JP2733517B2 - 熱処理装置及びそのチューブ取付方法並びにそれに用いる治具 - Google Patents

熱処理装置及びそのチューブ取付方法並びにそれに用いる治具

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JP2733517B2
JP2733517B2 JP63249611A JP24961188A JP2733517B2 JP 2733517 B2 JP2733517 B2 JP 2733517B2 JP 63249611 A JP63249611 A JP 63249611A JP 24961188 A JP24961188 A JP 24961188A JP 2733517 B2 JP2733517 B2 JP 2733517B2
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【発明の詳細な説明】 [発明の構成] (産業上の利用分野) 本発明は、プロセスチューブとして二重管方式を採用
した縦型炉に関する。
(従来の技術) 熱処理炉例えば半導体ウエハの熱処理炉では、プロセ
スチューブをインナーチューブとアウターチューブとで
構成した二重管方式のプロセスチューブを採用するもの
が多くなっている。
この種の二重管方式のプロセスチューブを採用する利
点としては、特公昭60−38018号公報に開示されている
ように、プロセスによって汚染されるプロセスチューブ
の洗浄作業を容易とするために、アウターチューブ内の
挿脱自在にインナーチューブを配置し、このチューブ内
に被処理体を設けて処理することにより処理残渣の主を
インナーチューブに付着させ、このインナーチューブの
洗浄によりアウターチューブの洗浄回数を低減させ、装
置稼動効率の向上を図れる点にある。
ここで、横型炉の場合には、アウターチューブ内面に
接触させるかたちでインナーチューブを設置することに
より、二重管方式は容易に達成することができる。
また、縦型炉にも二重管方式を採用した熱処理炉が従
来より提供されている。
(発明が解決しようとする課題) 縦型炉に二重管方式を採用する場合、特に、加熱部が
上部にある場合には、インナーチューブを容易に着脱す
る構成が困難となっていた。
例えば、第5図に示すように、アウターチューブ1と
同時にインナーチューブ2をマニホールド3に支持する
構成とするものがある。
すなわち、装置にボルト止めされるマニホールド3の
内面にはインナーチューブ2支持用の突起3aが設けら
れ、一方その上端にはアウターチューブ1をOリング等
のシール部材4を介して載置するためのフランジ3bが形
成されている。
この場合、二重管方式を構成できるけれども、インナ
ーチューブ2を取り外す為にはマニホールド3を取り外
す必要があり、インナーチューブ2の着脱が極めて煩雑
であり、二重管方式を採用した場合の装置可動効率の向
上は期待できない。また、マニホールドの形状も複雑と
なる欠点がある。
一方、第6図に示すものは、マニホールドをアウター
チューブ固定用の第1のマニホールド5と、インナーチ
ューブ固定用の第2のマニホールド6とに分割したもの
である。
すなわち、装置にボルト締めされる第1のマニホール
ド5は、上部フランジ5aにシール部材7を介してアウタ
ーチューブ1を載置し、この第1のマニホールド5より
も径の小さい第2のマニホールド6は、下端フランジ6a
を前記第1のマニホールド5の下端フランジ5bとシール
部材8を介してボルト締めされて固定され、その上端フ
ランジ6bに前記インナーチューブ2を支持するものであ
る。
この場合には、第5図の方式よりもインナーチューブ
2の取り外しが容易とはなるが、ボルト締め作業が煩雑
であり、また、アウターチューブ1の軸とインナーチュ
ーブ2の軸とを一致させるための調心作業を必要とし、
この調整も煩雑であった。さらに、マニホールドを分割
構造としているので、その固定に要するボルト点数等構
成部材が増大するという欠点もあった。
そこで、本発明目的とするところは、上述した従来の
問題点を解決し、インナーチューブの着脱を容易として
二重管方式の利点を十分に生かすことができる縦型炉を
提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段及びその作用) 請求項1の発明に係る熱処理装置のチューブ取付方法
は、下端が開口した縦型アウターチューブと、前記アウ
ターチューブ内に配置され、下端が開口した縦型インナ
ーチューブと、前記インナーチューブを所定位置にて支
持する支持部と、を有する二重管方式の熱処理装置に、
