以下、図面を用いて、本発明に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。
[実施形態1]
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100は、所定条件が成立すると遊技者が利益を獲得することができる遊技台であって、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面(遊技者側)に備える。
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
本体104は、外枠102の内部に備えられ、施錠機能付きで且つ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる扉部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。このパチンコ機100を設置した店舗(遊技店)の店員は、この本体104を開閉操作することが可能であり、本体104が開いたことを検出する本体開放センサ1041が設けられている。
前面枠扉106は、施錠機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部116とした扉部材である。遊技店の店員は、この前面枠扉106も開閉操作することが可能であり、前面枠扉106が開いたことを検出する前面枠扉センサ1061も設けられている。なお、この前面枠扉106には、開口部116にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124が設けられる空間を区画形成する。なお、本実施形態では、光源をLEDとするものもランプと称する。
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、施錠機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。この球貯留皿付扉108は、前面枠扉106を開放した状態で操作可能となる開放レバー1081を押すことによって開く。また、球貯留皿付扉108が開いたことを検出する球貯留皿付扉センサ1082も設けられている。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206(図2参照)の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136に内蔵され、そのチャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。また、図1に示すパチンコ機100には、下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサ(不図示)が設けられている。
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。この発射装置110は、遊技者に球発射ハンドル134が継続的に発射操作されている間は、所定の発射期間(例えば0.6秒)の経過ごとに遊技球を遊技盤の遊技領域124へ向けて発射し、発射手段の一例に相当する。
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部116から観察することができる。なお、図1では遊技領域124の具体的構成は図示省略してあり、その具体的構成は図3に示す。
図2は、図1のパチンコ機100を背面側から見た外観図である。
パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、この球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。この払出装置152は、着脱自在なものであり、所定位置に装着されると、タンクレール154の下流端に接続する。
スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。すなわち、払出装置152は、遊技球に駆動力を与えてその遊技球を搬送する球送り装置の一種である。
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600へ出力する。この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の前面側に配設した上皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、所定の付与条件が成立したことに基づいて遊技者にその付与条件に応じた量の遊技価値(遊技球)をこの構成により付与する(払い出す)。
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300(図4参照)を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400(図4参照)を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500(図4参照)を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630(図4参照)を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源管理部660(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRAMクリア信号を主制御部300に出力するRAMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部186を配設している。
図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。
図3に示す遊技盤200はいわゆる右打ち機の遊技盤である。この遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。一般的に知られる右打ち機の遊技盤においては、遊技者の操作によって、遊技球を打ち出す強さを変化させることで、遊技球を入賞させる始動口後述する第1特図始動口230と第2特図始動口232とに分けることができる。具体的には、遊技領域124に対し、遊技釘238等の配設により、第一特図始動口230が備えられた第1の領域(遊技領域における左側)を転動する遊技球は第2特図始動口232への入球が困難又は不可能に構成され、その逆に第2特図始動口232が備えられた第2の領域(遊技領域における右側)を転動する遊技球は第1特図始動口230への入球が困難又は不可能に構成されている。
遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。この演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」と称する場合があり、特別図柄、第1特別図柄、第2特別図柄のうちの一つまたは複数を「特図」と称する場合がある。
演出装置206は、演出可動体224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための画像表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。これらの普図表示装置210、第1特図表示装置212、および第2特図表示装置214は、報知手段の一例に相当する。なお、装飾図柄表示装置208に表示される装飾図柄は、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214に表示される図柄を、演出を高めた形で表す図柄である。
なお、普図表示装置210、第1特図表示装置212、および第2特図表示装置214(報知手段)の表示領域(ここでは7ゼグメントの大きさが相当)と装飾図柄表示装置208(図柄表示手段)の表示領域(ここでは表示画面の大きさが相当)とでは、装飾図柄表示装置208の表示領域の方が大きい。また、この実施形態では、普図表示装置210、第1特図表示装置212、および第2特図表示装置214は、動画の表示が不可能であるのに対して、装飾図柄表示装置208は動画の表示が可能である。
普図保留ランプ216は、保留している所定の第1の変動遊技(詳細は後述する普図変動遊技)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプ218および第2特図保留ランプ220は、保留している所定の第2の変動遊技(詳細は後述する特図変動遊技)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ、第1特図用と第2特図用を合わせると8つ)まで保留することを可能としている。高確中ランプ222は、現在の図柄制御状態を示す報知を行なうためのランプ(報知手段)である。この高確中ランプ222は、電源が投入されてから大当り遊技の開始まで、現在の図柄制御状態を示す報知を行ない、それ以降は、現在の図柄制御状態を示す報知をしないように構成している。また図柄制御状態では、電源が再投入された場合には、電源が遮断される直前の図柄制御状態に復帰する。
また、この演出装置206の周囲には、一般入賞口226と、普図始動口228と、第1特図始動口230と、第2特図始動口232と、可変入賞口234を配設している。
一般入賞口226は、本実施形態では遊技盤200に複数配設しており、この一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として図1に示す上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤200の右側に1つ配設している。普図始動口228を通過した球は一般入賞口226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口230は、本実施形態では遊技盤200の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口230は、遊技球が進入する入り口の大きさが変化しない第一の始動領域である。第1特図始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第1特図表示装置212による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。この第1特図始動口230は、始動領域の一つであり、自身の大きさが変化しない固定始動領域の一例に相当する。
第2特図始動口232は、本実施形態では普図始動口228の下側に1つだけ配設している。すなわち、第2特図始動口232は、遊技盤200の右側に設けられている。この第2特図始動口232の近傍には、ソレノイドによって左右に開閉自在な一対の羽根部材2321が設けられており、一対の羽根部材2321と第2特図始動口232を併せたものが、可変始動手段に相当し、一般には、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれる。一対の羽根部材2321は、第2特図始動口232への入賞の難易度を変更する部材である。すなわち、一対の羽根部材2321が閉じたままでは第2特図始動口232への入球は不可能であり、一対の羽根部材2321が閉じた態様は入賞困難な開閉態様である。一方、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当り図柄を停止表示した場合に一対の羽根部材2321が所定の時間間隔、所定の回数で開閉し、第2特図始動口232への球の入球が可能(入賞容易状態)になり、一対の羽根部材2321が開いた開状態は入賞容易な状態である。すなわち、第2特図始動口232は、入り口(遊技球の進入口)の大きさが小サイズ(第1の大きさに相当)と大サイズ(第2の大きさに相当)のうちのいずれか一方のサイズからいずれか他方のサイズに変化する、遊技球の進入のしやすさが可変の可変始動領域であって、第二の始動領域の一例に相当する。この大サイズの大きさは、第1特図始動口230の入り口の大きさよりも大きい。一対の羽根部材2321が開いた状態では、遊技領域124に進入した遊技球のうち、固定始動領域である第1特図始動口230に進入する遊技球よりも、可変始動領域である第2特図始動口232に進入する遊技球の方が多い。一方、小サイズの大きさは、第1特図始動口230の入り口の大きさよりも小さいか、あるいは第1特図始動口230の入り口の大きさ以下である。第2特図始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第2特図表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口234は、本実施形態では遊技盤200の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口234は、入賞開口と、ソレノイドによってその入賞開口を開閉自在な扉部材2341とを備えている。入賞開口は大入賞口と呼ばれることがあり、可変入賞口234はアタッカと呼ばれることがある。可変入賞口234は、後述する大当り遊技が開始されるまでは閉状態を維持し、大当り遊技が開始されると、開状態と閉状態との間で状態変更を繰り返す。すなわち、可変入賞口234は、所定の第1の開閉状態(ここでは閉状態)およびその第1の開閉状態よりも遊技球の入賞が容易な第2の開閉状態(ここでは開状態)のうちの一方から他方に開閉状態を変化可能な可変入賞手段であり、特図変動遊技に当選して第1特図表示装置212あるいは第2特図表示装置214が大当り図柄を停止表示した場合に扉部材2341が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。なお、可変入賞口234における閉状態は必ずしも完全に閉塞した状態である必要はなく、少し開いていても、遊技級の入球が不可能あるいは困難な状態であればよい。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
上皿126に収容されている球は発射レールの発射位置に供給される。このパチンコ機100では、遊技者の球発射ハンドル134の操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(第1特図始動口230、第2特図始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。
<演出装置206>
次に、パチンコ機100の演出装置206について説明する。
この演出装置206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242およびステージ244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体224を配設している。また、演出装置206の背面側には、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246(以下、扉と称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置206において、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246は、ワープ装置242、ステージ244、および演出可動体224の後方に位置することとなる。
ワープ装置242は、演出装置206の左上方に設けたワープ入口242aに入った遊技球を演出装置206の前面下方のステージ244にワープ出口242bから排出する。
ステージ244は、ワープ出口242bから排出された球や遊技釘238などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ244の中央部には、通過した球が第1特図始動口230へ入球し易くなるスペシャルルート244aを設けている。
演出可動体224は、本実施形態では人間の右腕の上腕と前腕を模した上腕部と前腕部とからなり、肩の位置に上腕部を回動させる不図示の上腕モータと肘の位置に前腕部を回動させる不図示の前腕モータを備える。演出可動体224は、上腕モータと前腕モータによって装飾図柄表示装置208の前方を移動する。
遮蔽装置246は、格子状の左扉246aおよび右扉246bからなり、装飾図柄表示装置208および前面ステージ244の間に配設する。左扉246aおよび右扉246bの上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉246aおよび右扉246bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽装置246は、左扉246aおよび右扉246bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置208を視認し難いように遮蔽する。左扉246aおよび右扉246bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置208の表示の全てを視認可能である。また、左扉246aおよび右扉246bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左扉246aおよび右扉246bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置208の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置208を全く視認不可にしてもよい。
図1に示すスピーカ120や枠ランプ122等の装飾ランプ、図3に示す装飾図柄表示装置208、演出可動体224、および遮蔽装置246は、演出手段に相当し、これらの中でも装飾図柄表示装置208は図柄表示手段の一例に相当する。
<制御部>
次に、図4を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源管理部660と、によって構成している。本実施形態では、主制御部300、第1副制御部400および第2副制御部500はそれぞれ別の回路基板からなるものであるが、これら3つの制御部(300,400,500)は、共通の一つの回路基板からなるものであってもよいし、第1副制御部400と第2副制御部500が、主制御部300の回路基板とは別の共通の一つの回路基板からなるものであってもよい。したがって、主制御部300、第1副制御部400および第2副制御部500それぞれを所定の制御手段ととらえることもできるし、これら3つの制御部(300,400,500)を併せた一つのものを所定の制御手段ととらえることもできるし、第1副制御部400および第2副制御部500を併せた一つのものを所定の制御手段ととらえることもできる。
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を導出する乱数値生成回路318(この回路には3つの乱数値生成回路を内蔵しているものとする)と、本体開放センサ1041、前面枠扉センサ1061、球貯留皿付扉センサ1082、および図1に示す下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサや、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果を乱数値生成回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、第1特図保留ランプ218、第2特図保留ランプ220、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、第2特図始動口232や可変入賞口234等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334を接続している。
乱数値生成回路318は、基本回路302で使用する乱数値を生成する。この乱数値生成回路318における乱数の生成には、大別するとカウンタモードと乱数モードとの2種類の方法がある。カウンタモードでは、所定の時間間隔でカウントアップ(ダウン)する数値を取得して、その数値を乱数として導出する。乱数モードには、さらに2つの方法がある。乱数モードにおける一つ目の方法は、乱数の種を用いて所定関数(例えばモジュラス関数)による演算を行い、この演算結果を乱数として導出する。二つ目の方法は、0〜65535の範囲の数値がランダムに配列された乱数テーブルから数値を読み出し、その読み出した数値を乱数として導出する。乱数値生成回路318では、各種センサ320からセンサ回路322に入力される信号に重畳しているホワイトノイズを利用して不規則な値を取得する。乱数値生成回路318は、こうして取得した値を、カウンタモードでカウントアップ(ダウン)させるカウンタの初期値として用いたり、乱数の種として用いたり、あるいは乱数テーブルの読み出し開始位置を決定する際に用いる。
