JP4528423B2 - 油圧装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業機械や車両など、各種の産業分野で広く利用可能な油圧装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、油圧装置として斜板式油圧装置が知られている。斜板式油圧装置の一例として以下に示すものがある。この斜板式油圧装置は、シリンダブロック、プランジャ群、プランジャ斜板、ヨーク、出力軸、スライドスプール弁群、及び弁斜板を備えている。シリンダブロックのシリンダ孔群にはプランジャ群が配置されている。同シリンダブロックの弁孔群にはスライドスプール弁群が配置され、シリンダブロック内には各シリンダ孔と各弁孔とをつなぐ油圧回路が形成されている。
【0003】
そして、各シリンダ孔に作動油が吸入・吐出されることより、プランジャ群の一端部に設けられたシューを介してプランジャ斜板及びヨークに回転を与えるようになっている。前記各スライドスプール弁の先端部は、シリンダブロックから突出しており、且つ各スライドスプール弁の先端面を弁斜板に常に当接するべくバネがそれぞれ巻装されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記斜板式油圧装置ではスライドスプール弁の先端面を弁斜板に常に当接するべくバネを設ける必要があるが、必要なバネ定数を確保しつつ、繰り返し荷重に対する強度(耐久性)を保とうとすると、バネを非常に大きくしなければならないという問題があった。
【0005】
従って、本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的はバネ自体を不要にすること、或いは、小型でバネ定数の小さいバネであってもスライドスプール弁の先端面を弁斜板に確実に当接させることができる油圧装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数のプランジャを収納するシリンダブロックと、前記シリンダブロックの内周面に挿入される入力軸と、前記各プランジャを収納するシリンダ孔と連通する油圧回路と、前記シリンダ孔を前記油圧回路に設けた第1油室又は第2油室に選択的に連通させる複数の切替え弁と、前記切替え弁を往復動させる切替え弁係合部材とを有する油圧装置において、前記第1油室と第2油室を共に連通する弁孔を前記シリンダブロックの軸方向に沿って複数延設するとともに、前記切替え弁を前記弁孔で摺動自在に配置し、前記切替え弁の基端面と前記弁孔との底面との間に、前記切替え弁を作動油の油圧にて前記切替え弁係合部材に押圧する圧力付与室を設け、前記圧力付与室は、前記弁孔では前記切替え弁によって前記第1油室及び第2油室と連通不能に区画されるとともに、前記油圧回路に作動油を供給する前記入力軸の軸孔とは油路で連通され、隣接する圧力付与室同士は、前記シリンダブロックの内周面に形成された周溝によって連通されることを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、圧力付与室にさらに切替え弁を切替え弁係合部材に押圧するバネを設けたことを要旨とする。
(作用)
従って、請求項1に記載の発明においては、切替え弁は圧力付与室内の作動油の圧力にて切替え弁係合部材に押圧される。
【0008】
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の作用に加えて、切替え弁は圧力付与室内の作動油の油圧力、及び圧力付与室内に設けられたバネの付勢力の協働により切替え弁係合部材に押圧される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を油圧装置に具体化した実施の形態を図1〜図7を参照して詳細に説明する。
【0010】
図1〜図4に示すように、油圧装置Tのケース11は一側方が開口する略筒状の本体ケース12と、その本体ケース12の開口部に固定された蓋部13とから構成されている。前記蓋部13に設けられた貫通孔13aには、ホルダ14が挿入固定されている。油圧装置Tの入力軸15の一端は、ホルダ14に対して円錐コロ軸受16を介して回転自在に支持され、他端は本体ケース12内の他端側に設けられたヨーク38に対して円錐コロ軸受41を介して回転自在に支持されており、PTO軸とされている。前記ヨーク38は本体ケース12他端部に対してラジアルベアリング17を介して回転自在に支持されている。
【0011】
