JP4527039B2 - 運転支援装置 - Google Patents

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この発明は、運転支援装置に関するものである。
従来、例えばレーダ装置等の物体検出装置により自車両周辺の物体を検出して、この物体と自車両との衝突発生を回避あるいは衝突発生時の被害を軽減する車両の走行安全装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−2426号公報
ところで、上記従来技術に係る車両の走行安全装置において、物体検出装置により検出された物体と自車両との衝突発生の可能性があると判定された場合には、例えば自車両に搭載された警報装置により警報を出力したり、制動装置により自動的に自車両を減速させたり、操向制御装置により自車両の操向を制御して、衝突発生を回避するようになっている。さらに、物体検出装置により検出された物体と自車両との衝突発生の可能性があると判定された際に、自車両が旋回状態であることが検出された場合には、例えば運転者による操舵入力と、回避動作に係る操向制御とが干渉してしまうことを防止するために、回避動作の実行タイミングを変更(例えば、遅延)するようになっている。
しかしながら、単に、車両の旋回状態を検出して回避動作の実行タイミングを変更するだけでは、不必要に回避動作の実行タイミングが遅れてしまう虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、自車両周辺の物体に対して適切な接触回避動作を実行することが可能な運転支援装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の運転支援装置は、車両進行方向の物体を検出する物体検出手段(例えば、実施の形態での外界センサ15および物体位置検知部21)と、前記物体検出手段により検出された物体と車両との接触発生の可能性を検知する接触可能性検知手段(例えば、実施の形態での接触判定部25)と、前記接触可能性検知手段の検知結果に基づき、車両に設けられた警報手段(例えば、実施の形態での警報装置18)および制動手段(例えば、実施の形態でのブレーキアクチュエータ14)の少なくとも何れかを作動させる作動制御手段(例えば、実施の形態での走行制御部26および警報制御部27)と、車両の旋回状態を検出する旋回状態検出手段(例えば、実施の形態での車両状態量センサ16)と、前記旋回状態検出手段により検出された旋回状態に基づき、前記作動制御手段による前記警報手段および前記制動手段の少なくとも何れかの作動を抑制する作動抑制手段(例えば、実施の形態でのステップS06)と、車両の操向を制御する操向制御手段(例えば、実施の形態での走行制御部26およびEPSアクチュエータ17)と、前記操向制御手段の作動時に、前記作動抑制手段による前記警報手段および前記制動手段の少なくとも何れかの作動の抑制を規制する規制手段(例えば、実施の形態でのステップS07)とを備えることを特徴としている。
上記の運転支援装置によれば、操向制御手段の作動時に、作動抑制手段による警報手段および制動手段の少なくとも何れか(つまり、警報手段または制動手段、あるいは、警報手段および制動手段)の作動の抑制を規制(つまり、制限または禁止)することにより、例えば不必要に接触回避動作の実行タイミングが遅れてしまったり、例えば不必要に接触回避動作が作動し難くなってしまうことを防止することができる。
以上説明したように、請求項1に記載の本発明の運転支援装置によれば、操向制御手段の作動時に、作動抑制手段による警報手段および制動手段の少なくとも何れかの作動の抑制を規制することにより、例えば不必要に接触回避動作の実行タイミングが遅れてしまったり、例えば不必要に接触回避動作が作動し難くなってしまうことを防止することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る運転支援装置について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による運転支援装置10は、例えば図1に示すように、内燃機関11の駆動力を、オートマチックトランスミッション(AT)あるいは無段自動変速機(CVT)等のトランスミッション(T/M)12を介して車両の駆動輪に伝達する車両に搭載され、処理装置13と、ブレーキアクチュエータ14と、外界センサ15と、車両状態量センサ16と、EPSアクチュエータ17と、警報装置18とを備えて構成されている。
