JP2000223085A - 二次電池 - Google Patents

二次電池

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JP2000223085A
JP2000223085A JP11019419A JP1941999A JP2000223085A JP 2000223085 A JP2000223085 A JP 2000223085A JP 11019419 A JP11019419 A JP 11019419A JP 1941999 A JP1941999 A JP 1941999A JP 2000223085 A JP2000223085 A JP 2000223085A
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battery
electrode material
secondary battery
negative electrode
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Iwao Soga
巌 曽我
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量薄型で、液漏れがなく、安定性に優れ、
高容量の二次電池の提供。 【解決手段】 集電体に電気的に結合した正極材と負極
材が非流動性電解質層を介して積層され、イオン性金属
成分を含有する電池要素を可撓性の被覆材で被覆して封
止した電池素子を収容部材に収容してなる二次電池にお
いて、収容部材の電池素子収容部の空隙高さを電池素子
の全厚の101〜120%としたことを特徴とする二次
電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は二次電池に関し、更
に詳しくは、軽量薄型化が可能で耐久性に優れた二次電
池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯用電子機器の発達に伴って電
池の生産が急激に増加しており、また、パーソナルコン
ピューター、ワープロ等の普及によってそのバックアッ
プ用電池の需要も増大の一途にある。これ等に使用され
る電池として、充電が可能で長期間使用可能な二次電池
の需要が急増しており起電力物質としてリチウムを用い
たリチウム二次電池が注目されている。近年は携帯機器
の小型化かつ軽量化に伴い、これら機器の電源としての
二次電池に対する高性能化要請が高まっており、特に、
機器本体の小型化に対応するため、電池の小型化と電気
容量の同時確保、すなわち、高エネルギー密度化が要求
されている。斯かる状況下、リチウム二次電池は、高エ
ネルギー密度の実現が可能であり、更に、高電圧である
ことから、その開発が盛んに行われている。
【0003】リチウム二次電池は、リチウムイオンを吸
蔵放出可能な正極材および負極材と、主としてリチウム
塩と非水系溶媒から成る非水系電解液によって構成され
る。非水系電解液を使用する理由は、リチウムが従来型
電池の電解液の主成分である水に対し、安定に存在し得
ない程の高い反応性を有するからである。そのため、リ
チウム電池などの高電圧系電池の電解液には、それに含
ませる溶媒として非水系溶媒が使用されている。しか
し、非水系溶媒の多くは、有機化合物液体であるため、
可燃性と臭気を有することが多く、従って、非水系電解
液を使用した電池は、漏液や発火の危険を有している。
そのため、従来のリチウム二次電池は、外部からの水分
の浸入、外部への電解液の揮発を防止するため、頑丈な
金属缶に密封されて使用されている。
【0004】一方、近年では、安全性を向上させるた
め、例えばポリマーに非水系電解液を含有させてゲル状
電解質に置き換えた電池の開発が行われている。ゲル状
電解質の場合、イオン伝導度などの特性の多くは電解液
の性能を保持しながら、流動性が極めて低下して形状維
持性を保持する。また、揮発速度も抑制される。従っ
て、漏液や発火の危険を低減することができる。特に、
リチウム金属を使用した二次電池においては、リチウム
のデンドライト析出による内部短絡に起因する発熱や発
火が問題となっているが、ゲル状電解質ではデンドライ
ト析出が抑制されるとの報告があり、この面においても
安全性の向上が期待されている。
【0005】上述のような、ポリマー中に電解液が含有
されたゲル状電解質は、電解液がゲル中に保持されてい
るためケースを簡略化することができる利点を有する。
斯かる電池は、液系の電池に比し正極材、電解質層、負
極材を平板積層し薄型の電池とできる可能性を有してい
る。しかし、かかるゲル状電解質を用いた二次電池にお
いて期待される薄型電池を実現するためには、強度、気
密性、液保持性が確保され薄型を実現できるケースが必
要となる。
【0006】従来の液系のリチウム二次電池において
は、巻き取られた正極材、セパレーター、負極材の積層
体が金属管中に収納されている。金属管は強度に優れ、
形状安定性が極めて高い。また複数の電池を直列、並列
に組み合わせて一つのパッケージとして使用することも
容易である。電池を直列に接続することによって、より
高い電圧を得ることができ、並列に接続することによっ
て、より高い容量を得ることができる。しかし円筒型で
ある金属管を高い空間充填率をもって収納することは不
可能で、その体積当り電気容量には制約があった。金属
缶を角形にするこころみもなされているが、重量、コス
トの点で満足できる物は得られていない。また金属缶以
外のケース素材も検討されているが、強度、安定性、容
量を満たすことができていない。電極を平板積層するこ
とによって形成される電池は、かかる問題点を克服しう
るものでなければならないが、そのケース、さらに電池
を複数組み合わせて使用する場合の外装体に関しては、
手法が確立されていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、軽量薄型
