JPH10195044A - 新規なチオール化合物およびその製造方法 - Google Patents

新規なチオール化合物およびその製造方法

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JPH10195044A
JPH10195044A JP695997A JP695997A JPH10195044A JP H10195044 A JPH10195044 A JP H10195044A JP 695997 A JP695997 A JP 695997A JP 695997 A JP695997 A JP 695997A JP H10195044 A JPH10195044 A JP H10195044A
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JP
Japan
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integer
carbon atoms
general formula
group
thiol compound
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Application number
JP695997A
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English (en)
Inventor
Koichi Ito
広一 伊藤
Ryuichi Ishikawa
▲隆▼一 石川
Yoshihiro Arita
義広 有田
Tetsushi Kawamura
徹志 河村
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Arkema France SA
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Elf Atochem SA
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の樹脂用硬化剤や樹脂用改質剤、連鎖移
動剤、高分子炭化水素化合物改質のための添加剤等に有
用な新規チオール化合物を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1): 【化1】 (但し、式中、R1 はk+m+n=2〜6に対応する置
換可能な有機残基を表わし、R2 及びR3 は同一または
異なっていてもよい炭素原子数1〜4の炭化水素基を表
わし、R4 及びR5 はそれぞれ独立して水素原子または
メチル基を表わし、kは0〜5の整数であり、mは0〜
5の整数であり、nは1〜6の整数でありかつk、m及
びnは2≦k+m+n≦6の関係を満たすものであり、
pは0以上の整数であり、およびqは1以上の整数であ
る。)で示されるチオール化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なチオール化
合物およびその製造方法に関するものである。詳しく述
べると、種々の樹脂用硬化剤や樹脂改質剤、連鎖移動
剤、高分子炭化水素化合物改質のための添加剤など工業
上有用な化合物であるチオール化合物およびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、多価チオール化合物としては、ペ
ンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピ
オネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メ
ルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス
(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプ
ロパントリス(2−メルカプトアセテート)、ジペンタ
エリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネ
ート)、及びジペンタエリスリトールヘキサキス(2−
メルカプトアセテート)などが工業上有用な化合物とし
て知られており、種々の用途に用いられている。また、
これらの化合物の製造方法としては、特開昭57−1
1,959号等が開示されている。
【0003】しかし一方、分子内にスルフィド基を有す
る多価チオール化合物は、その新たな性質が期待できる
