
外枠110の下端部前側には下部外枠111が配置され、この内部にはスピーカ130が配置されている。
次に、図1に示した遊技機本体100の背面側の構成を説明する。
図2に示すように、遊技機本体100は、遊技盤300を裏側から固定する裏機構板215と、裏機構板215または遊技盤300の裏側に装着され、各種制御基板を覆う裏カバー220とが開閉自在に装着されている。
裏機構板215には、遊技盤300の裏側の一部の領域を取り囲むように開口部が形成され、前記開口部の上部には、パチンコホール側の遊技球補給装置(図示はしていない)から供給された遊技球を貯留する貯留タンク230と、貯留した遊技球を賞球払出カセット240に供給するタンクレール231とが配置されている。タンクレール231は、賞球払出カセット240に遊技球が供給されるように傾斜して配置されている。
賞球払出カセット240は、モータによって駆動する水車型の払出回転体を備え、入賞口に遊技球が入球に基づき、入賞口に応じた賞球の払い出しを実行するものであり、賞球払出手段として機能する。賞球払出カセット240は、前記払出回転体の回転動作によって、遊技球を所定の個数(例えば、3個)払い出すように構成されている。
裏カバー220は、遊技盤300に配置された各種の遊技部品(図3参照)の裏面側を裏側から覆うためのものである。また、裏カバー220の内側には、遊技全般の制御を司る主制御基板400、遊技状態に応じて各種の演出手段を制御する演出制御基板420、賞球の払い出しを制御する払出制御基板430、発射装置を制御する発射制御基板440、電源を制御する電源制御基板450が装着されている。
そして、裏カバー220は、上記各制御基板を収納する主制御基板ケース400a、演出制御基板ケース420a、払出制御基板ケース430a、発射制御基板ケース440a、および電源制御基板ケース450aを含み、これらの基板ケースが着脱自在に装着されている。電源制御基板450は、電源コード(図示はしていない)を介して外部電源に接続される。また、主制御基板400は、外部端子基板460を介して、ホール全体の遊技機を統括的に管理するホール管理用コンピュータ(図示はしていない)に接続されている。なお、上記各制御基板が有する機能については後述する。
次に、本実施の形態に係る弾球遊技機における遊技盤300の構成について説明する。
図3に示すように、遊技盤300には、発射された遊技球を誘導するための誘導レール305の内側に形成される遊技領域310を備えている。
遊技領域310には遊技に供する各種遊技部品が配置されており、主として、可変入賞装置320、アタッカー330、第1特別図柄始動口340、第2特別図柄始動口341、特別図柄表示装置350、普通図柄始動ゲート360、普通図柄表示装置370、一般入賞口380、風車390、複数の遊技くぎ(図示はしていない)、および複数の装飾ランプ(図示はしていない)が配置されている。なお、各遊技部品の配置構成は、図3に示すような配置構成に限定されず、適宜変更することができる。
ここで、本実施の形態に係る弾球遊技機の可変入賞装置320の構成について詳細に説明する。
図4に示すように、可変入賞装置320は、電気的駆動源(例えば、ソレノイドやモータ)によって開閉動作を実行する一対の羽根部材321a、321bと、羽根部材321a、321bの開閉動作によって入球した遊技球を遊動させる上大入賞口322とを備え、いわゆる、特別電動役物としての機能を有するものである。特別電動役物とは、大入賞口の入り口を開き、または拡大する電動役物を意味する。また、大入賞口とは、入賞口のうち、役物が作動した場合、遊技球の入賞が容易になる入賞口を意味し、本実施の形態では後述する上大入賞口322、アタッカー330の内部空間(下大入賞口)が該当する。
羽根部材321a、321bは、後述する第1特別図柄始動口340または第2特別図柄始動口341への遊技球の入球を契機として、所定の態様で開閉動作を実行するものであり、開閉部材として機能する。具体的には、羽根部材321a、321bは、上大入賞口322への遊技球の入球を可能とする開状態(遊技者に対して有利な遊技状態)と遊技球の入球を困難または不可能とする閉状態(遊技者に対して不利な遊技状態)とに変換可能に構成され、遊技者に対して有利な遊技状態と不利な遊技状態とを発生することができるように構成されている。また、羽根部材321a、321bは、開状態において遊技球を上大入賞口322に入球し易いようにするため、羽根形状で形成されており、いわゆるチューリップ型の電動役物として構成されている。
上大入賞口322は、羽根部材321a、321bの開閉動作によって入球した遊技球を遊動させるものであり、遊技空間部として機能する。上大入賞口322は、その内部に入球した遊技球を下流側に誘導するためのステージ328aおよびステージ328bが形成されており、ステージ328aおよびステージ328bによって上部球遊動領域322a、中央部球遊動領域322b、および下部球遊動領域322cに区画されている。
ステージ328aは、上大入賞口322に入球した球技球を上部球遊動領域322aから中央部球遊動領域322bに流下させることができるように形成されている。また、ステージ328bは、上大入賞口322に入球した遊技球を中央部球遊動領域322bから下部球遊動領域322cに流下させることができるように形成されている。
ステージ328aの羽根部材321aに近接する位置には、上入賞球検出スイッチ323が形成されている。上入賞球検出スイッチ323は、羽根部材321a、321bの開閉動作によって上大入賞口322に入球した遊技球を検出するものであり、入賞球検出手段として機能する。なお、本実施の形態では、ステージ328aが傾斜して形成されているので、羽根部材321b側から入球した遊技球も上入賞球検出スイッチ323によって検出することができるようになっている。
中央部球遊動領域322bには、電気的駆動源(例えば、ソレノイドやモータ)によって所定の態様で動作する第1可動式役物324aおよび第2可動式役物324bが形成されている。第1可動式役物324aまたは第2可動式役物324bは、上大入賞口322に入球した遊技球の動き(遊技球の落下方向や転動方向)に変化を与えて、後述するV入賞口326またはハズレ入賞口327に遊技球を振り分けるものであり、可動式役物として機能する。本実施の形態では、第1可動式役物324aは所定の軸を中心として左右に揺動するように構成され、第2可動式役物324bは、第2可動式役物324bの本体324b’の動作に連動して、その上部に形成された横軸回りに回動可能な球誘導はしご324dが揺動するように構成されている。
また、中央部球遊動領域322bの後方には、透明板(図示はしていない)を介して演出表示装置329が配置されている。演出表示装置329は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示装置であり、遊技状態(通常遊技状態、補助遊技状態、特別遊技状態、その他、遊技動作に異常が発生しているエラー状態などの各種の遊技状態)に応じた演出や遊技に関する情報を表示するものであり、演出手段または異常報知手段の一つとして機能する。なお、演出表示装置329は、電子ペーパを用いた表示装置、回胴式遊技機に用いられるような回転式ドラム、または7セグメントのような表示装置であっても良い。
下部球遊動領域322cには、一対の回転体可動式役物324c、V入賞口326、V入賞口用排出検出スイッチ326a、ハズレ入賞口327、およびハズレ入賞口用排出検出スイッチ327aが形成されている。
回転体可動式役物324cは、電気的駆動源(例えば、ソレノイドやモータ)によって所定の態様で動作するように構成され、上大入賞口322に入球した遊技球の動きに変化を与えて、後述するV入賞口326またはハズレ入賞口327に遊技球を振り分けるものであり、可動式役物として機能する。本実施の形態では、一の回転体可動式役物324cは時計回りに、他の回転体可動式役物324cは反時計回りに回転するように構成されている。
V入賞口326は、特別遊技状態(詳細は後述する)の発生の契機となる入賞口であり、特定入賞領域として機能する。V入賞口326は、その内部に入球した遊技球を、V入賞口用排出検出スイッチ326aに誘導させるための誘導溝を含んで形成されている。
V入賞口用排出検出スイッチ326aは、V入賞口326の下流側に形成され、V入賞口326に入球した遊技球を検出するものであり、特定入賞球検出手段として機能すると共に、排出球検出手段の一つとして機能する。V入賞口326に入球した遊技球は、V入賞口用排出検出スイッチ326aを通過して下部球遊動領域322cの下側から可変入賞装置320外部に排出される。したがって、V入賞口用排出検出スイッチ326aは、V入賞口326に入球した遊技球が可変入賞装置320の外部に排出(上大入賞口322からの排出でも良い)されたことを検出するスイッチ(排出球検出スイッチ)としての役割を果たす。さらに、V入賞口用排出検出スイッチ326aは、V入賞口326に入球した遊技球を検出して特別遊技状態を発生させるための検出情報を送信(出力)する機能も有している。
ハズレ入賞口327は、V入賞口326とは異なる領域に形成され(図4では、ハズレ入賞口327はV入賞口326よりも下流側に形成されている)、特別遊技状態の発生の契機とはならない入賞口であり、一般入賞領域として機能する。ハズレ入賞口327は、その内部に入球した遊技球を検出するハズレ入賞口用排出検出スイッチ327aを含む。
ハズレ入賞口用排出検出スイッチ327aは、ハズレ入賞口327の下流側に形成され、ハズレ入賞口327に入球した遊技球を検出するものであり、排出球検出手段の一つとして機能する。ハズレ入賞口327に入球した遊技球は、ハズレ入賞口用排出検出スイッチ327aを通過して下部球遊動領域322cの下側から可変入賞装置320の外部に排出される。したがって、ハズレ入賞口用排出検出スイッチ327aは、上大入賞口322に入球した遊技球が、可変入賞装置320の外部に排出されたことを検出するスイッチ(排出球検出スイッチ)としての役割を果たす。
なお、本実施の形態では、V入賞口用排出検出スイッチ326aとハズレ入賞口用排出検出スイッチ327aとが別個に形成されていると説明したが、これに限らず、V入賞口326に入球した遊技球を検出する検出スイッチ(特別遊技状態を発生させるための検出情報を出力するスイッチ)を別途に形成し、V入賞口326またはハズレ入賞口327を通過した遊技球を一箇所に集合させる誘導路を形成して、下部球遊動領域322cの下側から可変入賞装置320の外部に排出される遊技球を検出する排出球検出スイッチを形成しても良い(この場合、排出球検出スイッチは1つで良い)。
また、本実施の形態では、上述した可変入賞装置320の内部空間(上大入賞口322)に可動式役物である第1可動式役物324a、第2可動式役物324b、および回転体可動式役物324cの3つの可動式役物が形成されていると説明したが、これに限らず、可動式役物は、遊技態様や遊技の目的に応じてその動作態様、形態、または数を適宜変更することができる。
再び、図3を参照する。図3に示すように、アタッカー330は、可変入賞装置320とは異なる位置に形成され、電気的駆動源(例えば、ソレノイドやモータ)によって開閉動作を実行する開閉扉330bと、その内部に入球した遊技球を検出するアタッカースイッチ330aとを備え、いわゆる、特別電動役物としての機能を有するものである。
開閉扉330bは、アタッカー330下部側の横軸回りに開閉自在に形成され、アタッカー330内部空間(以下、必要に応じて、アタッカー330の内部空間を「下大入賞口」と称する)への遊技球の入球を可能とする開状態(遊技者に対して有利な遊技状態)と遊技球の入球を困難または不可能とする閉状態(遊技者に対して不利な遊技状態)とに変換可能に構成されている。
第1特別図柄始動口340は、その内部に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ340aを含み、遊技球の入球に基づき、遊技者に対して有利な補助遊技状態を発生させるか否かの当否抽選の開始の契機となる入賞口であり、始動口の一つとして機能する。
第2特別図柄始動口341は、その内部に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ341aを含み、遊技球の入球に基づき、遊技者に対して有利な補助遊技状態を発生させるか否かの当否抽選の開始の契機となる入賞口であり、始動口の一つとして機能する。
また、第2特別図柄始動口341は、第1特別図柄始動口340とその形態が異なり、普通電動役物(電動役物のうち、大入賞口以外の入賞口の入り口を開き、または拡大するもの)の作動によって可動する一対の可動翼片341b、341cを備え、いわゆるチューリップ型の電動役物として構成されている。可動翼片341b、341cは、普通電動役物が作動する条件となる特定の図柄が後述する普通図柄表示装置370に表示された場合に作動し、第2特別図柄始動口341の入賞領域を開放または拡大するものである。
特別図柄表示装置350は、補助遊技状態への当否抽選の結果を報知するための図柄(以下、「特別図柄」と称する)を所定の表示態様で変動させながら表示して、前記当否抽選の結果に応じた図柄をその変動を停止させることによって表示するものであり、図柄変動表示装置として機能する。具体的には、特別図柄表示装置350は、第1特別図柄始動口340または第2特別図柄始動口341に遊技球が入球した場合、補助遊技状態への当否抽選の結果に応じて決定された変動パターン(変動開始から終了までの一連の動作)に基づき、特別図柄を変動させながら表示する。補助遊技状態の発生は、特別図柄表示装置350によって特定の特別図柄が停止表示された場合に発生するようになっている。なお、特別図柄は、識別情報として機能を有するものであれば特に限定はされず、文字、図形、数字、またはこれらの組み合わせの総てを含む。
また、第1特別図柄始動口340または第2特別図柄始動口341への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動回数は、変動中のものを除き、所定の回数(例えば、4回)まで記憶され、記憶される回数は、特別図柄変動数記憶表示装置(図示はしていない)よって表示されるようにしている。
普通図柄始動ゲート360は、普通電動役物を作動させるか否かの当否抽選の開始の契機となる入賞ゲートである。普通図柄始動ゲート360は、遊技球の通過を検出するゲートスイッチ360aを含み、いわゆるゲート型形状で形成されている。
普通図柄表示装置370は、普通電動役物を作動させるか否かの当否抽選の結果を報知するための図柄(以下、「普通図柄」と称する)を所定の表示態様で変動させながら表示して、当該当否抽選の結果に応じた図柄をその変動を停止させることによって表示するものである。具体的には、普通図柄表示装置370は、普通図柄始動ゲート360に遊技球が通過した場合、普通電動役物を作動させるか否かの当否抽選の結果に応じて決定された変動パターンに基づき、普通図柄を変動させながら表示する。普通電動役物は、普通図柄表示装置370によって特定の普通図柄が停止表示された場合に作動するようになっている。なお、普通図柄は、識別情報として機能を有するものであれば特に限定はされず、文字、図形、数字、またはこれらの組み合わせの総てを含む。
また、普通図柄始動ゲート360への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動は、変動中のものを除き、遊技に応じて所定の回数(例えば、4回)まで記憶され、記憶される回数は、普通図柄記変動数記憶表示装置(図示はしていない)よって表示されるようにしている。
なお、特別図柄表示装置350に表示される特別図柄や普通図柄表示装置370に表示される普通図柄を、前述した演出表示装置329を用いて表示させたり、これら図柄を変動させる回数を表示させたりするように構成しても良い。
一般入賞口380(図では一部の一般入賞口について示している)は、遊技球の入球を検出する入賞口スイッチ380aを含み、一般入賞口に遊技球が入球した場合、所定の個数の遊技球のみが払い出されるように構成された入賞口である。
風車390は、羽根車状に形成されており、遊技球の落下の方向に変化を与える機能を有するものである。
遊技くぎは、くぎ状のもので形成され、遊技球の落下の方向に変化を与える機能を有するものである。図示はしていないが、遊技くぎは、遊技領域310上にその一部が埋設して形成され、目的に応じて所定の形態(天くぎ、ハカマ、鎧くぎ、ジャンプくぎなどの形態)で配置されており、風車390と相まって、遊技球の落下の方向に様々な変化を与え、遊技の興趣を高める手段の一つとして形成される。
装飾ランプは、主として、遊技領域310に形成される遊技部品または遊技領域310に複数形成され、遊技状態に応じた演出効果を奏するものであり、演出手段または異常報知手段の一つとして機能する。装飾ランプは、発光素子(例えば、LED)を含む。
次に、図5〜図27Cを参照しつつ、本発明に係る弾球遊技機の制御系について詳細に説明する。図5は図1〜図3に示した弾球遊技機の制御系の概略的な構成を示すブロック図を、図6および図7は本実施の形態の弾球遊技機における可動式役物の説明に供する図を、図8〜図27Cは図5に示した弾球遊技機の遊技動作に関する処理内容の説明に供する図である。なお、図1〜図4と同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。
図5に示すように、本実施の形態に係る弾球遊技機の制御系は、遊技状態に応じた遊技動作を制御する制御手段として、主制御基板400、演出制御基板420、払出制御基板430、発射制御基板440、および電源制御基板450を備えている。各制御基板は、各種遊技動作を制御するための制御プログラムに基づき遊技動作に係る処理を実行するCPU、前記制御プログラムなどを記憶するROM、および作業領域として一時的にデータを記憶するRAMを含んで構成されている。
主制御基板400は、弾球遊技機における遊技動作全般の制御を司るものであり、主制御手段として機能する。主制御基板400は、主として、入力管理手段401、普通電動役物制御手段403、特別図柄制御手段405、特別電動役物制御手段407、可動物制御手段409、入賞処理手段411、エラー管理手段413、および遊技復旧手段415を含んで構成されている。なお、図示はしていないが、上記手段の他、遊技動作開始前処理などの遊技動作の前提となる各種の処理手段を含んで構成されている。