前記インナーチューブを取り付ける方法において、前記
インナーチューブの下端を、該チューブを垂直状態で支
持する支持体と、この支持体をベアリングを介して回転
自在に支持する基体と、を有する治具を用い、この治具
の前記支持体の上に前記インナーチューブを支持する第
1工程と、前記インナーチューブの下端側に設けられた
被係止部と、前記支持部に設けられた係止部とが、前記
インナーチューブの上昇を妨げない位置に配置される第
2工程と、前記インナーチューブを下方より上昇させて
前記アウターチューブ内に挿入する第3工程と、前記治
具の前記基体に対して前記支持体を回転させて、前記イ
ンナーチューブ及び前記被係止部を回転移動する第4工
程と、前記インナーチューブ及び前記被係止部を下降さ
せる第5工程と、を有し、前記第4及び第5工程により
前記被係止部が前記係止部に係止されることを特徴とす
るを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、インナーチューブの
支持部に対する支持は、インナーチューブの下端に設け
られた複数の被係止部が、支持部に形成された係止部に
係止されることで、このインナーチューブはその自重に
より支持部の係止部に係止されて支持され、アウターチ
ューブの中側に垂直状態で支持されることになる。
このインナーチューブの取り外しは、インナーチュー
ブを回転することで、被係止部を支持部に設けた逃げ部
に配置することにより行う。この後に、インナーチュー
ブを下降すると、被係止部の下降経路は逃げ部によって
確保され、他の部材と干渉せずにインナーチューブを縦
型炉より離脱することができる。
また、洗浄後に、インナーチューブを縦型炉に取り付
ける場合には、第1工程として、先ず、治具をインナー
チューブの下端側に取り付ける。第2工程で、インナー
チューブの被係止部を、支持部の逃げ部に対応する位置
に設定する。
第3工程で、インナーチューブを上昇させる。そうす
ると、この被係止片の上昇経路は逃げ部によって確保さ
れているので、インナーチューブを所定位置まで上昇移
動させることができる。
そして、第4工程では、治具を用いて支持体を回転さ
せることで、インナーチューブが回転し、被係止部の位
置は逃げ部から離脱し、支持部の係止部が存在する位置
まで回転移動することができる。
この後、第5工程でインナーチューブを下降させるこ
とで、被係止部が支持部の係止部に係止され、インナー
チューブの自重によって、インナーチューブを垂直で支
持することができる。
このように、インナーチューブの着脱時に、支持部を
取り外さずに実行でき、インナーチューブの着脱の操作
性が大幅に向上する。加えて、インナーチューブを回転
させるだけで、被係止部、係止部の係合及びその解除を
実現でき、熱処理炉側には駆動機構を要することがな
い。
請求項2に記載の発明に係る熱処理装置は、請求項1
に記載の方法が実施される熱処理装置であって、前記被
係止部と前記係止部とは、回転方向の複数箇所に配置さ
れていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、被係止部と係止部と
は、回転方向の複数箇所に配置されているので、インナ
ーチューブを安定して立設支持できる。
請求項3に記載の発明に係る熱処理装置は、請求項1
に記載の方法が実施される熱処理装置であって、前記イ
ンナーチューブ内に、被処理体を搭載したボートを昇降
させてロードマンロードするローダ部を有し、前記ロー
ダ部は、前記インナーチューブを取り付ける際に前記イ
ンナーチューブを上昇させる駆動部材として兼用される
ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、ローダ部をインナー
チューブの挿脱機構として兼用することで、チューブ着
脱に特別な駆動機構を要することがなく、しかもインナ
ーチューブの芯だし等が容易となる。
請求項4に記載の発明に係るインナーチューブ取付用
治具は、請求項1に記載の方法に用いられるインナーチ
ューブ取付用治具であって、前記インナーチューブの下
端を、該チューブを垂直状態で支持する支持体と、この
支持体をベアリングを介して回転自在に支持する基体
と、を有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、この治具を用いるこ
とで、手動で支持体を回転させてインナーチューブを回
転させることもでき、チューブ取り付けのための作業者
の負担が大幅に軽減される。
請求項5に記載の発明に係るインナーチューブ取付用
