JP4521132B2 - 移植機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、野菜等の苗を圃場に対して移植する作業を行う移植機の構成に関するものであって、より詳しくは、苗を圃場に植付ける機能を果たす植付部の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図11に示すように、野菜等のポット苗5・・・を圃場Gに対して移植する作業を行う移植機の植付部115の構成においては、碁盤目状にポット孔を形成した苗トレイ6から、平行リンク機構81を備えた苗取機構80により、苗トレイ6の横一列分のポット苗5・・・を、機体進行方向に対する左右方向の位置関係を保ったままにして、後方に並設した左右一対の苗搬送コンベア114a・114bに受継ぎ、両苗搬送コンベア114a・114bのベルトを左右外側に向けて左右逆方向に動かし、両苗搬送コンベア114a・114b端から一つずつ植付爪150・150に受継ぐことにより、1枚の苗トレイ6で2条分の植付けを可能としたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の構成における植付条間L2は、2つの苗搬送コンベア114a・114bのベルトの横搬送長さ(機体進行方向に対して左右方向)L・Lを約合計した長さであって、この長さよりも植付条間L2を狭められない構成となっており、言い換えれば、苗トレイ幅L3(ポット苗5・・・の横一列分の幅)により植付条間L2が一義的に決定され、苗トレイ幅L3よりも狭い植付条間にすることはできなかった。即ち、従来の1枚の苗トレイ6で2条分の植付けを行う構成においては、植付条間の設定に制約があると言える。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
即ち、請求項1に記載の如く、4条植えの植付部を備え、該植付部は、機体進行方向に対して左右何れか一側から1条目と3条目の植付爪に1枚の苗トレイから取出したポット苗を横送りする左右一対の苗搬送コンベアと残りの2条目と4条目の植付爪に他の1枚の苗トレイから取出したポット苗を横送りする左右一対の苗搬送コンベアを備え、2枚の苗トレイで4条分の植付けを行う構成としたことである。
この際、2組の苗搬送コンベアは、3条目と2条目の植付爪に対する苗搬送コンベアが前後方向にて重なるように配設する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。
図1は本発明を乗用移植機において実施した例を示す側面図、図2は植付条間を広く構成する際における苗搬送コンベアの平面図、図3は同苗搬送コンベアの後面図、図4は植付条間を狭く構成する際における苗搬送コンベアの平面図、図5は同苗搬送コンベアの後面図、図6は前側の苗搬送コンベアに対する苗取機構の側面図、図7は後側の苗搬送コンベアに対する苗取機構の側面図、図8は苗取機構の後面図、図9は苗取機構の平行リンク機構の構成の実施例を示す後面図、図10は同じく他の実施例を示す後面図、図11は従来の植付部の構成を示す後面図である。
【0006】
図1は、乗用移植機の走行部1の後部に昇降リンク機構27を介して、本発明に係る4条植えの植付部15を昇降可能に装備した実施例を示している。
該走行部1は、上面にエンジンを覆うボンネット9、操縦ハンドル4及び操縦座席8を備えた車体フレーム2と、この車体フレーム2の前部を支持する左右一対の前輪16と、前記車体フレーム2の後部を支持する左右一対の後輪17とによって構成されている。
前記ボンネット9の両側には予備苗載台30が配設されており、該予備苗載台30には、ポット苗5・・・を移植する前の苗トレイや、移植後に空となった苗トレイを置くことができるようになっている。
【0007】
