JP4525250B2 - 感放射線性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
特に、上記式(2)で表される基が下記式(1−1’)、式(1−2’)、式(1−3’)または式(1−4’)で表されることを特徴とする
上記非置換の2価の炭化水素基としては、例えば、メチレン基;1,1−エチレン基、1,2−エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等の炭素数2〜8のアルキレン基;1,3−シクロペンチレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基等の炭素数3〜10のシクロアルキレン基;1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、メチル−1,4−フェニレン基、1,4−フェニレンメチレン基等の炭素数6〜14のアリーレン基等を挙げることができる。
さらに、Rの炭素数2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基としては、ビニル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基等を挙げることができる。
式(1)において、pは1から3の整数であるが、原料の供給面等からpは1であることが好ましい。
この反応は、通常、無溶媒条件で実施する。
反応温度は、通常、−40〜+50℃、好ましくは−20〜+30℃であり、反応時間は、通常、0.1〜72時間、好ましくは0.5〜3時間である。
この反応は通常、トルエン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール等の有機溶媒中で行なわれ、好ましくはメタノール、エタノール中で実施される。
反応温度は、通常、−40〜+50℃、好ましくは−20〜+30℃であり、反応時間は、通常、0.1〜72時間、好ましくは0.5〜3時間である。
反応に使用される塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を挙げることができ、好ましくは、トリエチルアミン、ピリジン等である。
上記酸解離性基とは、例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基等の酸性官能基中の水素原子を置換した基であり、酸の存在下で解離する基を意味する。
このような酸解離性基としては、例えば、置換メチル基、1−置換エチル基、1−置換−n−プロピル基、1−分岐アルキル基、アルコキシカルボニル基、環式酸解離性基等を挙げることができる。
上記1−置換−n−プロピル基としては、例えば、1−メトキシ−n−プロピル基、1−エトキシ−n−プロピル基等を挙げることができる。
上記1−分岐アルキル基としては、例えば、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基等を挙げることができる。
上記アルコキシカルボニル基としては、例えば、t−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。
上記環式酸解離性基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、4−メトキシシクロヘキシル基等を挙げることができる。
また、R1の炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基および何れか2つのR1が相互に結合してそれぞれが結合している炭素原子と共に形成した炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン類に由来する基;アダマンタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン等の有橋式炭化水素類に由来する基等を挙げることができる。
これらの1価の脂環式炭化水素基および2価の脂環式炭化水素基のうち、シクロペンタン、シクロヘキサン、アダマンタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等に由来する基が好ましい。
また、上記1価または2価の脂環式炭化水素基の置換誘導体における置換基としては、例えば、上記R1の2価の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基および2価の脂環式炭化水素に対する置換基について例示したものと同様の置換基を挙げることができる。
これらの置換基のうち、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ヒドロキシメチル基、シアノ基、シアノメチル基等が好ましい。これら置換基は、各置換誘導体中に1個以上あるいは1種以上存在することができる。
1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−n−プロピルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−n−プロピルシクロヘキシル基等の1−アルキルシクロアルキル基;
