JP4527527B2 - 植物での創傷誘導発現 - Google Patents

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Description

発明は殺虫タンパク質の発現局所発現を誘導する創傷誘導性プロモーター、好ましくは創傷誘導性TR2’プロモーターにより制御される植物の製造方法、この方法で使用するキメラ遺伝子、およびその方法により獲得する植物、ならびに昆虫の摂食による植物の創傷から誘導される殺虫性タンパク質の局所発現により、植物に昆虫による摂食に対する耐性を獲得させるプロセスに関する。
昆虫の攻撃に耐性である植物を作製する最も効果的な方法が、殺虫毒素の高レベル発現によって得られており、またそれに依存すると信じられている(Estruchら、1997年; WitoskyおよびSiegfried、1997年)。最も具体的には、植物での発現が低いことが分かっているBt毒素に関して、強力な構成的プロモーターを使用すること、およびそれらをコードしている遺伝子を修飾することによって植物に於けるこれら毒素の発現を高める努力が集中して行われている(Vack et al., 1987; Bartonら、1987年)。最近、昆虫の摂食による攻撃に感受性であるか、または昆虫の摂食がきっかけとなる感受性組織において、殺虫性タンパク質の発現を空間的に制御することが耐性管理に有益である可能性が示唆されている(PeferonおよびVan Rie、 1997年)。トランスジェニック昆虫耐性植物について法的承認を得る上で重要となる条件の一つは、昆虫耐性管理戦略の有効性である。現在よく採用されている戦略は、害虫の全生活環を通して特異的毒素および上記の高用量発現させ、これによりトランスジェニック植物に標的害虫に対し100%毒性を獲得させることと、標的害虫集団が生存可能な非トランスジェニック植物を待避させることとの組み合わせである(De Maagdら、1999年)。このような戦略を忠実に行なうためには、昆虫耐性植物構築に強力な構成的プロモーターを用いることが奨励されている。
昆虫耐性の誘導発現は、植物に於ける天然の防御システムの一つであり、創傷によって植物全体に浸透するシグナルを確実に生じせしめるポテトプロテアーゼ阻害因子遺伝子(pin1およびpin2)で検証されている(GreenおよびRyan, 1972年; Hilderら、1987年)。コメにpin2遺伝子を導入したところ、コメ植物全体に主要な害虫に対する耐性を高めるタンパク質が高レベルに蓄積した(Duan et al., 1996年)。Breitlerら(2001年)はトウモロコシプロテアーゼ阻害因子(MPI)遺伝子のC1領域の使用がコメにcry1Bコード配列の創傷誘導発現を誘導したこと、および初代形質転換体がキクイムシの攻撃からコメを効果的に防御することを見出し、創傷誘導発現が局所および植物全体の両方で起こることを記載している。
小スケールの研究室実験では、cry1Ab3遺伝子を大豆由来の誘導性vspBプロモーターの下流に配置して形質転換したトランスジェニックキャベツの葉が35Sプロモーターの制御下にある同一遺伝子で形質転換したものと同様にコナガに対して有毒であったが、創傷誘導性は証明されていない(Jinら、2000年)。
Agrobacterium tumefaciensのマンノピン合成酵素遺伝子のTR2’プロモーターは本来構成的発現を支配するものと考えられているが(Veltenら、1984年; Vaeckら、1987年)、これを用いてトマトに未変性のCry1Ab遺伝子の創傷誘導性発現を起こさせたところ、発現は比較的低く、弱い昆虫制御効果しか得られなかった(Reynaerts & Jansens, 1994年)。Btタンパク質の発現については広い応用が示唆されているが(Peferoen, 1997)、タバコおよびその他双子葉植物でのTR’2プロモーターの発現パターンに関する報告には矛盾があるように思われる(Ni et al.1995年)。一般的には、単子葉植物での遺伝子の最適発現には、単子葉植物プロモーターの使用が好ましく(Shimamoto、1994年)、ある種のプロモーターが単子葉植物および双子葉植物に様々なシス−作用エレメントを有していることが見出されている(Luanら、1992年)。その活性へのTR2’プロモーターの各種エレメントの関わり方については、トウモロコシのプロトプラストで研究され(Foxら、1992年)が、単子葉植物でのTR2’プロモーターの発現パターンについての報告はない。さらに、最も強力な欠失突然変異体はCaMV35Sプロモーターに比べ20倍活性が低いことが見出された(Foxら、1992年)。
Agrobacteriumマンノピン合成酵素プロモーターは、構成的な、根特異的および組織特異的プロモーターであることを特徴とするものであり、例えば米国特許第6291745号、第6320100号および第63133378号明細書を見よ。米国特許第5641664号明細書では、形質転換双子葉植物での遺伝子の直接発現に用いられる各種構成的および器官−および組織−特異的プロモーターは、形質転換単子葉植物での使用にも適していると信じられている。この特許の中の植物細胞の形質転換に好適な外来性構成的プロモーターの一般的リストの一部として、AgrobacteriumのT−DNAの1’および2’をそれぞれ発現させるTR1’およびTR2’プロモーターが記載され、創傷誘導プロモーターと呼ばれている。この特許はTR2’またはTR1’プロモーターで形質転換された単子葉植物は示しておらず、またこれらプロモーターが単子葉植物の創傷誘導プロモーターであること、または単子葉植物での殺虫性タンパク質の発現にとって有用であることも示唆していない。
本発明はTR2’プロモーターを単子葉植物に殺虫性タンパク質を創傷誘導発現させ、昆虫耐性を獲得する方法を記載する。TR2’プロモーターのこの様な創傷誘導発現は、強力ではあるが、局所的であるな殺虫性タンパク質発現増加をもたらす。特に同系交配を繰り返した時に、一部Btタンパク質の高レベル発現に伴い観察される(例えばCry2Abに関する国際特許出願WO00/26378号)植物の活力および成長に予想される影響は、タンパク質の発現が限定的であることで、組換え穀物の品質維持に重要な機能への負荷量が軽減されることにより最小限に食い止められると考えられている。このことは各種形質(または各種Btタンパク質)の積重ねを期待する場合にも重要な要因である。標的害虫と接触することで高い用量発現レベルが獲得される場合は、かかる植物は現行のIRM戦略を遵守すべきである。さらに産生される昆虫毒素の特異性と、空間的および時間的に限定された発現パターン(即ち創傷感受性組織内に、創傷により発現する)とが組合さることで標的外の生物への暴露を小さくできると思われるが、このことは植物による毒素の構成的産生にとって有益であると考えられる。即ち、トウモロコシやコメといった主要穀物について効果的な昆虫耐性を保証する有効な制御発現システムは、規制および農業の両観点から興味深い。
本発明は単子葉植物での殺虫性タンパク質の創傷誘導発現を獲得する方法に関するものであるが、この方法はTR2’プロモーターを含むプロモーター領域の制御下に殺虫性タンパク質をコードするDNA配列を含むキメラ遺伝子である外来DNAを植物ゲノム内に導入することを含む。発明の具体的実施態様によれば、殺虫性タンパク質はBacillus thuringiensis毒素である。本発明の好ましい実施態様では、殺虫性タンパク質は単子葉植物害虫に対し作用する殺虫性タンパク質であり、最も好ましくは、殺虫性タンパク質はCry1Ab、Cry1F、Cry2Ae、Cry9CもしくはCry2Abタンパク質またはその殺虫性断片もしくは突然変異体である。
