JP4526838B2 - 配合適性試験用試料の調製方法及びそれに用いるキット - Google Patents

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Description

本発明は、医薬品関連物質または医薬品組成物の配合適性試験用試料の調製方法に関する。
医薬品は、治療目的、薬物の性質や投与の簡便性等に応じて種々の剤形が選択されている。そして、それらの医薬品組成物には、保存中の性状及び品質の基準を確保し、またはその有用性を高めるために、必要に応じて賦形剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、矯味矯臭剤などの添加剤を加えることができる。ただし、これらの添加剤は、その組成物の投与量において無害でなければならない。また、その組成物の治療効果を低下させたり、各種試験に支障をきたすものではあってはならない。したがって、添加剤は、そのものが薬理作用を持たず、さらに物理的または化学的に安定であることが必要である。さらに、添加剤は、薬物との相互作用がないことが好ましく、あるいは、相互作用がある場合には、その性質について精査し、薬理作用、効果あるいは品質などに対する影響を確認する必要がある(非特許文献1)。また、2種類以上の薬物を配合する配合薬の場合や、複数の医薬組成物を併用して投与する場合は、薬物同士の相互作用あるいは医薬組成物同士の相互作用について確認を行う。さらに、医薬組成物を直接保護する直接容器及びその材質についても、添加剤と同様に、薬物との相互作用に注意しなければならない。
そこで、医薬品組成物の処方設計の初期段階では、医薬品製剤に配合する添加剤や容器素材を選択するために、配合適性試験を実施している。配合適性試験は、接触試験あるいは配合変化試験とも呼ばれる。配合適性試験は、例えば、薬物とともに添加剤、直接容器の素材あるいは併用する薬物を共存、接触させた状態で、安定性試験(適切な温度と湿度のもとで一定期間保存する)を行い、色調や臭いなどの性状、力価や含量、分解物等の経時的な変化について薬物単独を対照として評価する。その結果を根拠として医薬組成物の処方設計が開始され、医薬組成物のプロトタイプ試作品が調製される(非特許文献2)。この処方設計の根拠は、近年、米国食品医薬品庁や欧州医薬品審査庁の審査で要求されている(非特許文献3及び非特許文献4)。また、配合適性試験は、薬物に対する添加剤の適合性を確認するだけでなく、不安定な薬物に対する安定化剤のスクリーニング試験法として、あるいは調剤での配合禁忌に関する情報収集のための試験法としても用いられている(非特許文献5)。
従来から、配合適性試験用試料は、例えば薬物と添加剤の相互作用に関する情報を得るために、薬物と添加剤を一定の配合比で秤量した後、両者が十分に接触できるように混合して調製されている。そのため、薬物や添加剤をともに乳鉢ですりつぶしながら混合したり、または薬袋に添加後、振とう機で一定時間混合したり、あるいは、混合後に、簡易打錠機等を用いて圧縮成型して試験に使用される。これらの混合物は、一定期間、安定性試験後、目視観察あるいは色差計により外観評価したり、あるいは、これらの混合物に抽出溶媒を加えて、薬物または薬物の分解物を抽出した液を高速液体クロマトグラフィーなどで分析する。このような配合適性試験の検討には、多大な時間と作業量が要求されるため、熱分析を用いた簡易試験法などが検討されている。しかしながら、これらの簡易試験法は信頼性が乏しく、配合適性試験結果を合わせて考察されている(非特許文献2)。
「医薬品の開発(第12巻)製剤素材(I)」初版、廣川書店、平成2年1月15日、p.3−4 「医薬品の開発(第16巻)プレフォーミュレーションと薬物物性試験」初版、廣川書店、平成2年10月15日、p.271 「Guidance for Industry Drug product; Chemistry, Manufacturing, and Controls Information」,(米国), Food and Drug Administration(FDA),2003年1月 「COMMITTEE FOR PROPRIETARY MEDICAL PRODUCTS(CPMP);NOTE FOR GUIDANCE ON DEVELOPMENT PHARMACEUTICS」,(英国), European Medicines Evaluation Agency (EMEA),1998年1月28日 荒井美治、他4名「クエン酸第一鉄ナトリウム改良顆粒剤の配合試験」、病院薬学、1999年、第25巻、第2号、p.176-186
