図1に本発明の一実施例となる塗布装置本体の概略図を示す。塗布装置は、ベースとなる架台1上に門型フレーム2が設けられている。門型フレーム2にはZ軸ステージ3が設けてあり、これはZ軸駆動モータ4でZ軸方向に移動可能である。このZ軸ステージ3上には、塗布ヘッド5取り付け、θ方向に回転可能とするゴニオステージ6を備えたヘッドブラケット7が取り付けてある。さらに、門型ステージ2には塗布データの格納と前記塗布データに従い塗布ヘッド5に射出動作命令を発信する塗布ヘッド制御部8が設けてある。
門型フレーム2を構成する2本の脚部間の架台1の上面には、Y軸ステージ9と、Y軸駆動モータ10が固定されている。このY軸ステージ9の上面には、X軸ステージ11と、X軸駆動モータ12が、それらの移動行程が直交するように取付けてある。そして、X軸ステージ11の上面にはθ軸回転ユニット13が、さらにθ軸回転ユニット13上には吸着テーブル14が、それぞれ取付けられいる。そして最終的に、吸着プレート14上面中心がθ軸回転ユニット13の回転軸となり、かつ、吸着テーブル14上面と架台1上面とが平行となるよう位置決めされて取付けられている。
吸着テーブル14の上面には微細な吸引穴が複数設けてある。この吸着テーブル14上面に設けた吸引穴は真空発生装置(図示しない)と連通しており、基板29を吸着テーブル14上面に吸着保持することが可能である。そして塗布ヘッド5の射出口面25(射出口面25については後に図2によって詳細に説明する)が吸着テーブル14上面に対して、高い平行度(例えば±0.05mm以下)となるよう調整されて取付けられている。
上記構成により、基板29が塗布ヘッド5に対してX軸方向、Y軸方向へ駆動可能で、かつ、吸着プレート14上面中心を回転軸としてθ回転駆動が可能となる。また、塗布ヘッド5はZ軸方向と、吸着テーブル14の回転軸とは別の回転軸を中心としたθ回転の駆動が可能となる。
また、吸着テーブル14前側の端面には、塗布ヘッド5の目詰り要因排除と塗布ヘッド内に塗布液の充填を行うことを目的としたクリーニング機構部15が取付けられている。ここで、塗布ヘッド5を駆動するZ軸駆動モータ4の下降ストロークは、少なくともクリーニング機構部15により塗布ヘッド5がクリーニング動作のできる距離よりも、大きく移動できるように設定してある。
門型フレーム2の図中右脚部には、塗布液を収納した塗布材料ボトル16が上下に垂直移動可能なボトルホルダ17に取付けられている。そして、装置が起動中に塗布材料ボトル16の液面を一定に保つよう調整することが可能となっている。また、塗布材料ボトル16近傍には、塗布ヘッド5内部を洗浄するための洗浄用溶剤を入れた洗浄液ボトル19が設けられている。これらは、図示しない供給手段により塗布ヘッド5へ塗布液と、洗浄液との供給を適宜、切替て行うことが可能となっている。
上記構成を有する本塗布装置は密閉室(図示しない)に格納されており、規定範囲内の温度や湿度、気圧、密閉室内気体配合率に維持され、塗布液の特性を最大限発揮できるようにしている。また、密閉室外の塗布装置近傍にはPC(制御装置と言う場合もある)18が設けてある。PC18では、本塗布装置に付帯する構成機器の駆動制御や状態監視等を行う。
図2に本発明の一実施例となる塗布装置の塗布ヘッド底面と塗布材料供給配管系の概略図を示す。塗布ヘッド5への塗布材料の供給は、塗布ヘッド5の供給口20に供給管21を接続し、塗布材料ボトル16と連通することで行う。
塗布ヘッド5からの塗布液の射出は、塗布材料ボトル16液面と塗布ヘッド5底面との高さ差を一定範囲内に調整した後、塗布ヘッド5に内蔵する射出圧を発生する図示しない駆動機構(例えば圧電素子)によって実施される。なお、射出機構に関しては、規定の微少容量の塗布液を液滴として連続的に射出可能な機構であればその機構に制限はない。例えば、前記駆動機構の代替として塗布材料ボトル16に圧縮気体を供給することで送液する構成としても良い。又は、塗布材料ボトル16そのものをプラスチック等の伸縮可能な材料で構成し、ボトルを圧縮して送液する構成としても良い。ボトル圧縮による場合は、塗布材料ボトル16の形状をシリンジ形状とすることが望ましい。
