JP4519340B2 - レオロジーコントロール剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はレオロジーコントロール剤及びこれを含有する油状組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ニュートン流体の動的弾性率(単位:Pa)の対数は、印加する歪み周波数(単位:rad/secまたはHz)の対数値に比例し、その比例定数は概ね2である。すなわち、一般に液状物質は、数百Hz程度以上の高周波数の歪みに対しては極めて高弾性率で応答するが、日常生活で接する機会の多い数〜数十Hzの低周波数の歪みに対しては極めて低弾性率で応答する。後者での動的弾性率はしばしば測定不能レベル(0.01Pa未満)の小さな値となるため、これまで「液体の弾性」あるいは「液状組成物の弾性」といった概念は馴染みの薄いものとなっていた。他方、非ニュートン流動を示すコロイド濃厚溶液や高分子濃厚溶液の中には測定可能なレベルの弾性を有するものもあるが、これらは高濃度であるが故、溶液粘度が異常に高く、しばしば溶液に本来求められる円滑な流動性を損なっていた。
【0003】
本発明の課題はこのような従来の欠点を解決して、油剤に添加することにより、液体としての十分な流動性を保ったまま、顕著に高い溶液弾性率を付与できる油剤のレオロジーコントロール剤、及びレオロジー特性が著しく改善された油状組成物を提供することにある。
【0004】
ここで、顕著に高い溶液弾性率とは、例えば、25℃における濃度10重量%の油状組成物の、周波数10rad/secの歪みに対する貯蔵弾性率(G’(10%))が、同一条件下の油剤のみの貯蔵弾性率(G’oil)の2倍以上、好ましくは5倍以上、さらに好ましくは10倍以上に向上することを指す。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式(I)で表される重合単位(以下重合単位(I)という)を有するポリエーテルからなる油剤のレオロジーコントロール剤、並びにこのレオロジーコントロール剤及び油剤を含有する油状組成物を提供する。
【0006】
【化2】
【0007】
[式中、R1は水素原子を示すか、置換基を有していてもよい炭素数1〜42の炭化水素基を示すか、又は−(AO)m−R2で表される基を示す。ここでR2は置換基を有していてもよい炭素数1〜28の炭化水素基、Aは炭素数2〜3のアルキレン基、mは1〜100の数を示し、m個のAは同一でも異なっていても良い。]
本発明のレオロジーコントロール剤は、油剤へ少量添加するだけで、粘度をさほど上昇させることなく、弾性率を顕著に向上させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
[レオロジーコントロール剤]
重合単位(I)において、R1が炭化水素基である場合、好ましい例として、炭素数1〜22のアルキル基もしくはアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基、又は炭素数7〜32のアリールアルキル基もしくはアルキルアリール基が挙げられる。さらに好ましい例として、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、セチル基、ステアリル基、フェニル基、フェネチル基、ブチルフェニル基等が挙げられる。
【0009】
またこれら炭化水素基は置換基を有していてもよいが、その置換基として、ヒドロキシ基、アルコキシ基(炭素数1〜22)、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アミド基(炭素数1〜18)、アルキル(アルキル基の炭素数は1〜18)アンモニウム基、アンモニウム基、メチルエステル基、エチルエステル基、フェニルエステル基、アシル基(炭素数1〜18)、シリル基、FやCl等のハロゲン原子(以下、「本発明の置換基」という)等が挙げられる。
【0010】
R1が−(AO)m−R2[式中、R2、A、m:前記の意味を示す。]で表される基である場合において、R2の好ましい例として、メチル基、エチル基、オクチル基、ノニルフェニル基等が例示される。R2は置換基を有していてもよいが、その置換基として「本発明の置換基」が挙げられる。またAとして、エチレン基またはプロピレン基が例示され、mは好ましくは1〜50、さらに好ましくは3〜10である。
【0011】
本発明のレオロジーコントロール剤において、重合単位(I)はR1が異なる複数の種類であってもよいが、その場合、ポリエーテル主鎖におけるそれらの配列様式は、ブロック、交互、周期、統計(ランダムを含む)型の何れであってもよい。
【0012】
本発明のレオロジーコントロール剤は、重合単位(I)を含む単一重合体であっても良いが、一般式(II)で表されるような共重合体であっても良く、あるいは一般式(III-1)又は(III-2)で表されるグラフト共重合体であっても良い。
【0013】
【化3】
【0014】
[式中、
R1:前記の意味を示す。
X:重合単位(I)と共重合可能なその他モノマー由来の重合単位を示す。
p、q:それぞれの重合単位の繰り返し数を示し、pは、好ましくは10〜2,000,000、より好ましくは100〜2,000,000、特に好ましくは300〜2,000,000であり、qは、好ましくは0〜100,000であるが、p≧qであることが好ましい。]