で、液漏れがなく、安定性に優れ、高電気容量の二次電
池を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するためになされたもので、 集電体に電気的に結合した正極材と負極材が非流動性
電解質層を介して積層され、イオン性金属成分を含有す
る電池要素を可撓性の被覆材で被覆して封止した電池素
子を収容部材に収容してなる二次電池において、収容部
材の電池素子収容部の空隙高さを電池素子の全厚の10
1〜120%としたことを特徴とする二次電池、および 集電体に電気的に結合した正極材と負極材が非流動性
電解質層を介して積層され、イオン性金属成分を含有す
る電池要素を可撓性の被覆材で被覆して封止した電池素
子を収容部材に収容してなる二次電池において、収容部
材の電池素子収容部の空隙高さを満充電時の電池素子の
全厚より大としたことを特徴とする二次電池、を提供す
るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明二次電池は、集電体に電気
的に結合した正極材と負極材が非流動性電解質層を介し
て積層されると共にイオン性金属成分を含有した電池要
素が可撓性の被覆材で被覆された電池素子が用いられ
る。イオン性金属成分とは、イオンとなって二次電池の
充電・放電に電気化学的に関与し、起電力を発生する金
属成分で、通常リチウムが用いられる。以下リチウム二
次電池を例に本発明を説明する。
【0010】正極材1あるいは負極材2は、通常図1に
示すように集電体5と結合するように板状に形成され
る。集電体5との結合は、集電体5を芯材としてその両
面に電極材を積層することによって行うことができる。
目的に応じて集電体の片面に形成したものであってもよ
い。集電体5としては、一般的にアルミ箔や銅箔などの
金属箔を用いることができる。厚みは適宜選択されるが
好ましくは1〜30μmである。薄すぎると機械的強度
が弱くなり、生産上問題になる。厚すぎると電池全体と
しての容量が低下する。
【0011】これら集電体表面には予め粗面化処理を行
うと電極材の接着強度が高くなるので好ましい。表面の
粗面化方法としては、機械的研磨法、電解研磨法または
化学研磨法が挙げられる。機械的研磨法としては、研磨
剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線な
どを備えたワイヤーブラシなどで集電体表面を研磨する
方法が挙げられる。また接着強度や導電性を高めるため
に、集電体表面に中間層を形成しても良い。また、集電
体5の形状は、板状であってもよく、網状体、あるいは
パンチングメタル等であってもよい。
【0012】正極材としては、リチウムイオンを吸蔵・
放出可能であれば無機化合物でも有機化合物でも使用で
きる。無機化合物として、遷移金属酸化物、リチウムと
遷移金属との複合酸化物、遷移金属硫化物等が挙げられ
る。ここで遷移金属としてはFe、Co、Ni、Mn等
が用いられる。具体的には、MnO、V2 5 、V6
13、TiO2 等の遷移金属酸化物、ニッケル酸リチウ
ム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウムなどのリ
チウムと遷移金属との複合酸化物、TiS2 、FeS、
MoS2 などの遷移金属硫化物等が挙げられる。これら
の化合物はその特性を向上させるために部分的に元素置
換したものであってもよい。
【0013】有機化合物としては、例えばポリアニリ
ン、ポリピロール、ポリアセン、ジスルフィド系化合
物、ポリスルフィド系化合物等が挙げられる。正極材と
して、これらの無機化合物、有機化合物を混合して用い
てもよい。好ましくは、コバルト酸リチウムまたはマン
ガン酸リチウム等のマンガンやコバルトを含有する化合
物、特にマンガンを含有する化合物である。正極材の粒
径は、それぞれ電池の他の構成要素とのかねあいで適宜
選択すればよいが、通常1〜30μm、特に1〜10μ
mとするのが初期効率、サイクル特性等の電池特性が向
上するので好ましい。
【0014】負極に用いることができるリチウムイオン
の吸蔵放出可能な負極材としては、通常、グラファイト
やコークス等の炭素系物質が挙げられる。斯かる炭素系
物質は、金属、金属塩、酸化物などとの混合体や被覆体
の形態で利用することもできる。また、負極材として
は、ケイ素、錫、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケル等の酸
化物や硫酸塩、金属リチウム、Li−Al、Li−Bi
−Cd、Li−Sn−Cd等のリチウム合金、リチウム
遷移金属窒化物、シリコン等も使用できる。好ましく
は、容量の面からグラファイトまたはコークスである。
負極材の平均粒径は、初期効率、レート特性、サイクル
特性などの電池特性の向上の観点から、通常12μm以
下、好ましくは10μm以下とする。この粒径が大きす
ぎると電子伝導性が悪化する。また、通常は0.5μm
以上、好ましくは7μm以上である。これらの正極材お
よび負極材は通常集電体上に結着されるため、バインダ
ーを使用することが好ましい。バインダーとしてはシリ
ケート、ガラスのような無機化合物や、主として高分子
からなる各種の樹脂が使用できる。
【0015】樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ−1,1−ジメチルエチレンなどの
アルカン系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレン
などの不飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチルス
チレン、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリ
ドンなどの環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチ
ル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポ
リアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド
などのアクリル系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフ
ッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ
素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシア
ニドなどのCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリ
ビニルアルコールなどのポリビニルアルコール系ポリマ
ー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲ
ン含有ポリマー;ポリアニリンなどの導電性ポリマーな
どが使用できる。また上記のポリマーなどの混合物、変
成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラ
フト共重合体、ブロック共重合体などであっても使用で
きる。これらの樹脂の分子量は、好ましくは10000
〜3000000、さらに好ましくは100000〜1
000000である。低すぎると塗膜の強度が低下し好
ましくない。高すぎると粘度が高くなり電極の形成が困
難になる。
【0016】電極材中には必要に応じて導電材料、補強
材など各種の機能を発現する添加剤、粉体、充填材など
を含有していてもよい。導電材料としては、上記活物質
に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制
限は無いが、通常、アセチレンブラック、カーボンブラ
ック、黒鉛などの炭素粉末や、各種の金属のファイバ
ー、箔などが挙げられる。添加剤としてはトリフルオロ
プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、1,
6−Dioxaspiro〔4,4〕nonane−
2,7−dione、12−クラウン−4−エーテルな
どが電池の安定性、寿命を高めるために使用することが
できる。補強材としては各種の無機、有機の球状、繊維
状フィラーなどが使用できる。
【0017】電極材100重量部に対するバインダーの
配合量は好ましくは0.1〜30重量部、さらに好まし
くは1〜15重量部である。樹脂の量が少なすぎると電
極の強度が低下する。樹脂の量が多すぎると電極中の空
隙量が低下し、後述するイオン移動相の占める割合が低
下する。正極材や負極材を集電体上に形成する手法とし
ては、例えば、粉体状の電極材をバインダーとともに溶
剤と混合し、ボールミル、サンドミル、二軸混練機など
により分散塗料化したものを、集電体上に塗布して乾燥
する方法が好適に行われる。この場合、用いられる溶剤
の種類は、電極材に対して不活性であり且つバインダー
を溶解しうる限り特に制限されず、例えばN−メチルピ
ロリドン等の一般的に使用される無機、有機溶剤のいず
れも使用できる。
【0018】また、電極材をバインダーと混合し加熱す
ることにより軟化させた状態で、集電体上に圧着、ある
いは吹き付ける手法によって電極材層を形成することも
できる。さらには電極材を単独で集電体上に焼成するこ
とによって形成することもできる。正極材、負極材内に
は通常イオン移動相が形成される。電極中におけるイオ
ン移動相の占める割合は、高い方がイオン移動が容易に
なり、レート特性上は好ましい一方で、低い方が容量的
には高くなる。好ましくは10〜50体積%である。ま
た、正極材および負極材の膜厚は容量的には厚い方が、
レート上は薄い方が好ましい。膜厚は通常20μm以
上、好ましくは30μm以上、さらに好ましくは50μ
m以上、最も好ましくは80μm以上である。一方、電
極材膜厚の上限としては、通常200μm以下、好まし
くは150μm以下である。イオン移動相の材料として
は、後述する非流動性電解質層の材料と同様のものが使
用できる。
【0019】なお、上記においては、電極が、電極材と
その中に形成されるイオン移動相とからなる場合につい
て説明したが、勿論、電極としての機能を有する限りそ
の構造に制限はなく、例えばリチウム金属のみで負極と
することもできる。正極材1と負極材2間に介装する非
流動性電解質層3は、通常の電解液と同様に正極と負極
を電気化学的に結合する機能を有し、流動性が低く形状
保持性を有するものが使用される。
【0020】非流動性電解質層に用いられる支持電解質
としては、電解質として正極材および負極材に対して安
定であり、かつリチウムイオンが正極材あるいは負極材
と電気化学反応をするための移動をおこない得る非水物
質であればいずれのものでも使用することができる。具
体的にはLiPF6 、LiAsF6 、LiSbF6 、L
iBF4 、LiClO4 、LiI、LiBr、LiC
l、LiAlCl、LiHF2 、LiSCN、LiSO
3 CF2 等のリチウム塩が挙げられる。これらのうちで
は特にLiPF6 、LiClO4 が好適である。
【0021】これら支持電解質を非水系溶媒に溶解した
状態で用いる場合の濃度は、一般的に0.5〜2.5m
ol/Lである。これら支持電解質を溶解する非水系溶
媒は特に限定されないが、比較的高誘電率の溶媒が好適
に用いられる。具体的にはエチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチル
カーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカ
ーボネートなどの非環状カーボネート類、テトラヒドロ
フラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエ
タン等のグライム類、γ−ブチロラクトン等のラクトン
類、スルフォラン等の硫黄化合物、アセトニトリル等の
ニトリル類等が挙げられる。またこれらの1種または2
種以上の混合物を使用することもできる。
【0022】これらのうちでは、特にエチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート
類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エ
チルメチルカーボネートなどの非環状カーボネート類か
ら選ばれた1種または2種以上の溶媒が好適である。ま
たこれらの分子中の水素原子の一部をハロゲンなどに置
換したものも使用できる。またこれらの溶媒に、添加剤
などを加えてもよい。添加剤としては例えば、トリフル
オロプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、
1,6−Dioxaspiro〔4,4〕nonane
−2,7−dione、12−クラウン−4−エーテル
などが電池の安定性、性能、寿命を高める目的で使用で
きる。
【0023】非流動性電解質層として、ゲル状の電解質
を用いることができる。ゲル状電解質とは主として支持
電解質と溶媒とを含有する電解液に、ゲル化のための高
分子を含み、電解液が高分子のネットワーク中に保持さ
れて全体としての流動性が著しく低下したものである。
イオン伝導性などの特性は通常の電解液に近い特性を示
すが、流動性、揮発性などは著しく抑制され、安全性が
高められる。ゲル状電解質中の高分子の比率は好ましく
は1〜50%である。低すぎると電解液を保持すること
ができなくなり、液漏れが発生する。高すぎるとイオン
伝導度が低下して電池特性が悪くなる。
【0024】ゲル状電解質層を形成させるためには、
(1)モノマーを含有する電解質原料を使用し、これを
重合させて高分子化させる方法を挙げることができる。
このような反応を行える高分子としては、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミドなどの
重縮合によって生成されるもの、ポリウレタン、ポリウ
レアなどのように重付加によって生成されるもの、ポリ
メタクリル酸メチルなどのアクリル誘導体系ポリマーや
ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニルなどのポリビニル系な
どの付加重合で生成されるものなどがあるが、重合の制
御が容易で重合時に副生成物が発生しない付加重合によ
り生成される高分子を使用することが望ましい。特に反
応性不飽和基を有するモノマーを重合する方法は、生産
性に優れ好ましい。
【0025】このような反応性不飽和基を有するモノマ
ーの例としてはアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、エトキシエチルアクリレート、メトキシエ
チルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノアクリレート、エトキ
シエチルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレー
ト、エトキシエトキシエチルメタクリレート、ポリエチ
レングリコールモノメタクリレート、N,Nジエチルア
ミノエチルアクリレート、N,Nジメチルアミノエチル
アクリレート、グリシジルアクリレート、アリルアクリ
レート、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、ジ
エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリ
コールジアクリレート、テトラエチレングリコールジア
クリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、
ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレン
グリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコー
ルジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタク
リレートなどが使用でき、反応性、極性、安全性などか
ら好ましいものを単独、または組み合わせて用いればよ
い。
【0026】これらのモノマーを重合する方法として
は、熱、紫外線、電子線などによる手法があるが、生産
性の高さから紫外線による手法が有効である。この場合
反応を効果的に進行させるため、電解液に紫外線に反応
する重合開始剤をいれておくこともできる。利用できる
紫外線重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンジル、ア
セトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ビア
セチル、ベンゾイルパーオキサイドなどが使用でき、反
応性、極性、安全性などから好ましいものを単独、また
は組み合わせて用いればよい。また熱による重合では、
反応の速度の制御が容易で、特に熱重合開始剤の種類、
量、モノマー量とモノマー中の反応基数、種類を変える
ことにより、ゲルの構造制御ができイオン伝導度などを
向上させることができる。また全体の反応が一様に進む
ため均一なゲルができる。
【0027】熱重合に際して、反応を制御するため、重
合開始剤をいれておくこともできる。利用できる熱重合
開始剤としては、1,1−ジ(ターシャルブチルパーオ
キシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,
2−ビス−〔4,4−ジ(ターシャルブチルパーオキシ