また、材料供給配管系は三方分岐部71を備えている。三方分岐部71の1つの口には供給管21が接続され、他の1つの口には塗布材料ボトル16の塗布材料供給管22aが開閉弁72aを介して接続され、残りの口には洗浄液ボトル19から洗浄液供給管22bが開閉弁72bを介して接続されている。開閉弁72aを開き、開閉弁72bを閉じることにより塗布液を塗布ヘッド5に供給する。また、開閉弁72aを閉じ、開閉弁72bを開くことにより洗浄液を塗布ヘッド5に供給する構成となっている。なお、図2においては塗布材料ボトル16及び洗浄剤液ボトル19には圧縮気体を供給することで塗布ヘッド5内部流路へそれぞれの液体を送給可能な構成としてある。
以上のように、供給管21の途中から洗浄液を、塗布ヘッド5に供給することができる構成とすることで、塗布ヘッド5を内部から自動的に洗浄することも可能にしてある。
なお、塗布ヘッドの底面は、その表面に対して疎水処理(撥水処理とも言う)を施してあるか、もしくは元来疎水性を有するオリフィスプレートが貼付けられた高い平面度を有する射出口面24と、当該面以外の領域の全面に渡り平坦な周縁部23とがあり、射出口面24の内側には射出口25が直線状に複数設けてある。本実施例で使用する塗布ヘッド5は、射出口面24とその周縁部23とは略同一平面であるか、射出口面24がオリフィスプレートの厚さ(例えば0.2mm)だけ張出しているものを採用している。
図3に本発明の一実施例となる塗布装置に用いる塗布ヘッドのクリーニング機構部15の断面図を示す。図4に塗布ヘッドのクリーニング機構部15の上面図を示す。
本実施例によるクリーニング機構部15は、充填機構部S1と面清掃機構部S2に分けられる。本実施例で使用するクリーニング機構部15は、塗布ヘッドの周縁部23に付着した材料が基板29の意図しない領域に乗り移り、不良基板発生の原因とならないように、射出口面24とその周縁部23を同時にクリーニングするよう構成される。
充填機構部S1は、本体となる充填具35と、充填具35上面に配置され、塗布ヘッド5の周縁部23に当接して射出口面24を気密に覆うために配置したパッキン30と、パッキン30より内側に開口し材料等を吸引する吸引溝31と、吸引溝31に連通した継手受口32と、継手受口32に廃液回収配管51を接続する継手33とによって構成されている。
なお、パッキン30の材質について本実施例では、硬度が適当で幅広い溶剤に耐性を有するふっ素ゴムを用いているが、使用する材料の溶媒により適宜変更して良く、例えばシリコンゴムとしても良い。また、継手受口32や継手33の数は、溝31内部を均一に負圧にさせる流体の挙動に応じて複数配置しても良い。
廃液回収配管51は2つの三方弁50,34を介して廃液ボトル45に接続されている。なお、図3では三方弁34の充填機構部側配管と面清掃具側配管のそれぞれに開閉弁52a、52bが設けてある。これらは、充填機構部S1が騒動しているときには、開閉弁52aが開いて開閉弁52bが閉じ、逆に面清掃機構S2が作動しているときには、開閉弁52aが閉じて開閉弁52bが開くように制御される。このように配管途中に開閉弁を設けた場合、三方弁34は三方分岐配管に置き換えることも可能である。
三方弁50は充填具35内側の溝31内を負圧状態から大気開放状態にするために、継手33と三方弁34との間に設けてある。また、三方弁34を切替制御することにより、廃液を充填機構部S1から回収するか、面清掃機構部S2から回収するかを切換える。また、廃液ボトル45には真空引き用配管が設けてあり、この真空引き用配管には真空発生装置46が設けてある。真空発生装置46を駆動すると廃液ボトル45内部が負圧となり、その負圧は、三方弁34によって充填機構部S1ないし面清掃機構部S2に選択的に送給される。また、大気開放弁47を廃液ボトル45と真空発生装置46との間の真空引き用配管に設けて、大気開放することで短時間に負圧を解除することができる。この大気開放弁47は時間が長くかかってもよい場合は設けなくとも良い。さらに、大気開放弁50の大気導入用の配管から洗浄液を流して、周囲の配管を洗浄することも可能である。
