JP4518382B2 - 有機ハロゲン化合物の除去方法および除去装置 - Google Patents

有機ハロゲン化合物の除去方法および除去装置 Download PDF

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本発明は、有機ハロゲン化合物に汚染された被処理物から該有機ハロゲン化合物を除去するための除去方法および除去装置に関する。
従来、ダイオキシンやポリ塩化ビフェニル(PCB)類などの有機ハロゲン化合物に汚染された汚染物質の処理装置としては、特許文献1に開示されたものが知られている。即ち、該従来技術は、図2に示すように外套を備えた円筒状の加熱分解装置101を用いたものである。この処理装置101は、汚染物質の受入側には酸素含有ガスが供給される乾燥・酸化ゾーン102を有し、且つ、汚染物質の排出側には不活性ガスが供給される還元ゾーン103を有して構成されている。また、該加熱分解装置の中央にはガス排出口が備えられており、乾燥・酸化ゾーンに供給された酸素含有ガスと還元ゾーンに供給された不活性ガスとを排出するように構成されている。そして、該加熱分解装置101から排出された汚染物質は、冷却装置105を経て梱包室106へと排出されるように構成され、一方、ガス排出口から排出されたガスは、油洗浄式ガス洗浄設備110によって処理されるように構成されている。
そして、斯かる処理装置101を用いた汚染物質の処理方法としては、外套に500〜600℃の高温のガスを供給して該円筒状の加熱分解装置を加熱しつつ、該装置の上流側から汚染物質を投入し、内部を450〜550℃の高温条件にした状態で、先ず前段側の乾燥・酸化ゾーン102で汚染物質の乾燥および酸化処理を行い、続いて後段側の還元ゾーン103で汚染物質の還元処理を行うものである。
斯かる従来技術によれば、汚染物質中に含まれる有機ハロゲン化合物は、該加熱分解装置内で分解又は除去され、ガス排出口から排出されるガスとともに油洗浄式ガス洗浄設備へと送られ、無害化処理されることとなる。
特開2003−225643号公報
しかし、該特許文献1記載の従来技術によれば、加熱分解装置から排出された被処理物には、僅かではあるが有機ハロゲン化合物が残存しているため、該有機ハロゲン化合物の残存濃度をより一層少なくしたいという要望がある。
そこで本発明は、有機ハロゲン化合物に汚染された被処理物から有機ハロゲン化合物を除去するに際し、処理後の被処理物に含まれる有機ハロゲン化合物の濃度をより一層低下させることを一の課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明は、有機ハロゲン化合物に汚染された被処理物から有機ハロゲン化合物を除去する方法であって、被処理物を還元雰囲気中で加熱処理する還元処理工程を備え、さらに該還元処理工程の後に、少なくとも前工程の還元雰囲気が流入しないように分離された還元雰囲気中で被処理物を加熱処理する他の還元処理工程を1以上備えることを特徴とする有機ハロゲン化合物の除去方法を提供する。
斯かる構成の有機ハロゲン化合物の除去方法によれば、被処理物を還元雰囲気中で加熱処理する還元処理工程によって被処理物に含まれる有機ハロゲン化合物を分解および蒸発させた後、さらに少なくとも前工程の還元雰囲気が流入しないように分離された還元雰囲気中で加熱処理する他の還元処理工程により、残留する有機ハロゲン化合物を効率的に分解および蒸発させることができる。即ち、本発明に係る有機ハロゲン化合物の除去方法によれば、2以上の還元処理工程に於いて被処理物の加熱処理を行うことにより、一の還元処理工程で加熱処理する場合と比較して、有機ハロゲン化合物の分解および蒸発が促進され、処理後の被処理物に含まれる有機ハロゲン化合物濃度を著しく低下させることができる。
本発明の有機ハロゲン化合物の除去方法は、好ましくは前記被処理物を還元雰囲気中で加熱処理する前に、該被処理物を酸化雰囲気中で加熱処理する酸化処理工程を備えたものとする。