前記4条植えの植付部15は、走行部1の後部に昇降リンク機構27を介して昇降自在に連結され、且つ、走行部1のミッションケースに設けるPTO軸から動力が伝達される植付ミッションケース20と、該植付ミッションケース20から機体進行方向に対して左右方向に延出する横伝動パイプ54と、該横伝動パイプ54から後方に向けて平行に延出する4条分4本の縦伝動パイプ55とで、植付ミッションケース20を含み、且つ、内部で動力の伝達を行うパイプ構造の植付フレーム56を構成し、1つのロータリケース51の1回転中に2本の植付爪50によって180度の位相間隔で2回の植付けを行うロータリ植付機構21が、各縦伝動パイプ55の後端側にそれぞれ1つずつ取付けられている。この4条分4つのロータリ植付機構21の植付爪50の間隔は、当然の如く、予め設定された植付条間L2と同じ間隔に設定されている。
【0008】
そして、図2乃至図5にも示す如く、前記植付フレーム56の前部上方に、碁盤目状にポット苗5・・・を収納した可撓性の合成樹脂材から成る苗トレイ6を2枚、機体進行方向に対して左右方向に並べて載せることができる苗載台11を前高後低状に装備し、2枚の苗トレイ6で4条分の植付け(1枚の苗トレイ6で2条分の植付け)を行うように構成している。該苗載台11は、これに載せた2枚の苗トレイ6を苗ポット5・・・のピッチ間隔ずつ下向きに間欠的に移送する縦送り機構を備えている。
【0009】
また、前記植付フレーム56の後部上方で、前記苗載台11の傾斜下端側後方には、4条分4つの苗搬送コンベア14A・14B・14C・14Dを装備している。これら苗搬送コンベア14A・14B・14C・14Dは、1枚の苗トレイ6に対して2つずつ左右一対として備えている。
【0010】
左側の苗トレイ6に対して備える左右一対の苗搬送コンベア14A・14Cのうち、左側(外側)の苗搬送コンベア14Aは、機体進行方向に対して最も左側(右側から4条目)の植付条Aと機体進行方向に対して左側から2条目(右側から3条目)の植付条Bとの条間に配設し、右側(内側)の苗搬送コンベア14Cは、機体進行方向に対して左側から2条目(右側から3条目)の植付条Bと機体進行方向に対して左側から3条目(右側から2条目)の植付条Cとの条間に配設し、左側の苗トレイ6に対して備える左右一対の苗搬送コンベア14A・14Cを、機体進行方向に対して左側から2条目(右側から3条目)の植付条Bを挟んで、機体進行方向に対して最も左側(右側から4条目)の植付条Aと機体進行方向に対して左側から3条目(右側から2条目)の植付条Cの条間に左右対称に配設し、これら苗搬送コンベア14A・14Cを、搬送方向が機体進行方向と直交する左右方向で、相反する方向、即ち、左側(外側)の苗搬送コンベア14Aは左向きに、右側(内側)の苗搬送コンベア14Cは右向きになるように駆動し、左側(外側)の苗搬送コンベア14Aの搬送終端側(左端側)を機体進行方向に対して最も左側の植付条Aの植付爪50の上方に臨ませ、右側(内側)の苗搬送コンベア14Cの搬送終端側(右端側)を機体進行方向に対して左側から3条目(右側から2条目)の植付条Cの植付爪50の上方に臨ませるように構成している。
【0011】
一方、右側の苗トレイ6に対して備える左右一対の苗搬送コンベア14B・14Dのうち、左側(内側)の苗搬送コンベア14Bは、機体進行方向に対して左側から2条目(右側から3条目)の植付条Bと機体進行方向に対して左側から3条目(右側から2条目)の植付条Cとの条間に配設し、右側(外側)の苗搬送コンベア14Dは、機体進行方向に対して左側から3条目(右側から2条目)の植付条Cと機体進行方向に対して最も右側(左側から4条目)の植付条Dとの条間に配設し、右側の苗トレイ6に対して備える左右一対の苗搬送コンベア14B・14Cを、機体進行方向に対して左側から3条目(右側から2条目)の植付条Cを挟んで、機体進行方向に対して左側から2条目(右側から3条目)の植付条Bと機体進行方向に対して最も右側(左側から4条目