なお、充填機構部S1と面清掃機構部S2とは、クリーニング動作後速やかに塗布ヘッド5の射出動作を実施できるよう近傍に配置し、それぞれ隣接して配置するのが望ましい。
面清掃機構部S2は、面清掃機構部取付ブラケット48内側に設けてある。この面清掃機構部S2は、塗布ヘッド5底面のクリーニングが必要な領域毎に対応しブロック化した面清掃具40a,40b,40cと、それらを独立して上下方向に微調整するガイド41a,41b,41cとからなる。また各ガイドの下面は面清掃機構取付ブラケット48に内部にばね機構を備えたプランジャ49a,49b,49cを介して支持され、各ガイドの側面の摺動部(図3の斜線部)はブラケット48の側面と上下に摺動できる構成としてある。
各面清掃具は、それぞれに吸引溝42a,42b,42cが設けてある。またブラケット48にも各吸引溝に対応して廃液回収配管51に接続する穴が設けてあり、吸引溝とブラケット48の間は伸縮可能な配管構成としてある。各吸引溝から廃液回収配管51に設けた三方弁34との間には、それぞれの吸引溝からの負圧を調整するための調整弁43a,43b,43cと、それらと連通する集合継手44とが設けてある。なお、本実施例では各吸引溝42a,42b,42cそれぞれに対応して調整弁43a,43b,43cを設けた構成としたが、吸引溝42aにのみ調整弁43aを設け、他の吸引溝42b,42cには調整弁を設けなくとも良い。なお、それぞれの吸引溝の上面は長円形状となっており、吸引する対象となる塗布ヘッド5底面の領域で吸引を効果的に発揮する長円幅をそれぞれ有している。
図5に、本発明の一実施例となる塗布装置に用いる塗布ヘッド底面の、面清掃が必要な領域に関する概念図を示す。本実施例での面清掃機構部S2は、塗布ヘッド5底面(面清掃の対象となる射出口面24とその周縁部23)を各吸引溝に対して相対的に図中矢印64に走査することにより面清掃を実施する。このとき、各吸引溝にはそれぞれ規定の吸引力を発生させ、塗布ヘッド5に付着している液滴を吸引除去する。各吸引力は、各調整弁によって微調整され各面清掃具の上面に送給される。
塗布ヘッド5への面清掃は、塗布ヘッド5底面を合計3つの領域に分けて実施する。本実施例では、吸引溝42bが面清掃を担当する領域を周縁部23の図中上段(面積W1×L1)とし、吸引溝42cが面清掃を担当する領域を周縁部23の図中下段(面積W3×L1)、とし、そして吸引溝42aが面清掃を担当する領域を射出口面24と走査方向に存在する周縁部23の両側面(面積W2×L1)としている。ここで、L1は塗布ヘッド5の先端部D1から後端部D2までの距離であり、D3は出射口面24の先端部であり、D4は出射口面24の後端部である(先端部とは移動方向の先端側、後端部とは移動方向後端側をさす)。また、W2は射出口面の幅であり、W1,W3はこのW2を基準にヘッド幅から差引いた両側の周縁部幅を表している。ここで、特に吸引溝42aは面清掃中、射出口面24とその周縁部23との境界で吸引力を変更するよう制御される。なお、各吸引溝はそれぞれ担当の領域に対して最適な吸引力を発生させ得る幅を有している。
ところで、充填機構部S1において、塗布ヘッド5に塗布液を充填する動作中に、塗布ヘッドの射出口から吸引溝31に塗布液が流れ出る。このとき、吸引溝31内に意図しない負圧のゆらぎが発生する場合がある。このゆらぎ現象により、塗布液が継手受口32内に吸引できずに周縁部23に(特に周縁部23と射出口面の境界付近多く)付着する現象が発生する。このように周縁部23に付着した塗布液は、簡単に除去することはできない。