還元処理工程の前に、酸化処理工程を備えたことにより、被処理物に含まれる有機物を酸化分解し、下流側の還元処理工程での有機ハロゲン化合物の分解および蒸発を、より一層促進させることができる。
さらに、本発明は、有機ハロゲン化合物に汚染された被処理物から有機ハロゲン化合物を除去する装置であって、被処理物を還元雰囲気中で加熱処理する第1還元処理手段を備え、さらに該第1還元処理手段の後段に、少なくとも前段の還元雰囲気が流入しないように分離された還元雰囲気中で被処理物を加熱処理する他の還元処理手段を1以上備えてなることを特徴とする有機ハロゲン化合物の除去装置を提供する。
斯かる構成の有機ハロゲン化合物の除去装置によれば、被処理物を還元雰囲気中で加熱処理する第1還元処理手段によって被処理物に含まれる有機ハロゲン化合物が分解又は蒸発された後、さらに該第1還元処理手段の後段の他の還元処理手段において、少なくとも前段の還元雰囲気が流入しないように分離された還元雰囲気中で加熱処理されることとなり、残留する有機ハロゲン化合物が効率的に分解および蒸発されることとなる。即ち、本発明に係る有機ハロゲン化合物の除去装置によれば、2以上の還元処理手段に於いて被処理物の加熱処理が行われるため、一の還元処理手段のみで加熱処理する場合と比較して、有機ハロゲン化合物の分解および蒸発が促進され、処理後の被処理物に含まれる有機ハロゲン化合物濃度を顕著に低下させることができる。
また、本発明の有機ハロゲン化合物の除去装置は、好ましくは前記第1還元処理手段の前段に、被処理物を酸化雰囲気中で加熱処理する酸化処理手段を備えたものとする。
第1還元処理手段の前段に、被処理物を酸化雰囲気中で加熱処理する酸化処理手段が備えられていれば、還元処理する前に被処理物中に含まれている有機物を酸化処理することができ、後段の還元処理手段における有機ハロゲン化合物の分解および蒸発を、より一層促進させることができる。
以上のように、本発明の有機ハロゲン化合物の除去方法および除去装置によれば、有機ハロゲン化合物に汚染された被処理物から効率的に有機ハロゲン化合物を除去し、処理後の被処理物に含まれる有機ハロゲン化合物の濃度をより一層低下させることができる。
以下、本発明について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明に係る有機ハロゲン化合物の除去装置の一実施形態を示したフロー図である。
図1に示すように、本実施形態の有機ハロゲン化合物の除去装置1は、被処理物Aの流れ方向上流側から順に、該被処理物Aを酸化雰囲気中で加熱処理する酸化処理手段2と、被処理物を還元雰囲気中で加熱処理する第1還元処理手段3と、該第1還元処理手段から一旦排出させた被処理物を再び前記第1還元処理手段の還元雰囲気とは互いに流通しない他の還元雰囲気中で加熱処理する第2還元処理手段4と、第2還元処理手段4から排出した被処理物を冷却する冷却手段5とを備えて構成されている。
本実施形態では、酸化処理手段2と第1還元処理手段3とは、一の加熱装置を用いて構成されており、酸化処理手段2は該加熱装置の上流側領域、第1還元処理手段3は該加熱装置の下流側領域を占めるように構成されている。
具体的には、該加熱装置には、円筒状の加熱装置本体11と、該加熱装置本体11の内部に配された回転翼12と、該加熱装置本体11の外側を覆うように形成されたジャケット13とを備えて構成されており、該ジャケット13には熱風発生器14から供給された高温(例えば500〜600℃)のガスBが供給されるように構成されている。また、回転翼12は、モータ15によって回転可能に備えられ、加熱装置本体11の上流側に設けられた供給口17から該加熱装置本体11の内部に供給された被処理物Aが、該回転翼12の回転によって加熱装置本体11の上流側から下流側へと送られ、加熱装置本体11の下流側に設けられた排出口18から排出されうるように構成されている。さらに、該加熱装置本体11の上流側からは、例えば空気などの酸素含有ガスCが供給され、下流側からは、例えば窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスDが供給されるように構成されており、供給された空気Cおよび不活性ガスDは、加熱装置本体11の略中央部に形成されたガス排出口16から排出されるように構成されている。即ち、該加熱装置では、ガス排出口16よりも上流側が酸化処理手段2として機能し、ガス排出口16よりも下流側が還元処理手段3として機能するように構成されている。
