JP4521545B2 - 気相成長装置およびウェーハの着脱方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、気相成長装置およびウェーハの着脱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコン単結晶基板(以下「基板」と称す)の主表面にシリコンエピタキシャル層(以下「薄膜」と称す)を気相成長させてシリコンエピタキシャルウェーハを製造する気相成長装置として、バレル型気相成長装置がある。
【0003】
このバレル型気相成長装置100では、例えば図5に示すように、作業台40の下方にベルジャ30が設けられている。反応炉32は、このベルジャ30とガスリング31とから構成される。このガスリング31は、ベルジャ30と同心的な円環状に形成されており、作業台40の上面に露出してベルジャ30の上端部を固定する。このガスリング31の近傍には、円筒状のクランプカバー41が複数箇所に配設される。また、ガスリング31には、図示しないガスノズルが設けられる。また、ベルジャ30の外方には、ハロゲンランプ等の加熱手段30aが設けられる。
そして、多角錐台状のサセプタ10がシールプレート21に回転可能に垂設されており、その全体が昇降可能に設けられる(図5(a)に、サセプタ10とシールプレート21を上昇させた状態を図示する)。このシールプレート21は、サセプタ10を反応炉32の内部に下降させた時に、ガスリング31の内側で開口している部分を塞ぐ役目を持っている。
【0004】
このバレル型気相成長装置100において、シリコンエピタキシャルウェーハを製造するには、座ぐり10aに基板を載置したサセプタ10をベルジャ30内に下降させて、シールプレート21をガスリング31に密着させる。この状態で、クランプカバー41の内部に配設される図示しないクランプによって、シールプレート21とガスリング31とを圧接する。この結果、反応炉32が密閉状態となる。
こうして反応炉32の内部を密閉状態とし、座ぐり10aに載置されている基板を加熱手段30aによって加熱する。この状態で、トリクロロシラン(SiHCl3)等のシリコン原料ガスとドーパントガスを、キャリアガスとなる水素(H2)ガスと共に、ガスリング31に設けられる図示しないガスノズルから、反応炉32の内部に供給する。
【0005】
このバレル型気相成長装置100において、作業者は、サセプタ10をその全体が露出するまで反応炉32より上昇させた後に、座ぐり10aに基板を載置したり、座ぐり10aからシリコンエピタキシャルウェーハを取り出したりする。
この時、反応炉32の上端部では、ガスリング31が開口したままになり、この開口した部分から反応炉32の内部に基板等が落下することがないように、この開口した部分を塞いでおく必要がある。このために、座ぐり10aに基板を載置したり、座ぐり10aからシリコンエピタキシャルウェーハを取り出す時には、例えば図5(a)に示すように、板状の部材からなる落下防止板(落下防止部材)110(図5(b)参照)をガスリング31の上面に載置する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この落下防止板110は、従来、ガスリング31の上面に接触して載置されるために、その設置に際してガスリング31の上面と擦れ合うようになってしまい、パーティクルの発生原因となる。このパーティクルが反応炉32の内部に落下すると、その後に製造するシリコンエピタキシャルウェーハに結晶欠陥が生じる等の品質低下に繋がってしまう。また通常、ガスリング31は金属製であり、シリコンエピタキシャルウェーハを金属汚染する原因にもなってしまう。
【0007】
本発明の課題は、パーティクルの発生を抑制できる気相成長装置およびウェーハの着脱方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、本発明の気相成長装置は、サセプタに形成された座ぐりにウェーハを着脱するに際して、該サセプタを反応炉の上方に露出させるように構成された気相成長装置において、反応炉の上方に露出させたサセプタの下面と前記反応炉の上端部との両方に非接触で移動して、当該サセプタの下方を覆う落下防止部材が設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、サセプタの座ぐりからウェーハが落下したり、あるいは、サセプタ自体が落下しても、サセプタの下方を覆う落下防止部材によって保持できる。この落下防止部材は、反応炉の上方に露出させたサセプタの下面と反応炉の上端部との両方に非接触で移動するので、パーティクルの発生をより低減できる。この結果、パーティクルが反応炉内に落下することをより低減できるので、結晶欠陥が低減された高品質なシリコンエピタキシャルウェーハをより安定して製造できる。