前記ホルダ14には前記入力軸15が貫通する貫通孔14aが形成されている。同貫通孔14aにおける入力側は拡径されて、シール部材収納孔18が形成され、同シール部材収納孔18にはシール部材19が配置されている。また、前記貫通孔14aにおける出力側も拡径され、軸受収納孔20が形成されている。前記円錐コロ軸受16の内輪16aは入力軸15に嵌合固定され、その外輪16bは軸受収納孔20の拡径した段部底面及び周面に当接固定されている。
【0012】
前記内輪16aの出力側近傍における入力軸15にはスリーブ21が挿通され、同スリーブ21の入力側側面は前記内輪16aに当接されている。また、スリーブ21の出力側側面は後記するシリンダブロック25の入力側側面に当接されている。前記軸受収納孔20の開口部には、軸受収納孔20よりも拡径された軸受取付段部22(図3参照)が形成され、同軸受取付段部22にはラジアルベアリング23が取付けされている。
【0013】
前記ラジアルベアリング23は外輪23aと切替え弁係合部材としての内輪23bとを備えており、同外輪23aは軸受取付段部22の拡径した段部底面及び周面に当接固定されている。図2に示すように、前記ラジアルベアリング23はその軸心が後記するシリンダブロック25の軸線Oに対して一定角度傾斜した状態に配置されており、その内輪23bは後記する第1切替弁56を所定タイミングで軸線O方向に摺動させるためのカムとされている。前記内輪23bの出力側側面はカム面58となっている。
【0014】
油圧ポンプPは、入力軸15と、同入力軸15に対して一体に設けられたシリンダブロック25と、シリンダブロック25に摺動自在に配置された複数のプランジャ26と、及び前記プランジャ26に対して当接する斜板面27を含むクレイドル28とを備えている。
【0015】
前記クレイドル28は、シリンダブロック25の軸線Oと直交するトラニオン軸線TR1(図3参照)を中心とした傾動が可能とされている。前記シリンダブロック25の入力側において、同シリンダブロック25は入力軸15に対してスプライン結合されている。シリンダブロック25の出力側側面は、入力軸15の外周に設けられた係止フランジ15aに当接されている。シリンダブロック25には、その回転中心の周りに複数のシリンダ孔29が環状に配列され、軸線Oと平行に延設されている。同シリンダ孔29は、入力側に開口が形成されている。各シリンダ孔29には前記プランジャ26が摺動自在に配置されている。
【0016】
プランジャ26の先端には、鋼球26aが転動自在に嵌合されており、プランジャ26は鋼球26a及び鋼球26aを取着したシュー30を介して斜板面27に当接されている。傾斜状態の斜板面27はシリンダブロック25の回転に伴ってプランジャ26を往復動させ、吸入、吐出行程の作用を付与する。
【0017】
油圧モータMは、前記シリンダブロック25に摺動自在に配置された複数のプランジャ36、及び前記プランジャ36に対して当接する回転斜板面37をもつ略ラッパ状のヨーク38とを備えている。
【0018】
図4に示すように、前記ヨーク38の内周には、出力側から入力側にかけて順番に径が大きくなる3つの拡径部38a,38b,38cが設けられている。前記拡径部38aにはシール部材40が配置され、拡径部38bには円錐コロ軸受41が配置されている。前記円錐コロ軸受41の内輪41aは入力軸15に嵌合固定され、その入力側側面は入力軸15の拡径部端部に当接されている。また、円錐コロ軸受41の外輪41bは拡径部38bの拡径した段部底面及び周面に当接固定されている。
【0019】
拡径部38cにはラジアルベアリング42が配置されている。前記ラジアルベアリング42は外輪42aと切替え弁係合部材としての内輪42bとを備えており、同外輪42aは拡径部38cの拡径した段部底面及び周面に当接固定されている。図2に示すように、前記ラジアルベアリング42はその軸心がシリンダブロック25の軸線Oに対して一定角度傾斜した状態に配置されており、その内輪42bは後記する第2切替弁66を所定タイミングで軸線O方向に摺動させるためのカムとされている。前記内輪42bの入力側側面はカム面68となっている。
【0020】
前記本体ケース12の他端部側部には貫通孔12aが形成され、同貫通孔12aの他端部は縮径された縮径部12bが設けられている。前記縮径部12bにはシール部材43が配置され、貫通孔12aには出力側から入力側にかけて順番に前記ラジアルベアリング17、スリーブ44、円錐コロ軸受45が配置されている。ラジアルベアリング17の内輪17aはヨーク38に嵌合固定され、その外輪17bは縮径部12b側部及び貫通孔12aの周面に当接固定されている。
【0021】