治具は、請求項4において、前記被係止部及び係止部が
非対向となる回転位置と、前記被係止部及び係止部が対
向する回転位置との間で、前記インナーチューブを支持
する前記支持体の回転を許容するように、前記支持体の
回転角度を規制する回転規制部材をさらに設けたことを
特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、インナーチューブの
回転規制を行うことで、被係止部、係止部の係合及びそ
の解除を容易に実現できる。
(実施例) 以下、本発明を縦型CVD装置に適用した一実施例につ
いて、図面を参照して具体的に説明する。
まず、縦型CVD炉の概要について説明すると、第1図
に示すように本実施例の場合はプロセスチューブとして
アウターチューブ1とインナーチューブ2とがそれぞれ
同心で縦方向に立設支持されていて、アウターチューブ
1の外側に例えば抵抗加熱式のヒータ8が配置されてい
る。
そして、上記インナーチューブ2内には、保温筒9上
に載置されたボート(図示せず)が挿脱可能となってい
て、このボートに多数枚の被処理体である半導体ウエハ
が水平に等間隔に同軸的に配列支持され、ウエハに対し
て気相成長処理を実行可能となっている。
前記ヒータ8の下側には、縦型炉のベースプレート13
にボルト固定されたトップマニホールド10が配置され、
前記アウターチューブ1は、上記トップマニホールド10
にボルト止めされたマニホールド11上に載置して支持さ
れ、かつ、この支持部分はOリング12によって気密に保
たれている。また、マニホールド11における前記Oリン
グ12の支持部分の下側にはウォータジャケット14が配置
され、Oリング12を耐熱温度以下に冷却するようにして
いる。
さらに、上記マニホールド11には、第1図の左側にア
ウターチューブ1の内部に連通する排気管15が接続さ
れ、また、第1図の右側には不活性ガス例えばN2ガスの
導入管16が接続され、この導入管16の先端には上方に伸
びるN2用インジェクター17が固定されている。
上記アウターマニホールド11の下側には、マニホール
ド下部20が設けられ、このマニホールド下部20上に前記
インナーチューブ2が支持される構造となっている(こ
の構造については後述する)。
また、前記マニホールド下部20の第1図の右側には、
プロセスガス導入管23が固定され、このプロセスガス導
入管23の先端には、インナーチューブ2内にプロセスガ
スを導入するためのインジェクター24が垂直に固定され
ている。一方、第1図の左側には、インナーチューブ2
の内側に配置された熱伝対支持管26が設けられている。
そして、この熱伝対支持管26内には例えば3本の熱伝対
が支持され、本実施例の場合、縦型炉のトップ,センサ
ー,ボトムの3ゾーン方式のヒータ3を採用しているの
で、各領域の温度をそれぞれ測定可能としている。
次に、フランジキャップ30,前記保温筒9の回転機構
及びフランジキャップ30の上下動機構について説明す
る。
前記フランジキャップ30は、前記マニホールド下部20
の下端の開口部端面20aを密封し、かつ、前記保温筒9
を搭載して上下動するものであり、フランジキャップ30
の周縁には、上記端面20aと気密を保って接触するOリ
ング31が配置されている。
そして、このフランジキャップ30の中央部より突出す
るように磁気シールユニット40が固定され、その接合部
の気密を保持するためにOリング42が配置されている。
また、前記フランジキャップ30は、ストラススプリン
グを主要構成要素とする懸架ユニット50によってエレベ
ータアーム60に取り付けられ、このエレベータアーム60
によって上記フランジキャップ30を上下動可能となって
いる。
次に、上記保温筒9の回転機構について説明すると、
前記磁気シールユニット40にはモータ例えばステッピン
グモータ70が固定され、このモータ70の回転出力軸72と
前記磁気シールユニット40に回転自在に挿通支持した回
転軸44とには図示しないプーリが固定され、このプーリ
間に図示しないベルトを掛け渡すようにしている。この
結果、上記モータ70の出力は回転軸44に伝達され、この
回転軸44の上端には上記保温筒9が固定されるようにな
っているので、この保温筒9を回転駆動することができ
る。
また、前記フランジキャップ30の上面の全面を覆うよ
うに、被覆体の一例であるダスト受皿90が着脱自在に配
置されている。
次に、上記インナーチューブ2を、前記マニホールド
下部20に支持する構造およびこのインナーチューブ2を
縦型炉に対して着脱する際に使用される治具について、
第2図以下を参照して説明する。