さらに、処理装置13は、例えば物体位置検知部21と、物体速度検知部22と、物体進路推定部23と、自車両進路推定部24と、接触判定部25と、走行制御部26と、警報制御部27と、走行路認識部28とを備えて構成されている。
外界センサ15は、例えば可視光領域や赤外線領域にて撮像可能なCCDカメラやCMOSカメラ等からなる1対のカメラおよび画像処理部と、例えばビームスキャン型のミリ波レーダおよびレーダ制御部とを備えて構成されている。
そして、画像処理部は、1対のカメラにより撮影して得た自車両の進行方向の外界の各画像に対して、例えばフィルタリングや二値化処理等の所定の画像処理を行い、二次元配列の画素からなる1対の画像データを生成して処理装置13へ出力する。
また、レーダ制御部は、例えば自車両の進行方向前方に設定された検出対象領域を角度方向に沿った複数の領域に分割し、各領域を走査するようにしてミリ波の発信信号を発信すると共に、各発信信号が自車両の外部の物体によって反射されることで生じた反射信号を受信し、反射信号と発信信号とを混合してビート信号を生成して処理装置13へ出力する。
車両状態センサ16は、自車両の車両情報として、例えば自車両の速度(車速)を検出する車速センサや、ヨー角(車両重心の上下方向軸回りの回転角度)やヨーレート(車両重心の上下方向軸回りの回転角速度)を検出するヨーレートセンサや、操舵角(運転者が入力した操舵角度の方向と大きさ)や操舵角に応じた実舵角(転舵角)を検出する舵角センサや、操舵トルクを検出する操舵トルクセンサや、例えば人工衛星を利用して車両の位置を測定するためのGPS(Global Positioning System)信号等の測位信号や自車両の外部の情報発信装置から発信される位置信号等、さらには、適宜のジャイロセンサや加速度センサ等の検出結果に基づいて自車両の現在位置および進行方向を検出する位置センサや、方向指示器やブレーキのオン/オフ状態を検知する各センサ等を備えて構成されている。
処理装置13の物体位置検知部21は、外界センサ15から入力される画像データまたはビート信号に基づき、自車両の進行方向でのカメラまたはレーダの各検知エリア内に存在する物体(例えば、他車両等)を検知し、物体の位置を算出する。例えば外界センサ15の画像処理部から入力される1対の画像データに対して、物体位置検知部21は、所定の認識処理を行うと共に、車室内に所定間隔を隔てて設置された1対のカメラ同士間の距離と、撮影により得られた1対の画像データ上の物体の視差とに基づく三角測量法等により、物体までの距離を検出する。
物体速度検知部22は、例えば物体位置検知部21により検知された物体の位置の時間変化に基づいて物体の速度(つまり、自車両に対する相対速度あるいは絶対的な移動速度)を検知する。
物体進路推定部23は、例えば物体位置検知部21により検知された物体の位置の変化および物体速度検知部22により検知された物体の速度に基づいて物体の進路(例えば、図2に示す先行車両Fの先行車両進路FR等)を推定する。
自車両進路推定部24は、例えば車両状態センサ16により検出された自車両の位置の時間変化や、自車両の走行状態、例えば車速センサにより検知された自車両の車速と、ヨーレートセンサにより検出された自車両のヨーレートとに基づいて自車両の進路(例えば、図2に示す自車両Pの自車両進路PR等)を推定する。
接触判定部25は、物体速度検知部22から入力される物体の速度と、物体進路推定部23から入力される物体の進路と、自車両進路推定部24から入力される自車両の進路と、車両状態センサ16により検出された自車両の位置および車速とに基づき、自車両と物体とが接触する可能性があるか否かを判定する。
例えば、接触判定部25は、自車両の進路と物体の進路とが交差する領域を衝突予測領域として、自車両が衝突予測領域に到達するのに要する時間(接触時間TT)を推定する。そして、自車両が現在の走行状態(例えば、現在の車速、ヨーレート等)を維持した状態で接触時間TTに亘って走行した時点での、物体の進路の幅方向に沿った方向での物体の進路と自車両との重なり量La(例えば、図2に示す自車両Pの自車両進路PRと先行車両Fの先行車両進路FRとの重なり量La等)を算出する。