配合適性試験は、薬物と添加剤などの相互作用を含め貴重な品質情報を入手できる反面、煩雑な作業を伴う。具体的には、ある薬物に対する添加剤の配合適性を評価する場合、薬物と添加剤の組合せの分だけ、それらを一つ一つ秤取した上で、さらに、乳鉢等で混合しなければならない等、試料の調製方法が非常に煩雑であり、また、その作業は長時間を要した。また、被験物や試験材料の性状や形状が異なる場合、それらを均一に混合するのは難しく、正確な評価ができないケースが生じていた。また、従来の試験法は、混合工程作業を考慮すれば、薬物の秤取量は少なくとも数十mgを要するため、試験全体で数g〜数十gのオーダーの薬物使用量が必要であった。一方、医薬品の早期開発を目指し製剤研究に着手しようとしても、医薬品の開発ステージの初期では薬物の大量合成が出来ないケースもあり、配合適性試験を行うための十分な薬物量を入手することが困難であった。その結果、配合適性試験に使用できる薬物量が限られるため、配合適性試験の対象となる添加剤の種類には限界があった。また、近年では米国食品医薬品局や欧州医薬品審査庁では、医薬品申請にあたり、製剤設計の根拠、つまり、製剤に使用する添加剤の選択に関する情報の提供が要求されている。そのため、より少ない薬物使用量で、かつ省力的あるいは効率的に実施できる新たな配合適性試験用試料の調製方法が望まれていた。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、試験のダウンサイジング化を図り、かつ省力的及び効率的に実施できる利便性に優れた新規な配合適性試験用試料の調製方法、配合適性試験のためのキットを見出した。すなわち、(1)互いに異なる被験物と試験材料とによる配合適性試験用試料の調製方法であって、前記被験物と前記試験材料とをそれぞれ溶媒に分散または溶解させて被験物溶液と試験材料溶液とを調製し、試験容器に添加する工程と、前記被験物溶液及び/または前記試験材料溶液を含む前記試験容器を凍結乾燥させる工程とを含む配合適性試験用試料の調製方法である。(2)互いに異なる被験物と試験材料とによる配合適性試験用試料の調製方法であって、前記試験材料を溶媒に分散または溶解させて試験材料溶液を調製して試験容器に添加する工程と、前記試験材料溶液を含む前記試験容器を凍結乾燥する工程と、前記被験物を溶媒に分散または溶解させて被験物溶液を調製し、前記試験容器に添加する工程と、前記被験物溶液を含む前記試験容器を凍結乾燥する工程とを含む配合適性試験用試料の調製方法である。(3)互いに異なる被験物と試験材料とによる配合適性試験用試料の調製方法であって、前記被験物を溶媒に分散または溶解させて被験物溶液を調製して試験容器に添加する工程と、前記被験物溶液を含む前記試験容器を凍結乾燥する工程と、前記試験材料を溶媒に分散または溶解させて試験材料溶液を調製して前記試験容器に添加する工程と、前記試験材料溶液を含む前記試験容器を凍結乾燥する工程とを含む配合適性試験用試料の調製方法である。(4)互いに異なる被験物と試験材料とによる配合適性試験用試料の調製方法であって、前記被験物または前記試験材料を溶媒に分散または溶解させて、前記被験物溶液と前記試験材料溶液とをそれぞれ調製する工程と、前記被験物溶液と前記試験材料溶液とを、試験容器に添加する工程と、前記被験物溶液と前記試験材料溶液とを含む前記試験容器を凍結乾燥する工程とを含む配合適性試験用試料の調製方法である。(5)前記試験容器がマイクロプレートである前記(1)ないし前記(4)のうち何れかに記載の方法である。(6)前記マイクロプレートが、フィルター付きマイクロプレートである前記(5)に記載の方法である。(7)前記被験物または前記試験材料が、薬物、添加剤、容器素材として用いられる物質、医薬組成物及び、それらの混合物からなる群から選択される前記(1)ないし前記(6)のうち何れかに記載の方法である。(8)前記溶媒が、水、炭素数1〜6の低級アルコール類、ジエチルエーテル、ギ酸、酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、ジプロピルアミン、モノメチルアミンまたはそれらの混液から選択される前記(1)ないし前記(7)のうち何れかに記載の方法である。(9)マイクロプレートと、試験材料を溶媒に分散または溶解させた試験材料溶液を前記マイクロプレートのウェルに添加した後、前記溶媒を除去するために凍結乾燥させた試験材料とを備える配合適性試験用キットである。(10)前記試験材料が、薬物、添加剤、容器素材として用いられる物質、医薬組成物及び、それらの混合物からなる群から選択される前記(9)に記載のキットである。(11)配合適性試験用キットの作製方法であって、試験材料を溶媒に分散または溶解させた試験材料溶液を調製し、マイクロプレートのウェルに添加する工程と、前記マイクロプレートを凍結乾燥する工程とを含む作製方法である。
本発明によれば、被験物及び試験材料が微量しか得られない場合であっても、従来法と比較して、より多くの種類の被験物と試験材料による配合適性試験を実施でき、1/1000オーダーでのダウンサイジング化を達成することができる。また、本発明によれば、被験物と試験材料に溶媒を用いて溶液状態とした後、凍結乾燥を行うため、被験物及び試験材料を均一に混合しやすい配合適性試験用試料の調製方法を提供できる。そのため、配合適性試験用試料の調製方法の手順において課題となっていた被験物及び試験材料の秤取工程や混合工程での作業の煩雑さや作業時間を大幅に改善できる。さらに、本発明によれば、利便性に優れた配合適性試験用キットを提供できる。この配合適性試験用キットを使用することにより、試料の調製、安定性試験、抽出及びろ過工程、さらに高速液体クロマトグラフィーでの測定までの一連の作業を試験キットのまま、しかも複数の被験物や試験材料を一度に取り扱うことができる。