主制御基板400には、図示はしていないが、弾球遊技機(遊技機本体)100(図1および図2参照)の遊技動作全般を制御するためのCPU、ROM、RAM、特別図柄表示装置350などの各装置や各制御基板(演出制御基板420〜電源制御基板450)に制御信号を送信するためのI/Oポート、およびその他の周辺回路を含む基本回路が形成されている。なお、後述する演出制御基板420、払出制御基板430、発射制御基板440、および電源制御基板450についても、各制御基板がそれぞれ有する機能に応じた基本回路が形成されている。
主制御基板400における各制御手段(普通電動役物制御手段403〜遊技復旧手段415)の処理内容に関する各種制御信号は、制御コマンドとして、I/Oポートや周辺基板(インターフェース基板や中継基板)を介して一方向通信により、演出制御基板420〜電源制御基板450や特別図柄表示装置350などの各装置に送信される。
なお、演出制御基板420〜電源制御基板450は、原則として、前記制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドに基づき所定の処理を実行するように構成されている。
後述する演出制御基板420〜電源制御基板450は、主制御基板400から送信された制御コマンドを一時的に記憶する制御コマンド記憶手段(図示はしていない)を備えており、この制御コマンド記憶手段に記憶された制御コマンドを読み出して、読み出した制御コマンドに基づき、所定の処理を実行するように構成されている。なお、制御コマンドを送信する場合、ノイズなどの電気的な妨害による送信ミスを防止するため、所定の時間間隔をおいて制御コマンドを複数回送信するようにしている。
前記制御コマンドとしては、特別遊技状態や通常遊技状態に基づく演出制御コマンド、遊技動作に異常が発生している旨報知するためのエラーコマンド、賞球を払い出すための払出制御コマンドなどの演出制御基板420〜電源制御基板450を制御するための種々の制御コマンドが含まれる。
演出制御基板420は、主制御基板400から送信される制御コマンドに基づき、演出表示装置329、スピーカ130、および装飾ランプ部150などの演出手段を制御するものであり、演出制御手段として機能する。演出制御基板420は、演出表示装置制御手段421、発光制御手段423、および音波出力制御手段425含む。
払出制御基板430は、主制御基板400から送信される制御コマンド(例えば、賞球数を指定する賞球数コマンド)に基づき、賞球払出カセット240を制御して賞球の払い出しを実行したり、主制御基板400に賞球に関する状態信号を送信したりするものであり、払出制御手段として機能する。
発射制御基板440は、払出制御基板430によって制御され、発射装置が備える発射停止スイッチや発射強度を調整する発射強度センサなどの発射動作に関する発射制御コマンドを受信して、遊技球を発射するための発射装置を制御するものであり、発射制御手段して機能する。
電源制御基板450は、遊技機本体100に電源を供給または遮断したり、バックアップ用の電源を保持したりするものであり、電源制御手段として機能する。
以下に、主制御基板400における各制御手段について詳細に説明する。
入力管理手段401は、入賞球計数手段401a、排出球計数手段401b、および保留球数記憶手段401cを含み、各種スイッチ(上入賞球検出スイッチ323、V入賞口用排出検出スイッチ327a、ハズレ入賞口用排出検出スイッチ327a、第1始動口スイッチ340a、第2始動口スイッチ341a、ゲートスイッチ360a、アタッカースイッチ330a、入賞口スイッチ380a、その他、遊技動作に係るスイッチを含む)の検出情報に基づき、各種スイッチの入力状態(入力のオンオフ、入力回数などの入力状態)を確認し、各種のスイッチに応じた入力状態(遊技球を検出した旨の検出情報)を所定の記憶領域に一時的に記憶したり、記憶した検出情報を更新したりする機能を有するものである。
入賞球計数手段401aは、羽根部材321a、321bの開閉動作よって上大入賞口322に入球した遊技球の入球数を計数する機能を有するものである。具体的には、入賞球計数手段401aは、可変入賞装置320が備える上入賞球検出スイッチ323が遊技球の通過を検出した場合、上入賞球検出スイッチ323からの検出情報に基づき、上大入賞口322に入球した遊技球の入球数を計数するものである。計数した入球数は、所定の記憶領域に一時的に記憶される。
排出球計数手段401bは、可変入賞装置320の外部に排出される遊技球の排出球数を計数する機能を有するものである。具体的には、排出球計数手段401bは、V入賞口用排出検出スイッチ326aまたはハズレ入賞口用排出検出スイッチ327aが遊技球の通過を検出した場合、V入賞口用排出検出スイッチ326aまたはハズレ入賞口用排出検出スイッチ327aからの検出情報に基づき、可変入賞装置320の外部に排出される遊技球の排出球数を計数するものである。計数した排出球数は、所定の記憶領域に一時的に記憶される。なお、入力管理手段401は、図示はしていないが、アタッカー330、第1特別図柄始動口340、第2特別図柄始動口341、および一般入賞口380に入球した遊技球の個数をそれぞれ計数する計数手段を含んで構成されている。
保留球数記憶手段401cは、第1始動口スイッチ340aまたは第2始動口スイッチ341aが検出した遊技球の入球情報(いわゆる、保留球数)を記憶するものであり、始動口入球記憶手段として機能する。
タイマ管理手段402は、時間を管理するためのタイマカウンタを含み、遊技動作に係る各種の時間(タイマ)を管理する機能を有するものである。具体的には、タイマ管理手段402は、詳細は後述するが、入賞確認時間、上大入賞口排出確認タイマ、特別図柄変動タイマ、特別図柄確認タイマ、動作開始待ちタイマ、特別電動役物動作タイマ、および基本動作タイマなどの遊技動作を制御するために必要なタイマを設定したり、処理状態に応じてその更新(例えば、タイマ値の減算)をしたりして、遊技動作に係る各種の時間を管理するものである。なお、タイマ管理手段402には、上記のような各種タイマに応じたタイマ管理領域を有していても良いし、各種タイマを区別することなく、処理状態に応じて遊技動作を制御するために必要な時間のみを管理する管理領域を有していても良い。
普通電動役物制御手段403は、普通図柄始動ゲート360に遊技球が通過した場合、その通過した旨の検出情報に基づいて普通電動役物の一連の動作を制御する機能を有するものである。また、普通電動役物制御手段403は、図示はしていないが、普通図柄用乱数生成手段、普通図柄確率変動手段、普通図柄変動時間短縮手段を含むことができる。
具体的には、普通電動役物制御手段403は、普通図柄始動ゲート360に遊技球が通過した旨の検出情報に基づき、普通電動役物を作動させるか否かの当否を、乱数抽選(所定の確率で当選するように)により決定する。このとき、普通電動役物を作動させるか否かの当否抽選の結果に基づき、普通図柄表示装置370に表示させる普通図柄の変動パターンと停止させる普通図柄の組み合わせとを決定する。そして、決定した変動パターンに基づき、普通図柄表示装置370に普通図柄を変動させながら表示して、その変動を停止させることによって普通図柄を表示させる。このとき、普通図柄表示装置370に特定の普通図柄(普通電動役物の作動の契機となる普通図柄)が表示された場合、普通電動役物の動作が開始される。本実施の形態では、第2特別図柄始動口341が備える可動翼片341b、341cの動作が開始される。なお、可動翼片341b、341cの一連の動作、例えば、開状態維持時間や開閉回数などの動作パターンは、目的に応じて適宜変更することができる。
普通図柄用乱数生成手段は、普通電動役物を作動させるか否かの当否抽選に使用するための当たり判定用乱数(以下、「普通図柄用乱数」と称する)を生成する機能を有するものである。前記乱数の生成は、CPUに所定のプログラムを実行させることによって乱数(ソフトウェア乱数)を生成したり、パルス信号を出力する発振器やこれを計数するカウンタなどの乱数(ハードウェア乱数)を生成したりしても良い。なお、普通図柄用乱数には、普通電動役物を作動させるか否かの当否抽選に用いるための当たり判定用乱数、普通図柄の変動パターンを決定するための普通図柄変動用乱数、普通電動役物の作動させる普通図柄の組み合わせを決定するための普通図柄決定用乱数などの乱数を含むことができる。
普通図柄確率変動手段は、前記普通電動役物を作動させるか否かの当否抽選確率を変動させる機能を有するものである。普通図柄確率変動手段は、後述する特別図柄変動時間短縮手段と連動させることができる。この場合、例えば、特別図柄変動時間短縮手段の動作開始に伴い、普通図柄確率変動手段の動作を開始させ、普通電動役物を作動させるか否かの当否抽選確率を変動させることができる。
普通図柄変動時間短縮手段は、普通図柄の変動時間を短縮させる機能を有するものである。普通図柄変動時間短縮手段は、特別図柄変動時間短縮手段と連動させることができる。この場合、例えば、特別図柄変動時間短縮手段の動作開始に伴い、普通図柄変動時間短縮手段の動作を開始させ、普通図柄の変動時間を短縮させることができる。
なお、普通電動役物制御手段403は、普通図柄確率変動手段や普通図柄変動時間短縮手段と連動して普通電動役物の動作を通常の遊技状態とは異なる動作態様に制御することができる。例えば、普通図柄変動時間短縮手段が動作中の場合、可動翼片341b、341cの動作時間を通常の遊技状態よりも延長させたり、開閉動作回数を変化させたりすることができる。
特別図柄制御手段405は、補助遊技抽選手段405aおよび特別図柄表示制御手段405bを含み、主として、補助遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を実行したり、特別図柄の表示態様を制御したりするものであり、抽選手段(補助遊技抽選手段405a)および図柄変動表示制御手段(特別図柄表示制御手段405b)として機能する。また、特別図柄制御手段405は、図示はしていないが、特別図柄確率変動手段、特別図柄変動時間短縮手段を含むことができる。
補助遊技抽選手段405aは、図示はしていないが、特別図柄用乱数生成手段、乱数値取得手段、補助遊技当否判定手段を含み、補助遊技状態を発生させるか否かの当否抽選(所定の確率で当選するように)を実行するものであり、抽選手段として機能する。
特別図柄用乱数生成手段は、補助遊技状態発生の当否抽選に使用するための当たり判定用乱数(以下、「特別図柄用乱数」と称する)を生成する機能を有するものである。前記乱数の生成は、CPUに所定のプログラムを実行させることによって乱数(ソフトウェア乱数)を生成したり、パルス信号を出力する発振器やこれを計数するカウンタなどの乱数(ハードウェア乱数)を生成したりしても良い。なお、特別図柄用乱数には、補助遊技状態を発生させるか否かを決定するための当たり判定用乱数、特別図柄の変動パターンを決定するための特別図柄変動パターン用乱数、特別図柄の組み合わせを決定するための特別電動役物作動図柄用乱数、当たり判定用乱数の初期値を決定するための初期値乱数などの乱数を含むことができる。
乱数値取得手段は、第1特別図柄始動口340または第2特別図柄始動口341に遊技球が入球した場合、その入球した旨の検出情報(保留球数記憶手段401cに記憶されている入球情報)に基づき、特別図柄用乱数生成手段によって生成された特別図柄用乱数値(上記各種乱数値を含む)から乱数値を読み出して取得する機能を有するものである。このとき、取得した特別図柄用乱数値は、所定の記憶領域(例えば、上記各種特別図柄用乱数値を記憶するための乱数記憶領域)に一時的に記憶される。
前記記憶領域に一時的に記憶される特別図柄用乱数値は、通常、最大記憶数が決められており、本実施の形態では、4つまで記憶されるようになっている。具体的には、詳細は後述するが、一の特別図柄を特別図柄表示装置350に表示させるための一連の処理の実行中に、第1特別図柄始動口340または第2特別図柄始動口341に遊技球が入球した場合、その入球した旨の検出情報(当該遊技球に対応する特別図柄用乱数値を含んでも良い)を最大記憶数である4つまで保留球として記憶できるようにしている。
また、乱数値取得手段は、前記保留球の数が最大記憶数の4つであるか否かを確認し、前記保留球の数が最大記憶数に達していない場合、第1始動口スイッチ340aまたは第2始動口スイッチ341aが検出した遊技球に対して、特別図柄乱数値を取得する。一方、前記保留球が最大記憶数に達している場合、特別図柄用乱数値を取得しないようにしている。
補助遊技当否判定手段は、補助遊技状態を発生させるか否かを判定するための当否判定テーブルを含み、乱数値取得手段によって取得された特別図柄用乱数値(当たり判定用乱数値)に基づき、補助遊技状態を発生させるか否かを判定する機能を有するものである。前記当否判定テーブルには、「当たり」または「ハズレ」の結果値が、特別図柄用乱数値と対応付けられて設定されている。補助遊技当否判定手段は、取得した特別図柄用乱数値と前記当否判定テーブルとを参照して、補助遊技状態を発生させるか否かを判定する。例えば、当否判定テーブルの「当たり」に対応する値が「7」とすると、乱数値取得手段によって取得された当たり判定用乱数値が「7」の場合には、「当たり(補助遊技状態に当選)」となり、取得した特別図柄用乱数値が「7」以外の場合には、「ハズレ(補助遊技状態に否当選)」となる。なお、上記では、補助遊技状態が一つの場合について説明したが、これに限らず、補助遊技状態には複数の遊技状態が設定されていても良い。
本実施の形態では、補助遊技状態には、「小当たり」、「中当たり」、および「大当たり」の3つの当たりが設定されている(詳細は後述する)。この場合、例えば、当たり判定用乱数の大きさが「0〜397」とすると、前記当否判定用テーブルの「小当たり」に対応する値が「0〜248(398分の249で当選)」、「中当たり」に対応する値が「249〜395(398分の147で当選)」、「大当たり」に対応する値が「396(398分の1で当選)」、前記当たり以外、すなわち「ハズレ」に対応する値が「397(398分の1でハズレ」」に設定されている。したがって、乱数値取得手段によって取得された当たり判定用乱数値が「0〜248」の場合には「小当たり」となり、「249〜395」の場合には「中当たり」、「396」の場合には「大当たり」、「397」の場合には「ハズレ」となるように設定されている。
なお、補助遊技当否判定手段による補助遊技状態を発生させるか否かの判定は、乱数値取得手段によって特別図柄用乱数値の取得と共に実行したり、後述する特別図柄表示制御手段405bによって変動表示される特別図柄の変動開始直前に実行したりしても良い。
特別図柄表示制御手段405bは、特別図柄変動開始判定手段(図示はしていない)を含み、所定の前記図柄の変動の開始条件の成立に基づき、特別図柄表示装置350における特別図柄の表示態様を制御するものであり、図柄表示態様制御手段として機能する。具体的には、特別図柄表示制御手段405bは、補助遊技抽選手段405aによって決定された補助遊技状態発生の当否抽選の結果に基づき、特別図柄の変動パターンと停止させる特別図柄の組み合わせとを決定し、決定した変動パターンに基づき、特別図柄表示装置350に特別図柄を変動させながら表示して、その変動を停止させることによって特別図柄を表示させる。このとき、特別図柄表示装置350によって表示される特別図柄の変動表示または停止表示に連動して、演出表示装置329に装飾用図柄(例えば、「777」や「FUJI」)を所定の態様で表示したり、装飾ランプを所定の態様で点滅または点灯させたりして、演出効果が発揮されるようにしている。
特別図柄変動開始判定手段は、所定の条件(特別図柄の変動の開始を可能とする条件、以下「変動開始条件」と称する)に基づき、特別図柄表示装置350における図柄の新たな変動表示を開始しないように制御する機能を有するものである。具体的には、特別図柄変動開始判定手段は、上大入賞口322において玉つまりなどによる一の遊技球の排出不良が発生した場合などの遊技を進行する上で重大な異常が発生したと判定された場合(詳細は後述する)に、入力管理手段401の保留球数記憶手段401cに入球情報が記憶されていたとしても、変動開始条件が成立していないとして特別図柄表示装置350における図柄の新たな変動表示を開始しないように制御するものである。前記変動開始条件は、目的に応じて種々の条件を設定しても良く、目的に応じて適宜変更することができる。
特別図柄確率変動手段は、補助遊技状態を発生させるか否かの当否抽選確率を変動させる機能を有するものである。具体的には、特別図柄確率変動手段は、補助遊技状態に当選する特別図柄のうち、あらかじめ定められた特定の図柄(以下、「特定図柄」と称する)の停止によって補助遊技状態に当選した場合、次回の補助遊技状態の発生(例えば、前記「大当たり」に当選する確率が398分の1の場合、これを39.8分の1にする)に当選する確率を変動(以下、必要に応じて「確率変動」と称する)させる機能を有するものである。
なお、前記確率変動中に、再度、特定図柄で補助遊技状態の発生に当選した場合、羽根部材321a、321bまたは開閉扉330bの一連の動作が終了した後、次回の補助遊技状態の発生に当選する確率を変動(例えば、確率変動を継続させる)させることができる。また、前記のような確率変動は、特定図柄が停止した場合に次回の補助遊技状態に移行する確率のみ、低確率から高確率に変動させると説明しているが、これに限らず、複数回(例えば、確率変動の継続を2回)繰り返されるようにしても良い。
特別図柄変動時間短縮手段は、特別図柄の変動時間を短縮する機能を有するものである。具体的には、特別図柄変動時間短縮手段は、あらかじめ定められた特定図柄(以下、「変動時間短縮図柄」と称する)で補助遊技状態発生に当選した場合、次回の補助遊技状態に当選するまで、または特別図柄が所定の回数(例えば、50回)の変動を終了するまでの間、特別図柄の変動時間を短縮(以下、「時短」と称する)する機能を有するものである。
特別電動役物制御手段407は、補助遊技制御手段407aおよび特別遊技制御手段407bを含み、可変入賞装置320が備える羽根部材321a、321bやアタッカー330が備える開閉扉330bの開閉動作の開始から終了までの一連の動作を制御するものであり、補助遊技状態発生手段および特別遊技状態発生手段として機能する。
補助遊技制御手段407aは、補助遊技抽選手段405aによって補助遊技状態に当選したと判定された場合、可変入賞装置320が備える羽根部材321a、321bやアタッカー330が備える開閉扉330bの開閉動作の開始から終了までの一連の動作を制御するものであり、補助遊技状態発生手段として機能する。具体的には、補助遊技制御手段407aは、補助遊技抽選手段405aによって補助遊技状態に当選したと判定された場合、特別図柄表示装置350に特定の特別図柄が停止表示されたことを契機として、羽根部材321a、321bまたは開閉扉330bの開閉動作を所定の態様で実行するように構成されている。