ものであるが、これまで知られていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、新規なチオール化合物およびその製造方法を提
供することにある。
【0005】本発明の他の目的は、工業上有用な化合物
であるチオール化合物およびその製造方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記諸目的は、下記
(1)〜(7)により達成される。
【0007】(1) 下記一般式(1):
【0008】
【化7】
【0009】(但し、式中、R1 はk+m+n=2〜6
に対応する置換可能な有機残基を表わし、R2 及びR3
は同一または異なっていてもよい炭素原子数1〜4の炭
化水素基を表わし、R4 及びR5 はそれぞれ独立して水
素原子またはメチル基を表わし、kは0〜5の整数であ
り、mは0〜5の整数であり、nは1〜6の整数であり
かつk、m及びnは2≦k+m+n≦6の関係を満たす
ものであり、pは0以上の整数であり、およびqは1以
上の整数である。)で示されるチオール化合物。
【0010】(2) 前記一般式(1)において、R1
は置換されていてもよい炭素原子数2〜10の炭化水素
基、炭素原子数4〜10のエーテル基、または炭素原子
数5〜6の糖残基を表わし、R2 及びR3 は同一または
異なっていてもよい炭素原子数1または2の炭化水素基
を表わし、R4 及びR5 は水素原子を表わし、kは0ま
たは1であり、m+nは2〜6であり、pは0〜3の整
数であり、およびqは1〜3の整数である、前記(1)
に記載のチオール化合物。
【0011】(3) 下記一般式(2):
【0012】
【化8】
【0013】(ただし、式中、R4 およびR5 はそれぞ
れ独立して水素原子またはメチル基を表わし、R6 は炭
素原子数1〜4の炭化水素基を表わし、R7 は水素原子
または炭素原子数1〜4のアルキル基を表わし、および
sは1以上の整数である。)で示されるチオエーテルカ
ルボン酸またはそのエステルと、分子中に水酸基を2〜
6個有する多価アルコールとを反応させることを特徴と
する下記一般式(1):
【0014】
【化9】
【0015】(ただし、式中、R1 はk+m+n=2〜
6に対応する置換可能な有機残基を表わし、R2 及びR
3 は同一または異なっていてもよい炭素原子数1〜4の
炭化水素基を表わし、R4 及びR5 は前記のとおりであ
り、kは0〜5の整数であり、mは0〜5の整数であ
り、nは1〜6の整数でありかつk、m及びnは2≦k
+m+n≦6の関係を満たすものであり、pは0以上の
整数であり、およびqは1以上の整数である。)で示さ
れるチオール化合物の製造方法。
【0016】(4) 前記一般式(1)において、R1
は置換されていてもよい炭素原子数2〜10の炭化水素
基、炭素原子数4〜10のエーテル基、または炭素原子
数5〜6の糖残基を表わす、前記(3)に記載のチオー
ル化合物の製造方法。
【0017】(5) 前記多価アルコールがエチレング
リコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエ
タン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール
よりなる群から選ばれる化合物である、前記(3)に記
載のチオール化合物の製造方法。
【0018】(6) 下記一般式(3):
【0019】
【化10】
【0020】(ただし、式中、R1 はk+m+n=2〜
6に対応する置換可能な有機残基を表わし、R2 及びR
3 は同一または異なっていてもよい炭素原子数1〜4の
炭化水素基を表わし、kは0〜5の整数であり、mは0
〜5の整数であり、nは1〜6の整数でありかつk、m
及びnは2≦k+m+n≦6の関係を満たすものであ
る。)で示されるチオール化合物と、下記一般式
(4):
【0021】
【化11】
【0022】(ただし、式中、R4 及びR5 はそれぞれ
独立して水素原子またはメチル基を表わす。)で示され
るアルキレンスルフィドとを反応させることを特徴とす
る下記一般式(1):
【0023】
【化12】
【0024】(ただし、式中、R1 、R2 、R3
4 、R5 、k、m、及びnは前記のとおりであり、p
は0以上の整数であり、およびqは1以上の整数であ
る。)で示されるチオール化合物の製造方法。
【0025】(7) 前記一般式(1)において、R1
は置換されていてもよい炭素原子数2〜10の炭化水素
基、炭素原子数4〜10のエーテル基、または炭素原子
数5〜6の糖残基を表わす、前記(6)に記載のチオー
ル化合物の製造方法。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0027】本発明によるチオール化合物は、新規な化