なお、第1特図始動口230に球が入賞したことを、各種センサ320のうちの球検出センサが検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号を乱数値生成回路318に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路318は、第1特図始動口230に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、第1特図始動口230に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。また、乱数値生成回路318は、第2特図始動口232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口232に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、第2特図始動口232に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。さらに、乱数値生成回路318は、普図始動口228に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、普図始動口228に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、普図始動口228に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。
また、この明細書にいう球検出センサとしては、具体的には、一般入賞口226、第1特図始動口230、第2特図始動口232、可変入賞口234など所定の入賞口に入賞した球を検出するセンサや、普図始動口228を通過する球を検出するセンサがあげられる。
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、制御状態を表す情報等)を出力する。
また、主制御部300には、電源管理部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、この電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。低電圧信号は、主制御部300のCPU304を動作させるための電気系統に異常があることを表す電気系統異常信号であり、電圧監視回路338は電気系統異常信号出力手段の一例に相当する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。主制御部300のCPU304は、遊技制御手段の一例に相当する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400および払出制御部600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400および払出制御部600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400および払出制御部600からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路402には、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406が接続されている。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416と、各種ランプ418の制御を行うための駆動回路420と、演出可動体224の駆動制御を行うための駆動回路422と、演出可動体224の現在位置を検出する演出可動体センサ424と、図1に示すチャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426と、演出可動体センサ424やチャンスボタン検出センサ426からの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、を接続している。
さらに、第1副制御部400には、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)208および遮蔽装置246の制御を行うための第2副制御部500が接続されている。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源管理部660について説明する。
払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて図2に示す払出装置152の払出モータ602を制御すると共に、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、図1に示す発射杆146および発射槌148を駆動する発射モータ632の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
電源管理部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給する。主制御部300、第1副制御部400、および発射制御部630は、払出制御部600から所定電圧の供給を受ける。また、電源管理部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源管理部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給し、払出制御部600から主制御部300と第1副制御部400と発射制御部630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
<図柄の種類>
次に、図5(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の第1特図表示装置212、第2特図表示装置214、装飾図柄表示装置208、普通図柄表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
図5(a)は特図の停止図柄態様(第1の図柄態様)の一例を示したものである。第1特図始動口230に球が入球したことを球検出センサである第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、第2特図始動口232に球が入球したことを球検出センサである第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、第1特別図柄表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」(特図変動遊技)を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、第2特別図柄表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」(特図変動遊技)を行う。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第2特別図柄表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を特図の変動停止表示と称することがある。この特図の変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。
図5(a)には、図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図H」の8種類の特図が示されている。図5(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
本実施形態では、特図の停止図柄態様として、5種類の大当り図柄(「特図A」から「特図E」)が用意されている。「特図A」は15ラウンド(R)特別大当り図柄(大当り図柄1)であり、「特図B」は15R時短大当り図柄(大当り図柄2)であり、「特図C」は2R特別大当り図柄(大当り図柄3)である。これらの図柄(特図A〜C)が停止表示されるとその後、制御状態は特図高確率普図高確率状態になる。「特図D」は15R大当り図柄(大当り図柄4)であり、「特図E」は2R大当り図柄(大当り図柄5)である。特図Dまたは特図Eが停止表示されるとその後、制御状態は特図低確率普図低確率状態になる。ここにいうラウンドとは、所定量の遊技価値(所定球数)を獲得することができるチャンスの回数をいう。本実施形態では、図3に示す可変入賞口234の作動回数を表すものであり、15ラウンドとは、可変入賞口234の1または複数回の開閉動作を1回(1回の作動)として、この作動が15回続くことを意味する。すなわち、1回の作動が、開閉状態が第1の開閉状態(ここでは閉状態)から第2の開閉状態(ここでは開状態)に変化する特定変化の一例に相当し、可変入賞口234は、大当り遊技中に、この特定変化を複数の定数回(15ラウンドの場合であれば15回)行うものである。各ラウンドは所定のラウンド終了条件(例えば所定球数(一例として10球)の遊技球の進入、所定量の遊技価値(所定球数)の獲得、ラウンド開始から所定時間の経過などのうちのうちの1または複数)が成立することにより終了する。本実施形態のパチンコ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと、特別大当りあるいは時短大当りとの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当りあるいは時短大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。本実施形態では、大当り遊技中には特図低確率状態へ移行し、大当り図柄1(特図A)、大当り図柄2(特図B)、および大当り図柄3(特図C)に当選した場合には、大当り遊技終了後、次に大当りするまで特図高確率状態が維持される。一方、大当り図柄4(特図D)および大当り図柄5(特図E)に当選した場合には、大当り遊技終了後も特図低確率状態のままである。特図低確率状態は第1の確率制御状態の一例に相当する。また、大当り遊技終了後に特図高確率状態になることを特図確変と称することもあり、大当り遊技終了後に大当りに当選する確率が高くなっている状態(特図高確率状態)は、遊技者の有利度が高くなる制御状態であって第2の確率制御状態の一例に相当する。この特図高確率状態を確変状態と称することがある。なお、本明細書では制御状態という遊技台(パチンコ機100)の内部における状態をさす文言を用いて説明するが、この制御状態という文言にはいわゆる遊技状態の概念が含まれる。この確率制御状態の移行は主制御部300が行い、主制御部300は、確率制御状態移行手段の一例に相当する。
また、15R特別大当り遊技終了後、15R時短大当り遊技終了後、および2R特別大当り遊技終了後はいずれも電チューサポート(電サポ)有りの状態(以下、電サポ状態と称する)に移行する。電サポ状態とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くする等して、遊技者の有利度が非電サポ状態より高い所定状態のことをいう。この電サポ状態は、このパチンコ機100に用意された制御状態の一つであり、時短状態と称されることもある。すなわち、電サポ状態(時短状態)は、大当り遊技の終了を条件に開始される。なお、厳密にいえば、「電サポ状態」はあくまでも普図がらみの状態であり、「時短状態」は特図がらみの状態または普図および特図がらみの状態である。主制御部300のRAM308には時短フラグが用意されており、その時短フラグがオンに設定されていると、電サポ状態であり、普図高確率状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技に当選しやすくなる(普図確変)。例えば、普図変動遊技の当選確率が、普図低確率状態(非電サポ状態)では1/100であるのに対し、普図高確率状態(電サポ状態)では99/100に上昇する。また、電サポ状態の方が、非電サポ状態に比べて普図変動遊技の変動時間は短くなる(普図変短)。例えば、非電サポ状態では10秒の普図変動遊技の変動時間が電サポ状態では2秒に短縮される。また、電サポ状態では、非電サポ状態に比べて、第2特図始動口232の一対の羽根部材2321の1回の開放における開放時間が長くなりやすい(電チュー開放期間延長)。例えば、非電サポ状態では0.5秒の電チュー開放期間が電サポ状態では2秒に延長される。さらに、電サポ状態では非電サポ状態に比べて、一対の羽根部材2321は多く開きやすい(電チュー開放回数増加)。例えば、普図始動口228への1回の入賞につき非電サポ状態では1回しか開かない一対の羽根部材2321が、電サポ状態では2回開く(2秒開放して1秒閉鎖してまた2秒開放)。電チュー開放期間延長や電チュー開放回数増加により、第2特図始動口232に入球する確率が高まる。なお、時短フラグは、大当り遊技中にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、非電サポ状態が維持される。これは、大当り遊技中に電サポ状態であると、大当り遊技中に可変入賞口234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に第2特図始動口232に多くの遊技球が入球し、大当り中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。なお、本実施形態では、電サポ状態(時短状態)では、普図確変、普図変短、電チュー開放期間延長、および電チュー開放回数増加の総てが行われるが、これらのうちの少なくともいずれか一つが行われれば、遊技者の有利度が高い状態になり、電サポ状態(時短状態)としてもよい。あるいは、第2特図始動口232に入球する確率が高まる、電チュー開放期間延長または電チュー開放回数増加のうちのいずか一方が行われれば、電サポ状態(時短状態)としてもよい。非電サポ状態では、電サポ状態よりも遊技球が第2特図始動口232に進入し難い。上述のごとく、第2特図始動口232は、遊技球が進入する入り口の大きさが小サイズと大サイズのうちのいずれか一方のサイズからいずれか他方のサイズに変化するものである。この第2特図始動口232は、入り口が、電サポ状態では非電サポ状態よりも長期間にわたって大サイズである。本実施形態では、大当り図柄1および大当り図柄3が停止表示されると、その後に行われる大当り遊技終了後、次に大当り遊技が開始されるまで電サポ状態(普図高確率状態)が維持され、大当り図柄2が停止表示されると、その後に行われる大当り遊技終了後、特図変動遊技が100回行われる間、電サポ状態が維持され、101回目には非電サポ状態(普図低確率状態)に移行する。一方、電サポ無しの大当り(特図C,特図D)に当選した場合には、大当たり遊技終了後に電サポ状態に移行しない。上述のごとく、第2特図始動口232は、遊技球が進入する入り口の大きさが小サイズと大サイズのうちのいずれか一方のサイズからいずれか他方のサイズに変化するものである。この第2特図始動口232は、入り口が、非電サポ状態では小サイズに維持されるが、電サポ状態では大サイズになり、遊技球の進入率が高められる。すなわち、非電サポ状態では、遊技球が可変始動領域である第2特図始動口232に第1の進入率で進入するのに対して、電サポ状態では、遊技球が第2特図始動口232に上記第1の進入率よりも進入率が高い第2の進入率で進入する。したがって、非電サポ状態が第一の進入率制御状態あるいは第一の制御状態の一例に相当し、電サポ状態が第二の進入率制御状態あるいは第二の制御状態の一例に相当する。
なお、特図高確率普図低確率状態の大当りや、特図低確率普図高確率状態の大当りを設けてもよい。
さらに、本実施形態では、大当り図柄の他に小当り図柄(特図F)も用意されている。
また、本実施形態では、ハズレ図柄として2種類の停止図柄が用意されている。図5(a)に示す、特図Gはハズレ図柄1であり、特図Hはハズレ図柄2である。小当り図柄やいずれのハズレ図柄も、遊技者に付与する利益量が相対的に小さな利益量になる停止図柄態様である。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機100では、遊技者の有利度が高い第2の有利度の大当り制御状態と、第2の有利度よりは有利度が低い第1の有利度の非大当り制御状態とが用意され、パチンコ機100は大当り制御状態(第2の制御状態)と非大当り制御状態(第1の制御状態)のうちのいずれか一方の制御状態をとる。これらの制御状態の移行も主制御部300が行い、主制御部300は、制御状態移行手段の一例にも相当する。
なお、本実施形態のパチンコ機100には、大当り図柄1として「特図A」以外の図柄も用意されており、大当り図柄2等の他の図柄についても同様である。
第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、当否決定結果(抽選結果)を報知する報知手段に相当する。
図5(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口230または第2特図始動口232に球が入賞したこと、すなわち、第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。すなわち、装飾図柄表示装置208は、第1特別図柄表示装置212および第2特別図柄表示装置214とは別に、装飾図柄を変動表示するものである。そして、装飾図柄の組合せである停止図柄態様(第2の図柄態様)を停止表示する。「特図A」である大当り図柄1を報知する場合や「特図C」である大当り図柄3を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ“装飾図柄の組合せ2”(例えば「装飾3−装飾3−装飾3」や「装飾7−装飾7−装飾7」等)を停止表示する。また、「特図D」である大当り図柄4を報知する場合や「特図E」である大当り図柄5を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、同じ偶数の装飾図柄が3つ並んだ“装飾図柄の組合せ1”(例えば「装飾2−装飾2−装飾2」や「装飾4−装飾4−装飾4」等)を停止表示する。さらに、「特図B」である大当り図柄2を報知する場合には、第1副制御部400は、図柄表示領域208a〜208cに、「装飾1−装飾2−装飾3」といった“装飾図柄の組合せ3”を停止表示し、「特図F」である小当り図柄を報知する場合には、第1副制御部400は、図柄表示領域208a〜208cに、「装飾1−装飾3−装飾5」といった“装飾図柄の組合せ4”を停止表示する。また、「特図G」や「特図H」のハズレ図柄を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、“装飾図柄の組合せ1”〜“装飾図柄の組合せ4”以外の装飾図柄の組合せ(例えば、ばらけ目)を停止表示する。以下、装飾図柄表示装置208において、この「装飾図柄の変動表示」を開始してから装飾図柄の停止図柄態様(例えば、“装飾図柄の組合せ2”)を停止表示するまでの一連の表示を装飾図柄の変動停止表示と称することがある。
なお、特図1や特図2の停止図柄態様(図5(a)参照)と、装飾図柄表示装置208の左中右の各図柄表示領域208a〜cに表示される一つの装飾図柄の停止図柄態様(同図(b)参照)は、装飾図柄(同図(b)参照)の方が大きい。
図5(c)は普図の停止図柄態様(第2の図柄態様)の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当り図柄である「普図A」と、はずれ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口228を球が通過したことを球検出センサであるゲートセンサが検出したことに基づいて、普図表示装置210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」(普図変動遊技)を行う。そして、変動時間が経過した後に、当り図柄である「普図A」とはずれ図柄である「普図B」の内のいずれか一方の図柄を停止表示する。この図5(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
以下、この「普図の変動表示」を開始してから普図の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を普図の変動停止表示と称することがある。普図表示装置210は補助図柄報知手段の一例に相当する。
<主制御部メイン処理>
次に、図6(a)を用いて、図4に示す主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示す主制御部300のRAM308には、特図1判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、特図2判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、特図1判定用乱数カウンタ、特図2判定用乱数カウンタ、変動タイマ種別乱数カウンタ、およびタイマ番号決定用乱数カウンタの各カウンタが設けられている。また、そのRAM308には、特図1および特図2ごとに、保留数、大当り判定用乱数値、特図判定用乱数値、当否事前判定結果、特図事前判定結果、当否判定結果、特図決定結果、および特図タイマ決定結果それぞれが記憶される。加えて、RAM308には、特図1および特図2のうち特図1に限って、変動タイマ種別情報も記憶される。さらにRAM308には、当否判定(抽選)の開始を保留することができる最大数(この例では4つ)の領域に区分けされた特図の保留記憶部が特図1と特図2で別々に用意されている。特図1の保留記憶部には、特図1大当り判定用乱数値、特図1判定用乱数値、および変動タイマ種別乱数値の3つの乱数値を1セットにしてこれら3つの乱数値が入賞順(保留順)に1セットずつ1領域ごとに格納される。また、特図2の保留記憶部には、特図2大当り判定用乱数値、特図2判定用乱数値、および変動タイマ種別乱数値の3つの乱数値を1セットにしてこれら3つの乱数値が入賞順(保留順)に1セットずつ1領域ごとに格納される。