2−メチルアダマンタン−2−イル基、2−メチル−3−ヒドロキシアダマンタン−2−イル基、2−エチルアダマンタン−2−イル基、2−エチル−3−ヒドロキシアダマンタン−2−イル基、2−n−プロピルアダマンタン−2−イル基、2−n−ブチルアダマンタン−2−イル基、2−メトキシメチルアダマンタン−2−イル基、2−メトキシメチル−3−ヒドロキシアダマンタン−2−イル基、2−エトキシメチルアダマンタン−2−イル基、2−n−プロポキシメチルアダマンタン−2−イル基、2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−メチル−5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−メチル−6−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−メチル−5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−メチル−6−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−エチル−5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−エチル−6−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]−4−イル基、4−メチル−9−ヒドロキシテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル基、4−メチル−10−ヒドロキシテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル基、4−メチル−9−シアノテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル基、4−メチル−10−シアノテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル基、4−エチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル基、4−エチル−9−ヒドロキシテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル基、4−エチル−10−ヒドロキシテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル基、8−メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル基、8−メチル−4−ヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル基、8−メチル−4−シアノトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル基、8−エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル基、8−エチル−4−ヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル基等のアルキル置換有橋式炭化水素基;
1−メチル−1−(アダマンタン−1−イル)エチル基、1−メチル−1−(3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル)エチル基、1−メチル−1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)エチル基、1−メチル−1−(5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)エチル基、1−メチル−1−(6−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)エチル基、1−メチル−1−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル)エチル基、1−メチル−1−(9−ヒドロキシテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル)エチル基、1−メチル−1−(10−ヒドロキシテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル)エチル基、1−メチル−1−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル)エチル基、1−メチル−1−(4−ヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル)エチル基等のアルキル置換・有橋式炭化水素基置換メチル基;
1,1−ジシクロペンチルエチル基、1,1−ジ(2−ヒドロキシシクロペンチル)エチル基、1,1−ジ(3−ヒドロキシシクロペンチル)エチル基、1,1−ジシクロヘキシルエチル基、1,1−ジ(3−ヒドロキシシクロヘキシル)エチル基、1,1−ジ(4−ヒドロキシシクロヘキシル)エチル基、1,1−ジシクロへプチルエチル基、1,1−ジ(3−ヒドロキシシクロへプチル)エチル基、1,1−ジ(4−ヒドロキシシクロへプチル)エチル基等のアルキル・ジシクロアルキルメチル基;
1,1−ジ(アダマンタン−1−イル)エチル基、1,1−ジ(3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル)エチル基、1,1−ジ(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)エチル基、1,1−ジ(5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)エチル基、1,1−ジ(6−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)エチル基、1,1−ジ(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル)エチル基、1,1−ジ(9−ヒドロキシテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル)エチル基、1,1−ジ(10−ヒドロキシテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル)エチル基、1,1−ジ(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル)エチル基、1,1−ジ(4−ヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル)エチル基等のアルキル置換・ジ(有橋式炭化水素基)置換メチル基等を挙げることができる。
本発明に好適な単量体を以下に式(3−1)〜式(3−5)として例示する。