一方、第2還元処理手段4は、その上流側領域に酸化処理手段を備えていない点を除き、前記加熱装置と略同様に構成されている。即ち、第2還元処理手段4は、円筒状の加熱装置本体21と、該加熱装置本体21の内部に配された回転翼22と、該加熱装置本体21の外側を覆うように形成されたジャケット23とを備えて構成されており、該ジャケット23には熱風発生器24から供給された高温(例えば500〜600℃)のガスB’が供給されるように構成されている。また、回転翼22は、モータ25によって回転可能に構成され、加熱装置本体21の上流に設けられた供給口27から該加熱装置本体21の内部に供給された被処理物Aが、回転翼22の回転によって加熱装置本体21の上流側から下流側へと送られ、加熱装置本体21の下流に設けられた排出口28から排出されうるように構成されている。そして、該第2還元処理手段4においては、加熱装置本体21の下流側から不活性ガスD’が供給されるように構成されており、下流側から供給された不活性ガスD’は、加熱装置本体21の上流側に形成されたガス排出口26から排出されるように構成されている。
前記冷却手段5は、円筒状の冷却装置本体31と、該冷却装置本体31の内部に配された回転翼32と、該加熱装置本体31の外側を覆うように形成されたジャケット33とを備えて構成されており、該ジャケット33には冷却水Eが供給されるように構成されている。また、回転翼32は、モータによって回転可能に構成され、該冷却装置本体31の内部に収容された被処理物Aが、回転翼32の回転によって冷却装置本体31の上流側から下流側へと送られるように構成されている。
さらに、本実施形態においては、ガス排出口16から排出された空気Cおよび不活性ガスD、並びにガス排出口26から排出された不活性ガスD’を処理するための排ガス処理手段6が備えられている。
排ガス処理手段6は、具体的には、これらのガス中に含まれるダストを除去するための集塵装置41と、該ガス中に含まれる有機ハロゲン化合物を除去する油洗浄式ガス洗浄装置42と、更に該混合ガス中に含まれる極めて微量のダストや有機ハロゲン化合物を吸着除去する吸着装置(例えば、活性炭吸着塔)43とを備えて構成されている。
油洗浄式ガス洗浄装置42は、ガスと炭化水素油とを気液接触させてガス中の有機ハロゲン化合物を炭化水素油中に分散又は溶解させることにより、ガスを洗浄するものである。
前記油洗浄式ガス洗浄装置42には、その下部から回収された油と水とを分離する油水分離装置44と、分離された油に含まれる有機ハロゲン化合物を分解する有機ハロゲン化合物分解装置45と、分離された水に含まれる有機ハロゲン化合物を吸着する吸着装置(例えば、活性炭吸着塔)46とが付随して備えられており、有機ハロゲン化合物分解装置45によって再生された油は前記油洗浄式ガス洗浄装置42へと返送されるように構成されている。
前記有機ハロゲン化合物分解装置45としては、例えば、炭化水素油中に金属ナトリウム粒子が分散されてなるナトリウム分散体を用いたものが好適に使用される。
尚、本実施形態では、油洗浄式ガス洗浄装置の下部で回収した油を油水分離し、有機ハロゲン化合物分解処理を行った後、再生された処理油を再利用する構成を採用したが、油洗浄式ガス洗浄装置の下部で回収した油をそのまま再利用する構成としてもよい。また、油水分離装置としては、静置分離装置、蒸留装置などを使用することができる。