シクロヘキシル)プロパン〕、1,1−ジ(ターシャル
ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、ターシャリブチ
ルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノネー
ト、ターシャリブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノ
ネート、ジベンゾイルパーオキサイドなどが使用でき、
反応性、極性、安全性などから好ましいものを単独、ま
たは組み合わせて用いればよい。
【0028】また、ゲル状電解質層を形成させるために
(2)冷却によってゲル化可能な高分子が含有された電
解質原料を使用し常温迄高分子を冷却する方法も採用す
ることができる。この場合使用できる高分子としては、
電解液に対してゲルを形成し、電池材料として安定なも
のであればどのようなものであっても使用できるが、例
えばポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドン
などの環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、
ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポ
リアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアク
リル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミドなどの
アクリル系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビ
ニリデン等のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポ
リビニリデンシアニドなどのCN基含有ポリマー;ポリ
酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどのポリビニルア
ルコール系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デンなどのハロゲン含有ポリマーなどが挙げられる。ま
た上記のポリマーなどの混合物、変成体、誘導体、ラン
ダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロ
ック共重合体などであっても使用できる。
【0029】リチウム電池に使用される電解液、電解質
は極性を有するのが通常であるから、上記(1)、
(2)いずれの方法であっても高分子もある程度の極性
を有する方が好ましい。これらの高分子の分子量は好ま
しくは10000〜5000000の範囲である。分子
量が低いとゲルを形成しにくくなる。分子量が高いと粘
度が高くなりすぎて取り扱いが難しくなる。高分子の電
解液に対する濃度は、分子量に応じて適宜選べばよい
が、好ましくは0.1重量%から30重量%である。濃
度が0.1重量%以下ではゲルを形成しにくくなり、電
解液の保持性が低下して流動、液漏れの問題が生じるこ
とがある。濃度が30重量%以上になると粘度が高くな
りすぎて工程上困難を生じるとともに、電解液の割合が
低下してイオン伝導度が低下しレート特性などの電池特
性が低下することがある。
【0030】電解質層として固体状の電解質層を用いる
こともできる。固体電解質としては、これまで知られて
いる種々の固体電解質を用いることができる。例えば、
上述のゲル状電解質で用いられる高分子と支持電解質塩
を適度な比で混合して形成することができる。この場
合、伝導度を高めるため、高分子は極性が高い物を使用
し、側鎖を多数有するような骨格にすることが好まし
い。非流動性層として、ゲル状電解質、固体電解質を多
孔性フィルムか不織布等のスペーサに含浸したものを用
いてもよい。電解質層の厚みは、通常5〜200μm、
好ましくは10〜100μmである。
【0031】かかる正極材1、負極材2および非流動性
電解質層3からなる電池要素4は、目的に応じた構造と
することができる。例えば、図1に示すように、集電体
5に正極材組成物を積層して板状の正極材1を得る。負
極材2も同様の手法で板状に成形され、板状に成形され
た正極材1と負極材2は、非流動性電解質層3を介して
積層される。大容量電池あるいは高電圧電池を目的とす
る場合は、図2に示すように、正極材1と負極材2が非
流動性電解質層3を介して交互に積層される。
【0032】積層される正極材1と負極材2の枚数は任
意であるが正極材1と負極材2が同数とされるのが一般
的である。電極材の平面形状は、円形、四辺形、多角形
等任意である。四辺形板状の場合、正極材1の集電体5
に、図3に示すように、電極の一辺の片側に正極材1よ
り突出する突片5aを形成し、負極材2の集電体5にも
同じ辺の反対側に突片5bを形成して、これらを交互に
積層した上で突出形成された突片5aと突片5bを図4
に示すように、夫々を上下に結合して正極と負極のリー
ド線結合端子を形成することによって大容量化すること
ができる。
【0033】このように構成された電池要素4は可撓性
の被覆材で被覆され封止される。被覆材としては、可撓
性を有し、電解質層の成分に対して耐侵蝕性を有すると
共にガスバリヤー性を有する材料であればいかなるもの
であってもよいが、合成樹脂フィルムが一般的である。
被覆材を形成する合成樹脂としては単層であってもよい
が、保護用合成樹脂とガスバリヤー性の合成樹脂を積層
した複合体を用いることができる。また、好ましくは、
合成樹脂層と金属層が積層された複合体が用いられる。
金属層を用いた被覆材6としては、図5(A)に示すよ
うに金属層7に合成樹脂層8が積層された積層シートが
用いられる。合成樹脂層8は金属層7の内側面に積層さ
れるが、両面に積層することもできる。