即ち、本発明の好適実施態様は、植物、植物細胞または植物組織の中に、より具体的には単子葉植物、特にイネ科植物、特にはトウモロコシの植物、植物細胞または植物組織の中に、植物、植物細胞もしくは組織に、TR2’プロモーターを含むプロモーター領域の制御下に殺虫性タンパク質をコードするDNA配列を含む外来DNAを提供することにより、昆虫耐性、好ましくは高用量昆虫耐性を獲得する方法に関する。本発明によれば、TR2’プロモーターは創傷、例えば昆虫による摂食により殺虫性タンパク質の発現を高めるのに用いる。即ち、発明の特定実施態様によれば、創傷が無いか、または摂食されない場合には、単子葉植物での殺虫性タンパク質の発現は、好ましくはELISAアッセイにより温室内で測定するとき、葉では低く(即ち総可溶性タンパク質の0.005%未満(同一形質転換イベントについて複数本、少なくとも3本、特には少なくとも5本の植物について行った多重測定の平均値)、創傷が有るか、または摂食された組織、特に葉では24時間以内に増加し、好ましくは2倍、最も好ましくは5〜100倍に増加する。
本発明の好ましい実施態様によれば、創傷誘導TR2’プロモーターの制御下にある殺虫性タンパク質をコードするDNA配列を含むキメラ遺伝子を用いて、昆虫摂食部位に殺虫性タンパク質の局所発現を命ずることにより、単子葉植物、特にイネ科植物、最も特にはトウモロコシに昆虫耐性を付与する。即ち発明は単子葉植物に於いて創傷誘導性発現を獲得するためのキメラ遺伝子に関する。発明の具体的実施態様では(温室内で測定した場合)、創傷が無いか昆虫が付着していない植物の葉では発現が低いか、または検出できず(全可溶性タンパク質の0.005%未満(同一形質転換イベントについて複数本、少なくとも3本、特には少なくとも5本の植物について行った多重測定の平均値)、そして感染により殺虫性タンパク質のレベル増加(少なくとも2倍、好ましくは少なくとも5〜100倍増加またはそれ以上)が、18時間以内に、感染組織内に局所性に誘導される。発明のこの側面では、それらのゲノム中に殺虫性タンパク質をコードするDNA配列を含む外来DNAが存在することにより昆虫耐性である、創傷組織内での発現を確実にするTR’2プロモーターの制御下にある植物、より具体的には単子葉植物を提供する。発明の実施態様の一つによれば、植物での殺虫性タンパク質の発現は、植物の創傷がない時には(例えば温室内で栽培するとき)、殺虫性タンパク質の葉、茎、種子および花粉、好ましくは少なくとも葉および花粉、特には少なくとも葉での発現は低いか、または検出不能レベル(即ち全可溶性タンパク質(同一イベントについて複数、好ましくは少なくとも3個体、特には少なくとも5個体の植物より得た多重測定値の平均)の0.005%以下)であり、昆虫による摂食によって創傷組織、好ましくは少なくとも葉に於いて摂食害虫を死滅させるのに十分なレベル、好ましくは全可溶性タンパク質の少なくとも0.01%の濃度まで増加するものである。
発明の好適実施態様によれば、TR’2プロモーターは単子葉植物に用いられ、Bt毒素である殺虫性タンパク質の創傷誘導発現を命ずることにより、昆虫耐性を付与する。Bt毒素をコードするDNA配列の例は、当分野周知であり、本明細書に記載されている。
本発明の実施態様の一つによれば、トウモロコシでのTR2’プロモーターを用いたBt毒素の創傷誘導発現の使用は、標的昆虫の摂食による植物内での局所的な高用量毒素発現を基礎とする、アワノメイガ(ECB)に対するトウモロコシの耐性の遺伝子工学に特に適している。遺伝子の中にTR2’プロモーターの制御下にある殺虫性タンパク質をコードするDNA配列を含む外来DNAを含む本発明の植物または植物の一部分(細胞または組織)は、創傷によってECBの幼虫、特には本明細書に記載の昆虫効力アッセイによって決定できる第4ステージのECB幼虫に対し毒性であるレベルの殺虫性タンパク質を産生する。好ましくは、ECB第四段齢幼虫死亡率少なくとも97%、好ましくは少なくとも99%、最も好ましくは100%を得る。
本発明はさらに、昆虫に対しては耐性でありながら、一方で植物の無創傷の葉では殺虫タンパク質の発現が極めて低い基礎レベルである単子葉植物に関する。本発明の特定の側面では、植物の表現形、分離、発生、活力および作物の等級を評価することで確認できる最適な作物学的特性と効果的な昆虫耐性を併せ持つと同時に、殺虫タンパク質の発現によって作物特性を犠牲にすることの無い単子葉植物、より具体的にはトウモロコシを得る。
本発明の別の側面によれば、昆虫耐性であり、そしてその他形質(例えば他のタイプの昆虫耐性、除草剤耐性または作物形質)に積重ねるのに特に好適である単子葉植物、具体的にはトウモロコシを得る。
発明の別の側面は、標的害虫に対して耐性であるが無創傷時には殺虫性タンパク質の産生が、好ましくは葉および花粉において、特に葉において検出不能なほど低く、標的外生物が殺虫性タンパク質に暴露することが限定的である単子葉植物、特にトウモロコシを提供する。
本発明によれば、上記特性を持つ植物は、単子葉植物、より具体的にはトウモロコシに於いて創傷誘導プロモーターとして機能することが実証されているTR’2プロモーターの制御下にある殺虫性タンパク質をコードするDNA配列を植物ゲノム無いに導入することで得られる。
本明細書で使用する場合、用語「遺伝子」とはプロモーター領域、5’非翻訳領域(5’UTR)、コーディング領域(タンパク質をコードしても、またはしなくともよい)、ポリアデニル化サイトを含む非翻訳3’領域(3’UTR)といった複数の作動性に連結したDNA断片を含むDNA配列を表す。一般に植物細胞では5’UTR、コーディング領域および3’UTRは、タンパク質をコードする遺伝子の場合には、コーディング領域がタンパク質に翻訳されるRNAに転写される。遺伝子は、例えばイントロンのような追加のDNAを含んでもよい。本発明の形質転換に用いる遺伝子にはプロモーター領域が必要ではあり、ポリアデニル化サイトを含む3’UTRが移入遺伝子そのものの中に存在する必要はないが、ポリアデニル化サイトを含む3’UTRを含有しない遺伝子を挿入した後に上流の植物DNA配列にポリアデニル化サイトを含む3’UTRが見いだすことができる。同様に、本発明のコーディング配列を植物ゲノム内にある既存の植物プロモーターの下流に挿入することができ、その結果発明の殺虫性タンパク質の発現は植物内のかかる再構成キメラ遺伝子より起こる(例えばプロモータータギング(promoter rtagging)実験でのように)。
用語「キメラ」とは、遺伝子またはDNA配列に関連する場合には、天然は互いに結合せず、そして/または例えば異なる供給源に由来する少なくとも2つの機能的に関連するDNA断片(プロモーター、5’UTR、コーディング領域、3’UTR、イントロンのような)を含む遺伝子またはDNA配列を意味する。「外来」とは、植物種に関連する遺伝子またはDNA配列に関連する場合には、その植物種に天然には見いだされない、あるいはその植物種の遺伝子座には天然に見いだせない遺伝子またはDNA配列を示すのに用いられる。用語「外来DNA」は、本明細書ではその植物での形質転換の結果として植物ゲノムの中またはその植物の子孫の中に取込まれたDNA配列を表す。
ここで用いる場合、植物、植物組織または植物細胞のゲノムとは植物、植物組織または植物細胞内の遺伝物質を表し、核ならびにプラスチドおよびミトコンドリアゲノムを包含する。
本明細書で使用する場合、DNA分子またはタンパク質配列の「断片」または「断端」とは、参照された元のDNAまたはタンパク質配列(核酸またはアミノ酸配列)もしくはその合成体(植物での最適発現に合わせた配列のような)の一部分であって、様々な長さを有するが、その最小サイズはタンパク質が生物学的に活性であることを保証するのに十分なものであり、最大サイズは重要ではないような部分を意味する。配列の「変異体」または「突然変異体」とは、ここでは配列(核酸またはアミノ酸)が、用語が参照する配列と実質同一であるDNA分子またはタンパク質を表す。