前記インナーチューブ2の下端には、このチューブ2
を嵌入して垂直に支持するインナーチューブ受け部材10
0が設けられている。このインナーチューブ受け部材100
は、上記インナーチューブ2と一体的に形成しても良い
が、その構造として、上記インナーチューブ2の外周よ
りも突出した被係止片101を複数例えば4箇所に有した
構成であれば良い。
一方、上記インナーチューブ受け部材100の被係止片1
01を支持するために、上記マニホールド下部20は下記の
構成となっている。
すなわち、前記被係止片101の上下動経路に沿って、
このマニホールド下部20の内面の4箇所において、被係
止片101の幅及び外周径よりも大きく切り欠かれた逃げ
部102と(第2図(B)のA−A断面である第3図参
照)、この逃げ部102に隣接して形成され、上記被係止
片101が逃げ部102内にある位置よりもインナーチューブ
2を回転した場合に、上記被係止片101の下面を載置支
持可能な係止片の一例である載置面103(第2図(B)
のB−B断面である第4図参照)とを有する構成となっ
ている。なお、本実施例の場合には、上記載置面103
は、上記マニホールド下部20の内周側を開口部とする断
面コ字状のスリット104の底面として構成され、このス
リット104は上記載置面103の他、載置面103と対向する
上側面105と、内周面106とから構成されている。そし
て、本実施例では、上記上側面105と載置面103との間の
間隔は、上記被係止体101の厚さよりも上側に0.5mm,下
側に0.5mmだけ大きくなっており、一方、前記スリット1
04の内周面106の径も、前記被係止片101の径よりも左右
でそれぞれ0.5mmずつ大きくなっている。
また、前記スリット104は全周で連通するものではな
く、前記逃げ部102の一方の端部と隣接してほぼ被係止
片101の円弧長さ分だけ切欠されたものとなっていて、
そのスリット104の内部の4箇所の端部104aが被係止片1
01のストッパともなっている。
次に、このインナーチューブ2を縦型炉に対して着脱
する場合に、前記フランジキャップ30に取り付けられて
使用される治具110について説明する。
この治具110は、前記インナーチューブ受け部材110を
載置可能な中空筒状のインナーボデー111と、このイン
ナーボデー111をベアリング112を介して回転自在に支持
するアウターボデー113とから構成されている。
上記インナーボデー111は、その上側面の周縁がテー
パ面111aとなっていて、かつ、このテーパ面111aに隣接
する水平面111b上に上側に突出した位置決めピン111cを
有している。一方、このインナーボデー111に載置支持
される前記インナーチューブ受け部材100の下端内周に
は、上記テーパ面111aと同様な傾斜のテーパ面100aが形
成され、かつ、前記位置決めピン111cと対応する位置に
は、位置決め用穴100bが形成されている。従って、テー
パ面100a,111a同士の接触によって両者が半径方向で位
置決めされ、一方、前記ピン111c,穴100bとの嵌合によ
って、円周方向での位置きめが実行されるようになって
いる。
また、上記アウターボデー113には、操作レバー120が
ボルト118によって固着されていて、この操作レバー120
の一端側であって、レバー面より上側に突出する方向に
回転角度規制用のピン122が固着されている。
さらに、この回転角度規制用ピン122の回転角度を規
制するために、前記アウターボデー113の外周にはガイ
ド板130が固着されていて、このガイド板130には上記ピ
ン122を挿通し、かつ、このピン122の45゜に亘る回転を
許容するためのガイド穴132が形成されている。
なお、上記アウターボデー113が前記フランジキャッ
プ30上に位置決め載置され、エレベータアーム50の駆動
によって上下動可能となるが、そのアウターボデー113
の位置決めとしては、アウターボデー113の半径方向及
び円周方向で確実に位置決めされる必要がある。
次に、上記治具110を用いてのインナーチューブ2の
着脱動作およびこのような縦型炉の作用について説明す
る。
まず、エレベータアーム60に取り付けられたフランジ
キャップ30上に、上記治具110を位置決め載置する。さ
らに、この治具110上にインナーチューブ2及びインナ
ーチューブ受け部材100を載置支持する。この際、上記
インナーチューブ受け部材100と治具110のインナーボデ
ー111とは、テーパ面100a,111a及びピン111c,穴100bに
よってその半径方向及び円周方向の位置が確実に決めら
れる。一方、フランジキャップ30とこの治具110との間
