JP4520611B2 - ガラス、光学部材ならびに電気泳動装置用部材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス、光学部材ならびに電気泳動装置用部材およびその製造方法に関し、特に、ドライエッチングに対して高いエッチレートを有する紫外線透過性のガラス、該ガラスを用いた光学部材、たとえば、電気泳動装置用部材、ならびに該ガラスを用いて電気泳動用部材を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気泳動分析法は、媒体中の試料に電界をかけ、電界下における物質の移動度の差によって、試料中の物質を分離・分析する方法であり、化学分析の分野で広く用いられている。近年特に進歩が著しいDNAやタンパク質の分析でも、この電気泳動分析は基本的な分析方法の一つであり、その用途に適するように改良が加えられている。
【0003】
このうち、キャピラリー電気泳動装置は、試料を含む媒体が導入される通路として内径100μm程度の細管(キャピラリー)を用い、そのキャピラリーの両端に電圧を印加して分離・分析を行うものである。たとえば、図1に示すように、キャピラリー電気泳動装置10は、ベースプレート11とカバープレート12との間に微細な通路(キャピラリー)12aおよび12bを有している。通路12aは電解質液を流すためのもので、その両端には電解質液貯留部13aおよび13bが設けられている。通路12bは分析すべき試料を流すためのもので、その両端には試料貯留部14aおよび14bが設けられている。通路12aと通路12bとは交差しており、試料に電解質液が混合されるようになっている。分析に際しては、通路12bに保持される試料に電界がかけられる。キャピラリー電気泳動分析は、キャピラリー内での熱による対流を減らすことができる点、高い電圧を印加できる点、さらに、微量成分を正確に分析できる点で優れており、DNAおよびタンパク質の分析に適している。
【0004】
この装置の微細な通路(キャピラリー)は、ガラス等の基板に化学反応を利用したウェットエッチングを施すことにより製造できる。しかし、ウェットエッチングは等方性エッチングであるため、通路の断面形状が矩形にならずに底の部分が丸くなったり、横方向の寸法精度が悪くなるという問題を生じさせる。図2は、底の部分が丸くなった通路を示している。通路22にUV光を照射し、その透過光を検出器21で検出して分析を行う場合、テーパ形状の底部は、不均質な光路をもたらし、したがって分析精度を低下させる。また、短時間で複数のサンプルを分析するため複数の通路を並列したレイアウトを形成する場合、ウェットエッチングによれば、図3に示すように、隣り合う通路がはっきり分離されず繋がってしまうことがある。したがって、ウェットエッチングにより形成される通路は、より高い精度が要求される分析には適当ではない。
【0005】
DNA等の微量かつ複雑な試料の分析精度を向上させるには、通路の断面形状をなるべく矩形にし、その上、通路の寸法精度を向上させる必要がある。そこで、ウェットエッチングの代わりに、半導体製造技術で広く用いられているプラズマを利用したドライエッチング技術を含むマイクロマシニング技術によれば、ガラス基板に幅が100μm以下の通路を寸法精度良く形成することができるはずである。しかし、ドライエッチングによるガラスの加工には、以下に示すような問題が存在している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
キャピラリー電気泳動装置で分離したDNAの判別は、DNAごとの光吸収波長の違いを利用し、キャピラリーに光を照射して吸収スペクトルを測定することにより行う。キャピラリー中に分離されたDNAの量はごくわずかであるので、極めて小さい光吸収量の差を検出する必要がある。また、DNAの吸収波長は200〜400nmの紫外領域にあるため、キャピラリーを形成するガラス基板は、その波長領域の紫外線の透過性能に優れている必要がある。そのため、キャピラリーを形成する基板には、通常石英が用いられる。しかし、ドライエッチングによる石英ガラスのエッチレートは遅い。たとえば、ポリシリコンマスクを介してF系ガスによるドライエッチング処理を行った場合、800Å/minのエッチレートしか得られない。このエッチレートでは、たとえば40μmの深さの通路を形成するのに8時間も必要となる。
【0007】
特開平11−83798号公報には、検出感度を上げるために通路の幅に対する通路の高さの比(アスペクト比)を大きくし、光が透過する媒体の距離が長くなるようにしたキャピラリー電気泳動装置が開示されている。同公報には、そのような深い通路を形成するため、RIE等のプラズマエッチングを用いることが示されている。しかし、半導体製造工程での被処理膜の厚さが通常1μm程度である一方、そのような通路の深さは数十μmにものぼる。そのような深い通路を半導体製造に用いられるプラズマエッチング装置により形成すれば、処理時間が極めて長くなり、生産性は低くなる。