また、自車両の進路と物体の進路とが交差する領域が相対的に大きい場合には、例えば自車両および物体が現在の走行状態を維持した状態で適宜の時間が経過した際の両者間の距離が最小となる時間を検知し、この時間での物体の進路の幅方向に沿った方向での物体の進路と自車両との重なり量Laを算出してもよい。
そして、接触判定部25は、この重なり量Laに基づき、例えば重なり量Laが0よりも大きい場合には、自車両と物体とが接触する可能性があると判定する。
走行制御部26は、後述する走行路認識部28から入力される白線候補(走行区分線のデータ)の検出結果に応じて、自車両が走行区分線に沿って適正に走行するための適正車両状態、例えば目標ヨーレートや目標車速等を設定し、自車両の走行状態が適正車両状態になるようにして、例えばナビゲーション装置(図示略)およびスピーカ(図示略)等から適宜の運転操作の指示等を出力したり、EPSアクチュエータ17およびブレーキアクチュエータ14を作動させ、運転支援を行う。
例えば図3に示すように、走行制御部26は、走行路認識部28により検出された走行区分線PLに基づき、自車両Pが走行すべき目標進路PRを算出し、この目標進路PR上における所定距離だけ前方の位置(例えば、自車両Pが現在の車速VPを維持した状態で所定時間だけ走行した際に到達する位置(=車速VP×所定時間)等)を目標進行位置PPとする。そして、目標進行位置PPを通過するために必要とされる目標ヨーレートPYを算出し、車両状態センサ16により検出される実際のヨーレート(実ヨーレート)が目標ヨーレートPYに一致するようにして自車両Pの操舵機構の操舵トルクを制御する。
なお、この操舵トルクの制御においては、例えば実ヨーレートと目標ヨーレートPYとの偏差に基づくフィードバック制御が実行されたり、例えば適宜の係数kと自車両の車速VPとに基づき、制御量KT=(k×車速VP×目標ヨーレートPY)が設定される。
また、走行制御部26は、接触判定部25の判定結果に応じて、物体と自車両との接触発生を回避あるいは接触発生時の被害を軽減するようにして自車両の走行状態を制御する走行制御の実行タイミングおよび制御内容(例えば、減速制御時の減速度等)の少なくとも何れかを設定可能である。そして、設定した制御内容に応じて、内燃機関11の駆動力を制御する制御信号およびトランスミッション12の変速動作を制御する制御信号およびブレーキアクチュエータ14による減速動作を制御する制御信号およびEPSアクチュエータ17による自車両の操舵機構(図示略)の操向動作を制御する制御信号を出力し、自車両の加速制御または減速制御または操向制御を実行する。
例えば図4に示すように、走行制御部26は、物体進路推定部23により推定された対向車両Qの進路(対向車両進路QR)内へ自車両Pが進入しないようにして、自車両Pが走行すべき目標進路PRを算出し、この目標進路PR上における所定距離だけ前方の位置(例えば、自車両Pが現在の車速VPを維持した状態で所定時間だけ走行した際に到達する位置(=車速VP×所定時間)等)を目標進行位置PPとする。そして、目標進行位置PPを通過するために必要とされる目標ヨーレートPYを算出し、車両状態センサ16により検出される実際のヨーレート(実ヨーレート)が目標ヨーレートPYに一致するようにして自車両Pの操舵機構の操舵トルクを制御する。
なお、この操舵トルクの制御においては、例えば実ヨーレートと目標ヨーレートPYとの偏差に基づくフィードバック制御が実行されたり、例えば適宜の係数kと自車両の車速VPとに基づき、制御量KT=(k×車速VP×目標ヨーレートPY)が設定される。
そして、走行制御部26は、車両状態センサ16により検出された車両の状態、例えば運転者の操舵入力に基づく舵角(実舵角)および舵角速度および横加速度および旋回半径等の旋回状態に応じて、物体と自車両との接触発生を回避あるいは接触発生時の被害を軽減する接触回避動作(例えば、ブレーキアクチュエータ14による減速動作)の作動を抑制(例えば、より作動し難くなるように変更、あるいは、作動開始タイミングが遅くなるように変更等)する。
さらに、走行制御部26は、物体と自車両との接触発生を回避あるいは接触発生時の被害を軽減する接触回避動作として、あるいは、走行路認識部28により検出された走行区分線に沿って適正に走行する車線維持動作として、自車両の操舵機構(図示略)の操向動作を制御する際には、この操向制御の作動状態を示す信号を警報制御部27へ出力すると共に、この操向制御の非作動時に比して、車両の状態(例えば、旋回状態等)に応じた接触回避動作(例えば、ブレーキアクチュエータ14による減速動作)の作動の抑制(例えば、より作動し難くなるように変更、あるいは、作動開始タイミングが遅くなるように変更等)を規制する。
