JP4526617B2 - 二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は二次電池に関し、更に詳しくは、生産性が優れ、安全性が高く、耐久性に優れた非水系二次電池に適した二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯用電子機器の発達に伴って電池の生産が急激に増加しており、また、パーソナルコンピューター、ワープロ等の普及によってそのバックアップ用電池の需要も増大の一途にある。
これ等に使用される電池として、充電が可能で長期間使用可能な二次電池の需要が急増しており起電力物質としてリチウムを使用し、これとリチウムをインターカレーションによって吸蔵し得るカーボンあるいはカルコゲン化合物を用いたリチウム二次電池が注目されている。
【0003】
しかし、リチウムは水に対して極めて活性が高く、液漏れによる発火あるいは空気、湿分の侵入によるリチウムの失活等の問題があり、その封止は高度の密封性が要求される。
このようなトラブルを軽減する手段として、正極と負極間に填充される電解液をゲル化剤等を用いて非流動化して液漏れを防止することが行なわれている。
しかし、二次電池として長期間使用するためには、電解液の非流動化と併せて、その封止は、破損のおそれがなく、また、空気、湿分の侵入のおそれのない被覆が必要とされる。
【0004】
従来、一次電池、あるいは二次電池は、ステンレススチール等の金属で被覆されているが、金属缶で封止するときは、正極と負極の絶縁が必要で、その製造には高度な技術と大型の装置を必要とする問題があった。また、金属缶を使用した場合、重量の問題等から電池の小型化・軽量化に限界があり、重量エネルギー密度、体積エネルギー密度の点で不十分であるという問題もあった。
一方、二次電池の電池要素を合成樹脂製のハウジングで封止するときは、生産が容易で、安価に効率的に二次電池を製造することが可能となる。また、小型化・軽量化が容易でもある。しかし、合成樹脂は空気あるいは水分のバリヤー性が充分でなく、僅かながら空気あるいは水分が侵入し、リチウムを失活させると共に水素等のガスが発生し充満するおそれが生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は生産性に優れ、破損による液漏れ、空気、水分等の侵入がなく、安全で耐久性に優れた二次電池を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる目的を達成するために鋭意検討した結果なされたもので、集電体に電気的に結合した正極材と負極材が非流動性電解質層を介して積層されイオン性金属成分を含有する電池要素と、吸湿剤とを、合成樹脂製ハウジングで封止したことを特徴とする二次電池を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明二次電池は、集電体に電気的に結合した正極材と負極材が非流動性電解質層を介して積層されると共にイオン性金属成分を含有した電池要素が吸湿剤と共に合成樹脂製のハウジング内に封止される。
イオン性金属成分とは、イオンとなって二次電池の充電・放電に電気化学的に関与し、起電力を発生する金属成分で通常リチウムが用いられる。以下リチウム二次電池を例に本発明を説明する。
正極材1あるいは負極材2は、通常図1に示すように集電体5と結合するように板状に形成される。集電体5との結合は、集電体5を芯材としてその両面に電極材を積層することによって行なうことができる。目的に応じて集電体の片面に形成したものであってもよい。
【0008】
集電体5としては、一般的にアルミ箔や銅箔などの金属箔を用いることができる。厚みは適宜選択されるが好ましくは1〜30μmである。薄すぎると機械的強度が弱くなり、生産上問題になる。厚すぎると電池全体としての容量が低下する。
これら集電体表面には予め粗面化処理を行うと電極材の接着強度が高くなるので好ましい。表面の粗面化方法としては、機械的研磨法、電解研磨法または化学研磨法が挙げられる。機械的研磨法としては、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤーブラシなどで集電体表面を研磨する方法が挙げられる。また接着強度や導電性を高めるために、集電体表面に中間層を形成しても良い。
【0009】
また、集電体5の形状は、板状であってもよく、網状体、あるいはパンチングメタル等であってもよい。