また、充填動作が完了した直後の塗布ヘッド5には、充填機構部S1内部に残留している負圧力が作用している。この残留負圧力は、充填動作中よりも威力が小さく、少なくとも充填機構部S1外部周辺よりも負の圧力である。この負圧力が、射出口面24に対して弱い充填動作として作用し続けている。この状態では、射出口25から塗布液が滲み出て射出口面24に液滴として徐々に成長して行く。そして、射出口面24の幅方向より大きい液滴に成長した段階で、射出口面24は疎水性の加工が施されているため、液滴は周縁部23に移動する。
以下、吸引溝31内部が大気開放されるか、または吸引溝31内部が常圧(充填動作前の吸引溝31およびそれに連通している配管系の内部圧力の状態)に安定するまで上記現象が繰り返される。ここで、本来ならば充填動作が完了した直後に吸引溝31およびそれに連通している配管系内部を大気開放するのが望ましい。しかし、大気開放した場合、大気開放による反動によって余剰の空気が吸引溝31およびそれに連通している配管系に勢い良く流れ込んでしまい、射出口25に空気が入り込み、充填動作の効果が得られず結果として適切ではない。
充填動作完了後の塗布ヘッド5底面の状態は、射出口面24よりもその周縁部23に多く塗布液が付着していることが発明者らの実験によって明らかとなった。また、この状態で吸引によって液体を除去する際、以下の問題を回避する必要があった。つまり、周縁部24に付着した液体を除去可能な吸引力を塗布ヘッド5底面全面に与えると、射出口25付近に充填されている液体が射出口外へ飛び出してしまった。逆に、射出口面24に付着した液体を除去可能な吸引力を塗布ヘッド5底面全面に与えると、周縁部23に付着した液体が除去しきれなかった。そのため、いずれの場合も塗布動作時、基板29に付着する問題が発生した。よって、塗布液充填後に吸引によって液体を除去する際、吸引除去する領域毎に異なる吸引力に調整する必要があることも同様に明らかとなった。
本実施例の充填機構部S1は、塗布ヘッド5に塗布液を充填するのに簡便かつ最適な構成である。しかし、塗布ヘッド5本体の周縁部23に塗布液が付着することを防ぐことはできない。従って、充填動作完了後、射出口面24の面清掃と同時に周縁部23の面清掃も行う必要がある。
そのため、面清掃機構部S2に設けた吸引溝は、塗布ヘッド5本体の射出口面24に付着している塗布液やゴミ等の異物を吸引するための吸引溝42aと、吸引溝42aの負圧よりも強い負圧で塗布ヘッド5本体の周縁部23に付着している塗布液やゴミ等の異物を吸引するための吸引溝42bと吸引溝42cとを分けて設けた構成としたものである。
このように面清掃する領域毎に吸引溝を設け、充填動作完了後に、射出口面24よりも強い負圧で周縁部23を吸引することにより効果的に面清掃することが可能な構成となっている。なお、周縁部を吸引する吸引溝42b、42cを連通し、これらをひとつの流路調整弁で吸引力を制御するようにしても良い。
続いて、本発明の一実施例となる塗布装置の動作について説明する。
図8に本発明の一実施例となる塗布装置の塗布動作のフローチャートを示す。まず、塗布装置を起動すると、塗布ヘッド5を保護するために設けてあるヘッド保護装置(図示していない)から取り外す(ステップ101)。次に、塗布ヘッド5内部を洗浄剤によって洗浄する(ステップ102)。
この内部洗浄の動作要領を図6、および図7を用いて以下説明する。
図6に本発明の一実施例となる塗布装置の充填機構部S1の動作概略図を示す。まず、塗布ヘッド5をクリーニング機構部15の充填機構部S1の真下に位置するようにX軸ステージ9およびY軸ステージ11を移動させ、θ軸回転ユニット13により水平になるよう回転させて位置決めを実施する。その後、Z軸駆動モータ4により塗布ヘッド5の周縁部23とパッキン30とが当接する位置(図6中のh3)まで下降させる。この状態で塗布ヘッド5とパッキン30との間に位置ズレがある場合は、塗布ヘッド5を支持するゴニオステージ6を微小回転して位置合わせを行う。続いて、さらにパッキン30をわずか潰し、外気との密閉性を確保する位置h4まで塗布ヘッドを降下させる。その後、三方弁34,50,47を充填機構部S1側に切り替え、かつ塗布ヘッド5側の図2に示す弁72aを閉じ、弁72bを開放する。そして、真空発生装置46を起動させ、廃液回収ボトル45内を負圧にする。