【0010】
本発明において、例えば、反応炉をその上端部にガスリングを備えて構成し、サセプタを、ガスリングと圧接されて反応炉内を密閉状態とするシールプレートに垂設するように構成する場合には、落下防止部材は、反応炉の上方に露出させたサセプタの下面とガスリングとの両方に非接触で移動して、当該サセプタの下方を覆うように構成する。
【0011】
この場合に、落下防止部材は、ウェーハをサセプタから着脱する側に突出して、前記サセプタの下方を覆うように構成することが好ましい。
【0012】
さらに、本発明において、ガスリングとシールプレートとを圧接させるクランプと、このクランプを収容するクランプカバーとを備えて構成する場合には、落下防止部材は、クランプカバーに非接触で移動可能に設けることが好ましい。
【0014】
さらに、本発明において、落下防止部材が前記反応炉の上方から完全に回避したことを検知する検知部を備えても良い。
【0015】
また、本発明のウェーハ着脱方法は、サセプタを反応炉の上方に露出させ、落下防止部材がサセプタの下面と反応炉の上端部との両方に非接触で移動してサセプタの下方を覆った状態で、サセプタに形成された座ぐりにウェーハを着脱することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図1から図4を参照して、本発明の実施の形態の気相成長装置1を詳細に説明する。なお、図5に示す従来のバレル型気相成長装置100と同様の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
この気相成長装置1は、いわゆるバレル型の気相成長装置1であり、サセプタ10と、反応炉32とを備えている。このサセプタ10は、図1に示すように、作業台40の上方にその全体が露出するように昇降可能に配設される。
【0017】
このサセプタ10は、下方に拡がる多角錐台状に形成されており、その傾斜している側周面には、シリコン単結晶基板を載置させる座ぐり10aが上下に列設される。また、サセプタ10は、その中心軸を通る回転軸10bの周りで一体的に回転するように構成される。
【0018】
このサセプタ10の上部には蓋部20が設けられており、この蓋部20はステンレスからなるシールプレート21を備える。このシールプレート21に回転軸10bを介してサセプタ10が垂設される。
このシールプレート21の下面は円環状に形成されており、この円環状の部分には2本の図示しない同心円状の凹部が形成される。それぞれの凹部には、ゴム材料からなるOリング22が僅かに下方に突出して嵌め合わされる(図2参照)。また、この蓋部20の円環状の部分よりも内側には、石英からなる薄円筒状のバッフル23が下方に突出して設けられる。
【0019】
作業台40には、その外周にネジ山が形成された棒状のスクリューロッド43が垂直に延在している。このスクリューロッド43のネジ山に、蓋部20と一体である図示しない部材が螺合している。この結果、スクリューロッド43を回転させると、サセプタ10は、ガスリング31の内側の開口している部分を通って昇降する。
【0020】
ベルジャ30は、図2に示すように、作業台40の下方に設けられており、反応炉32は、ベルジャ30とガスリング31とから構成される。
このベルジャ30は石英からなり、その外方にハロゲンランプ等の加熱手段30aが設けられる。このベルジャ30の上端部にガスリング31が設けられる。
即ち、本実施の形態では、反応炉32の上端部はガスリング31となっている。
このガスリング31は、ベルジャ30と同心的な円環状に設けられる。このガスリング31は金属製であり、作業台40の上面に露出する。
【0021】
このガスリング31の近傍には、円筒状のクランプカバ−41が設けられる。
これらクランプカバ−41は、ガスリング31の円周に沿ってほぼ等間隔に離間する3ヶ所に設けられる。これらクランプカバ−41には、その先端が爪状のクランプ42が収容される。このクランプ42は水平に突出するクランプ軸42aを備えており(図2参照)、このクランプ軸42aはクランプカバー41に回動可能に軸支される。こうして、クランプ42はクランプ軸42aの周りに回動可能に配設される。
なお、図1および図2においては、気相成長装置1を作業台40の前面から見た様子を図示しているために、2つのクランプカバー41だけを示している。
【0022】