「実質同一」である配列とは、2つの配列を並置したときに、配列同一率、即ちヌクレオチドまたはアミノ酸が同一である位置の数を、短い方の配列のヌクレオチドもしくはアミノ酸数で除したものは、70%より高く、好ましくは85%より高く、より好ましくは90%より高く、特に好ましくは95%より高く、最も好ましくは96〜100%の間である。2ヌクレオチド配列の並置は、WilburとLipmann (1983年)が記した、20ヌクレオチドのウインドウサイズ、4ヌクレオチドのワード長、およびギャップペナルティー4を用いたアルゴリズムにより実施される。
ここで使用する「殺虫性」とは、トウモロコシの害虫である昆虫に対する毒性を意味する。より具体的には、本発明の流れの中では、標的昆虫はOstrinia nubilalis(アワノメイガまたはECB)、Sesamia nonagrioides(地中海茎食いムシ)およびHelicoverpazea(オオタバコガ)といった主要な鱗翅目害虫、ならびにコーンルートワーム(Diabrotica spp.)、特にDiabrotica virgifera virgiferaおよびDiabrotica undecimpunctata howardi(コーンルーツワーム)といった主要コウチョウ目といった単子葉植物、最も特にはトウモロコシの害虫であるが、これらに限定されるものではない。
本明細書に使用する場合、「殺虫性タンパク質」または「毒素」は、昆虫に対し有毒であるタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドとして理解すべきである。かかる殺虫性タンパク質の例は、Bt Cry毒素、その突然変異体または殺虫性断片(例えばHofteとHhitely、1989年、Crcckmoreら、(1998年)によりレビューされているもの、ならびに国際特許出願番号WO 00/26378明細書、WO 97/40162明細書、および米国特許番号第6、023、013号明細書に記載のもの)、より具体的にはCry2Ae(国際特許出願番号WO 02/057664)タンパク質、またはその殺虫性断片、Cry2Abタンパク質またはその殺虫性断片、Cry9Cタンパク質またはその断片もしくは突然変異体(例えば国際特許出願番号WO94/24264明細書または国際特許出願番号WO99/00407明細書)、Cry1Fタンパク質またはその殺虫性断片、およびCry1Abタンパク質またはその殺虫性断片、ならびに149B1複合(約14および44キロダルトン)毒素またはその殺虫性断片、および米国特許第6、548、291号明細書、第6,063、597号明細書および第6、501、009号明細書に記載のCry3bタンパク質およびその殺虫性断片もしくは突然変異体。他の殺虫性タンパク質は、例えばVIP類、特にVIP3A、より具体的にはVIP3Aa、VIP3AbおよびVIP3Acタンパク質もしくはその殺虫性断片(Estruchら、1996年、国際特許出願番号WO 96・10083明細書、米国特許番号第6、429、360号明細書、第5、877、012号明細書)あるいはmis、warおよびsup配列にコードされるタンパク質(国際特許出願番号WO98/18932明細書、国際特許出願番号WO99/57282明細書)、ならびにPhotorabudus luminescens産生毒素(Forstら、1997年)のようなXhenorabdusおよびPhotorabdus sppより単離された毒素がある。その他殺虫性タンパク質としては、ジャガイモプロテアーゼインヒビターIおよびII、ササゲプロテアーゼインヒビター、ダイズのシステインプロテアーゼインヒビター(Zhaoら、1996年)またはコメおよびトウモロコシから単離されるシスタチンのようなシスタチン(Irieら、1996年)、コレステロール酸化酵素、キチナーゼ、ならびにレクチンを挙げることができるが、これらに限定されない。殺虫性タンパク質はプロトキシン(即ち殺虫性タンパク質をコードする全長遺伝子の一次翻訳産物)であろう。また殺虫活性を有する、上記いずれかのタンパク質の均等物および変異体、誘導体、断端またはハイブリッドも包含する。Bt毒素、またはBtタンパク質は、本明細書で使用する場合には、Bacillus thuringiensisが天然に産生するタンパク質より直接または間接的に誘導され、そして天然に産生するBt毒素の有毒断片、または少なくともそのドメインと実質同一である配列を含む、上記殺虫性タンパク質を表す。Bt毒素またはBtタンパク質は、本明細書で使用する場合は、結晶タンパク質もしくはその殺虫性部分、または分泌タンパク質もしくはBt株の植物期に主に産生するタンパク質のような非結晶性タンパク質、あるいは殺虫性突然変異体またはその一部分でなければならない。本明細書で使用する場合、「殺虫性タンパク質をコードするDNA」としては殺虫性タンパク質をコードする断端、修飾、合成または天然のDNA配列が挙げられる。
本発明の特定の実施態様では、殺虫性タンパク質をコードするDNAは、Bt毒素をコードするDNA配列、より好ましくは植物内での殺虫性タンパク質発現を増加するよう修飾されたDNA配列である。本発明の特定実施態様によれば、殺虫性タンパク質をコードするDNA配列は、少なくともHofteら(1986年)が記載のCry1Ab5タンパク質部分をコードする修飾cry1Ab DNA配列であり、好ましくはアミノ酸位置1〜28の間にアミノ酸位置から、そのアミノ酸位置607〜725の間のアミノ酸までのアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNA配列であり、最も好ましくはアミノ酸1〜616を含む。最も好ましくは、コードされた修飾型Cry1Abタンパク質はATG開始コドンの後ろにアラニンコドン(GCT)の挿入を有する(AlaAsp2...Asp616)。
植物材料での殺虫性タンパク質の発現レベルは、例えば組織内に産生した殺虫性タンパク質をコードするmRNAの特異的プライマーを用いた定量(CornelissenとVandewiele、1989年により記載されたような)または、例えば免疫学的検出方法による、産生された殺虫性タンパク質の量を直接特異的に検出するといった当分野記載の様々な方法により決定できる。より具体的には、本発明によれば、殺虫性タンパク質の発現レベルは、可溶性タンパク質の総量(例えばBradford分析 (Bradford、1976年)により決定される)に対する、ここに記載される免疫特異的ELISAにより決定される可溶性殺虫性タンパク質のパーセンテージとして表される。本発明で好ましいELISAはサンドイッチELISA(Clarkら、1986年)である。