正極材としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能であれば無機化合物でも有機化合物でも使用できる。無機化合物として、遷移金属酸化物、リチウムと遷移金属との複合酸化物、遷移金属硫化物等が挙げられる。ここで遷移金属としてはFe、Co、Ni、Mn等が用いられる。具体的には、MnO、V2 O5 、V6 O13、TiO2 等の遷移金属酸化物、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウムなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物、TiS2 、FeS、MoS2 などの遷移金属硫化物等が挙げられる。これらの化合物はその特性を向上させるために部分的に元素置換したものであってもよい。有機化合物としては、例えばポリアニリン、ポリピロール、ポリアセン、ジスルフィド系化合物、ポリスルフィド系化合物等が挙げられる。正極材として、これらの無機化合物、有機化合物を混合して用いてもよい。好ましくは、コバルト酸リチウムまたはマンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム等のマンガン、コバルト又はニッケルを含有する化合物、特にコバルトを含有する化合物である。
【0010】
正極材の粒径は、それぞれ電池の他の構成要素とのかねあいで適宜選択すればよいが、通常1〜30μm、特に1〜10μmとするのが初期効率、サイクル特性等の電池特性が向上するので好ましい。
負極に用いることができるリチウムイオンの吸蔵放出可能な負極材としては、通常、グラファイトやコークス等の炭素系物質が挙げられる。斯かる炭素系活物質は、金属、金属塩、酸化物などとの混合体や被覆体の形態で利用することもできる。また、負極材としては、ケイ素、錫、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケル等の酸化物や硫酸塩、金属リチウム、Li−Al、Li−Bi−Cd、Li−Sn−Cd等のリチウム合金、リチウム遷移金属窒化物、シリコン等も使用できる。好ましくは、容量の面からグラファイトまたはコークスである。負極材の平均粒径は、初期効率、レート特性、サイクル特性などの電池特性の向上の観点から、通常12μm以下、好ましくは10μm以下とする。この粒径が大きすぎると電子伝導性が悪化する。また、通常は0.5μm以上、好ましくは7μm以上である。
【0011】
これらの正極材および負極材は通常集電体上に結着されるため、バインダーを使用することが好ましい。バインダーとしてはシリケート、ガラスのような無機化合物や、主として高分子からなる各種の樹脂が使用できる。
樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1,1−ジメチルエチレンなどのアルカン系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの不飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドンなどの環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミドなどのアクリル系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニドなどのCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ポリマー;ポリアニリンなどの導電性ポリマーなどが使用できる。また上記のポリマーなどの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体などであっても使用できる。これらの樹脂の重量平均分子量は、好ましくは10000〜3000000、さらに好ましくは100000〜1000000である。低すぎると塗膜の強度が低下し好ましくない。高すぎると粘度が高くなり電極の形成が困難になる。
【0012】
電極中には必要に応じて導電材料、補強材など各種の機能を発現する添加剤、粉体、充填材などを含有していても良い。導電材料としては、上記活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限は無いが、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末や、各種の金属のファイバー、箔などが挙げられる。添加剤としてはトリフルオロプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、1,6−Dioxaspiro[4,4]nonane−2,7−dione、12−クラウン−4−エーテルなどが電池の安定性、寿命を高めるために使用することができる。補強材としては各種の無機、有機の球状、繊維状フィラーなどが使用できる。
【0013】
電極材100重量部に対するバインダーの配合量は好ましくは0.1〜30重量部、さらに好ましくは1〜15重量部である。樹脂の量が少なすぎると電極の強度が低下する。樹脂の量が多すぎると電極中の空隙量が低下し、後述するイオン移動相の占める割合が低下する。
正極材や負極材を集電体上に形成する手法としては、例えば、粉体状の電極材をバインダーとともに溶剤と混合し、ボールミル、サンドミル、二軸混練機などにより分散塗料化したものを、集電体上に塗布して乾燥する方法が好適に行なわれる。この場合、用いられる溶剤の種類は、電極材に対して不活性であり且つバインダーを溶解しうる限り特に制限されず、例えばN−メチルピロリドン等の一般的に使用される無機、有機溶剤のいずれも使用できる。