この動作により吸引溝31内が負圧になり、塗布ヘッド5の射出口25より洗浄剤を矢印60方向に吸引し、塗布ヘッド5内部に残存する塗布液を洗浄剤と共に吸引する。また、このとき洗浄剤ボトル19に圧縮気体を供給すれば、塗布ヘッド5内に洗浄剤の供給がより効率よくできる。そして、一定時間経過後に塗布ヘッド側の弁72bを閉じ洗浄液の供給を停止させる。その後、所定時間置いて真空発生装置45を停止させる。そして、吸引溝31内と廃液回収配管51内の圧力が安定する時間の経過後に大気開放用の三方弁50,47を開き、吸引溝31とそれに接続されている廃液回収配管51内を大気開放する。この状態で、洗浄液が塗布ヘッド底面に残留しないようであれば塗布ヘッド内部の清掃はこれで終了し、ステップ(103)に移行する。但し洗浄液が塗布ヘッド底面に残留している場合は、次の底面清掃の工程を実行する。以下本実施例では底面清掃も行うものとしてその内容について説明する。
なお、吸引溝31が真空状態であると、大気との差圧分の力が、塗布ヘッド5をパッキンに押し付ける方向に作用している。大気開放することによって、塗布ヘッドがパッキン30から容易に離すことができる。Z軸駆動モータ4により塗布ヘッド5を上昇させ充填機構部S1から離し、塗布ヘッド5底面と充填具底面との高さh1を保つ位置で停止する(図7参照)。
この高さh1とは、後述する充填後の塗布ヘッドの底面清掃に重要な高さであり、塗布ヘッド5底面を基準とした充填具35上面との高さ差である。すなわち、この状態で真空発生装置46を駆動させても充填された塗布ヘッド5内部の液体に影響を与えない高さである。さらに、影響を与えない高さの中でも最小の高さとなっている。
ここで、次の動作である面清掃を速やかに実施可能とするために、塗布ヘッド5を上昇させ、前述した規定の高さh1とした際、後述する規定の高さh2の条件が満たせるよう充填具31の高さを調整しておくのが望ましい。
以上でヘッド内清掃動作は完了する。なお、本実施例では矢印61の方向へZ軸駆動モータ4により塗布ヘッド5を移動しパッキン30に密着させ、もしくは離しているが、充填機構部本体に図示しないZ軸駆動可能な機構を設けて移動させ、塗布ヘッド5の周縁部23にパッキン30を密着させ、もしくは離すようにしても良い。なお、本実施例で使用している洗浄剤は、使用する材料の溶質や顔料を洗い流せるものであれば良いが、ここでは、塗布動作で用いる材料の溶媒成分を用いている。
ヘッド内清掃が終了すると、次に充填動作に移る。充填動作では、まず先のヘッド内清掃動作と同様に塗布ヘッド5を充填装置S1の上部に移動移動し、充填装置のパッキン30を押しつぶす位置まで塗布ヘッド5を降下する。このとき先の清掃動作と同じく降下を2段階に分けて行う。その状態で塗布ヘッド5の塗布材料供給管22aに設けてある開閉弁72aを開く。洗浄液供給管22bの開閉弁72bは閉じたままとする。
その後、図3に示す三方弁50、34,及び47を充填具側に切換える。そして、真空発生装置46を起動させ、廃液回収ボトル45内を負圧にする。これにより、塗布ヘッド内には塗布液が流れ込む。なおこの時、塗布材料ボトル16に圧縮気体を導入して充填時間を短縮することも可能である。そして所定時間経過後に真空発生装置46を停止させる。
そして、吸引溝31内と廃液回収配管51内の圧力が安定する時間の経過後に大気開放用の三方弁50,47を開き、吸引溝31とそれに接続されている廃液回収配管51内を大気開放する。この動作により、吸引溝31内が大気状態となり、充填機構から塗布ヘッドを簡単に分離することができる。