ラクトン骨格として5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナンを有する脂環式炭化水素基を側鎖の一部に有する。またこのラクトン骨格は、R2で表される、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基、アルコキシ基、またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよい。
炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等が挙げられ、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。炭素数1〜4の直鎖状あるいは分岐状のフッ素化アルキル基としては、上記アルキル基の水素の一部または全部をフッ素原子で置換した基が挙げられる。
上記ラクトンユニット含有繰り返し単位は、該クトンユニットを側鎖に有するアクリル酸誘導体を単量体として用いて重合させることにより重合体中に導入できる。
1価の有機基としては、炭素数7〜20の極性基を含まない炭素および水素のみからなる多環型脂環式炭化水素基が好ましく、このような多環型脂環式炭化水素基としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、テトラシクロ[4.4.0.12,6.17,10]ドデカン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン等のシクロアルカン類に由来する脂環族環からなる炭化水素基が挙げられる。
また、これらのシクロアルカン由来の脂環族環は、置換基を有していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基の1種以上あるいは1個以上で置換した骨格等が挙げられる。これらは単独でも、2種以上を混合して用いることができる。
式(5)で表される繰り返し単位は、Xを側鎖に有するアクリル酸誘導体を単量体として用いて重合させることにより重合体中に導入できる。
繰返し単位Iが5モル%未満であると、解像度不足であり、80モル%をこえると耐エッチング不足である。繰返し単位IIが5モル%未満であると、解像度不足であり、60モル%をこえると溶剤に対して溶解性が低下する。繰返し単位IIIが50モル%をこえると解像度不足である。
一方、KrFエキシマレーザーを用いる感放射線性樹脂組成物に特に好適な酸解離性基含有樹脂としては、例えば、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)またはその誘導体中のフェノール性水酸基の水素原子の一部または全部を酸解離性基で置換した樹脂、p−ヒドロキシスチレンおよび/またはp−ヒドロキシ−α−メチルスチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体中のフェノール性水酸基の水素原子および/またはカルボキシル基の水素原子の一部または全部を酸解離性基で置換した樹脂等を好ましく用いることができる。なお、この樹脂は、ArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、電子線等の他の放射線を使用する感放射線性樹脂組成物にも好適に使用することができる。
分子鎖末端に式(2)の基を有する重合体は、全重合体数の30〜70%であることが好ましい。30%未満であると効果がみられず、70%をこえると低重合度となる。
ラジカル重合開始剤量と連鎖移動剤量とのモル比率は、(1:1)〜(0.005:1)である。好ましくは(1:1)〜(0.1:1)である。
本発明で使用できるラジカル重合開始剤は、熱重合開始剤、レドックス重合開始剤、光重合開始剤が挙げられる。例えばパーオキシドやアゾ化合物等の重合開始剤が挙げられる。特に限定しないが、具体的なラジカル重合開始剤としては、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート(MAIB)等が挙げられる。
重合溶媒は単量体、ラジカル重合開始剤、連鎖移動剤を溶解できる有機溶剤が用いられる。有機溶剤としてケトン系溶剤、エーテル系溶剤、非プロトン系極性溶剤、エステル系溶剤、芳香族系溶剤、線状または環状脂肪族系溶剤が挙げられる。ケトン系溶剤としては、メチルエチルケトン、アセトンなどが挙げられる。エーテル系溶剤としてはアルコキシアルキルエーテル、例えば、メトキシメチルエーテル、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどが挙げられる。非プロトン系極性溶剤はジメチルホルムアミド、ジメチルスルホオキサイドなどが挙げられる。エステル系溶剤は酢酸アルキル、例えば酢酸エチル、酢酸メチルなどが挙げられる。芳香族系溶剤はアルキルアリール溶剤、例えばトルエン、キシレン、およびハロゲン化芳香族溶剤、例えばクロロベンゼンなどが挙げられる。脂肪族系溶剤はヘキサン、シクロヘキサンなどが挙げられる。
重合温度は20〜120℃、好ましくは50〜110℃、さらに好ましくは60〜100℃である。通常の大気雰囲気でも重合できる場合もあるが、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下での重合が好ましい。重合体の分子量は単量体量と連鎖移動剤量との比率を制御することで調整できる。
重合時間は一般に0.5〜144時間、好ましくは1〜72時間、より好ましくは2〜24時間である。
本発明の重合体は、アルカリ不溶性またはアルカリ難溶性であって酸の作用によりアルカリ易溶性となる酸解離性基含有樹脂として使用することができる。
スルホンイミド化合物としては、例えば、下記式(6)で表される。
1価の有機基としては、置換もしくは非置換の直鎖または分岐アルキル基、置換もしくは非置換の環式アルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、パーフルオロアルキル基等が、2価の有機基としては、置換もしくは非置換のアルキレン基、置換もしくは非置換のアルケニレン基、置換もしくは非置換のフェニレン基等が挙げられる。