ここで、本発明に係る弾球遊技機の理解を容易なものとするために、前記補助遊技状態について簡単に説明しておく。
本実施の形態では、上述したように補助遊技状態として、「小当たり」、「中当たり」、「大当たり」の3態様の補助遊技状態が設定されている。これらの当たりは、「小当たり」〜「大当たり」の順に遊技者に対して有利な遊技状態となるように設定され、「小当たり」〜「大当たり」の順に当選確率(例えば、「小当たり」は398分の249、「中当たり」は398分の147、「大当たり」は398分の1で当選)が低くなるように設定されている。なお、補助遊技状態は、上記のような態様に限られるものではなく、1つまたは複数の補助遊技状態を設定することができる。
可変入賞装置320が備える羽根部材321a、321bの開閉動作は、前記「小当たり」の場合には「開状態維持時間0.4秒×開閉動作回数1回」とし、前記「中当たり」の場合には「開状態維持時間0.4秒(閉状態維持時間0.8秒)×開閉動作回数2回(閉状態回数1回)」として設定して、「小当たり」よりも「中当たり」の方が羽根部材321a、321bの開状態維持時間を長くし、遊技者に対して有利な遊技状態を提供することができるようにしている。なお、前記「中当たり」の場合、開閉動作1回目と2回目との間に、0.8秒間のインターバル時間(閉状態維持時間)が設定されている。
さらに、前記「大当たり」の場合、前記「小当たり」および前記「中当たり」よりも遊技者に対して有利な遊技状態となるように、羽根部材321a、321bの動作を中断(特別図柄の変動の開始を中断して、特別図柄表示装置350に特定の特別図柄を表示されないようにする)して、アタッカー330が備える開閉扉330bを所定の態様で動作するようにしている。例えば、アタッカー330が備える開閉扉330bの開閉動作を「開状態維持時間29.8秒(またはアタッカー330の内部空間に所定の個数の遊技球が入球した場合(アタッカースイッチ330aが所定の個数の遊技球を検出した場合)に開状態維持時間内であっても閉状態に変換)×開閉動作回数15回(閉状態回数14回)」として、前記「小当たり」および前記「中当たり」よりも、短時間で多くの賞球を獲得できるようにしている。
なお、羽根部材321a、321bや開閉扉330bの開閉動作は、上記のような動作態様(所定の回数交互に繰り返したり、一定時間、開状態または閉状態を維持したりする時間)に限られることはなく、様々な動作態様に適宜変更することができる。
本実施の形態では、前記「大当たり」の場合、条件装置(特別図柄表示装置350に特定の特別図柄(大当たり用の特別図柄)が停止表示されるか、またはV入賞口326に遊技球が入球したことを条件として作動する装置。図示はしていない)の作動を条件として、役物連続作動装置(特別電動役物を連続して作動させることができる装置)が作動し、開閉扉330bの開閉動作が所定の回数繰り返し実行されるように構成されている。
前記役物連続作動装置によって、例えば、開閉扉330bの開閉動作を繰り返し実行させる場合、開閉扉330bの1回の開閉動作である「開状態維持時間29.8秒×開閉動作回数1回」を1ラウンドとして設定し、所定のラウンド数、例えば、最大継続ラウンド数を15ラウンドとして設定し、設定したラウンド数が終了するまで繰り返し実行するように構成することができる。このとき、第1ラウンド終了から所定の時間(ラウンド間のインターバル時間)が経過した後に第2ラウンドが開始されるように構成しても良い。
特別遊技制御手段407bは、上大入賞口322に入球した遊技球がV入賞口326に入球したことを契機として、羽根部材321a、321bの開閉動作の開始から終了までの一連の動作を制御して、遊技者に対して有利な特別遊技状態を発生させるものであり、特別遊技状態発生手段として機能する。本実施の形態では、「小当たり」または「中当たり」に当選したときの羽根部材321a、321bの開閉動作によって上大入賞口322に入球した遊技球が、V入賞口326が備えるV入賞口用排出検出スイッチ326aを通過したことを契機として特別遊技状態(以下、必要に応じて「V当たり」と称する)を発生させるようにしている。
本実施の形態における前記特別遊技状態は、羽根部材321a、321bの開閉動作を「開状態維持時間0.9秒(閉状態維持時間0.5秒)×開閉動作回数18回(閉状態回数17回)」を1ラウンド(なお、上大入賞口322に所定の個数の遊技球が入球した場合(上入賞球検出スイッチ323が所定の個数の遊技球を検出した場合)、開閉動作回数が18回未満であっても閉状態に変換して1ラウンドを終了させる)として、15ラウンドを最大継続ラウンドとして設定し、遊技者に対して有利な遊技状態を発生させるようにしている。本実施の形態では、V入賞口326に遊技球が入球した旨の検出情報に基づき、条件装置が作動するようにしている。そして、条件装置の作動に伴い役物連続作動装置が作動し、羽根部材321a、321bの開閉動作が所定の態様で繰り返し実行されるように構成されている。
また、「小当たり」または「中当たり」の当たり状態に応じて、特別遊技状態発生における前記ラウンド数を変更するように構成しても良い。例えば、「小当たり」状態のときにV入賞口326に遊技球が入球した場合にはラウンド数を7回とし、「中当たり」状態のときにV入賞口326に遊技球が入球した場合にはラウンド数を15回と設定して、特別遊技状態が複数の遊技状態を有するように構成しても良い。なお、羽根部材321a、321bの特別遊技状態における開閉動作は、上記のような動作態様に限られることはなく、種々の動作態様に変更することができる。
なお、特別電動役物制御手段407は、図示はしていないが、上入賞無効化手段およびV入賞無効化手段を含むことができる。
上入賞無効化手段は、上入賞球検出スイッチ323からの検出情報を有効または無効にする機能を有するものである。具体的には、上入賞無効化手段は、所定の条件に基づき、不正行為を監視するための入賞有効フラグを設定(入賞有効フラグをオン)したり、その設定を解除(入賞有効フラグをオフ)したりするものである。「入賞有効フラグ」とは、上大入賞口322に遊技球が入球した場合(上入賞口検出スイッチ323が遊技球を検出した場合)、その旨の検出情報が有効であるか(正規に入球した遊技球であるか)無効であるか(不正に入球した遊技球であるか)を判定するために使用されるものである。
前記入賞有効フラグが設定されている場合(入賞有効フラグがオンの場合)、上大入賞口322に遊技球が入球した旨の検出情報を有効にする一方、当該入賞有効フラグが設定されていない場合(入賞有効フラグがオフの場合)にはその検出情報を無効にして不正行為を防止するようにしている。なお、検出情報を無効にするとは、上大入賞口322に遊技球が入球した旨の検出情報自体を無効にするのではなく、上大入賞口322に遊技球が入球した旨の検出情報があった場合、入賞有効フラグがオンであるときの検出情報であるのか、入賞有効フラグがオフのときの検出情報であるのかが確認され、その検出情報が有効であるか無効であるかが判定されるようにしている。したがって、入賞有効フラグがオフの場合に上大入賞口322に遊技球が入球したとしても、賞球の払い出しなどの処理は実行されないようにしている。
V入賞無効化手段は、V入賞口用排出検出スイッチ326aからの検出情報を有効または無効にする機能を有するものである。具体的には、V入賞無効化手段は、所定の条件に基づき、不正行為を監視するV入賞有効フラグを設定したり、解除したりするものである。「V入賞有効フラグ」とは、入賞有効フラグと同様に不正行為の監視のために設定されるものであり、V入賞口326に遊技球が入球した場合(V入賞口用排出検出スイッチ327aが遊技球を検出した場合)、その検出情報が有効であるか無効であるかを判定するために使用されるものである。
前記V入賞有効フラグが設定されている場合(V入賞有効フラグがオンの場合)、V入賞口326に遊技球が入球した旨の検出情報を有効とする一方、当該V入賞有効フラグが設定されていない場合(V入賞有効フラグがオフの場合)、その検出情報を無効として不正行為を防止するようにしている。なお、検出情報を無効にするとは、V入賞口326に遊技球が入球した旨の検出情報自体を無効にするのではなく、V入賞口326に遊技球が入球した旨の検出情報があった場合、後述する入賞有効判定手段によって、V入賞有効フラグがオンであるときの検出情報であるのか、V入賞有効フラグがオフのときの検出情報であるのかが確認され、その検出情報が有効であるか無効であるかが判定されるようにしている。
可動物制御手段409は、基本動作時間設定手段409a、可動物動作態様記憶手段409b、駆動信号出力制御手段409c、および駆動信号停止制御手段409dを含み、第1可動式役物324a、第2可動式役物324b、回転体可動式役物324cの動作を制御するものであり、動作パターン記憶手段および駆動制御手段として機能する。なお、図5では、説明の便宜上、第1可動式役物324a、第2可動式役物324b、および回転体可動式役物324cを総称して可動式役物324と表記している。なお、本実施の形態における第1可動式役物324aおよび回転体可動式役物324cは、常に一定の態様でその動作が実行されるように制御されており、第2可動式役物324bは所定の条件に基づき、その動作態様が変化するように制御されている。以下では、本発明の特徴的要素である第2可動式役物324bの動作制御に着目して説明し、第1可動式役物324aおよび回転体可動式役物324cについての説明は省略する。
まず、図6および図7を参照して、可動物制御手段409の理解を容易なものとするために、第2可動式役物324bの動作原理について簡単に説明しておく。
図6(a)に示すように、本実施の形態における第2可動式役物324bは、ソレノイド33を駆動源とし、バネ34、プランジャ35、プランジャ35に取り付けられたプランジャヘッド35a、プランジャヘッド35aに取り付けられた可動式役物本体324b’、可動式役物本体324b’に取り付けられた球誘導はしご用クランク324e、球誘導はしご用クランク324eに取り付けられた球誘導はしご用シャフト324f、および球誘導はしご324dを含んで構成されている。
第2可動式役物324bは、可動物制御手段409(駆動信号出力制御手段409c)からの駆動信号(第2可動式役物324bの動作を実行するために、ソレノイド33に通電(励磁)を指示する制御信号、以下、「可動物駆動信号」と称する)により、ソレノイド33が通電すると、図6(a)に示すように、プランジャ35がソレノイド33側に引き寄せられ、これに伴い、プランジャヘッド35aに取り付けられた可動式役物本体324b’もソレノイド33側に引き寄せられる。このとき、バネ34は弾性的に付勢される。そして、可動式役物本体324b’の動作に連動して、球誘導はしご用クランク324eおよび球誘導はしご用シャフト324fが回転し、球誘導はしご324dが揺動するようになっている(第1の動作状態)。そして、ソレノイド33への通電が停止(消磁)すると、バネ34の復元力により、プランジャ35が初期位置に戻り、これに伴い、可動式役物本体324b’も初期位置に戻るので、これに連動して球誘導はしご324dも初期位置に戻るようになっている(第2の動作状態)。
次に、図7を参照して、第2可動式役物324bの動作パターンについて説明する。
図7は第2可動式役物324bの動作を制御するために用いられる動作パターン用テーブルを例示したものである。
図7(A)に示すように、前記動作パターン用テーブルには1周期分の動作パターン、すなわち、1種類の動作パターンのみが記憶されており、前記可動物駆動信号の出力時期を示す時間情報を示す動作タイマ値と前記可動物駆動信号のオン(出力)・オフ(停止)を示す出力情報(図7(A)に示す「動作フラグ」)とが対応付けられて記憶されている。なお、「動作フラグ」に示す「00H」とは、可動物駆動信号の生成を停止させるために設定されるフラグであり、「5AH」とは前記可動物駆動信号を生成し出力させるために設定されるフラグである。
前記動作タイマ値とは、後述する基本動作時間設定手段409aにより設定される、第2可動式役物324bの動作時間(以下、「基本動作時間(または基本動作タイマ)」と称する)から所定のタイマ値が減算されたときの残余時間を示し、前記動作タイマは、割り込み処理(図9参照)が実行されるごとに所定のタイマ値(例えば、0.004秒)が減算されるようにしている。
可動物制御手段409は、前記動作パターン用テーブルに基づき前記可動物駆動信号をソレノイド33に送信する。具体的には、図7(B)に示すようなタイミングでソレノイド33に前記可動物駆動信号が出力されるので、これにより、第1の動作状態から第2の動作状態へ、第2の動作状態から第1の動作状態へと変換し、球誘導はしご324dを繰り返し揺動させるように周期性を有した動作が実行され、遊技球の落下方向や転動方向に変化を与えるように構成されている(図6(b)参照)。なお、第2可動式役物324bの形態やその構成、第2可動式役物324bを駆動するための駆動源は特に限定されず、適宜変更することができる。
再び、図5を参照して、可動物制御手段409について説明する。
基本動作時間設定手段409aは、所定の条件に基づき、可動式役物324bの動作時間を設定する機能を有するものである。本実施の形態では、補助遊技状態の発生の当選した場合、可動式役物324bの動作時間として、1周期分の動作時間(基本動作時間(基本動作タイマ))を設定するようにしている。
可動物動作態様記憶手段409bは、動作パターン用テーブルを含み、第2可動式役物324bの1周期分の動作パターンを記憶するものであり、動作パターン記憶手段として機能する。前記動作パターン用テーブルには、既に説明したように、前記可動物駆動信号の出力時期を示す時間情報と前記可動物駆動信号の出力情報とが対応付けられて記憶されており、第2可動式役物324bの1周期分の動作パターンが記憶されている。
駆動信号出力制御手段409cは、可動物動作態様記憶手段409bに記憶された動作パターンに基づき、前記可動物駆動信号を生成して、生成した可動物駆動信号をソレノイド33に出力する機能を有するものである。
駆動信号停止制御手段409dは、所定の条件に基づき、前記可動物駆動信号の生成を停止制御する機能を有するものである。具体的には、駆動信号停止制御手段409dは、所定の条件に基づき、前記動作タイマ値をクリアするものである。既に説明したように、基本動作時間設定手段409aによって基本動作時間が設定された場合、駆動信号出力制御手段409cは図7(A)に示す動作パターン用テーブルを参照して、前記可動物駆動信号を生成し出力する。このとき、駆動信号出力制御手段409cは前記動作タイマ値に基づき前記可動物駆動信号を生成し出力していくが、当該動作タイマ値が「0.000s」になった場合には前記可動物駆動信号の生成を停止するように制御している。
したがって、駆動信号停止制御手段409dは、所定の条件が成立した場合、動作タイマ値を強制的にクリア(動作タイマを「0.000秒」にする)して、新たに基本動作時間が設定されるまで、駆動信号停止制御手段409dによる可動物駆動信号の生成を停止させるように制御している。
このように、本実施の形態における可動物制御手段409は、第2可動式役物324bの1周期分の動作が終了する前に前記可動物駆動信号の出力を所定の条件に基づき停止制御することで、1種類の動作パターンに基づいて複数種類の動作パターンを実現することができるようにしている(詳細は後述する)。
入賞処理手段411は、上大入賞口322、アタッカー330、第1特別図柄始動口340、第2特別図柄始動口341、普通図柄始動ゲート360、または一般入賞口380に遊技球が入球した場合、その入球した旨の検出情報に基づいて入賞処理を実行する機能を有するものである。具体的には、入賞処理手段411は、それぞれの入賞口に入球した遊技球を検出するための検出スイッチ(上入賞球検出スイッチ323、第1始動口スイッチ340a、第2始動口スイッチ341a、アタッカースイッチ330a、ゲートスイッチ360a、入賞口スイッチ380a)が遊技球の通過を検出した場合、それぞれの入賞口に対応した遊技球の払い出し個数(賞球数)を決定し、決定した賞球数に関する賞球払出制御コマンド(賞球数コマンド)を払出制御基板430に送信する。
また、入賞処理手段411は、払出制御基板430から賞球払い出しに関する状態信号を受信している。前記状態信号には、貯留タンク230に遊技球が不足している場合の補給切れ信号、賞球不足である旨の賞球不足信号、下受け皿が満杯である旨の下皿満杯信号などの払い出しに関する状態信号が含まれる。
エラー管理手段413は、図示はしていないが、入賞有効判定手段、遊技球排出完了判定手段、および可動物動作監視手段を含み、遊技動作に異常が発生したか否かを監視する機能を有するものである。エラー管理手段413は、各入賞口(可変入賞装置320、アタッカー330、第1特別図柄始動口340、第2特別図柄始動口341、普通図柄始動ゲート、および一般入賞口380)のうちの少なくとも1つに対して、異常な入賞(例えば、不正行為による入賞)があるか否かを監視したり、上大入賞口322に入球した遊技球の排出に異常が発生したか否かを監視したり、可動式役物324の動作に異常が発生したか否かを監視したりするものである。また、エラー管理手段413は、入賞処理手段411が払出制御基板430からの賞球の払い出しに関する状態信号を受信して、賞球の払い出しに異常が発生したか否かも監視している。
入賞有効判定手段は、上大入賞口322に遊技球が入球した旨の検出情報(上入賞球検出スイッチ323からの検出情報)、または、V入賞口326に遊技球が入球した旨の検出情報(V入賞口用排出検出スイッチ326aからの検出情報)に基づき、当該検出情報が有効であるか無効であるかを判定する機能を有するものである。具体的には、入賞有効判定手段は、上大入賞口322に入球した遊技球を検出した旨の検出情報がある場合に入賞有効フラグがオンであるときに検出された検出情報であるか(有効であるか)否か(無効であるか)を判定したり、V入賞口326に遊技球が入球した旨の検出情報がある場合にV入賞有効フラグがオンであるときに検出した検出情報であるか(有効であるか)否か(無効であるか)を判定したりする機能を有するものである。この入賞有効判定手段によって、上大入賞口322に遊技球が入球した旨の検出情報が無効であると判定された場合やV入賞口326に遊技球が入球した旨の検出情報が無効であると判定された場合には、遊技状態をエラー状態に設定して、賞球を払い出さないように制御したり、特別遊技状態を発生させないように制御したりしている。