次に、斯かる構成の有機ハロゲン化合物の除去装置を用いて有機ハロゲン化合物に汚染された被処理物を処理する方法について説明する。
処理対象である被処理物Aは、例えば、有機ハロゲン化合物に汚染された汚染土壌、汚泥、廃棄物等である。
また、有機ハロゲン化合物としては、例えば、ダイオキシン類、ポリ塩化ビフェニル(PCB)類、ベンザヘキサクロライド、アルドリンなどの有機塩素化合物等である。
本実施形態においては、先ず、該被処理物Aを必要に応じて破砕した後、供給口17から加熱装置本体11に供給する。酸化処理手段2として機能する加熱装置本体11の上流側領域では、上流側から供給される空気Cによる酸化雰囲気下において、供給された被処理物Aを高温のガスBにより間接的に加熱する。該酸化処理手段2における加熱温度は、通常250〜600℃とし、好ましくは350〜450℃とする。
そして、回転翼12を回転させることによって該被処理物Aを撹拌しながら、次第に加熱装置本体11中を下流側へと移動させ、次工程の第1還元処理手段3へと送る。該酸化処理手段2における被処理物Aの滞留時間は、通常20〜120分とし、好ましくは、30〜60分とする。
酸化温度が600℃である場合、被処理物Aに含まれる無機成分の酸化が進み、重金属成分の溶出が生じる恐れがある。逆に、250℃未満では、被処理物Aに含まれる有機物が分解除去されない恐れがある。
次に、第1還元処理手段3においては、下流側から供給する不活性ガスDによる還元雰囲気下、同じく高温のガスBにより被処理物Aを間接的に加熱しつつ、回転翼12の回転によって撹拌しながら次第に下流側の排出口18へと移動させる。該第1還元処理手段3における加熱温度は、通常250〜650℃とし、好ましくは350〜550℃とする。また、該第1還元処理手段3における被処理物Aの滞留時間は、通常20〜180分とし、好ましくは30〜120分とする。
さらに、排出口18から排出された被処理物Aを、第2還元処理手段4へ供給する。該第2還元処理手段4においては、下流側から供給する不活性ガスD’による還元雰囲気下、高温のガスB’により被処理物Aを間接的に加熱しつつ、回転翼22の回転によって撹拌しながら次第に下流側の排出口28へと移動させる。該第2還元処理手段4における加熱温度は、通常350〜650℃とし、好ましくは400〜550℃とする。また、該第2還元処理手段3における被処理物Aの滞留時間は、通常30〜180分とし、好ましくは60〜120分とする。
本発明の有機ハロゲン化合物の除去方法および除去装置においては、後段になるに従って分解し難い成分が残留していることが多いため、後段側の加熱温度を前段側の加熱温度よりも高くすること、および/又は、後段側の滞留時間を前段側の滞留時間よりも長くすることが好ましい。より具体的には、後段側の加熱温度を前段側の加熱温度よりも10〜50℃高くすることが好ましい。
次に、第2還元処理手段4から排出された被処理物Aを、冷却手段5へ供給して急冷する。具体的には、被処理物Aを冷却装置本体31に供給し、回転翼32を回転させることによって被処理物Aを下流側へと移動させつつ、ジャケット33に供給された冷却水Eによって急冷する。該冷却手段5における被処理物Aの滞留時間は、20〜120分とし、好ましくは30分以下とする。また、冷却温度は、還元加熱炉から排出される被処理物の温度を10〜20分程度で200℃以下にまで冷却しうる温度とすることが好ましい。
また、該冷却は、酸素濃度が3%以下の雰囲気下で行うことが好ましく、さらには、酸素濃度1%以下の雰囲気下で行うことがより好ましく、不活性ガス雰囲気下で行うことが最も好ましい。このように、酸素濃度の低い雰囲気下で200℃以下まで急冷することにより、ダイオキシン等の有機ハロゲン化合物が再合成されることを有効に防止することができる。
一方、前記酸化処理手段2から排出される空気C、第1還元処理手段3から排出される不活性ガス、第2還元処理手段4から排出される不活性ガス’は、油洗浄式ガス洗浄装置42によって洗浄処理し、さらに吸着装置43によって更に微量の有機ハロゲン化合物等を除去した後、大気中へと放出する。