さらに、汎用される試験材料を用いて配合適性試験キットを大量に作製できるため、作業時間の短縮、使用器具の簡素化など作業効率の向上に繋がる。また、作業者、作業方法によるバラツキを抑制し、安定して再現性の高い評価を行うことができる。また、これらの試験キット及び試験法は、予め組成物の構成成分を想定したマトリックス型の試験キットとすることができるため、被験物の存在下で組成物の構成成分間の相互作用を複数種類の物質を僅かな量で評価することができ、組成物に適した添加剤の選択理由を明確にすることが可能となる。さらに、これらの試験方法及び試験キットを用いることにより、配合適性試験の自動分析システムが可能となる。また、本発明は、医薬品分野だけでなく、食品、化粧品、飼料、金属、樹脂関連などの化学分野で用いることができる。
本発明は、お互いに異なる被験物と試験材料による配合適性試験用試料の調製方法である。図1に示すように、被験物と試験材料をそれぞれ溶媒に分散または溶解させて被験物溶液と試験材料溶液を調製し、試験容器に添加する工程と、被験物溶液の溶媒及び/または試験材料溶液の溶媒を除去するために前記試験容器を凍結乾燥する工程を含む配合適性試験用試料の調製方法である。通常、従来の配合適性試験用試料の調製方法では、これらの工程は含まれない。また、本発明の試験方法において被験物と試験材料の混合工程は必ずしも必須ではないが、凍結乾燥工程前に試験容器の中で試験材料と被験物溶液、被験物と試験材料溶液、または被験物溶液と試験材料溶液を混合してもよい。具体的には、まず、前記試験材料を溶媒に分散または溶解させて試験材料溶液を調製して試験容器に添加した後、試験材料溶液の溶媒を除去するために、その試験容器を凍結乾燥させる。さらに、被験物溶液を調製して、試験材料を含む試験容器に添加し、試験容器中の試験材料と混合した後、さらに凍結乾燥させて配合適性試験用試料を調製する。または、被験物溶液と試験材料溶液の添加順序を入れ換えても良い。例えば、被験物溶液を調製して試験容器に添加し凍結乾燥させて溶媒を除去する。続いて、試験材料溶液を試験容器に添加し、試験容器中の被験物と混合した後、さらに凍結乾燥させて溶媒を除去して配合適性試験用試料を調製してもよい。さらにまたは、被験物溶液と試験材料溶液の添加順序は問わずに、被験物溶液と試験材料溶液を連続して添加した後、凍結乾燥させても良い。つまり、被験物溶液と試験材料溶液を試験容器に添加し混合した後、凍結乾燥させて溶媒を除去して配合適性試験用試料を調製してよい。この場合、凍結乾燥工程の回数は1度でよい。以上のような工程により、試験容器内で被験物と試験材料の両者が共存または接触した状態を試験容器内に作成できる。さらに、これらの配合適性試験用試料を用いて、通常、一般的に行われる配合適性試験を実施することができる。つまり、本発明により調製された配合適性試験用試料で安定性試験を行い、安定性試験前後における被験物及び試験材料の外観変化や被験物または試験材料の含量変化あるいは、分解物の増加などを測定し、被験物と試験材料の品質上の相互作用に関する情報を得ることができる。
本発明における被験物は、試験者が調査対象とする物質または組成物であり、特に限定されない。本発明の被験物は天然に存在するか、または合成することができる物質、あるいはそれらの混合物であれば、いかなるものであっても良く、未知成分でも構わない。被験物は無機化合物、有機化合物、高分子化合物、タンパク質、金属、動植物または鉱物からの天然抽出物、醗酵産物、または、これらの物質の代謝物や分解物、あるいは混合物などが挙げられるが、これらに限定されるのではない。好ましくは、薬理作用を有する物質、たとえば薬理作用を有する無機化合物、有機化合物、天然抽出物または醗酵産物であり(以下、これらを薬物とする)、あるいは薬物を含有する医薬品組成物である。あるいは医薬品組成物に添加される添加剤である。添加剤は、薬理学的に許容される物質であり、通常、医薬品に使用されている物質であるが、現在、医薬品の添加剤としては利用されていない公知物質、あるいは新規に見出された物質であっても良い(以下、これらを添加剤とする)。あるいは、医薬品組成物を被覆する直接容器の構成素材などの物質であり、通常、医薬品の容器の構成素材(以下、容器素材と略す)として既に使用されている物質であるが、容器素材としてはまだ利用されていない公知物質、または新規に見出された物質であっても良い。好ましくは、薬物、添加剤、容器素材として用いられる物質、または医薬組成物の混合物である。より好ましくは、薬物、あるいはそれらを含有する医薬品組成物である。
本発明の試験材料は、試験者が被験物との相互作用を調べたい物質または組成物であり、配合適性試験に用いる被験物と同一の物質や同一の組成物でなければ、特に限定されない。通常、本発明の配合適性試験用試料の調製方法において、試験材料は1種類または2種類以上の物質または組成物である。本発明の試験材料は、被験物で挙げられた物質またはそれらの混合物、あるいは組成物の中から選択して用いることができる。本発明の試験材料は無機化合物、有機化合物、高分子化合物、タンパク質、金属、動植物または鉱物からの天然抽出物、醗酵産物、または、これらの物質の代謝物や分解物、あるいは混合物などが挙げられるが、これらに限定されるのではない。好ましくは、薬物、医薬品組成物、添加剤、容器素材として用いられる物質、あるいはそれらの混合物である。