警報制御部27は、接触判定部25の判定結果に応じて、警報の出力タイミングおよび出力内容の少なくとも何れかを設定可能である。
なお、警報装置18は、例えば、触覚的伝達装置と、視覚的伝達装置と、聴覚的伝達装置とを備えて構成されている。
触覚的伝達装置は、例えばシートベルト装置や操舵制御装置や減速制御装置等であって、警報制御部27から入力される制御信号に応じて、例えばシートベルトに所定の張力を発生させて自車両の乗員が触覚的に知覚可能な締め付け力を作用させたり、例えばステアリングホイールに自車両の運転者が触覚的に知覚可能な振動(ステアリング振動)を発生させたり、例えば運転者が触覚的に知覚可能な減速を自車両に発生させることによって、物体との接触発生の可能性があることを乗員に認識させる。
視覚的伝達装置は、例えば表示装置等であって、警報制御部27から入力される制御信号に応じて、例えば表示装置に所定の警報情報を表示したり、所定の警報灯を点滅させることによって、物体との接触発生の可能性があることを乗員に認識させる。
聴覚的伝達装置は、例えばスピーカ等であって、警報制御部27から入力される制御信号に応じて所定の警報音や音声等を出力することによって、物体との接触発生の可能性があることを乗員に認識させる。
また、警報制御部27は、車両状態センサ16により検出された車両の状態、例えば運転者の操舵入力に基づく舵角(実舵角)および舵角速度および横加速度および旋回半径等の旋回状態に応じて、物体と自車両との接触発生を回避あるいは接触発生時の被害を軽減する接触回避動作(つまり、警報出力)の作動を抑制(例えば、より作動し難くなるように変更、あるいは、作動開始タイミングが遅くなるように変更等)する。
さらに、警報制御部27は、走行制御部26により、物体と自車両との接触発生を回避あるいは接触発生時の被害を軽減する接触回避動作として、あるいは、走行路認識部28により検出された走行区分線に沿って適正に走行する車線維持動作として、自車両の操舵機構(図示略)の操向動作が制御される際には、車両の状態(例えば、旋回状態等)に応じた接触回避動作(つまり、警報出力)の作動の抑制(例えば、より作動し難くなるように変更、あるいは、作動開始タイミングが遅くなるように変更等)を規制する。
走行路認識部28は、例えば、外界センサ15から出力される画像データを構成する画素の明暗に応じたエッジ抽出により白線(走行区分線)の輪郭点列を抽出する。そして、Hough変換あるいはパターンマッチング等により輪郭点列を直線により認識して白線候補(走行区分線のデータ)を検出し、この検出結果を走行制御部26へ出力する。
本実施の形態による運転支援装置10は上記構成を備えており、次に、この運転支援装置10の動作について説明する。
先ず、例えば図5に示すステップS01においては、車両状態センサ16により検出された自車両の車両状態、つまり自車両の位置や走行状態(例えば、車速およびヨーレート等)の検出値に基づいて自車両の進路を推定すると共に、外界センサ15の出力に基づき、物体位置検知部21により検知された物体の位置の変化および物体速度検知部22により検知された物体の速度に基づいて物体の進路を推定する。
次に、ステップS02においては、自車両が現在の走行状態(例えば、現在の車速、ヨーレート等)を維持した状態で接触時間TTに亘って走行した時点、あるいは、自車両および物体が現在の走行状態を維持した状態で両者間の距離が最小となる時点での、物体の推定進路の幅方向に沿った方向での物体の推定進路と自車両との重なり量Laを算出する。
そして、ステップS03においては、例えば図6に示す所定のマップを参照して、重なり量Laに応じた警報時間WTおよび回避所要時間ATを算出する。
なお、上述した所定のマップは、例えば重なり量Laがゼロから自車両の幅WPまで増大することに伴い、警報時間WTおよび回避所要時間ATがゼロ以上の値から所定の第1警報時間WT1および第1回避所要時間AT1まで増大傾向に変化するように設定されている。そして、警報時間WTは、回避所要時間ATに所定の反応時間RT(例えば、1秒等)を加算して得た値とされている。