また、油洗浄式ガス洗浄装置42において油中に回収された有機ハロゲン化合物は、有機ハロゲン化合物分解装置45によって分解処理し、再生された炭化水素油は再び前記油洗浄式ガス洗浄装置42へ返送し、再利用する。
このように、本実施形態の有機ハロゲン化合物の除去装置1およびこれを用いた除去方法によれば、有機ハロゲン化合物に汚染された被処理物Aは、酸化処理手段2、第1還元処理手段3および第2還元処理手段4によって順に処理されることとなる。
被処理物Aは、第1および第2の還元処理手段3、4において、還元雰囲気下で前記所定の温度で加熱されることにより、被処理物A中に含まれる有機ハロゲン化合物は分解され、又は蒸発して、被処理物Aから除去されることとなる。
また、本実施形態においては、酸化処理手段を有しているため、有機物を含有する土壌を処理する場合に該酸化処理によって有機物が分解され、減容化されるとともに、後段の還元加熱処理において有機ハロゲン化合物以外の有害有機化合物が生成するのを抑制するすることができる。
さらに、前記第1還元処理手段3と前記第2還元処理手段4とは、それぞれ別々に不活性ガスが供給されるように構成されているため、斯かる有機ハロゲン化合物の分解および蒸発を、より一層効率的に行うことができる。即ち、第1還元処理手段3では、被処理物Aには有機ハロゲン化合物が比較的多く含まれており、加熱することによって多量の有機ハロゲン化合物が蒸発し、不活性ガス(還元雰囲気)中の有機ハロゲン化合物の濃度が高くなる傾向にある。そこで、第1還元処理手段3において所定の滞留時間だけ加熱処理した後には、該被処理物Aを第1還元処理手段3から排出させて前記還元雰囲気と分離し、別途設けた第2還元処理手段4により前記還元雰囲気とは互いに流通しない他の還元雰囲気下で加熱することにより、被処理物A中に含まれる微量の有機ハロゲン化合物の分解および蒸発を、より一層促進させることが可能となる。
仮に、従来の有機ハロゲン化合物の除去装置を用いた場合には、還元処理装置を大型化して被処理物の滞留時間を長期化させる方法が考えられるが、還元処理装置を大型化して被処理物の滞留時間を長期化させたとしても、有機ハロゲン化合物を比較的高濃度で含む還元雰囲気によって該有機ハロゲン化合物の蒸発が抑制されるため、有機ハロゲン化合物の除去を効率的に行うことができない。
これに対し、本発明の有機ハロゲン化合物の除去方法によれば、従来のような一の還元処理装置を用いて処理する場合と比較して、有機ハロゲン化合物の除去効率を顕著に改善することができる。
また、従来の有機ハロゲン化合物の除去装置を用いた場合には、装置内の不活性ガスの流量を増加させることにより、該ガス(還元雰囲気)中の有機ハロゲン化合物の濃度を低下させる方法も考えられるが、このような方法によれば、還元処理装置内のガス流速が速くなるため、被処理物からダストが多量に巻き上げられることとなり、排ガス中に含まれるダストの集塵処理に高コストを要してしまう。
これに対し、本発明の有機ハロゲン化合物の除去方法では、個々の還元処理手段における不活性ガスの流量を増やす必要がないため、このような問題を生じることもない。
尚、上記実施形態では、第1還元処理手段の下流側に設ける他の還元処理手段として、第2還元処理手段のみを用いた場合について説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、他の還元処理手段として、さらに、第1および第2の還元処理手段の還元雰囲気とは互いに流通しない他の還元雰囲気中で加熱処理する第3、第4等の還元処理手段を直列させて設けることができる。このように、還元処理手段を直列させて多段に設れば、被処理物中に含まれる有機ハロゲン化合物の蒸発をさらに促進させることができる。