【0008】
また、通路形成のマスクとしてフォトレジスト、ポリシリコン等を用いることができるが、半導体製造装置においてマスクのエッチレートに対する石英ガラスのエッチレートの比(選択比)は通常5以下であり、また、マスクの肩部がエッチング中に横方向に後退していくので、たとえば深さ40μmの通路を形成する場合には厚さ10μm以上ものマスクを形成する必要がある。このようなマスクを精度良く形成することは困難である。
【0009】
これらの理由から、ガラス基板のエッチレートを向上させることにより、処理時間を短縮し、さらにマスクを薄くする必要があった。
【0010】
本発明は、半導体製造に一般的に用いられるプラズマ処理装置を用いた場合でも、エッチングレートが高く、しかも波長200nm〜400nmの紫外光の透過率が良好であるガラスを提供することを目的とする。
【0011】
さらに本発明は、そのようなガラスを用いた光学部材、ならびに、そのようなガラスを用いた電気泳動装置用部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によるガラスは、SiO2を主成分とし、PおよびBの少なくとも1種類を含有する。本発明によるガラスにおいて、PおよびBの含有量の合計は5質量%〜20質量%であり、OHの濃度は10ppm以上である。
【0013】
本発明によるガラスにおいてClの濃度は1ppm以下であることが好ましい。
【0014】
また本発明により、上記ガラスからなる光学部材が提供される。そのような光学部材は、たとえば、電気泳動装置用部材、DNA等の蛍光分析装置等において試料を保持し紫外光を照射するするための試料ホルダー、回折格子などの光学部材、ならびにプラズマエッチング装置により微細な加工を要求されかつ紫外光の透過率が重要な用途、たとえば、光導波路等の光デバイスを含む。
【0015】
さらに本発明により、分析すべき試料を保持するための光透過性の通路を有する電気泳動装置用部材であって、該光透過性の通路が上記ガラスからなることを特徴とする電気泳動装置用部材が提供される。
【0016】
さらに本発明により、上記電気泳動装置用部材の製造方法であって、上記ガラスからなる部材にドライエッチングを施すことにより光透過性の通路を形成する工程を備えることを特徴とする電気泳動装置用部材の製造方法が提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明によるガラスの主成分はSiO2である。そのため、200〜400nmの紫外光の透過性能が良好であり、しかも半導体製造に通常用いられるシリコン酸化膜エッチング装置を用いてエッチング加工することができる。
【0018】
さらに本発明によるガラスは、質量百分率で5%〜20%のPおよび/またはBを含有する。これにより、紫外光の透過率を、たとえばキャピラリー電気泳動装置の検出精度を確保するために必要とされる85%以上に確保しつつ、プラズマエッチング装置を用いたときのエッチングレートを石英ガラスの場合の1.2〜4倍にすることができる。
【0019】
PまたはBのみ含まれる場合のPの含有量またはBの含有量、あるいはPとBの両方が含まれる場合のPとBの含有量の合計が5%未満であると、エッチングレートが向上せず、石英ガラスと変わらなくなる。一方、その含有量が20%を超えると紫外光の透過性能、特に200nm〜300nmの範囲の紫外光の透過率が低下する。
【0020】
本発明によるガラスにおいてOH濃度は10ppm以上である。OH濃度は10ppm以上であれば特に限定されるものではないが、OH濃度の好ましい範囲は、たとえば10〜50ppmである。OH濃度が10ppm未満となるよう脱水を進行させると、酸素欠乏欠陥等により200〜400nmの透過率が低下する。
【0021】
また、本発明によるガラスにおいてCl濃度は1ppm以下すなわち塩化銀沈殿法による検出限界以下であることが好ましい。Cl濃度が1ppmを超えると、Clが325nmに吸収帯を持ったり、245nm近傍に吸収を有する酸素欠乏欠陥を誘起して、紫外光の透過率が低下する。
【0022】
本発明によるガラスの200〜400nmの範囲の光に対する透過率は、光路長1cmあたり85%以上とすることができ、たとえば85%〜95%、好ましくは90%〜95%とすることができる。
【0023】
本発明によるガラスにおいて、PおよびBは、Si−Oネットワーク構造中にとり込まれた形態で存在する。
【0024】