前記スリーブ44は前記ラジアルベアリング17の外輪17b及び貫通孔12aの周面に当接固定されている。円錐コロ軸受45の内輪45aはヨーク38に嵌合固定され、その入力側側面はヨーク38の拡径部端部に当接されている。円錐コロ軸受45の外輪45bはスリーブ44及び貫通孔12a周面に当接固定されている。
【0022】
前記ヨーク38の出力側端部は本体ケース12の他端部から若干突出しており、出力軸47が形成されている。回転斜板面37はヨーク38によりシリンダブロック25の軸線Oと直交する仮想のトラニオン軸線TR2(図4参照)を中心として軸線Oに対して一定角度傾斜した状態に保持されている。
【0023】
前記シリンダブロック25には、その回転中心の回りにシリンダ孔29と同数のシリンダ孔39が環状に配列され、軸線Oと平行に延設されている。同シリンダ孔39は前記シリンダ孔29の同一円周上に配置されている。又、各シリンダ孔39は互いに隣接するシリンダ孔29間に位置するように、シリンダブロック25の周方向において、シリンダ孔29とは互いに1/2ピッチずつずらして配置されている(図5及び図6参照)。
【0024】
さらに、シリンダ孔39はシリンダ孔29とは図2に示すようにその長さ方向(シリンダブロック25の軸線O方向)において、互いにオーバラップするように配置され、前記ヨーク38側に開口が形成されている。各シリンダ孔39には、プランジャ36が摺動自在に配置され、その先端には、鋼球36aが転動自在に嵌合されている。プランジャ36は鋼球36a及び鋼球36aを取着したシュー48を介して回転斜板面37に当接されている。前記回転斜板面37とシリンダブロック25との相対回転に伴ってプランジャ36が往復動して受入・排出行程を繰り返す。
【0025】
前記油圧ポンプPと油圧モータMとの間に形成されている油圧回路について説明する。
シリンダブロック25の軸方向両端の内周面には、ともに環状の第1油室51及び第2油室52が形成されている。シリンダブロック25には前記第1油室51及び第2油室52を共に連通する第1弁孔53が、シリンダ孔29と同数個、シリンダブロック25の軸方向に沿って延設されている。又、シリンダブロック25には前記第1油室51及び第2油室52を共に連通する第2弁孔54が、シリンダ孔39と同数個、シリンダブロック25の軸方向に沿って延設されている。
【0026】
各第1弁孔53及び各第2弁孔54は、前記シリンダ孔29及びシリンダ孔39のピッチ円と同心であり、かつ、そのピッチ円よりも小径のピッチ円上に配置されている。各第1弁孔53と各第2弁孔54とは、図5及び図6に示すように互い隣接するように配置されている。
【0027】
図1,7に示すように、各第1弁孔53には、第1油室51と第2油室52との間において、対応するシリンダ孔29に連通する油路55のポンプポートUが形成されている。
【0028】
各第1弁孔53には、スプール型の切替え弁としての第1切替弁56が摺動自在に配置されている。第1切替弁56の基端面と第1弁孔53の底面との間にはバネとしてのコイルスプリング57が配置されている。以下、第1弁孔53におけるコイルスプリング57が配置されている空間を圧力付与室53aとしている。前記コイルスプリング57の付勢力と後述する圧力付与室53a内にチャージされた作動油の圧力との協働により、第1切替弁56の先端部は前記内輪23bのカム面58に対して常時当接されている。
【0029】
図7には、ラジアルベアリング23の内輪23bのカムプロフィールを示している。同図に示すように前記内輪23bのカム面58は、第1切替弁56をポート閉鎖位置n0を中心としてポンプポートUと第1油室51とを連通させる第1開口位置n1と、ポンプポートUと第2油室52とを連通させる第2開口位置n2間をサインカーブを描くように往復動させる領域H及び領域Iを備える。
【0030】
図7に示すように複数個のプランジャ26のうち、何れかは、カムプロフィールの領域Hに、何れかは領域Iに位置する。そして、ラジアルベアリング23の内輪23bのカム作用により、油圧ポンプPには吸入行程と、吐出行程とが付与される。
【0031】
本実施形態では、図1,3で図示の如く、クレイドル28が軸線Oに対して反時計回り方向へ傾動している場合に、領域Hにおいては、シリンダブロック25の回転に伴って、第1切替弁56が第1開口位置n1に移動されて、ポンプポートUを第1油室51に連通させるとともに、第2油室52とは不通状態にする。そして、領域Hでは、吸入作動を行うプランジャ26により、第1油室51、ポンプポートU、油路55を介してシリンダ孔29に作動油が吸入される。
【0032】