オニウム塩化合物としては、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロオクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロオクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウム4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロベンゼンスルホネート、ビス(p−フルオロフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(p−フルオロフェニル)ヨードニウムノナフルオロメタンスルホネート、ビス(p−フルオロフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート、(p−フルオロフェニル)(フェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、
酸拡散制御剤は、露光により酸発生剤から生じた酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、非露光領域での好ましくない化学反応を抑制する作用を有する。このような酸拡散制御剤を使用することにより、組成物の貯蔵安定性が向上し、またレジストとして解像度が向上するとともに、PEDの変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れたものとなる。
酸拡散制御剤としては、レジストパターンの形成工程中の露光や加熱処理により塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましい。
このような含窒素有機化合物としては、例えば、下記式(7)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(I)」という。)、アミド基含有化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えば、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール等のイミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類のほか、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、ピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
酸拡散制御剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
酸拡散制御剤の配合量は、樹脂100重量部に対して、15重量部以下、好ましくは0.001〜10重量部、さらに好ましくは0.005〜5重量部である。この場合、酸拡散制御剤の配合量が15重量部をこえると、レジストとしての感度や露光部の現像性が低下する傾向がある。なお、酸拡散制御剤の配合量が0.001重量部未満では、プロセス条件によっては、レジストとしてのパターン形状や寸法忠実度が低下するおそれがある。
このような界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等を挙げることができ、また市販品としては、例えば、エフトップEF301、EF303,EF352(トーケムプロダクツ社製)、メガファックス F171、F173(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)、KP341(信越化学工業(株)製)、ポリフローNo.75、No.95(共栄社化学(株)製)等が挙げられる。
界面活性剤の配合量は、酸解離性基含有樹脂100重量部に対して、好ましくは2重量部以下である。
また、その他の増感剤を配合することができる。好ましい増感剤の例としては、カルバゾール類、ベンゾフェノン類、ローズベンガル類、アントラセン類等が挙げられる。
増感剤の配合量は、酸解離性基含有樹脂100重量部に対して、好ましくは50重量部以下である。
上記組成物溶液の調製に使用される溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸i−プロピル等の乳酸エステル類;ぎ酸n−アミル、ぎ酸i−アミル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸i−プロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ブチロラクン等のラクトン類が挙げられる。
これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
その後、アルカリ現像液で10℃〜50℃、10秒〜200秒、好ましくは15℃〜30℃、15秒〜100秒、特に好ましくは20℃〜25℃、15秒〜90秒の条件で現像することにより所定のレジストパターンを形成させる。
アルカリ現像液としては、例えば、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類などのアルカリ性化合物を、通常、1重量%〜10重量%、好ましくは1重量%〜5重量%、特に好ましくは1〜3重量%の濃度となるよう溶解したアルカリ性水溶液が使用される。
また、上記アルカリ性水溶液からなる現像液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤を適宜添加することもできる。なお、レジストパターンの形成に際しては、環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、レジスト被膜上に保護膜を設けることもできる。