遊技球排出完了判定手段は、上入賞球検出スイッチ323と排出球検出スイッチ(V入賞口用排出検出スイッチ326aおよびハズレ入賞口用排出検出スイッチ327a)とからの検出情報に基づき、上大入賞口322に入球した遊技球の排出が完了したか否を判定するものであり、排出完了判定手段として機能する。具体的には、前記遊技球排出完了判定手段は、入賞球計数手段401aによって計数された遊技球の入球数と排出球計数手段401bによって計数された遊技球の排出球数とを比較して、上大入賞口322に入球した遊技球が排出されたか否かを判定する。より具体的には、前記遊技球排出完了判定手段は、所定の時間内に入賞球計数手段401aによって計数された遊技球の入球数と排出球計数手段401bによって計数された遊技球の排出球数とが一致しない場合、遊技球の排出が完了していないと判定したりするように構成することができる。
可動物動作監視手段は、可動物制御手段409によって制御される第1可動式役物324a、第2可動式役物324b、または回転体可動式役物324cの動作を監視して、その動作に異常が発生したか否かを判定する機能を有するものである。具体的には、可動物動作監視手段は、可動式役物を駆動する電気的駆動源の通電状態(電流値や抵抗値)を監視したり、可動式役物が所定の動作態様で動作しているか否かを監視したりするものである。例えば、可動式役物の動作を所定の位置を起点として開始させ、当該可動式役物の一連の動作の終了時には、その動作を当該起点で終了させるように制御しているような場合や当該起点に基づいて一定の周期で周期動作を繰り返し実行している場合、前記起点を検出するための位置検出手段を形成し、当該位置検出手段の検出情報に基づいて、可動式役物の動作を監視するように構成することができる。
なお、エラー管理手段413は、遊技動作に異常が発生している場合、その旨を報知するための制御コマンドを周辺の各制御基板、例えば、演出制御基板420に送信する。そして、演出制御基板420は、上記制御コマンドに基づき、演出表示装置329、スピーカ130、または装飾ランプ部150などの演出手段を制御して、異常が発生している旨を視覚的・聴覚的に報知することができるように構成されている。
また、エラー管理手段413は、図示はしていないが、ホール用不正報知手段、遊技強制停止手段を含むことができる。
ホール用不正報知手段は、外部端子基板460を通じて、ホール管理用コンピュータ(図示はしていない)に対して、主として、不正行為である旨の情報を送信する機能を有するものである。このホール用不正報知手段によって、ホール管理用コンピュータに不正行為である旨を知らせることができるので、不正行為を早期に検出することができる。
遊技強制停止手段は、遊技状態(遊技動作全般を含む)の少なくとも一部を強制的に停止させる機能を有するものである。例えば、エラー管理手段413が不正入賞を検出した場合、遊技強制停止手段から発射制御基板440に発射動作停止の旨の停止信号を送信して、発射装置の動作を一時的に停止させるようにしたり、電源制御基板450に電源を遮断させる旨の電源遮断信号を送信して、遊技機本体の電源を強制的に遮断したりすることができる。
遊技復旧手段415は、遊技状態記憶手段(図示はしていない)を含み、電源遮断時における遊技状態に関する処理内容を記憶して、電源復旧時には、その記憶した処理内容に基づき、電源遮断時における遊技状態から遊技動作を復旧させる機能を有するものである。
遊技状態記憶手段は、遊技機の電源が遮断された場合(例えば、停電や不正行為発生時に強制的に電源を遮断された場合)、その遮断時における遊技状態に関する処理内容を記憶するためのバックアップ領域(バックアップRAM)を含む。遊技に関する処理内容とは、遊技の再開に必要とする主要な遊技状態に関する処理内容であり、主として、主制御基板400における処理内容(普通電動役物制御手段403、特別図柄制御手段405、または入賞処理手段411などの制御手段における処理内容)、例えば、補助遊技状態や特別遊技状態の当否抽選結果、補助遊技状態発生中または特別遊技状態発生中における羽根部材321a、321bの動作状態(例えば、開閉動作回数)、未払いの賞球数が挙げられる。
次に、演出制御基板420の各制御手段について詳細に説明する。
演出表示装置制御手段421は、主制御基板400から送信された遊技状態に応じた演出に関する制御コマンド(演出制御コマンド)に基づき、演出表示装置329における表示態様を制御するものであり、演出制御手段の一つとして機能する。具体的には、演出表示装置制御手段421は、演出制御コマンドに基づき、あらかじめ記憶されている各種演出パターン用のテーブルから演出パターンを選択し、選択した演出パターンを演出表示装置329に表示させる。前記演出パターン用テーブルは、通常、ROMなどの記憶領域に記憶されており、演出制御コマンドと演出表示装置329に表示すべき演出パターンとが対応付けられて記憶されている。
発光制御手段423は、主制御基板400から送信された発光に関する制御コマンド(発光制御コマンド)に基づき、装飾ランプなどの発光手段を制御するものであり、演出制御手段の一つとして機能する。具体的には、発光制御手段423は、発光制御コマンドに基づき、あらかじめ記憶されている発光パターン用のテーブルから発光パターンを選択して、選択した発光パターンに基づき発光手段を制御する。前記発光パターン用テーブルは、通常、ROMなどの記憶領域に記憶されており、発光制御コマンドと発光手段における発光パターンとが対応付けられて記憶されている。
音波出力制御手段425は、主制御基板400から送信された音波出力に関する制御コマンド(音波制御コマンド)に基づき、スピーカ130などの音波出力手段を制御するものであり、演出制御手段の一つとして機能する。具体的には、音波出力制御手段425は、音声や効果音に関する音声制御コマンドに基づき、あらかじめ記憶されている音波出力パターン用のテーブルから音波出力パターンを選択して、選択した音波出力パターンに基づき音波出力手段を制御する。前記音波出力パターン用テーブルは、通常、ROMなどの記憶領域に記憶されており、音波制御コマンドと音波出力パターンとが対応付けられている。
次に、払出制御基板430について詳細に説明する。
払出制御基板430は、主制御基板400から送信された賞球の払い出しに関する賞球制御コマンド(払出制御コマンド)に基づき、賞球払出カセット240を制御したり、賞球の払い出し球数を記憶したりする機能を有するものである。
払出制御基板430は、払い出し数に未払いの賞球の記憶がある場合、その未払い出し分の賞球を所定の払い出し数を1単位として優先的に払い出すように賞球払出カセット240を制御する。なお、所定の払い出し数は、例えば、アタッカー330に対する賞球数(遊技球1個の入賞に対する払い出し数)が15個で、一般入賞口380に対する賞球数が10個の場合、その最も多い払い出し個数15個よりも多い数(例えば、20個)に設定されている。また、払出制御基板430は、賞球の払い出しに関する状態信号を主制御基板400の入賞処理手段411に送信している。また、払出制御基板430は、発射制御基板440に発射制御信号を送信し、発射装置を制御している。
次に、以上に説明した本実施の形態に係る弾球遊技機の遊技動作について簡単に説明しておく。
まず、遊技者は、遊技機本体とは別に設置された遊技媒体貸出ユニット(遊技機に対して遊技媒体の貸し出し実行する遊技媒体貸出装置、いわゆる、CRユニット)金銭挿入する。そうすると、挿入した金銭の額に応じた遊技球が前記遊技球貸出ユニットから払い出される(一般的には、遊技球貸出ユニットからの遊技球は、遊技機本体100の賞球払出カセット240を介して上受け皿125aに払い出される)。そして、払い出された遊技球を上受け皿125a入れ、遊技の準備をする。
次に、遊技者が発射ハンドル140を操作すると、上受け皿125aの遊技球が発射動作に連動して発射装置に供給されると共に、前記発射装置が備える打撃槌によって遊技球が1個ずつ打撃(連発)され、打ち出される。打ち出された遊技球は、誘導レール305に沿って、遊技領域310の上部に送られる。
遊技領域310の上部に到達した遊技球は、遊技領域310上に沿って落下していくが、この落下している間、可変入賞装置320、遊技くぎ、または風車390などの遊技部品によって落下の方向に変化を与えらながら落下していき、第1特別図柄始動口340、第2特別図柄始動口341、普通図柄始動ゲート360、または一般入賞口380に入賞したり、そのまま、遊技領域310最下部へと落下してアウト口に入球したりする。
普通図柄始動ゲート360を遊技球が通過した場合、普通図柄表示装置370における普通図柄の変動表示が開始される。このとき、普通図柄表示装置370に特定の普通図柄が停止すれば、普通電動役物が作動し、所定の開放パターンに基づき、可動翼片341b、341cが作動する。この結果、第2特別図柄始動口341への遊技球の入球が容易になる。
第1特別図柄始動口340または第2特別図柄始動口341に遊技球が入球した場合、特別図柄表示装置350における特別図柄の変動・停止表示に連動して、演出表示装置329は所定の演出を実行する(例えば、装飾図柄を変動・停止表示する)。このとき、特別図柄表示装置350に特定の特別図柄が表示された場合、補助遊技状態(本実施の形態では、「小当たり」、「中当たり」、「大当たり」のいずれか)が発生して、可変入賞装置320が備える羽根部材321a、321bの開閉動作が実行され、上大入賞口322が開放される。なお、「大当たり」の場合には、アタッカー330が備える開閉扉330bの開閉動作が実行され、アタッカー330内部空間(下大入賞口)への入り口が開放される。
羽根部材321a、321bの開閉動作によって上大入賞口322に入球した遊技球は、第1可動式役物324a、第2可動式役物324b、または回転体可動式役物324cによって、遊技球の落下方向や転動方向に変化が与えられつつ、V入賞口326またはハズレ入賞口327に振り分けられ、いずれかの入賞口へ入球していく。このとき、V入賞口326に遊技球が入球した場合、特別遊技状態が発生して、羽根部材321a、321bが所定の動作態様に基づき、開閉動作を実行する。
なお、遊技中は、演出表示装置329、装飾ランプ部150、スピーカ130などの演出手段によって遊技状態に応じた演出が実行される。
次に、図8〜図27Cを参照しつつ、本実施の形態に係る弾球遊技機の動作内容について詳細に説明する。なお、以下で説明する各処理内容においては、各処理内容を実行するために設定した条件(処理状態に応じて成立または更新される変数(いわゆる、フラグ))は、処理状態に応じて一時的に記憶され、更新されるようにしている。
図8は、本実施の形態の弾球遊技機における主制御基板400によって実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
まず、遊技機本体100に対して外部から電源が投入されると、電源制御基板450によって各制御基板に電源が投入された旨の電源投入信号が送信される。そして、主制御基板400は、図6に示すメイン処理を開始する。メイン処理において、主制御基板400は、遊技動作開始前における必要な初期設定をするため処理(以下、「初期設定処理」と称する)を実行する(ステップS10)。この初期設定処理では、主として、主制御基板400は、まず、割り込み禁止に設定し、割込モードを所定の割り込みモードに設定し、主制御基板400が備えるCPUに内蔵されているRAMを書き込み許可に設定する。次に、入出力ポート(PIO)などの周辺回路および乱数生成の初期設定を行う。
次に、主制御基板400は、入力ポートを介して入力されるRAMクリアスイッチの出力信号の状態(ONかOFFかを)を確認する(ステップS11)。RAMクリアスイッチがOFFの場合(ステップS11:NO)、主制御基板400は、遊技機本体100への電源が遮断されたときに遊技復旧手段(遊技状態記憶手段)415のバックアップ領域(バックアップRAM)のデータの処理状態が有効か否かを判定する(ステップS12)。バックアップRAMに記憶されているバックアップデータの処理状態が有効か否かの判定は、例えば、電力遮断時においてバックアップRAMに設定されるバックアップフラグの状態による。具体的には、主制御基板400は、電源が遮断された場合、電源遮断発生直前において処理した内容をバックアップRAMに保存する。このとき、チェックサムを算出して保存している。電源復旧時には、チェックサムの比較が実行される。そして、比較した結果に基づき、バックアップRAMに保存されているデータが、電源遮断時のデータとは異なっている場合には、バックアップが有効でないと判定するようにしている。バックアップが有効でないと判定した場合(ステップS12:NO)、ステップS15の処理へ進む。一方、バックアップが有効であると判定した場合(ステップS12:YES)、バックアップRAMに記憶されているバックアップデータに基づき、遊技復旧手段415によって遊技復旧処理が実行される(ステップS13)。この遊技復旧処理では、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技動作を開始するように処理を実行する。
RAMクリアスイッチがONの場合(ステップS11:YES)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定し、RAMを初期化する処理を実行する(ステップS14)。
次に、主制御基板400は、RAMの初期化に伴い、RAMをクリアした旨の情報を初期化制御コマンド(例えば、演出表示装置329に待機中画面を表示させるための制御コマンドなどの制御コマンド)として、各制御基板に送信する(ステップS15)。
次に、主制御基板400は、タイマ割り込み(本実施の形態で用いられる主制御基板400は、タイマ/カウンタ回路(CTC:Counter Timer Circuit)を含み、CTCは、外部クロック/タイマトリガ、タイマ出力ZC/TOを備えている)を4ms周期で使用するための設定をする(ステップS16)。この設定によって、初期値として4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定され、後述するタイマ割り込み処理(図9参照)が4ms周期ごとにかかるように設定される。
次に、ステップS14〜ステップS16の処理が終了した後、主制御基板400は、ステップS18〜ステップS19の乱数初期値更新処理を実行するため、タイマ割り込み処理の割り込みを禁止状態に設定する(ステップS17)。
次に、主制御基板400(普通電動役物制御手段403における普通図柄用乱数生成手段および特別図柄制御手段405における特別図柄用乱数生成手段)は、普通図柄用初期値乱数更新処理(ステップS18)および特別図柄用初期値乱数更新処理(ステップS19)を実行する。普通図柄用初期値乱数更新処理は、普通電動役物を作動させるか否かの当否抽選に用いるための乱数などの普通図柄用乱数の初期値変更に使用する乱数の更新(例えば、カウンタのカウント値を更新する処理)を実行する処理であり、特別図柄用初期値乱数更新処理は、補助遊技状態を発生させるか否か(特別電動役物の作動(本実施の形態では、可変入賞装置320が備える羽根部材321a、321b、アタッカー330が備える開閉扉330bの作動が該当する)させるか否か)の当否抽選に用いるための乱数などの特別図柄用乱数の初期値変更に使用する乱数の更新を実行する処理である。
次に、タイマ割り込み処理を許可状態に設定し(ステップS20)、ステップS16〜ステップS21の乱数初期値更新処理を繰り返し実行する。なお、ステップS18の処理で割り込みを禁止状態に設定し、ステップS21の処理で割り込みを許可状態に設定しているのは、普通図柄用初期値乱数更新処理および特別図柄用初期値乱数更新処理が後述するタイマ割り込み処理によっても実行されているので、メイン処理における普通図柄用初期値乱数更新処理および特別図柄用初期値乱数更新処理と、後述する割り込み処理における乱数更新処理とが、混在してしまうことを回避するためである。
次に、図9を参照して、主制御基板400が実行するメイン処理において、4msごとに実行されるタイマ割り込み処理について詳細に説明する。
主制御基板400が備えるCTCの時間定数レジスタには、4msに相当する値が設定されている。前述したメイン処理において、4msごとにタイマ割り込みが発生する。このとき、主制御基板400は以下に示すようなタイマ割り込み処理を実行する。タイマ割り込み処理は、本実施の形態に係る弾球遊技機の一連の遊技動作を実行するための処理であって、タイマ割り込み処理に基づき、各レジスタの退避処理、各処理内容の読み込みまたは呼び出し、各レジスタの復帰などの処理を実行するようにしている。
まず、主制御基板400は、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理(ステップS30)を実行する。
次に、主制御基板(普通電動役物制御手段403における普通図柄用乱数生成手段、特別図柄制御手段405における特別図柄用乱数生成手段)400は、普通図柄用乱数および特別図柄用乱数を定期的に更新するために定期乱数更新処理を実行する(ステップS31)。
次に、主制御基板(入力管理手段401)400は、入力管理処理を実行する(ステップS32)。入力管理処理は、各種検出スイッチ(上入賞球検出スイッチ323、V入賞口用排出検出スイッチ327a、ハズレ入賞口用排出検出スイッチ327a、ゲートスイッチ360a、アタッカースイッチ330a、入賞口スイッチ380a、その他、遊技動作に係わるスイッチ(図示はしていない)を含む)の入力情報(各種スイッチからの入出力検出回数などの入力情報)を記憶したり、その情報を更新したりする処理である。
次に、主制御基板(エラー管理手段413)400は、エラー管理処理を実行する(ステップS33)。エラー管理処理は、各種スイッチ(上入賞球検出スイッチ323、V入賞口用排出検出スイッチ327a、ハズレ入賞口用排出検出スイッチ327a、第1始動口スイッチ340a、第2始動口スイッチ341a、ゲートスイッチ360a、アタッカースイッチ330a、入賞口スイッチ380a、その他、遊技動作に係わるスイッチを含む)の検出情報に基づき、遊技動作に異常が発生したか否かを監視する処理である。本処理では、遊技動作に異常が発生した場合、例えば、異常が発生している旨を外部に報知させるためのエラーコマンドを生成して、生成したエラーコマンドを周辺の各制御基板(例えば、演出制御基板420)に送信する。