本明細書で使用する場合、「創傷誘導性」プロモーターまたは創傷誘導的である発現パターンを導くプロモーターは、少なくとも葉では、創傷によって上記プロモーター制御下にあるコーディング配列の発現を有意に増加する、即ち少なくとも2倍、好ましくは5倍の増加、最も好ましくは20〜100倍増加させることを意味する。ここで用いる「創傷」とは、いずれかの種類の昆虫摂食による、少なくとも植物上皮または外細胞層の機械的損傷または穿孔を意味し、またここで用いる創傷は小刀のような鋭利な道具で葉を切ることによっても模擬できる。好ましくは、本発明によれば、殺虫性タンパク質、好ましくはBt殺虫性タンパク質の植物での創傷誘導発現は、V4ステージの植物の葉におけるタンパク質の基礎発現(即ち創傷のない状態で、好ましくは温室内にて測定されたもの)が低く、最も好ましくは全可溶性タンパク質含有量の0.005%以下であり(1つの形質転換イベントについて数個体の植物について行った測定の平均値)、そして創傷により、創傷を加えさらにin vitroで数時間、例えば約12〜約60時間、好ましくは約18〜約20時間インキュベーションした後に収集した葉の部分を用いて測定したときに、好ましくは全可溶性タンパク質の総量の0.01%より高いレベル、より好ましくは全タンパク質含有量の0.04〜0.5%のレベル以上に上昇することを意味する。創傷後に室温にて数時間、好ましくは約12〜60時間、より好ましくは約18〜20時間、温室または生育チャンバー内で、切除した葉をin vitroアッセイして測定すると(昆虫の摂食による状態をよりよく反映するため)、植物に創傷し、切り取った葉またはその一部をin vitroインキュベーションせずに測定した場合に比べ高い発現が誘導されるだろう。創傷後の植物組織、好ましくは葉の殺虫性タンパク質濃度の測定およびここに記載の発現増加の測定に関しては、in vitroでインキュベーションを利用した切除組織、好ましくは葉のアッセイを用いるのが好ましいが、これは昆虫の摂食により組織内に誘導される実濃度をよりよく反映すると考えられるからである(コントロールの葉は、新鮮な、創傷のない、植物組織内の実濃度をよりよく反映するためのin vitroインキュベーションを行ったものである)。創傷誘導プロモーターの基礎またはバックグランド発現レベルは、本明細書で用いる場合には、温室栽培植物より採取した、新たに切除した、事前創傷のない葉材料について測定されることが好ましい。発明の特定実施態様によれば、少なくとも創傷のある葉における殺虫性タンパク質の発現は、創傷部位に於いて全可溶性タンパク質含有量の0.1%まで上昇する。昆虫の摂食活動によって昆虫が実際に摂取する、本発明による全可溶性タンパク質当たりの殺虫性タンパク質のパーセンテージは、発現が局所性であること、そして昆虫により摂取されたのは誘導(創傷)組織のみであろうという事実から、昆虫によって摂取されている植物全体またはその一部について測定されるパーセンテージより高いと信じられている。また、タンパク質濃度の測定では、植物組織の特定最低量を切除し(葉の場合、一般には創傷周囲2〜3mmを切り取る)殺虫性タンパク質含有量分析を行うため、非創傷細胞の存在によりサンプルより抽出した全可溶性タンパク質当たりの殺虫性タンパク質のパーセンテージは下がると信じられている。
この種の形質転換実験でよく観察される如く、形質転換後には広範な植物の形質転換イベントが得られることから、その後の発生(即ち、特定の生育領域に適合した好適植物系統に交配にとって)にとって最適な植物を選択する手順が選ばれる。このような選択手順では、植物組織内、好ましくは葉および花粉、最も好ましくは葉で低いか、または検出不可能なタンパク質レベルを示す植物であって、創傷誘導により植物が少なくとも5倍高い葉で発現を示す植物を選ぶ。
本明細書で使用する場合、「温室」とは通常の野外条件から植物を遮断し、昆虫、ウサギ、トリまたはその他動物による摂食、あるいは野外で作物を損傷することがある外部要因(風または嵐など)が無いか、またはほとんど無い植物にとって比較的安定した生育環境を表す。典型的な温室は、ガラスまたはプラスチックといった透明な材料を使って作られており、そのため日光が植物に到達でき、光、生育媒体(土壌または人工培養土)、水および栄養の供給ならびに/または温度制御を制御できるものである。ここで用いる温室には、正常な植物生育条件が確率できる光源および生育媒体が提供される限りにおいて、日光が入らない部屋または箱も含まれる。このように温室は、比較を目的とする、本発明の創傷誘導構築体について葉での基礎またはバックグランド(非誘導状態での)の発現レベルを測定する上で最適な場所である。
殺虫性タンパク質の同様の基礎またはバックグランド発現値は、野外の植物の葉でも見いだせるが、野外の植物に加えられる昆虫による摂食または機械的損傷、例えば乗物、ウサギまたは植物によって加えられる摂食または機械的損傷が本発明の創傷誘導性プロモーターの誘導による発現レベルを高め、その結果真の基礎レベルではない値が野外の全植物で典型的に測定されることが予想される。
本明細書において植物、好ましくは本発明の単子葉植物を参照しながら使用する場合、「高用量」発現または「高用量」昆虫耐性とは、感受性が有意に低い、好ましくは昆虫の第1幼虫期に比べ毒素に対し25〜100倍感受性が低く、従って標的昆虫を確実な完全制御が期待できる、発生段階の標的昆虫を死滅させる植物内の殺虫性タンパク質の濃度(ELISAを用いて全可溶性タンパク質のパーセンテージとして測定し、この場合の全可溶性タンパク質は抽出緩衝液(例えばJansensら、1997年に記載の抽出緩衝液)中に可溶性タンパク質を中質した後にBradford分析(Bio-Rad、Richmond、CA; Bradford、1976年)を用いて測定する)を指し、高用量昆虫耐性は標準的な昆虫バイオアッセイに於いてかかる植物を昆虫に摂食させた後10〜14日目に測定した時、標的昆虫の第4幼虫齢(5幼虫齢の昆虫について)または最終幼虫齢(第4以下の昆虫齢の昆虫)の死亡率に関し少なくとも97%、好ましくは少なくとも99%、最も好ましくは100%を獲得するのが最も好ましい。本発明の形質転換植物が高用量昆虫耐性を示す標的昆虫種(即ちある植物種または変種に商業的に重大な損害を与えることがある昆虫であり、そして典型的にはそれに対するトランスジェニック植物が開発されている昆虫)が1つ存在していれさえすれば、本発明ではその植物を「高用量」発現とする。さらに、植物内に存在するか、またはin vitro培養内に存在するかに関わらず、昆虫バイオアッセイを用いた時に上記の高用量昆虫耐性発明が示される、創傷誘導キメラ遺伝子を用い形質転換した植物細胞または植物組織、特にトウモロコシ植物細胞または植物組織も本発明に包含される。
本明細書で使用する場合、トウモロコシでのECB制御参照時の高用量とは、ここに記載する人工的な摂食を利用した毒性アッセイにより決定できる様な量の、輪生中期段階にある植物がL4ステージのECB幼虫に対し毒性である殺虫性タンパク質を産生することを意味し(European Corn Borer.Ecology and Management.1996.North Cetnral Regional Extension Publication No.327.Iowa State University, Ames, Iowa)、アッセイではL4幼虫に植物を摂食させた後、試験14日目、好ましくは10日目に少なくともL4のECB幼虫の死亡率90%、好ましくは少なくとも97、より好ましくは少なくとも99%、最も好ましくは100%を得る。驚くべきことに非誘導状態に於いては高感度ELISAプロトコルにより発現が低いか検出できない例でも、TR2’プロモーターを用いて創傷誘導発現を作動した発明のトウモロコシ植物では殺虫性タンパク質の高用量発現が得られ、発現は昆虫の摂食によってのみ誘導される。植物の形質転換実験に広く見られる如く、形質転換により得た一部の植物はその後の発生に好適でないため、獲得した形質転換植物から基礎またはバックグランドの発現が低く、高用量の創傷誘導発現を示す好適植物系統を選別する必要があり、そして好ましくはそのような植物系統は殺虫性タンパク質をコードする挿入DNAを一つだけ含有する。典型的には、商業的に許容可能な植物系統は、100を超える、好ましくは数百の初期形質転換植物から獲得する。