又、領域Iにおいては、シリンダブロック25の回転に伴って、第1切替弁56が第2開口位置n2に移動されて、ポンプポートUを第2油室52に連通させるとともに、第1油室51とは不通状態にする。そして、領域Iでは、吐出作動を行うプランジャ26により、シリンダ孔29から、油路55、ポンプポートUを介して第2油室52に作動油が吐出される。
【0033】
そして、クレイドル28が軸線Oに対して時計回り方向へ傾動すると、領域Hにおいて、シリンダ孔29から、油路55、ポンプポートUを介して第1油室51に作動油が吐出される。この時、領域Iにおいては、第2油室52、ポンプポートU、油路55を介してシリンダ孔29に作動油が吸入される。
【0034】
図1,7に示すように、各第2弁孔54には、第1油室51と第2油室52との間において、対応するシリンダ孔39に連通する油路65のモータポートWが形成されている。
【0035】
各第2弁孔54には、スプール型の切替え弁としての第2切替弁66が前記プランジャ36に対して平行となるように摺動自在に配置されている。第2切替弁66の基端面と第2弁孔54の底面との間にはバネとしてのコイルスプリング67が配置されている。以下、第2弁孔54におけるコイルスプリング67が配置されている空間を圧力付与室54aとしている。前記コイルスプリング67の付勢力と後述する圧力付与室54a内にチャージされた作動油の圧力との協働により、第2切替弁66の先端部は前記内輪42bのカム面68に対して常時当接されている。
【0036】
図7には、ラジアルベアリング42の内輪42bのカムプロフィールを示している。同図に示すように前記内輪42bのカム面68は、第2切替弁66をポート閉鎖位置m0を中心としてモータポートWと第2油室52とを連通させる第1開口位置m1と、モータポートWと第1油室51とを連通させる第2開口位置m2間をサインカーブを描くように往復動させる領域J及び領域Kを備える。
【0037】
図7に示すように複数個のプランジャ36のうち、何れかは、カムプロフィールの領域Jに、何れかは領域Kに位置する。なお、図7において、カム面58とカム面68との相対位置は、前記ラジアルベアリング42がヨーク38とともに回転するため変化するが(図3参照)、説明の便宜上、1つにまとめて図示している。
【0038】
そして、シリンダブロック25の相対回転に伴って、この内輪42bのカム作用により、油圧モータMには受入行程、排出行程が付与される。
本実施形態では、ポンプ側の領域Hが吸入行程で領域Iが吐出行程の時、領域Jは、シリンダブロック25の相対回転に伴って、第2切替弁66が第1開口位置m1に移動されて、モータポートWと第2油室52とを連通させるとともに、第1油室51とは不通状態にする。そして、領域Jでは、膨張作動を行うプランジャ36により、第2油室52、モータポートW、油路65を介してシリンダ孔39に作動油が吸入される。
【0039】
又、領域Kにおいては、シリンダブロック25の相対回転に伴って、第2切替弁66が第2開口位置m2に移動されて、モータポートWを第1油室51に連通させるとともに、第2油室52とは不通状態にする。そして、領域Kでは、収縮作動を行うプランジャ36により、シリンダ孔39から、油路65、モータポートWを介して第1油室51に作動油が排出される。
【0040】
そして、ポンプ側の領域Hが吐出行程、領域Jが吸入行程の時、領域Jにおいて、シリンダ孔39から油路65、モータポートWを介して、第2油室52に作動油が排出される。この時、領域Kにおいては、第1油室51、モータポートW、油路65を介してシリンダ孔39に作動油が吸入される。
【0041】
シリンダ孔29、シリンダ孔39、第1油室51、第2油室52、第1弁孔53、第2弁孔54、油路55、油路65、ポンプポートU及びモータポートWとにより、油圧回路、すなわち油圧閉回路が構成されている。
【0042】
前記油圧回路に作動油をチャージするために、入力軸15内には軸線Oに沿って軸孔70が穿設されている。軸孔70は、ホルダ14において、半径方向に導入油路71を有しており、同導入油路71はホルダ14の内周面に形成された周溝72及びホルダ14に半径方向に穿設された油路73に連通されている。蓋部13には油路73に連通する油路74が設けられ、油路74内には図示しないチャージポンプからの作動油が満たされている。
【0043】
入力軸15において、第1油室51及び第2油室52と相対する部分には、軸孔70に連通可能な弁座を開閉する一対のチャージ弁75(逆止弁)が配置されている。同チャージ弁75は油圧回路が作動油で満たされるまで開口して、軸孔70内の作動油を油圧回路に供給する。又、同チャージ弁75は作動油が軸孔70へ逆流するのを防止する。
【0044】