本発明における被験物と試験材料の組合せは、特に限定されることなく、試験の目的に応じて選択される。通常、本発明の配合適性試験用試料の調製方法において本発明の被験物は1種類の物質または組成物を用い、1種または2種以上の試験材料との配合適性を評価する。もちろん、被験物1種類に対し1種または2種以上の試験材料との配合適性試験を1つの試験系とし、さらに2種類以上の被験物を用いて複数の試験系として配合適性試験を行ってもよい。例えば、被験物と試験材料の組合せは、被験物と試験材料が同一の物質あるいは同一の組成でなければ、いかなるものであっても良く、例えば、薬物、添加剤、容器素材として用いられる物質、医薬組成物、またはそれらの混合物を挙げることができる。ここで、被験物及び試験材料は、単一成分でも、2成分以上の混合物であっても良く、これらに限定されるものではない。例えば、新規薬物を含む医薬組成物の製剤設計を行うために情報を得るためには、その新規薬物に対して、種々の添加剤を単独あるいは混合物で使用できる。たとえば、被験物として新規に見出された薬物(以下、新規薬物と略す)、試験材料として賦形剤、結合剤及び崩壊剤をそれぞれ3種類づつ用意して、新規薬物に対して、単独系(添加剤9種類)、2成分系の混合物(9種類)及び3成分系の混合物(27種類)を比較し、医薬組成物の処方に最適な添加剤あるいは添加剤の組合せを選択することができる。あるいは、2種類以上の薬物を配合する配合薬において、薬物と添加剤との配合適性を調べる場合、例えば、被験物として2種類または複数の種類の薬物を一定の配合比で混合した混合物を使用することができる。もちろん、この時、試験材料も被験物と同様に、複数の試験材料の混合物を用いて試験を行っても良い。
本発明における試験容器は、被験物と試験材料を溶液状態で混合でき、溶媒による腐食、凍結乾燥条件または安定性試験条件に耐え得るものであれば特に限定されない。例えば、試験容器は、一般的な理化学試験、バイオアッセイなどの試験法で利用されるものや、バイアルやアンプルなど医薬組成物の直接容器を利用できるが、特に限定されるものではない。例えば、材質としては、ガラス、陶器、ステンレスなどの金属またはシリコン樹脂、あるいは、ポリスチレン、ポリプロピレン(以下、PPとする)または環状ポリオレフィンなどプラスチック、あるいはそれらを混合または積層した材質などが挙げられるが、特に限定されるものではない。形状は、被験物または試験材料などの溶液を添加し混合し、または凍結乾燥できる形状であれば、特に限定されないが、例えば、バイアルビン、試験管などを用いることができる。あるいは、被験物と試験材料の複数の組合せを一度に試験できるように、バイアルビン等の独立した試験容器を複数本集合させて用いるか、あるいは、マトリックス型の独立した複数の穴や分室を有する試験容器を使用しても良い。好ましくは、高速液体クロマトグラフィーなどの分析装置のオートサンプラーに適用可能な試験容器である。例えば、マイクロプレートであり、市販の24穴のウェルを有するマイクロプレート、96穴のウェルを有するマイクロプレートなどを使用しても良い。より好ましくは、安定性試験、抽出操作、分離操作、分析操作など配合適性試験の一連の操作を同時に行うことができる試験容器であり、例えば、フィルター付きマイクロプレートであり、WHATMAN製の商品名Uni-Filter350などを使用できる。フィルターは、被験物や試験材料、または溶媒にあわせて孔径や材質を選択することができる。例えば、1.2μmのガラス繊維ろ紙、2.7μmのガラス繊維ろ紙、25-30μmのPP、10-12μmのPP、0.45μmのPP、0.45μmの親水性ポリビニリデンフロライド(以下、PVDとする)、0.45μmのセルロースアセテート、0.45μmのテフロン(登録商標)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の溶媒は、試験に用いる被験物や試験材料、あるいは試験容器を変質させるものでなければ、特に限定されない。一般的な理化学試験、あるいは医薬品の製造に用いる溶媒であり、凍結乾燥によって除去できる溶媒である。例えば、水、有機溶媒または水と有機溶媒の混液である。好ましくは、揮発性を有し、極性を有する分子からなる溶媒であり、例えば、水、炭素数1〜6の低級アルコール類、ジエチルエーテルなどのエーテル類、ギ酸、酢酸、酢酸メチル、酢酸エチルなどのカルボン酸及びカルボン酸エステル類、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリルなどのニトリル類、ジプロピルアミンやモノメチルアミンなどのアミン類、またはそれらの混液などである。さらに好ましくは、水、炭素数1〜4の低級アルコール類、アセトン、アセトニトリルまたはそれらの混液である。また、被験物に用いる溶媒と試験材料に用いる溶媒は、ともに同じ溶媒でも、それぞれ別の溶媒でも良い。また、本発明において溶液とは、例えば被験物溶液または試験材料溶液は、被験物または試験材料を溶媒に分散または溶解させた組成物を示す。