本発明によるガラスは、典型的に、気相軸付け法(VAD法)により製造することができる。この方法による場合、SiCl4、H2、O2およびPOCl3の混合ガス、SiCl4、H2、O2およびBBr3の混合ガス、あるいはSiCl4、H2、O2、POCl3およびBBr3の混合ガスを、たとえば図4(a)に示すように、多層バーナー40から容器41内へ噴出させ、火炎中でこれらのガスを加水分解する事により、多孔体(スート)を形成する。スートは容器41上方に設けられた回転しつつ徐々に引き上げられる種棒42に付着し、不透明で多孔質のシリカ系ガラス柱43を形成する。ガラス中のPおよび/またはBの含有量は、上記工程においてP源(たとえばPOCl3)、B源(たとえばBBr3)の供給量をそれぞれ調整することにより、所望の値にすることができる。次いで、得られたシリカ系ガラス柱を高温真空下で脱水処理した後、図4(b)に示すように、シリカ系ガラス柱43をヘリウム雰囲気下で回転しつつ1500℃付近までヒータ44により加熱し、透明なガラス柱45を得る。そして、得られたガラス柱を所定の寸法に切り出し、表面を研磨することにより、ガラス基板を形成することができる。
【0025】
このVAD法において、得られるガラス中のOH濃度およびCl濃度は、焼結してガラス透明体にする過程において1000℃〜1300℃の温度で真空あるいは減圧He雰囲気下で加熱することにより調整できる。たとえば、多孔体を焼結してガラスにする工程において、He1気圧下1200℃まで2時間で昇温し、1200℃〜1500℃まで1時間で昇温した後、1500℃で4時間保持し、透明化する。このような焼結工程の後、炉冷してガラスを取り出す。以上の工程で得られるガラスのOH濃度は100〜200ppm、Cl濃度は10〜50ppmである。一方、Cl濃度を低減したい場合、焼結工程において真空下で1200℃まで2時間で昇温し、次いで1200℃の温度で3時間以上保持することにより脱Clを進行させることができる。その後Heを導入し、1500℃まで1時間で昇温した後、1500℃で4時間保持して透明化する。以上の工程において1200℃の温度を12時間保持した場合、得られるガラスのOH濃度は20〜60ppmであり、Cl濃度は1ppm以下である。このように、真空下1200℃で3時間以上保持することによりCl濃度を1ppm以下にすることができる。一方、真空下1200℃で3時間以上保持することによりOH濃度は100ppm以下に減少し得る。このような焼結工程において、真空下で保持する温度は1000℃〜1400℃が望ましい。保持温度が1000℃未満であると脱Clに長時間を要するようになる。一方、保持温度が1400℃を超えると焼結が進行して脱Clが阻害され、比較的高い濃度でClが残留するようになる。
【0026】
上述した製法により得られた本発明によるガラスは、種々の形状に加工して、種々の光学部材とすることができる。たとえば、微細な通路(キャピラリー)を有する電気泳動装置用部材は、図5(a)〜(e)に示す工程により製造することができる。まず、図5(a)に示すように、得られたガラス板50の片面上にフォトレジスト51を塗布する。次いで図5(b)に示すように、フォトレジスト51をパターニングする。そして、レジストパターン51’をエッチングマスクとしてガラス板50をドライエッチングし、図5(c)に示すような微細な溝52をガラス板50に形成する。ドライエッチングは、典型的には、プラズマエッチング、特に反応性イオンエッチング(RIE)である。ドライエッチングには、半導体装置の製造に一般的に用いられているドライエッチング装置、典型的にはプラズマエッチング装置を使用することができる。次いで、レジストパターン51’をたとえばアッシング装置において除去し、図5(d)に示すような溝52を有するガラス板50を得る。そして、図5(e)に示すように、必要に応じて媒体の供給・排出口53等を形成した本発明によるガラス板50’をガラス板50に貼り合わせ、キャピラリー電気泳動装置用部材60を得る。
【0027】
得られた電気泳動用部材60は、本発明による透光性ガラスで形成された透光性の通路61を有する。通路61には分析すべき試料を入れることができる。通路61に保持される試料には、光、たとえば波長200〜400nmの紫外光を照射することができる。また、通路61に保持される試料には、電気泳動のための電圧を印加することができる。試料を保持した通路61を通った光は、検出器で検出することができる。上述したようなドライエッチングによれば、通路61の断面をほぼ矩形にすることでき、分析のための光が通る光路は均一なものになり得る。したがって、精度の高い分析を行うことができる。
【0028】
【実施例】
上述したVAD法により、B、P、OHおよびClの含有率を種々変えたガラスを作製し、それぞれについてエッチレートおよび400nmと200nmの紫外光の透過率を測定した。
【0029】
作製したガラスの透過率は、次の方法により測定した。ガラスを10mm×10mm×40mmの直方体形状に切り出し、10mm×40mmの一つの対向する面を研磨した。この面での反射を無くするため、最終仕上げは酸化セリウム粉末を用いてRa≦5nmの鏡面仕上げとした。この研磨した面から測定光を入射させ、ガラス試料を通らない光をリファレンスとして透過率を算出した。この測定には、紫外可視分光計(日本分光製UV550)を用いた。
【0030】