【0014】
また、電極材をバインダーと混合し加熱することにより軟化させた状態で、集電体上に圧着、あるいは吹き付ける手法によって電極材層を形成することもできる。さらには電極材を単独で集電体上に焼成することによって形成することもできる。
正極材、負極材内には通常イオン移動相が形成される。電極中におけるイオン移動相のしめる割合は、高い方がイオン移動が容易になり、レート特性上は好ましい一方で低い方が容量的には高くなる。好ましくは10〜50体積%である。また、正極材および負極材の膜厚は容量的には厚い方が、レート上は薄い方が好ましい。膜厚は通常20μm以上、好ましくは30μm以上、さらに好ましくは50μm以上、最も好ましくは80μm以上である。一方、電極材膜厚の上限としては、通常200μm以下、好ましくは150μm以下である。イオン移動相の材料としては、後述する非流動性電解質層の材料と同様のものが使用できる。
【0015】
なお、上記においては、電極が、電極材とその空隙に形成されるイオン移動相とからなる場合について説明したが、勿論、電極としての機能を有する限りその構造に制限はなく、例えば負極をリチウム金属のみで負極とすることもできる。
正極材1と負極材2間に介装する非流動性電解質層3は、通常の電解液と同様に正極と負極を電気化学的に結合する機能を有し、流動性が低く形状保持性を有するものが使用される。
【0016】
非流動性電解質層に用いられる支持電解質としては、電解質として正極材及び負極材に対して安定であり、かつリチウムイオンが正極材あるいは負極材と電気化学反応をするための移動をおこない得る非水物質であればいずれのものでも使用することができる。具体的にはLiPF6 、LiAsF6 、LiSbF6 、LiBF4 、LiClO4 、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF2 、LiSCN、LiSO3 CF2 等のリチウム塩が挙げられる。これらのうちでは特にLiPF6 、LiClO4 が好適である。
【0017】
これら支持電解質を非水系溶媒に溶解した状態で用いる場合の濃度は、一般的に0.5〜2.5mol/Lである。これら支持電解質を溶解する非水系溶媒は特に限定されないが、比較的高誘電率の溶媒が好適に用いられる。具体的にはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの非環状カーボネート類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のグライム類、γ−ブチルラクトン等のラクトン類、スルフォラン等の硫黄化合物、アセトニトリル等のニトリル類等が挙げられる。またこれらの1種または2種以上の混合物を使用することもできる。
【0018】
これらのうちでは、特にエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの非環状カーボネート類から選ばれた1種又は2種以上の溶媒が好適である。またこれらの分子中の水素原子の一部をハロゲンなどに置換したものも使用できる。またこれらの溶媒に、添加剤などを加えてもよい。添加剤としては例えば、トリフルオロプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、1,6−Dioxaspiro[4,4]nonane−2,7−dione、12−クラウン−4−エーテルなどが電池の安定性、性能、寿命を高める目的で使用できる。
【0019】
非流動性電解質層として、ゲル状の電解質を用いることができる。ゲル状電解質とは主として支持電解質と溶媒とを含有する電解液に、ゲル化のための高分子を含み、電解液が高分子のネットワーク中に保持されて全体としての流動性が著しく低下したものである。イオン伝導性などの特性は通常の電解液に近い特性を示すが、流動性、揮発性などは著しく抑制され、安全性が高められている。ゲル状電解質中の高分子の比率は好ましくは1〜50%である。低すぎると電解液を保持することができなくなり、液漏れが発生する。高すぎるとイオン伝導度が低下して電池特性が悪くなる。
【0020】
ゲル状電解質層を形成させるためには、(1)重合性ゲル化剤を含有する電解質原料を使用し、これを重合させて高分子化させる方法を挙げることができる。このような反応をおこなえる高分子としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミドなどの重縮合によって生成されるもの、ポリウレタン、ポリウレアなどのように重付加によって生成されるもの、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル誘導体系ポリマーやポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニルなどのポリビニル系などの付加重合で生成されるものなどがあるが、重合の制御が容易で重合時に副生成物が発生しない付加重合により生成される高分子を使用することが望ましい。特に反応性不飽和基を有する重合性ゲル化剤を重合する方法は、生産性に優れ好ましい。