本発明は、被験物容器及び/または試験材料溶液を試験容器に添加したのち、溶媒を除去するための乾燥工程を含む。ここで、乾燥工程は、電熱線や赤外線などで加熱する加熱法、温風などを利用する加熱温風法、真空装置などを利用する減圧法、凍結乾燥機などを利用する凍結乾燥法などが挙げられるが、好ましくは、被験物または試験材料を化学的に変質させにくい方法であり、例えば、減圧法や凍結乾燥法である。好ましくは、凍結乾燥法であり、医薬品や食品などの製造、あるいは試薬保管のための通常の一般的な操作法で実施することができる。本発明の凍結乾燥には、医薬品や食品分野で用いられている市販の凍結乾燥機、つまり冷凍乾燥庫、加熱冷却装置や真空ポンプなどを備えた機器を使用することができる。例えば、日精株式会社(共和真空技術株式会社)製の商品名「試験研究用装置RLE-21」、株式会社アルバック製の商品名「実験用/少量生産用凍結真空乾燥装置DF-010H」、株式会社宝製作所製の商品名「真空凍結乾燥機TFD-550-8SP」などを用いることができる。凍結乾燥機の操作方法や条件は、装置性能や溶媒の性質などにより異なるため、特に限定されるものではないが、例えば、処理温度は、通常、−5℃〜−80℃である。好ましくは、−20℃〜−70℃さらに好ましくは−30℃〜−60℃である。また、真空度は、例えば−0.01MPa以下、好ましくは−0.05MPa以下であり、さらに好ましくは、−0.1MPa以下である。また、本発明の凍結乾燥は、必ずしも上記のような凍結乾燥機を用いる必要はなく、以下のような方法で行うことができる。被験物及び/または試験材料を添加した試験容器をフリーザー(−40℃設定)に保存して凍結させた後、さらに真空減圧乾燥機(−0.1MPa)で一晩減圧乾燥させる。この時、真空減圧乾燥機内は、特に温度設定を行う必要はなく、溶媒は凍結したまま乾燥し、凍結乾燥機による処理と同様な乾燥工程とすることができる。
本発明の配合適性試験キットは、被験物と試験材料の配合適性試験用試料の調製方法を簡便に行うため予め作製して用いることができる。医薬品などの製造に使用する汎用原料を含む配合適性試験キットを大量に作製できる。本発明の配合適性試験キットは、以下の方法で作製できる。水を含む溶媒に試験材料を分散または溶解させた試験材料溶液を調製し、試験容器であるマイクロプレートの各ウェルに添加し、さらに前記マイクロプレートを凍結乾燥させて配合適性試験キットを作製できる。本発明の配合適性試験キットは、配合適性試験に応じて、試験を実施するたびに作製しても、あるいは、試験材料として医薬品組成物で汎用されている添加剤を用いて、予め配合適性試験用キットを作製してもよい。例えば、薬物に対する矯味剤または甘味剤との配合適性を行うためのキットを作製する場合を例に挙げれば、試験容器として市販の24穴のウェルを有するマイクロプレートを用い、試験材料としてL-アスパラギン酸マグネシウム、DL−アラニン、L−グルタミン酸ナトリウム、グリシン、DL−リンゴ酸、DL−リンゴ酸ナトリウム、コハク酸一ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、ブドウ糖、白糖、乳糖、粉末還元麦芽糖水アメ、D−マンニトール、D−ソルビトール、キシリトール、ステビア抽出物、グリチルリチン酸、サッカリンナトリウム、カカオ末、ケイヒ末、カンゾウエキス及びメントールパウダーを用いる。これらの試験材料をそれぞれ水に分散または溶解して各ウェルに添加した後、さらに−30℃で凍結乾燥することにより、各ウェルに矯味剤や甘味剤をそれぞれ単独で備えた配合適性用試験キットを作製することができる。24穴のウェルのうち1ウェルは、何も添加せず、配合適性試験時の対照となる被験物用として用いる。
さらに、別の配合適性試験用キットを例示する。マトリックスタイプの配合適性用試験キットを作製することにより、実際の医薬品組成物の処方に近い多成分系での評価を簡便に行うことができる。例えば、表1は、市販の96穴のウェルを有するフィルター付きマイクロプレートを用いた賦形剤(以下、略す時はF)及び結合剤(以下略す時は、B)の2成分系の配合適性試験用キット(市販の96穴のフィルター付きマイクロプレート)である。マイクロプレートの行列において、行には賦形剤7種類、列には結合剤11種類がそれぞれ添加されている。賦形剤は、各行それぞれ、無添加、乳糖(F1)、D−マンニト−ル(F2)、無水リン酸カルシウム(F3)、結晶セルロース(F4)、トウモロコシデンプン(F5)、バレイショデンプン(F6)、白糖(F7)であり、結合剤は、各列それぞれにヒドロキシプロピルセルロース(B1)、ポピドン(B2)、デキストリン(B3)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(B4)、メチルセルロース(B5)、ポリビニルアルコール(B6)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(B7)、アルファー化デンプン(B8)、アルギン酸ナトリウム(B9)、プルラン(B10)、アラビアゴム末(B11)である。1行a列は、何も添加されていないブランクのウェルとなるが、配合適性試験時は、被験物のみが添加され、対照となる。1行b列から1行l列は結合剤の単独系であり、2行a列〜8行a列は賦形剤の単独系である。残りのウェルは2成分系となる。例えば、4行h列は、無水リン酸カルシウム(F3)とカルボキシメチルセルロースナトリウム(B7)の2成分系となる。
