JP4521009B2 - ワークテーブル移動装置 - Google Patents

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本発明は、ワークが取り付けられるワークテーブルの下部に、リニアモータを構成する可動子が設けられるとともに、基台の上部には、前記可動子に対向して前記リニアモータを構成する固定子が設けられ、前記ワークテーブルを前記基台に対して移動させるワークテーブル移動装置に関する。
例えば、ワークに対して、切削乃至研削加工を行う工作機械では、前記ワークが取り付けられるテーブル(以下、ワークテーブルともいう)を、基台(ベース)に対し送り装置、例えば、リニアモータを介して移動させる構成が採用されている。
例えば、特許文献1に開示されているリニアモータを用いた送り装置が、図4に示されている。この送り装置は、ベース1、移動体2及び4つのリニアモータ3を備えている。ベース1は、左右両側に側面梁1aを有するとともに、前記側面梁1aの中央部に中央梁1bを有している。
各リニアモータ3を構成する可動子(コイルを含む)3aは、移動体2の可動子取付部材2aの両側に取り付けられている。一方、各リニアモータ3を構成する固定子(永久磁石を含む)3bは、側面梁1aの内面及び中央梁1bの両面に取り付けられている。各側面梁1a上には、ガイドブロック4が取り付けられるとともに、移動体2は、前記ガイドブロック4に案内される第1摺動部材5及び第2摺動部材6を有している。
ガイドブロック4と第1摺動部材5及び第2摺動部材6とに、移動体2を静圧案内面によって支持する構成が採用されている。具体的には、第1摺動部材5には、ガイドブロック4の案内面4a、4bに対向する側面に、図示しないポケットが形成されている。同様に、第2摺動部材6には、ガイドブロック4の案内面4cに対向する側面に、図示しないポケットが形成されている。各ポケットには、圧油を供給するための圧油供給手段が連通している。
図5には、特許文献2に開示されている砥石台100が示されている。砥石台100は、固定ベース102に対しリニアモータ104を介して移動自在な本体部106を備えている。固定ベース102には、幅方向両端に一対の水平ガイド板108が設けられるとともに、前記水平ガイド板108間には直線ガイド板110が配置されている。
本体部106には、水平ガイド板108の上面、下面及び直線ガイド板110の側面に対向する案内面に、それぞれ静圧ポケット112a、112b及び112cが形成されている。リニアモータ104は、本体部106に配置される電磁コイルユニット114と、直線ガイド板110に設けられる永久磁石板ユニット116とを備えている。
特開平9−19844号公報(図1) 特開2001−198815号公報(図2)
ところで、上記の特許文献1では、例えば、移動体2が鋼材で形成されていると、4つのリニアモータ3の固定子3bを構成する永久磁石により、前記移動体2の中央側が下方に吸引される。しかも、移動体2には、前記移動体2の自重や該移動体2に取り付けられるワーク(図示しない)の自重が作用している。
このため、移動体2は、その幅方向(移動方向に交差する方向)両端部が支持されているガイドブロック4を支点にして、幅方向中央部側に下方に向かう撓みが発生するおそれがある(図4中、二点鎖線参照)。
これにより、ガイドブロック4に第1摺動部材5や第2摺動部材6が接触し、前記移動体2が移動する際に接触部位にかじり等が惹起し易く、前記移動体2を円滑に移動させることができないという問題がある。その際、移動体2には、図示しないワークが取り付けられており、このワークに対する研削加工や切削加工等が高精度に遂行されないという問題がある。
一方、上記の特許文献2では、本体部106は、永久磁石板ユニット116の吸引力及び自重によって撓み易い。このため、特許文献1と同様に、水平ガイド板108に本体部106の案内面が接触するおそれがあり、接触部位にかじり等が惹起して、前記本体部106を円滑に移動させることができないという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、ワークテーブルの撓みを良好に阻止し、前記ワークテーブルを基台に対して円滑に移動させることができ、ワークに対して高精度な作業を確実に遂行することが可能なワークテーブル移動装置を提供することを目的とする。