【0021】
このような反応性不飽和基を有する重合性ゲル化剤の例としてはアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、エトキシエチルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエトキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、N,Nジエチルアミノエチルアクリレート、N,Nジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、アリルアクリレート、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートなどが使用でき、反応性、極性、安全性などから好ましいものを単独、または組み合わせて用いればよい。
【0022】
これらの重合性ゲル化剤を重合する方法としては、熱、紫外線、電子線などによる手法があるが、紫外線による手法の場合、生産性を向上させることができる。この場合反応を効果的に進行させるため、電解液に紫外線を反応する重合開始剤をいれておくこともできる。利用できる紫外線重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンジル、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ビアセチル、ベンゾイルパーオキサイドなどが使用でき、反応性、極性、安全性などから好ましいものを単独、または組み合わせて用いればよい。また熱による重合では、反応の速度の制御が容易で、特に熱重合開始剤の種類、量、モノマー量とモノマー中の反応基数、種類を変えることにより、ゲルの構造制御ができイオン伝導度などを向上させることができる。また全体の反応が一様に進むため均一なゲルができる。
【0023】
熱重合に際して、反応を制御するため、重合開始剤をいれておくこともできる。利用できる熱重合開始剤としては、1,1−ジ(ターシャルブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス−〔4,4−ジ(ターシャルブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン〕、1,1−ジ(ターシャルブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、ターシャリブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノネート、ターシャリブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、ジベンゾイルパーオキサイドなどが使用でき、反応性、極性、安全性などから好ましいものを単独、または組み合わせて用いればよい。
【0024】
また、ゲル状電解質層を形成させるために(2)冷却によってゲル化可能な高分子が含有された電解質原料を使用し常温迄高分子を冷却する方法も採用することができる。この場合使用できる高分子としては、電解液に対してゲルを形成し、電池材料として安定なものであればどのようなものであっても使用できるが、例えばポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドンなどの環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミドなどのアクリル系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニドなどのCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ポリマーなどがあげられる。また上記のポリマーなどの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体などであっても使用できる。
【0025】
リチウム電池に使用される電解液、電解質は極性を有するのが通常であるから、上記(1)、(2)いずれの方法であっても高分子もある程度の極性を有する方が好ましい。これらの高分子の重量平均分子量は好ましくは10000〜5000000の範囲である。分子量が低いとゲルを形成しにくくなる。分子量が高いと粘度が高くなりすぎて取り扱いが難しくなる。高分子の電解液に対する濃度は、分子量に応じて適宜選べばよいが、好ましくは0.1重量%から30重量%である。濃度が0.1重量%以下ではゲルを形成しにくくなり、電解液の保持性が低下して流動、液漏れの問題が生じることがある。濃度が30重量%以上になると粘度が高くなりすぎて工程上困難を生じるとともに、電解液の割合が低下してイオン伝導度が低下しレート特性などの電池特性が低下することがある。