そして、ステップS04においては、運転者の操舵入力が所定値(例えば、2Nm等)以上であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS06に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS05に進む。
そして、ステップS05においては、物体と自車両との接触発生を回避あるいは接触発生時の被害を軽減する接触回避動作として、あるいは、走行路認識部28により検出された走行区分線に沿って適正に走行する車線維持動作として、自車両の操舵機構(図示略)の操向動作を制御する操向制御の実行中であるか否かを判定する。
ステップS05の判定結果が「NO」の場合には、ステップS06に進み、このステップS06においては、例えば図7(a)〜(d)に示す操向制御非実行時補正マップを選択して、ステップS08に進む。
一方、ステップS05の判定結果が「YES」の場合には、ステップS07に進み、このステップS07においては、例えば図8(a)〜(d)に示す操向制御非実行時補正マップを選択して、ステップS08に進む。
なお、上述した操向制御非実行時補正マップは、例えば図7(a)に示すように、舵角がゼロから所定値(例えば、180°等)まで増大することに伴い、警報時間補正量WTCおよび回避所要時間補正量ATCがゼロから所定の第1警報時間補正量WTC1および第1回避所要時間補正量ATC1まで増大傾向に変化すると共に、舵角が所定値(例えば、180°等)以上の場合には、警報時間補正量WTCおよび回避所要時間補正量ATCが所定の第1警報時間補正量WTC1および第1回避所要時間補正量ATC1となるように設定されている。
さらに、操向制御非実行時補正マップは、例えば図7(b)に示すように、舵角速度がゼロから所定値(例えば、360°/秒等)まで増大することに伴い、警報時間補正量WTCおよび回避所要時間補正量ATCがゼロから所定の第1警報時間補正量WTC1および第1回避所要時間補正量ATC1まで増大傾向に変化すると共に、舵角速度が所定値(例えば、360°/秒等)以上の場合には、警報時間補正量WTCおよび回避所要時間補正量ATCが所定の第1警報時間補正量WTC1および第1回避所要時間補正量ATC1となるように設定されている。
さらに、操向制御非実行時補正マップは、例えば図7(c)に示すように、自車両の横加速度がゼロから所定値G1まで増大することに伴い、警報時間補正量WTCおよび回避所要時間補正量ATCがゼロから所定の第1警報時間補正量WTC1および第1回避所要時間補正量ATC1まで増大傾向に変化すると共に、横加速度が所定値G1以上の場合には、警報時間補正量WTCおよび回避所要時間補正量ATCが所定の第1警報時間補正量WTC1および第1回避所要時間補正量ATC1となるように設定されている。
さらに、操向制御非実行時補正マップは、例えば図7(d)に示すように、自車両の旋回半径がゼロから第1所定値R1まで増大することに伴い、警報時間補正量WTCおよび回避所要時間補正量ATCが所定の第1警報時間補正量WTC1および第1回避所要時間補正量ATC1となるように、かつ、旋回半径が第1所定値R1から第2所定値R2まで増大することに伴い、警報時間補正量WTCおよび回避所要時間補正量ATCが所定の第1警報時間補正量WTC1および第1回避所要時間補正量ATC1からゼロまで減少傾向に変化すると共に、旋回半径が第2所定値R2以上の場合には、警報時間補正量WTCおよび回避所要時間補正量ATCがゼロとなるように設定されている。
また、上述した操向制御実行時補正マップは、例えば図8(a)に示すように、舵角がゼロから第1所定値(例えば、60°等)まで増大することに伴い、警報時間補正量WTCおよび回避所要時間補正量ATCがゼロに設定され、かつ、舵角が第1所定値から第2所定値(例えば、180°等)まで増大することに伴い、警報時間補正量WTCおよび回避所要時間補正量ATCがゼロから、所定の第1警報時間補正量WTC1よりも小さい第2警報時間補正量WTC2および第1回避所要時間補正量ATC1よりも小さい第2回避所要時間補正量ATC2まで増大傾向に変化すると共に、舵角が第2所定値(例えば、180°等)以上の場合には、警報時間補正量WTCおよび回避所要時間補正量ATCが所定の第2警報時間補正量WTC2および第2回避所要時間補正量ATC2となるように設定されている。