上述したように、図4に示す主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図6に示す主制御部メイン処理を実行する。
ステップS101では、初期化処理を行う。この初期化処理では、まず、初期設定1として、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、およびWDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。次に、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する(以下、この処理をWDT処理と称する)。WDT処理に続いて、ステップS101の初期化処理では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源制御部660が第2副制御部500を介して主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはWDT処理に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)には初期設定2を行う。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105は繰り返し実行される。初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
次いで、ステップS103では、割り込み禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。ここでの基本乱数初期値更新処理では、特図判定用乱数カウンタそれぞれの初期値を生成するための2つの初期値生成用カウンタを更新する。この基本乱数初期値更新処理の終了後にステップS105に進む。
ステップS105では、演出乱数更新処理を行う。主制御部300のRAM308には、特図用および普図用それぞれのタイマ番号決定用乱数カウンタが設けられており、これらのカウンタはいずれも、0から255の範囲の値を取り得るタイマ番号決定用乱数値を生成する。ステップS105では、このカウンタの値を更新する。この演出乱数更新処理の終了後に割り込み許可の設定を行ってステップS103に戻る。
主制御部300は、所定の周期(例えば4ms)ごとに開始するタイマ割り込み処理を行っている間を除いて、ステップS103およびS105の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図6(b)を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。図6(b)は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示す主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約4msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。なお、このタイマ割込処理スタート時には、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避したり、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行ったりする。
まず、ステップS201では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種の球検出センサを含む図4に示す各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、このステップS201では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、上述のステップS205では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図4に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、第1特図始動口230、および第2特図始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口226、234やこれらの始動口230、232、228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
基本乱数初期値更新処理(ステップS203)では、特図1判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタの値を0〜255の範囲で更新し、続く基本乱数更新処理(ステップS205)では、特図1判定用乱数カウンタの値、および特図2判定用乱数カウンタの値それぞれを0〜255の範囲で更新し、特図1判定用乱数カウンタが1周するごとに、その生成用カウンタの値を、特図1判定用乱数カウンタにセットする。また、特図2判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタおよび特図2判定用乱数カウンタも、特図1のそれらと同様に処理する。
ステップS207では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、第1特図表示装置212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、第2特図表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
続いて、入賞判定処理(ステップS209)を行う。
図7は、図6(b)に示す入賞判定処理(ステップS209)の流れを示すフローチャートである。
まず、第1特図始動口230に関する処理を行う。図7に示すステップS209aでは、第1特図始動口230への入賞があったか否かを判定する。ここでは、図6に示すステップS201における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。入賞があった場合にはステップS209bに進み、入賞がなかった場合にはステップS209gに進む。主制御部300のRAM308には特図1保留数記憶領域が設けられている。特図1保留数記憶領域は、特図1の当否判定が未だ行われていない未判定回数を、所定の上限回数(ここでは4)まで記憶する第1の未判定回数記憶手段の一例に相当する。ステップS209bでは、RAM308の特図1保留数記憶領域を参照し、保留している特図1変動遊技の数が所定の上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定し、所定数未満の場合はステップS209cに進む。
ステップS209cでは、所定の始動情報を取得する。すなわち、このステップS209cでは、所定の始動情報として、特図1大当り判定用乱数値、特図1判定用乱数値、および変動タイマ種別乱数値を取得する。特図1大当り判定用乱数値は、図4に示す乱数値生成回路318の、第1特図始動口230に対応した乱数値記憶用レジスタから取得した値を加工した値(例えば、取得した値+Rレジスタの値+1)である。一方、特図1判定用乱数値は、RAM308に設けられた特図1判定用乱数カウンタから導出されたソフトウェア乱数を加工した値(ソフトウェア乱数の値+Rレジスタの値+1)であり、変動タイマ種別乱数値も、RAM308に設けられた変動タイマ種別乱数カウンタから導出されたソフトウェア乱数を加工した値(ソフトウェア乱数の値+Rレジスタの値+1)である。図4に示す乱数値生成回路318の、第1特図始動口230に対応した乱数値記憶用レジスタ、RAM308に設けられた、特図1判定用乱数カウンタおよび変動タイマ種別乱数カウンタ、ならびに乱数加工を施す主制御部300を併せたものが、第1の始動情報導出手段の一例に相当する。さらに、このステップS209cでは、RAM308に設けた特図1保留数記憶領域の値を更新する。すなわち、特図1保留数記憶領域の値に1を加算し、特図1の保留数が1増加する。したがって、主制御部300のCPU304が第1保留手段の一例に相当する。ステップS209cの実行が終了すると、ステップS209dに進む。
一方、保留している特図1変動遊技の数が所定数以上の場合は、ステップS209gに進み、RAM308の特図1保留数記憶領域の値に1を加算することは行われない。
ステップS209dでは、RAM308に設けた特図1の保留記憶部の、入賞順(保留順)に応じた空いている領域に、ステップS209cで取得した特図1大当り判定用乱数値、特図1判定用乱数値、および変動タイマ種別乱数値を、1セットの始動情報として記憶する。この特図1の保留記憶部は、第1特図始動口230(固定始動領域)に遊技球が進入したことに基づいて導出された始動情報を所定の第1上限数(ここでは4個)まで記憶可能な第1始動情報記憶部の一例に相当する。このとき1セットの始動情報をRAM308に設けた一時領域に一旦記憶し、その一時領域に記憶された値を特図1の保留記憶部に記憶してもよく、この場合、一時領域を第1始動情報記憶部としてもよいし、特図1の保留記憶部および一時領域を第1始動情報記憶部としてもよい。
ステップS209dに続いて実行されるステップS209eでは、RAM308に設けた送信情報記憶領域に、特図変動遊技の保留の増加(特図保留増加)を示す情報を追加記憶し、ステップS209fでは、送信用情報として特図1を示す情報を追加記憶する。後述するコマンド設定送信処理(図6(b)に示すステップS215)で実行される一般コマンド回転開始設定送信処理では、この送信情報記憶領域に記憶された特図1についての保留増加を示す情報を参照することにより、図柄変動開始コマンドを前回送信してから今回送信するまでの間(後述する特図1関連抽選処理において前回抽選してから今回抽選するまでの間)に増加した第1特図変動遊技の保留数を得ることができる。
次に、第2特図始動口232に関する処理を行う。図7に示すステップS209gからステップS209lまでの各ステップは、上述のステップS209aからステップS209fまでの各ステップにおける「第1」を「第2」に読み替えるとともに「特図1」を「特図2」に読み替えたステップと同一である。ここでは、保留に関する事項を中心に説明し、他の事項についての説明は省略する。
主制御部300のRAM308には特図2保留数記憶領域も設けられており、この特図2保留数記憶領域は、特図2の当否判定が未だ行われていない未判定回数を、所定の上限回数(ここでは4)まで記憶する第2の未判定回数記憶手段の一例に相当する。ステップS209hでは、RAM308の特図2保留数記憶領域を参照し、保留している特図2変動遊技の数が所定の上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定し、所定数未満の場合はステップS209iに進む。
ステップS209iでは、特図2大当り判定用乱数値、特図2判定用乱数値、および変動タイマ種別乱数値を取得するとともに、RAM308に設けた特図2保留数記憶領域の値を更新する。特図2大当り判定用乱数値は、図4に示す乱数値生成回路318の、第2特図始動口232に対応した乱数値記憶用レジスタから取得した値を加工した値(例えば、取得した値+Rレジスタの値+1)である。一方、特図2判定用乱数値は、RAM308に設けられた特図2判定用乱数カウンタから導出されたソフトウェア乱数を加工した値(ソフトウェア乱数の値+Rレジスタの値+1)であり、変動タイマ種別乱数値も、RAM308に設けられた変動タイマ種別乱数カウンタから導出されたソフトウェア乱数を加工した値(ソフトウェア乱数の値+Rレジスタの値+1)である。乱数値生成回路318の、第2特図始動口232に対応した乱数値記憶用レジスタ、RAM308に設けられた、特図2判定用乱数カウンタおよび変動タイマ種別乱数カウンタ、ならびに乱数加工を施す主制御部300を併せたものが、第2の始動情報導出手段の一例に相当する。
ステップS209jでは、RAM308に設けた特図2の保留記憶部に、ステップS209iで取得した特図2大当り判定用乱数値、特図2判定用乱数値、および変動タイマ種別乱数値を1セットの始動情報として記憶する。この特図2の保留記憶部は、第2特図始動口232(可動始動領域)に遊技球が進入したことに基づいて導出された始動情報を所定の第2上限数(ここでは4個)まで記憶可能な第2始動情報記憶部の一例に相当する。
第2特図始動口232に関する処理が終了すると、今度は、普図始動口228および可変入賞口234に関する処理を行う。まず、普図始動口228に関する処理では、普図始動口228への入賞があったか否かを判定する(ステップS209m)。ここでも、上述のステップS201における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。入賞があった場合にはステップS209nに進み、入賞がなかった場合にはステップS209rに進む。ステップS209nでは、RAM308に設けた普図保留数記憶領域を参照し、保留している普図変動遊技の数が所定数(本実施形態では2)未満であるか否かを判定し、所定数未満の場合はステップS209qに進む。一方、所定数以上の場合は、ステップS209rに進む。
ステップS209qでは、後述するコマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド普図保留増加設定処理を実行させるために、RAM308に設けた送信情報記憶領域に、普図保留増加を示す情報を送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
次に、可変入賞口234に関する処理を行う。まず、ステップS209rでは、可変入賞口234への入賞があったか否かを判定する。ここでも、ステップS201における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。入賞があった場合にはステップS209sに進み、入賞がなかった場合には図6(b)に示す主制御部タイマ割り込み処理に復帰する。
主制御部300のRAM308には、可変入賞口用の入賞記憶領域も設けられている。ステップS209sでは、RAM308に設けた可変入賞口用の入賞記憶領域に、可変入賞口234に球が入球したことを示す情報を格納する。
ステップS209tでは、後述するコマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド可変入賞口入賞処理を実行させるために、RAM308に設けた送信情報記憶領域に、可変入賞口入賞を示す情報であるDHを送信情報(コマンド種別)として追加記憶した後、図6(b)に示す主制御部タイマ割り込み処理に復帰する。
また、この入賞判定処理(ステップS209)が終了すると特図先読み処理が呼び出される。
図8は、主制御部300のCPU304が実行する特図先読み処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS221では、特図2の始動情報の増加があったか否か、すなわちRAM308に設けた保留記憶部に、特図2についての始動情報(1セット分の乱数値である特図2大当り判定用乱数値、特図2判定用乱数値、および変動タイマ種別乱数値)が追加されたか否かを判定し、増加していれば(追加されていれば)、増加した特図2の始動情報を先読みして特図2の停止図柄を事前判定する(ステップS222)。このステップS222では、まず、特図2の保留記憶部が始動情報を記憶したタイミングに応じてその特図2の保留記憶部からその始動情報を先読みする。なお、ここでの先読みとは始動情報を当否判定(本抽選)の前に先に読むことを意味するが、以降の説明では、先読みという言葉を、先(当否判定(本抽選)の結果等)を読むという意味で使用することがある。ステップS222を実行する主制御部300のCPU304は、特図2の保留記憶部(第2の始動情報記憶部)に記憶されている始動情報を、当該始動情報に基づく当否判定(後述するステップS213における特図2関連抽選処理)が行われる前に先読みする第2の始動情報先読手段の一例に相当する。次いで、将来行われる特図2関連抽選処理における当否判定結果と停止する図柄を、先読みした始動情報に基づいて図9(a)および(b)に示す判定テーブルを用いて事前に判定する。
図9(a)は、特図先読み処理で用いられる当否事前判定用テーブルを示す図であり、同図(b)は、同じく特図先読み処理で用いられる特図事前判定用テーブルを示す図である。これらのテーブルは、主制御部300のROM306に記憶されている。
本実施形態のパチンコ機100では、大当りに当選する確率が相対的に低い特図低確率状態と、相対的に高い特図高確率状態のいずれか一方の制御状態にある。特図高確率状態であることは確率変動中と呼ばれる。主制御部300のRAM308には、確変フラグが用意されている。この確率変動フラグがオンに設定されていると、特図高確率状態(確率変動中)であり、確率変動フラグがオフに設定されていると、特図低確率状態である。
図9(a)に示す当否事前判定用テーブルには、特図高確率状態と特図低確率状態とに分けて乱数範囲が規定されている。まず、特図2大当り判定用乱数値を先読みし、その特図2大当り判定用乱数値が、図9(a)に示す当否事前判定用テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかについて判定する。すなわち、RAM308に用意された確変フラグを参照し、特図低確率状態の場合には、先読みした特図2大当り判定用乱数値が、1000〜1217であるときには、特図2当否事前判定結果は「大当り」と判定し、3000〜4092であるときには、特図2当否事前判定結果は「小当り」と判定し、それ以外(0〜999,1218〜2999,4093〜65535)であるときには、特図2当否事前判定結果は「ハズレ」と判定する。また、確変フラグを参照し、特図高確率状態の場合には、先読みした特図2大当り判定用乱数値が、1000〜2638であるときには、特図2当否事前判定結果は「大当り」と判定し、3000〜4092であるときには、特図2当否事前判定結果は「小当り」と判定し、それ以外(0〜999,2639〜2999,4093〜65535)であるときには、特図2当否事前判定結果は「ハズレ」と判定する。なお、後述する特図2関連処理(図6(b)に示すステップS213)でも、図9(a)に示す当否事前判定用テーブルの内容と同じ内容の当否判定用テーブルを用いて特図2変動遊技の当否判定を改めて行い、ここでの判定結果は、あくまで事前判定の結果である。ステップS222を実行する主制御部300のCPU304は、当否判定の結果が特定の当否判定結果(大当りの判定結果)になるか否かを、ここで先読みした始動情報に基づいて、当該始動情報に基づく当否判定(特図2関連抽選処理)が行われる前に事前判定する第2の当否事前判定手段の一例にも相当する。
特図2当否事前判定結果が、「大当り」あるいは「ハズレ」の場合には、RAM308に設けられた特図2の保留記憶部内の特図2判定用乱数値(取り得る数値範囲は0〜255)を先読みし、その特図2判定用乱数値が図9(b)に示す特図事前判定用テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかについて判定する。図9(b)に示す特図事前判定用テーブルには、特図事前判定結果として、図5(a)に示す大当り図柄1〜5と、ハズレ図柄1および2それぞれに対応した乱数範囲が規定されている。特図2当否事前判定結果が「大当り」の場合には、特図2の特図事前判定結果を、先読みした特図2判定用乱数値が0〜153であるときには「大当り図柄1」と判定し、154〜204であるときには「大当り図柄2」と判定し、205〜217であるときには「大当り図柄3」と判定し、218〜228であるときには「大当り図柄4」と判定し、229〜255であるときには「大当り図柄5」と判定する。また、特図2当否事前判定結果が「ハズレ」の場合には、特図2の特図事前判定結果を、先読みした特図2判定用乱数値が0〜229であるときには「ハズレ図柄1」と判定し、230〜255であるときには「ハズレ図柄2」と判定する。なお、図5(a)を用いて説明したように、小当り図柄は「特図F」の1種類しかないため、特図2当否事前判定結果が「小当り」の場合には、特図2の停止図柄の事前判定は行わない。また、ここでの判定結果も、あくまで事前判定の結果であり、特図の停止図柄の判定も後述する特図2関連処理(図6(b)に示すステップS213)において改めて行われる。
ステップS222に続くステップS223では、変動タイマ種別を、先読みした始動情報に基づいて図9(c)に示す判定テーブルを用いて事前に判定する。
図9(c)は、特図先読み処理で用いられる変動タイマ種別事前判定用テーブルを示す図である。この変動タイマ種別事前判定用テーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。