【0034】本発明において、内側面とは、電池要素4
を被覆したとき内側となる面を意味し、反対の側を外側
面とする。金属層は金属箔、金属蒸着膜、金属スパッタ
ー膜等を利用できる。金属はアルミニウム、鉄、銅、ニ
ッケル、チタン、モリブデン、金、等の単体金属やステ
ンレス、ハステロイ、等の合金、または酸化アルミニウ
ム等の金属酸化物でもよい。特に加工性の優れたアルミ
ニウムが好ましい。
【0035】被覆材6は、図5(B)に示すように、合
成樹脂層の内側面に溶封を容易とするために合成樹脂層
8の合成樹脂より融点の低い合成樹脂からなる熱シール
層9を形成することができ、また、外側面には金属層7
または合成樹脂層8を保護するために保護層10を積層
することができる。熱シール層9および保護層10は合
成樹脂を用いて形成することができる。
【0036】本発明において、合成樹脂は複合体として
用いられるときは弾性率、引張り伸び率は制限されるも
のではない。従って本発明における合成樹脂は一般にエ
ラストマーと称されるものも含むものとする。合成樹脂
としては、熱可塑性プラスチック、熱可塑性エラストマ
ー類、熱硬化性樹脂、プラスチックアロイが使われる。
これらの樹脂にはフィラー等の充填材が混合されている
ものも含んでいる。
【0037】熱可塑性樹脂には、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、変性ポリオレフィン、アイオノマー、ポリビ
ニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)、エチレン−酢酸ビニル−ビニルアルコール三元共
重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビ
ニル、非晶性ポリオレフィン(透明、例えば日本ゼオン
/商品名:ゼオネックス)、ポリアミド、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカ
ーボネート、ポリスチレン、スチレン系共重合体(AB
S樹脂、AS樹脂、SMA樹脂、ACS樹脂、ASA樹
脂等)、ポリアクリロニトリル、ポリオキシメチレン、
ポリメチルメタクリレート、ポリフェニレンエーテル、
ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケト
ン(PEEK)、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポ
リエーテルイミド、ポリアミドイミド、フッ素樹脂(ポ
リ四フッ化エチレン、四フッ化エチレン六フッ化プロピ
レン共重合体、ポリフッ化ビニリデン等)、液晶ポリマ
ー(例えば芳香族ポリエステル系の三菱エンジニアリン
グプラスチックス/商品名:ノバキュレート)、ポリア
リレート、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ノルボ
ルネン系樹脂(例えばJSR/商品名:アートン)を挙
げることができる。
【0038】熱可塑性エラストマーは熱可塑性樹脂と同
様の加工ができ、成形品がゴム弾性を示す素材の総称で
あり、分子構造中にハードセグメント(硬質相)とソフ
トセグメント(軟質相)を有する。スチレン系では硬質
相がポリスチレン、軟質相がブタジエン、イソプレンな
どが使用される。ポリエステル系では硬質相がポリエス
テル、軟質相がポリエーテル、ポリアミド系では硬質相
がポリアミド、軟質相がポリエーテルなどが使用され
る。その他オレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ウレタン
系、塩素化ポリエチレンがある。
【0039】熱硬化性樹脂にはフェノール樹脂、フェノ
ールアラルキル樹脂、フラン樹脂、アミノ樹脂(ユリア
樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂)、不飽和
ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ
樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリウレ
タン、シリコーン樹脂がある。プラスチックアロイは、
上記、熱可塑性樹脂同士を任意に溶融混合したものであ
る。商品化された例としてポリカーボネート系ではポリ
カーボネートとABS樹脂、ポリアミド、ポリフェニレ
ンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、などとのア
ロイ、また、ポリアミド系ではポリアミドとABS樹
脂、ポリフェニレンエーテル、ポリオレフィンとのアロ
イが知られている。
【0040】本発明に使用される被覆材は、これらの合
成樹脂から目的に応じてヒートシール性、機械的強度等
に応じて選択使用することができ、例えば、複合体の場
合、合成樹脂層としては、強靱で耐衝撃性に優れた合成
樹脂が好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等が好まし
い。保護層に使用する樹脂は、好ましくはポリエチレ
ン、ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、アイオノマ
ー、非晶性ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリアミド等耐薬品性や耐突刺し性に優れた樹脂が
望ましい。
【0041】熱シール層には、比較的低温(200℃以
下)で溶融する樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン、変性ポリオレフィン、アイオノマー、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、等を用いることができる。保護層
10と金属層7の積層は押出ラミネーション、ドライラ