【0026】
非流動性電解質層として固体状の電解質層を用いることもできる。固体電解質としては、これまで知られている種々の固体電解質を用いることができる。たとえば、上述のゲル状電解質で用いられる高分子と支持電解質塩を適度な比で混合して形成することができる。この場合、伝導度を高めるため、高分子は極性が高い物を使用し、側鎖を多数有する様な骨格にすることが好ましい。
非流動性層として、ゲル状電解質、固体電解質を多孔性フィルムか不織布等のスペーサに含浸したものを用いてもよい。電解質層の厚みは、通常5〜200μm、好ましくは10〜100μmである。
【0027】
かかる正極材1、負極材2および非流動性電解質層3からなる電池要素4は、目的に応じた構造とすることができる。
例えば、図1に示すように、集電体5に正極材組成物を積層して板状の正極材1を得る。負極材2も同様の手法で板状に成形され、板状に成形された正極材1と負極材2は、非流動性電解質層3を介して積層される。大容量電池あるいは高電圧電池を目的とする場合は、図2に示すように、正極材1と負極材2が非流動性電解質層3を介して交互に積層される。
【0028】
積層される正極材1と負極材2の枚数は任意であるが正極材1と負極材2が同数とされるのが一般的である。
電極材の平面形状は、円形、四辺形、多角等任意である。また、棒状と円筒状の組合せであってもよい。
四辺形板状の場合、正極材1の集電体5に、図3に示すように、電極の一辺の片側に正極材1より突出する突片5aを形成し、負極材2の集電体5にも同じ辺の反対側に突片5bを形成して、これ等を交互に積層した上で突出形成された突片5aと突片5bを図4に示すように、夫々を上下に結合して正極と負極のリード線結合端子を形成することによって大容量化することができる。
【0029】
このように構成された電池要素4は合成樹脂製のハウジング内に吸湿剤と共に封止される。
吸湿剤としては、合成ゼオライト(モレキュラーシーブ)、シリカゲル、塩化カルシウム、酸化カルシウム、五酸化リン、酸化バリウム、過塩素酸マグネシウム、過塩素酸バリウム等の吸湿性の強い材料が用いられる。好ましくは高温でも吸着能力が高く、潮解性のない、合成ゼオライト、五酸化リン、酸化バリウム、酸化カルシウムが用いられる。ただし、樹脂やパルプ等担体に混合あるいは担持させる場合は、潮解性のある乾燥剤(例えば塩化カルシウム)であってもよい。
【0030】
これ等吸湿剤は、粉末あるいはペレットもしくはシート状に成形した単体を用いることができ、あるいは、後述の合成樹脂製ハウジングに用いられる合成樹脂中に混練することもできる。
また、吸湿剤の粉末を両面感圧粘着テープの片面に付着させてこれをハウジング内面に添着させることもできるが、好ましくは、吸湿剤の粉末をバインダーを用いて成形された成形体が用いられる。形状としてはシート状が一般的であるが目的に応じて棒状、リング状等とすることができる。
【0031】
吸湿剤のバインダー樹脂としては、例えば熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー類、熱硬化性樹脂、プラスチックアロイ、天然高分子(植物繊維、パルプ)を使用することができる。
熱可塑性樹脂には、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、アイオノマー、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル−ビニルアルコール三元共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、非晶性ポリオレフィン(透明性良好、例えば日本ゼオン/商品名:ゼオネックス)、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、スチレン系共重合体(ABS樹脂、AS樹脂、SMA樹脂、ACS樹脂、ASA樹脂等)、ポリアクリロニトリル、ポリオキシメチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、フッ素樹脂(ポリ四フッ化エチレン、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン等)、液晶ポリマー(例えば芳香族ポリエステル系の三菱エンジニアリングプラスチックス/商品名:ノパキュレート)、ポリアリレート、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ノルボルネン系樹脂(例えばJSR/商品名:アートン)、セルロース樹脂等を挙げることができる。
【0032】