本発明によれば、「創傷誘導」発現はさらにプロモーターの効果が局所的である、即ち創傷の影響を直接受ける細胞または組織、または創傷組織の直近の周囲にある細胞または組織に実質制限されるという好ましい特徴を有する。これは、広範囲の効果を直接または間接的(反応カスケードを通じて)に及ぼす全身性効果、より具体的には植物の天然の防御メカニズムに含まれる広範囲のタンパク質発現とは相対するものである。好ましくは、植物の非損傷組織での殺虫性タンパク質の発現は、温室栽培植物についてELISA(上記参照)を用い測定した時に、平均で全可溶性タンパク質濃度の0.01%を超えず、より好ましくは全可溶性タンパク質の0.005%を超えない(1形質転換イベントについて複数、好ましくは少なくとも3、特には少なくとも5個体の植物について行った多重測定の平均値)。本発明の好適実施態様では、葉、特にトウモロコシの葉での創傷誘導プロモーター活性は創傷領域に局在しており、創傷部位から10cmを超える、特に2cmを超え離れている植物の領域、特に葉では検出されないだろう(ELISAアッセイを用いて)(例えば同一植物内でも創傷した葉より低いまたは高い位置にある葉、または同一の葉であってもお葉の創傷部位より10cm、好ましくは2cmを超え離れている場所では検出されないだろう)。これにより植物内、特に葉、好ましくはトウモロコシの葉での発現が、発現を必要とする場所(即ち昆虫が摂食するかまたは摂食の試みによって少なくとも孔が開いた葉)に効果的に限定され、その結果高レベルの構成的発現により起こることがある植物へのストレスを最小限にとどめる。特に異なるタンパク質(例えば異なる昆虫制御タンパク質)をコードする複数の遺伝子を一つの植物に組入れる倍には、導入した遺伝子の1またはそれ以上が創傷発現することが有益であると考えられている。
別の実施態様では、本発明による殺虫性タンパク質の創傷誘導発現は、創傷後約18〜24時間、好ましくは18、20もしくは24時間後に、葉の一部に損傷を加え、その葉を切取り、上記時間in vitroでインキュベーションするアッセイを用いたときに基礎またはバックグランドレベルからより高いタンパク質レベルに上昇(少なくともコントロールの2倍量、好ましくはコントロールの少なくとも5〜100倍量)する、迅速な発現誘導を特徴とする(基礎またはバックグランドレベルは、新たに切出し、それまでに損傷を加えていないin vitroインキュベーションしていない葉の部分を用いて測定する)。
本明細書で用いる場合、「TR2’プロモーター」はAgrobacterium由来のTR1’−TR2’二重プロモーター要素(Valtenら、1984年; Langridgeら、1989年)のTR’2(またはmasと略記されるマンノピン合成酵素)機能部分を含むプロモーターに関する。即ち、これはTR2’要素を単独または別種TR1’要素(Guevara-Garciaら、1988年)もしくはエンハンサー領域、イントロン等を含むがこれらに限定されないその他(制御)要素とを、本発明による創傷誘導プロモーターの特性が実質的に維持される範囲で組合せて含むことができる。本発明の好適実施態様では、TR1’−TR2’二重プロモーター(またはTR2’プロモーター要素を保持するその一部分)を使用する場合でも、転写はTR2’プロモーター領域から始まる(即ちコーディング領域はTR2’プロモーター配列と作動性に連結し、その下流に位置する)。最も具体的には、ここに使用する場合には、TR2’プロモーターは、ヌクレオチド番号1〜336の間のヌクレオチド位置からヌクレオチド位置483までの配列番号1番の断片を含む、好ましくは配列番号1のヌクレオチド9〜483の配列を含む、最も好ましくは配列番号1またはその機能的均等物、即ち植物、より具体的には単子葉植物での創傷誘導発現を支配できるその修飾物を含むプロモーター領域を表す。かかる機能的均等物としては、少なくとも配列番号1のヌクレオチド328〜483を含むヌクレオチド配列(TR2’プロモーター要素を含む、Veltenら、1984年)に実質同一である配列が含まれる。かかる配列は各種Agrobacterium株から単離できる。あるいはかかる機能的均等物は、配列番号1のヌクレオチド328〜483の少なくとも約25、好ましくは少なくとも約50または最大100個の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、ポリメラーゼチェインリアクション反応で増幅できる配列に相当する。TR2’プロモーターの機能的均等物はまた配列番号1の配列のヌクレオチドを置換、付加、または欠失することにより獲得でき、その中には配列番号1の機能的TR2’部分を含むハイブリッドプロモーターも含まれる。かかるプロモーター配列は部分または完全合成できる。
本発明の植物は、制御量の殺虫性タンパク質の創傷誘導発現により有害昆虫から保護される。制御とは毒性(致死的)または闘争(半致死)量を表す。誘導により、高用量(上記定義)が産生されることが好ましい。同時に、植物は形態学的に正常でなければならず、そして産物の消費および/または生産を目的として通常の様式で栽培できるだろう。さらに、上記植物は実質的に化学的または生物学的殺虫剤(殺虫性タンパク質の標的となる昆虫に対する)を必要としないものとする。
植物での殺虫性タンパク質の効果は様々なアッセイを用いて測定できる。より具体的には、Ostrinia nubilalisまたはECBに対するトウモロコシ植物内に産生される殺虫性タンパク質の毒性(ここではECB効果とも称する)は、ECBの幼虫を利用した摂食アッセイで植物から抽出したタンパク質を試験するか、またはペトリ皿の中の置いた形質転換植物の葉材料上に散布した幼虫の死亡率をスコア化することにより、in vitroでアッセイできる(いずれもJansensら、1997年により記載されたアッセイ)。野外に於いては、初回孵化ECB幼虫(ECB1)の摂食を葉の損傷等級付け(Guthrie、1989年)に基づいて評価したのに対し、の茎の空洞の総数および空洞長は二回目に孵化したECB(ECB2)の茎の摂食損傷を示すものである(茎の空洞長の分析に関しては、例えばJansensら、1997を参照)。
本発明の植物は、場合によってはそのゲノムの中に除草剤耐性をコードする遺伝子も含むだろう。より具体的には、除草剤耐性遺伝子はbarまたはpat遺伝子であり、これらは植物にグルフォシネート耐性を付与し、即ち植物は除草剤Liberty(商標)に対し耐性である。Liberty(商標)の耐性は、様々に試験できる。例えば、耐性はLiberty(商標)スプレー噴霧により試験できる。最善の結果を得るには、噴霧処理はV2ステージの植物とV6ステージの植物の間に行うべきである。耐性植物は、植物に少なくとも200グラム活性成分/ヘクタール(g.a.i./ha)、好ましくは400g.a.i./ha、そして可能であれば1600g.a.i/ha(正常な野外使用量の4倍)までを植物に噴霧しても植物が死滅しないことを特徴とする。散布により使用する場合は、28〜34オンスLiberty(商標)+3ポンド硫酸アンモニウム/エーカーの割合で散布するものとする。葉の上に界面活性剤の痕跡が残らないようにするために、植物の輪生内に直接噴霧しないように十分注意を払いながら、フラットファン型のノズルを用いて水20ガロン/エーカーの割合で散布するのが最もよい。除草効果は48時間以内に現れ、5〜7日間明瞭に見ることができなければならない。他の除草剤耐性遺伝子の例は、フェンメジファンに対する耐性をコードする遺伝子(pmph遺伝子、米国特許第5、347、047号;米国特許第5、543、306号のような)、グリホスフェートに対する耐性をコードする遺伝子(EPSPS遺伝子、米国特許第5、510、471号のような)、ブロモキシニル耐性をコードする遺伝子(米国特許第4、810、648号に記載のような)、スルフォニル尿素に対する耐性をコードする遺伝子(EPA 0360 750に記載のような)、除草剤ダラポンに対する耐性をコードする遺伝子(国際特許出願番号WO 98/27116に記載のような)、およびシアナミドに対する耐性をコードする遺伝子(国際特許出願番号WO 98/48023およびWO 98/56238に記載のような)、ならびにPPTのようなグルタミン合成酵素阻害剤に対する耐性をコードする遺伝子(欧州特許EP−A−0 242 236、EP−A−0 242 246、EP−A−0 257 542に記載のような)である。