さらに、操向制御実行時補正マップは、例えば図8(b)に示すように、舵角速度がゼロから第1所定値(例えば、90°/秒等)まで増大することに伴い、警報時間補正量WTCおよび回避所要時間補正量ATCがゼロに設定され、かつ、舵角速度が第1所定値から第2所定値(例えば、360°/秒等)まで増大することに伴い、警報時間補正量WTCおよび回避所要時間補正量ATCがゼロから、所定の第1警報時間補正量WTC1よりも小さい第2警報時間補正量WTC2および第1回避所要時間補正量ATC1よりも小さい第2回避所要時間補正量ATC2まで増大傾向に変化すると共に、舵角速度が第2所定値(例えば、360°/秒等)以上の場合には、警報時間補正量WTCおよび回避所要時間補正量ATCが所定の第2警報時間補正量WTC2および第2回避所要時間補正量ATC2となるように設定されている。
さらに、操向制御実行時補正マップは、例えば図8(c)に示すように、自車両の横加速度がゼロから第0所定値G0(<G1)まで増大することに伴い、警報時間補正量WTCおよび回避所要時間補正量ATCがゼロに設定され、かつ、自車両の横加速度が第0所定値G0から所定値G1まで増大することに伴い、警報時間補正量WTCおよび回避所要時間補正量ATCがゼロから、所定の第1警報時間補正量WTC1よりも小さい第2警報時間補正量WTC2および第1回避所要時間補正量ATC1よりも小さい第2回避所要時間補正量ATC2まで増大傾向に変化すると共に、横加速度が所定値G1以上の場合には、警報時間補正量WTCおよび回避所要時間補正量ATCが所定の第2警報時間補正量WTC2および第2回避所要時間補正量ATC2となるように設定されている。
さらに、操向制御実行時補正マップは、例えば図8(d)に示すように、自車両の旋回半径がゼロから第1所定値R1まで増大することに伴い、警報時間補正量WTCおよび回避所要時間補正量ATCが所定の第1警報時間補正量WTC1よりも小さい第2警報時間補正量WTC2および第1回避所要時間補正量ATC1よりも小さい第2回避所要時間補正量ATC2となるように、かつ、旋回半径が第1所定値R1から第3所定値R3(<R2)まで増大することに伴い、警報時間補正量WTCおよび回避所要時間補正量ATCが所定の第2警報時間補正量WTC2および第2回避所要時間補正量ATC2からゼロまで減少傾向に変化すると共に、旋回半径が第3所定値R3以上の場合には、警報時間補正量WTCおよび回避所要時間補正量ATCがゼロとなるように設定されている。
そして、ステップS08においては、車両状態センサ16により検出された車両の状態、例えば運転者の操舵入力に基づく舵角(実舵角)および舵角速度および横加速度および旋回半径等の旋回状態に応じて、選択した操向制御非実行時マップまたは操向制御実行時マップに基づき、回避所要時間補正量ATCを算出する。そして、回避所要時間ATから回避所要時間補正量ATCを減算して得た値(AT−ATC)を、新たに回避所要時間ATとして設定する。
そして、ステップS09においては、車両状態センサ16により検出された車両の状態、例えば運転者の操舵入力に基づく舵角(実舵角)および舵角速度および横加速度および旋回半径等の旋回状態に応じて、選択した操向制御非実行時マップまたは操向制御実行時マップに基づき、警報時間補正量WTCを算出する。そして、警報時間WTから警報時間補正量WTCを減算して得た値(WT−WTC)を、新たに警報時間WTとして設定する。
そして、ステップS10においては、物体に対する自車両の相対速度VRと、回避所要時間ATとを乗算して得た値(AT×VR)を、ブレーキ作動距離LBとして設定する。
そして、ステップS11においては、物体に対する自車両の相対速度VRと、警報時間WTとを乗算して得た値(WT×VR)を、警報作動距離LWとして設定する。
そして、ステップS12においては、物体に対する自車両の相対距離LRが警報作動距離LW未満であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS13に進み、このステップS13においては、警報の出力を停止し、ステップS15に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS14に進み、このステップS14においては、警報の出力を実行し、ステップS15に進む。