図1および図2において、右側のクランプカバー41は、その上面で回転可能に配設される回転盤41aと、この回転盤41aの下方でクランプカバー41の側面を覆う固定部材41bとを備える。この固定部材41bはクランプカバー41に固定される。そして、回転盤41aに落下防止板(落下防止部材)11が設けられる。
この落下防止板11は、アルミニウム(Al)製の基体に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなるシートが全面に貼設されている。この落下防止板11は、水平な板状の皿部11aを備えており、この皿部11aにはその三方を取り囲む囲繞壁11b、11c、11dが形成される。このうち、囲繞壁(傾斜部)11bは上方に向かって傾斜している。
【0023】
そして、落下防止板11は回転盤41aに以下の通りにして設けられる。
即ち、回転盤41aには一対の支持部材41cが立設されており、これら支持部材41cを一対の軸12が貫通している(図2(b)参照)。これら軸12は平行に延在しており、その一端が囲繞壁11dの略中央から上方に延出するつるし部11eに固定される。従って、落下防止板11は、回転盤41aがクランプカバー41の上面で回転することによって、クランプカバー41の中心軸を中心として水平に回動する。
【0024】
この気相成長装置1を使用し、以下の通りにしてシリコンエピタキシャルウェーハを製造する。
初めに、サセプタ10が反応炉32の内部に収容されている状態で、クランプ42を軸42aの周りに回動させ、クランプ42をクランプカバー41の内部に退避させる。これにより、シールプレート21とガスリング31とを圧接する力が開放される。
【0025】
次いで、スクリューロッド43を回転させると、図2(a)に示すように、サセプタ10が上昇する。このサセプタ10はガスリング31の内側を上昇し、その全体が作業台40の上方に露出する。この時、サセプタ10の下面はガスリング31の上面よりも上方に位置する。本実施の形態では、サセプタ10の下面とガスリング31の上面との間におよそ5cm程度の隙間が設けられる。
【0026】
このサセプタ10の下方では、ガスリング31が開口している。
そこで作業者は、図2(b)に示すように、落下防止板11を手動によって回動させてサセプタ10の下方に位置させる。この落下防止板11は、ガスリング31の上部、サセプタ10の下面、クランプカバ−41等に接触することなく回動するように設計される。この結果、落下防止板11の皿部11aがサセプタ10の下方を覆うと共に、落下防止板11の囲繞壁11bは、基板をサセプタ10から着脱する側である作業台40の前方に向けてやや突出する配置となる。この作業は、落下防止板11を単に回動させるだけなので作業性が極めて良い。
【0027】
この状態で、作業者は、サセプタ10の座ぐり10aに基板を載置する。この時、基板が座ぐり10aから落下した場合にも、サセプタ10の下方が落下防止板11によって覆われているので、落下防止板11の上面に確実に保持される。さらに、落下防止板11には、テトラフルオロエチレンからなるシートが貼設されているので、落下した基板が金属汚染することを抑制できる。さらに、サセプタ10自体が落下した場合にも、このサセプタ10は落下防止板11上に保持される。
【0028】
こうして、作業台40の前方に位置する側周面の全ての座ぐり10aに基板を載置したら、サセプタ10を回転軸10bの周りに回転させることによって、未だ基板を載置していない座ぐり11aを作業台40の前方に位置させる。この時、落下防止板11がサセプタ10の下方に位置したままの状態で、サセプタ10を回転させることができる。このように、順次、サセプタ10を回転させながら、全ての座ぐり11aに基板を載置する。
【0029】
こうして基板の載置が終了したら、作業者は、図2(c)に示すように、落下防止板11を回動させてガスリング31の上方から退避させる。
ここで、落下防止板11がガスリング31の上方から完全に退避するまで回動すると、回転盤41aの側面から水平に突出する突起41dが、固定部材41bの側面から水平に突出する突起41eに当接し、落下防止板11がそれ以上回動することを防止する(図1参照)。即ち、本実施の形態では、2つの突起41c、41dによって検知部が構成される。この検知部によって、作業者は、サセプタ10を下降させても落下防止板11に干渉しないことを認識できる。
【0030】
そして、スクリューロッド43を回転させることによって、再びサセプタ10を反応炉32の内部に下降させる。この結果、図2(c)に示すように、蓋部20のシールプレート21とガスリング31とが密着する。この状態で、クランプ42を軸42aの周りに回動させると、クランプ42の先端の爪状の部分が、クランプカバー41の図示しない開口より突出し、蓋部20の上面を押さえ付ける。これにより、シールプレート21の下面から僅かに突出するゴム製のOリングによって、シールプレート21とガスリング31とが圧接される部分の気密性が確保され、反応炉32の内部が密閉状態となる。