)の植付条Dの条間に左右対称に配設し、これら苗搬送コンベア14B・14Dを、搬送方向が機体進行方向と直交する左右方向で、相反する方向、即ち、左側(内側)の苗搬送コンベア14Bは左向きに、右側(外側)の苗搬送コンベア14Cは右向きになるように駆動し、左側(内側)の苗搬送コンベア14Bの搬送終端側(左端側)を機体進行方向に対して左側から2条目の植付条Bの植付爪50の上方に臨ませ、右側(外側)の苗搬送コンベア14Dの搬送終端側(右端側)を機体進行方向に対して最も右側(左側から4条目)の植付条Dの植付爪50の上方に臨ませるように構成している。
【0012】
また、右側の苗トレイ6に対して備える左右一対の苗搬送コンベア14B・14Dを苗載台11の直後に配設し、左側の苗トレイ6に対して備える左右一対の苗搬送コンベア14A・14Cを、苗載台11の後方で、更に右側の苗トレイ6に対して備える左右一対の苗搬送コンベア14B・14Dより後方に配設し、左側の苗トレイ6に対して備える左右一対の苗搬送コンベア14A・14Cのうち内側(右側)の苗搬送コンベア14Cと、右側の苗トレイ6に対して備える左右一対の苗搬送コンベア14B・14Dのうち内側(左側)の苗搬送コンベア14Bとを、相互に機体進行方向(前後方向)にて重ね、これら内側の2つの苗搬送コンベア14C・14Bを機体進行方向に対して左側から2条目(右側から3条目)の植付条Bと機体進行方向に対して左側から3条目(右側から2条目)の植付条Cとの条間に配設するように構成している。
尚、上記とは逆に、左側の苗トレイ6に対して備える左右一対の苗搬送コンベア14A・14Cを苗載台11の直後に配設し、右側の苗トレイ6に対して備える左右一対の苗搬送コンベア14B・14Dを、苗載台11の後方で、更に左側の苗トレイ6に対して備える左右一対の苗搬送コンベア14A・14Cより後方に配設しても良い。
上記のように、2組の苗搬送コンベア14A・14Cと14B・14Dは、3条目と2条目の植付爪50に対する苗搬送コンベア14C・14Bが前後方向にて重なるように配設している。
【0013】
更に、各苗搬送コンベア14A・14B・14C・14Dは、植付フレーム56に固定するコンベアフレームと、該コンベアフレームに枢支する駆動側と従動側で一対のコンベアローラと、該コンベアローラ間に張設する無端状のコンベアベルト等から成るベルトコンベア構造を有し、各苗搬送コンベア14A・14B・14C・14Dのコンベアベルトの上面(搬送面)が、苗載台11上に載せられる苗トレイ6の表面に対して直角或いは略直角となる一平面内に配置されるように、各苗搬送コンベア14A・14B・14C・14Dをこの前側端縁より後側端縁が高くなるように傾斜を付けて植付フレーム56に支持させている。
【0014】
以上のように、苗載台11に載せる4条分2枚の苗トレイ6に対して4条分4つの苗搬送コンベア14A・14B・14C・14Dを配設し、左側の苗トレイ6の左側半分に収納されるポット苗5・・・を、機体進行方向に対して最も左側の苗搬送コンベア14A上に取出し、該苗搬送コンベア14Aによって左側に横送りし、機体進行方向に対して最も左側(右側から4条目)の植付条Aの植付爪50に受継ぎ、左側の苗トレイ6の右側半分に収納されるポット苗5・・・を、機体進行方向に対して最も左側の苗搬送コンベア14Aと対を成す苗搬送コンベア14C上に取出し、該苗搬送コンベア14Cによって右側に横送りし、機体進行方向に対して左側から3条目(右側から2条目)の植付条Cの植付爪50に受継ぎ、右側の苗トレイ6の右側半分に収納されるポット苗5・・・を、機体進行方向に対して最も右側(左側から4条目)の苗搬送コンベア14D上に取出し、該苗搬送コンベア14Dによって右側に横送りし、機体進行方向に対して最も右側(左側から4条目)の植付条Dの植付爪50に受継ぎ、右側の苗トレイ6の左側半分に収納されるポット苗5・・・を、機体進行方向に対して最も右側の苗搬送コンベア14Dと対を成す苗搬送コンベア14B上に取出し、該苗搬送コンベア14Bによって左側に横送りし、機体進行方向に対して左側から2条目(右側から3条目)の植付条Bの植付爪50に受継ぎ、1枚の苗トレイ6に対しては予め設定された植付条間L2の倍の植付条間で植付けながら、2枚の苗トレイ6で予め設定された植付条間L2で4条分の植付けを行うように構成している。