図13に、面清掃機構部S2の動作中の概略図を示す。図13(c)ないし(f)は、塗布ヘッド5の上部から見た図であり、面清掃具の動作を説明するために、あえて塗布ヘッド5底面(射出口面24とその周縁部23)の輪郭のみを破線で示してある。なお、本図では、充填機構部S1の図記を省略してあるが、面清掃中、双方の高さ位置関係は常に図7の状態となっているのは言うまでもない。
以下、充填機構部S1での充填動作によって発生した塗布ヘッド5底面に付着した液滴62を吸引除去するための、面清掃機構部S2の動作について説明する。
まず、充填動作完了の状態、すなわち塗布ヘッド5が図7の如く規定の高さh1で停止してある状態から、塗布ヘッド5を、規定の速度で矢印64の方向へ平行移動させる。予め、三方弁34を面清掃機構部S2側に切替え、充填機構部側の開閉弁52aを閉じ、面清掃機構部側の開閉弁52bを開き、真空発生装置46の駆動準備を行っておく。吸引溝が、塗布ヘッド5の面清掃開始位置P1に達した時点(図13(a)、(c))で、真空発生装置46を駆動し、面清掃を開始する。
ここで、塗布ヘッド5の平行移動時、その途中で吸引溝42aからの吸引力はその対面に射出口面24がある場合のみ、吸引溝42bないし42cからの吸引力よりも弱くなるよう調整する必要がある。吸引力を調整するタイミングは、射出口面24とその周縁部23との境界面である図13(e)に示した吸引力変更位置P3と、同様に境界面である図13(f)に示した吸引力変更位置P4である。P3の位置に塗布ヘッド5が到達した際に、吸引溝42aからの吸引力を弱くし、また、P4の位置に塗布ヘッド5が到達した際に、吸引溝42aからの吸引力を元の状態に戻す。
面清掃中は、塗布ヘッド5底面と面清掃具の平坦部との間隔を、面清掃の効果が最も発揮される規定の高さh2で維持する。本実施例では、塗布ヘッド5底面に対して面清掃する領域毎に、複数の面清掃具を設けてある。そのため、面清掃の効果が最も発揮される規定の高さが、面清掃具毎にそれぞれ異なることがあり得る。ここでは、前記間隔の調整が最も重要となる射出口面24の面清掃を担当する面清掃具40aの平坦部と、塗布ヘッド5底面との間隔を規定の高さh2と定義する。他の面清掃具は面清掃具40aの平坦部を基準に、その担当する面清掃領域に対して最大の効果を発揮できるように、ガイド41bないし41cで予め微調整しておく。
なお、規定の高さh2は、塗布ヘッド5底面に付着した液滴62の液滴高さh0よりも大きくなるよう調整されている。本実施例では、液滴高さh0の検出方法は規定していない。例えば、塗布ヘッド5前面から底面を撮像し、任意の画像認識手段によって水滴高さh0を検出し、面清掃機構部に反映するようにしても良い。また、集束光による物体検出センサによって液滴高さh0を検出するようにしても良い。
面清掃終了位置P2に達し(図13(b)、(d))、さらにそれを越えた時点で、真空発生装置46を停止させる。以上で充填動作時の面清掃は完了である。
塗布ヘッド5内部への材料の充填動作が完了すると、塗布装置は塗布動作前処理の工程に移る(ステップ104)。図9に、本発明の一実施例となる塗布装置の、塗布動作前工程のフローチャートを示す。まず、塗布装置の吸着テーブル14上に基板29が搬入される(ステップ401)。基板29が吸着テーブル14上に搬入されると、真空発生装置(図示しない)を駆動して吸着テーブル14に設けた複数の吸着孔に負圧が供給され、基板29はこの吸引力で吸着テーブル14上に固定される(ステップ402)。その後吸着テーブル14の下側に設けてあるY軸ステージ9、X軸ステージ11およびθ軸回転ユニット13を駆動して位置決めを行う(ステップ403)。