ここにいう変動タイマ種別とは、特図の変動停止表示に合わせて図柄変動する装飾図柄の変動態様の種類を表すものである。すなわち、変動タイマ種別は、特図の変動表示が開始されてから終了するまでの間に装飾図柄表示装置208に表示される演出の態様の種類を表すものであり、特図の変動時間を表すものと見ることもできる。ここでは、変動タイマ種別として、リーチなし、ノーマルリーチ、スーパーリーチが用意されている。ノーマルリーチとは、一般に2つの図柄表示領域(例えば、図3に示す左右図柄表示領域208a、208c)が等しい装飾図柄を停止表示し、残りの1つの図柄表示領域(例えば中図柄表示領域208b)が変動表示している状態のこと、すなわち、変動表示している図柄表示領域が特定の図柄(停止表示している図柄表示領域と等しい図柄)を停止表示すれば所定の大当り図柄の組合せ(図5(b)に示す“装飾図柄の組合せ1”や“装飾図柄の組合せ2”)を停止表示することとなる状態のことである。スーパーリーチは、ノーマルリーチにさらに特殊な変動表示等を加味して演出効果を向上させたもの(ロングリーチ、ノーマル逆転リーチ、ダブルラインリーチ等)である。なお、リーチにはこの他、特別マルチラインリーチ、全回転リーチ、特別全回転リーチ等のスペシャルリーチもあり、単にリーチというときには、ノーマルリーチとスーパーリーチとスペシャルリーチを含んだ装飾図柄の変動パターンを意味する。このリーチは、特図関連処理(S213)の当否判定(本抽選)の結果が特定の当否判定結果(大当りの判定結果)になることを、その当否判定を行った後であってその当否判定の結果を報知する前に遊技者に事前に報知する予告演出であり、リーチを行うか否かは、その当否判定を行った後に決定される。詳しくは後述するように、リーチなしは、特図の変動時間が相対的に短く、スーパーリーチは特図の変動時間が相対的に長く、ノーマルリーチは特図の変動時間がリーチなしとスーパーリーチの間の時間になる。
図9(c)に示す変動タイマ種別事前判定用テーブルには、ステップS222で得た事前判定結果がハズレであった場合と、大当りあるいは小当りであった場合とに分けて乱数範囲が規定されている。ステップS223では、特図2の始動情報に含まれている変動タイマ種別乱数値(取り得る範囲は0〜255)を先読みし、当否事前判定結果がハズレであった場合には、特図2の変動タイマ種別事前判定結果を、先読みした変動タイマ種別乱数値が0〜84であるときには「リーチなし」と判定し、85〜169であるときには「ノーマルリーチ」と判定し、170〜255であるときには「スーパーリーチ」と判定する。一方、当否事前判定結果が大当りあるいは小当りであった場合には、特図2の変動タイマ種別事前判定結果を、先読みした変動タイマ種別乱数値が0〜127であるときには「ノーマルリーチ」と判定し、128〜255であるときには「スーパーリーチ」と判定する。すなわち、当否事前判定結果が大当りあるいは小当りであった場合には、「リーチなし」は選択されず、リーチは必ず行われる。ただし、後述する特図2関連処理(図6(b)に示すステップS213)でも、図9(c)に示す変動タイマ種別事前判定用テーブルの内容と同じ内容の変動タイマ種別判定用テーブルを用いて特図2変動遊技の変動タイマ種別判定を改めて行い、ここでの判定結果は、あくまで事前判定の結果である。ステップS222を実行する主制御部300のCPU304は、図柄の変動表示態様を、ここで先読みした始動情報に基づいて、当該始動情報に基づく当否判定(特図2関連抽選処理)が行われる前に事前判定する第2の変動表示態様事前判定手段の一例にも相当する。
ステップS223に続くステップS224では、ステップS222で得た特図2の停止図柄情報(特図2事前判定結果)と、ステップS223で得た変動タイマ種別事前判定結果を、RAM308に用意された特図2事前判定結果記憶領域に記憶する。一方、ステップS221における判定で増加していなければステップS225に進み、特図2の始動情報の先読みや事前判定は行わない。
ステップS225では、今度は、特図1の始動情報の増加があったか否か、すなわちRAM308に設けた保留記憶部に、1セット分の乱数値である、特図1大当り判定用乱数値、特図1判定用乱数値、および変動タイマ種別乱数値が追加されたか否かを判定し、増加していれば(追加されていれば)、大当り遊技状態中であるか否かを判定する(ステップS226)。大当り遊技中でなければ、今度は、現在の制御状態が電サポ状態であるか否かを、RAM308に用意された、時短フラグを参照して判定し(ステップS227)、現在の制御状態が非電サポ状態であれば(時短フラグがオフ状態であれば)、ステップS228に進む。
このステップS228では、まず、増加した特図1の始動情報のうちの特図1大当り判定用乱数値を先読みする。すなわち、特図1の保留記憶部(第1の始動情報記憶部)が始動情報を記憶したタイミングに応じてその特図1の保留記憶部からその始動情報を先読みする。ここで先読みする主制御部300のCPU304は、特図1の保留記憶部(第1の始動情報記憶部)に記憶されている始動情報を、当該始動情報に基づく当否判定(後述するステップS213における特図1関連抽選処理)が行われる前に先読みする始動情報先読手段の一例に相当する。ステップS228でも、先のステップS222と同様に、現在の制御状態が特図確変ありの状態か否かに基づいて、図9(a)に示す判定テーブルを用いて特図1の当否判定の事前判定を行い、次いで、特図1判定用乱数値を先読みし、その当否事前判定結果に基づいて、図9(b)に示す判定テーブルを用いて特図1停止図柄態様の事前判定を行う。こうすることで、特図1当否事前判定結果および特図1の特図事前判定結果を得る。なお、ここでの判定結果も、あくまで事前判定の結果であり、特図1関連抽選処理(図6(b)に示すステップS213)でも別途、特図1の当否判定および停止図柄の判定を行う。ステップS227を実行する主制御部300のCPU304は、当否判定の結果が特定の当否判定結果になるか否かを、ここで先読みした始動情報に基づいて、当該始動情報に基づく当否判定(特図1関連抽選処理)が行われる前に事前判定する当否事前判定手段の一例にも相当する。
ステップS228に続くステップS229では、特図1の始動情報に含まれている変動タイマ種別乱数値(取り得る範囲は0〜255)を先読みし、先のステップS223と同様にして変動タイマ種別の事前判定を行う。すなわち、ここでも図9(c)に示す判定テーブルを用い、ステップS227で得た特図1事前判定結果に応じて、先読みした変動タイマ種別乱数値が属する乱数範囲の変動タイマ種別を変動タイマ種別事前判定結果として得る。このステップS229において変動タイマ種別乱数値を先読みするCPU304も、始動情報先読手段の一例に相当し、変動タイマ種別の事前判定を行うCPU304は、図柄の変動表示態様を、ここで先読みした始動情報に基づいて、当該始動情報に基づく当否判定(特図1関連抽選処理)が行われる前に事前判定する変動表示態様事前判定手段の一例に相当する。
ステップS229に続くステップS230では、ステップS228で得た特図1の停止図柄情報(特図1事前判定結果)と、ステップS229で得た変動タイマ種別事前判定結果を、RAM308に用意された特図1事前判定結果記憶領域に記憶し、図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理に復帰する。
一方、ステップS225における判定で増加していなければ図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理に復帰し、特図1の始動情報の先読みや事前判定は行わない。また、ステップS226において大当り遊技中であった場合、および現在の制御状態が電サポ状態(時短フラグがオン状態)であった場合にも、特図1の始動情報の先読みや事前判定は行わず、これらの場合には、今回増加した特図1の始動情報に基づく停止図柄や変動タイマ種別の事前判定が行われていないことを表す「未判定」情報を、特図1事前判定結果記憶領域に記憶し(ステップS231)、図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理に復帰する。
なお、本実施形態では、始動情報自体の先読みも行わないが、先読みは行って事前判定は行わない態様であってもよく、さらには、先読みおよび事前判定は行うが、後述するようにその結果を主制御部300から第1副制御部400へ送らない態様であってもよい。
図10(a)は、主制御部300のRAM308における特図1事前判定結果記憶領域に事前判定情報が記憶されている一例を示す図である。
図10(a)に示すように、特図1事前判定結果記憶領域3081は最大保留数に応じた4つの領域に区分けされ、さらに、この図10(a)では、図8に示すステップS222で事前判定した特図1の停止図柄情報(特図1事前判定結果)を格納する領域と、ステップS223で事前判定した変動タイマ種別事前判定結果を格納する領域が分けられている。
図10(a)に示す特図1事前判定結果記憶領域3081には、保留3つ分の情報が記憶されており、最も新しい保留(保留3)に対応した領域に、大当り図柄1を表す情報とスーパーリーチを表す情報が格納されている。
図10(b)は、主制御部300のRAM308における特図2事前判定結果記憶領域に事前判定情報が記憶されている一例を示す図である。
図10(b)に示す特図2事前判定結果記憶領域3082にも、保留3つ分の情報が記憶されており、これら3つの保留に対応した領域にはいずれも、ハズレ図柄1を表す情報が格納されており、古い2つの保留(保留1,2)では変動タイマ種別がスーパーリーチになることを表す情報が格納され、最も新しい保留(保留3)ではリーチなしになることを表す情報が格納されている。
図10(c)は、電サポ中の特図1事前判定結果記憶領域3081の一例を示す図である。
図10(c)に示す特図1事前判定結果記憶領域3081には、保留2つ分の情報が記憶されており、これら2つの保留に対応した領域にはいずれも、図8に示すステップS231における未判定情報が記憶されている。すなわち、ステップS222で事前判定した特図1の停止図柄情報(特図1事前判定結果)を格納する領域にも、ステップS223で事前判定した変動タイマ種別事前判定結果を格納する領域にも、未判定情報が記憶されている。
図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理では、ステップS209の入賞判定処理に続いて普図関連処理を行う(ステップS211)。この普図関連処理では、まず、普図状態更新処理として、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における処理では、普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における処理では、当り図柄(図5(c)に示す普図A)およびハズレ図柄(図5(c)に示す普図B)のいずれか一方の表示態様となるように普図表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、ここでの普図関連処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は、当り図柄およびハズレ図柄のいずれか一方の図柄態様の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば0.6秒間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を必ず設定する。この設定により、確定表示された当り図柄が所定期間、必ず停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
また、上記所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図関連処理では、電サポ状態であれば、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(本実施形態では6秒間)、第2特図始動口232の羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材2321を開放状態に保持する信号を必ず出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を必ず設定する。このようにして一対の羽根部材2321の開放制御を行う主制御部300のCPU304が、可変始動領域制御手段の一例に相当する。一方、非電サポ状態であれば、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定するとともに、第2特図始動口232の羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)には、何ら信号を出力しない。こうすることで、羽根部材2321は閉じた状態のままになる。なお、羽根部材2321を閉じた状態に維持するための信号を必ず出力するようにしてもよい。
また、電サポ状態であった場合には、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する処理では、所定の閉鎖期間(例えば0.1秒間)、羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材2321を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、電サポ状態であった場合には、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図関連処理において、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果がハズレであれば、後述するように、普図ハズレフラグがオンされる。この普図ハズレフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図関連処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図関連処理では、何もせずに次のステップS223に移行するようにしている。
続いて、この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口232の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定を行い、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理では、以上説明したステップS211の普図関連処理に続いて特図関連処理(ステップS213)を行う。この特図関連処理では、まず最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う。この特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、第2特図表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、第2特図表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。
また、特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、後述する特図関連抽選処理における特図決定結果(特図の停止図柄態様)に基づいて第2特図表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。 この制御を行うことで、第2特図表示装置214は、図5(a)に示す各種図柄(特図A〜H)のうちのいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた電サポ回数記憶部に値がセットされている場合には、その値が1以上であれば、その値から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図高確率状態でなければ、時短フラグをオフする。さらに、大当り遊技中にも、時短フラグをオフする。すなわち、主制御部300のCPU304は、大当り遊技状態中(第2の制御状態中)である場合に、非電サポ状態(第一の進入率制御状態)にする。
また、後述するコマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に4Hを送信情報(一般情報)として追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、特図2変動遊技の開始時に大当りフラグがオンされている。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に5Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで。)図3に示す可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材2341を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に7Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材2341を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に8Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、この扉部材2341の開放・閉鎖制御を所定回数(例えば15ラウンドや2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。
以上説明したように、主制御部300のCPU304は、大当り遊技状態中(第2の制御状態中)に、可変入賞口234の扉部材2341の開閉状態の変化制御を行う可変入賞制御手段の一例に相当する。なお、主制御部300のROM306には、可変入賞口234の扉部材2341の開閉パターンが記憶されており、主制御部300のCPU304は、そのROM306から、特図変動遊技の当否判定に応じた開閉パターンを取得する。
また、主制御部300のRAM308には時短フラグの他に確変フラグも用意されており、主制御部300のCPU304は、特図決定結果が表す停止図柄態様に基づいて、大当り遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた確変フラグや時短フラグをオンに設定する。すなわち、主制御部300のCPU304は、特図決定結果が大当り図柄1〜3である場合には確変フラグと時短フラグの双方をオンに設定する。なお、特図決定結果が大当り図柄2である場合には、時短フラグをオンに設定するとともにRAM308に設けられた電サポ回数記憶部に電サポ回数100回をセットする。確率フラグがオンに設定されていると、特図高確率状態(確率変動中)であり、大当り遊技終了後に大当りに当選する確率が高くなっている状態(特図高確率状態)である。一方、確率フラグがオンに設定されていない(オフに設定されている)と、特図低確率状態である。したがって、確率変動フラグの設定状態は、当否判定(特図の抽選)の結果に影響を与える。また、時短フラグがオンに設定されていると電サポ状態であり、電チューが開きやすい(例えば当りやすい)、一回の当りに基づく開放時間が長い、一回の当りに基づく開放回数が多いなど上記可変始動領域制御が遊技者に有利になるように行われる。反対に、時短フラグがオフに設定されていると非電サポ状態であり、上記可変始動領域制御が遊技者に不利になるように行われる。したがって、時短フラグの設定状態は、上記可変始動領域制御にも影響を与える。よって、確変フラグおよび/または時短フラグの設定状態を表す情報は、遊技制御情報の一例に相当し、主制御部300のCPU304は遊技制御情報決定手段の一例に相当する。
また、本実施形態では、後述する特図関連抽選処理における特図決定結果(特図の停止図柄態様)で特図決定結果が大当り図柄2に決定されていれば、主制御部300のCPU304は、RAM308に設けられた電サポ回数記憶部に電サポ回数100回をセットするともに、RAM308に設けられた時短フラグをオンする。主制御部300のCPU304は、遊技球の、第2特図始動口232(可変始動領域)への進入のしやすさ(進入率)を制御した状態である進入率制御状態を、第一の進入率制御状態である非電サポ状態と第二の進入率制御状態である電サポ状態との間で変化させる進入率変化手段の一例に相当する。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に6Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。さらに、特図2変動遊技の結果がハズレであれば、ハズレフラグがオンされる。このハズレフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次の処理に移行するようにしている。
続いて、特図関連処理では、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