Figure 0004526838
また、別の配合適性試験用キットを例示する。表2は、ガラス製の80穴のウェルを有するマイクロプレートに賦形剤、結合剤及び崩壊剤(以下、略す時はD)を添加した3成分系の配合適性試験用キットの例である。賦形剤は、乳糖(F1)、D−マンニト−ル(F2)、無水リン酸カルシウム(F3)、結合剤はヒドロキシプロピルセルロース(B1)、ポピドン(B2)、デキストリン(B3)、崩壊剤は、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(D1)、クロスポビドン(D2)、クロスカルメロースナトリウム(D3)、部分アルファー化デンプン(D4)である。各添加剤の単独系から、2成分系、さらに3成分系のウェルが用意されている。このマトリックスによって、薬物を含む医薬組成物、例えば錠剤や顆粒剤などの添加剤を選択できる。
Figure 0004526838
また、別の配合適性用試験用キットは、試験材料として一つの物質を単独ですべてのマイクロプレートのウェルに添加して作製しても良い。例えば、公知で、すでに汎用されている薬物、例えば、ステロイド類、ビタミン類などを添加して配合適性試験用キットとすることができる。この配合適性試験用キットを用いることにより、被験物として複数の薬物や添加剤を添加して配合適性試験を行い、配合薬組成物の佐薬や薬物の安定化剤を選択することができる。あるいは、カプセル剤など開発しようとする医薬品の剤形が決定している場合は、その組成物に必須の添加剤を試験材料として、例えば、カプセル基材であるゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを含むウェルで構成される配合適性試験用キットとしても良い。もちろん、本発明の配合適性試験用キットは、これらに限定されるわけではなく、必要に応じて、種々の組合せで作製し、配合適性用試験キットとして用いることができる。
本発明の配合適性試験は、例えば、表1で示した配合適性用試験キットを用いて、被験物として特定の薬物を水と有機溶媒の混液に分散または溶解させてすべてのウェルに一定量を添加し、さらに凍結乾燥により溶媒を除去した後、安定性試験を実施できる。安定性試験後、高速液体クロマトグラフィー用の抽出溶媒、例えば、水−アセトニトリル混液や水-メタノール混液などを各ウェルに添加混合し、さらに前記マイクロプレートを遠心分離させ、薬物を含むろ液を下段のマイクロプレートのウェルに得る。この下段のマイクロプレートを高速液体クロマトグラフィーのオートサンプラーに設置し、各ウェルに薬物含量を測定することができる。この試験により、少量の薬物量であっても、薬物に対する添加剤を効率よく簡便に選択することができる。
本発明は、配合適性試験において被験物と試験材料に溶媒を適用して溶液を調製する工程と溶媒を除去する凍結乾燥工程を用いることにより、被験物と試験材料の使用量に依らず微量であっても、配合適性試験での被験物と試験材料の接触状態を高めた配合適性試験用試料を簡便に作製することができる。また、本発明の方法または試験キットを用いることにより、各種被験物と試験材料についてマトリックス試験できるため、従来の試験法より、短期間で配合適性に関する有益な情報を得ることができる。さらにまた、配合適性試験における一連の作業の効率を著しく高め、また、試験実施者によるバラツキを防ぎ、理化学分析の省力化、高質化に繋がる。さらに本発明は、医薬品分野だけでなく、食品、化粧品、飼料、金属、樹脂関連など化学分野で広く用いることができる。
以下に、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、試験材料は日本薬局方14局、医薬品添加物規格1998、日本薬局方外医薬品規格1997、食品添加物公定書第七版等の公定書に適合したもの、または試薬を使用した。
(配合適性試験用キットの作製)
乳糖(F1)、D-マンニトール(F2)、無水リン酸カルシウム(F3)、結晶セルロース(F4)、トウモロコシデンプン(F5)、ヒドロキシプロピルセルロース(B1)、ポビドン(B2)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(D1)、クロスポビドン(D2)、クロスカルメロースナトリウム(D3)の水溶液及び水懸濁液を調製した。濃度は、乳糖、D-マンニトール、無水リン酸カルシウムは約50mg/mL、それ以外は、約12.5mg/mLとした。表1に示した配列となるように、各添加剤の溶液または懸濁液を試験容器として用いるフィルター(ポリプロピレン製、孔径0.45μm)付きマイクロプレートに0.04mLづつ添加し、そのプレートを−40℃フリーザーで保存して凍結させた後、さらに真空減圧乾燥機(−0.1MPa)で一晩減圧乾燥させて凍結乾燥を行い、配合適性試験用キットを得た。この結果、乳糖、D-マンニトール、無水リン酸カルシウムは、1ウェルあたり2.0mg、それ以外の添加剤は、1ウェルあたり0.5mgが添加された。