熱可塑性エラストマー類は熱可塑性樹脂と同様の加工ができ、成形品がゴム弾性を示す素材の総称であり、分子構造中にハードセグメント(硬質相)とソフトセグメント(軟質相)を有する。スチレン系では硬質相がポリスチレン、軟質相がブタジエン、イソプレンなどが使用される。ポリエステル系では硬質相がポリエステル、軟質相がポリエーテル、ポリアミド系では硬質相がポリアミド、軟質相がポリエーテルなどが使用される。その他オレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ウレタン系、塩素化ポリエチレンがある。
【0033】
熱硬化性樹脂にはフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、フラン樹脂、アミノ樹脂(ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂)、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂がある。
プラスチックアロイは、上記、熱可塑性材料同士を任意に溶融混合したものである。商品化された例としてポリカーボネート系ではポリカーボネートとABS樹脂、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、などとのアロイまた、ポリアミド系ではポリアミドとABS樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリオレフィンとのアロイが知られている。
また、パルプ、木綿、麻等と混抄することによって担体に保持された吸湿剤を得ることができる。
こうして得られた電池要素4と吸湿剤は合成樹脂製ハウジング内に封入される。
【0034】
ハウジングを形成する合成樹脂としては単層であってもよいが、補強用合成樹脂とガスバリヤー性の合成樹脂を積層した複合体を用いることができる。また、好ましくは、合成樹脂層と金属層が積層された複合体が用いられる。
金属層を用いた複合体としては、図5(A)に示すように金属層7に合成樹脂層8が積層された積層シートが用いられる。合成樹脂層は金属層7の内側面に積層されるが、図5(B)に示すように両面に積層することもできる。
【0035】
本発明において、内側面とは、電池要素4を被覆したとき内側となる面を意味し、反対の側を外側面とする。
金属層は金属箔、金属蒸着膜、金属スパッター膜等を利用できる。金属はアルミニウム、鉄、銅、ニッケル、チタン、モリブデン、金、等の単体金属やステンレス、ハステロイ、等の合金、または酸化アルミニウム等の金属酸化物でもよい。特に加工性の優れたアルミニウムが好ましい。
【0036】
複合体は、図6に示すように、合成樹脂層の内側面に溶封を容易とするために合成樹脂層8の合成樹脂より融点の低い合成樹脂からなる熱シール層9を形成することができ、また、外側面には金属層7または合成樹脂層8を保護するために保護層10を積層することができる。
熱シール層9および保護層10は合成樹脂を用いて形成することができる。
【0037】
本発明において、合成樹脂は複合体として用いられるときは弾性率、引張り伸び率は制限されるものではない。従って本発明における合成樹脂は一般にエラストマーと称されるものも含むものとする。
合成樹脂としては、熱可塑性プラスチック、熱可塑性エラストマー類、熱硬化性樹脂、プラスチックアロイが使われる。これらの樹脂にはフィラー等の充填材が混合されているものも含んでいる。
【0038】
熱可塑性樹脂には、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、アイオノマー、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル−ビニルアルコール三元共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、非晶性ポリオレフィン(透明、例えば日本ゼオン/商品名:ゼオネックス)、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、スチレン系共重合体(ABS樹脂、AS樹脂、SMA樹脂、ACS樹脂、ASA樹脂等)、ポリアクリロニトリル、ポリオキシメチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、フッ素樹脂(ポリ四フッ化エチレン、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン等)、液晶ポリマー(例えば芳香族ポリエステル系の三菱エンジニアリングプラスチックス/商品名:ノパキュレート)、ポリアリレート、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ノルボルネン系樹脂(例えばJSR/商品名:アートン)を挙げることができる。
【0039】
熱可塑性エラストマーは熱可塑性樹脂と同様の加工ができ、成形品がゴム弾性を示す素材の総称であり、分子構造中にハードセグメント(硬質相)とソフトセグメント(軟質相)を有する。スチレン系では硬質相がポリスチレン、軟質相がブタジエン、イソプレンなどが使用される。ポリエステル系では硬質相がポリエステル、軟質相がポリエーテル、ポリアミド系では硬質相がポリアミド、軟質相がポリエーテルなどが使用される。その他オレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ウレタン系、塩素化ポリエチレンがある。