ミネーション、金属蒸着、スパッタリングを用いること
ができ、合成樹脂層8と熱シール層9は押出ラミネーシ
ョン、ドライラミネーションにより積層することができ
る。
【0042】厚みは好ましくは10μm〜200μmで
ある。薄いと融着が不十分となり、気密性が低下する。
厚すぎると電池の体積が増加してエネルギー容量の低下
を招く。かかる被覆材6を用いて電池要素4を被覆して
電池素子11を形成する。被覆方法としては各種の構造
を採ることができるが、例えば図6に示すように2枚の
被覆材6の間に電池要素4を介装して被覆材6の周囲を
溶封することによって溶封部12、12を形成して封止
し、電池素子11とすることができる。
【0043】こうして得られた電池素子11は収容部材
に収容される。収容部材としては、電子機器の電池収容
部であってもよいが、プラスチック製の二次電池用収容
部材内に収容することが好ましく、図7(A)に示すよ
うにプラスチックで形成された箱状の収容部材13内に
収容されて保持される。14は、電池素子11を過電流
等から保護するための保護回路である。電池素子11の
収容方法は各種の方法を採用することができ、図7
(B)に示すように、収容部材13の内壁面に突起1
5、15を突設して局部的支持構造とすることができ、
また図7(C)に示すように電池素子11の下面に接着
剤を塗布あるいは両面感圧テープ16を添着して電池素
子11を固定することもできる。接着は電池素子の上面
であってもよい。
【0044】また、図7(D)に示すように電池素子1
1と収容部材13との間の空隙に厚み方向に伸縮する弾
性体17を介装して電池素子11を安定化してもよく、
あるいは、図7(E)に示すように収容部材13の内壁
面の2辺または3辺に凹部18を形成して電池素子11
の縁部、すなわち被覆材6の溶封によって形成された突
出部を挟持して保持することもできる。収容部材13を
形成する合成樹脂としては、被覆材6を形成するための
合成樹脂として述べたものを使用することができる。
【0045】しかして、本発明においては、電池素子収
容部材13の電池素子収容部13aの空隙高さDを電池
素子の全厚dcの101〜120%あるいは、満充電時
の電池素子11の全厚以上とされる。電池素子収容部材
13の空隙高さとは、電池素子11を収容した際、板状
の電池素子11の面に垂直な方向の幅を意味し、電池素
子11の全厚より大とするとは、電池素子11を収容し
たとき、その面に垂直な方向に膨張し得る空隙を有する
ことを意味する。収容部材13に収容される電池素子1
1は必要に応じて複数個収容することができ、2以上の
電池素子11を積層して収容するときは収容部材13の
空隙高さが電池素子11の厚さの総和の101〜120
%とされる。
【0046】基本電池素子11の厚みは、特定がないと
きは放電状態における厚みとして定義される。放電状態
とは、電池の容量の90%以上が放電された状態を意味
する。収容部材13の電池素子収容部13aの内面が図
7(B)に示すように突起構造とされているときは突起
15の頂部位置と電池素子11との関係で、また、電池
素子収容部13aの内壁が発泡体等の弾性体で形成さ
れ、あるいは空隙内に弾性体が装填されたときは、収容
部材13に大きな応力が生じない力で圧縮した状態にお
ける空隙の高さと電池素子11の全厚との関係で示され
る。
【0047】電池素子収容空間の厚みは、薄い方が電池
の体積当り電気容量上は有利になる。電池素子収容空間
の厚みが、基本電池の全厚と一致していれば、体積当り
電気容量は最大となるが、本発明においては、少なくと
も1%の余裕を持たせる。厚みが厚すぎると体積容量の
減少が著しくなるため、最大は20%とする。本発明に
おいて1%以上の余裕を付与する理由は次にある。本発
明者が検討を行った結果、可撓性の被覆材で被覆した電
池素子は、その充放電過程においてその厚さが変化する
ことが明らかとなった。
【0048】例えば、14層が積層された電池要素をラ
ミネートフィルムで被覆した電池素子は、図9に示すよ
うに、4.1V〜2.7Vの間の充放電で厚みが60μ
m以上変化している。放電状態である放電深度90%以
上の時の厚みが3.51mm前後であるのに対して、満
充電状態では3.57mmにまで膨張し、その厚み変化
は2%近い。金属管をケースに用いた電池では缶の剛性
が高いため、かかる寸法変化の問題は生じていなかっ
た。しかるに、体積当り電気容量を高くするために、空
間に余裕のない状態に電池素子11を収容すると収容部
材13に膨張の圧力がかかることとなる。
【0049】収容部材13は平板状電池を実現するた
め、薄板構造に形成されるため、繰り返しの膨張収縮に
よる疲労に対して構造的に弱く、収容部材が長期の使用
に対して破損する可能性がある。また、収容部材13の
寸法が変化することによって、機器に収納時の寸法安定
性が損なわれる。また、重量当りの電気容量を高くする
ために、収容部材13内部に突起物を形成して局部的に
支持する構造とする場合は、収容部材13の空隙に余裕
を与えないと、電池素子の膨張の際、突起物が電池素子
を突き刺す力が働く。また、形状可変性のあるケースは
外力によっても突き刺し作用が働き、外力に対して弱く
電池素子11が損傷するおそれがある。
【0050】本発明においては、予め膨張収縮を見込ん
だ厚みを、収容部材における電池素子が収納される電池
素子収容部の厚みに与えることによって、充放電時にお
ける電池素子の膨張収縮による厚みの変化を吸収し、電
池の安定性を高めるとともに、最大の体積容量を実現す
ることを可能とするものである。本発明においては、膨
張収縮が電池の電極材の寸法変化に由来するものである
と想定されることから、収容部材の電池収納空間の厚み
を、電池素子の全厚に電極材の全厚の1〜10%を加え
た厚みとすることによって、厚みの範囲を最適化し、一
層の体積容量の向上を実現できる。
【0051】本発明において、電池素子をプラスチック