2−ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2−イルメチル−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール120gを1リットルのナスフラスコに入れて、10℃まで冷却して、チオ酢酸35gをゆっくりと滴下した。滴下後、40℃まで昇温させ、1時間攪拌させた。その後、クロロホルム300mlに溶かし、5%炭酸水素ナトリウム水溶液100gで洗浄を3回行なった。その後、クロロホルムを除去して、中間体1を得た。その中間体1をメタノール500mlに溶かし、ナトリウムエトキシド36gのメタノール溶液(100ml)を加え、室温で3時間攪拌した。反応終了後、水100mlを加え、メタノールを除去した水溶液に2N塩酸を酸性になるまで加え、その後MIBKで抽出した。その後、MIBKを除去し、減圧蒸留(120℃、6mmHg)により1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロー2−(6−メルカプト−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプチルメチル)−プロパノール(以下、α−1という)80gを得た。
エミッター電流 :5mA(使用ガス:Xe)
加速電圧 :3.0kV
10N MULTI:1.3
イオン化法 :高速原子衝撃法(FAB)
検出イオン :カチオン(+)
測定質量範囲 :20〜1500m/z
スキャン :30sec
分解能 :1500
マトリックス :3−ニトロベンジルアルコール
また、α−1について、日本電子(株)製「JNM−EX270」を用いて、1H−NMR分析(測定溶媒:重水素化クロロホルム)を行なった結果、得られたケミカルシフトは0.62−2.16(8H,m),2.65−2.98(2H,m),3.11−3.21(2H,m)であり、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロー2−(6−メルカプトービシクロ[2.2.1]−2−ヘプチルメチル)−プロパノールであることが確認された。
1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロ−3−ブテン−2−オール120gを1リットルのナスフラスコに入れて、10℃まで冷却して、チオ酢酸46gをゆっくりと滴下した。滴下後、40℃まで昇温させ、1時間攪拌させた。その後、クロロホルム300mlに溶かし、5%炭酸水素ナトリウム水溶液100gで洗浄を3回行なった。その後、クロロホルムを除去して、中間体2を得た。その中間体2をメタノール500mlに溶かし、ナトリウムエトキシド47gのメタノール溶液(100ml)を加え、室温で3時間攪拌した。反応終了後、水100mlを加え、メタノールを除去した水溶液に2N塩酸を酸性になるまで加え、その後MIBKで抽出した。その後、MIBKを除去し、減圧蒸留(79℃、21mmHg)により1,1,1−トリフルオロ−4−メルカプト−2−トリフルオロメチル−2−ブタノール(以下、α−2という)80gを得た。
得られたα−2について、実施例1と同一の条件で分子量分析の結果は242の親イオンであり、1H−NMR分析を行なった結果、得られたケミカルシフトは1.37−1.43(1H,t、J=8.4Hz,SH),1.81−1.92(2H,m,CH2),2.03−2.09(2H,m,CH2)、2.53−2.61(2H,m,CH2),3.12(1H,br,OH)であり、1,1,1−トリフルオロ−4−メルカプト−2−トリフルオロメチル−2−ブタノールであることが確認された。
ろ別された白色粉末を2度400gのメタノールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の重合体を得た(72g、収率72%)。この重合体はMwが7,400であり、13C-NMR分析の結果、化合物(E1−1)、化合物(E1−2)、化合物(E1−3)で表される繰り返し単位、各繰り返し単位の含有率が52.2:8.6:39.2(モル%)の共重合体であった。この重合体を重合体(A−1)とする。IR測定を行なった結果、3300cm-1吸収が確認されたことから式(2)で表される基は分子末端に付加していると考えられる。
ろ別された白色粉末を2度2000gのイソプロピルアルコールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、60℃にて17時間乾燥し、白色粉末の重合体を得た(85g、収率85%)。この重合体はMwが6,200であり、13C-NMR分析の結果、化合物(E3−1)、化合物(E3−2)、化合物(E3−3)で表される繰り返し単位、各繰り返し単位の含有率が54.1:31.9:13.9(モル%)の共重合体であった。この重合体を重合体(A−3)とする。IR測定を行なった結果、3300cm-1吸収が確認されたことから式(2)で表される基は分子末端に付加していると考えられる。
ろ別された白色粉末を2度400gのメタノールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の重合体を得た(41g、収率82%)。この重合体はMwが6,800であり、13C-NMR分析の結果、化合物(E1−1)、化合物(E1−2)、化合物(E1−3)で表される繰り返し単位、各繰り返し単位の含有率が52.2:9.1:38.7(モル%)の共重合体であった。この重合体を重合体(A−4)とする。IR測定を行なった結果、3300cm-1吸収が確認されたことから式(2)で表される基は分子末端に付加していると考えられる。
ろ別された白色粉末を2度2000gのイソプロピルアルコールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、60℃にて17時間乾燥し、白色粉末の重合体を得た(85g、収率85%)。この重合体はMwが6,400であり、13C-NMR分析の結果、化合物(E3−1)、化合物(E3−2)、化合物(E3−3)で表される繰り返し単位、各繰り返し単位の含有率が53.8:31.9:14.2(モル%)の共重合体であった。この重合体を重合体(A−6)とする。IR測定を行なった結果、3300cm-1吸収が確認されたことから式(2)で表される基は分子末端に付加していると考えられる。