次に、主制御基板(入賞処理手段411)は、賞球管理処理を実行する(ステップS34)。賞球管理処理は賞球の払い出しに係る処理である。本処理では、各種入賞口(可変入賞装置320、アタッカー330、第1特別図柄始動口340、第2特別図柄始動口341、普通図柄始動ゲート360、および一般入賞口380)に遊技球が入球した場合、遊技球が入球した旨の検出情報を確認して、それぞれの入賞口に応じた賞球数の払い出し個数を決定する。そして、決定した賞球数の払い出しに関する賞球払出制御コマンドを生成して、生成した賞球払出制御コマンドを払出制御基板430に送信する。
次に、主制御基板(普通電動役物制御手段403)400は、普通図柄管理処理を実行する(ステップS35)。普通図柄管理処理は、普通電動役物に係る動作を制御するための処理である。
次に、主制御基板(特別図柄制御手段405)400は、特別図柄管理処理を実行する(ステップS36)。特別図柄管理処理は、特別図柄表示装置350に表示する特別図柄の変動・停止表示を制御したり、補助遊技状態発生の当否を決定したりするための処理である。
次に、主制御基板(特別電動役物制御手段407)400は、特別電動役物管理処理を実行する(ステップS37)。特別電動役物管理処理は、上大入賞口322またはアタッカー330の内部空間(下大入賞口)を開放させるために、可変入賞装置320が備える羽根部材321a、321bの動作またはアタッカー330が備える開閉扉330bの一連の動作を制御するための処理である。
次に、主制御基板(可動物制御手段409)400は、可動物管理処理を実行する(ステップS38)。可動物管理処理は、可変入賞装置320における第1可動式役物324a、第2可動式役物324b、回転体可動式役物324cの可動式役物の一連の動作を制御するための処理である。具体的には、可動物管理処理では、第1可動式役物324a、第2可動式役物324b、および回転体可動式役物324cを所定の態様で動作させるために、それぞれの可動式役物を動作させるための電気的駆動源(例えば、ソレノイドやモータ)を制御するための処理が実行される。なお、本実施の形態では、第1可動式役物324aおよび回転体可動式役物324cにおいては、通常の遊技状態、補助遊技状態、特別遊技状態にかかわらず、一定の態様で動作するように制御している。一方、第2可動式役物324bは、その動作を所定の条件の成立に基づき、開始したり終了したりするように制御している(詳細は後述する)。
次に、主制御基板(タイマ管理手段402)は、タイマ管理処理を実行する(ステップS39)。タイマ管理処理は、主として、遊技動作に係る各種の時間が設定されている場合、その設定された時間からタイマ割り込み処理ごとにタイマ値の減算を実行して、遊技動作に使用する時間を管理するための処理である。
そして、ステップS30〜ステップS39の処理を実行した後、主制御基板400は、レジスタの内容を復帰させる(ステップS40)。
図10は、図9の定期乱数更新処理(ステップS31)における処理内容を示すフローチャートである。本処理は、図8に示したステップS18およびステップS19の処理を基本的に同じ処理を含み、定期的に乱数を更新するための処理である。
本処理では、普通電動役物制御手段(普通図柄用乱数生成手段)401および特別図柄制御手段(特別図柄用乱数生成手段)405によって、普通図柄用初期値乱数更新処理(ステップS101)、普通図柄用乱数更新処理(ステップS102)、特別図柄用乱数更新処理(ステップS103)、および特別図柄用乱数更新処理(ステップS104)が実行される。各種乱数の更新は、乱数が一周するごとに乱数の初期値を変更したり、乱数を加算(例えば、カウンタのカウント値に1を加算する)したりすることによって乱数を定期的に更新するようにし、乱数が規則的に生成されることを防止している。この結果、補助遊技状態を遊技者が意図的に狙い当てることができないようになっている。
図11は、図7の入力管理処理(ステップS32)における処理内容を示すフローチャートである。入力管理手段401は、各スイッチの検出状態(入力状態)を確認し、各種スイッチの検出状態に応じてステップS201〜ステップS207の処理を実行する。以下に、ステップS201〜ステップS207の処理について詳細に説明する。
始動口入球検出処理(ステップS201)は、第1特別図柄始動口340に入球した遊技球を第1始動口スイッチ340aが検出した場合、または、第2特別図柄始動口341に入球した遊技球を第2始動口スイッチ341aが検出した場合、その検出した旨の検出情報を保留球数記憶手段401cに入球情報として記憶する処理である。
一般入賞口検出処理(ステップS202)は、一般入賞口380に入球した遊技球を入賞口スイッチ380aが検出した場合、その検出した旨の検出情報を記憶する処理である。
上大入賞口入球検出処理(ステップS203)は、上大入賞口322に入球した遊技球を上入賞球検出スイッチ323が検出した場合、その検出した旨の検出情報を記憶する処理である。なお、上大入賞口322への遊技球の入球数は、入賞球計数手段401aが計数し、計数した入球数を記憶するようにしている。
大入賞口排出球検出処理(ステップS204)は、V入賞口326に入球した遊技球をV入賞口用排出検出スイッチ327aが検出した場合、または、ハズレ入賞口327に入球した遊技球をハズレ入賞口用排出検出スイッチ327aが検出した場合、その検出した旨の検出情報を記憶する処理である。なお、本処理では、V入賞口用排出検出スイッチ327aとハズレ入賞口用排出検出スイッチ327aとが検出した情報は、別々の記憶領域に記憶される。なお、可変入賞装置320の外部に排出される遊技球の排出球数は、排出球計数手段401bが計数し、計数した排出球数を記憶するようにしている。
下大入賞口入球検出処理(ステップS205)は、アタッカー330の内部空間(下大入賞口)に入球した遊技球をアタッカースイッチ330aが検出した場合、その検出した旨の検出情報を記憶する処理である。
可動物位置検出処理(ステップS206)は、第1可動式役物324a、第2可動式役物324b、または回転体可動式役物324cの動作状態に関する情報を記憶する処理である。本処理では、例えば、それぞれ可動式役物を動作させるモータやギアなどの駆動源の動作情報(例えば、ステップカウンタによるカウント情報)や所定の位置を検出する位置検出手段からの検出情報(例えば、第1可動式役物324aや回転体可動式役物324cにおいては、その動作の開始の基準となる位置を一定の周期で検出しているか否かなどの検出情報)に基づき、第1可動式役物324a、第2可動式役物324b、または回転体可動式役物324cの動作状態に関する情報を記憶する処理である。
入力情報更新処理(ステップS207)は、ステップS201〜ステップS206の処理を実行した後、各種スイッチの入力やその回数などのスイッチの入力情報を更新するための処理である。
図12は、図9のエラー管理処理(ステップS33)における処理内容を示すフローチャートである。以下では、本実施の形態の弾球遊技機に係る特徴的なエラー管理処理について説明し、その他のエラー管理処理(例えば、下受け皿125bが満杯である旨のエラーなど)については適宜省略して説明する。
まず、エラー管理手段413は、エラー状態であるか否かを判定する(ステップS301)。エラー状態ではない場合(ステップS301:NO)、ステップS305の処理に進む。一方、エラー状態である場合(ステップS301:YES)、次に、エラー状態から復帰しているか否かを判定する(ステップS302)。本処理では、前回の割り込み処理時に実行されたエラー管理処理に基づき、エラー状態から復帰しているか否かを判定している(各種のエラーに関するフラグ、例えば、可動式役物動作監視フラグや排出完了フラグを確認する)。なお、詳細な説明は省略するが、エラー状態からの復帰は、各種のエラー状態に応じた解除方法によって復帰させることができる(例えば、所定の解除方法により人為的にエラー状態から復帰させたり、所定の時間が経過した後、自動的にエラー状態から復帰したりすることができるようになっている)。
エラー状態から復帰していない場合(ステップS302:NO)、そのままエラー状態に設定(エラーフラグをオン)し(ステップS310)、エラーコマンドを周辺の各制御基板(例えば、演出制御基板420)に送信する。一方、エラー状態から復帰している場合(ステップS302:YES)、エラー状態を解除する設定(エラーフラグをオフ)を実行して(ステップS303)、エラーが解除された旨のエラー解除コマンドを周辺の各制御基板に送信する(ステップS304)。
次に、大入賞口に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS305)。具体的には、上大入賞口322およびアタッカー330の内部空間(下大入賞口)に遊技球が入球した旨の検出情報があるか否かを確認する。より具体的には、上大入賞口入球検出処理(ステップS203)、大入賞口排出球検出処理(ステップS204)、および下大入賞口入球検出処理(ステップS205)における検出情報に基づき、大入賞口に遊技球が入球したか否かを判定する。ここで、上大入賞口322に入球する遊技球は、上入賞球検出スイッチ323によって検出されるが、不正行為(ゴト行為)の態様によっては、直接的にV入賞口326に遊技球を入球させる場合も想定される。したがって、本処理では、大入賞口排出球検出処理(ステップS204)における検出情報も確認するようにしている。
大入賞口に遊技球が入球していない場合(ステップS305:NO)、ステップS309の処理に進む。一方、大入賞口に遊技球が入球した場合(ステップS305:YES)、次に、当たり中であるか否かを判定する(ステップS306)。「当たり中」とは、後述する特別図柄確認時間中処理(ステップS609)のステップS692、ステップS694、およびステップS696(図17Aおよび図17B参照)の処理において設定される、「小当たり中フラグ」、「中当たり中フラグ」、「大当たり中フラグ」、後述する特別電動管理処理(ステップS37)のステップS705の処理(図18A参照)において設定される「V入賞条件装置フラグ」がオンに設定されている状態である。これは、特別図柄表示装置350に特定の特別図柄が停止表示され、補助遊技状態の発生の条件が成立している状態、または、V入賞口326に遊技球が入球して特別遊技状態の発生の条件が成立している状態を意味する。
当たり中ではない場合(ステップS306:NO)、エラー状態に設定され(ステップS310)、その旨のエラーコマンドが周辺の各制御基板に送信される(ステップS311)。ここで、上大入賞口322およびアタッカー330の内部空間(下大入賞口)に遊技球が入球した旨の検出情報があり、かつ、当たり中ではない場合(すなわち、補助遊技状態または特別遊技状態に当選した状態ではないにもかかわらず、大入賞口に遊技球が入球した場合)、主として、ピアノ線やセルなどの異物挿入による不正行為、いわゆる、ゴト行為による不正な入賞であると考えられる。この場合、遊技強制停止手段(図示はしていない)によって、遊技動作の一部または全部を強制的に停止するように制御すると共に、不正行為が発生している旨のエラーコマンドを周辺の各制御基板(例えば、演出制御基板420)に送信し、スピーカ130から警報音を発生させて、遊技動作に異常が発生している旨を外部に報知するようにしている。
一方、当たり中である場合(ステップS306:YES)、次に、入賞有効フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS307)。
本実施の形態では、羽根部材321a、321bの開閉動作の開始を契機として入賞有効フラグをオンにする一方、羽根部材321a、321bの開閉動作が終了した後、所定の時間(後述する特別電動役物動作中処理(ステップS715)のステップS745において設定される時間(図22参照)、以下、「入賞確認時間」と称する)を経過した場合、入賞有効フラグをオフにするようにしている(後述する特別電動役物動作開始処理(ステップS713)のステップS733、ステップS734の処理(図19参照)、特別電動役物停止後有効時間処理(ステップS711)のステップS755、ステップS754、ステップS757の処理(図23参照)を参照)。本処理では、前記入賞有効判定手段が上大入賞口322に遊技球が入球した旨の検出情報が有効な検出情報であるか無効な検出情報であるかを判定している。
なお、後述する大入賞口入賞球数確認処理(ステップS709)のステップS794の処理(図21参照)において設定される「V入賞有効フラグ」を本処理のエラー判定から除いているのは以下の理由からである。
本実施の形態では、V入賞有効フラグは、前記入賞有効フラグがオンの間、すなわち、羽根部材321a、321bの開閉動作の開始したときから前記入賞確認時間が経過するまでに、上大入賞口322に遊技球が入球した旨の検出情報があった場合に設定される(後述する大入賞口入賞球数確認処理(ステップS707)のステップS794の処理(図21参照)を参照)。すなわち、上大入賞口322に遊技球が入球した旨の検出情報が有効であった場合、V入賞有効フラグがオンに設定されるようにしている。
このV入賞有効フラグは、前記入賞有効フラグがオンの間に上大入賞口322に遊技球が入球した旨の検出情報があった場合にそのフラグをオンにする一方、上大入賞口322に入球した遊技球が所定の時間内に排出されたか否かを確認するためのタイマ(後述する大入賞口入賞球数確認処理(ステップS709)のステップS791において設定されるタイマ(図21参照)、以下、「上大入賞口排出確認タイマ」と称する)がタイムアウトした場合か、上大入賞口排出確認タイマがタイムアウトする前に上大入賞口322に入球した遊技球の排出が完了した場合か、または前記入賞確認時間内に上大入賞口322に遊技球が入球していない場合、そのフラグをオフにするようにしている(後述する特別電動役物停止後有効時間処理(ステップS711)のステップS757の処理(図23参照)、大入賞口入賞球排出確認処理(ステップS709)のステップS761、ステップS764の処理(図24参照)を参照)。このように、V入賞有効フラグは、前記入賞有効フラグがオンであるときに設定され、当たりの終了時にはオフに設定されていることになるので、本処理では、当たり中にオフに設定される入賞有効フラグのみを確認することによって、V入賞口326に入球した遊技球が正規に入球した遊技球か否かを実質的に判定することができるようにしている(上入賞球検出スイッチ323を通過しないで、V入賞口用排出検出スイッチ326aに遊技球が入球した場合、後述するステップS308で排出エラーとして処理される)。もちろん、処理方法の変更に応じてV入賞有効フラグがオンであるか否かを含めて判定しても良い。
入賞有効フラグがオンではない場合(ステップS306:NO)、前記入賞有効判定手段によって、上大入賞口322に遊技球が入球した旨の検出情報は無効な検出情報であるとして不正に入賞したものとみなされ、不正入賞である旨のエラー状態に設定され(ステップS310)、その旨のエラーコマンドが周辺の各制御基板(例えば、演出制御基板420)に送信される(ステップS311)。このとき、上大入賞口322に遊技球が入球した旨の検出情報があったとしても、前記入賞有効判定手段によってその検出情報は無効であると判定され、賞球の払い出しを実行しないようにしたり、V入賞口326に遊技球が入球した旨の検出情報があったとしても、前記入賞有効判定手段よってその検出情報は無効(V入賞有効フラグがオンではない場合の入球であるため)であると判定され、「V当たり」を発生しないようしたりしている。
一方、入賞有効フラグがオンである場合(ステップS307:YES)、次に、上大入賞口322に入球した遊技球の排出に異常が発生したか否かを判定する(ステップS308)。本処理では、前記遊技球排出完了判定手段によって上大入賞口322に入球した遊技球の総てが排出されたか否かを確認している。
具体的には、前記遊技球排出完了判定手段は、上大入賞口排出確認タイマがタイムアウトするまでに、入賞球計数手段401aによって計数された遊技球の入球数と排出球計数手段401bによって計数された遊技球の排出球数とが一致しない場合、遊技球の排出が完了せず、遊技球の排出に異常が発生したと判定するようにしている。
より具体的には、上大入賞口322に入球した遊技球を入賞球計数手段401aによって計数して、上大入賞口入賞数カウンタ(上大入賞口322に入球した遊技球の入球数を計数するカウンタ)に計数した遊技球の球数を1ずつ加算していく。一方、上大入賞口322から排出された遊技球を排出球計数手段401bによって計数して、上大入賞口排出数カウンタ(上大入賞口に入球した遊技球の排出数を計数するカウンタ)に計数した遊技球の球数を1ずつ加算していく。そして、前記上大入賞口排出確認タイマがタイムアウトしたとき、上大入賞口排出数確認カウンタ(上大入賞口322に入球した遊技球の排出球数の確認に使用するカウンタ)の値よりも上大入賞口入賞数確認カウンタ(上大入賞口322に入球した遊技球の入球数の確認に使用するカウンタ)の値が大きい場合には、遊技球の排出が完了せず、排出に異常が発生した(排出エラー)と判定するようにしている。なお、上大入賞口排出確認タイマは、上大入賞口322に入球した遊技球が可変入賞装置320の外部(または上大入賞口322の外部)に排出されると想定される十分な時間が設定されている。
上大入賞口322に入球した遊技球の排出に異常が発生した場合(ステップS308:YES)、上大入賞口322の排出に異常が発生した旨のエラー状態に設定され(ステップS310)、その旨のエラーコマンドが周辺の各制御基板(例えば、演出制御基板420)に送信される(ステップS311)。一方、上大入賞口322に入球した遊技球の排出に異常がない場合(ステップS308:NO)、排出完了状態(排出完了フラグがオン)に設定される。
次に、可動式役物の動作に異常が発生したか否かを判定する(ステップS309)。本処理では、前記可動物動作監視手段によって可動式役物324(可動式役物324a、可動式役物324b、または回転体可動式役物324c)動作を監視して、その動作が所定の動作態様に基づき、正常に動作しているか否かを判定している。
可動式役物の動作に異常が発生している場合(ステップS309:YES)、可動式役物の動作に異常が発生している旨のエラー状態に設定され(ステップS310)、その旨のエラーコマンドが周辺の各制御基板(例えば、演出制御基板420)に送信される(ステップS311)。このとき、可動式役物の動作に異常が発生している旨の動作異常状態(可動式役物動作監視フラグがオン)に設定される。