発明の好ましい実施態様によれば、TR2’プロモーター制御下にある殺虫性タンパク質をコードするDNAを含むキメラ遺伝子は、植物に別の形質を獲得するために(「積重ね」とも呼ぶ)、他のキメラ遺伝子と組み合わせて植物内に導入することができる。同様に、TR2’プロモーターの制御下にある殺虫性タンパク質をコードするDNAを含むキメラ遺伝子を含有する発明の植物は、他の形質との組み合わせに特に好適である。このような他の形質としては、昆虫耐性、除草剤耐性、ストレスもしくは干魃耐性を付与するキメラ遺伝子によりコードされている形質、または植物のその他作物学的特性を修飾する形質を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。かかる形質に、植物から回収される産物の合成を含めることができる。
植物、細胞または組織のゲノム内への外来DNAまたはキメラ遺伝子の導入は、様々な方法により達成でき、本発明にとっては重要でない。単子葉植物の遺伝的形質転換は、Agrobaterium介在形質転換(例えば、トウモロコシに関して、米国特許第6、074、877号または米国特許第6、140、553号に記載されているような)、マイクロプロジェクタイル爆撃(例えばChenら、1994年が記載するような)、プロトプラスト内へのDNAの直接取込み(例えばDataら、1999年; Poulsen、1996年が記載するような)、およびエレクトロポレーション(D’Halluinら、1992年)を含む多くの方法により成功している。
以下の非限定的実施例は、それを用いて植物内で発現させ昆虫耐性植物を獲得することを目的とする、TR2’プロモーター制御下にある殺虫性タンパク質をコードするDNA配列を含むキメラ遺伝子の構築を記載する。実施例では特に記載ない限り、全てのDNA組換え技術はAusbelら(1994年)Current Protocols in Moelcurar Biology、Current Protocols、USAのSambrookとRussel (2001年) Molecular Cloning: A Laboratory Manual、Third Edition、Cold Spring Harbor Laboratory Press、NY、Volume1および2、ならびにBrown (1998年) Molecular Biology Lab Fax、Second Edition、Academic Press (UK) のVolume IおよびIIに記載の標準的プロトコルに従い実施される。植物の分子研究に関する標準的材料および方法は、BIOS Scientific Publications Ltd (UK) とBlackwell Scientific Publications, UKとが共同出版した、Plant Molecular Biology Labfax (1993年)の中にR.D.D.Croyが記載している。ポリメラーゼチェインリアクションに関する標準的材料および方法は、DieffenbachとDveksler (1995) のPCR Primer: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory PressおよびMcPhersonら(2000年) PCR-Basics: From Backgroud to Bench、Fist Edition, Springer Velag, Germanyに見ることができる。
記述および実施例を通して、配列表に示されている以下の配列が引用される:
配列番号1:TR2’プロモーターの好適実施多様のヌクレオチド配列
配列番号2:pTSVH0212の配列
配列番号3:修飾cry1Abコード配列の配列
実施例1 TR2’プロモーター制御下にある外来遺伝子を用いた形質作製
a) 形質開発
殺虫性遺伝子をコードするDNA配列の創傷誘導発現を評価するために、修飾したcry1Abタンパク質の発現を支配するTR2’プロモーターを含む(Valtenら、1984年)プロモーター領域を含む構築体を作製した。Agrobacterium−介在形質転換に関しては、T−DNA境界(‘TR2’−Cry1Ab’とも呼ばれる)の間に問題の遺伝子を含むプラスミドpTSVH0212を用いた(国際特許出願番号WO98/37212)
Figure 0004527527
PTSVH0212構築体の構造を表1に示す。殺虫性タンパク質を構造的に発現する植物を制御するために、Cauliflower Mosaic Virus (Franckら、1980年)由来の35Sプロモーター(35S−cry1Abとも呼ばれる)、あるいはPetunia由来のcab22リーダー(Harpsterら、1988年)(‘Gos/cab−cry1Ab’とも呼ばれる)またはGOS転写体の第2エクソン、第1イントロンおよび第1エクソンを含有する、コメ由来のGOS2遺伝子の5’リーダー配列(de Paterら、1992年)(‘Gos/gos−cry1Ab’とも呼ばれる)を有するコメ由来のGOS2遺伝子のプロモーター(de Paterら、1992年)のいずれかの制御下にある修飾Cry1Abタンパク質をコードするDNA配列を含む構築体により形質転換を実施した。全ての構築体が35S−bar遺伝子を含んだ。
Figure 0004527527
再生苗木はLibertyに対する耐性に基づき選択した。
b)形質評価
Agrobacterium形質転換体を、T−DNAの左境界にベクター配列が存在するか調べた。一次形質転換体(T0)の葉材料を使ってサザンブロット分析を行った。
実施例2 殺虫性タンパク質の創傷誘導発現
i)殺虫性タンパク質の基礎発現
修飾したCry1Ab殺虫性タンパク質の発現の基礎レベルを、Jansensら、1997年記載の抽出法および緩衝液を用いて可溶性タンパク質を抽出した後、Cry1Abに対するポリクローナルウサギ孔結成のポリ濃縮IgG分画を第1抗体に、そしてCry1Abに対するモノクローナル抗体を第2抗体に利用するCry1AbサンドイッチELISAにより決定した。V3ステージの植物の葉、R1ステージの花粉および葉、ならびに収穫時の葉、茎および花粉のサンプルを温室栽培植物より得た(トウモロコシのステージは「How a Corn Plant Develops、Special Reprot No.48、Iowa State University of Science and Technology、Cooperative Extension Service、Ames、Iowa、1993年6月増刷」に記載されたものである;また関連情報を含むインターネットウェブサイト:http://www.extension.iastate.edu/pages/hancock/agriculture/corn/corn_develop/CornGrowthStages.htmlも参照)。比較するために、Gos/gos−cry1Ab構築体で形質転換した植物からサンプルを得た。
表2に全可溶性タンパク質(Bradfordアッセイ(Bio-Rad、Richmond、CA; Bradford、1976年)を用い測定した)当たり検出されCry1Abタンパク質のパーセンテージとして結果を示す。平均値は1つの形質転換イベントについて、複数の植物系統より得た5サンプルの平均値である。
Figure 0004527527
TR2’−cry1Ab構築体による形質転換で得た植物では、温室での修飾Cry1Abタンパク質の基礎発現の平均値は、VV3ステージ、R1ステージまたは収穫時の植物より採取した全ての葉サンプルで検出限界より低いことが分かった(全可溶性タンパク質の0.001%または0.000%)。茎での殺虫性タンパク質の平均基礎発現は収穫時の殆どの植物について全可溶性タンパク質の約0.01%であることが見いだされた。Gos/gos−cry1Ab構築体を用い得た植物では、Cry1Abタンパク質の発現は全ての葉サンプルで0.2%を超え、収穫時に採取した茎サンプルの幾つかは1%を超えた。