作製したガラスのエッチングレートは、次の方法により測定した。まず、ガラスを厚さ2mmの板に切り出し、上述した通路の製造方法により、レジストパターンを形成し、得られたレジストパターンをマスクとしてガラス板を所定の時間ドライエッチングした。ドライエッチングには、図6に示すような平行平板型プラズマエッチング装置を用いた。装置70において、上部電極71と下部電極72との間にガラス板75を配置し、装置内にエッチングガス74を導入し、高周波電源73により電極71と電極72との間に電圧を印加してプラズマを生成させた。エッチングガスにはCF4、CHF3およびArの混合ガスを使用した。電極の間隔は10mmであった。850W、13.56MHzの高周波電力を使用し、試料台温度を−30℃に設定してプラズマエッチングを行った。次いでレジストをアッシング装置において除去した後、通路となる溝を形成した部分と形成しない部分の段差を半導体製造で一般的に用いられる接触型段差計で測定した。そして、測定された段差をエッチング時間で割ることにより、エッチレートを算出した。
【0031】
また、得られたガラス中のOH濃度は赤外分光光度計(日本分光FT−IR7300)により測定した。さらにガラス中のCl濃度は塩化銀沈殿法により測定した。
【0032】
結果を表1〜3に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
表1の実施例1〜3に示すように、BとPの合計含有率が5%以上であると、エッチレートは100nm/min.以上となり、石英ガラス(比較例1)のエッチレート80nm/min.の1.25倍以上となる。その上、紫外光の透過率は88%以上であり、石英ガラスとほぼ同等である。一方、BとPの合計含有率が5%未満であると(比較例3)エッチレートの上昇はわずかであり、また20%を超えると(比較例2)200nmの透過率が85%未満となってしまう。
【0037】
表2に示すように、OH濃度が10ppm未満であると(比較例4)200nmの透過率が85%未満となる。また表3に示すように、Cl濃度が1ppmを超えると(比較例5)200nmの透過率が85%未満となる。
【0038】
得られたガラス板を用いて、図5に示すようなプロセスにより、キャピラリー電気泳動装置用部材を作製した。まず、ガラス板の片側にフォトレジストを塗布した。次に、必要なキャピラリーの形状に合わせたフォトマスクを用いて、フォトレジストにパターンニングを行った。次いで図6に示すような平行平板型プラズマエッチング装置を用い、パターンニングしたフォトレジストをマスクとして、ガラス板をドライエッチングした。エッチングガスには、CF4、CHF3およびArの混合ガスを用い、電極間隔10mm、高周波電力13.56MHz、850W、試料台温度−30℃で処理を行った。次いで、レジストをアッシング装置で除去した。また、もう一つのガラス板に、HFを用いたウェットエッチングあるいは機械加工により、媒体の供給・排出口等を形成した。このガラス板と通路を形成したガラス板とを融着により張り合わせて、キャピラリー電気泳動装置用部材を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 キャピラリー電気泳動装置の一例を模式的に示す斜視図である。
【図2】 ウェットエッチングにより底部が丸くなった通路を示す概略断面図である。
【図3】 ウェットエッチングにより複数の通路が明確に分離できず、繋がった様子を示す概略断面図である。
【図4】 VAD法の一例を示す模式図である。
【図5】 (a)〜(e)は電気泳動装置用部材の製造方法の一例を示す概略断面図である。
【図6】 プラズマエッチング装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
10 キャピラリー電気泳動装置、11 ベースプレート、12 カバープレート、12a,12b 通路、13a,13b 電解質液貯留部、14a,14b 試料液貯留部、21 検出器、22 通路、41 容器、42 種棒、43ガラス柱、50,50’ ガラス板、51 フォトレジスト、51’ レジストパターン、52 溝、60 電気泳動用部材、61 通路、70 プラズマエッチング装置、71 上部電極、72 下部電極、73 高周波電源、74 エッチングガス、75 ガラス板。
Claims (5)
- SiO2を主成分とし、
PおよびBの少なくとも1種類を含有し、
前記Pおよび前記Bの含有量の合計が5質量%〜20質量%であり、
OHの濃度が10ppm以上であるガラス。 - Clの濃度が1ppm以下である請求項1に記載のガラス。
- 請求項1または2に記載のガラスからなる光学部材。
- 分析すべき試料を保持するための光透過性の通路を有する電気泳動装置用部材であって、
前記光透過性の通路が請求項1または2に記載のガラスからなることを特徴とする電気泳動装置用部材。 - 請求項4に記載の電気泳動装置用部材の製造方法であって、
請求項1または2に記載のガラスからなる部材にドライエッチングを施すことにより光透過性の通路を形成する工程を備えることを特徴とする電気泳動装置用部材の製造方法。
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