一方、可動物式役物324の動作に異常が発生していない(正常に一連の動作が終了したまたは正常に動作している)場合(ステップS309:NO)、可動式役物の動作に異常が発生していない旨の正常状態(可動式役物動作監視フラグをオフ)に設定され、処理を終了する。
図13は、図9の特別図柄管理処理(ステップS36)における処理内容を示すフローチャートである。まず、本発明の理解を容易なものとするために、特別図柄管理処理における主要な処理である始動口確認処理(ステップS601)、特別図柄変動開始処理(ステップS606)、特別図柄変動中処理(ステップS608)、および特別図柄確認時間中処理(ステップS609)、特別図柄表示データ更新処理(ステップS607)について簡単に説明しておく。
始動口確認処理(ステップS601)は、第1特別図柄始動口340または第2特別図柄始動口341に遊技球が入球した旨の検出情報があるか否かを確認したり、入球した遊技球に対応する各種乱数値を取得したりする処理である。特別図柄管理処理(ステップS36)では、始動口確認処理(ステップS601)を実行した後、第1特別図柄始動口340または第2特別図柄始動口341に遊技球が入球した旨の検出情報がある場合、特別図柄がどのような動作状態(後述する「変動開始処理待ち」や「変動処理中」などの動作状態)であるか否かを確認して、特別図柄の動作状態に応じて特別図柄変動開始処理(ステップS606)、特別図柄変動中処理(ステップS608)、または特別図柄時間確認中処理(ステップS609)を実行する。
特別図柄変動開始処理(ステップS606)は、補助遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を実行したり、特別図柄表示装置350に表示させる特別図柄の変動パターンおよび停止させる特別図柄を決定したりする処理である。具体的には、始動口確認処理(ステップS601)において取得した当たり判定用乱数値に基づき補助遊技状態を発生させるか否かを決定したり、特別電動役物作動図柄用乱数値、特別図柄変動パターン用乱数値の各種乱数値に基づき特別図柄の変動パターンの設定、当該変動パターンに応じた変動時間(特別図柄変動タイマ)の設定、および停止表示(確定表示)させる特別図柄の設定など、特別図柄表示装置350に特別図柄を変動・停止表示させるために必要な設定を実行したりする。
特別図柄変動中処理(ステップS608)は、特別図柄の変動が終了したか否かを確認したり、特別図柄の変動が終了した場合、特別図柄の停止時における設定を実行したりする処理である。
特別図柄確認時間中処理(ステップS609)は、1回の特別図柄の一連の動作を終了させるための処理である。具体的には、特別図柄表示装置350に特別図柄を所定時間停止表示して、後述する特別電動役物に係る処理である特別電動役物管理処理(ステップS37)が実行状態(または実行することが可能な状態)である旨を確認するための特別電動役物処理実行中フラグをオンにしたり、補助遊技状態に当選している場合にはその当選した旨の設定(それぞれの当たりに応じた当選フラグをオン)を実行したりして、特別図柄が「小当たり」、「中当たり」、「大当たり」、または「ハズレ」かのいずれかに当選したかを確定する。
特別図柄表示データ更新処理(ステップS607)は、特別図柄表示装置350に特別図柄を表示させるために必要なデータを生成したり、そのデータを更新したりする処理である。具体的には、特別図柄表示装置350に変動表示または停止表示する特別図柄の内容を決定するために(例えば、特別図柄表示装置350が7セグメントの場合、この7セグメントに表示させるためのデータの情報を決定するために)、特別図柄の表示データの作成や作成した特別図柄の表示データを特別図柄表示装置350に送信したり、前記表示データを更新したりする。
以下に、図13を参照しつつ、特別図柄管理処理(ステップS36)における処理内容について詳細に説明する。以下の処理では、新たな特別図柄の変動を開始することができるか否か(特別図柄の変動開始条件が成立したか否か)を判定しつつ、特別図柄に係る処理を実行している。
まず、特別図柄制御手段405は、始動口確認処理(ステップS601)を実行する。始動口確認処理(S601)を実行した後、特別図柄制御手段405は、エラー状態であるか否かを判定する(ステップS602)。ここでいうエラー状態とは、総ての遊技動作に関するエラー状態である必要はなく、特別図柄が変動しても遊技の進行状態に支障がないエラー状態、例えば、通常、遊技者が自力で直ちに解除することができるようなエラー状態(例えば、上受け皿125aや下受け皿125bが余剰球によって満杯になっている旨のエラー状態)を除く意味である。
エラー状態である場合(ステップS602:YES)、特別図柄の変動を開始するための変動開始条件が成立していないとして、そのまま処理を終了する。一方、エラー状態ではない場合(ステップS602:NO)、次に、当たり中であるか否かを判定する(ステップS603)。当たり中については、既にエラー管理処理(ステップS33)のステップS306の処理で説明したので省略する。
当たり中である場合(ステップS603:YES)、特別図柄の変動を開始するための変動開始条件が成立していないとして、そのまま処理を終了する。一方、当たり中ではない場合(ステップS603:NO)、次に、特別図柄動作状態が「変動処理中」であるか否かを判定する(ステップS604)。特別図柄動作状態が「変動処理中」であるとは、後述する特別図柄変動開始処理(ステップS606)のステップS669の処理(図15参照)において、特別図柄動作状態が「変動処理中」に設定される動作状態であり、特別図柄変動中処理(ステップS608)を実行可能とするために設定される状態である。また、当たり中ではない場合とは、「小当たり中フラグ」、「中当たり中フラグ」、「大当たり中フラグ」、「V入賞条件装置フラグ」がオフに設定されている状態である。これは、後述する特別電動役物停止後有効時間処理(ステップS711)のステップS757の処理(図23参照)、または大入賞口入賞球排出確認処理(ステップS714)のステップS766、ステップS767の処理(図24参照)において設定される状態である。本実施の形態では、この当たり中ではない場合が特別図柄の変動開始条件を成立させる条件の一つとなっている。これは、補助遊技状態が終了していないのにもかかわらず、新たな特別図柄の変動が開始してしまうと、補助遊技状態と特別遊技状態とが同時に発生してしまう可能性があるため、これを防止するためである。
特別図柄動作状態が「変動処理中」である場合(ステップS604:YES)、特別図柄変動中処理を実行し(ステップS608)、特別図柄変動中処理を実行した後、ステップS607の処理に進む。一方、特別図柄動作状態が「変動処理中」ではない場合(ステップS604:NO)、次に、特別図柄動作状態が「確認時間処理中」であるか否かを判定する(ステップS605)。特別図柄動作状態が「確認時間処理中」であるとは、後述する特別図柄変動中処理(ステップS608)のステップS682の処理(図16参照)において、特別図柄動作状態が「確認時間処理中」に設定されている動作状態であり、特別図柄確認時間中処理(ステップS609)を実行可能とするために設定される状態である。
特別図柄動作状態が「確認時間処理中」である場合(ステップS605:YES)、特別図柄確認時間中処理を実行し(ステップS609)、特別図柄確認時間中処理を実行した後、ステップS607の処理に進む。一方、特別図柄動作状態が「確認時間処理中」ではない場合(ステップS605:NO)、新たな特別図柄の変動開始条件が成立したとして、特別図柄変動開始処理を実行する(ステップS606)。なお、本処理が実行される特別図柄動作状態は、「変動処理中」および「確認時間中処理中」ではない場合である。これは、後述する特別図柄確認時間中処理(ステップS609)において、「変動開始処理待ち」に設定されている動作状態であり、特別図柄変動開始処理(ステップS606)を実行可能とするために設定される状態である。そして、特別図柄表示データ更新処理を実行して(ステップS607)、処理を終了する。
図14は、図13の始動口確認処理(ステップS601)における処理内容を示すフローチャートである。
まず、特別図柄制御手段405は、始動口に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS610)。具体的には、第1特別図柄始動口340または第2特別図柄始動口341に遊技球が入球した旨の検出情報があるか否かを確認する。始動口に遊技球が入球していない場合(ステップ610:NO)、そのまま処理を終了する。一方、始動口に遊技球が入球した場合(ステップS610:YES)、次に、保留球数記憶手段401cによって記憶されている保留球の記憶数(保留球数)が最大記憶数である4つ(本実施の形態では、最大記憶数を「4つ」としているが、これに限定はされず、任意の記憶数であっても良い)であるか否かを判定する(ステップS611)。
保留球数が最大記憶数の4つである場合(ステップS611:YES)、特別図柄用乱数値を取得せずに、処理を終了する。一方、保留球数が最大記憶数の4つではない場合(ステップS611:NO)、保留球数に1を加算(保留球数+1)する(ステップS612)。
次に、保留球ごとに各種特別図柄用乱数値(当たり判定用乱数値、特別電動役物作動図柄用乱数値、特別図柄変動パターン用乱数値)を取得し、取得した乱数値を記憶して(ステップS613)、処理を終了する。
図15は、図13の特別図柄変動開始処理(ステップS606)における処理内容を示すフローチャートである。
まず、特別図柄制御手段(乱数値取得手段)405は、保留球数が0であるか否かを判定する(ステップS660)。保留球数が0である場合(ステップS660:YES)、そのまま処理を終了する。一方、保留球数が0ではない場合(ステップS660:NO)、特別図柄を作動させる順番が1番目に対応する保留球の各種乱数値を読み出して記憶する(ステップS661)。本実施の形態では、遊技球が第1特別図柄始動口340または第2特別図柄始動口341へ入球した順にしたがって各種乱数値を読み出すようにしている。
次に、保留球数から1を減算(保留球数−1)する(ステップS662)。
次に、保留球に対する乱数値の記憶領域を移動(例えば、特別図柄を作動させる順番が2番目の保留球は、1番目の記憶領域に移動)して記憶する(ステップS663)。
次に、特別図柄制御手段(補助遊技当否判定手段)405は、ステップS661の処理において記憶された乱数値のうち、当たり判定用乱数値を読み出して補助遊技状態を発生させるか否かを判定し、判定した結果を記憶する(ステップS664)。具体的には、当たり判定用乱数値と当否判定テーブルとを比較して、「小当たり」、「中当たり」、「大当たり」、および「ハズレ」のうちのいずれかに当選したか否かを判定して、その判定した結果を記憶する。このとき、「小当たり」、「中当たり」、または「大当たり」に当選していた場合、それぞれの当たり状態に応じた当選フラグが設定される(「小当たり」に当選の場合には小当たり判定フラグがオン、「中当たり」に当選の場合には中当たり判定フラグがオン、「大当たり」に当選の場合には大当たり判定フラグがオンに設定される)。
次に、特別図柄表示制御手段405bは、ステップS664の処理における当否判定の結果に基づき、特別図柄表示装置350に停止表示させる特別図柄を作成する(ステップS665)。特別図柄表示装置350に停止表示させる特別図柄は、前記当否判定の結果とステップS661の処理において記憶された乱数値のうち、特別電動役物作動図柄用乱数値を読み出して、特別電動役物作動図柄用乱数値に応じた停止図柄が記憶されている停止図柄用テーブルとに基づき作成する(ステップS665)。
次に、ステップS664の処理における当否判定の結果に基づき、特別図柄表示装置350に変動表示させる特別図柄の変動パターンを作成する。特別図柄の変動パターンは、前記当否判定の結果とS661の処理において記憶された乱数値のうち、特別図柄変動パターン用乱数値を読み出して、特別図柄変動パターン用乱数値に応じた変動パターンが記憶されている図柄変動パターン用テーブルとに基づき作成する(ステップS666)。
次に、ステップS666の処理で作成した変動パターンに基づき、特別図柄の変動時間を設定する(ステップS667)。特別図柄の変動時間(以下、「特別図柄変動タイマ」と称する)は、変動パターンと変動パターンに応じて変動時間が記憶されている図柄変動時間用テーブルに基づき作成する。
次に、ステップS665〜ステップS667において作成された特別図柄の図柄情報を含む図柄指定コマンド(主として、演出表示装置329に表示される装飾図柄の動作態様を制御したり、装飾ランプを制御したりするための制御コマンド)を演出制御基板420に送信する(ステップS668)。
次に、特別図柄の変動を開始するために必要な設定を実行する(ステップS669)。具体的には、特別図柄表示装置350における図柄が変動中である旨を示す特別図柄変動中フラグをオンにし、作成した特別図柄を設定し、特別図柄動作状態を「変動処理中」に設定する。そして、特別図柄の変動を開始するために必要な設定を実行した後、処理を終了する。
図16は、図13の特別図柄変動中処理(ステップS608)における処理内容を示すフローチャートである。
まず、特別図柄制御手段405は、特別図柄変動タイマが0(タイムアウト)であるか否かを判定する(ステップS680)。特別図柄変動タイマが0ではない場合(ステップS680:NO)、特別図柄が変動中であるので、そのまま処理を終了する。一方、特別図柄変動タイマが0である場合(ステップS680:YES)、図柄停止コマンドを演出制御基板420に送信する(ステップS681)。図柄停止コマンドは、例えば、演出表示装置329における装飾図柄の変動を停止させるための制御コマンドである。
次に、特別図柄を停止表示して、特別図柄を確定させるための設定を実行する(ステップS682)。具体的には、特別図柄変動中フラグをオフ、特別図柄動作状態を「確認時間中」に設定し、特別図柄確認時間(以下、「特別図柄確認タイマ」と称する)を設定(例えば、0.496秒に設定)する。特別図柄確認タイマとは、特別図柄表示装置350に特別図柄を停止表示させて、停止させた特別図柄の表示を維持する(特別図柄を確定表示する)ための時間である。そして、特別図柄を確定させるための設定を実行した後、処理を終了する。
図17Aおよび図17Bは、図13の特別図柄確認時間中処理(ステップS609)における処理内容を示すフローチャートである。
まず、特別図柄制御手段405は、特別図柄確認タイマが0(タイムアウト)であるか否かを判定する(ステップS690)。特別図柄確認タイマが0ではない場合(ステップS690:NO)、そのまま処理を終了する。一方、特別図柄確認タイマが0である場合(ステップS690:YES)、次に、「小当たり」であるか否かを判定する(ステップS691)。具体的には、特別図柄変動開始処理(ステップS606)のステップS664の処理(図15参照)において設定される小当たり判定用フラグがオンであるか否かを確認する。
「小当たり」である場合(ステップS691:YES)、特別図柄の小当たり時における設定を実行する(ステップS692)。具体的には、特別図柄動作状態を「変動開始処理待ち(小当たり判定フラグをオフ)」に設定し、新たな特別図柄の変動を開始させるための動作状態を確保すると共に、特別図柄が小当たり中である旨の設定(小当たり中フラグをオン)、特別電動役物管理処理(ステップS37)を実行させるために必要な設定、具体的には、特別電動役物に係る処理である特別電動役物管理処理(ステップS37)が実行状態である旨を確認するために使用される特別電動役物処理実行中フラグをオンにし、小当たり開始までのインターバル時間(以下、「動作開始待ちタイマ」と称する)を設定する。動作待ち時間とは、特別図柄確認タイマ(例えば、0.496秒)のタイムアウト後に特別電動役物の動作が開始するまでの時間(例えば、0.004秒)である。したがって、特別図柄の変動が停止してから特別図柄確認タイマがタイムアウトし、さらに、動作開始待ちタイマがタイムアウトした後(すなわち、0.5秒後)に羽根部材321a、321bの開閉動作が実行される。一方、「小当たり」ではない場合(ステップS691:NO)、次に、「中当たり」であるか否かを判定する(ステップS693)。具体的には、特別図柄変動開始処理(ステップS606)のステップS664の処理(図15参照)において設定される中当たり判定用フラグがオンであるか否かを確認する。
「中当たり」である場合(ステップS693:YES)、特別図柄の中当たり時における設定を実行する(ステップS694)。具体的には、特別図柄動作状態を「変動開始処理待ち(中当たり判定フラグをオフ)」に設定し、新たな特別図柄の変動を開始させるための動作状態を確保すると共に、特別図柄が中当たり中である旨の設定(中当たり中フラグをオン)をし、特別電動役物処理実行中フラグをオンにし、中当たり開始までの動作開始待ちタイマ(例えば、0.004秒)の設定をする。一方、「中当たり」ではない場合(ステップS693:NO)、次に、「大当たり」であるか否かを判定する(ステップS695)。具体的には、特別図柄変動開始処理(ステップS606)のステップS664(図15参照)の処理において設定される大当たり判定用フラグがオンであるか否かを確認する。
「大当たり」である場合(ステップS695:YES)、特別図柄の大当たり時における設定を実行する(ステップS696)。具体的には、特別図柄動作状態を「変動開始処理待ち(大当たり判定フラグをオフ)」に設定し、新たな特別図柄の変動を開始させるための動作状態を確保すると共に、特別図柄が大当たり中である旨の設定(大当たり中フラグをオン)をし、特別電動役物処理実行中フラグをオンにし、大当たり開始までの動作開始待ちタイマ(例えば、17秒)の設定をする。一方、「大当たり」ではない場合(ステップS695:NO)、すなわち、「小当たり」、「中当たり」、「大当たり」のいずれの補助遊技状態にも当選していない場合、特別図柄のハズレ時における設定を実行する(ステップS697)。本処理では、特別図柄動作状態を「変動開始処理待ち」に設定して、新たな特別図柄の変動を開始させるための動作状態を確保する。