の上記位置決めもなされるので、インナーチューブ2の
縦型炉に対する軸芯及びインナーチューブ受け部材100
の前記被係止片101の円周方向の位置が定められる。
この状態で、エレベータアーム60を上昇移動させる。
この上昇移動の間に亘って、前記インナーチューブ2よ
り外周で突出する被係止片101は、マニホールド下部20
の逃げ部102を通過することになるので、被係止片101を
他の部材と干渉せずに上昇させることができる。
そして、治具110の上端がマニホールド下部20の下端
に当接する停止位置(この位置は、通常のボート搬入時
よりも、治具110のアウターボデー113のほぼ厚さ分だけ
下側である)を予め記憶しておくことで、上記マニホー
ルド下部20に形成されたスリット104が存在する領域ま
で上昇させることができる。
次に、前記治具110の操作レバー120を操作が可能とな
るように、縦型炉の扉(図示せず)を開放する。なお、
本実施例の場合、この扉は、クリーン度の低いウエハを
搬入出する側とは反対側に設けられ、クリーン度が高い
側に設けられているため、縦型炉内部にゴミなどが搬入
される可能性を低くしている。
そして、上記扉の開放後に、手操作によって前記治具
110の操作レバーを一回転方向に45゜回転させる。な
お、上記操作レバー120は逆方向の回転はピン122,ガイ
ド穴132よって規制されているので、上記回転動作によ
って、逃げ部102内に存在する被係止片101は、スリップ
104内部に回転移動され、被係止片101の下側の全域にス
リット104の載置面103を配置することができる。
この後、エレベータアーム60を下降移動すると、治具
110はこのエレベータアーム60と一体的に下降すること
になるが、前記インナーチューブ受け部材100は、その
被係止片101が前記スリット104の載置面103に当接支持
され、それ以降は下降せずにこの載置面013上に自重に
よって支持されることになる。この結果、インナーチュ
ーブ2をその受け部材100を介してマニホールド下部20
に支持することができる。
このようにして、インナーチューブ2を縦型炉に設定
した後には、ウエハに対するプロセスを実行可能とな
る。
すなわち、まずフランジキャップ30上に保温筒9を載
置し、所定枚数のウエハを水平状態として、かつ、上下
で所定ピッチで離間して配列したボートを前記保温筒9
上に載置する。
この後、フランジキャップ30をエレベータアーム60に
よって上昇させ、フランジキャップ30がマニホールド下
部20の下端と接触する上死点まで移動させる。この移動
によって、ボートはインナーチューブ2の炉芯に設定さ
れ、かつ、フランジキャップ30によって炉の開口部が密
閉されることになる。
この後、所定のパージ,真空ポンプによる排気等を実
行して、不要な空気等を排出し、ヒータ8によるプロセ
ス温度の設定が終了した後にプロセスガスを導入してプ
ロセスを開始する。
プロセス処理終了後は、所定温度までの降温を待って
フランジキャップ30の降下を開始し、ボートを取り出す
ことで一サイクルの処理が終了し、以降このサイクルを
繰り返し実行することになる。
ここで、プロセスの実行によってプロセスチューブ、
特にインナーチューブ2はプロセス生成物等の付着によ
って汚染されることになる。これを放置するとウエハの
表面に不純物が付着し、歩留まりが悪化してしまうので
プロセスチューブの定期的な洗浄が必要となる。
そして、本実施例では、二重管方式を採用しているの
で、アウターチューブ1の定期的洗浄の頻度は大幅に低
減し、インナーチューブ2を主に洗浄すれば足りる。こ
の際、このインナーチューブ2の洗浄の際に必要なイン
ナーチューブ2の取り外しを、前述した取り付け動作の
逆工程を実施することで行うことができ、また、その後
の取り付け作業は前述したようにして簡易に実施するこ
とができ、頻度の多いインナーチューブ2の着脱を容易
に実施することができ、その着脱時間が大幅に短縮され
るので装置の稼動効率を向上することができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではな
く、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能であ
る。
上記実施例では、マニホールド下部20の載置面103を
スリット構造とし、上下方向,半径方向でのインナーチ
ューブ2のずれを防止できる構成としたが、少なくとも
載置面103を有するものであればインナーチューブ2を
載置支持できるのでこれに限定されるものではない。ま
た、上記実施例では、インナーチューブ2の着脱時の回