また、入力軸15において、コイルスプリング57,67とそれぞれ相対する部分には、半径方向に油路77が形成されている。シリンダブロック25の内周面には、圧力付与室53a,54aにそれぞれ連通する周溝78が形成されており、同周溝78は前記油路77に連通されている。前記圧力付与室53a,54aには、前記軸孔70、油路77、周溝78を介して図示しないチャージポンプからの作動油が満たされている。
【0045】
次に、本実施形態のように構成された油圧装置Tの圧力付与室53a,54a内の作動油及びコイルスプリング57,67の作用について説明する。
まず、圧力付与室53a内の作動油及びコイルスプリング57の作用について説明する。
【0046】
図示しないチャージポンプにより満たされた圧力付与室53a内の作動油の油圧力と、圧力付与室53a内に配置されたコイルスプリング57の付勢力との協働にて、第1切替弁56は常に内輪23bへ向け押圧される。
【0047】
そして、シリンダブロック25の回転に伴い、第1切替弁56が第2開口位置n2から第1開口位置n1に移動する。
すなわち、シリンダブロック25の回転に伴いカム面58は出力側へ向け進出し第1切替弁56の先端部を出力側へ向け押圧していく。すると、第1切替弁56は出力側へ向け移動し、コイルスプリング57は自身の付勢力に抗して収縮されるとともに、圧力付与室53a内に満たされている作動油は圧力付与室53a内から周溝78へ排出される。
【0048】
加えて、シリンダブロック25の回転に伴い、第1切替弁56が第1開口位置n1から第2開口位置n2に移動する。
この場合、シリンダブロック25の回転に伴いカム面58は入力側へ向け退出する。このとき、収縮したコイルスプリング57が復元する際の弾性力と、周溝78から圧力付与室53a内に満たされる作動油の油圧力との協働作用により、第1切替弁56の退出に追従して入力側へ向け移動する。すなわち、第1切替弁56はその先端部がカム面58に当接されたまま、入力側へ向け移動する。
【0049】
又、コイルスプリング57はシリンダブロック25の圧力付与室53a内に配置されているため、シリンダブロック25の回転に伴う遠心力で油圧装置Tから外れてしまうことがない。そして、圧力付与室53aから排出される作動油と流入する作動油が周溝78を介して、互いに流出入する構造であるので、作動油の消費も抑えることができる。
【0050】
なお、圧力付与室54a内の作動油及びコイルスプリング67の作用は、上記圧力付与室53a内の作動油及びコイルスプリング57の作用と同様の作用を奏する。
【0051】
すなわち、圧力付与室54a内の作動油及びコイルスプリング67の作用の説明は、上記作用の説明における内輪23bを内輪42b、圧力付与室53aを圧力付与室54a、第1切替弁56を第2切替弁66、コイルスプリング57をコイルスプリング67、カム面58をカム面68、入力側を出力側、出力側を入力側、第1開口位置n1を第1開口位置m1、第2開口位置n2を第2開口位置m2、と置き換えることにより、同様の作用説明ができるため、その詳しい説明は省略する。
【0052】
従って、本実施形態の油圧装置Tによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、第1切替弁56,第2切替弁66を圧力付与室53a,54a内に満たした作動油の油圧力と、コイルスプリング57,67の付勢力との協働作用にて内輪23b、内輪42b側へ向けそれぞれ押圧させている。そのため、例えば、第1切替弁56,第2切替弁66をそれぞれコイルスプリングのみで押圧させている油圧装置のそのコイルスプリングと比べて、本実施形態のコイルスプリング57,67は圧力付与室53a,54a内の作動油の油圧力分だけ小さい付勢力を備えたものでも支障無く採用できる。
【0053】
従って、バネ定数を小さくして、繰り返し荷重に対する強度を有するものとしても小型のバネで済む。
(2)本実施形態では、コイルスプリング57,67をシリンダブロック25の圧力付与室53a,54a内に配置している。
【0054】
従って、リンダブロックから突出したプランジャの先端部分にバネを設けた油圧装置ではシリンダブロックの回転に伴う遠心力でバネが飛ばされるおそれがあるが、本実施形態の油圧装置Tではそのようなことは起こらない。
【0055】
(3)本実施形態では、チャージ弁75に作動油を供給する油路と圧力付与室53a,54aに作動油を供給する油路とを共通化している。従って、例えば、チャージ弁75用の油路と圧力付与室53a,54a用の油路とをそれぞれ別々に形成した場合の油圧装置と比べて構造を単純化できる。
【0056】