合物であり、下記一般式(1)で示されるものである。
【0028】
【化13】
【0029】上記式(1)中、R1 はk+m+n=2〜
6、好ましくは3〜6に対応する置換可能な有機残基を
表わし、例えば、置換されていてもよい炭素原子数2〜
10、好ましくは2〜6の炭化水素基、炭素原子数4〜
10のエーテル基、炭素原子数5〜6の糖残基等であ
る。具体的には、R1 としては、6価アルコール(k+
m+n=6)であるジペンタエリスリトール等の残基、
5価アルコール(k+m+n=5)であるペンタエリス
リトールとトリメチロールプロパンの縮合物等の残基、
4価アルコール(k+m+n=4)であるペンタエリス
リトール等の炭化水素基、3多価アルコール(k+m+
n=3)であるトリメチロールエタン、トリメチロール
プロパン、グリセリン等の炭化水素基、2価アルコール
(k+m+n=2)であるエチレングリコール、プロパ
ンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、及び
ヘキサンジオール等の炭化水素基などを示すことができ
る。
【0030】上記式(1)中、R2 およびR3 は、同一
または異なっていてもよい炭素原子数が1〜4、好まし
くは1〜2の炭化水素基であり、具体的には、例えばメ
チレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン
基、及びテトラメチレン基等で挙げられる。
【0031】また、上記式(1)中、R4 およびR
5 は、それぞれ独立して水素原子またはメチル基であ
り、好ましくは両者共に水素原子である。
【0032】さらに、上記式(1)中、kは0〜5、好
ましくは0または1の整数であり、mは0〜5、好まし
くは0〜3の整数であり、nは1〜6、好ましくは3〜
6の整数であり、かつk、m及びnは、k+m+n=2
〜6、好ましくは3〜6の関係を満たすものである。ま
た、上記式(1)中、pは0以上、好ましくは1〜5、
特に好ましくは1〜3の整数であり、およびqは1以
上、好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜3の整数で
ある。なお、本発明の方法により製造される上記一般式
(1)で示されるチオール化合物は混合物の形態を有す
ることが多いが、混合物である際の式(1)における式
[−R4 −R5 −S−]の置換基の平均付加モル数は、
1つのエステル基に対して0.5〜3、より好ましくは
1〜2の範囲内であることが好ましい。
【0033】本発明によれば、前記一般式(1)で示さ
れるチオール化合物は、下記一般式(2)で示されるチ
オエーテルカルボン酸またはそのエステルと、分子中に
水酸基を2〜6個有する多価アルコールとを反応させる
ことにより得られる。
【0034】
【化14】
【0035】この場合、一般式(2)におけるR4 およ
びR5 は前記のとおりであり、R6は炭素原子数1〜
4、好ましくは1〜2の炭化水素基を表わし、具体例を
挙げると、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、
プロピレン基、及びテトラメチレン基等である。また、
7 は水素原子または炭素原子数1〜4、好ましくは1
〜2のアルキル基を表わす。さらに、sは1以上の整
数、好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜3の整数で
ある。
【0036】一般式(2)で示されるチオエーテルのカ
ルボン酸またはそのエステルは、例えば、チオグリコー
ル酸メチル、チオクリコール酸エチル、チオグリコール
酸プロピル、チオグリコール酸ブチル、メルカプトプロ
ピオン酸メチル、メルカプトプロピオン酸エチル、メル
カプトプロピオン酸プロピル、メルカプトプロピオン酸
ブチル、メルカプト酪酸メチル、メルカプト酪酸エチ
ル、メルカプト酪酸プロピル、及びメルカプト酪酸ブチ
ル等のメルカプトカルボン酸エステルと、エチレンスル
フィド、プロピレンスルフィド、及び2,3−ブチレン
スルフィド等の一般式(4)で示されるアルキレンスル
フィドとの反応により、メルカプトカルボン酸エステル
に、該アルキレンスルフィドを1分子以上付加させるこ
とにより、容易に得ることができる。
【0037】あるいは、一般式(2)で示されるチオエ
ーテルのカルボン酸またはそのエステルは、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アク
リル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、及びメタクリル酸ブチル等