(被験物の配合適性試験用キットへの適用)
被験物約50mgをメスフラスコに精密に秤り取り、水−メタノール混液(水:メタノール=7:3)を加えて正確に100mLとし、混合溶解して0.5mg/mL溶液を得た。この溶液を前記配合適性試験用キットの各ウェルに0.08mL添加した。プレートミキサーで攪拌し、ウェル内の添加剤と原薬溶液をよく混合した後、−40℃のフリーザーで保存して凍結させた後、さらに真空減圧乾燥機(0.1MPa)で一晩減圧乾燥させて凍結乾燥させた。ここで、被験物は、国際公開第02/085855に記載の1−(3−tert−ブチル−4−メトキシ−5−モルホリノフェニル)−2−(5,6−ジエトキシ−7−フルオロ−1−イミノ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)エタノン ハイドロブロミド(以下、化合物Xとする)を用いた。以下に示す。
Figure 0004526838

(安定性試験及び含量測定)
化合物Xを添加した配合適性試験用キットをそのまま加温加湿条件下(60℃相対湿度75%(以下、60℃75%RHのように表記する)RH/8時間→40℃75%RH/2日)で保存した。保存後、室温に放置したのち、抽出溶媒として水−アセトニトリル混液(混合比1:1)を加え、プレートミキサーで攪拌後、遠心分離機を用いて抽出液をろ過した。試験検体を添加した上段のプレートを外し、ろ液の入った下段のマイクロプレートをそのまま高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCとする)のオートサンプラーに設置し、以下の条件で分析を行った。
<標準溶液の調製>
本化合物原薬約25mgをメスフラスコに精密に量り、水−メタノール混液(水:メタノール=7:3)を加えて正確に25mLとし、混合溶解させた。さらに、薬物濃度が0.2mg/mLになるように水−メタノール混液(水:メタノール=7:3)で希釈した。
<HPLC条件>
HPLC System:島津製作所製、ワークステーション;CLASS-VP、システムコントローラー;SCL-10A vp、オートサンプラー;SIL-10A vp、サンプルクーラー;Sample Cooler 10AD vp、ポンプ;LC-10AD vp、低圧グラジエントユニット;FCV-10AL vp、オンラインデガッサー;DGU-14A、カラムオーブン;CTO-10AC vp、
UV検出器;SPD-10A vp、波長:252nm、カラム(推奨):FL-ODS3、4.6×50mm、3μm、YMC、移動相1:水/アセトニトリル/過塩素酸/過塩素酸ナトリウム(900/100/1/7, v/v/v/w)、移動相2:水/アセトニトリル/過塩素酸/過塩素酸ナトリウム(100/900/1/7, v/v/v/w)、グラジェントプログラム(移動相2濃度):0分(45%)→6分(85%)→7.5分(85%)→7.51分(45%)→10分(45%)、カラム温度:35℃付近の一定温度、流速:1.5mL/min、注入量:10μL。
Figure 0004526838

(参考例1)
(配合適性試験用試料の調製)
乳糖、D-マンニトール、無水リン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、ポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムを1000mgずつ秤取り、本化合物原薬100mgとそれぞれの添加剤を乳鉢にて混合、粉砕し、それぞれを各4本ずつプラスチック製の試験管に小分けした。
(安定性試験及び含量測定)
原薬と添加剤の混合物を加温加湿条件下(40℃75%RH 10日)にて保存した。保存後、抽出溶媒として水−アセトニトリル混液(混合比1:1)を加え、15分間超音波処理をし、フィルター(PVD製、孔径0.45μm)抽出液をろ過した。濾液を高速液体クロマトグラフィー用のサンプルバイアルに移し替え、高速液体クロマトグラフィーのオートサンプラーに設置し、以下の条件で分析を行った。
<標準溶液の調製>
本化合物原薬をプラスチック製のチューブに精密に秤取り、原薬濃度が0.2mg/mLとなるように水−アセトニトリル混液(混合比1:1)を添加した。
<HPLC条件>
HPLC System:島津製作所製、ワークステーション;CLASS-VP、システムコントローラー;SCL-10A vp、オートサンプラー;SIL-10A vp、サンプルクーラー;Sample Cooler 10AD vp、ポンプ;LC-10AD vp、低圧グラジエントユニット;FCV-10AL vp、オンラインデガッサー;DGU-14A、カラムオーブン;CTO-10AC vp、
UV検出器;SPD-10A vp、波長:252nm、カラム(推奨):YMC-Pack AS-300-3、4.6×50mm,3μm,YMC、移動相1:0.1%トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル(990/10, v/v)、移動相2:アセトニトリル/エタノール (500/500 v/v)、グラジェントプログラム(移動相2濃度):0分(10%)→2分(48%)→5分(48%)→7分(100%)→7.5分(100%)→7.51分(10%)→9分(10%)、カラム温度:50℃付近の一定温度、流速:2mL/min、注入量:10μL。