【0015】
次に、苗載台11に載せた2枚の苗トレイ6のうち、左側の1枚の苗トレイ6からこれに対して備える左右一対の苗搬送コンベア14A・14Cにポット苗5・・・を取出す苗取機構13と、右側の1枚の苗トレイ6からこれに対して備える左右一対の苗搬送コンベア14B・14Dにポット苗5・・・を取出す苗取機構13を備えており、この実施例について以下に説明する。
図6乃至図8に示す如く、前述のように、碁盤状目にポット苗5・・・を収納した可撓性の合成樹脂材から成る苗トレイ6が2枚、苗載台11上に、機体進行方向に対して左右方向に並べて載せられ、これら2枚の苗トレイ6が、苗載台11に備える縦送り機構にて、ポット苗5・・・のピッチ間隔ずつ下向きに間欠的に移送される。
【0016】
1枚の苗トレイ6の機体進行方向における左右(横)一列分のポット苗5・・・は、苗装填機構12により一斉に苗トレイ6から押出され、苗取機構13に装填され、機体進行方向に対して左右方向に並べた左右一対の苗搬送コンベア14A・14C(14B・14D)へ載せられる。そして、前述のように、各ロータリ植付機構21の植付爪50に受継がれて植付けられる。
【0017】
各苗装填機構12は、図6及び図7に示す如く、回動アーム22bの一端に回転自在にローラ24を配してカム25に当接させ、回動アーム22bの他端が回動軸23に枢支されて、回動アーム22bが回動軸23を回動中心として揺動する。該揺動に連動して、回動アーム22bの他端に固定する回動アーム22aが揺動し、該回動アーム22aの一端に押出軸18を介して1枚の苗トレイ6の横一列分のポット苗5・・・の数と同数の押出ピン7・・・が枢支され、該押出ピン7・・・の先端部は、1枚の苗トレイ6の下面に略垂直方向に臨む角度で配置され、ポット苗5・・・の根鉢の底部に垂直に当接するようにしている。
該押出軸18は、左右端部付近(機体進行方向に対して左右方向)をガイド28によりガイドされる構成とし、回動アーム22aによる揺動運動が略直線運動とされる。
そして、該押出軸18の両端部には、一端を固定した引張りバネ29の他端が軸支され、前記カム25が作用しない角度においては、押出ピン7・・・がガイド28内に内装される。また、この状態においては、ストッパ31により、回動アーム22bの回動が規制されている。
【0018】
以上のように構成し、カム25の回転により、回動アーム22a・22bが揺動して押出ピン7・・・を往復移動させ、ポット苗5・・・の底部(根鉢)に突当てることにより、ポット苗5・・・が苗トレイ6から押出しされる構成としている。
【0019】
一斉に押出されたポット苗5・・・は、苗取機構13の左右一対の苗ホルダ33a・33bに装填される。該苗ホルダ33a・33bには、上方に開口部を向ける断面Cの字形或いはコの字形或いはUの字形の貫通溝53・・・が形成されており、該貫通溝53・・・の数は、苗ホルダ33a・33bの両方合わせて1枚の苗トレイ6の横一列分の苗数と同数としている。即ち、1つの苗ホルダ33a(33b)には、1枚の苗トレイ6の横一列分の苗数の半分の数の貫通溝53・・・を形成している。
また、該貫通溝53・・・の開口側は、苗トレイ6側としている。これは、ポット苗5・・・を迎えに行く際に、苗トレイ6の上に位置するポット苗5・・・の葉と干渉しないようにするためである。