の不飽和モノカルボン酸エステルおよびアクリル酸やメ
タクリル酸等の不飽和モノカルボン酸に、1,2−エタ
ンジチオールや2,2´−チオジエタンチオール等のジ
チオール化合物を付加させることによっても、容易に得
ることができる。
【0038】また、上記一般式(2)で示される化合物
のうち酸型のものは、相当するエステル体の加水分解に
よっても得ることができる。
【0039】これらの一般式(2)で示される原料化合
物は、上記製造方法に限定されることなく、他の方法に
よって得てもよい。
【0040】分子中に水酸基を2〜6個有する多価アル
コールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、及びヘ
キサンジオール等の2価アルコール、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、及びグリセリン等の3
価アルコール、ペンタエリスリトール等の4価アルコー
ル、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトー
ルやペンタエリスリトールとトリメチロールプロパンと
の縮合物等の多価アルコールの縮合物、マンニトール、
ソルビトール、イミノトール、及びアラビトール等の糖
類等を挙げることができる。
【0041】一般式(2)で示されるチオエーテルカル
ボン酸またはそのエステルの使用量の目安としては、分
子中の水酸基の多くをエステル体にする場合には、該水
酸基に対して多くあるいは相当量用い、逆に少なくエス
テル化する場合は、該水酸基に対して少なくあるいは分
子中の水酸基のうちの1個に対して1当量以下使用する
ことが好ましい。
【0042】前記製造方法において使用される一般式
(2)で示される化合物がエステル体の場合、当該エス
テル体をエステル交換触媒の存在下に60〜180℃、
好ましくは90〜150℃の温度に加熱して、一般式
(2)のR1 より生成するアルコールを反応系外に留去
することによって目的とするチオール化合物を製造する
ことができる。この際、生成するアルコールを反応系外
へ留去しやすくするため、一般式(2)におけるR
7 は、炭素原子数1〜4の低級アルキル基にすることが
好ましい。さらに、生成するアルコールを反応系外へ留
去しやすくするために、反応系を減圧したり、窒素ガ
ス、アルゴンまたはヘリウム等の不活性ガスを流通させ
たり、または水若しくはシクロヘキサン、ベンゼン、ト
ルエンやキシレン等の不活性な炭化水素系の溶媒を用い
てもよい。
【0043】上記反応において使用されるエステル交換
触媒としては、通常のエステル交換反応に用いられる触
媒はいずれも使用できる。一例を挙げると、例えば塩基
性イオン交換樹脂、酸性イオン交換樹脂、ナトリウムア
ルコキシド、カリウムアルコキシド、チタンアルコキシ
ド、アルミニウムアルコキシド、ジアルキル錫オキシ
ド、酸化ジルコニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化マ
グネシウム、酸化カルシウム、硫酸、リン酸、メタンス
ルホン酸、パラトルエンスルホン酸、及びトリフルオロ
メタンスルホン酸等が挙げられる。その使用量は、通
常、反応混合物100重量部に対して、0.01〜10
重量部、好ましくは0.1〜1重量部である。
【0044】このようにして得られた反応生成物は、各
種目的及び用途に応じて混合物として用いることもでき
るし、または必要に応じて一般的に行なわれる分離方法
により分離精製して用いることもできる。
【0045】前記製造方法において、使用される一般式
(2)で示される化合物が酸型の場合には、エステル化
触媒の存在下に、例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、及びシクロヘキサン等の水との共沸溶媒
を用いて、60〜180℃、好ましくは90〜150℃
の温度に加熱して生成水を反応系外へ留去することによ
って、目的とするチオール化合物を得ることができる。
【0046】上記反応において使用されるエステル化触
媒としては、通常のエステル化反応に用いられる触媒で
あればいずれも使用できる。一例を挙げると、例えば、
酸性イオン交換樹脂、酸化ジルコニウム、硫酸、リン
酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、及び
トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。その使
用量は、通常、反応混合物100重量部に対して、0.