本発明は、ワークが取り付けられるワークテーブルの下部に、リニアモータを構成する可動子が設けられるとともに、基台の上部には、前記可動子に対向して前記リニアモータを構成する固定子が設けられ、前記ワークテーブルを前記基台に対して移動させるワークテーブル移動装置に関するものである。
このワークテーブル移動装置は、ワークテーブルの移動方向に交差する幅方向両端部側に構成される第1静圧案内機構と、リニアモータと前記第1静圧案内機構との間に位置して前記ワークテーブルの下部側に構成される第2静圧案内機構とを備えている。
また、ワークテーブル移動装置は、幅方向両端部側下部に、前記幅方向中央部側下部に設けられるリニアモータを挟んで基台側に膨出する肉厚部を有するとともに、前記肉厚部には、第2静圧案内機構が構成されることが好ましい。
本発明では、ワークテーブルには、リニアモータを構成するマグネットの吸引力及び各部材の重力が作用するため、前記ワークテーブルは、第1静圧案内機構を支点にして中央部が下方に撓み易い。その際、ワークテーブルの下部側は、第1静圧案内機構とリニアモータとの間で第2静圧案内機構により保持されている。
このため、ワークテーブルの下部には、第1静圧案内機構を支点にして上方に向かうモーメント力が発生する。従って、ワークテーブルは、中央部が下方に撓むことをモーメント力により良好に阻止することができ、第1静圧案内機構における流体封入溝の間隙が減少することがない。これにより、かじり等が惹起することを阻止し、ワークテーブを基台に対して円滑に移動させることができ、ワークに対して高精度な作業を確実に遂行することが可能になる。
図1は、本発明の実施形態に係るワークテーブル移動装置10を組み込む研削機12の概略斜視説明図であり、図2は、前記ワークテーブル移動装置10の要部斜視説明図である。
研削機12は、基台14を備え、この基台14上には、ワークテーブル移動装置10を構成するリニアモータ16を介してワークテーブル18が矢印X方向に移動可能に装着される。ワークテーブル18上には、ワークスピンドル20とワーク保持機構22とが対向して配置される。ワークスピンドル20の先端には、チャック24が設けられており、このチャック24とワーク保持機構22とにより、ワーク、例えば、カムシャフト26の両端部が回転自在に支持される。
基台14の端部には、テーブル28が設けられるとともに、このテーブル28上には、砥石台30が配設される。砥石台30には、円盤状の砥石32が回転自在に取り付けられている。
基台14上には、ワークテーブル18の移動方向に交差する矢印Y方向(幅方向)両端部側に、支持部材34a、34bが設けられ、前記支持部材34a、34bに第1静圧案内機構36が構成される。第1静圧案内機構36は、支持部材34a、34b上に固定され、矢印X方向に延在するブロック部材38a、38bを備える。
ワークテーブル18は、図3に示すように、ブロック部材38a、38bの案内面40a、40b及び40cに対向する側面42a、42b及び42cにポケット43a、43b及び43cを設ける。このポケット43a、43b及び43cは、矢印X方向に複数設けられるとともに、図示しない圧油供給手段に連通している。
ワークテーブル18の下部には、幅方向両端側にリニアモータ16を挟んで基台14側に膨出する肉厚部44a、44bが設けられるとともに、前記肉厚部44a、44bには、第2静圧案内機構46が構成される。第2静圧案内機構46は、上記の第1静圧案内機構36と同様に、基台14上に固定されて矢印X方向に長尺なブロック部材48a、48bを備える。肉厚部44a、44bは、ブロック部材48a、48bの上面である案内面50に対向する底面52に、ポケット53が複数形成される。ポケット53は、図示しない圧油供給手段に連通している。
リニアモータ16は、基台14上に矢印X方向に沿って配置される固定子54と、ワークテーブル18の下部に肉厚部44a、44b間に対応して固定される可動子56とを備える。固定子54は、プレート状の磁石を有する一方、可動子56は、コイルを有している。
このように構成される研削機12の動作について、本実施形態に係るワークテーブル移動装置10との関連で以下に説明する。
先ず、ワークスピンドル20のチャック24とワーク保持機構22とに、カムシャフト26の両端が保持された後、前記ワークスピンドル20を介して前記カムシャフト26が回転される。
一方、砥石台30では、砥石32が所定の方向に回転駆動される。そして、砥石32に対してカムシャフト26を近接及び離間させることにより、このカムシャフト26のカムプロフィールに沿って、前記カムシャフト26の研削が行われる。