【0040】
熱硬化性樹脂にはフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、フラン樹脂、アミノ樹脂(ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂)、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂がある。
プラスチックアロイは、上記、熱可塑性材料同士を任意に溶融混合したものである。商品化された例としてポリカーボネート系ではポリカーボネートとABS樹脂、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、などとのアロイまた、ポリアミド系ではポリアミドとABS樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリオレフィンとのアロイが知られている。
【0041】
本発明ハウジングは、これ等の合成樹脂から目的に応じてヒートシール性、機械的強度等に応じて選択使用することができ、例えば、複合体の場合、合成樹脂層としては、強靱で耐衝撃性に優れた合成樹脂が好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等が好ましい。
保護層に使用する樹脂は、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、変成ポリオレフィン、アイオノマー、非晶性ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等耐薬品性や耐突刺し性に優れた樹脂が望ましい。
【0042】
熱シール層には、比較的低温(200℃以下)で溶融する樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、等を用いることができる。
保護層10と金属層7の積層は押出ラミネーション、ドライラミネーション、金属蒸着、スパッタリングを用いることができ、合成樹脂層8と熱シール層9は押出ラミネーション、ドライラミネーションにより積層することができる。
【0043】
上記の合成樹脂を用いて電池要素4を収容するハウジングが形成される。
ハウジングとしては特に制限はなく各種の構造とすることができ、例えば、合成樹脂がフィルム状に成形されたときは、図7に示すように袋状のハウジング12とすることができ、シート状に成形されたときは図8に示すように絞り加工を行って電池要素収容部13を形成して、該収容部に電池要素4を装填して封止することができる。
【0044】
また、図9に示すように射出成形等によって箱型のハウジング12を形成してこれに装填することもできる。
吸湿剤14は、ハウジング内あるいはハウジングの合成樹脂層に添加される。
ハウジングの合成樹脂に混練するときはガスバリヤー層より内面の合成樹脂層に添加され、図6の複合体においては内側の耐熱性の合成樹脂層8に添加することが望ましい。
また、賦形された吸湿剤14を装填するときは、図8、図9に示すように電池要素4の側部、好ましくはハウジング12のシール部と電池要素4間に装入することが望ましい。
【0045】
【発明の効果】
本発明二次電池は、電池要素と共に吸湿剤を封入したから、外部から侵入する水分によってリチウムが失活したり危険なガスが発生して留まるおそれがなく、サイクル特性、レート特性にすぐれ、特に安全で耐久性に優れた二次電池を得ることができる。また、小型化・軽量化が可能であり、重量エネルギー密度、体積エネルギー密度に優れた二次電池を得ることができる。
【0046】
【実施例】
実施例1
下記の方法によって図1に示す正極材と負極材を形成した。
▲1▼正極活物質の製造
厚さ25μmのアルミ箔の上にLiCoO2 、アセチレンブラックおよびPVDF(ポリフッ化ビニリデン)からなる溶液を塗布、乾燥し、厚さ65μmの正極活物質シートとした。なお、アルミ箔の一部は延長され幅3mmの端子とした。
【0047】
▲2▼負極活物質の製造
厚さ25μmの銅箔の上に、グラファイトとPVDFからなる溶液を塗布、乾燥し、厚さ50μmの負極活物質シートとした。なお、銅箔の一部は延長され幅3mmの端子とした。
【0048】
▲3▼積層
LiPF6 をプロピレンカーボネートとエチレンカーボネートの1:1混合溶媒に1mol/Lの濃度で溶解された液に重合性ゲル化剤としてのジエチレングリコールエチルエーテルアクリレートとテトラエチレングリコールジアクリレートとを溶解させ、開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エトキシヘイサノエートを前述の溶液に添加して電解質原料を得た。正極材シートに厚さ60μmのポリプロピレン/ポリエチレン混合不織布を載置した後、それらに上記電解質原料を含浸させた。同様に負極材にも電解質原料を含浸した後、両者を集電体が外側になるように積層し、さらにこれを90℃で20分間加熱重合することにより電解質原料をゲル化し、正極、負極、ゲル状電解質からなる略四角形板状の電池要素を得た。