01〜10重量部、好ましくは0.1〜1重量部であ
る。
【0047】前記製造方法によって得られる一般式
(1)で示されるチオール化合物は、多くの場合混合物
となるが、必要により分離精製することにより単品が得
られる。
【0048】本発明によれば、前記一般式(1)で示さ
れるチオール化合物は、下記一般式(3)で示される化
合物と、下記一般式(4)で示されるアルキレンスルフ
ィドとを反応させることにより得ることもできる。
【0049】
【化15】
【0050】
【化16】
【0051】この場合、一般式(3)におけるR1 、R
2 、R3 、k、mおよびnは、前記のとおりである。ま
た、一般式(4)におけるR4 およびR5 も、前記のと
おりである。
【0052】前記一般式(3)で示される化合物として
は、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブ
タンジオール、ペンタンジオール、及びヘキサンジオー
ル等の2価アルコール、トリメチロールエタン、トリメ
チロールプロパン、及びグリセリン等の3価アルコー
ル、ペンタエリスリトール等の4価アルコール、ジトリ
メチロールプロパン、ジメンタエリスリトールやペンタ
エリスリトールとトリメチロールプロパンとの縮合物等
の多価アルコール縮合物、マンニトール、ソルビトー
ル、イミノトール、及びアラビトール等の糖類などの分
子中に2〜6個の水酸基を有する化合物のうちの少なく
とも1個の水酸基を、例えば、チオグリコール酸やメル
カプトプロピオン酸等のメルカプトカルボン酸でエステ
ル化された化合物を挙げることができる。
【0053】前記一般式(3)で示される化合物を具体
的に例示すると、以下のとおりである:ジペンタエリス
リトールヘキサキス(メルカプトプロピオネート)、ジ
ペンタエリスリトールペンタキス(メルカプトプロピオ
ネート)、ジペンタエリスリトールテトラキス(メルカ
プトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールトリス
(メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトー
ルビス(メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリス
リトールモノ(メルカプトプロピオネート)、ジペンタ
エリスリトールヘキサキス(チオグリコレート)、ジペ
ンタエリスリトールペンタキス(チオグリコレート)、
ジペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレー
ト)、ジペンタエリスリトールトリス(チオグリコレー
ト)、ジペンタエリスリトールビス(チオグリコレー
ト)、ジペンタエリスリトールモノ(チオグリコレー
ト)、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトプ
ロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(メルカ
プトプロピオネート)、ペンタエリスリトールビス(メ
ルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールモノ
(メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトール
テトラキス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトー
ルトリス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトール
ビス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールモノ
(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス
(メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパ
ンビス(メルカプトプロピオネート)、トリメチロール
プロパンモノ(メルカプトプロピオネート)、トリメチ
ロールプロパントリス(チオグリコレート)、トリメチ
ロールプロパンビス(チオグリコレート)、トリメチロ
ールプロパンモノ(チオグリコレート)、エチレングリ
コールビス(メルカプトプロピオネート)、エチレング
リコールモノ(メルカプトプロピオネート)、エチレン
グリコールビス(チオグリコレート)、およびエチレン
グリコールモノ(チオグリコレート)。
【0054】前記一般式(4)で示されるアルキレンス
ルフィドとしては、例えば、エチレンスルフィドやプロ
ピレンスルフィド等が挙げられる。
【0055】一般式(3)で示される原料チオール化合
物と一般式(4)で示されるアルキレンスルフィドとの
反応による一般式(1)で示されるチオール化合物の製
造方法は、例えば、反応器内に溶媒、触媒および一般式
(3)で示される原料チオール化合物を仕込み、攪拌下
に10〜150℃、好ましくは30〜90℃の温度で前
記アルキレンスルフィドを系外より該反応器に供給する
ことによって行なわれる。
【0056】前記反応において、溶媒は使用しても使用
しなくてもよいが、使用する場合には、溶媒は反応基質
に対して不活性であれば、特に限定されることなく、い
ずれの溶媒も使用できるが、具体的には、ヘキサン、シ
クロヘキサン、ペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、p−シメン、及びメシチレン等の炭化水素系溶媒、
ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、及びジ
エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶
媒、アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブ
チルケトン等のケトン系溶媒、N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ホルムアミ