【0031】
次いで、加熱手段30aによって基板を加熱しながら、ガスリング31に設けられている図示しないガスノズルより、原料ガスをキャリアガスと共に供給する。この原料ガスは、回転軸10bの周りに回転されるサセプタ10の側周面に沿って流れながら、基板の主表面上に供給され、ベルジャ30の下方から外部へ排出される。こうして基板上に薄膜が気相成長し、シリコンエピタキシャルウェーハが製造される。なおこの時、バッフル23はガスリング31の内面を覆う配置となっており、ガスリング31の内面が汚れることを防止する。
【0032】
その後シリコンエピタキシャルウェーハを取り出すには、上記同様の手順によって、サセプタ10をガスリング31より上方に露出させる。そして、落下防止板11を回動させてサセプタ10の下方に位置させた状態で、サセプタ10の座ぐり11aからシリコンエピタキシャルウェーハを取り出す。
【0033】
[実施例]
本実施の形態の気相成長装置1を使用し、落下防止板11を回動させる際に生じるパーティクル数を計測する。
なお、パーティクルの測定には、光散乱式のパーティクル検査装置(以下「パーティクルカウンタ」と称す)を使用する。このパーティクルカウンタのパーティクル取り入れ口を、図1における左側のクランプカバ−41の20mm手前の位置に固定し、気中パーティクルを測定する。この測定時間は1分間とする。
【0034】
また、パーティクルの測定は次の二水準について行う。それぞれの水準において2回の測定を行って得られたパーティクル数の平均値を求める。
(1)1分間のうちに落下防止板11を2往復する。
(2)1分間のうちに落下防止板11を10往復する。
なお、このパーティクルカウンタでは、パーティクルの粒径に応じた6つのチャンネルが用意されており、(CH1)0.14μmから0.2μm、(CH2)0.2μmから0.3μm、(CH3)0.3μmから0.5μm、(CH4)0.5μmから1.0μm、(CH5)1.0μmから2.0μm、(CH6)2.0μm以上の粒径のパーティクル数がそれぞれ計測される。
【0035】
また、パーティクルの測定は、ベルジャ30を交換した直後に行った。これは、シリコンエピタキシャルウェーハの製造時はベルジャ30内が高温になるために、その後にサセプタ10を上昇させてパーティクルを測定しようとしても、その測定雰囲気が高温となり、パーティクルカウンタの測定に支障があるからである。そこで、パーティクルの測定は、ベルジャ30の温度が低い交換直後とした。
【0036】
表1は本実施例の結果をまとめた表である。
表1中、「2回」とは、落下防止板11を2往復させて測定されたパーティクル数であり、「10回」とは、落下防止板11を10往復させて測定されたパーティクル数である。
【表1】
表1から判るように、何れの水準においてもパーティクル数は少なく、特に、0.3μm以上の粒径のパーティクルについては、極僅かに計測されるのみである。
【0037】
[比較例]
従来の落下防止板110(図5参照)を用い、実施例と同様の条件によってパーティクルを測定する。なお、パーティクルを測定する水準は、実施例に対応させて以下の二水準とした。
(1)1分間のうちに落下防止板110を2回抜き差しする。
(2)1分間のうちに落下防止板110を10回抜き差しする。
【0038】
表2は比較例の結果をまとめた表である。
【表2】
【0039】
[実施例と比較例との比較]
図3は、落下防止板11、110を1分間当たり2回操作した場合に、本実施例と比較例において計測されたパーティクル数を比較して示したグラフである。
また、図4は、落下防止板11、110を1分間当たり10回操作した場合に、本実施例と比較例において計測されたパーティクル数を比較して示したグラフである。
図3および図4から判るように、本実施の形態の気相成長装置1では、落下防止板11が、サセプタ10の下面とガスリング31等に非接触で回動するので、従来の落下防止板110を用いる場合と比較して、パーティクル数が大幅に低減する。
【0040】
なお、落下防止板11の具体的な細部構成は、本実施の形態に示したものに限定されない。
例えば、落下防止板11としては、ガスリング31の上部、サセプタ10の下面、クランプカバー41等に接触することなく移動できるように設けられていれば、落下防止板11には、囲繞壁11b、11c、11dが形成されていなくても良く、単なる板状の部材につるし部11eを形成しても良い。