ii) 殺虫性タンパク質の創傷誘導発現
温室内にて研究を行い、非形質転換植物、TR2’−cry1Ab構築体を利用して得た植物、およびGos/gos−cry1Ab構築体を利用して得た植物での、機械損傷時の殺虫性Cry1Abタンパク質の発現を決定した。葉および根を切除して損傷した。創傷は完全に広げられた葉に、中央葉脈を損傷しないようメスを使って葉にそれぞれに1mmの垂直な切り込として加えられた。機械損傷前と18時間後に葉サンプルを採取した。Cry1Abタンパク質レベルは、切出した葉部分(葉部分は創傷の周囲2〜3mmを切り取ったものであった)を、ペトリ皿の中に置かれた、Murashige and Skoog培地(MS培地、組成についてはBIOS Scientific Publications Ltd (UK) およびBlackwell Scientific Publications, UKが共同出版したR.D.D.CroyによるPlant Molecular Biology Labfax (1993) を参照)で湿らせた濾紙の上に置いて、20℃の栽培チャンバー内で18時間インキュベーションしてからELISAを用いて測定した−よりサイズの小さいのコントロール葉の小片を植物から切り出し、その直後にドライアイスの上に置いてタンパク質測定を行った(in vitroインキュベーションなし)。平均値は形質転換イベントあたり5個体の植物の平均である。
Figure 0004527527
試験した各種TR2’−cry1Abを用いた形質転換でも、Cry1Abタンパク質の発現は葉、茎および穀粒のいずれについても認められないか、または検出限界付近であった。V4ステージおよび開花ステージの葉ならびに花粉では有意な発現は見いだせなかった。これら植物では、根に於いて全可溶性タンパク質の構成的発現約0.02〜0.03%が見いだされた。葉に機械損傷を加えると、Cry1Abタンパク質の発現が誘導され、0.05〜0.1%になった。35S−cry1Abの場合は、創傷の有無に関係なくV3植物の葉に於いて約0.5%のCry1Abタンパク質の構成的発現が見られた。開花期および収穫期では、創傷前後に葉に於いて発現レベル約0.1〜0.2%が測定された。
同様ではあるが、創傷が温室栽培植物の植物体にあるアッセイ(切出した葉部分をin vitroインキュベーションしない)では発現値は低くかったが、創傷により発現の顕著な増加が認められた。
本アッセイでは、第2齢ECB幼虫をVTステージのWI602−0402のトウモロコシ植物5株に取り付けたクリップケージ内に入れた。60時間後各植物から、サンプルケージの上下から2cmまたは10cmの葉からクリップケージ内にある損傷した葉部分のサンプルを、そしてクリップケージのついた葉の上下にある葉からサンプルを採取した。葉サンプルはまた実験開始時にも集めた。これらサンプルについてCry1Ab ELISAを実施し、平均値(太字)および標準偏差を計算した。結果を下表4に示す。
Figure 0004527527
別のアッセイでは、イベントWI604−1602およびWI606−1206のVTステージにある5株の植物に、温室内でメスを使って損傷を加えた。50時間後に各植物から、同じ葉の上下2cmおよび10cmから損傷した葉部分のサンプルを、そして損傷を加えた葉の上下にある葉からもサンプルを採取した。葉のサンプルは実験開始時にも採取した。
結果を下表5に示す。
Figure 0004527527
追加の野外試験での測定から(in vitroインキュベーションしない、植物より得た新鮮な葉材料を用いた)、植物でのCry1Abタンパク質の基礎発現レベルは低いことが確認された:pTR2’−Cry1Ab構築体を含むイベント毎5株の交配植物を用い実施した野外試験では、野外では全可溶性葉タンパク質の0.001〜0.003%がCry1Abタンパク質であった(5植物/イベントの平均(標準偏差は平均で0.001〜0.004%))。また、追加の野外試験からは、野外でECB幼虫に人工的に摂食させたトウモロコシ植物では、昆虫非摂食植物に比べCry1Abタンパク質が多いことが示された。この試験(8植物)でCry1Abに見出された発現レベルは、平均で栄養葉では全可溶性タンパク質の0.001〜0.002%、R1はでは全可溶性タンパク質の0.003〜0.046%であり平均であり、そしてR5〜6葉では全可溶性タンパク質の0.009〜0.017%であった(in vitroでインキュベーションしていない植物より採取した新鮮な葉を用いた時)。予想通り、野外でも幾つかの植物では、昆虫の摂食によりCry1Abタンパク質濃度が上昇した(サンプルは植物から無作為に採取した)。
実施例3.創傷誘導発現による植物の昆虫耐性
a)ECB第4齢幼虫による制御摂食に対する効果
プレキシガラス製シリンダ内に中型の輪生トウモロコシ植物を入れ、10または15匹の第4齢のアワノメイガ幼虫に摂食させた。10日後、植物を切開して、植物毎に幼虫の生存率をスコア化した。結果を表6に示す。
Figure 0004527527
制御摂食に於ける第4齢ECB幼虫の制御効果は、試験したTR2’−cry1Ab植物全てで100%であった。対照植物の死亡率は平均最大50%であった。第4齢のECB幼虫は初齢幼虫に比べ修飾Cry1Ab蛋白質に25〜100倍感受性であると信じられていることから、創傷誘導後にこのような植物について測定した場合に発現値が比較的低いままでも、TR2’−cry1Ab植物でのタンパク質産生レベルは「高用量」と見なすことができる。
b)ECBに対する効果
温室および野外試験でECBの効果について、14のイベントを評価した(表7)。結果は植物毎の、最大長の空洞の平均長に対する平均空洞長(ブラケット間の標準偏差値)で表している(平均値(sd)/最大長/植物)。温室では、空洞の平均長は10植物個体の測定値より得た。野外では、ECB効力は各群10個体より得た3つの値の平均値として表した。5つあるシングルコピーイベント(アスタリスクで示した)の内4イベントについて、平均空洞長3.5cm未満とされる全ECBコントロールを得た。
Figure 0004527527
試験したいずれの場所でも、各種TR2’イベントの第二回自家受粉(穂列間)により作物学上の性能に悪影響が及ぶことはなかった。
c)Sesamia nonarioidesに対する効力
5株の中型のTR2’−cry1Ab構築体を含む輪生トウモロコシ植物それぞれに2個の卵塊を付着した。14日後に損傷度を調べ、幼虫数を数えた。損傷度は5株の植物全てに見積もった(cmで表した植物の高さ、植物当たりの空洞の長さで示した)。結果を表8に示す。
Figure 0004527527
結果からは、試験したTR2’−cry1Ab植物では地中海茎食いムシがよく防御されていることが分かる。
実施例4.比較分析
上記に用いたものと同一のCry1Abコード配列を持つトウモロコシ植物でのMPIプロモーター(Breitlerら、2001年が創傷誘導プロモーターと記載している)を用いた発現分析を行い、野外での基礎(非誘導)レベルと創傷誘導とを比較した。このMPIプロモーター制御下にある殺虫性Cry1Ab蛋白質部分発現トウモロコシ植物は、温室試験では、葉の全可溶性蛋白質当たり少なくとも約0.04%のCry1Abタンパク質の基礎平均発現レベルを示す。またイベント2MPI−Cry1Abを用いた最初の温室試験でも、創傷時の発現レベルに若干の変動が見られたが、これら植物より新たに得た植物材料および切り離した後in vitroでインキュベーションした葉について濃度を測定した場合(いずれのケースも濃度は創傷後21時間および42時間眼に各種サンプルについて測定した)には、いずれも創傷誘導によりCry1Abタンパク質発現が基礎(平均)レベルに比べて少なくとも5倍になることはなかった(機械的損傷後)。即ち、これらMPIプロモーターを利用したアッセイでは、Cry1Abタンパク質の発現誘導は全くないか、弱いものである。