【0015】
【化4】
【0016】
[式中、
R1:前記の意味を示す。
Y: 重合単位(I)と連結可能な重合単位を示す。
Z: 重合単位Yと共重合可能な重合単位を示す。
r、s、t: それぞれの重合単位の繰り返し数を示し、rは、好ましくは1〜1,000,000、より好ましくは100〜10,000であり、sは、好ましくは1〜100,000、より好ましくは10〜5,000であり、tは、好ましくは0〜10,000であり、s≧tであることが好ましい。]
一般式(II)で表される化合物が共重合体(q≠0)である場合、重合単位(I)とXの配列様式はブロック、交互、周期、統計(ランダムを含む)の何れであってもよい。
【0017】
重合単位Xとして、エチレンオキシド由来の重合単位、重合単位(I)以外の置換エポキシド由来の重合単位、又はエポキシド以外のアニオン重合性もしくはカチオン重合性モノマー由来の重合単位が例示される。好ましい例として、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、炭素数4〜18のアルキレンオキシド、エピクロロヒドリン、フルオロアルキルグリシジルエーテル、オキセタン、ラクトン類、カーボネート類、ラクタム類、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン、ブタジエン、イソプレン、ビニルエーテル類、二酸化炭素、炭素数5〜22の末端オレフィン等のモノマー、及びそれらの誘導体に由来する重合単位が挙げられる。
【0018】
一般式(III-1)又は(III-2)において、重合単位Yは、重合体ユニット−(OCH(CH2OR1)CH2)r− 又は −(CH2CH(CH2OR1)O)r−を担持できるものであれば、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、縮合重合等、如何なる重合法によって得られたモノマー由来の基であってもよく、以下の一般式(IV)〜(VIII)で表わされる構造や、ポリブタジエン、ポリイソプレン、非晶質ポリプロピレン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂、ポリアミド等が例示できる。
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
[一連の式中、
E:酸素原子又はNH基を示す。
R1:前記の意味を示す。]
一般式(III-1)又は(III-2)において、t≠0である場合、重合単位YとZの配列様式はブロック、交互、周期、統計(ランダムを含む)の何れであってもよい。
【0025】
重合単位Zは、重合単位Yと共重合できる、ラジカル重合性、アニオン重合性、又はカチオン重合性モノマー由来の重合単位であれば何でもよく、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン、ブタジエン、イソプレン、ビニルエーテル類等のモノマーに由来する重合単位等が挙げられる。
【0026】
上記ポリエーテルが、共重合体である場合、共重合体中における重合単位(I)のモル分率は、0.1以上1.0未満であるのが好ましく、より好ましくは0.3以上1.0未満であり、更に好ましくは0.5以上1.0未満である。
【0027】
上記ポリエーテルの末端基としては特に限定されないが、合成法により末端基を制御できる場合は、例えば、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜22のアルキル基又はアルコキシル基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、炭素数1〜18のアミド基、炭素数1〜18のアシル基、メチルエステル基、エチルエステル基、カルボキシル基等が好ましい。
【0028】
上記ポリエーテルの分子量としては、1,000〜200,000,000であるのが好ましく、より好ましくは10,000〜100,000,000であり、更に好ましくは30,000〜50,000,000である。本発明で用いられるポリエーテルは、WO99/42513に記載されている製法によって得ることができる。
【0029】
[油剤]
本発明における油剤に特に制限はなく、室温(25℃)で流動性を保った非水液体で、本発明のレオロジーコントロール剤が溶解または分散可能なものであれば何でもよい。例えば、(イ)トルエン、キシレン、流動パラフィン、スクワラン、石油エーテル等の炭化水素類、(ロ)エタノール、グリセリン、クレゾール等のアルコール類、(ハ)アニソール、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のエーテル/ケトン類、(二)酢酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エステル、炭酸エチレン等のエステル類、(ホ)クロロホルム、トリクロロエタン、二硫化炭素、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ピリジン、ニトロベンゼン等の含ハロゲン/硫黄/窒素溶剤類、(ヘ)パーム油、オリーブ油等の油脂並びにその誘導体、(ト)シリコーン類等が挙げられる。これら油剤の2種以上を混合して用いてもよい。