また、落下防止板11は必ずしもガスリング31の全面を覆うように設計する必要はなく、サセプタ10およびサセプタ10から落下した基板を保持できれば、如何なる形状に設計しても良い。さらに、落下防止板11の皿部11aに開口等を適宜設けても良い。この場合には、落下防止板11の軽量化が図られる。
【0041】
また、本実施の形態では、落下防止板11を手動によって回動させるように構成したが、落下防止板11を回動させる駆動モータを設け、落下防止板11が自動的に回動するように構成しても良い。さらに、落下防止板11を動かそうとする時に操作するスイッチを設け、前記スイッチから出力される信号を取得した制御部が、前記駆動モータを駆動させることによって、落下防止板11を自動的に動作させても良い。
また、本実施の形態では、落下防止板11がガスリング31の上方から完全に退避したことを検知する検知部として、2つの突起41c、41dを当接させる構成としたが、その他、落下防止板11の位置を検出する各種センサ等を設けても良い。また、所定位置まで移動した落下防止板11が押圧操作することによって信号を出力するスイッチを設けても良い。
その他、気相成長装置1の細部構成等についても本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜に変更可能であることは勿論である。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、落下防止部材は、反応炉の上方に露出させたサセプタの下面と反応炉の上端部との両方に非接触で移動するので、パーティクルの発生をより低減できる。この結果、パーティクルに起因する結晶欠陥がより低減されるので、高品質なシリコンエピタキシャルウェーハをより安定して製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施の形態の気相成長装置を示す図である。
【図2】図1の気相成長装置を使用してシリコンエピタキシャルウェーハを製造する一連の過程を示す図であり、(a)はサセプタを露出させた様子を示す図であり、(b)はサセプタの下方に落下防止板を回動させた様子を示す図であり、(c)はサセプタを反応炉に下降させた様子を示す図である。
【図3】落下防止板を1分間当たり2回操作した場合に、本実施例の結果と比較例の結果を示したグラフである。
【図4】落下防止板を1分間当たり10回操作した場合に、本実施例の結果と比較例の結果を示したグラフである。
【図5】従来の気相成長装置100を示す図であり、(a)は従来の落下防止板を載置した様子を示す図であり、(b)は従来の落下防止板を示す図である。
【符号の説明】
1 気相成長装置
10 サセプタ
10a 座ぐり
11 落下防止板
11b 囲繞壁(傾斜部)
21 シールプレート
30 ベルジャ
31 ガスリング
32 反応炉
41 クランプカバー
41d 突起(検知部の一部)
41e 突起(検知部の一部)
42 クランプ
Claims (6)
- サセプタに形成された座ぐりにウェーハを着脱するに際して、該サセプタを反応炉の上方に露出させるように構成された気相成長装置において、前記反応炉の上方に露出させたサセプタの下面と前記反応炉の上端部との両方に非接触で移動して、当該サセプタの下方を覆う落下防止部材が設けられていることを特徴とする気相成長装置。
- 前記反応炉は上端部にガスリングを備えて構成されており、前記サセプタは、前記ガスリングと圧接されて当該反応炉内を密閉状態とするシールプレートに垂設されており、前記落下防止部材は、前記反応炉の上方に露出させたサセプタの下面と前記ガスリングとの両方に非接触で移動して、当該サセプタの下方を覆うことを特徴とする請求項1記載の気相成長装置。
- 前記落下防止部材は、前記ウェーハを前記サセプタから着脱する側に突出して、前記サセプタの下方を覆うことを特徴とする請求項1または2記載の気相成長装置。
- 前記ガスリングと前記シールプレートとを圧接させるクランプと、該クランプを収容するクランプカバーとを備え、前記落下防止部材は、前記クランプカバーに非接触で移動可能に設けられていることを特徴とする請求項2記載の気相成長装置。
- 前記落下防止部材が前記反応炉の上方から完全に回避したことを検知する検知部を備えることを特徴とする請求項1から4の何れか一つに記載の気相成長装置。
- サセプタを反応炉の上方に露出させ、落下防止部材が前記サセプタの下面と前記反応炉の上端部との両方に非接触で移動して当該サセプタの下方を覆った状態で、前記サセプタに形成された座ぐりにウェーハを着脱することを特徴とするウェーハの着脱方法。
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