また、比較分析では、TR2’プロモーターを用いた、発明の植物の野外での性能をCry1Abタンパク質の一部を発現する市販のトウモロコシ植物と比較した。これらアッセイでは、高い構成的発現レベルを求めて35Sプロモーターを利用しており、そして高用量の昆虫耐性を供給することが知られているMON810およびBt11イベントより得たトウモロコシ植物(詳しい説明については、これら認可イベントトウモロコシの公開USDA申請を参照せよ)を用いている。
野外試験では、人工的にアワノメイガを寄生させた後の平均空洞長(茎当たりのcmで表し、Jansensら(1997年)の記載に従い茎を裂いてから測定した)は、5種類のイベントCry1Ab−TR2’トウモロコシではそれぞれ0、0、0.04、0および0.21cmであったのに対し、MON810トウモロコシの平均空洞長は0.3であり、そしてBt11トウモロコシでは0.13であった(同一試験に於いて、非形質転換対照トウモロコシ系統では12.2〜39.92cmの空洞長が認められた)。
即ち、トウモロコシに於ける創傷誘導TR2’プロモーターの比較分析からは、トウモロコシに於いてTR2’プロモーター制御下にある殺虫性タンパク質の発現は、構成的プロモーターを利用した市販のイベントで獲得できるものと同等の高い昆虫耐性を提供する。
別の野外試験では、サウスウエスタンアワノメイガを人工的に寄生させた時の平均トンネル長は(茎当たりのcmで表し、Jansensら(1997年)の記載に従い茎を裂いてから測定した)、5種類のイベントCry1Ab−TR2’トウモロコシではそれぞれ0.53、0.68、0.3、0.64および0.6cmであったのに対し、MON810トウモロコシの平均長は0.43であり、そしてBt11トウモロコシでは0.15であった(同一試験に於いて、非形質転換対照トウモロコシ系統では32〜39.6cmの空洞長が認められ、幾つかの系統では空洞によって茎が破壊し、自立できる植物がないものもあった)。
Figure 0004527527

Figure 0004527527

Claims (25)

  1. TR2’プロモーターを含むプロモーター領域の制御下にある殺虫性タンパク質をコードするDNA配列を含むキメラ遺伝子を含み、そのゲノム内に安定に組み込まれている、昆虫耐性トウモロコシ植物であって、高用量の該殺虫性タンパク質を発現する前記植物
  2. トウモロコシ植物が10日間のバイオアッセイにて第4齢アワノメイガ幼虫の少なくとも97%を死滅させる、請求項記載の植物。
  3. 前記殺虫性タンパク質がBacillus Thuringiensis毒素である、請求項1〜のいずれか1項に記載の植物。
  4. 前記TR2’プロモーターが、ヌクレオチド番号1〜336の間のヌクレオチド位置からヌクレオチド位置483までの配列番号1の断片を含むプロモーター領域である、請求項1〜のいずれか1項に記載の植物。
  5. 前記TR2’プロモーターが、配列番号1のヌクレオチド96〜483の配列を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の植物。
  6. 前記TR2’プロモーターが、配列番号1の配列を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の植物。
  7. 単子葉植物の中に殺虫性毒素の創傷誘導高用量発現を獲得する方法であって、上記方法が
    a)b)に作動性に連結した、殺虫性タンパク質をコードするDNA配列
    b)TR2’プロモーターを含む植物発現性プロモーター領域
    を含むキメラ遺伝子を植物内に導入することを含む、方法。
  8. 上記単子葉植物がトウモロコシであり、かつ上記トウモロコシ植物が10日間のバイオアッセイにて第4齢アワノメイガ幼虫の少なくとも97%を死滅させる、請求項に記載の方法。
  9. 上記単子葉植物がトウモロコシであり、かつ前記創傷誘導発現が、温室栽培植物に於ける上記植物の葉での殺虫性タンパク質の平均基礎発現レベルが全可溶性タンパク質の0.005%以下であることを特徴とする、請求項〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記TR2’プロモーターが、ヌクレオチド番号1〜336の間のヌクレオチド位置からヌクレオチド位置483までの配列番号1の断片を含むプロモーター領域である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記TR2’プロモーターが、配列番号1のヌクレオチド96〜483の配列を含む、請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法
  12. 前記TR2’プロモーターが、配列番号1の配列を含む、請求項7〜9のいずれか1項記載の方法
  13. 高用量の殺虫性タンパク質を発現する、昆虫耐性単子葉植物の作製方法であって、上記方法が
    a)b)に作動性に連結した、殺虫性タンパク質をコードするDNA配列
    b)TR2’プロモーターを含む植物発現性プロモーター領域
    を含むキメラ遺伝子を上記植物のゲノム内に導入することを含む方法。
  14. 前記TR2’プロモーターが、ヌクレオチド番号1〜336の間のヌクレオチド位置からヌクレオチド位置483までの配列番号1の断片を含むプロモーター領域である、請求項13記載の方法。
  15. 前記TR2’プロモーターが、配列番号1のヌクレオチド96〜483の配列を含む、請求項13記載の方法
  16. 前記TR2’プロモーターが、配列番号1の配列を含む、請求項13記載の方法
  17. 上記単子葉植物がトウモロコシであり、かつ上記トウモロコシ植物が10日間のバイオアッセイにて第4齢アワノメイガ幼虫の少なくとも97%を死滅させる、請求項13〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 上記単子葉植物がトウモロコシであり、かつ前記創傷誘導発現が、温室栽培植物に於ける上記植物の葉での殺虫性タンパク質の平均基礎発現レベルが全可溶性タンパク質の0.005%以下であることを特徴とする、請求項1317のいずれか1項に記載の方法。
  19. 室内の上記植物の葉での平均発現レベルが、創傷が無い場合には全可溶性タンパク質の0.005%以下であり、そして創傷時には上記平均発現レベルが少なくとも5倍増加する、請求項7に記載の方法。
  20. 上記単子葉植物がトウモロコシであり、かつ上記トウモロコシ植物が10日間の植物全体バイオアッセイにて第4齢アワノメイガ幼虫の少なくとも97%を死滅させる、請求項19に記載の方法。
  21. 上記植物がトウモロコシであり、かつ上記の0.005%以下の基礎発現がV4ステージの葉で測定される、請求項19または20に記載の方法。
  22. 前記殺虫性タンパク質がBtタンパク質である、請求項1921のいずれか1項に記載の方法。
  23. 上記Btタンパク質がCry1Ab、Cry1F、Cry2Ae、Cry9CおよびCry2Abならびにその殺虫性断片の群から選択される、請求項22に記載の方法。
  24. 上記タンパク質が配列番号3にコードされるタンパク質である、請求項1に記載の植物。
  25. 上記Btタンパク質が、Cry1Ab、Cry1F、Cry2AeおよびCry2Aならびにその殺虫性断片の群より選択される、請求項に記載の植物。
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