製の電池素子収容部材に挿入するときは、軽量で形状可
変性のあるケースの強度を補い、電池の形状、寸法安定
性を付与する役割をする。また必要に応じて、保護回路
や直列、並列に接続された複数の電池素子を収納して一
つのパッケージとする役割を担う。かかるパッケージ
は、必要な電圧、容量、保護回路が備わっているため、
例えばコンピュータ等に搭載するにあたってそのまま組
み込むことができ好ましい。また収容部材は図8に示す
ように電池が組み込まれる機器そのものの外装を兼ねる
ことができる。例えば収容体のなかに電池素子11と、
通信回路20を組み込み携帯電話として用いることもで
きる。
【0052】
【発明の効果】本発明の二次電池は次のような効果を有
する。すなわち、電解質としてゲル状または固体状であ
る電解質を使用しているため液漏れが抑制され安全性が
高められている。さらに正極材と負極材とが電解質層を
介して平板的に積層されるため平板状薄型化が可能とな
った。そして、これらの構成を持つ電池要素を形状可変
性をもつケースに密封して電池素子を形成することによ
って、軽量でかさばらず、体積容量、重量容量に優れた
二次電池が得られる。形状可変性のケースは特に真空密
封された場合、電池要素に密着したケースとなり、余分
な空間がなく体積容量の点から優れる。形状可変性のケ
ースとしてラミネートフィルムが用いられる場合は、軽
量で、フィルムが薄いため、特に体積、重量容量に優れ
た電池が得られる。また熱融着層が気密性を保ち、外部
からの水分の浸入や電解液の外部への気化が抑えられ
る。
【0053】さらに本発明においては、主としてプラス
チックからなる外装体に電池素子を収納して用いること
により、強度と安定性を確保することが可能となった。
形状可変性のあるケースは、軽量で柔軟であり気密性に
優れるなど利点も多いが、形状可変である点から、例え
ば突起物等に接触した場合内部の単位電池素子を保護す
る能力には劣る。本発明においてはプラスチックからな
る収容部材に電池素子を収容すれば収容部材がかかる欠
点を補う。またプラスチックは軽量であり重量容量を高
くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる電極材の一例を示す縦断面
【図2】本発明に用いられる電池要素の一例を示す縦断
面図
【図3】図2電池要素の平面図
【図4】集電体の結合を示す電池要素の斜視図
【図5】(A)(B)は夫々被覆材の例を示す縦断面図
【図6】本発明電池素子の一例を示す平面図
【図7】(A)〜(E)は夫々電池素子を収容部材に収
容した状態を示す縦断面図
【図8】本発明二次電池の他の例を示す縦断面図
【図9】電池素子の充放電に伴う厚み変化を示すグラフ
【符号の説明】
1 正極材 2 負極材 3 非流動性電解質層 4 電池要素 5 集電体 5a、5b 集電体突片 6 被覆材 7 金属層 8 合成樹脂層 9 熱シール層 10 保護層 11 電池素子 13 電池素子収容部材 14 保護回路 17 弾性体
フロントページの続き Fターム(参考) 5H011 AA03 AA10 AA17 CC02 CC06 CC10 DD14 FF01 GG08 HH02 JJ12 KK01 KK02 5H029 AJ03 AJ04 AJ15 AK02 AK03 AK05 AK16 AK18 AL01 AL02 AL06 AL07 AL12 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 AM12 AM16 BJ04 BJ12 CJ03 DJ02 EJ01 EJ12 HJ03 HJ04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 集電体に電気的に結合した正極材と負極
    材が非流動性電解質層を介して積層され、イオン性金属
    成分を含有する電池要素を、可撓性の被覆材で被覆して
    封止した電池素子を収容部材に収容してなる二次電池に
    おいて、収容部材の電池素子収容部の空隙高さを電池素
    子の全厚の101〜120%としたことを特徴とする二
    次電池。
  2. 【請求項2】 集電体に電気的に結合した正極材と負極
    材が非流動性電解質層を介して積層され、イオン性金属
    成分を含有する電池要素を、可撓性の被覆材で被覆して
    封止した電池素子を収容部材に収容してなる二次電池に
    おいて、収容部材の電池素子収容部の空隙高さを満充電
    時の電池素子の全厚より大としたことを特徴とする二次
    電池。
  3. 【請求項3】 可撓性の被覆材が、熱融着性の合成樹脂
    フィルム層を有する積層フィルムである請求項1または
    2記載の二次電池。
  4. 【請求項4】 可撓性の被覆材が、熱融着性の合成樹脂
    フィルム層と金属層とが積層された積層フィルムである
    請求項1または2記載の二次電池。
  5. 【請求項5】 電池素子と収容部材の電池素子収容部内
    壁間に厚さ方向に伸縮性を有する弾性体を介装してなる
    請求項1〜4いずれかに記載の二次電池。
  6. 【請求項6】 電池素子の上面または下面が、接着剤
    または両面感圧テープを用いて収容部材の電池素子収容
    部内壁に接着されてなる請求項1〜5いずれかに記載の
    二次電池。
  7. 【請求項7】 収容部材の電池素子収容部内壁に横方向
    の凹部を形成し、電池素子の縁部を嵌合してなる請求項
    1〜6いずれかに記載の二次電池。
  8. 【請求項8】 イオン性金属成分がリチウムである請求
    項1〜7いずれかに記載の二次電池。
  9. 【請求項9】 イオン性金属成分がリチウムであり、
    負極材が炭素物質、正極材がリチウム複合酸化物である
    請求項1〜7いずれかに記載の二次電池。
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