そして、左右一対の苗ホルダ33a・33bは、平行リンク機構により、1枚の苗トレイ6とこれに対して備える左右一対の苗搬送コンベア14A・14C(14B・14D)の間を平行状態を保ったまま揺動運動するようにしている。この左右一対の苗ホルダ33a・33bの揺動運動は、苗トレイ6側での死点においては、左右の苗ホルダ33a・33bがその左右端(内側端)が略当接して、苗トレイ6の横幅全体を上から跨ぐようにしている。一方で、苗搬送コンベア14A・14C(14B・14D)側での死点においては、左右の苗ホルダ33a・33bは、苗トレイ6の中心から左右方向に振り分けられた(機体進行方向に対して左右方向)苗搬送コンベア14A・14C(14B・14D)の左右の位置に対応するようにしている。即ち、左右の苗ホルダ33a・33bの揺動運動は、機体後面から見ると、略「八」字の軌跡を描くようになっている。
【0020】
尚、図9は、苗取機構13の駆動構成の実施例を示したものであって、この実施例においては、1枚の苗トレイ6における左側について説明すると、苗ホルダ33aの左右長さと略同じ長さの間隔を開けて枢支軸40・40を配置して平行リンクアーム36a・36bの一端を枢結して、他端に苗ホルダ33aの両側を枢結する。そして、平行リンクアーム36aの中途部に連結アーム37を枢支して、該連結アーム37にクランクアーム35を枢結する。こうして、図示せぬ駆動手段からの駆動によりクランク軸34を回転させると、クランク軸34に固設したクランクアーム35が回転運動して、連結アーム37を介して平行リンクアーム36aを往復揺動させて、苗ホルダ33aを左右方向に維持させたまま斜め前後に揺動させることができるのである。
また、図10に示す如く、苗ホルダ33aの一端(図において左端)を回動アーム41の一端で軸支し、該回動アーム41を枢支軸42を回動中心として、連結アーム43及びクランクアーム44により回動させる構成としても良い。この構成においては、駆動部材が苗トレイ6等と後面視において重なることがないので、各構成部材の配置構成の自由度が広がる。
尚、苗ホルダ33b及びその駆動機構は左右対称に配置される。
【0021】
以上の苗ホルダ33a・33bの揺動運動は、苗トレイ6の間欠移送、押出ピン7・・・の運動、更には、苗搬送コンベア14A・14C(14B・14D)上でのポット苗の搬送状態に連動して行うようにしている。
即ち、苗トレイ6が1ピッチ分間欠移送された後のタイミングで、左右の苗ホルダ33a・33bがポット苗5・・・を迎えに行く。
そして、苗ホルダ33a・33bの揺動運動における苗トレイ6側の死点の位置となったと同時に、押出ピン7・・・が押出され、苗ホルダ33a・33bに1枚の苗トレイ6の横一列分のポット苗5・・・が半分ずつ装填される。
【0022】
続いて、図6及び図7に示す如く、ポット苗5・・・を装填した苗ホルダ33a・33bは、苗搬送コンベア14A・14C(14B・14D)側へ揺動する。このとき、苗搬送コンベア14A・14C(14B・14D)の搬送面には、ポット苗5・・・が存在しない(ポット苗5・・・を載せることが可能と言うこと)タイミングとしている。
【0023】
また、苗ホルダ33a・33bに装填されたポット苗5・・・の苗搬送コンベア14A・14C(14B・14D)への開放のうち、苗トレイ6の直後に配置した前側の苗搬送コンベア14B・14Dへの開放においては、図6に示す如く、苗ホルダ33a・33bの揺動運動における苗搬送コンベア14B・14D側の死点となる位置に備えた開放ピン38・・・により行われる。該開放ピン38・・・は押出軸58から苗搬送コンベア14B・14Dへ向けて突設されており、その数は、苗ホルダ33a・33bに備えた貫通溝53・・・と同数としている。そして、押出軸58の両端部(機体進行方向に対して左右端部)を、連結アーム56を介してのクランク57の回転でガイド52内を摺動させ、苗ホルダ33a・33bが苗搬送コンベア14B・14D側の死点となった際に、貫通溝53・・・に挿嵌されるように構成されている。即ち、該開放ピン38・・・が、横一列分のポット苗5・・・の根鉢を一斉に押出すようにし、1枚の苗トレイ6の横一列分のポット苗5・・・を半分ずつ一斉に苗搬送コンベア14B・14Dへ受継ぐのである。