特図2状態更新処理および特図1状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。この特図関連抽選処理では、抽選(当否判定)の実行、停止表示する特図の決定、および変動タイマ種別の決定を行う。特図関連抽選処理を実行する主制御部300のCPU304が当否判定手段の一例に相当する。この特図関連抽選処理では、まず、所定の当否判定禁止条件が不成立であるか否かの判定を行う。ここでは、第2特図表示装置214が特図変動表示中であるか、または停止表示中であるか否かを判定し、いずれかの表示中である場合には主制御部タイマ割り込み処理に戻り、いずれの表示中でもない場合には、特図作動中に設定されているか特図非作動中に設定されているかを判定し、特図作動中に設定されていれば主制御部タイマ割り込み処理に戻り、特図非作動中に設定されていれば、当否判定禁止条件が不成立であったことになり、今度は、所定の当否判定条件が成立しているか否かの判定を行う。ここでの判定は、RAM308に設けた特図2の保留記憶部を参照し、特図2変動遊技の保留数が0より大きいか否かを判定する。保留数が0であれば、主制御部タイマ割り込み処理に戻り、1以上であれば、所定の当否判定条件が成立していることになり、RAM308に設けられた保留記憶部から、最も過去に格納した始動情報である1セット分の乱数値(大当り判定用乱数値、特図判定用乱数値、および変動タイマ種別乱数値)を取り出し、その保留記憶部にまだ格納されている始動情報(乱数値のセット)を、今記憶されている領域から隣の領域に移し替える。すなわち、最も過去に格納した始動情報を保留記憶部から取り出し、さらに保留記憶部に始動情報が格納されていれば、N番目に古い始動情報を保留記憶部におけるN−1番目に古い始動情報として設定したことになる。また、RAM308に記憶している保留数を1減算する。RAM308の保留記憶部から1セット分の乱数値(大当り判定用乱数値、特図判定用乱数値、および変動タイマ種別乱数値)を取り出す処理を行う主制御部300のCPU304が、始動情報取得手段の一例に相当する。
特図関連抽選処理では、最初に特図2についての処理(特図2関連抽選処理)が行われ、その後、特図1についての処理(特図1関連抽選処理)が行われる。このように、主制御部300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、同じタイミング(所定の契機で開始した主制御部タイマ割込処理における入賞判定処理S209)で第1特図始動口230に遊技球が進入したことに基づいて始動情報を取得し、かつ第2特図始動口232に遊技球が進入したことに基づいて始動情報を取得した場合や、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合や、特図2変動遊技の開始条件と特図1変動遊技の開始条件の両方が成立している場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。すなわち、第2特図始動口232への入賞に基づく抽選(特図2の当否判定)を、第1特図始動口230への入賞に基づく抽選(特図1の当否判定)よりも優先して行う。本実施形態のパチンコ機100では、第1の特別始動領域に遊技球が進入した場合に第1の乱数値記憶領域に乱数値を最大保留数まで格納し、第2の特別始動領域に遊技球が入賞した場合に第2の乱数値記憶領域に乱数値を最大保留数まで格納する入賞記憶部と、前記第1の乱数値記憶領域および前記第2の乱数値記憶領域の両方に乱数値が記憶されている場合に、前記第1の乱数値記憶領域に前記乱数値が記憶された時期および前記第2の乱数値記憶領域に前記乱数値が記憶された時期とは無関係に該第2の乱数値記憶領域に記憶されている乱数値に基づいて当否判定を行うとともに、前記第1の乱数値記憶領域に乱数値が記憶されておらず、かつ前記第2の乱数値記憶領域に乱数値が記憶されている場合には、該第2の乱数値記憶領域に記憶されている乱数値に基づいて当否判定を行い、前記第2の乱数値記憶領域に乱数値が記憶されておらず、かつ前記第1の乱数値記憶領域に乱数値が記憶されている場合には、該第1の乱数値記憶領域に記憶されている乱数値に基づいて当否判定を行う当否判定手段を備えている。また、第1特図表示装置212あるいは第2特図表示装置214による特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、主制御部300で行われ、第2特図始動口232への入賞に基づく抽選の結果報知が、第1特図始動口230への入賞に基づく抽選の結果報知よりも優先して行われ、抽選が行われていない始動情報として、特図1の始動情報と特図2の始動情報のうちの特図1の始動情報のみが残って鋳る状態で、特図2の始動情報が新たに記憶された場合には、新たに記憶された特図2の始動情報に基づく抽選の結果の報知が、既に記憶されていた特図1の始動情報に基づく抽選の結果の報知よりも先に行われる。
特図2関連抽選処理と特図1関連抽選処理との違いは、特図2の保留記憶部に記憶されている始動情報を用いるか、特図1の保留記憶部に記憶されている始動情報を用いるかの違いだけであり、以下の説明では、特図2と特図1を特に区別しないで説明する。
図11(a)は、特図関連抽選処理で用いられる当否決定用テーブルを示す図であり、同図(b)は、特図関連抽選処理で用いられる特図決定用テーブルを示す図である。これらのテーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。図11(a)に示す当否決定用テーブルの内容は図9(a)に示す当否事前判定用テーブルの内容と同じであり、図11(b)に示す特図決定用テーブルの内容は図9(b)に示す特図事前判定用テーブルの内容と同じである。
主制御部300のCPU304は、RAM308の保留記憶部から、始動情報すわなち1セット分の乱数値(大当り判定用乱数値、特図判定用乱数値、および変動タイマ種別乱数値)を取り出すと、まず、大当り判定用乱数値(取り得る数値範囲は0〜65535)が同図(a)に示す当否判定用テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかに基づいて、当否決定結果として「大当り」、「小当り」または「ハズレ」を導出する。この「大当り」、「小当り」または「ハズレ」を導出することが抽選(当否判定)に相当する。大当りの当選確率は、特図低確率状態では約1/300であるのに対して、特図高確率状態では1/40である。大当りは、所定の当否判定結果(第1の当否判定結果)の一例に相当する。
当否決定結果が、「大当り」の場合には、今度は、特図判定用乱数値(取り得る数値範囲は0〜255)が同図(b)に示す特図決定用テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかに基づいて、特図決定結果として「大当り図柄1」〜「大当り図柄5」を導出する。また、当否決定結果が、「ハズレ」の場合にも、特図判定用乱数値が同図(b)に示す特図決定用テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかに基づいて、特図決定結果として「ハズレ図柄1」または「ハズレ図柄2」を導出する。なお、当否判定結果が、「小当り」の場合には、小当り用の特図は1種類であるため判定は行わない。特図決定結果は、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214によって停止表示されることになる図柄を表す情報である。上述のごとく、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214に「大当り図柄1」や「大当り図柄3」が停止表示されると、その後に行われる大当り遊技終了後、次回大当りまで、確変状態と電サポ状態が維持される。一方、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214に「大当り図柄2」が停止表示されると、その後に行われる大当り遊技終了後、次回大当りまで確変状態は維持され、特図変動遊技が100回行われる間、電サポ状態は維持される。
図11(c)は、特図関連抽選処理で用いられる変動タイマ種別決定用テーブルを示す図である。この変動タイマ種別決定用テーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。
主制御部300のCPU304は、当否決定結果が得られると、その当否決定結果に応じて、変動タイマ種別乱数値(取り得る範囲は0〜255)が図11(c)に示す変動タイマ種別決定用テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかに基づいて、変動タイマ種別決定結果として「リーチなし」、「ノーマルリーチ」、または「スーパーリーチ」を導出する。「ノーマルリーチ」および「スーパーリーチ」のリーチ態様は、当否決定結果がいずれの結果であっても選択され得るものである。「リーチなし」「ノーマルリーチ」「スーパーリーチ」は変動表示態様の一例に相当し、主制御部300のCPU304は、複数種類用意された変動表示態様の中から装飾図柄表示手段208における装飾図柄の変動表示態様を、大当り判定用乱数値および変動タイマ種別乱数値に基づいて決定する変動表示態様決定手段の一例に相当する。なお、ここでは変動タイマ種別乱数値に基づき前記変動タイマ種別決定用テーブルを用いて変動タイマ種別を決定しているがこれに限らず、例えば所定の抽選により直接図12(b)に示すような特図変動時間を決定しても良い。
図12(a)は、主制御部300のROM306に記憶されているタイマ番号決定用テーブルを示す図である。
図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理における特図関連処理(ステップS213)では、図11(c)に示すテーブルを用いて変動タイマ種別決定結果が得られると、RAM308に設けられたタイマ番号決定用乱数カウンタから、0から255の範囲の値を取り得るタイマ番号決定用乱数を取得する。このタイマ番号決定用乱数の取得タイミングは、特図変動開始直前のタイミングであるが、始動情報を取得するタイミングであってもよい。
主制御部300のCPU304は、取得したタイマ番号決定用乱数に基づいて、図12(a)に示すタイマ番号決定用テーブルに規定されているタイマ番号を判定する。
タイマ番号は、第2特図表示装置214あるいは第1特図表示装置212が、図柄の変動を開始してから当否判定の結果を表す停止図柄を表示するまでの時間、すなわち特図の変動表示する時間(特図変動時間)を表すものであるが、装飾図柄の変動時間としてもよい。
図12(b)は、タイマ番号と特図変動時間の関係を示す図である。
タイマ1は特図変動時間が2秒になる短縮された変動時間になることを表す。なお、タイマ1に決定されることを特図変短と称することがある。タイマ2は特図変動時間が5秒になる短めの通常変動時間になることを表し、タイマ3は特図変動時間が10秒になる長めの通常変動時間になることを表す。タイマ1〜タイマ3では図3に示す装飾図柄表示装置208における装飾図柄の変動パターンはリーチなしになる。タイマ4は特図変動時間が15秒の変動時間になることを表し、タイマ4に決定されると装飾図柄表示装置208における装飾図柄の変動パターンは短めのノーマルリーチが選択される。タイマ5は特図変動時間が25秒の変動時間になることを表し、タイマ5に決定されると装飾図柄表示装置208における装飾図柄の変動パターンは長めのノーマルリーチが選択される。タイマ6は特図変動時間が30秒の変動時間になることを表し、タイマ6に決定されると装飾図柄表示装置208における装飾図柄の変動パターンはスーパーリーチAが選択される。タイマ7は特図変動時間が60秒の変動時間になることを表し、タイマ7に決定されると装飾図柄表示装置208における装飾図柄の変動パターンはスーパーリーチBが選択される。タイマ8は特図変動時間が90秒の変動時間になることを表し、タイマ8に決定されると装飾図柄表示装置208における装飾図柄の変動パターンはスーパーリーチCが選択される。
また、図12(a)に示すタイマ番号決定用テーブルにおいて規定されている特図の保留数は、第1特図始動口230への入球に基づくものと第2特図始動口232への入球に基づくものの合計値である。上述のごとく、本実施形態では、RAM308に設けられた保留記憶部から1セット分の乱数値(大当り判定用乱数値、特図判定用乱数値、および変動タイマ種別乱数値)を取り出したタイミングで保留数を1減算する関係から、保留数の最小値は0、最大値は7になる。
図12(a)に示すように、変動タイマ種別決定結果が「ノーマルリーチ」や「スーパーリーチ」であった場合には保留数に関係なく、タイマ番号が決定される。
図12に示すように、変動タイマ種別の表す装飾図柄の変動態様の種類と、決定されたタイマ番号に基づいて装飾図柄表示装置208において表示される装飾図柄の変動パターンとは一致している。
続いて、図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理におけるコマンド設定送信処理(ステップS215)について説明する。このコマンド設定送信処理では、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、RAMクリアコマンド、特図保留増加コマンド、普図保留増加コマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、特図停止図柄を表す情報、制御状態を表す情報(時短フラグおよび確変フラグの設定状態を表す情報)、上述のタイマ番号などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、制御状態を表す情報などを含み、当りラウンド数指定コマンドの場合であれば制御状態を表す情報、当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口230への入賞の有無、第2特図始動口232への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを含む。
また、上述の一般コマンド回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報、上述のタイマ番号、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している当りラウンド数、現在のラウンド数、制御状態を表す情報などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している現在のラウンド数、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
また、このステップS215では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、特図保留増加コマンドのコマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、制御状態を表す情報、特図1あるいは特図2事前判定結果記憶領域3081に記憶されている事前判定情報(停止図柄情報および変動タイマ種別事前判定結果、あるいは未判定情報)を設定する。
さらに、このステップS215では一般コマンド普図保留増加処理も行われる。この一般コマンド普図保留増加処理では、普図保留増加コマンドのコマンドデータに、制御状態を表す情報等を設定する。また、主制御部300から第1副制御部400には、普図絡みのコマンドとして、普図の変動表示が開始した(する)ことを表す普図変動開始コマンドも送信される。なお、主制御部300から第1副制御部400には、普図の変動表示が停止した(する)ことを表す普図変動停止コマンドや、一対の羽根部材2321が開放を開始した(する)ことを表す電チュー開放開始コマンドや、一対の羽根部材2321が閉鎖した(する)ことを表す電チュー閉鎖コマンドを送信するようにしてもよい。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。また、第1副制御部400では、コマンドに含まれている当りラウンド数と現在のラウンド数に基づき、当り全ラウンドが終了するまでの残りラウンド数を取得する。
また、このコマンド設定送信処理では、図4に示す払出制御部600にもコマンドを送信する。払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
次に、図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理では、外部出力信号設定処理(ステップS217)を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、図4に示す情報出力回路336を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。
ステップS219では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、上述のステップS201において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、前面枠扉開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。ここで設定したデバイス情報は基本コマンドに含められて、第1副制御部400に送信される。また、図4に示す各種ソレノイド332を駆動して第2特図始動口232や、可変入賞口234の開閉を制御したり、表示回路324、326、330を介して普通図柄表示装置210、第1特図表示装置212、第2特図表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。
ステップS219のデバイス監視処理が終了すると、図6(a)に示す主制御部メイン処理に復帰するが、復帰前には、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行う。また、復帰前に、低電圧信号がオンであるか否かを監視して、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)には、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行って、その後、主制御部メイン処理に復帰するようにしてもよい。
<第1副制御部400の処理>
図13を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、ステップS301の初期設定が実行される。この初期設定では、図4に示すI/Oポート410の初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。
ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS307では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、S307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。この演出制御処理についてはさらに詳しく後述する。
ステップS311では、図1に示すチャンスボタン136の押下を検出していた場合、ステップS309で更新した演出データをチャンスボタン136の押下に応じた演出データに変更する処理を行う。
ステップS313では、S309で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。
ステップS315では、S309で読み出した演出データの中に各種ランプ418の駆動回路420への命令がある場合には、この命令を駆動回路420に出力する。
ステップS317では、S309で読み出した演出データの中に演出可動体224の駆動回路422への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS319では、S309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、S303へ戻る。
次に、図13(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。図13(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS331では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶し、このコマンド受信割込処理が終了する。
次に、図13(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。図13(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
第1副制御部タイマ割込処理のステップS341では、図13(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
第1副制御部タイマ割込処理のステップS343では、ステップS319で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行い、このタイマ割込処理が終了する。
続いて、図13(d)を用いて、第1副制御部400のメイン処理における演出制御処理(ステップS309)について説明する。図13(d)は、第1副制御部400における演出制御処理の流れを示すフローチャートである。
この演出制御処理では、先読み報知処理を実行し(ステップS3091)、次いで、その他の演出関連処理を実行して(ステップS3092)、図13(a)に示す第1副制御部400のメイン処理に復帰する。
図13(e)は、同図(d)に示す先読み報知処理の流れを示すフローチャートである。