但し、還元処理手段の段数をあまり多くすると、除去効率はさほど改善されないにもかかわらず処理コストが増大し、好ましくない。このような観点から、直列させて設ける還元処理手段の段数は、2〜5段が好ましく、2〜3段がより好ましい。
尚、上記実施形態においては、酸化処理手段と第1還元処理手段とが同一の加熱装置本体を用いて構成されていたが、本発明はこれに限定されず、酸化処理手段と第1還元処理手段とを別々に設けても良い。
また、本実施形態では、酸化処理手段を設ける場合について説明したが、有機物をほとんど含まない土壌を処理する場合には酸化処理は不要となるため、還元処理のみを行う装置で構成することができる。
また、本実施形態においては、第1の還元処理手段と第2の還元処理手段とを別々の装置にて行ったが、本発明はこのような構成には限定されない。即ち、第2の還元処理手段は、少なくとも第1の還元処理手段の還元雰囲気が流入しないように分離された還元雰囲気中で被処理物を加熱処理しうる構成であればよい。よって、例えば同一の装置内で装置内を壁で仕切ることにより、第1の還元雰囲気と第2の還元雰囲気とを設ける構成とすることも可能である。この場合、第1の還元雰囲気と第2の還元雰囲気とは壁によって仕切られ、処理土壌を通過させるため該壁の一部に孔を空けた構造とし、この壁を挟んで、被処理物の流入方向と逆方向に不活性ガスを流すべく、下流側に不活性ガスの流入口を設け上流側に不活性ガスの排出口を設けるような構成とすることができる。
さらに、多段に設けられる還元処理工程においては、不活性ガスの種類は同一でも異なっていてもよく、例えば一方の雰囲気を窒素ガスとし、他方の雰囲気をアルゴンガスとすることも可能である。
また、本実施形態においては、円筒状の加熱装置本体と、その内部に回転可能な回転翼を配設する構造としたが、本発明はこのような構成に限定されない。よって、例えば、円筒状の加熱装置本体を回転させることによって被処理物を下流側へと移動させるような構成や、翼を設けた軸と加熱装置本体とを共に回転させるような構成としてもよい。
また、本実施形態においては、加熱装置を高温のガスを利用して加熱する構造としたが、本発明はこのような構成に限定されない。よって、例えば、加熱装置本体を電気ヒータで加熱する構成としてもよい。
本発明の有機ハロゲン化合物の除去装置の第一実施形態を示した概略フロー図。 従来の有機ハロゲン化合物の除去装置を示した概略フロー図。
符号の説明
1 有機ハロゲン化合物の除去装置
2 酸化処理手段
3 第1還元処理手段
4 第2還元処理手段
5 冷却手段
6 排ガス処理手段
A 被処理物
B、B’ 高温のガス
C 空気(酸素含有ガス)
D、D’ 不活性ガス

Claims (4)

  1. 有機ハロゲン化合物に汚染された被処理物から有機ハロゲン化合物を除去する方法であって、被処理物を還元雰囲気中で加熱処理する還元処理工程を備え、さらに該還元処理工程の後に、少なくとも前工程の還元雰囲気が流入しないように分離された還元雰囲気中で被処理物を加熱処理する他の還元処理工程を1以上備えることを特徴とする有機ハロゲン化合物の除去方法。
  2. 前記被処理物を還元雰囲気中で加熱処理する前に、該被処理物を酸化雰囲気中で加熱処理する酸化処理工程を備えることを特徴とする請求項1記載の有機ハロゲン化合物の除去方法。
  3. 有機ハロゲン化合物に汚染された被処理物から有機ハロゲン化合物を除去する装置であって、被処理物を還元雰囲気中で加熱処理する第1還元処理手段を備え、さらに該第1還元処理手段の後段に、少なくとも前段の還元雰囲気が流入しないように分離された還元雰囲気中で被処理物を加熱処理する他の還元処理手段を1以上備えてなることを特徴とする有機ハロゲン化合物の除去装置。
  4. 前記第1還元処理手段の前段に、被処理物を酸化雰囲気中で加熱処理する酸化処理手段が備えられていることを特徴とする請求項3記載の有機ハロゲン化合物の除去装置。
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