【0049】
▲4▼吸湿剤シートの製造
高密度ポリエチレン(日本ポリケム(株)ノパテックHD HF410)のペレットに対し、粉砕した合成ゼオライト(モレキュラーシーブス3A)を重量分率で20%になるように露点−50℃のドライルームでブレンドし、70tonプレス機(王子機械工業製)で200℃の熱プレスを行い、0.5mm厚のシートを成形した。このシートを20mm角に切り出した。
【0050】
▲5▼電池の製造と評価
変性ポリプロピレン/アルミニウム/変性ポリプロピレンの構成による厚さ130μmの3層ラミネートフィルムを用意し、これらの間に前述の電池要素を挟み、さらに吸湿剤入り樹脂シート片を電池要素とラミネートフィルムの間に挟みこんだ。これを真空下、150℃〜180℃の電熱プレスで外装材の外側から3秒間加圧することで外装材(ハウジング)の外縁を熱融着し、電池要素を封止して、形状可変性を有するシート状電池を製造した。
この際、端子のみが外装材の間から突設するように外装材の間に電池要素を挟んだ。
【0051】
この電池を40℃、90%RHの環境下で、延べ4日間かけて充電と放電をC/24のレートで繰り返し2回行い、2回目の充電量に対する放電量を充放電効率として算出した。結果を表−1に示す。表−1に示すように充放電効率は高く、電池特性として優れている。また、充放電効率特性の保持率としてさらに30日後に3回目の充放電をC/8のレートで行い、3回目充放電効率の2回目の効率に対する割合を算出した。表−1に示すように3回目の充放電は2回目と同等の効率であり、充放電特性に優れた保持性を有することがわかる。
【0052】
実施例2
前述の乾燥剤入り樹脂シート片を幅2mmで短冊状に切り出し、電池要素の端子側を除く、残り3辺の周囲に装着して、ラミネートフィルムに挟み込んだ以外は実施例1と同様にして、電池要素を封止したシート状の電池を得た。実施例1と同様の電池の充放電試験を実施した。結果を表−1に示す。
【0053】
実施例3
乾燥剤入り樹脂シートとして天然パルプと塩化カルシウムで出来た市販のシート((株)アイディ製 商品名:アイディシートP)を用いたこと以外、実施例1と同様にして、電池要素を封止したシート状の電池を得た。実施例1と同様の電池の充放電試験を実施した。結果を表−1に示す。
【0054】
比較例1
電池要素をラミネートフィルムで封止する際に、電池要素とラミネートフィルムとの間に乾燥剤入り樹脂シートを挟まずに電熱プレスで封止すること以外は、実施例1と同様にして電池を製造した。充放電試験の結果を表−1に示す。実施例に比べて充放電効率は低目で、2回目充放電から3回目の効率低下も大きい結果となり、電池性能の劣化が明らかである。
【0055】
【表1】
表−1
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用される電極の一例を示す縦断面図。
【図2】本発明に使用される電池要素の一例を示す縦断面図。
【図3】図2電池要素の平面図。
【図4】集電体の引出端子部を示す斜視図。
【図5】(A)(B)はそれぞれ本発明に使用される複合体の構造を示す縦断面図。
【図6】本発明に使用される複合体の他の例の構造を示す縦断面図。
【図7】本発明二次電池の一例を示す斜視図。
【図8】本発明二次電池の他の例を示す斜視図。
【図9】本発明二次電池の更に他の例を示す分解縦断面図。
【符号の説明】
1 正極材
2 負極材
3 非流動性電解質層
4 電池要素
5 集電体
5a,5b 集電体突片
6 複合体
7 金属層
8 合成樹脂層
9 熱シール層
10 保護層
12 ハウジング
13 電池要素収容部
14 吸湿剤
Claims (4)
- 集電体に電気的に結合した正極材と負極材が非流動性電解質層を介して積層されイオン性金属成分を含有する電池要素と、吸湿剤とを、合成樹脂製ハウジングで封止したことを特徴とする二次電池であって、該非流動性電解質が、重合性ゲル化剤としてジエチレングリコールエチルエーテルアクリレートとテトラエチレングリコールジアクリレートを用いるものであり、吸湿剤が、合成ゼオライト、シリカゲル、五酸化リン、酸化バリウムまたは酸化カルシウムであり、かつ、吸湿剤粉末がバインダーで結合されてシート状に成形され、電池要素の側部に添装されてなる、二次電池。
- イオン性金属成分がリチウムである請求項1に記載の二次電池。
- 合成樹脂製ハウジングが、補強用の合成樹脂とガスバリヤー性の合成樹脂との複合体によって形成されてなる請求項1または2記載の二次電池。
- 合成樹脂製ハウジングが合成樹脂層と金属層とが積層された複合体によって形成された請求項1または2記載の二次電池。
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