第1副制御部400のCPU404は、主制御部300から特図保留増加コマンドを受信すると、受信した特図保留増加コマンドに含まれている、特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)や、事前判定情報(停止図柄情報および変動タイマ種別事前判定結果、あるいは未判定情報)を取得する(ステップS3091a)。
次いで、先読み演出抽選処理を実行する(ステップS3091b)。
図14は、第1副制御部400のROM406に記憶されている先読み演出報知態様決定テーブルを示す図である。
ステップS3091bにおける先読み演出抽選処理では、RAM408に設けられた先読み演出決定用乱数カウンタから、0から65535の範囲の値を取り得る先読み演出決定用乱数を取得する。
第1副制御部400のCPU404は、取得した先読み演出決定用乱数に基づいて、図14に示す先読み演出報知態様決定テーブルに規定されている先読み演出報知態様を判定する。詳しくは後述するが、装飾図柄表示装置208における演出表示領域208dの左側で特図1についての先読み演出が行われ、右側で特図2についての先読み演出が行われる。先読み演出は、所定の図柄(ここでは人型の図柄)を表示することによって行われる予告演出の一種である。この先読み演出の報知態様には、ちょんまげをした人型の図柄(以下、「ちょんまげ柄」と称する)、赤色の人型の図柄(以下、「赤柄」と称する)、黄色の人型の図柄(以下、「黄柄」と称する)、青色の人型の図柄(以下、「青柄」と称する)、および半透明の人型の図柄 (以下、「半透明柄」と称するが用意されている。これらの人型の図柄は保留数を表す表示と兼ねている。すなわち、4体の人型の表示は、保留数が4つであることを表す。また、半透明の人型の図柄は、先読み演出が行われていないことを表す。なお、半透明の人型の図柄に代えて完全に透明な人型の図柄を表示するようにしてもよい。完全に透明な人型の図柄は、 表示されても遊技者には見えず、ここでは非表示のもの、すなわち先読み演出が行われていないものとして扱う。あるいは、完全な透明な人型の図柄を表示する処理に代えて、人型を表示する処理自体を行わないようにしてもよい。
また、ここで行う先読み演出は、当否判定結果が大当りであることを、当否判定前に遊技者に期待させる演出であり、偽の演出(大当りではないにも関わらず大当りと期待させる演出)も含まれており、報知態様は、演出の信頼度(大当りの確かさ)に応じて使い分けられる。ここでは、信頼度が最も高い報知態様は「ちょんまげ柄」であり、二番目に高い報知態様は「赤柄」、次いて「黄柄」であり、最も低い報知態様は「青柄」である。遊技者に、項略本等で報知態様ごとの信頼度を知っていてもらえば、先読み演出自体による興趣の向上に加えて、報知態様によるさらなる興趣の向上が期待できる。先読み演出は、本発明にいう事前予告報知の一例に相当し、「ちょんまげ柄」、「赤柄」、「黄柄」、「青柄」、および「半透明柄」は、本発明にいう第一の報知態様の一例に相当する。
本実施形態では、図14に示すように、事前判定結果の停止図柄がハズレの場合には、「ちょんまげ柄」は出現せず、変動タイマ種別が「スーパーリーチ」の場合を除いて、多くの場合は、先読み演出は行われない。図14でかっこ書きで示す数字は、選択確率を表す数字である。また、事前判定情報が未判定情報であった場合には、先読み演出と同じ人型による演出(以下、この演出を「先読関連演出」と称する)が約15%の確率で行われ、約85%の確率で先読み演出も先読関連演出も行われない。事前判定情報が未判定情報であった場合には、事前判定が行われていないことから、先読み演出を行ってしまうと、その先読み演出は信頼度が0%のものになってしまう。反対に、演出を一切行わないものとすると、遊技の興趣が著しく低下してしまう。そこで、本実施形態では、先読み演出の報知態様に関連した報知態様による先読関連演出を行う。この先読関連演出は、事前判定結果には基づかずに未判定情報が記憶されていることに基づいて行われる予告演出の一種である。未判定情報が記憶されているということは、始動情報が特図1の保留記憶部(第一の始動情報記憶部)に記憶されていることになり、言い換えれば、先読関連演出は、始動情報が特図1の保留記憶部(第一の始動情報記憶部)に記憶されていることに基づいて行われるものであり、事前演出の一例に相当する。ここでは、先読み演出に用意された複数種類の報知態様(「ちょんまげ柄」「赤柄」「黄柄」「青柄」「半透明柄」)のうち、一部の報知態様と同じ報知態様によって先読関連演出を行う。すなわち、先読関連演出はそもそも信頼度が0%であるため、先読み演出に用意された複数種類の報知態様のうち、信頼度が低めの報知態様と同じ報知態様によって先読関連演出を行う。なお、先読関連演出を頻繁に行うと、報知態様が先読み演出と関連している(ここでは同じである)ことから先読み演出自体の効果が低下してしまう恐れがある。このため、事前判定情報が未判定情報であった場合には、先読関連演出を行う(ここでは「黄柄」「青柄」の人型の表示を行う)確率と行わない(ここでは「半透明型」の人型の表示を行う)確率を異ならせている。より具体的には、先読関連演出を行う確率よりも行わない確率が高くなるようにして、遊技の興趣を高めている。ただし、先読関連演出を必ず行うようにしてもよい。先読関連演出は、本発明にいう事前演出の一例に相当し、「黄柄」、「青柄」、および「半透明柄」は、本発明にいう第二の報知態様の一例に相当する。
一方、事前判定情報が大当りであった場合には、先読み演出を行わない確率よりも行う確率が高くなるようにして、遊技の興趣を高めている。しかも、変動タイマ種別が「スーパーリーチ」であった場合には、この場合に限って選択可能な「ちょんまげ柄」が用意されている。第1副制御部400は、事前判定結果の停止図柄を表す情報と変動タイマ種別を表す情報に基づいて先読み演出の報知態様を決定する。事前判定結果の停止図柄は、先読みした、大当り判定用乱数値および特図判定用乱数値に基づいて事前判定されたものであり、事前判定結果の変動タイマ種別は、先読みした変動タイマ種別乱数値に基づいて事前判定されたものである。したがって、第1副制御部400は、先読みした、大当り判定用乱数値および特図判定用乱数値に基づいて先読み演出の報知態様を決定するものであり、第一報知態様決定手段の一例に相当する。
なお、未判定情報であった場合に限らず、特定の状態では事前判定情報を無視するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態では、変動タイマ種別に基づいて先読み演出態様の振り分けを異ならせている。こうすることで、例えば『ハズレ』で『リーチなし』の保留に対して、期待値の高い「赤柄」で先読み報知演出が行われるような場合を防ぐことができる。また、当否判定結果が同じハズレでも変動態様により期待を持たせた図柄変動停止表示は、リーチ態様で煽ることができる。さらに、未判定情報に基づき先読関連演出が行われる場合、事前判定情報に関わらずに、先読み演出の信頼度が低い報知態様と同一の報知態様に決定されるため、先読み演出の信頼度が非常に低い状態を保ちつつ演出の実行が可能となる。
ステップS3091bに続くステップS3091cでは、先読み演出実行処理を行い、図13(d)に示す演出制御処理に復帰する。ステップS3091cの先読み演出実行処理では、ステップD3091bで決定された報知態様の先読み演出あるいは先読関連演出を装飾図柄表示装置208に実行させるための制御コマンドを、RAM408の送信領域に設定する。RAM408の送信領域に設定された制御コマンドは、図13(a)に示すステップS319の情報送信処理において第2副制御部500へ送信される。第2副制御部500では、第1副制御部400から送信されてきた制御コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置208の制御を実行する。したがって、第1副制御部400、第2副制御部500、および装飾図柄表示装置208を併せたものが、事前予告手段の一例に相当し、事前演出手段の一例にも相当する。
なお、本実施形態では、図8に示す特図先読み処理において、特図1については大当り遊技中である場合や電サポ中である場合に事前判定を行わなかったが、図8に示すステップS226およびステップS227を廃止して、主制御部300による事前判定は一律に行い、図13(e)に示すステップS3091cで特定の状態(例えば、大当り遊技状態および/または電サポ状態)であるか否かを判定して、特定の状態であれば先読み演出は取り止め、先読関連演出を行うようにしてもよい。
次に、本実施形態によるパチンコ機100で電サポ中に保留された特図1変動遊技の事前判定には基づかない報知態様、すなわち未判定情報に基づく報知態様で行われる先読み演出の具体例について説明する。まず、図15を用いて、従来の問題点を指摘する。図15は、特図2優先変動が行われる、いわゆる右打ちタイプの従来の遊技台における先読み演出の一例を示す図である。この図15では、(a)〜(d)の順で従来のパチンコ機の様子を時系列的に示している(以降で参照する図16,図18,図19においても同様)。
図15における各図には、装飾図柄表示装置208、普図始動口228、第1特図保留ランプ218、第2特図保留ランプ220、第1特図表示装置212、第2特図表示装置214、第1特図始動口230、第2特図始動口232、第2特図始動口232の一対の羽根部材2321が示されている。また、各図の右側には、RAM308に用意された特図1事前判定結果記憶領域3081と特図2事前判定結果記憶領域3082が示されている。
図15に示す例では、電サポ状態中であるが、同図(a)では一対の羽根部材2321は閉じた状態にある。図15(a)に示す第1特図保留ランプ218は、電サポ状態中に2つ点灯し、特図1変動遊技が2つ保留されていることが報知されている。一方、第2特図保留ランプ220は総て消灯しており、特図2変動遊技の保留はない状態である。この従来例では、特図1変動遊技の、電サポ状態中の入賞に基づく2つの保留それぞれの始動情報について先読みが行われ、事前判定が行われている。図15(a)に示す特図1事前判定結果記憶領域3081の古い方の保留(保留1)に対応した領域にも新しい方の保留(保留2)に対応した領域にも、ハズレ図柄1を表す情報とリーチなしを表す情報が格納されている。図15(a)に示す第1特図表示装置212は、保留1に基づく特図1変動遊技を実行するとともに、装飾図柄表示装置208では装飾図柄の変動表示が行われている。また、装飾図柄表示装置208における演出表示領域208dの、特図1についての先読み演出が行われる左側部分には、「半透明柄」の人型が2つ表示されている(図では点線で表示)。これらの「半透明型」の人型の表示は、特図1変動遊技の2つ保留に対応した事前判定の結果に基づく先読み演出であるが、先読み演出が行われていないことを表す表示である。
さらに、図15(a)には、第1特図始動口230に遊技球Bが1球進入する様子が示されている。
同図(b)では、同図(a)からの保留1に基づく特図1変動遊技が継続されており、同図(a)で第1特図始動口230に遊技球Bが1球進入したことに基づいて、始動情報が導出され、その始動情報を先読みして事前判定した結果が、特図1事前判定結果記憶領域3081の3つ目の保留(保留3)に対応した領域に格納されている。ここでの事前判定結果は、停止図柄(特図1事前判定結果)が大当り図柄1であり、変動タイマ種別情報がスーパーリーチである。同図(b)に示す装飾図柄表示装置208における演出表示領域208dの、特図1についての先読み演出が行われる左側部分には、「半透明柄」の2つの人型の右横に「ちょんまげ柄」の人型が表示されている。
同図(c)でも、同図(a)からの保留1に基づく特図1変動遊技が継続されている。この同図(c)では、普図始動口228を遊技球Bが1球通過し、普図変動遊技に当選して、電サポ状態のもと一対の羽根部材2321が開き、第2特図始動口232へ遊技球Bが2球続けて進入する。特図2変動遊技の保留数は2つ増加し、特図2事前判定結果記憶領域3082には、保留2つ分の事前判定情報が格納される。同図(c)に示す特図2事前判定結果記憶領域3082における保留1に対応した領域には、ハズレ図柄1を表す情報とノーマルリーチを表す情報が格納され、保留2に対応した領域には、ハズレ図柄1を表す情報とリーチなしを表す情報が格納されている。また、同図(c)に示す装飾図柄表示装置208における演出表示領域208dの、特図2についての先読み演出が行われる右側部分には、保留1に対応した「黄色」の人型と、保留2に対応した「青色」の人型が表示されている。
やがて、同図(a)から変動を続けていた保留1に基づく特図1表示装置212にはハズレ図柄1が停止表示される。また、装飾図柄表示装置208にはリーチなしの変動態様を経てハズレに対応した装飾図柄の組み合わせが停止表示される。次いで、特図2優先変動によって、特図2の保留が特図1の保留よりも先に消化される。「ちょんまげ柄」が大当りの信頼度が高いことを知っている遊技者は、特図1の「ちょんまげ柄」の先読み演出によって、特図1で大当りが獲得できたことを知り、今度は、特図2で大当りを獲得しようとして、第2特図始動口232を狙った右打ちを開始する。このように特図1で信頼度の高い先読み演出を行ってしまうと、まずは、第1特図始動口230を狙って、特図1で大当りを獲得してから第2特図始動口232を狙うといったストック方法が可能になり、このストック方法を知っている者と知らない者との間では、大当りを2つ獲得することができるか1つしか獲得することができないかで不公平感が生じ、誰にでも公平に楽しめる遊技台ではなくなってしまう。
ここでは、図15(c)の状態から、第1特図始動口230にも第2特図始動口232にも一球も入球がなかったことにして説明を続ける。特図2の保留が総て消化されてから、特図1の保留が順次消化される。やがて、図15(c)に示す特図1事前判定結果記憶領域3081に示す保留3に基づいた特図1変動遊技で大当りに当選し、図15(d)に示すように、装飾図柄表示装置208には、図5(b)に示す“装飾図柄の組合せ2”の一例である「装飾7−装飾7−装飾7」が停止表示する。
図16は、本実施形態のパチンコ機における演出の一例を示す図である。この図16では、図15に示す例との相違点を中心に説明し、重複する説明は省略することがある。
本実施形態のパチンコ機では電サポ状態中には事前判定情報には基づかない報知態様、すなわち未判定情報に基づく報知態様で先読み演出と同じ人型による先読関連演出を行う。遊技者から見れば、先読み演出と先読関連演出は同じ報知態様のため区別がつかず、遊技者は、先読関連演出を行っていても先読み演出が行われているように思う。特図1変動遊技の、電サポ状態中の入賞に基づく最初の2つの保留それぞれについては、未判定情報に基づき「半透明柄」の報知態様による先読関連演出が行われているが、この「半透明柄」の人型は先読み演出が行われていないことを表す表示である。ただし、上級者は、電サポ状態では先読み演出は行われず、代わりに信頼度0%の先読関連演出が行われることを知っている場合がある。同図(b)で電サポ状態中に第1特図始動口230に遊技球Bが1球進入したことによって導出された始動情報は、図15に示す例と同じく「大当り図柄1」の「スーパーリーチ」になる始動情報であるが、先読みおよび事前判定を行わず、第1副制御部400は、未判定情報という信頼度0%の情報に基づいて先読関連演出の報知態様を決定する。ここではたまたま「青柄」の報知態様に決定され、「半透明柄」の2つの人型の右横には「青柄」の人型が表示されている。第2特図始動口232の一対の羽根部材2321の作動状態を見て(例えば同図(c)に示す作動状態)、現在、電サポ中であることがわかり、電サポ中は先読み演出が行われないことを知っている遊技者(例えば上級者)であれば、先読み演出が行われる第2特図始動口232を最初から狙い、上述のストック方法はあきらめている。したがって、本実施形態のパチンコ機100では、不公平感が生じずに、誰にでも公平に楽しめるものである。また、電サポ中は先読み演出が行われないことを知らない者であっても、「青型」が大当りの信頼度が低いことを知っている遊技者(例えば中級者)は、特図1で大当りを本当に獲得することができたとは思わないものの、少しの期待をいだき、遊技の興趣が向上する場合がある。人型の報知態様の信頼度について全く知らない遊技者(例えば初級者)は、「青型」であろうと人型の表示がなされたことで、遊技の興趣が大きく向上する場合がある。このように、本実施形態のパチンコ機100によれば、予告演出によって遊技の興趣を高めながらも初中級者でも遊技を楽しむことができる。
続いて、本発明の第2実施形態のパチンコ機について説明する。以下の説明では、第1実施形態のパチンコ機100における構成要素の名称と同じ名称の構成要素にはこれまで用いた符号と同じ符号を付して説明し、重複する説明は省略することがある。
図17は、第2実施形態における特図先読み処理の流れを示すフローチャートである。
第2実施形態における主制御部300のCPU304は、特図2の保留記憶部(第2の始動情報記憶部)に記憶されている始動情報を用いた先読み処理(特図2の先読み処理)については、図8に示す第1実施形態の特図先読み処理(ステップS221〜ステップS224)と同様の処理を行う(ステップS421〜ステップS424)。
一方、特図1の保留記憶部に記憶されている始動情報を用いた特図先読み処理(特図1の先読み処理)では、特図1の始動情報(特図1大当り判定用乱数値、特図1判定用乱数値、および変動タイマ種別乱数値)の増加があったか否かを判定し(ステップS425)、増加していれば、RAM308に用意された特図1事前判定結果記憶領域に、いずれ電サポ状態に移行する可能性がある大当り図柄(大当り図柄1〜5)の停止図柄(特図1事前判定結果)を表す情報が格納されているか否かを判定する(ステップS426)。特図1事前判定結果記憶領域に、大当り図柄の停止図柄(特図1事前判定結果)を表す情報が一つでも格納されていれば、図8に示すステップS231と同じステップS431へ進み、特図1事前判定結果記憶領域の、今回増加した特図1の始動情報の保留に対応した領域に、今回増加した特図1の始動情報に基づく停止図柄や変動タイマ種別の事前判定が行われていないことを表す「未判定」情報を記憶し、図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理に復帰する。
反対に、特図1事前判定結果記憶領域に、大当り図柄の停止図柄を表す情報が一つも格納されていない場合には、特図変動停止表示が行われていれば、その特図変動停止表示によって停止表示される特図の停止図柄が、いずれ電サポ状態に移行する可能性がある大当り図柄(大当り図柄1〜5)であるか否かを判定し(ステップS427)、大当り図柄であればステップS431へ進む。一方、大当り図柄でなければ、図8に示すステップS228〜ステップS230と同様、増加した特図1の始動情報の先読みおよび先読みした始動情報に基づく事前判定を行い、特図1事前判定結果記憶領域に事前判定結果(特図1事前判定結果および変動タイマ種別事前判定結果)を記憶する(ステップS428〜ステップS430)。
なお、ステップS426およびステップS427それぞれでは、いずれ電サポ状態に移行する可能性がある大当り図柄として大当り図柄1〜5総てを対象にしているが、電サポ状態へ必ず移行する電サポ付きの大当り図柄(大当り図柄1〜3)のみを対象にしてもよい。すなわち、ステップS426では、特図1事前判定結果記憶領域に、大当り図柄1〜3の停止図柄(特図1事前判定結果)を表す情報が格納されているか否かを判定し、ステップS427では、特図変動停止表示によって停止表示される特図の停止図柄が大当り図柄1〜3であるか否かを判定するようにしてもよい。
また、ここでは現在の状態が電サポ状態中であるか否か、および大当り遊技中であるか否かを考慮しないが、非電サポ状態中あるいは非大当り遊技中の場合には、ステップS426、およびステップS426における判定が否定的であればステップS427における判定を実施し、電サポ状態中あるいは大当り遊技中にはステップS426およびステップS427における判定を実施しないようにしてもよい。
図18は、特図2優先変動が行われる、いわゆる右打ちタイプの従来の遊技台における先読み演出の、図15に示す例とは異なる一例を示す図である。この図18でも、図15に示す例との相違点を中心に説明し、重複する説明は省略することがある。
図18に示す例でも、電サポ状態中であるが、同図(a)では一対の羽根部材2321は閉じた状態にある。図18(a)に示す第1特図保留ランプ218は、電サポ状態中に3つ点灯し、特図1変動遊技が3つ保留されていることが報知されている。一方、第2特図保留ランプ220は総て消灯しており、特図2変動遊技の保留はない状態である。この従来例では、特図1変動遊技の、電サポ状態中の入賞に基づく3つの保留それぞれの始動情報について先読みが行われ、事前判定が行われている。図18(a)に示す特図1事前判定結果記憶領域3081の最も古い保留(保留1)に対応した領域には、大当り図柄3を表す情報とスーパーリーチを表す情報が格納されており、2番目に古い保留(保留2)に対応した領域には、ハズレ図柄1を表す情報とリーチなしを表す情報が格納されている。さらに、最も新しい保留(保留3)に対応した領域には、大当り図柄1を表す情報とスーパーリーチを表す情報が格納されている。すなわち、先の保留された方(保留1)の先始動情報に基づく事前判定結果が大当り図柄3であり、後に保留された方(保留3)の後始動情報に基づく事前判定結果が大当り図柄1である。図18(a)に示す第1特図表示装置212は、保留1に基づく特図1変動遊技を実行するとともに、飾図柄表示装置208では装飾図柄の変動表示が行われている。また、装飾図柄表示装置208における演出表示領域208dの、特図1についての先読み演出が行われる左側部分には、保留1に対応した事前判定の結果に基づく先読み演出として「赤柄」の人型が表示され、保留2に対応した事前判定の結果に基づく先読み演出として「青柄」の人型が表示され、保留3に対応した事前判定の結果に基づく先読み演出として「ちょんまげ柄」の人型が表示されている。