ド、及びN−メチルピロリドン等のアミド系溶媒、さら
に、アセトニトリル、ニトロメタン、クロルベンゼン、
ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリ
アミド、及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
などが挙げられる。さらに、アルキレンスルフィドがエ
チレンスルフィド以外の場合には、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノ
ール、2−エトキシエタノール、及び2−ブトキシエタ
ノール等のアルコール類も溶媒として使用できる。
【0057】また、前記反応において使用できる触媒
は、塩基性のものであればいずれのものも使用すること
ができるが、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、及び水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化
物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、及び水酸
化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物、酸化マグネ
シウム、酸化カルシウム、及び酸化バリウム等のアルカ
リ土類金属酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウム
エトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、ナトリウム
ブトキシド、ナトリウムフェノキシド、カリウムメトキ
シド、カリウムエトキシド、カリウムイソプロポキシ
ド、カリウムブトキシド、及びカリウムフェノキシド等
のアルカリ金属アルコキシド類、トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチル
アミン、及びN−エチルジイソプロピルアミン等のアル
キル三級アミン類、N,N,N´,N´−テトラメチル
エチレンジアミン、N,N,N´,N´−テトラメチル
−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N´,N´−テ
トラメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N,N´,
N´−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン、及び
N,N,N´,N´,N´´−ペンタメチルジエチレン
トリアミン等のアルキレンポリアミン類、N−メチルモ
ルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、2,4,6−
トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,4−
ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、及び1,8−
ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン等のアミン
類、ピリジン、ピコリン、ルチジン、キノリン、ピラジ
ン、4−ジメチルアミノピリジン、及び1−メチルイミ
ダゾール等の含窒素複素環化合物、および第三級アミノ
基若しくは第四級アンモニウム基を官能基として有する
塩基性イオン交換樹脂類などが挙げられる。その使用量
は、通常、反応混合物100重量部に対して、0.01
〜10重量部、好ましくは0.05〜1重量部である。
【0058】前記アルキレンスルフィドの使用量は、一
般式(3)で表わされる原料チオール化合物に対し、原
料チオール化合物の分子中にあるSH基1個に対し1当
量以上を加えて反応させるのが好ましい。
【0059】このような製造方法によれば、一般式
(3)で示される原料チオール化合物に一般式(4)で
示されるアルキレンスルフィドが開環付加反応して一般
式(1)で示されるチオール化合物が得られるのであ
る。
【0060】このようにして得られた本発明のチオール
化合物は、種々の樹脂硬化剤や樹脂用改質剤、連鎖移動
剤、高分子炭化水素化合物の改質のための添加剤等、工
業上有用な化合物として使用される。
【0061】
【実施例】以上、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は、これらによってなんら制限されるもの
ではない。
【0062】実施例1 攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計および滴下ロ
ートを備えたフラスコに、3−メルカプトプロピオン酸
メチル(以下MMPと略す)1201.7g(10mo
l)および塩基性イオン交換樹脂(商品名 アンバーリ
ストA−21、ローム・アンド・ハース社製)12.0
gを仕込み、窒素雰囲気下に温度を50℃に保ちながら
エチレンスルフィド(以下ESと略す)120.2g
(2mol)を2時間かけて滴下した。同温度にて2時
間熟成後、ESの転化率は99.4%となり、反応を終
了した。触媒のイオン交換樹脂を濾過により除去した
後、濾液を蒸留フラスコに仕込み、過剰のMMPを20
Torrにて減圧留去し、MMPのES付加生成物29
1.9gを残渣として回収した。
【0063】攪拌機、窒素導入管、リービッヒ冷却管及
び温度計を備えたフラスコに、MMPのES付加物21
6.3g(1.2mol)、ペンタエリスリトール4
0.8g(0.3mol)、水108.1g(6mo
l)およびパラトルエンスルホン酸2.3g(0.01
2mol)を仕込み、窒素雰囲気下に常圧下にて温度を
90℃から150℃まで8時間かけて徐々に昇温し、反
応を行なった。この間、水および反応で生成するメタノ
ールが留出した。温度を150℃に保ったまま徐々に2
0Torrまで減圧し、残存する水、エタノールを留去
し反応を終了した。その結果、無色液体の生成物(1)
213.7gが得られ、 1H−NMR分析よるエステル
化率はペンタエリストールのOH基を基準として92.