【0030】
[油状組成物]
本発明の油状組成物中のレオロジーコントロール剤と油剤との配合割合は、油剤100重量部に対し、レオロジーコントロール剤0.001〜100重量部が好ましいが、良好な流動性を維持しつつ高いレオロジー制御能を得るには0.05〜20重量部が好ましく、さらに好ましくは0.5〜15重量部である。
【0031】
ここで、本発明のレオロジーコントロール剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0032】
本発明の油状組成物は、本発明のレオロジーコントロール剤以外に、公知のレオロジーコントロール剤、レベリング剤、分散剤、界面活性剤、カップリング剤やその他の添加剤を含有していてもよく、また、一般式(II)で表される重合体以外の公知の重合体を含有していてもよい。
【0033】
また、本発明の油状組成物は、油剤に不溶性の各種の固体粒子や粉体を添加して用いることができる。そのような固体粒子や粉体として、(イ)シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化スズ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の無機化合物や、金、銀、銅、アルミニウム、さらには種々の有機高分子等から構成される微粒子や粉体、(ロ)ベンガラ、鉛白、黄鉛、紺青、チタン白等の無機顔料や各種の有機顔料、(ハ)カーボンブラック、グラファイト、カーボンウィスカー、カーボンファイバー、ガラスファイバー、各種粘土鉱物等のフィラー類、(ニ)各種の複合材粒子等が例示できる。この場合、これら固体粒子や粉体の粒径は使用目的によって適宜選択される。また、その添加量は、油剤100重量部に対し、通常、0.001〜200重量部、好ましくは0.05〜100重量部、さらに好ましくは、1〜80重量部である。
【0034】
これら固体粒子や粉体を本発明の油状組成物に添加した場合、媒体となる油剤の弾性率が著しく高いため、粒子の沈降耐性が大幅に増し、分散液の経時安定性が向上する。
【0035】
本発明の油状組成物の調製法は特に制限はない。すなわち油剤にレオロジーコントロール剤を添加してもよいし、レオロジーコントロール剤に油剤を添加してもよい。更に種々の添加剤、各種の固体粒子や粉体を用いる場合、油剤に添加した後、レオロジーコントロール剤と混合しても良いし、レオロジーコントロール剤に添加した後、油剤と混合しても良い。油状組成物を混合した後、添加しても良い。この際、混合方法にも何ら制限はなく、任意の公知の手法を用いることができる。
【0036】
本発明のレオロジーコントロール剤は、潤滑油、エンジンオイル、ブレーキオイル、圧延油、スピンドル油、シリンダー油、トラクションドライブ油、サスペンション、インキ、保護膜、衝撃吸収マット、塗料、研磨液、導電ペースト、カラーレジスト、ブラックマトリクス、沈降防止剤、電気粘性流体、レーザー発振体等に有効に用いることができる。
【0037】
【実施例】
実施例1
以下に示す本発明のレオロジーコントロール剤a〜g及び比較重合体h〜jの溶液弾性率を下記の方法で求めた。
【0038】
なお本発明のレオロジーコントロール剤並びに比較重合体の分子量測定は、ウォーターズ社製GPC150C型に、昭和電工社製カラムShodex HT-806、Shodex HT-803(×2本)を取り付けて行った(130℃、o−ジクロロベンゼン)。また数平均分子量(Mn)はポリスチレン換算分子量である。
レオロジーコントロール剤a
ポリ(オクチルグリシジルエーテル)、一般式(II)において、R1:C8H17、p:1500、q:0、Mn:25万
レオロジーコントロール剤b
ポリ(n−ブチルグリシジルエーテル)、一般式(II)において、R1:C4H9、p:4000、q:0、Mn:52万
レオロジーコントロール剤c
ポリ(メチルグリシジルエーテル)、一般式(II)において、R1:CH3、p:12000、q:0、Mn:106万
レオロジーコントロール剤d
2−エチルヘキシルグリシジルエーテル/エチレンオキシド共重合体、一般式(II)において、R1:2−エチルヘキシル、X:CH2CH2O、p:1900、q:480、Mn:38万
レオロジーコントロール剤e
ポリ(セチルグリシジルエーテル)、一般式(II)において、R1:C16H33、p:1200、q:0、Mn:36万
レオロジーコントロール剤f
セチルグリシジルエーテル/ヘキサメチルシクロトリシロキサン共重合体、一般式(II)において、R1:C16H33、X:Si(CH3)2O、p:800、q:150、Mn:27万
レオロジーコントロール剤g
ドデシルグリシジルエーテル/トリデシルグリシジルエーテル共重合体、一般式(II)において、R1:C12H25/C13H27(組成比は60/40)、p:2100、q:0、Mn:52万
比較重合体h:ポリスチレン、Mn:31万
比較重合体i:ポリ(メチルメタクリレート)、Mn:28万
比較重合体j:ポリジメチルシロキサン、Mn:90万
<溶液弾性率の測定法>
本発明のレオロジーコントロール剤a〜g及び比較重合体h〜jの10重量%キシレン溶液を調製し、25℃、周波数10rad/secの歪み下における、G’(10%)/G’xyleneの値を算出した。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