実施例1及び参考例1を比較したところ、使用したトータルの薬物使用量は、実施例1では50検体で約2mg、参考例1では11検体の組合せで約1.0gであった。参考例1と同じ条件数で使用した薬物量は0.45mgであり、発明により従来法の約1/2200の量で試験を実施できることができた。また、図1に添加剤単独系に対する薬物の配合適性試験における薬物含量及び不純物含量の実施例1での結果を参考例1(従来法)の結果と比較した。本発明における評価結果は、従来法と同様に薬物と添加剤の配合適性を妥当に評価できる方法であることがわかった。さらに、配合適性試験の多成分系に対する薬物の配合適性試験結果として図2を示した。医薬組成物の処方を構成する複数の添加剤について、薬物との相互作用を多成分系で、かつ少量の被験物量で調べることができた。
(参考例2)
実施例1と同様に、図1に示す配合適性試験用キットを作製した。さらに、この配合適性試験用キットに被験物として化合物Xを適用させた。ただし、実施例1で用いた凍結乾燥の代わりに、凍結せずに、常温で真空減圧乾燥機(0.1MPa)で一晩減圧乾燥させた(減圧法)。その結果、減圧法は、試験材料によっては減圧時に突沸が生じ、十分な回収率が得られなかった。表4に、主なサンプルの実施例1(凍結乾燥法)と参考例2(減圧法)における化合物Xの回収率の結果を比較した。
Figure 0004526838

















図1は、本発明の方法の手順を示す図である。 図2は、添加剤単独系に対する薬物の配合適性試験に関する実施例1及び参考例1(従来法)の試験結果(薬物含量及び不純物含量)を示す図である。 図3は、添加剤多成分系に対する薬物の配合適性試験に関する実施例1の試験結果(薬物含量及び不純物含量)を示す図である。

Claims (8)

  1. 互いに異なる被験物と試験材料とによる配合適性試験用試料の調製方法であって、前記試験材料を溶媒に分散または溶解させて試験材料溶液を調製してマイクロプレートに添加する工程と、前記試験材料溶液を含む前記マイクロプレートを凍結乾燥する工程と、前記被験物を溶媒に分散または溶解させて被験物溶液を調製し、前記マイクロプレートに添加する工程と、前記被験物溶液を含む前記マイクロプレートを凍結乾燥する工程とを含み、前記マイクロプレートが、フィルター付きマイクロプレートである、配合適性試験用試料の調製方法。
  2. 互いに異なる被験物と試験材料とによる配合適性試験用試料の調製方法であって、前記被験物を溶媒に分散または溶解させて被験物溶液を調製してマイクロプレートに添加する工程と、前記被験物溶液を含む前記マイクロプレートを凍結乾燥する工程と、前記試験材料を溶媒に分散または溶解させて試験材料溶液を調製して前記マイクロプレートに添加する工程と、前記試験材料溶液を含む前記マイクロプレートを凍結乾燥する工程とを含み、前記マイクロプレートが、フィルター付きマイクロプレートである、配合適性試験用試料の調製方法。
  3. 互いに異なる被験物と試験材料とによる配合適性試験用試料の調製方法であって、前記被験物または前記試験材料を溶媒に分散または溶解させて、前記被験物溶液と前記試験材料溶液とをそれぞれ調製する工程と、前記被験物溶液と前記試験材料溶液とをマイクロプレートに添加する工程と、前記被験物溶液と前記試験材料溶液とを含む前記マイクロプレートを凍結乾燥する工程とを含み、前記マイクロプレートが、フィルター付きマイクロプレートである、配合適性試験用試料の調製方法。
  4. 前記被験物または前記試験材料が、薬物、添加剤、容器素材として用いられる物質、医薬組成物及び、それらの混合物からなる群から選択される請求項1ないしのうち何れか一項に記載の方法。
  5. 前記溶媒が、水、炭素数1〜6の低級アルコール類、ジエチルエーテル、ギ酸、酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、ジプロピルアミン、モノメチルアミンまたはそれらの混液から選択される請求項1ないしのうち何れか一項に記載の方法。
  6. マイクロプレートと、試験材料を溶媒に分散または溶解させた試験材料溶液を前記マイクロプレートのウェルに添加した後、前記溶媒を除去するために凍結乾燥させた試験材料とを備える配合適性試験用キットであって、前記マイクロプレートが、フィルター付きマイクロプレートである配合適性試験用キット
  7. 前記試験材料が、薬物、添加剤、容器素材として用いられる物質、医薬組成物及び、それらの混合物からなる群から選択される請求項に記載のキット。
  8. 配合適性試験用キットの作製方法であって、試験材料を溶媒に分散または溶解させた試験材料溶液を調製し、マイクロプレートのウェルに添加する工程と、前記マイクロプレートを凍結乾燥する工程とを含み、前記マイクロプレートが、フィルター付きマイクロプレートである、作製方法。
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