図18Aおよび図18Bは、図9の特別電動役物管理処理(ステップS37)における処理内容を示すフローチャートである。まず、本発明の理解を容易なものとするために、特別電動役物管理処理における主要な処理である特別電動役物動作開始処理(ステップS713)、特別電動役物動作中処理(ステップS715)、特別電動役物停止後有効時間処理(ステップS711)、大入賞口入賞球排出確認処理(ステップS714)、大入賞口排出球数確認処理(ステップS707)、大入賞口入賞球数確認処理(ステップS709)、および特別電動役物動作態様設定処理(ステップS712)について簡単に説明しておく。なお、以下の説明では、本発明に直接的にかかわる羽根部材321a、321bの開閉動作に関する処理について説明し、「大当たり」時における開閉扉330bの開閉動作に関する処理についての説明は省略する。
特別電動役物動作開始処理(ステップS713)は、上大入賞口322を開放させるために、羽根部材321a、321b(以下、「特別電動役物」と称する)の動作を開始するために必要な設定を実行するための処理である。具体的には、上大入賞口入賞数カウンタを初期化したり、入賞有効フラグをオンにしたり、特別電動役物の動作時間(羽根部材321a、321bが開閉動作を実行している時間、以下、「特別電動役物動作タイマ」と称する)の設定を実行したりする。
特別電動役物動作中処理(ステップS715)は、特別電動役物の動作の停止時に必要な設定を実行する処理である。具体的には、上大入賞口322に入球した遊技球の入球数を確認したり、特別電動役物の動作の停止時に必要な設定を実行したりする処理である。
特別電動役物停止後有効時間処理(ステップS711)は、特別電動役物の動作の停止後、入賞確認時間の経過した後の設定を実行する処理である。具体的には、「V当たり」における一のラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでに必要な設定を実行したり、入賞有効フラグをオフにしたり、「小当たり」または「中当たり」時に上大入賞口322に遊技球の入球がない場合、「小当たり」または「中当たり」における特別電動役物の動作を終了させるための設定を実行したりする。なお、「入賞確認時間」とは、羽根部材321a、321bの開閉動作によって上大入賞口322に入球した遊技球が上入賞球検出スイッチ323に検出されるまでの時間を考慮して設定される時間と意味し、例えば、羽根部材321b側から入球した遊技球がステージ328aを流下して上入賞球検出スイッチ323に検出されるまでの十分な時間を考慮して設定されている。
大入賞口入賞球排出確認処理(ステップS714)は、主として、上大入賞口排出確認タイマのタイムアウト後の設定を実行する処理である。具体的には、V入賞有効フラグをオフにしたり、上大入賞口入賞数確認カウンタと上大入賞口排出数確認カウンタとを比較して、上大入賞口322に入球した遊技球の排出の完了が確認された場合、「V当たり」、「中当たり」、「小当たり」状態を終了させるための設定を実行したりする。
大入賞口排出球数確認処理(ステップS707)は、上大入賞口322に入球した遊技球の排出球数の確認をするための処理である。
大入賞口入賞球数確認処理(ステップS709)は、上大入賞口322に遊技球が入球した場合、上大入賞口排出確認タイマの設定や上大入賞口322に入球した遊技球の入球数の確認に使用する上大入賞口入賞数確認カウンタの更新をするための処理である。
特別電動役物動作態様設定処理(ステップS712)は、特別電動役物の動作パターンを設定する処理である。具体的には、羽根部材321a、321bの開閉動作の開始から終了までの一連の動作態様を制御するために必要な設定を実行する。
以下に、図18Aおよび図18Bを参照しつつ、特別電動役物管理処理(ステップS37)における処理内容について詳細に説明する。本処理では、主として、特別電動役物の動作状態(以下、「特別電動役物動作状態」と称する)がどのような動作状態であるかを確認し、特別電動役物動作状態(処理状態)に応じて上述した各処理を実行する。
まず、特別電動役物制御手段407は、特別電動役物処理が実行中であるか否かを判定する(ステップS701)。具体的には、特別図柄確認時間中処理(ステップS609)のステップS692、ステップS694、ステップS696処理(図17Aおよび図17B参照)において設定される特別電動役物処理実行中フラグがオンであるか否かを確認する。
特別電動役物処理が実行中ではない場合(ステップS701:NO)、特別電動役物管理処理を実行することが可能な状態ではないので、そのまま処理を終了する。一方、特別電動役物処理は実行中である場合(ステップS701:YES)、次に、V入賞条件装置が動作中か否かを判定する(ステップS702)。具体的には、後述するステップS705の処理において設定される「V入賞条件装置フラグ」がオンか否かを確認する。V入賞条件装置が動作中である場合(ステップS702:YES)、ステップS706の処理に進む。一方、V入賞条件装置が動作中ではない場合(ステップS702:NO)、次に、V入賞有効フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS703)。具体的には、後述する大入賞口入賞球数確認処理(ステップS709)のステップS794の処理において設定されるV入賞有効フラグがオンであるか否かを確認する。
V入賞有効フラグがオンではない場合(ステップS703:NO)、ステップS706の処理に進む。本実施の形態では、エラー管理処理(ステップS33)のステップS307、ステップS310(図12参照)において既に説明したように、V入賞有効フラグがオンでない場合にV入賞口326に遊技球が入球したとしても、前記入賞有効判定手段によってV入賞口326に遊技球が入球した旨の検出情報は無効であると判定されるので、「V当たり」が発生しないようになっている。一方、V入賞有効フラグがオンである場合(ステップS703:YES)、次に、V入賞口326に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS704)。なお、本実施の形態では、V入賞有効フラグがオンであるか否かを判定した後、V入賞口326に遊技球が入球したか否かを判定しているが、これとは逆に、V入賞口326に遊技球が入球したか否かを判定した後、V入賞有効フラグがオンであるか否かを判定しても良い。
V入賞口326に遊技球が入球していない場合(ステップS704:NO)、ステップS706の処理に進む。一方、V入賞口326に遊技球が入球した場合(ステップS704:YES)、V入賞条件装置を動作中に設定(V入賞条件装置フラグをオン)する(ステップS705)。このとき、「V当たり」における動作開始待ちタイマを設定する。「V当たり」における動作開始待ちタイマは、「小当たり」、「中当たり」における動作開始待ちタイマよりも長く設定され、この時間中に「V当たり」における演出(特定領域通過演出)が実行されるようにしている。
次に、特別電動役物動作状態が「動作待ち中」であるか否かを判定する(ステップS706)。特別電動役物動作状態が「動作待ち中」であるとは、後述する特別電動役物停止後有効時間処理(ステップS711)のステップS757の処理(図23参照)、または大入賞口入賞球排出確認処理(ステップS714)のステップS767、ステップS768の処理(図24参照)において設定される動作状態であり、特別電動役物動作開始処理(ステップS713)を実行可能とするために設定される状態である。特別電動役物動作状態が「動作待ち中」である場合(ステップS706:YES)、特別電動役物動作開始処理を実行し(ステップS713)、特別電動役物動作開始処理を実行した後、ステップS712の処理に進む。一方、特別電動役物動作状態が「動作待ち中」ではない場合(ステップS706:NO)、大入賞口排出球数確認処理(ステップS707)を実行する。
大入賞口排出球数確認処理を実行した後、次に、特別電動役物動作状態が「排出待ち中」であるか否かを判定する(ステップS708)。特別電動役物動作状態が「排出待ち中」であるとは、後述する特別電動役物停止後有効時間処理(ステップS711)のステップS755またはステップS754処理(図23参照)において設定される動作状態であり、大入賞口入賞球排出確認処理(ステップS714)を実行可能とするために設定される状態である。特別電動役物動作状態が「排出待ち中」である場合(ステップS708:YES)、大入賞口入賞球排出確認処理を実行し(ステップS714)、大入賞口入賞球排出確認処理を実行した後、ステップS712の処理に進む。一方、特別電動役物動作状態が「排出待ち中」ではない場合(ステップS708:NO)、大入賞口入賞球数確認処理(ステップS709)を実行する。
大入賞口入賞球数確認処理を実行した後、次に、特別電動役物動作状態が「動作中」であるか否かを判定する(ステップS710)。特別電動役物動作状態が「動作中」であるとは、特別電動役物動作開始処理(ステップS713)のステップS733またはステップS734の処理(図19参照)において設定される状態であり、特別電動役物動作中処理(ステップS715)を実行可能とするために設定される状態である。
特別電動役物動作状態が「動作中」である場合(ステップS710:YES)、特別電動役物動作中処理を実行し(ステップS715)、特別電動役物動作中処理を実行した後、ステップS712の処理に進む。一方、特別電動役物動作状態が「動作中」ではない場合(ステップS710:NO)、次に、特別電動役物停止後有効時間処理を実行する(ステップS711)。なお、特別電動役物動作状態が「動作待ち中」、「動作中」、または「排出待ち中」のうちのいずれの動作状態ではない場合には特別電動役物動作状態は「動作停止後の入賞球有効時間中」に設定されている。したがって、特別電動役物停止後有効時間処理(ステップS711)が実行される。なお、特別電動役物動作状態が「動作停止後の入賞球有効時間中」であるとは、特別電動役物動作中処理(ステップS715)のステップS745の処理(図22参照)において設定される状態であり、特別電動役物停止後有効時間処理(ステップS711)を実行可能とするために設定される状態である。
図19は、図18Aの特別電動役物動作開始処理(ステップS713)における処理内容を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物制御手段407は、動作開始待ちタイマが0であるか否かを判定する(ステップS730)。動作開始待ちタイマが0ではない場合(ステップS730:NO)、そのまま処理を終了する。一方、動作開始待ちタイマが0である場合(ステップS730:YES)、演出制御基板420に特別電動役物動作開始コマンドを送信する(ステップS731)。特別電動役物動作開始コマンドは、特別電動役物の動作の開始時における演出を実行させるための制御コマンドである。
次に、「V当たり」であるか否かを判定する(ステップS732)。具体的には、特別電動役物管理処理(ステップS37)のステップS705(図18A参照)の処理において設定されるV入賞条件装置フラグがオンか否かを確認する。「V当たり」である場合(ステップS732:YES)、「V当たり」における特別電動役物の動作を開始させるために必要な設定を実行する(ステップS733)。具体的には、特別電動役物動作状態を「動作中」に設定し、特別電動役物が動作中であるか否かを確認するために使用する特別電動役物動作フラグをオン(動作中)にし、可動式役物の動作が実行状態である旨を確認するために使用される可動式役物動作フラグをオンにし、入賞有効フラグをオンにし、特別電動役物動作タイマを設定、上大入賞口入賞数カウンタを初期化する。なお、本実施の形態では、「V当たり」における羽根部材321a、321bの開閉動作は、「開状態維持時間0.9秒(閉状態維持時間0.5秒)×開閉動作回数18回(閉状態回数17回)」を1ラウンド(なお、上大入賞口322に所定の個数の遊技球が入球した場合(上入賞球検出スイッチ323が所定の個数の遊技球を検出した場合)、18回未満であっても閉状態に変換して1ラウンドを終了させる)として、最大継続ラウンドとして15ラウンドを設定しているとして説明したが、本処理では、最大継続ラウンドが1ラウンドに設定されたものとして説明する。したがって、特別電動役物動作タイマは、1ラウンド分の24.7秒が設定される。なお、ラウンド数が2〜15ラウンドのいずれかに設定された場合、1ラウンド分の処理の終了後に、当該連続回数カウンタの値から1を減算(連続回数カウンタ−1)して連続回数カウンタの値が0になれば、そのラウンドがV当たりにおける最終ラウンドとなる。
一方、「V当たり」ではない場合(ステップS732:NO)、「小当たり」または「中当たり」における特別電動役物の動作を開始させるために必要な設定を実行する(ステップS734)。具体的には、特別電動役物動作状態を「動作中」に設定し、特別電動役物動作フラグをオンにし、可動式役物動作フラグをオンにし、入賞有効フラグをオンにし、上大入賞口入賞数カウンタを初期化する。
次に、「小当たり」または「中当たり」に応じた特別電動役物動作タイマを設定する(ステップS735)。本実施の形態では、「中当たり」における特別電動役物動作タイマは、「小当たり」における特別電動役物動作タイマよりも長い時間に設定される。本実施の形態では、既に説明したように、羽根部材321a、321bの開閉動作は、「小当たり」の場合には「開状態維持時間0.4秒×開閉動作回数1回」、「中当たり」の場合には「開状態維持時間0.4秒(閉状態維持時間0.8秒)×開閉動作回数2回(閉状態回数1回)」と設定している。したがって、「小当たり」の場合には特別電動役物動作タイマを0.4秒に設定し、「中当たり」の場合には特別電動役物動作タイマを1.6秒に設定している。そして、「小当たり」または「中当たり」に応じた特別電動役物動作タイマを設定した後、処理を終了する。
図20は、図18Aの大入賞口排出球数確認処理(ステップS707)における処理内容を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物制御手段407は、上大入賞口322からの排出球があるか否かを判定する(ステップS780)。具体的には、上大入賞口322から遊技球が排出した旨の検出情報があるか否かを確認する。上大入賞口322からの排出球がない場合(ステップS780:NO)、そのまま処理を終了する。一方、上大入賞口322からの排出球がある場合(ステップS780:YES)、上大入賞口排出確認カウンタに1を加算(上大入賞口排出確認カウンタ+1)して(ステップS781)、処理を終了する。
図21は、図18Bの大入賞口入賞球数確認処理(ステップS709)における処理内容を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物制御手段407は、上大入賞口322に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS790)。具体的には、上大入賞口322に遊技球が入球した旨の検出情報があるか否かを確認する。上大入賞口322に遊技球が入球していない場合(ステップS790:NO)、そのまま処理を終了する。一方、上大入賞口322に遊技球が入球した場合(ステップS790:YES)、上大入賞口排出確認タイマを設定する(ステップS791)。具体的には、上大入賞口排出確認タイマは、上大入賞口322に入球した遊技球が上入賞球検出スイッチ323によって検出された後、設定される。上大入賞口排出確認タイマの設定は、上大入賞口322に入球した遊技球が可変入賞装置320の外部(または上大入賞口322の外部)に排出されると想定される十分な時間(例えば、15秒)が設定される。
次に、上大入賞口入賞数確認カウンタに1を加算(上大入賞口入賞数確認カウンタ+1)する(ステップS792)。
次に、上大入賞口322に入球があった旨の入賞コマンドを演出制御基板420に送信する(ステップS793)。演出制御基板420は前記入賞コマンドに基づき、入賞時における演出を実行する。入賞コマンドは、上大入賞口322に入球した遊技球を検出するごとに演出制御基板420に送信される。
次に、V入賞有効フラグをオンに設定し(ステップS794)、処理を終了する。
図22は、図18Bの特別電動役物動作中処理(ステップS715)における処理内容を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物制御手段407は、上大入賞口322に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS740)。上大入賞口322に遊技球が入球していない場合(ステップS740:NO)、ステップS742の処理に進む。一方、上大入賞口322に遊技球が入球した場合(ステップS740:YES)、上大入賞口入賞数カウンタに1を加算(上大入賞口入賞数カウンタ+1)する(ステップS741)。
次に、上大入賞口322に入球した遊技球の入球数が最大入賞数であるか否かを判定する(ステップS742)。ここで、本実施の形態では、既に説明したように、「V当たり」中の羽根部材321a、321bの開閉動作は、一のラウンドにおける羽根部材321a、321bの開閉動作が18回に達していない場合であっても、上大入賞口322に所定の個数、すなわち、最大入賞数に遊技球の入球数が達した場合には一のラウンドを終了させるようにしている。
上大入賞口322に入球した遊技球の入球数が最大入賞数に達した場合(ステップS742:YES)、ステップS744の処理に進む。一方、上大入賞口322に入球した遊技球の入球数が最大入賞数に達していない場合(ステップS742:NO)、次に、特別電動役物動作タイマが0(タイムアウト)であるか否かを判定する(ステップS743)。
特別電動役物動作タイマが0ではない場合(ステップS743:NO)、特別電動役物の動作が停止してはいないので、そのまま処理を終了する。一方、特別電動役物動作タイマが0である場合(ステップS743:YES)、特別電動役物の動作が停止した旨の動作停止コマンドを演出制御基板420に送信する。演出制御基板420は前記動作停止コマンドに基づき、特別電動役物の停止時における演出を実行する。
次に、特別電動役物の動作を停止させるために必要な設定を実行する(ステップS745)。具体的には、特別電動役物動作状態を「動作停止後の入賞球有効時間中」に設定し、特別電動役物動作フラグをオフ、入賞確認時間の設定(例えば、1.7秒に設定)をし、特別電動役物の開閉動作を制御するための大入賞口開放用フラグをオフ(閉状態)にする。特別電動役物の動作を停止させるために必要な設定を実行した後、処理を終了する。