そして、ステップS15においては、物体に対する自車両の相対距離LRがブレーキ作動距離LB未満であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS16に進み、このステップS16においては、ブレーキアクチュエータ14による自動的な減速動作の実行を停止し、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS17に進み、このステップS17においては、ブレーキアクチュエータ14による自動的な減速動作を実行し、一連の処理を終了する。
例えば図8(a)〜(d)に示す操向制御実行時補正マップによれば、例えば図7(a)〜(d)に示す操向制御非実行時補正マップに比して、同等の旋回状態(例えば、舵角(実舵角)および舵角速度および横加速度および旋回半径)に対して、より小さな値の警報時間補正量WTCおよび回避所要時間補正量ATCが設定される。ここで、警報時間補正量WTCおよび回避所要時間補正量ATCは、接触回避動作(つまり、警報出力およびブレーキアクチュエータ14による減速動作)の作動を抑制するための補正量であるから、操向制御の実行中においては、操向制御の非実行時に比して、接触回避動作の作動の抑制が規制(つまり、制限または禁止)される。
上述したように、本実施の形態による運転支援装置10によれば、接触回避動作として、あるいは、車線維持動作として、自車両の操向を制御する際には、この操向制御の非実行時に比して、警報出力および自動的な制動動作の作動の抑制を規制することにより、例えば不必要に接触回避動作および車線維持動作の実行タイミングが遅れてしまったり、例えば不必要に接触回避動作および車線維持動作が作動し難くなってしまうことを防止することができる。
なお、上述した実施の形態においては、走行制御部26は、物体と自車両との接触発生を回避あるいは接触発生時の被害を軽減する接触回避動作として、あるいは、走行路認識部28により検出された走行区分線に沿って適正に走行する車線維持動作として、自車両の操舵機構(図示略)の操向動作を制御する際には、この操向制御の非実行時に比して、警報出力および自動的な制動動作の作動の抑制を規制するとしたが、これに限定されず、例えば警報出力または自動的な制動動作の何れか一方の作動の抑制を規制してもよい。
本発明の一実施形態に係る運転支援装置の構成を示す機能ブロック図である。 自車両の進路と他車両の進路との重なり量Laの一例を示す図である。 自車両の車線維持動作における走行区分線PLと目標進路PRとの一例を示す図である。 自車両の接触回避動作における目標進路PRと対向車両進路QRとの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る運転支援装置の動作を示すフローチャートである。 重なり量Laに応じた警報時間WTおよび回避所要時間ATの所定のマップの一例を示すグラフ図である。 操向制御非実行時補正マップの一例を示すグラフ図である。 操向制御実行時補正マップの一例を示すグラフ図である。
符号の説明
10 運転支援装置
14 ブレーキアクチュエータ(制動手段)
15 外界センサ(物体検出手段)
16 車両状態量センサ(車両状態検出手段)
17 EPSアクチュエータ(操向制御手段)
18 警報装置(警報手段)
21 物体位置検知部(物体検出手段)
25 接触判定部(接触可能性検知手段)
26 走行制御部(作動制御手段、操向制御手段)
27 警報制御部(作動制御手段)
ステップS06 作動抑制手段
ステップS07 規制手段

Claims (1)

  1. 車両進行方向の物体を検出する物体検出手段と、
    前記物体検出手段により検出された物体と車両との接触発生の可能性を検知する接触可能性検知手段と、
    前記接触可能性検知手段の検知結果に基づき、車両に設けられた警報手段および制動手段の少なくとも何れかを作動させる作動制御手段と、
    車両の旋回状態を検出する旋回状態検出手段と、
    前記旋回状態検出手段により検出された旋回状態に基づき、前記作動制御手段による前記警報手段および前記制動手段の少なくとも何れかの作動を抑制する作動抑制手段と、
    車両の操向を制御する操向制御手段と、
    前記操向制御手段の作動時に、前記作動抑制手段による前記警報手段および前記制動手段の少なくとも何れかの作動の抑制を規制する規制手段と
    を備えることを特徴とする運転支援装置。
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