図18(b)では、同図(a)からの保留1に基づく特図1変動遊技が継続されている。この同図(b)では、普図始動口228を遊技球Bが1球通過し、普図変動遊技に当選して、電サポ状態のもと一対の羽根部材2321が開き、第2特図始動口232へ遊技球Bが3球続けて進入する。特図2変動遊技の保留数は3つ増加し、特図2事前判定結果記憶領域3082には、保留3つ分の事前判定情報が格納される。同図(b)に示す特図2事前判定結果記憶領域3082における保留1に対応した領域には、ハズレ図柄1を表す情報とノーマルリーチを表す情報が格納され、保留2および保留3それぞれに対応した領域には、ハズレ図柄1を表す情報とリーチなしを表す情報が格納されている。また、同図(b)に示す装飾図柄表示装置208における演出表示領域208dの、特図2についての先読み演出が行われる右側部分には、保留1に対応した「青柄」の人型と、保留2に対応した「半透明柄」の人型と、保留3に対応した「青柄」の人型が表示されている。
やがて、同図(a)から変動を続けていた保留1に基づく特図1表示装置212には同図(b)に示すように大当り図柄3が停止表示される。また、装飾図柄表示装置208にはスーパーリーチの変動態様を経て大当り図柄3に対応した、図5(b)に示す“装飾図柄の組合せ2”の一例である「装飾3−装飾3−装飾3」が停止表示する。ここで停止表示した大当り図柄3は、大当り遊技終了後、特図高確率普図高確率状態に移行する停止図柄であり、大当り遊技中は一旦、非電サポ状態になるが、大当り遊技が終了すると、電サポ状態へ移行する。
次いで、特図2優先変動によって、特図2の保留が特図1の保留よりも先に消化される。「ちょんまげ柄」が大当りの信頼度が高いことを知っている遊技者は、特図1の「ちょんまげ柄」の先読み演出によって、ここでも特図1で大当りが獲得できたことを知り、今度は、特図2で大当りを獲得しようとして、第2特図始動口232を狙った右打ちを開始する。このように、特図1事前判定結果記憶領域3081内に大当り図柄(ここでは電サポ付き大当り図柄)を表す情報がある場合に、以降の先読み演出を行ってしまうと、以降に再び大当りがあった場合には、ストック方法が可能になり、誰にでも公平に楽しめる遊技台ではなくなってしまう。
ここでは、図18(b)に示す大当り図柄3の停止表示に基づく大当り遊技が開始してから第1特図始動口230にも第2特図始動口232にも一球も入球がなかったことにして説明を続ける。同図(c)には、特図2優先変動により特図2の保留1に基づくハズレの停止図柄(ハズレ図柄1)が停止表示されている。その後、特図2の保留が総て消化されてから、特図1の保留が順次消化される。やがて、特図1事前判定結果記憶領域3081に示す保留3に基づいた特図1変動遊技で大当りに当選し、図15(d)に示すように、装飾図柄表示装置208には、図5(b)に示す“装飾図柄の組合せ2”の一例である「装飾7−装飾7−装飾7」が停止表示する。
図19は、第2実施形態のパチンコ機における演出の一例を示す図である。この図19では、図18に示す例との相違点を中心に説明し、重複する説明は省略することがある。
第2実施形態のパチンコ機では、特図1事前判定結果記憶領域3081内に大当り図柄を表す情報がある場合には、以降の特図1の始動情報については先読みを行わず事前判定も行わずに未判定情報を記憶し、事前判定情報には基づかない報知態様、すなわちその未判定情報に基づく報知態様で先読み演出と同じ人型による先読関連演出を行う。特図1の保留1に大当り図柄を表す情報が格納されていることから、図19(a)に示すように、未判定情報に基づき保留2については「青柄」、保留3については「半透明柄」の報知態様による先読関連演出が行われている。やがて、図19(b)に示すように、電サポ付きの大当り図柄3が停止表示されると、特図1についての「青柄」の人型と「半透明柄」の人型は、上級者であれば、先読関連演出であること見破る者もいる。しかしながら、このこと見破ることができる者は、先読み演出が行われる第2特図始動口232を最初から狙い、上述のストック方法はあきらめている。したがって、本実施形態のパチンコ機100では、不公平感が生じずに、誰にでも公平に楽しめるものである。このことを見破ることができない者にとっては、先読関連演出を行っていても先読み演出が行われているように思う。先読関連演出を見破ることができない者のうち、「青型」が大当りの信頼度が低いことを知っている遊技者(例えば中級者)は、特図1で大当りを本当に獲得することができたとは思わないものの、少しの期待をいだき、遊技の興趣が向上する場合がある。人型の報知態様の信頼度について全く知らない遊技者(例えば初級者)は、「青型」であろうと人型の表示がなされたことで、遊技の興趣が大きく向上する場合がある。このように、第2実施形態のパチンコ機100によれば、いずれ電サポ状態になる可能性があることを見越して早めに先読み演出を中止する一方で、遊技の興趣を向上させるために、先読み演出の代わりに先読関連報知を行い、予告演出によって遊技の興趣を高めながらも初中級者でも遊技を楽しむことができる。なお、いずれ電サポ状態になるか否かの見極めの精度を高めるには、特図1事前判定結果記憶領域3081内に電サポ付きの大当り図柄(大当り図柄1〜3)を表す情報がある場合に限って、以降は先読関連演出を行うようにすればよい。
以上説明した第2実施形態のパチンコ機100では、先読みした始動情報に基づく事前判定の結果が大当りになる始動情報(ここでは先始動情報と称する)よりも後に、特図1の保留記憶部に始動情報(ここでは後始動情報と称する)が記憶されている場合に、事前判定の結果には基づかずに後始動情報についての未判定情報が記憶されていることに基づいて先読関連演出を、後始動情報に基づく当否判定が行われる前に行う。
続いて、本発明の第3実施形態のパチンコ機について説明する。ここでも、第1実施形態のパチンコ機100における構成要素の名称と同じ名称の構成要素にはこれまで用いた符号と同じ符号を付して説明し、重複する説明は省略することがある。
図20は、第3実施形態における特図先読み処理の流れを示すフローチャートである。
第3実施形態における主制御部300のCPU304も、特図2の保留記憶部(第2の始動情報記憶部)に記憶されている始動情報を用いた先読み処理(特図2の先読み処理)については、図8に示す第1実施形態の先読み処理(ステップS221〜ステップS224)と同様の処理を行う(ステップS521〜ステップS524)。
一方、特図1の保留記憶部に記憶されている始動情報を用いた先読み処理(特図1の先読み処理)では、特図1の始動情報(特図1大当り判定用乱数値、特図1判定用乱数値、および変動タイマ種別乱数値)の増加があったか否かを判定し(ステップS525)、増加していれば、「未判定情報」設定期間か否かを判定する(ステップS526)。ここでは、現在の状態が、電サポ状態中、大当り遊技実行中、非電サポ状態中の保留内に電サポ付きの大当り停止図柄が保留されている状態中、および変動中の当該変動の抽選結果が大当りとなる状態中のいずれかの状態中であれば「未判定情報」設定期間と判定し、いずれの状態中でもなければ「未判定情報」非設定期間と判定する。「未判定情報」設定期間でなければ(「未判定情報」非設定期間あれば)、ステップS527において、今回増加した特図1の始動情報のうちの特図1大当り判定用乱数値を先読みし、現在の制御状態が特図確変ありの状態か否かに基づいて、図9(a)に示す判定テーブルを用いて特図1の当否判定の事前判定を行い、次いで、特図1判定用乱数値を先読みし、その当否事前判定結果に基づいて、図9(b)に示す判定テーブルを用いて特図1停止図柄態様の事前判定を行う。次いで、ステップS528において、特図1停止図柄態様の事前判定結果になる特図1事前判定結果を表す情報を、RAM308に用意された特図1事前判定結果記憶領域に記憶し、ステップS529へ進む。
反対に、「未判定情報」設定期間であれば、特図1事前判定結果記憶領域の、今回増加した特図1の始動情報の保留に対応した領域に、今回増加した特図1の始動情報に基づく停止図柄の事前判定が行われていないことを表す「未判定」情報を記憶し(ステップS529)、ステップS530へ進む。このステップS529では、「未判定」情報を、特図1事前判定結果記憶領域のうちの、特図1の停止図柄情報(特図1事前判定結果)を格納する領域に記憶する。
ステップS530では、まず、特図1大当り判定用乱数値を再度先読みし、現在の制御状態が特図確変ありの状態か否かに基づいて、図9(a)に示す判定テーブルを用いて特図1の当否判定の事前判定を再度行い、当否事前判定結果を得る。なお、ステップS527を実行することで当否事前判定結果を得ている場合には、ステップS527で得た当否事前判定結果をここでも用いてもよい。
図21(a)は、第3実施形態において用いられる変動タイマ種別事前判定用テーブルを示す図である。この変動タイマ種別事前判定用テーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。
ステップS530では、特図1の始動情報に含まれている変動タイマ種別乱数値(取り得る範囲は0〜255)を先読みし、当否事前判定結果が大当りあるいは小当りであった場合には、特図1の変動タイマ種別事前判定結果を、先読みした変動タイマ種別乱数値が0〜127であるときには「ノーマルリーチ」と判定し、128〜254であるときには「スーパーリーチ」と判定し、255であるときには「スペシャルリーチ」と判定する。この「スペシャルリーチ」は、当否事前判定結果がハズレであった場合には選択されない大当り専用の変動タイマ種別である。したがって、装飾図柄表示装置208にスペシャルリーチが表示されれば、当該図柄変動停止表示において大当り図柄が停止表示されることになる。なお、ここでの判定結果もあくまで事前判定の結果であり、第3実施形態では、図11(c)に示す変動タイマ種別決定用テーブルに代えて、図21(a)に示す変動タイマ種別事前判定用テーブルの内容と同じ内容のテーブルを用いて、特図2関連処理(図6(b)に示すステップS213)において、変動タイマ種別決定結果が得られる。
ステップS530に続くステップS531では、ステップS530で得た特図1の変動タイマ種別事前判定結果が、大当り専用の「スペシャルリーチ」であるか否かを判定し、「スペシャルリーチ」でなければ、特図1事前判定結果記憶領域の、今回増加した特図1の始動情報の保留に対応した領域に、ステップS530で得た特図1の変動タイマ種別事前判定結果(「リーチなし」「ノーマルリーチ」「スーパーリーチ」のいずれか)を表す情報を記憶し(ステップS532)、図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理に復帰する。反対に、「スペシャルリーチ」であれば、特図1事前判定結果記憶領域の、今回増加した特図1の始動情報の保留に対応した領域に、今回増加した特図1の始動情報に基づく停止図柄の事前判定が行われていないことを表す「未判定」情報を記憶し(ステップS533)、図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理に復帰する。このステップS533では、「未判定」情報を、特図1事前判定結果記憶領域のうちの、特図1の変動タイマ種別情報を格納する領域に記憶する。
図21(b)は、第3実施形態における特図1事前判定結果記憶領域に事前判定情報が記憶されている一例を示す図である。
図21(b)に示す特図1事前判定結果記憶領域3081は、電サポ状態中、すなわち「未判定情報」設定期間中の特図1事前判定結果記憶領域3081であり、停止図柄情報を格納する領域には「未判定情報」が格納されている。また、上述したように、第3実施形態では、主制御部300のRAM308における特図1事前判定結果記憶領域3081に、変動タイマ種別情報として、「リーチなし」を表す情報、「ノーマルリーチ」を表す情報、あるいは「スーパーリーチ」を表す情報は記憶する。これらの情報は、これらの情報だけでは当否判定結果が推測不能な情報である。一方、当否判定結果の推測が可能な変動タイマ種別事前判定結果になった場合(ここでは「スーパーリーチ」)には、未判定情報を再設定する。図21(b)に示す特図1事前判定結果記憶領域3081の保留1に対応する領域には、「スーパーリーチ」を表す情報が格納され、保留2に対応する領域には、「ノーマルリーチ」を表す情報が格納されている。一方、保留3に対応する領域には、「未判定情報」が格納されているが、実際には「スペシャルリーチ」である。本実施形態では、当否判定の推測が可能な変動タイマ種別情報が設定された場合には未判定情報を再設定する。
図22(a)は、第3実施形態におけるタイマ番号決定用テーブルを示す図である。図22(a)示すタイマ番号決定用テーブルも、主御部300のROM306に記憶されている。
第3実施形態における主制御部タイマ割込処理の特図関連処理(ステップS213)においても、変動タイマ種別決定結果が得られると、RAM308に設けられたタイマ番号決定用乱数カウンタから、0から255の範囲の値を取り得るタイマ番号決定用乱数を取得する。主制御部300のCPU304は、取得したタイマ番号決定用乱数に基づいて、図22(a)に示すタイマ番号決定用テーブルに規定されているタイマ番号を判定する。この第3実施形態では、第1実施形態におけるタイマ1〜8に、タイマ9および10が追加されている。
図22(b)は、第3実施形態におけるタイマ9および10と特図変動時間の関係を示す図である。
図22(b)に示すように、タイマ9は特図変動時間が180秒の変動時間になることを表し、タイマ9に決定されると装飾図柄表示装置208における装飾図柄の変動パターンは全回転リーチAが選択され、タイマ10は特図変動時間が450秒の変動時間になることを表し、タイマ10に決定されると装飾図柄表示装置208における装飾図柄の変動パターンは全回転リーチBが選択される。
図22(c)は、第3実施形態における先読み演出報知態様決定テーブルを示す図である。この図22(c)に示す先読み演出報知態様決定テーブルも第1副制御部400のROM406に記憶されている。
第3実施形態の第1副制御部400における先読み演出抽選処理(図13(e)参照)でも、RAM408に設けられた先読み演出決定用乱数カウンタから、0から65535の範囲の値を取り得る先読み演出決定用乱数を取得する。
第1副制御部400のCPU404は、取得した先読み演出決定用乱数に基づいて、図22(c)に示す先読み演出報知態様決定テーブルに規定されている先読み演出報知態様を判定する。第3実施形態では、停止図柄情報が未判定情報の場合であっても、変動タイマ種別情報は、「未判定情報」の他に「リーチなし」を表す情報、「ノーマルリーチ」を表す情報、あるいは「スーパーリーチ」を表す情報である場合がある。変動タイマ種別情報が「スーパーリーチ」を表す情報である場合には、信頼度の高い「赤柄」の報知態様による先読関連演出が出現する可能性を残している。こうすることで、当否判定後の予告演出の一種であるスーパーリーチによる演出と、当否判定前の予告演出の一種である先読関連演出との信頼度におけるバランスを保つことができる場合がある。
なお、第3実施形態では、変動タイマ種別事前判定結果が「スペシャルリーチ」を表す情報の場合には「未判定情報」に置き換えるため、第1副制御部400が「スペシャルリーチ」を表す情報を受信することはないが、「未判定情報」に置き換えずに「スペシャルリーチ」を表す情報を第1副制御部400側に送信し、第1副制御部400側で、「未判定情報」設定期間に「スペシャルリーチ」を表す情報を受け取った場合には、当該情報に基づかずに予告演出を決定するようにしても良い。例えば、「リーチなし」を表す情報から報知態様を選択するようにしてもよい。すなわち、図柄の変動表示態様から当否判定の結果が推測可能な遊技台であれば、推測可能な図柄の変動表示態様を第1副制御部400へ送信した場合にのみ先読関連演出(事前演出)を実行し、それ以外の場合には図柄の変動表示態様に基づき先読み演出(事前予告報知)を行っても良い。こうすることでも大当りストックを防ぎつつ先読み演出の実行が可能となり、先読み演出された保留がリーチにならないといったことも無い。
ところで、これまで説明したパチンコ機100では、第一の始動領域の一例に相当する第1特図始動口230に入賞して特定の当否判定結果である大当りに当選した場合と、第二の始動領域の一例に相当する第2特図始動口232に入賞して特定の当否判定結果である大当りに当選した場合とで、遊技者に対する有利度は変わらなかったが、これらの場合で遊技者に対する有利度に差を設けてもよい。例えば、後者の場合の方が前者の場合よりも遊技者に対する有利度が高いようにしてもよい。すなわち、優先して変動する方の特図(ここでは特図2)の方が有利度が高いようにしてもよい。具体的には、ラウンド数が多い大当り(例えば、特図高確率普図高確率状態へ移行する15Rの大当り図柄1)と少ない大当り(例えば、同じく特図高確率普図高確率状態へ移行するが2Rの大当り図柄3)とのうち、特図2の方がラウンド数が多い大当り(15Rの大当り図柄1)に当選しやすく、特図1の方がラウンド数が少ない大当り(2Rの大当り図柄3)に当選しやすくするようにして、特図1と特図2に有利度の差を設けてもよい。このような、優先変動側の特図を非優先側の特図よりも有利度を高くしたパチンコ機では、有利度が低い特図1では特に図柄の変動時間が短いことが好ましい。有利度が高い特図2への入賞が容易な状態になる電サポ状態中は、保留増加に伴い図柄の変動時間の短縮機能が作動する可能性が高く、単位遊技の消化に必要な時間が短縮される確率が高まり、それに基づき大当りまでの時間が短縮される。この電サポ状態において、特図1について長い変動時間になりそうなことを事前予告してしまうと、遊技者にとって不利な大当りが付与される可能性が高いことを報知することになるため、遊技の興趣が低下する恐れがある。また特図2優先変動機では、特図2の優先度をあげるために、非優先側の特図1の消化時間(変動時間)を優先側の特図2の消化時間(変動時間)に比べ総じて長くなるようにしていることが多い。これは、特図2の優先度をあげるための他、有利度が低い特図1では図柄の変動時間を長くして特図1の変動停止表示中に特図2に入賞するチャンスを設けてあげるための構成とも見ることができる。したがって、電サポ状態中に特図1の事前予告を行うと、長い変動時間になりそうなことを予告する事前予告報知になりがちであり、電サポ状態で変動時間の短縮を期待している遊技者の興趣の低下が懸念される。
しかしながら、これまで説明したパチンコ機100によれば、特図1が長い変動時間になりそうなことを予告する先読み演出(事前予告報知)を、短い変動時間になりそうなことを予告する先読み演出の報知態様と同じ報知態様の先読関連演出(事前演出)に置き換えるため、上記のように遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる場合がある。
以上、本発明をパチンコ機(弾球遊技機)に適用させた例について詳細に説明したが、本発明の遊技台は、これに限るものではなく、例えば、メダルや遊技球(パチンコ球)を使用する回胴遊技機(スロットマシン)にも適用可能である。すなわち、本実施形態で説明したパチンコ機100は、ぱちんこ(1種+1種)であるが、他のぱちんこ(例えば、1種、2種、3種、1種+2種等)でもよく、スロット等(パロット、じゃん球)でもよい。
図23は、本発明を適用可能なスロットマシンの一例を示す図である。
本発明に係る遊技台は、図23に示す「複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール1002と、リールの回転を指示するためのスタートレバー1004と、各々のリールに対応して設けられ、リールの回転を個別に停止させるための停止ボタン1006と、複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段(入賞役内部抽選)と、抽選手段の抽選結果に基づいてリールの回転の停止に関する停止制御を行うリール停止制御手段(リール停止制御処理)と、抽選手段の抽選結果に基づいて停止されたリールによって表示される図柄組合せが、内部当選した役に対応して予め定めた図柄組合せであるか否かの判定をする判定手段(入賞判定処理)と、図柄の停止態様が所定の入賞態様である場合、所定の入賞態様に対応する遊技媒体を払出す遊技媒体払出処理を行う払出制御手段(メダル払出処理1008)と、に加え、抽選手段の抽選結果に基づいて演出を実行する演出手段1010を備え、この演出手段が、所定の遊技領域1012に球を発射する発射装置1014と、発射装置から発射された球を入球可能に構成された入賞口1016と、入賞口1016に入球した球を検知する検知手段1018と、検知手段1018が球を検知した場合に球を払出す払出手段1020と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置1022と、可変表示装置1022を遮蔽する位置に移動可能なシャッタ1024と、所定動作態様で動作する可動体1026と、を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置1022が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技を演出するような演出装置1010、であるスロットマシン1000」にも好適である。