図23は、図18Bの特別電動役物停止後有効時間処理(ステップS711)における処理内容を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物制御手段407は、入賞確認時間が0(タイムアウト)であるか否かを判定する(ステップS750)。入賞確認時間が0ではない場合(ステップS750:NO)、そのまま処理を終了する。一方、入賞確認時間が0である場合(ステップS750:NO)、可動式役物動作フラグをオフに設定する(ステップS751)。本処理では、入賞確認時間を経過した場合、可動式役物動作フラグをオフに設定している。
前記入賞確認時間は、既に説明したように、「小当たり」、「中当たり」、または「V当たり」における特別電動役物動作タイマがタイムアウトした場合に設定される(特別電動役物動作中処理(ステップS715)のステップS745の処理(図21を参照)。したがって、「小当たり」、「中当たり」、「V当たり」において、可動式役物動作フラグがオフに設定されるタイミングが異なるようにしている。したがって、可動式役物324bの動作を終了させるタイミングがそれぞれ異なるので、動作パターン用テーブルが1種類の場合であっても、複数種類の動作パターンを実現することができようにしている(詳細は後述する)。
次に、「V当たり」中であるか否かを判定する(ステップS752)。具体的には、V入賞条件装置フラグがオンか否かを確認する。
「V当たり」中である場合(ステップS752:YES)、「V当たり」中における遊技球が排出されるまでの処理に必要な設定(V当たり終了インターバル設定)を実行する(ステップS755)。本処理では、主として、V当たりの一のラウンドの終了後、次のラウンドに移行する際に必要な設定を実行する。具体的には、特別電動役物動作状態を「排出待ち中」に設定し、入賞有効フラグをオフにする。なお、連続回数カウンタが0ではない場合には次のラウンドの開始までのインターバル時間(例えば、4.28秒)を設定し、連続回数カウンタが0である場合にはインターバル時間の設定は実行しないようにしている。図示はしていないが、連続回数カウンタが0でない場合、インターバル時間が経過した後、次のラウンドの特別電動役物の動作を開始するようにしている。そして、V当たり終了インターバル設定を実行した後、ステップS757の処理に進む。一方、「V当たり」中ではない場合(ステップS752:NO)、上大入賞口入賞数確認カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS753)。
上大入賞口入賞数確認カウンタが0ではない場合(ステップS753:NO)、「小当たり」中または「中当たり」中における遊技球が排出されるまでの処理に必要な設定(「小当たり」終了または「中当たり」終了インターバル設定)を実行する(ステップS754)。具体的には、特別電動役物動作状態を「排出待ち中」に設定し、入賞有効フラグをオフにする。そして、「小当たり」終了または「中当たり」終了インターバル設定を実行した後、処理を終了する。
一方、上大入賞口入賞数確認カウンタが0である場合(ステップS753:YES)、遊技球の排出が完了した旨の排出完了コマンドを演出制御基板420に送信する(ステップS756)。本処理において、上大入賞口入賞数確認カウンタが0である場合とは、遊技球が上大入賞口322に入球していない状態である。したがって、この場合には、遊技球が上大入賞口322に入球していなくても、前記遊技球排出完了判定手段によって排出が完了していると判定され、排出完了状態(排出完了フラグがオン)に設定される。なお、排出完了コマンドは、上大入賞口322に入球した遊技球の総ての排出が検出された場合、演出制御基板420に送信される。
次に、「小当たり」または「中当たり」における特別電動役物の動作を終了するために必要な設定を実行する(ステップS757)。具体的には、特別電動役物動作状態を「動作待ち中」に設定し、特別電動役物実行中フラグ、入賞有効フラグ、V入賞有効フラグ、および小当たり中フラグまたは中当たり中フラグをオフにし、上大入賞口入賞数確認カウンタ、上入賞口排出数確認カウンタを初期化する。そして、特別電動役物の動作を終了するために必要な設定を実行した後、処理を終了する。
図24は、図18Bの大入賞口入賞球排出確認処理(ステップS714)における処理内容を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物制御手段407は、上大入賞口排出確認タイマが0(タイムアウト)であるか否かを判定する(ステップS760)。上大入賞口排出確認タイマが0ではない場合(ステップS760:NO)、ステップS762の処理に進む。一方、上大入賞口排出確認タイマが0である場合(ステップS760:YES)、V入賞有効フラグをオフにし、次に、上大入賞口排出数確認カウンタの値と上大入賞口入賞数確認カウンタの値を比較して、上大入賞口排出数確認カウンタの値よりも上大入賞口入賞数確認カウンタの値が大きいか否かを判定する(ステップS762)。なお、上大入賞口排出数確認カウンタの値よりも上大入賞口入賞数確認カウンタの値が大きい場合とは遊技球の排出が完了していない状態であり、上大入賞口排出数確認カウンタの値よりも上大入賞口入賞数確認カウンタの値が大きくない場合とは遊技球の排出が完了している状態である。
上大入賞口排出数確認カウンタの値よりも上大入賞口入賞数確認カウンタの値が大きい場合(ステップS761:YES)、遊技球の排出が完了していないので、そのまま処理を終了する。このとき、上大入賞口排出確認タイマがタイムアウトしていれば、前記遊技球排出完了判定手段によって排出に異常が発生したと判定され、エラー状態に設定される。一方、上大入賞口排出数確認カウンタの値よりも上大入賞口入賞数確認カウンタの値が大きくない場合(ステップS761:NO)、次に、V入賞有効フラグがオフか否かを判定する(ステップS763)。
V入賞有効フラグがオンの場合(ステップS763:YES)、V入賞有効フラグをオフにする(ステップS764)。本処理が実行される場合、上大入賞口排出確認タイマがタイムアウトする前に遊技球の排出が完了した場合であるので、遊技球の排出の完了と共に、V入賞有効フラグをオフにし、遊技球の排出が完了した旨の排出完了コマンドを演出制御基板420に送信するようにしている(ステップS765)。このとき、前記遊技球排出完了判定手段によって、遊技球の排出が正常に完了したと判定されるので、排出完了状態(排出完了フラグがオン)に設定される。一方、V入賞有効フラグがオフである場合(ステップ763:YES)、遊技球の排出が完了した旨の排出完了コマンドを演出制御基板420に送信する(ステップS765)。
次に、「V当たり」中であるか否かを判定する(ステップS766)。「V当たり」中である場合(ステップS766:YES)、「V当たり」における特別電動役物の動作を終了するために必要な設定を実行する(ステップS767)。具体的には、特別電動役物動作状態を「動作待ち中」に設定し、特別電動役物実行中フラグをオフ、V入賞条件装置をオフにし、上大入賞口入賞数確認カウンタ、上入賞口排出数確認カウンタを初期化する。なお、ラウンド数が2〜15ラウンドに設定されている場合、連続回数カウンタの値が0ではない場合には、特別電動役物動作状態を「動作待ち中」に設定し、特別電動役物実行中フラグをオン、可動式役物動作フラグをオン、V入賞条件装置をオンにし、上大入賞口入賞数確認カウンタ、上入賞口排出数確認カウンタを初期化するように設定すれば良い。
一方、「V当たり」中ではない場合(ステップS766:NO)、「小当たり」または「中当たり」における特別電動役物の動作を終了するために必要な設定を実行する(ステップS768)。具体的には、特別電動役物動作状態を「動作待ち中」に設定し、特別電動役物実行中フラグをオフ、可動式役物動作フラグをオフ、小当たり中フラグまたは中当たり中フラグをオフにし、上大入賞口入賞数確認カウンタ、上入賞口排出数確認カウンタを初期化する。
図25は、図18Bの特別電動役物動作態様設定処理(ステップS712)における処理内容を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物制御手段407は、特別電動役物動作フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS770)。特別電動役物動作フラグがオンではない場合(ステップS770)、そのまま処理を終了する。一方、特別電動役物動作フラグがオンである場合(ステップS770:YES)、次に、後述するステップS773、ステップS774において設定される「大入賞口開放用フラグ」がオンであるか否かを判定する(ステップS771)。大入賞口開放用フラグがオンである場合(ステップS771:YES)、既に、特別電動役物の開閉動作の開放パターンが設定されているので、そのまま処理を終了する。一方、大入賞口開放用フラグがオンでない場合(ステップS771:NO)、次に、「V当たり」であるか否かを判定する(ステップS772)。具体的には、特別電動役物管理処理(ステップS37)のステップS705の処理において設定されるV入賞条件装置フラグがオンであるか否かを確認する。
「V当たり」である場合(ステップS772:YES)、「V当たり」における特別電動役物の開閉動作の開放パターンの設定を実行する(ステップS773)。具体的には、羽根部材321a、321bを動作させるための電気的駆動源、例えば、ソレノイドに励磁する励磁パターンを設定し、大入賞口開放用フラグをオンにする。羽根部材321a、321bは、本処理において設定した励磁パターンに基づき、開閉動作が実行されるようにしている。励磁パターンの設定は、特別電動役物動作開始処理(ステップS713)のステップS733(図19参照)の処理において設定される「V当たり」における特別電動役物動作タイマとあらかじめ定められた「V当たり」におけるソレノイド励磁パターン用テーブルとに基づき設定する。前記ソレノイド励磁パターン用テーブルには、特別電動役物動作タイマとソレノイドの励磁パターンとが対応付けられて記憶されている。なお、図示はしていないが、ラウンド数が2〜15ラウンドのいずれかに設定された場合、そのラウンド数を連続回数カウンタに設定する。そして、「V当たり」における特別電動役物の開閉動作の開放パターンの設定を実行した後、処理を終了する。
一方、「V当たり」ではない場合(ステップS772:NO)、「小当たり」または「中当たり」における特別電動役物の開閉動作の開放パターンの設定を実行する(ステップS774)。本処理では、ステップS773の処理と同様に、羽根部材321a、321bを動作させるための電気的駆動源、例えば、ソレノイドに励磁する励磁パターンを設定し、大入賞口開放用フラグをオンにする。励磁パターンの設定は、特別電動役物動作開始処理(ステップS713)のステップS735の処理(図19参照)において設定される「小当たり」または「中当たり」における特別電動役物動作タイマと前記ソレノイド励磁パターン用テーブルとに基づき設定する。そして、「小当たり」または「中当たり」における特別電動役物の開閉動作の開放パターンの設定を実行した後、処理を終了する。
図26は、図9の可動物管理処理(ステップS38)における処理内容を示すフローチャートである。可動物管理処理では、第1可動式役物324a、第2可動式役物324b、および回転体可動式役物324cをそれぞれの動作を実行するために、それぞれの可動式役物を駆動させるための電気的駆動源(例えば、モータやソレノイド)を制御するための処理が実行される。なお、以下では、本発明の特徴的要素である第2可動式役物324bの動作制御に関する処理内容についてのみ説明し、第1可動式役物324a、回転体可動式役物324cの動作制御に関する処理内容については省略する。
まず、可動物制御手段409は、可動式役物動作フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS840)。具体的には、特別電動役物動作開始処理(ステップS713)のステップS733、ステップS734(図19参照)において設定される可動式役物動作フラグがオンであるか否かを確認する。
可動式役物動作フラグがオンである場合(ステップS840:YES)、次に、動作タイマ値が0であるか否かを判定する(ステップS841)。動作タイマ値が0である場合(ステップS841:YES)、基本動作タイマを設定する(ステップS842)。本処理では、図7(B)に示すように、第2可動式役物324bの動作の1周期分の動作時間(2.500秒)を基本動作タイマとして設定する。そして、基本動作タイマを設定した後、動作パターン用テーブルを参照して、動作タイマ値に対応する動作フラグを設定する(ステップS843)。なお、本処理では基本動作タイマの初期値が動作タイマ値となっているので「00H」に設定されている(動作タイマ値「2.500s」に対応する動作フラグを参照)。そして、設定された動作フラグに基づき、可動物駆動信号を制御し(ステップS844)、処理を終了する。なお、このとき、動作タイマ値が「1.448s」になるまで可動物駆動信号の生成はされない。
一方、動作タイマ値が0ではない場合(ステップS841:NO)、動作パターン用テーブルを参照して、動作タイマ値に対応する動作フラグを設定する(ステップS843)。そして、設定された動作フラグに基づき、可動物駆動信号を制御し(ステップS844)、処理を終了する。
再び、ステップS840の処理の説明にもどる。
可動式役物動作フラグがオフである場合(ステップS840:YES)、動作タイマ値を初期化(クリア)、すなわち、動作タイマ値を「0.000s」にする(ステップS845)。
前記可動式動作フラグは、既に説明したように、入賞確認時間を経過した場合に可動式役物動作フラグがオフに設定される(特別電動役物停止後有効時間処理(ステップS711)のステップS751の処理(図23参照)を参照)。なお、本処理では、動作タイマ値が「0.000s」であるので、動作フラグは「00H」に設定される。したがって、新たな基本動作時間が設定されるまで、可動物駆動信号が生成されないように制御している。
ここで、「小当たり」、「中当たり」、および「V当たり」の場合における第2可動式役物324bの動作について説明する。
図27A〜図27Cは、本実施の形態における可動式役物(第2可動式役物324b)の動作制御に関するタイミングチャートである。
ここで、図27Aおよび図27Bに示す時間「V」は特別図柄確認時間(0.496秒)と動作開始待ちタイマ(0.004秒)とを合計した時間(0.5秒)を、時間「W」は特別電動役物動作タイマを、時間「X」は入賞確認時間(1.7秒)を、時間「Y」は特定領域通過演出時間(特定領域通過した場合に実行される演出時間(「V当たり」における動作開始待ちタイマが該当する))を、時間「Z」は基本動作タイマを示している。なお、各種時間は上記のような時間に限られることはなく、適宜変更することができる。
図27Aは、「小当たり」の場合における第2可動式役物324bの動作制御に関するタイミングチャートを示したものである。
図27Aに示すように、「小当たり」の場合、特別図柄確認時間(0.496秒)と動作開始待ちタイマ(0.004秒)とが経過した後、羽根部材321a、321bの開閉動作が開始され、このとき、特別電動役物動作タイマは、0.4秒に設定される。動作タイマ値がクリアされるのは、特別電動役物動作タイマの0.4秒と入賞確認時間の1.7秒とが経過した2.1秒後である。
したがって、第2可動式役物324bの1周期分の動作が終了する前にソレノイド33への可動物駆動信号の出力が停止される。この場合、図27Aに示すように、第2可動式役物324bは、第1の動作状態(通電状態(励磁))と第2の動作状態(通電停止状態(消磁))とが2回繰り返され、3回目、すなわち、1周期分の動作は実行されていない。
図27Bは「中当たり」の場合における第2可動式役物324bの動作制御に関するタイミングチャートである。図27Bに示すように、「中当たり」の場合、特別図柄確認時間(0.496秒)と動作開始待ちタイマ(0.004秒)とが経過した後、羽根部材321a、321bの開閉動作が開始され、このとき、特別電動役物動作タイマは、1.6秒に設定される。動作タイマ値がクリアされるのは、特別電動役物動作タイマ1.6秒と入賞確認時間の1.7秒とが経過した3.3秒後(1周期分の2.5秒と0.8秒とが経過した後)である(「中当たり」の場合、基本動作タイマが2回設定されることになる。したがって、2回目における第2可動式役物324bの1周期分の動作の途中で動作タイマ値がクリアされる)。
したがって、第2可動式役物324bの2周期分の動作が終了する前にソレノイド33への可動物駆動信号の出力が停止される。この場合、図27Bに示すように、第2可動式役物324bは第1の動作状態と第2の動作状態とが1周期分(3回)繰り返されている。
図27Cは、「V当たり」の場合における第2可動式役物324bの動作制御に関するタイミングチャートを示したものである。なお、図27Cでは、「V当り」時における羽根部材321a、321bの開閉動作の一部を示している。
図27Cに示すように、「V当たり」の場合には、「小当たり」または「中当たり」が発生しているときにV入賞口326に遊技球が入球し(V入賞口用排出検出スイッチ326aによって遊技球の入球が検出された場合)、特定領域通過演出時間(17秒)を経過した後、「V当たり」における羽根部材321a、321bの開閉動作が開始される。このとき、特別電動役物動作タイマは、24.7秒(1ラウンド分)に設定される。
動作タイマ値がクリアされるのは、特別電動役物動作タイマの24.7秒(但し、最大入賞数に達した場合にはそのとき)と入賞確認時間の1.7秒とが経過した26.4秒後(10周期分の25秒と1.4秒とが経過した後)である。
したがって、原則として、11回目における第2可動式役物324bの1周期分の動作の途中で動作タイマ値がクリアされる。
このように、動作タイマ値をクリアするタイミングが「小当たり」、「中当たり」、「V当たり」のそれぞれにおいて異なる(すなわち、可動式役物324bはそれぞれの当たりに応じて異なる動作を実行する)。この結果、本発明では、動作パターン用テーブルが1種類の場合であっても、複数種類の動作パターンを実現することができようにしている。
以上のように構成された本発明に係る弾球遊技機によれば、可動式役物の1周期分の動作パターンのみに基づき可動式役物の駆動させるための駆動信号を生成し、その生成した駆動信号を、可動式役物を駆動させるための役物駆動手段に出力し、所定の条件に基づきその出力される駆動信号を強制的に停止するようにしている。この結果、1周期分の動作パターンであっても複数種類の可動式役物の動作を実現することができる。