一方、苗ホルダ33a・33bに装填されたポット苗5・・・の苗搬送コンベア14A・14C(14B・14D)への開放のうち、苗トレイ6の後方で前記苗搬送コンベア14B・14Dより後方に配置した後側の苗搬送コンベア14A・14Cへの開放においては、図7に示す如く、前側の苗搬送コンベア14B・14Dを越える苗ホルダ33a・33bの長さに対応した長さと押出しストロークを有する開放ピン38A・・・が必要となる。苗ホルダ33a・33bの揺動運動における苗搬送コンベア14A・14C側の死点となる位置に備えた開放ピン38A・・・は、押出板58Aから苗搬送コンベア14A・14Cへ向けて突設されており、その数は、苗ホルダ33a・33bに備えた貫通溝53・・・と同数としている。そして、押出板58Aの両端部(機体進行方向に対して左右端部)を、エアーシリンダ56Aのピストンロッドの出入でガイド52A内を摺動させ、苗ホルダ33a・33bが苗搬送コンベア14A・14C側の死点となった際に、貫通溝53・・・に挿嵌されるように構成されている。即ち、該開放ピン38A・・・が、横一列分のポット苗5・・・の根鉢を前側の苗搬送コンベア14B・14Dを越えて一斉に押出すようにし、1枚の苗トレイ6の横一列分のポット苗5・・・を半分ずつ一斉に後側の苗搬送コンベア14A・14Cへ受継ぐのである。
【0024】
以上のように1枚の苗トレイ6に対して苗装填機構12及び苗取機構13及び開放ピン38(38A)を1組とし、これを2組備え、苗載台11に載せた2枚の苗トレイ6から各苗トレイ6ごとに備える左右一対の苗搬送コンベア14A・14C及び14B・14Dにポット苗5・・・を取出し、各苗搬送コンベア14A・14C及び14B・14Dの搬送終端部から4つの各植付条A・C及びB・Cの植付爪50にポット苗5を1つずつ受継ぐのである。
尚、左側の苗トレイ6からこれに対して備える左右一対の後側の苗搬送コンベア14A・14Cにポット苗5・・・を取出す苗取機構13の苗ホルダ33a・33bと、右側の苗トレイ6からこれに対して備える左右一対の後側の苗搬送コンベア14B・14Dにポット苗5・・・を取出す苗取機構13の苗ホルダ33a・33bとは、同じタイミングで苗搬送コンベア側の死点に移動すると、内側の苗ホルダ同士が干渉するため、そのタイミングをずらして干渉を防止している。
【0025】
以上から明らかなように、4条植えの植付部15を備え、該植付部15は、機体進行方向に対して左右何れか一側から1条目と3条目の植付爪50に1枚の苗トレイ6から取出したポット苗5・・・を横送りする左右一対の苗搬送コンベア14A・14Cと残りの2条目と4条目の植付爪50に他の1枚の苗トレイ6から取出したポット苗50・・・を横送りする左右一対の苗搬送コンベア14B・14Dを備え、2枚の苗トレイ6で4条分の植付けを行うことによって、1枚の苗トレイ6に対しては予め設定された植付条間L2の倍の植付条間で植付けることになるから、図2及び図3に示す如く、苗トレイ幅L3(ポット苗5・・・の一列分の幅)よりも狭い植付条間L2での植付けることは無論のこと、図4及び図5に示す如く、従来の構成においては不可能であった、苗トレイ幅L3よりも狭い植付条間L2での植付けも可能となる。
植付条間L2の設定は、上述した苗搬送コンベア14A・14B・14C・14Dの搬送長さの設定、及び苗ホルダ33a・33bの揺動運動の軌跡等を調整することによって可能となるののであり、所望の植付条間L2の設定が可能となる。
例えば、苗トレイ6の左右端に位置するポット苗5の距離(苗トレイ幅L3)が30cmである場合でも、27cmの植付条間L2とすること等が可能となるのである。
【0026】