調製例1
レオロジーコントロール剤a 10gを、流動パラフィン90gに60℃にて攪拌溶解し、油状組成物Aを得た。
【0041】
調製例2
レオロジーコントロール剤a 3gを、パルミチン酸イソプロピル97gに60℃にて攪拌溶解し、油状組成物Bを得た。
【0042】
調製例3
レオロジーコントロール剤b 5gを、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(以下、PGMAという)95gに60℃にて攪拌溶解し、油状組成物Cを得た。
【0043】
調製例4
レオロジーコントロール剤c 10gを、キシレン90gに60℃にて攪拌溶解し、油状組成物Dを得た。
【0044】
調製例5
レオロジーコントロール剤d 5gを、トルエン/メチルエチルケトン/酢酸エチル混合溶液(1/1/1)95gに60℃にて攪拌溶解し、油状組成物Eを得た。
【0045】
調製例6
レオロジーコントロール剤e 10gを、低粘度ポリブテン(出光石油化学社製0H)90gに60℃にて攪拌溶解し、油状組成物Fを得た。
【0046】
調製例7
レオロジーコントロール剤f 20gを、ジメチルシリコーンオイル(6cs)80gに60℃にて攪拌溶解し、油状組成物Gを得た。
【0047】
調製例8
比較重合体h 20gを、キシレン80gに60℃にて攪拌溶解し、油状組成物Hを得た。
【0048】
調製例9
比較重合体i 5gを、トルエン/メチルエチルケトン/酢酸エチル混合溶液(1/1/1)95gに60℃にて攪拌溶解し、油状組成物Iを得た。
【0049】
調製例10
比較重合体j 10gを、ジメチルシリコーンオイル(6cs)90gに60℃にて攪拌溶解し、油状組成物Jを得た。
【0050】
調製例1〜10で得られた油状組成物について下記方法により性能を評価した。
【0051】
<粘弾性測定法>
油状組成物A〜Jに関して粘弾性を、レオメトリックス社製RDAIIを用いて測定した(二重円筒型デバイスを使用)。25℃又は60℃下、周波数10rad/secにおける貯蔵弾性率と粘度を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
本発明のレオロジーコントロール剤を添加した油状組成物A〜Gは、粘度が低く高い流動性を保っているが、その貯蔵弾性率は比較重合体を添加した油状組成物H〜Jに比べ十〜数百倍高い値を示した。
【0054】
<潤滑性試験>
バーコーターを用いて、滑らかなステンレス板上に、調製例6で得られた油状組成物Fを厚さ50μmで塗布し、表面積2平方センチメートル、3.00gの荷重を印加して、Heidon社製の表面性測定器を用い、潤滑性を調べた。また比較として低粘度ポリブテン(出光石油化学社製0H)のみを同様に塗布し、潤滑性を調べた。結果を表3に示す。レオロジーコントロール剤eの添加により、油状組成物Fの潤滑性は著しく向上した。
【0055】
【表3】
【0056】
<有機顔料の沈降安定性試験>
PGMA 50gに銅フタロシアニン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製イルガジンBlue X-3367)30gを添加し、1mmのジルコニアビーズ50gを加えて30分間攪拌/粉砕した。これに油状組成物C 50gを添加し、3分間混合した。ジルコニアビーズを濾別し、銅フタロシアニン含有油状組成物を均一な濃紺青色の液体として得た。これを沈澱管に移し、経時観察したところ、3ヶ月経過後も不溶性凝集粒は分相/沈降してこなかった。
【0057】
比較として、PGMA 100gに銅フタロシアニン30gを加え、同様に処理して沈澱管に移したところ、15分後より凝集粒の分相が観察され、6時間後には液量の約40%の高さまで沈降/堆積した。
【0058】
<無機顔料の沈降安定性試験>
油状組成物E 100gに酸化チタン(デュポン社製R−100)50gを添加し、1mmのガラスビーズ50gを加えて振とう/混合した。ガラスビーズを濾別し、得られた混合油を沈澱管に移した。6時間後沈降した酸化チタン層の高さは液量の90%にとどまっていた。
【0059】
比較として、油状組成物Iを用いて同様に酸化チタン含有油液を得たが、20分後には液量の30%の高さまで酸化チタン層が沈降していた。
【0060】
<電気粘性流体の安定性試験>
油状組成物G 100gに、酸化スズを0.1〜0.4μmの厚さにコーティングしたポリスチレン架橋ビーズ(平均粒径5.4μm)30gを加え、攪拌/混合した。得られた混合油を沈澱管に移して経時観察したところ、3ヶ月後も分離しなかった。
【0061】
比較として、油状組成物Jを用いて同様に酸化スズ被覆ポリスチレン架橋ビーズ含有油液を得たが、3日後には液量の40%の高さまで粒子が分離/沈降した。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば少量の添加で油剤の流動性を保ちながらも高い弾性率を付与できるレオロジーコントロール剤及び高弾性率で温度特性に優れた油状組成物を提供できる。本発明の油状組成物は、潤滑性、圧力伝達性、衝撃緩衝性、粒子分散性、沈降防止性等に優れ、各種の油剤使用分野で著しく改善された溶液特性を発揮できる。
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