5%であった。得られた生成物(1)の赤外線吸収スペ
クトルを図1に、NMRスペクトルを図2に示す。
【0064】
【表1】
【0065】実施例2 攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計および滴下ロ
ートを備えたフラスコに、ペンタエリスリトールテトラ
キス(2−メルカプトアセテート)(以下PTMAと略
す)216.3g(0.5mol)、テトラヒドロフラ
ン300gおよびトリエチルアミン3.0g(0.03
mol)を仕込み、ES84.2g(1.4mol)を
窒素雰囲気下に温度を60℃に保ちながら1時間かけて
滴下した。その後、同温度にて2時間熟成を行ない、反
応を終了した。つぎにロータリーエバポレーターを用
い、減圧に反応溶媒を留去し、残渣として無色液体の生
成物(2)294.4gを得た。 1H−NMR分析の結
果、PTMA1モルに対し、平均2.6モルのESが付
加した生成物であることが判った。得られた生成物
(2)の赤外線吸収スペクトルを図3に、NMRスペク
トルを図4に示す。
【0066】
【表2】
【0067】実施例3 PTMA259.5g(0.6mol)、テトラヒドロ
フラン300g、トリエチルアミン2.0g(0.02
mol)及びES54.1g(0.9mol)を用いた
こと以外、実施例2と同様の反応および後処理を行なっ
た。その結果、無色液体の生成物(3)310.8gが
得られ、 1H−NMR分析より、PTMA1モルに対
し、平均1.4モルのESが付加した生成物であること
が判った。得られた生成物(3)の赤外線吸収スペクト
ルを図5に、NMRスペクトルを図6に示す。
【0068】
【表3】
【0069】実施例4 ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロ
ピオネート)(以下PTMPと略す)293.2g
(0.6mol)、トルエン300gおよび塩基性イオ
ン交換樹脂(アンバーリスト A−21)3.6gを仕
込み、ES36.1g(0.6mol)を用いて実施例
2を同様に反応を行なった。反応液は濾過により上り触
媒を除去した後、溶媒を留去した。その結果、無色液体
の生成物(4)315.3gが得られ、 1H−NMR分
析の結果、PTMA1モルに対し、平均0.5モルのE
Sが付加した生成物であることが判った。得られた生成
物(4)の赤外線吸収スペクトルを図7に、NMRスペ
クトルを図8に示す。
【0070】
【表4】
【0071】
【発明の効果】本発明により提供される新規チオール化
合物は、種々の樹脂用硬化剤や樹脂用改質剤、連鎖移動
剤、高分子炭化水素化合物改質のための添加剤等として
工業上有用な化合物である。
【0072】本発明はさらに、工業上有用な新規チオー
ル化合物を効率よく製造する方法を提供するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた生成物(1)の赤外線吸
収スペクトルを示すものである。
【図2】 実施例1で得られた生成物(1)のNMRス
ペクトルを示すものである。
【図3】 実施例2で得られた生成物(2)の赤外線吸
収スペクトルを示すものである。
【図4】 実施例2で得られた生成物(2)のNMRス
ペクトルを示すものである。
【図5】 実施例3で得られた生成物(3)の赤外線吸
収スペクトルを示すものである。
【図6】 実施例3で得られた生成物(3)のNMRス
ペクトルを示すものである。
【図7】 実施例4で得られた生成物(4)の赤外線吸
収スペクトルを示すものである。
【図8】 実施例4で得られた生成物(4)のNMRス
ペクトルを示すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 ▲隆▼一 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 (72)発明者 有田 義広 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 (72)発明者 河村 徹志 東京都千代田区紀尾井町3−23 文藝春秋 新館2Fエルフ・アトケム・ジャパン株 式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1): 【化1】 (但し、式中、R1 はk+m+n=2〜6に対応する置
    換可能な有機残基を表わし、R2 及びR3 は同一または
    異なっていてもよい炭素原子数1〜4の炭化水素基を表
    わし、R4 及びR5 はそれぞれ独立して水素原子または
    メチル基を表わし、kは0〜5の整数であり、mは0〜
    5の整数であり、nは1〜6の整数でありかつk、m及
    びnは2≦k+m+n≦6の関係を満たすものであり、
    pは0以上の整数であり、およびqは1以上の整数であ
    る。)で示されるチオール化合物。