(4)本実施形態では、圧力付与室53a,54aに流出入する作動油が周溝78を介して互いに流出入する構造なので、作動油の消費を抑えることができる。
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態は以下のような他の実施形態に変更して具体化してもよい。
【0057】
・前記実施形態では、圧力付与室53a,54a内にコイルスプリング57,67を設けていたが、そのコイルスプリング57,67を省略してもよい。このように構成すると、圧力付与室53a,54a内に供給された作動油の油圧力のみで第1切替弁56、第2切替弁66を内輪23b,42bに対してそれぞれ押圧させることができる。従って、コイルスプリング57,67を省略した分だけ油圧装置Tの部品点数を削減できる。
【0058】
・前記実施形態では、回転可能なシリンダブロック25を有する油圧装置Tに前記圧力付与室53a,54a及びコイルスプリング57,67を採用していた。これに限らず前記圧力付与室53a,54a及びコイルスプリング57,67を回転しないシリンダブロックを有する油圧装置に採用してもよい。又、前記コイルスプリング57,67を省略し、前記圧力付与室53a,54aを回転しないシリンダブロックを有する油圧装置に採用してもよい。
【0059】
次に、上記実施形態及び他の実施形態から把握できる請求項に記載した発明以外の技術的思想について、それらの効果と共に以下に記載する。
(イ)前記油圧回路にはチャージ弁が設けられ、前記チャージ弁の作動油供給側と、圧力付与室に連通する油路とが直接的につながっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の油圧装置。このようにすると、チャージ弁に作動油を供給する油路と圧力付与室に作動油を供給する油路とを共通化することができ、それぞれ単独で油路を形成した場合と比べて構造を単純化することができる。
【0060】
【発明の効果】
請求項1〜2に記載の発明によれば、圧力付与室内の作動油の圧力にて切替え弁を切替え弁係合部材に対して押圧させているため、付勢部材を設ける必要がなく、部品点数を削減できる。
【0061】
請求項2に記載の発明によれば、バネのみで切替え弁を切替え弁係合部材に対して押圧させる場合と比べてバネの付勢力を作動油の圧力分だけ弱めることができるため、必要な性能を確保してバネの小型化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態における油圧装置の断面図。
【図2】 図1におけるA−A線矢視断面図。
【図3】 本実施形態における油圧装置の油圧ポンプ側の要部断面図。
【図4】 本実施形態における油圧装置の油圧モータ側の要部断面図。
【図5】 図1におけるB−B線矢視断面図。
【図6】 図1におけるC−C線矢視断面図。
【図7】 内輪23b,42bのカム作用を示す説明図。
【符号の説明】
23b,42b…切替え弁係合部材としての内輪、25…シリンダブロック、26,36…プランジャ、29,39…シリンダ孔、
51…第1油室、52…第2油室、53a,54a…圧力付与室、
56…切替え弁としての第1切替弁、
57,67…バネとしてのコイルスプリング、
66…切替え弁としての第2切替弁、T…油圧装置。

Claims (2)

  1. 複数のプランジャを収納するシリンダブロックと、前記シリンダブロックの内周面に挿入される入力軸と、前記各プランジャを収納するシリンダ孔と連通する油圧回路と、前記シリンダ孔を前記油圧回路に設けた第1油室又は第2油室に選択的に連通させる複数の切替え弁と、前記切替え弁を往復動させる切替え弁係合部材とを有する油圧装置において、
    前記第1油室と第2油室を共に連通する弁孔を前記シリンダブロックの軸方向に沿って複数延設するとともに、前記切替え弁を前記弁孔で摺動自在に配置し、
    前記切替え弁の基端面と前記弁孔との底面との間に、前記切替え弁を作動油の油圧にて前記切替え弁係合部材に押圧する圧力付与室を設け、
    前記圧力付与室は、前記弁孔では前記切替え弁によって前記第1油室及び第2油室と連通不能に区画されるとともに、前記油圧回路に作動油を供給する前記入力軸の軸孔とは油路で連通され、
    隣接する圧力付与室同士は、前記シリンダブロックの内周面に形成された周溝によって連通される
    ことを特徴とする油圧装置。
  2. 圧力付与室にさらに切替え弁を切替え弁係合部材に押圧するバネを設けたことを特徴とする請求項1に記載の油圧装置。
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