その際、ワークテーブル18では、図3に示すように、第1静圧案内機構36及び第2静圧案内機構46を構成する各ポケット43a〜43c及び53に圧油が供給されている。このため、ワークテーブル18は、ブロック部材38a、38b、48a及び48bに対して静圧支持される。
この状態で、図示しない制御装置によりリニアモータ16を構成する可動子56内のコイルが励磁されると、前記可動子56に対向する固定子(磁石)54との間に推力が発生する。この推力により、ワークテーブル18が矢印X方向に移動する。
この場合、ワークテーブル18は、例えば鋼材で形成されており、このワークテーブル18には、磁石を備える固定子54の吸引力が下方向に作用している。しかも、ワークテーブル18には、前記ワークテーブル18自体の自重や前記ワークテーブル18上に装着されているワークスピンドル20、ワーク保持機構22及びカムシャフト26等の自重による重力が作用している。
このため、図3に示すように、ワークテーブル18は、第1静圧案内機構36を構成するブロック部材38a、38bを支点にして中央部が下方に撓み易い(矢印F1参照)。
ここで、本実施形態では、ワークテーブル18の下部側が、第1静圧案内機構36とリニアモータ16との間で第2静圧案内機構46により保持されている。従って、ワークテーブル18の下部には、第1静圧案内機構36を構成するブロック部材38a、38bを支点にして上方に向かうモーメント力(図3中、矢印F2参照)が発生している。
これにより、ワークテーブル18は、中央部が下方に撓むことをモーメント力により良好に阻止することができ、第1静圧案内機構36における流体封入溝の間隙が減少することはない。すなわち、ブロック部材38a、38bの案内面40a、40b及び40cとワークテーブル18の側面42a、42b及び42cとの間に所望の間隙が形成されており、これらに片当たりが惹起することがない。
このため、第1静圧案内機構36にかじり等が発生することを阻止し、ワークテーブル18を基台14に対して矢印X方向に円滑に移動させることができる。これにより、カムシャフト26の位置決め精度が向上し、前記カムシャフト26に対して高精度な研削作業を確実に遂行することが可能になるという効果が得られる。
なお、本実施形態では、ワークとしてカムシャフト26を用い、このカムシャフト26に砥石32を介して研削加工を行う研削機12を用いて説明したが、これに限定されるものではなく、種々のワークに切削加工等の種々の加工を施す作業機に用いることができる。
本発明の実施形態に係るワークテーブル移動装置を組み込む研削機の概略斜視説明図である。 前記ワークテーブル移動装置の要部斜視説明図である。 前記ワークテーブル移動装置の動作説明図である。 特許文献1の送り装置の説明図である。 特許文献2の案内機構の説明図である。
符号の説明
10…ワークテーブル移動装置 12…研削機
14…基台 16…リニアモータ
18…ワークテーブル 26…カムシャフト
30…砥石台 32…砥石
34a、34b…支持部材 36、46…静圧案内機構
38a、38b、48a、48b…ブロック部材
43a〜43c、53…ポケット 44a、44b…肉厚部
54…固定子 56…可動子

Claims (2)

  1. ワークが取り付けられるワークテーブルの下部に、リニアモータを構成する可動子が設けられるとともに、基台の上部には、前記可動子に対向して前記リニアモータを構成する固定子が設けられ、前記ワークテーブルを前記基台に対して移動させるワークテーブル移動装置であって、
    前記ワークテーブルの移動方向に交差する幅方向両端部側に構成される第1静圧案内機構と、
    前記リニアモータと前記第1静圧案内機構との間に位置して前記ワークテーブルの下部側に構成される第2静圧案内機構と、
    を備えることを特徴とするワークテーブル移動装置。
  2. 請求項1記載のワークテーブル移動装置において、前記ワークテーブルは、前記幅方向両端部側下部に、幅方向中央部側下部に設けられる前記リニアモータを挟んで前記基台側に膨出する肉厚部を有するとともに、
    前記肉厚部には、前記第2静圧案内機構が構成されることを特徴とするワークテーブル移動装置。
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