転動作を手動で行ったが、回転駆動機構によって自動化
するものでも良く、特に、エレベータ機構に内蔵された
回転駆動機構を利用するものであっても良い。
[発明の効果] 請求項1〜5の各発明によれば、二重管を構成する縦
型プロセスチューブのうちのインナーチューブを、上昇
後に回転させることで容易にマニホールドに支持するこ
とができ、その取り外しも逆工程の実施により行うこと
ができるので、インナーチューブの着脱にあたってマニ
ホールドの着脱を伴うような従来の煩雑な動作を要せず
に簡易に実施することができ、もって、インナーチュー
ブの定期的洗浄を容易とし、かつ、着脱時間の短縮によ
って縦型炉の可動率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明を縦型CVDに適用した一実施例の概略
断面図、第2図(A),(B)は、インナーチューブ受
け部材及びその治具を説明するための平面図,断面図、
第3図は、第2図(B)のA−A断面図、第4図は、第
2図(B)のB−B断面図、第5図,第6図はそれぞれ
従来の二重管方式の場合のインナーチューブの固定機構
を説明するための概略断面図である。 1……アウターチューブ、 2……インナーチューブ、 20……マニホールド下部、 30……フランジキャップ、 100……インナーチューブ受け部材、 101……被係止片、 102……逃げ部、103……載置面。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下端が開口した縦型アウターチューブと、 前記アウターチューブ内に配置され、下端が開口した縦
    型インナーチューブと、 前記インナーチューブを所定位置にて支持する支持部
    と、 を有する二重管方式の熱処理装置に、前記インナーチュ
    ーブを取り付ける方法において、 前記インナーチューブの下端を、該チューブを垂直状態
    で支持する支持体と、この支持体をベアリングを介して
    回転自在に支持する基体と、を有する治具を用い、この
    治具の前記支持体の上に前記インナーチューブを支持す
    る第1工程と、 前記インナーチューブの下端側に設けられた被係止部
    と、前記支持部に設けられた係止部とが、前記インナー
    チューブの上昇を妨げない位置に配置される第2工程
    と、 前記インナーチューブを下方より上昇させて前記アウタ
    ーチューブ内に挿入する第3工程と、 前記治具の前記基体に対して前記支持体を回転させて、
    前記インナーチューブ及び前記被係止部を回転移動する
    第4工程と、 前記インナーチューブ及び前記被係止部を下降させる第
    5工程と、 を有し、 前記第4及び第5工程により前記被係止部が前記係止部
    に係止されることを特徴とする熱処理装置のチューブ取
    付方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法が実施される熱処理
    装置であって、 前記被係止部と前記係止部とは、回転方向の複数箇所に
    配置されていることを特徴とする熱処理装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の方法が実施される熱処理
    装置であって、 前記インナーチューブ内に、被処理体を搭載したボート
    を昇降させてロード/アンロードするローダ部を有し、
    前記ローダ部は、前記インナーチューブを取り付ける際
    に前記インナーチューブを上昇させる駆動部材として兼
    用されることを特徴とする熱処理装置。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の方法に用いられるインナ
    ーチューブ取付用治具であって、 前記インナーチューブの下端を、該チューブを垂直状態
    で支持する支持体と、 この支持体をベアリングを介して回転自在に支持する基
    体と、 を有することを特徴とするインナーチューブ取付用治
    具。
  5. 【請求項5】請求項4において、 前記被係止部及び係止部が非対向となる回転位置と、前
    記被係止部及び係止部が対向する回転位置との間で、前
    記インナーチューブを支持する前記支持体の回転を許容
    するように、前記支持体の回転角度を規制する回転規制
    部材をさらに設けたことを特徴とするインナーチューブ
    取付用治具。
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