ろ別された白色粉末を2度400gのメタノールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の重合体を得た(72g、収率72%)。この重合体はMwが8,500であり、13C-NMR分析の結果、化合物(E1−1)、化合物(E1−2)、化合物(E1−3)で表される繰り返し単位、各繰り返し単位の含有率が52.2:8.0:39.8(モル%)の共重合体であった。この重合体を重合体(A'−1)とする。
ろ別された白色粉末を2度400gのメタノールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の重合体を得た(38g、収率88%)。この重合体はMwが8,200であり、13C-NMR分析の結果、化合物(E2−1)、化合物(E2−2)、化合物(E2−3)で表される繰り返し単位、各繰り返し単位の含有率が52.1:13.6:34.3(モル%)の共重合体であった。この重合体を重合体(A'−2)とする。
ろ別された白色粉末を2度2000gのイソプロピルアルコールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、60℃にて17時間乾燥し、白色粉末の重合体を得た(85g、収率85%)。この重合体はMwが6,100であり、13C-NMR分析の結果、化合物(E3−1)、化合物(E3−2)、化合物(E3−3)で表される繰り返し単位、各繰り返し単位の含有率が54.1:32.3:13.6(モル%)の共重合体であった。この重合体を重合体(A'−3)とする。
実施例3、実施例5、実施例6、実施例8および比較例1〜比較例3で得られた各重合体と、以下に示す酸発生剤と、他の成分とを表1に示す割合で混合して均一溶液としたのち、孔径200nmのメンブランフィルターでろ過して、各感放射線性樹脂組成物溶液を得た。
得られた感放射線性樹脂組成物溶液を表2に示す条件にて露光して各種評価を行なった。評価結果を表2に示す。ここで、部は、特記しない限り重量基準である。
酸発生剤(B)
(B−1):トリフェニルスルホニウム・ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
酸拡散制御剤(C)
(C−1):2−フェニルベンズイミダゾール
溶剤(D)
(D−1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(D−2):シクロヘキサノン
(1)感度:
ArF光源にて露光を行なう場合、ウエハー表面に膜厚770オングストロームのARC29((Brewer Science)社製)膜を形成したシリコンウエハー(ARC29)を用い、各組成物溶液を、基板上にスピンコートにより塗布し、ホットプレート上にて、表1に示す条件でPBを行なって形成した膜厚250nmのレジスト被膜に、ニコン製ArFエキシマレーザー露光装置(開口数0.75)を用い、マスクパターンを介して露光した。その後、表1に示す条件でPEBを行なったのち、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により、25℃で60秒間現像し、水洗し、乾燥して、ポジ型のレジストパターンを形成した。このとき、線幅110nmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度とした。
(2)解像度:
最適露光量で解像される最小のライン・アンド・スペースパターンの寸法を解像度とした。
(3)パターンプロファイル:
線幅 160nmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)の方形状断面の下辺寸法L1と上下辺寸法L2とを走査型電子顕微鏡により測定し、0.85≦L2/L1≦1を満足し、かつパターンプロファイルが裾を引いていない場合を、パターンプロファイルが"良好"であるとした。
(4)ラインエッジラフネス(LER):
設計線幅110nmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)のラインパターンを走査型電子顕微鏡にて観察した。図1にパターンの模式図を示す(凹凸は実際よりも誇張されている)。図1(a)は平面図を、図1(b)はシリコンウエハー1上に形成されたパターン2の断面図をそれぞれ示す。
各実施例および比較例において観察された形状について、該ラインパターンの横側面2aに沿って生じた凹凸の最も著しい箇所における線幅と設計線幅110nmとの差△CDを測定した。該測定をn=10で行ない、その測定ばらつきを3σで評価した。
2 レジストパターン
Claims (5)
- アルカリ不溶性またはアルカリ難溶性であって酸の作用によりアルカリ易溶性となる酸解離性基含有樹脂と、感放射線性酸発生剤とを含有する感放射線性樹脂組成物であって、 前記酸解離性基含有樹脂が下記式(3−1)ないし式(3−4)から選ばれる少なくとも1つの酸解離性基を有する繰返し単位と、下記式(2)で表される基を分子末端に含み、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量が2,000〜100,000の重合体であることを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
- 前記酸解離性基を有する繰返し単位が式(3−1)または式(3−2)であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の感放射線性樹脂組成物。
- 前記式(2)で表される基が1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロー2−(6−メルカプト−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプチルメチル)−プロパノール、または1,1,1−トリフルオロ−4−メルカプト−2−トリフルオロメチル−2−ブタノールのメルカプト基の水素原子を除いた基であることを特徴とする請求項4記載の感放射線性樹脂組成物。
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