本実施例は乗用型の移植機に本発明を適用したものを示したが、歩行型の移植機に適用しても良い。本発明の植付部15の構成及びその植付方法は、植付条数が4の倍数(4、8、12・・・等)の植付部に適用できる。植付部15においては、4本の縦伝動パイプ55にそれぞれロータリ植付機構21をそれぞれ1つずつ取付けたが、2本の縦伝動パイプ55にそれぞれ2つずつ(1条目と3条目、2条目と4条目が一対になるように)ロータリ植付機構21を取付けても良い。ロータリ植付機構21に代えてホッパ形の植付爪を用いても良い。苗載台11は苗トレイ6を2枚左右に並べて載せることができるものを示したが、苗トレイ6を1枚だけ載せる苗載台を機体進行方向に対して左右方向に2つ並べて配置しても良い。植付フレーム56には植付け深さを設定調節するゲージ輪や、移植後の苗に覆土・鎮圧を行う覆土輪及び鎮圧輪等を取付けても良い。また苗トレイ6から苗搬送コンベア14A・14C(14B・14D)へのポット苗5・・・の取出方法は、上述したものに限るものではなく、1枚の苗トレイ6の横一列分のポット苗5・・・を一斉に取出し、取出した横一列分のポット苗5・・・を、1枚の苗トレイ6に備える左右一対の苗搬送コンベア14A・14C(14B・14D)に半分ずつ載せることができるものであれば良い。
【0027】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
即ち、請求項1の如く、4条植えの植付部15を備え、該植付部15は、機体進行方向に対して左右何れか一側から1条目と3条目の植付爪50に1枚の苗トレイ6から取出したポット苗5・・・を横送りする左右一対の苗搬送コンベア14A・14Cと残りの2条目と4条目の植付爪50に他の1枚の苗トレイ6から取出したポット苗5・・・を横送りする左右一対の苗搬送コンベア14B・14Dを備え、2枚の苗トレイ6で4条分の植付けを行う構成としたので、従来において、苗トレイ6の幅L3により一義的に決定されていた植付条間L2が、苗トレイ6の幅に制約されることなく、自由に設定可能となり、引いては、苗の種類や、畝幅に応じた、様々な植付条間L2に対応することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を乗用移植機において実施した例を示す側面図である。
【図2】植付条間を広く構成する際における苗搬送コンベアの平面図である。
【図3】植付条間を広く構成する際における苗搬送コンベアの後面図である。
【図4】植付条間を狭く構成する際における苗搬送コンベアの平面図である。
【図5】植付条間を狭く構成する際における苗搬送コンベアの後面図である。
【図6】前側の苗搬送コンベアに対する苗取機構の側面図である。
【図7】後側の苗搬送コンベアに対する苗取機構の側面図である。
【図8】苗取機構の後面図である。
【図9】苗取機構の平行リンク機構の構成の実施例を示す後面図である。
【図10】苗取機構の平行リンク機構の構成の他の実施例を示す後面図である。
【図11】従来の植付部の構成を示す後面図である。
【符号の説明】
5 ポット苗
6 苗トレイ
14A 苗搬送コンベア
14B 苗搬送コンベア
14C 苗搬送コンベア
14D 苗搬送コンベア
15 植付部
50 植付爪
Claims (2)
- 4条植えの植付部を備え、該植付部は、機体進行方向に対して左右何れか一側から1条目と3条目の植付爪に1枚の苗トレイから取出したポット苗を横送りする左右一対の苗搬送コンベアと残りの2条目と4条目の植付爪に他の1枚の苗トレイから取出したポット苗を横送りする左右一対の苗搬送コンベアを備え、2枚の苗トレイで4条分の植付けを行うことを特徴とする移植機。
- 2組の苗搬送コンベアは、3条目と2条目の植付爪に対する苗搬送コンベアが前後方向にて重なるように配設する請求項1記載の移植機。
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