図24は、本発明を適用可能なその他の例を示す図である。
本発明の遊技台は、図24(a)に示す、「紙幣投入口2002に紙幣を投入し、ベット2004およびスタート2006操作に基づいて抽選を実行し、抽選結果を抽選結果表示装置2008で表示し、当選時には特典コイン数を残クレジット数に加算し、キャッシュアウト2009が選択された場合には、レシート発行機2010から残クレジット数に対応するコードが記載されたレシートを発行するカジノマシン2000」であってもよい。
さらには、同図(b)に示すように、本発明を実現する電子データを記憶する記憶部を備えている携帯電話機3000、同図(c)に示すように、本発明を実現する電子データを記憶する記憶部を備えているポータブルゲーム機4000、本発明を実現する電子データを記憶する記憶部を備えている家庭用テレビゲーム機5000、に適用してもよい。
より具体的には、同図(b)における携帯電話機3000は、遊技者によって操作される操作部と、ゲームに関するデータを携帯電話回線を通じで取得するデータ取得部と、取得したゲームに関するデータ(本発明を実現する電子データ)を記憶する記憶部と、記憶部に記憶したデータと操作部の操作とに基づいてゲームの制御を行う制御部を備えている。
同図(c)におけるポータブルゲーム機4000は、遊技者によって操作される操作部と、ゲームに関するデータを所定の記憶媒体(DVD等)から取得するデータ取得部と、取得したゲームに関するデータ(本発明を実現する電子データ)を記憶する記憶部と、記憶部に記憶したデータと操作部の操作とに基づいてゲームの制御を行う制御部を備えている。同図(c)における家庭用テレビゲーム機5000は、遊技者によって操作される操作部と、ゲームに関するデータを所定の記憶媒体(DVD等)から取得するデータ取得部と、取得したゲームに関するデータ(本発明を実現する電子データ)を記憶する記憶部と、記憶部に記憶したデータと操作部の操作とに基づいてゲームの制御を行う制御部を備えている。
さらには、同図(d)に示すように、本発明を実現する電子データを記憶したデータサーバ6000に適用してもよい。このデータサーバ6000からインタネット回線を介して同図(d)に示す家庭用テレビゲーム機5000に本発明を実現する電子データをダウンロードするような場合がある。
また、パチンコ機等の実機の動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、DVD−ROM、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
以上の説明では、『当否判定の結果が特定の当否判定結果(例えば、大当り)である場合に、遊技者に対する有利度が第一の有利度である第一の制御状態(例えば、非大当り遊技状態)から該第一の有利度よりも前記有利度が高い第二の有利度である第二の制御状態(例えば、大当り遊技状態)に制御状態を移行させる遊技台(例えば、パチンコ機100)において、所定の第一の始動領域(例えば、第1特図始動口230)と、前記第一の始動領域とは異なる第二の始動領域(例えば、第2特図始動口232)と、前記第一の始動領域に遊技球が進入したことに基づいて始動情報(例えば、特図1大当り判定用乱数値、特図1判定用乱数値、および変動タイマ種別乱数値)を所定の上限数(例えば、4個)まで記憶可能な第一の始動情報記憶部(例えば、特図1の保留記憶部)と、前記第二の始動領域に遊技球が進入したことに基づいて始動情報(例えば、特図2大当り判定用乱数値、特図2判定用乱数値、および変動タイマ種別乱数値)を所定の上限数(例えば、4個)まで記憶可能な第二の始動情報記憶部(例えば、特図2の保留記憶部)と、前記第一の始動情報記憶部および前記第二の始動情報記憶部のうちの両方に始動情報が記憶されている場合には、該第二の始動情報記憶部から始動情報を取得し、該第一の始動情報記憶部および該第二の始動情報記憶部のうちの一方に始動情報が記憶されている場合には、始動情報が記憶されている始動情報記憶手段から始動情報を取得する始動情報取得手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、前記始動情報取得手段が取得した始動情報に基づいて前記当否判定を行う当否判定手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、複数種類用意された変動表示態様(例えば、「リーチなし」「ノーマルリーチ」「スーパーリーチ」)の中から決定された変動表示態様で図柄の変動表示を行なってから、前記当否判定の結果(例えば、大当り、小当り、ハズレ)に対応した図柄態様(例えば、図5(b)に示す装飾図柄)を停止表示する図柄表示手段(例えば、装飾図柄表示装置208)と、前記第一の始動情報記憶部に記憶されている始動情報を、当該始動情報に基づく当否判定が行われる前に先読みする始動情報先読手段(例えば、ステップS228を実行するCPU304)と、前記当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になるか否かを、前記始動情報先読手段が先読みした始動情報に基づいて当該始動情報に基づく当否判定が行われる前に事前判定する当否事前判定手段(例えば、ステップS228を実行するCPU304)と、前記当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になることを事前予告する事前予告報知(例えば、先読み演出)を、当該当否判定が行われる前に第一の報知態様(例えば、「ちょんまげ柄」「赤柄」「黄柄」「青柄」「半透明柄」)で、前記当否事前判定手段による事前判定の結果に基づいて行う事前予告手段(例えば、第1副制御部400、第2副制御部500、および装飾図柄表示装置208を併せたもの)と、前記当否事前判定手段による事前判定の結果には基づかずに始動情報が該第一の始動情報記憶部に記憶されていることに基づいて、前記第一の報知態様に関連した第二の報知態様(例えば、「黄柄」「青柄」「半透明柄」)で遊技を演出する事前演出(例えば、先読関連演出)を、該第一の始動情報記憶部に記憶されている始動情報に基づく当否判定が行われる前に行う事前演出手段(例えば、第1副制御部400、第2副制御部500、および装飾図柄表示装置208を併せたもの)とを備え、前記第一の始動情報記憶部は、前記始動情報として、前記当否判定に用いられる当否判定用情報(例えば、特図1大当り判定用乱数値)と、前記図柄の変動表示態様の種類の決定に用いられる変動表示態様決定用情報(例えば、変動タイマ種別乱数値)とを含んだ情報を記憶するものであることを特徴とする遊技台。』の説明がなされている。
当否判定用情報と変動表示態様決定用情報に基づき事前予告報知の報知態様を決定することで図柄の変動表示に対応した的確な演出の実行が可能になると共に、事前予告報知により、事前予告報知の対象となる保留以前の演出の期待感が打ち消されることを抑止することができる場合がある。すなわち、当否判定結果が「ハズレ」でありながら図柄の変動表示の期間長が長くなる等の場合のみを演出によって的確に煽ることが出来るようになりつつ、事前予告報知を実行することで、それ以前の演出に対する期待を低下させることを防止することができる場合がある。
また、予告に関連した事前演出が行われることで、演出効果が向上し、遊技の興趣を向上させることができる場合がある。
ここにいう前記第一の報知態様に関連した第二の報知態様は、該第一の報知態様と同じ態様のものであってもよい。また、前記第一の報知態様による事前予告報知は前記事前判定の結果に基づく報知であるのに対して、前記事前演出は前記事前判定の結果に基づかない報知である。すなわち、前記第一の始動情報記憶部に記憶されている始動情報に基づく当否判定が行われる前に行われる、前記第一の報知態様による事前予告報知は、当該当否判定の結果が前記特定の判定結果になる信頼度が相対的に高い報知であるのに対して、前記事前演出は、当該当否判定の結果が前記特定の判定結果になる信頼度が相対的に低い報知であってもよい。また、前記第一の報知態様による事前予告報知には、偽の報知も含まれていてよい。
また、ここにいう事前判定の結果には基づかずとは、前記事前判定を行わないことや、あるいは前記事前判定は行うが、該事前判定の結果を無視することや該事前判定の結果とは異なる情報に基づくことが含まれる。
またこれまでの説明においては、『前記事前演出手段(例えば、第1副制御部400、第2副制御部500、および装飾図柄表示装置208を併せたもの)は、先読みした始動情報に基づく事前判定の結果が前記特定の当否判定結果(例えば、大当り)になる先始動情報(例えば、保留1の始動情報)よりも後に前記第一の始動情報記憶部(例えば、特図1の保留記憶部)に後始動情報(例えば、保留2の始動情報)が記憶されている場合に、前記当否事前判定手段(例えば、ステップS228を実行するCPU304)による事前判定の結果には基づかずに該後始動情報が該第一の始動情報記憶部に記憶されていることに基づいて前記事前演出を、該後始動情報に基づく当否判定が行われる前に行うことを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
この遊技台によれば、遊技者に有利な期間中に、遊技者に有利となる権利を複数保留させる可能性を低減させることで、遊技の公平性を担保することができる場合がある。
ここで、先読みした始動情報に基づく事前判定の結果が前記特定の当否判定結果になる先始動情報よりも後に前記第一の始動情報記憶部に後始動情報が記憶されている場合に、該後始動情報について、前記事前判定を行わずに該事前判定を行っていないことを表す未判定情報を記憶する未判定情報記憶部を備え、前記事前演出手段は、前記未判定情報記憶部に前記未判定情報が記憶されていることに基づいて前記事前演出を、前記第一の始動情報記憶部に記憶されている前記後始動情報に基づく当否判定が行われる前に行うものであってもよい。
また、前記事前演出手段は、前記未判定情報記憶部に前記未判定情報が記憶されていることに基づいて前記事前演出を、前記第一の始動情報記憶部に記憶されている前記後始動情報に基づく当否判定が行われる前に所定確率で行うものであってもよい。ここにいう所定確率は事前演出を行う確率であり、事前演出を行う確率と行わない確率とが異なる確率であってもよく、事前演出を行う確率が行わない確率よりも低い確率であってもよい。
またこれまでの説明においては、『前記第二の始動領域(例えば、第2特図始動口232)は、遊技球の進入のしやすさが可変の始動領域であり、前記当否判定の結果が前記特定の当否判定結果(例えば、電サポ付き大当り)であった場合に、所定の第一の進入率制御状態(例えば、非電サポ状態)から該第一の進入率制御状態よりも遊技球が前記第二の始動領域に進入しやすい第二の進入率制御状態(例えば、電サポ状態)へ、該第二の始動領域における遊技球の進入のしやすさを変化させる進入率変化手段を備えたことを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
この遊技台によれば、特に第二の始動領域に遊技球が進入しやすい期間中に、遊技者に有利となる権利を複数保留させ可能性を低減させることで、遊技の公平性を担保することができる場合がある。
またこれまでの説明においては、『所定の閉状態および該閉状態よりも遊技球の入賞が容易な所定の開状態のうちの一方から他方に開閉状態を変化可能な可変入賞手段(例えば、可変入賞口234)を備え、前記第二の制御状態は、前記閉状態から開状態に前記可変入賞手段の開閉状態を変化させる動作を含む制御状態(例えば、大当り遊技状態)と、前記第二の進入率制御状態(例えば、電サポ状態)を含み、前記事前演出手段(例えば、第1副制御部400、第2副制御部500、および装飾図柄表示装置208を併せたもの)は、前記第二の制御状態中は前記事前演出(先読関連演出)を行うことを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
この遊技台によれば、特に第二の始動領域に遊技球が進入しやすい期間および該期間に移行する可能性が高い期間中に、遊技者に有利となる権利を複数保留させ可能性を低減させることで、遊技の公平性を担保することができる場合がある
さらにこれまでの説明においては、『複数種類用意された変動表示態様(例えば、「リーチなし」「ノーマルリーチ」「スーパーリーチ」)の中から前記図柄表示手段における図柄の変動表示態様を、前記当否判定用情報(例えば、特図1大当り判定用乱数値)および前記変動表示態様決定用情報(例えば、変動タイマ種別乱数値)に基づいて決定する変動表示態様決定手段(例えば、主制御部300のCPU304)を備え、前記事前予告手段(例えば、第1副制御部400、第2副制御部500、および装飾図柄表示装置208を併せたもの)は、前記始動情報先読手段が先読みした前記当否判定用情報(例えば、特図1大当り判定用乱数値)および該始動情報先読手段が先読みした前記変動表示態様決定用情報(例えば、変動タイマ種別乱数値)に基づいた前記第一の報知態様(例えば、「ちょんまげ柄」「赤柄」「黄柄」「青柄」「半透明柄」)で前記事前予告報知を行うことを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
すなわち、前記変動表示態様決定手段は、前記図柄表示手段における図柄の変動表示態様を、前記当否判定結果および前記変動表示態様決定用情報に基づいて決定するものであり、前記事前予告手段は、前記変動表示態様決定用情報および前記当否事前判定手段が事前判定した当否判定結果に基づいて前記第一の報知態様(例えば、「ちょんまげ柄」「赤柄」「黄柄」「青柄」「半透明柄」)を決定する第一報知態様決定手段を有する。
この遊技台によれば、図柄の変動表示に対応した事前予告報知を行うことで、演出効果が向上し、遊技の興趣を向上させることができる場合がある。
なお、前記変動表示態様から前記当否判定の結果が推測可能であって、前記変動表示態様から推測した当否判定の結果と実際の当否判定の結果は確率的に所定確率(100%であってもよいし、100%未満であってもよい)で一致するように構成されていてもよい。
また、前記当否判定の結果に基づいて図柄の変動表示期間を決定する変動期間決定手段を備え、前記図柄表示手段は、前記変動期間決定手段が決定した図柄の変動表示期間に亘って図柄を変動表示させた後、前記当否判定の結果に対応した停止図柄態様で図柄を停止表示する、図柄の変動表示開始から該図柄の停止表示までの一連の図柄変動停止表示を行うものであってもよい。
さらに、前記複数種類用意された変動表示態様の中からいずれの変動表示態様に決定されるかを、前記始動情報先読手段が先読みした始動情報(変動表示態様決定用情報)に基づいて当該始動情報に基づく当否判定が行われる前に事前判定する変動表示態様事前判定手段を備えていてもよい。
またさらに、前記当否判定の結果に対応した図柄態様を前記始動情報に基づいて決定する図柄態様決定手段と、前記図柄態様決定手段が決定する図柄態様を、前記始動情報先読手段が先読みした始動情報(図柄態様決定用情報)に基づいて当該始動情報に基づく当否判定が行われる前に事前判定する図柄態様事前判定手段を備えていてもよい。
また、前記事前予告手段は、前記変動表示態様事前判定手段が事前判定した変動表示態様に基づいた第一の報知態様で前記事前予告報知を行う第1の態様であってもよいし、前記図柄態様事前判定手段が事前判定した図柄態様に基づいた第一の報知態様で前記事前予告報知を行う第2の態様であってもよいし、あるいは前記当否事前判定手段が事前判定した当否判定の結果に基づいた第一の報知態様で前記事前予告報知を行う第3の態様であってもよいし、第1の態様から第3の態様のうちの2つの態様あるいは3つの態様を組み合わせた態様であってもよい。
また、前記事前演出手段は、前記変動表示態様事前判定手段が事前判定した変動表示態様に基づいた第二の報知態様で前記事前演出を行うものであってもよい。
以下、これまで説明したことも含めて付記する。
(付記1)
遊技球が始動領域に進入した場合に、始動情報を導出する始動情報導出手段と、
前記始動領域のうち第一の始動領域に遊技球が進入したことに基づいて、前記始動情報を所定の上限数まで記憶可能な第一の始動情報記憶手段と、
前記始動領域のうち前記第二の始動領域に遊技球が進入したことに基づいて、前記始動情報を所定の上限数まで記憶可能な第二の始動情報記憶手段と、
前記第一の始動情報記憶手段および前記第二の始動情報記憶手段のうちの両方に前記始動情報が記憶されている場合には、前記第二の始動情報記憶手段から始動情報を取得し、前記第一の始動情報記憶手段および前記第二の始動情報記憶手段のうちの一方に前記始動情報が記憶されている場合には、前記始動情報が記憶されている始動情報記憶手段から始動情報を取得するように構成された始動情報取得手段と、
前記始動情報に基づいて当否判定を行なう当否判定手段と、
前記当否判定結果が特定の当否判定結果である場合に、遊技者に対する有利度が第一の有利度である第一の制御状態から該第一の有利度より有利度が高い第二の有利度である第二の制御状態に制御状態を移行させる制御状態移行手段と、
所定の態様で図柄を変動表示させた後、前記当否判定手段による当否判定結果に対応した図柄態様を停止表示する図柄変動停止表示を行なう図柄表示手段と、
前記当否判定手段が当否判定を行なうよりも前に、前記第一の始動情報記憶手段に記憶されている始動情報を先読みする始動情報先読手段と、
前記第一の始動情報記憶手段に記憶されている所定の始動情報に基づく当否判定が前記当否判定手段によって行なわれるよりも前に、前記始動情報先読手段によって先読みされた該所定の始動情報に基づいて該当否判定手段が前記特定の当否判定結果を導出するかどうかを事前判定する事前判定手段と、
前記事前判定結果に基づいて、前記当否判定手段が前記特定の当否判定結果を導出することを事前予告するための事前予告報知を、前記当否判定手段が当否判定を行なうよりも前に第一の報知態様で行なう事前予告手段と、
所定の第一の進入率制御状態と該第一の進入率制御状態よりも遊技球が前記第二の始動領域に進入しやすい第二の進入率制御状態の一方から他方に前記第二の始動領域への遊技球の進入のしやすさを変化させる進入率変化手段と、
を備えた遊技台であって、
前記第一の始動情報記憶手段に記憶されている所定の始動情報に基づく当否判定が前記当否判定手段によって行なわれるよりも前に、前記事前判定手段による前記事前判定には基づかず、かつ該所定の始動情報が前記第一の始動情報記憶手段に記憶されていることに基づいて、前記当否判定手段が当否判定を行なうよりも前に前記第一の報知態様に関連した第二の報知態様で遊技を演出する事前演出を行なう事前演出手段を備え、
前記始動情報は、
前記当否判定手段に用いられる当否判定用情報と、
前記図柄の変動表示態様の種類の決定に用いられる変動表示態様決定用情報と、
を含むことを特徴とする遊技台。
(付記2)
付記1記載の遊技台において、
前記第一の始動情報記憶手段に記憶されている特定の始動情報に基づく当否判定が前記当否判定手段によって行われるよりも前に、前記始動情報先読み手段により先読みされた該特定の始動情報に基づいて前記当否判定手段が前記特定の当否判定結果を導出すると前記事前判定手段により事前判定された場合に、
前記特定の始動情報よりも後で前記始動情報導出手段により導出された所定の始動情報が、前記第一の始動情報記憶手段に記憶されていることに基づいて、前記事前演出手段による前記事前演出が行われることを特徴とする遊技台。
(付記3)
付記1又は2記載の遊技台において、
前記当否判定結果が特定の当否判定のうち特別な当否判定であった場合に、
前記制御状態移行手段は、前記第二の進入率制御状態に前記制御状態を移行させるように構成し、
前記第一の始動情報記憶手段に記憶されている特定の始動情報に基づく当否判定が前記当否判定手段によって行われるよりも前に、前記始動情報先読み手段により先読みされた該特定の始動情報に基づいて前記当否判定手段が前記特別な当否判定結果を導出すると前記事前判定手段により事前判定された場合に、
前記特定の始動情報よりも後で前記始動情報導出手段により導出された所定の始動情報が、前記第一の始動情報記憶手段に記憶されていることに基づいて、前記事前演出手段による前記事前演出が行われることを特徴とする遊技台。
(付記4)
付記1乃至3のいずれかに記載の遊技台において、
所定の閉状態および該閉状態よりも遊技球の入賞が容易な所定の開状態のうちの一方から他方に開閉状態を変化可能な可変入賞手段を備え、
前記第二の制御状態は、前記閉状態から開状態に前記可変入賞手段の開閉状態を変化させる動作を含む制御状態と、前記第二の進入率制御状態を含み、
前記第二の制御状態中は、前記事前演出手段による前記事前演出が行われることを特徴とする遊技台。
(付記5)
付記1乃至4のいずれかに記載の遊技台において、
前記当否判定手段は、前記当否判定結果と、前記変動表示態様決定用情報と、に基づき図柄変動表示態様を決定する変動表示態様決定手段と、を含み、
前記事前予告手段は、前記当否判定結果と前記図柄変動表示態様とに基づき前記事前予告報知態様を決定することを特徴とする遊技台。
なお、以上説明した各実施形態や付記の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を他の実施形態や付記に適用してもよい。