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)において、R1 は置換
    されていてもよい炭素原子数2〜10の炭化水素基、炭
    素原子数4〜10のエーテル基、または炭素原子数5〜
    6の糖残基を表わし、R2 及びR3 は同一または異なっ
    ていてもよい炭素原子数1または2の炭化水素基を表わ
    し、R4 及びR5 は水素原子を表わし、kは0または1
    であり、m+nは2〜6であり、pは0〜3の整数であ
    り、およびqは1〜3の整数である、請求項1に記載の
    チオール化合物。
  3. 【請求項3】 下記一般式(2): 【化2】 (ただし、式中、R4 およびR5 はそれぞれ独立して水
    素原子またはメチル基を表わし、R6 は炭素原子数1〜
    4の炭化水素基を表わし、R7 は水素原子または炭素原
    子数1〜4のアルキル基を表わし、およびsは1以上の
    整数である。)で示されるチオエーテルカルボン酸また
    はそのエステルと、分子中に水酸基を2〜6個有する多
    価アルコールとを反応させることを特徴とする下記一般
    式(1): 【化3】 (ただし、式中、R1 はk+m+n=2〜6に対応する
    置換可能な有機残基を表わし、R2 及びR3 は同一また
    は異なっていてもよい炭素原子数1〜4の炭化水素基を
    表わし、R4 及びR5 は前記のとおりであり、kは0〜
    5の整数であり、mは0〜5の整数であり、nは1〜6
    の整数でありかつk、m及びnは2≦k+m+n≦6の
    関係を満たすものであり、pは0以上の整数であり、お
    よびqは1以上の整数である。)で示されるチオール化
    合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記一般式(1)において、R1 は置換
    されていてもよい炭素原子数2〜10の炭化水素基、炭
    素原子数4〜10のエーテル基、または炭素原子数5〜
    6の糖残基を表わす、請求項3に記載のチオール化合物
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記多価アルコールがエチレングリコー
    ル、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、
    ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールよりな
    る群から選ばれる化合物である、請求項3に記載のチオ
    ール化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】 下記一般式(3): 【化4】 (ただし、式中、R1 はk+m+n=2〜6に対応する
    置換可能な有機残基を表わし、R2 及びR3 は同一また
    は異なっていてもよい炭素原子数1〜4の炭化水素基を
    表わし、kは0〜5の整数であり、mは0〜5の整数で
    あり、nは1〜6の整数でありかつk、m及びnは2≦
    k+m+n≦6の関係を満たすものである。)で示され
    るチオール化合物と、下記一般式(4): 【化5】 (ただし、式中、R4 及びR5 はそれぞれ独立して水素
    原子またはメチル基を表わす。)で示されるアルキレン
    スルフィドとを反応させることを特徴とする下記一般式
    (1): 【化6】 (ただし、式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、k、
    m、及びnは前記のとおりであり、pは0以上の整数で
    あり、およびqは1以上の整数である。)で示されるチ
    オール化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記一般式(1)において、R1 は置換
    されていてもよい炭素原子数2〜10の炭化水素基、炭
    素原子数4〜10のエーテル基、または炭素原子数5〜
    6の糖残基を表わす、請求項6に記載のチオール化合物
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006063016A (ja) * 2004-08-27 2006-03-09 Jsr Corp 新規化合物、重合体および感放射線性樹脂組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006063016A (ja) * 2004-08-27 2006-03-09 Jsr Corp 新規化合物、重合体および感放射線性樹脂組成物
JP4525250B2 (ja) * 2004-08-27 2010-08-18 Jsr株式会社 感放射線性樹脂組成物

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