以上で塗布動作前処理が終了し、塗布動作を行う(ステップ105)。塗布動作が終了すると、塗布装置は塗布動作後処理の工程に移る(ステップ106)。図10に、本発明の一実施例となる塗布装置の塗布動作後工程のフローチャートを示す。吸着テーブル14に負圧を供給している真空発生装置(図示しない)を停止し、吸着テーブル14内部に残存する負圧を大気開放等で打消す。これにより基板29の固定を解除し(ステップ601)、基板29を塗布装置の外に搬出(ステップ602)する。
上記動作が終了すると、塗布動作を実施した基板すなわち処理基板の枚数が規定枚数に達したかどうかを判定する(ステップ107)。ここで規定枚数に達しているときは、前述したクリーニング動作(ステップ102)と同様に塗布ヘッド5のクリーニングを実行(ステップ109)し、その後、塗布ヘッド5にヘッド保護装置(図示しない)を取付け(ステップ110)、塗布装置の塗布動作を終了する。
なお、上記ステップ107において、処理基板の枚数が規定枚数に達していないときは、続いて、現状の塗布ヘッド5がクリーニングを行う必要のあるか否かを判定する(ステップ108)。
塗布ヘッド5を繰返し運転し続けると、任意の射出口で射出不能となる現象すなわち目詰りが発生する。本実施例では、クリーニング直後から目詰り発生に到るまでの塗布装置の塗布作業間における、目詰りによる射出不良によって起因する不良基板が発生しない限界の処理枚数に達したか否かを判定基準とする。また、このように規定の処理枚数を判定基準としても良いが、別の手段として例えば、別に設けた塗布ヘッド5の射出状態確認手段(図示しない)を用いて塗布ヘッド5の射出不能となった射出口が規定数を上回ったか否かを判定基準としても良いし、また、同様に塗布ヘッド5の一射出口当りの液滴量が規定値を下回ったか否かを判定基準としても良い。
ここで、クリーニングを行う必要のあると判定されたならば、充填動作(ステップ103)へ、達していないときは塗布動作前処理の工程(ステップ104)へ戻り、前述した動作要領に従って塗布動作を行う。
図8で示した塗布工程では、塗布ヘッド5の内部洗浄を塗布装置起動時、および塗布動作終了時に行うようにしているが、塗布動作終了時に内部洗浄を実施しておき、次回の塗布装置起動時は内部洗浄を実施せず、つまりステップ102を省略しても良い。
塗布動作終了後、塗布ヘッド5を長時間使用しない場合で、塗布動作で用いる材料の溶媒成分や洗浄剤の蒸発温度が低い、すなわち揮発し易いものであれば、例えばエチレングリコール等、常温もしくは密閉室内温度で容易に揮発しないものを塗布ヘッド5内部に充填しても良い。
図11に、本発明の他実施例となる塗布装置に用いるクリーニング装置の、さらに面清掃機構部S2Xの側面図を、図12に同様に上面図をそれぞれ示す。本図は、前述図3ないし図4に示す面清掃機構部S2側面に、倣い機構部70を設けたものである。本実施例における倣いとは、ステップ102ないし103(図8参照)において面清掃を実施する際、塗布ヘッド5の平行移動を利用し、面清掃の動作時のみ、面清掃機構部S2を自動的に規定の高さh2(図7参照)に維持することである。
倣い機構部は、倣い具70と、高さ固定具63a、63b、63c、63dとによって構成される。面清掃機構部S2Xにおける面清掃具40aの幅は面清掃具40b、40cを組合せたときの幅と同一である。また、面清掃具40aには両側面に、面清掃具40b、40cには一方の側面に、それぞれ嵌穴(図示しない)が設けられ、高さ固定具と嵌合うようになっている。本実施例での高さ固定具と嵌穴は、例えばボルトとボルト穴のように締付けによって固定可能なものによって構成されている。なお、この倣い具を適用しても、各面清掃具、各プランジャ、その他配管系の位置関係は、面清掃機構部S2からの変更は無い。
図14に、本発明の他実施例となる塗布装置に用いるクリーニング装置の、さらに面清掃機構部S2Xにて用いる倣い具の形状図を示す。倣い具70には、塗布ヘッド5の進入方向側に、緩やかに上昇する丘陵面(傾斜面)71aが形成されている。反対に、塗布ヘッド5の進出方向側にも緩やかに下降する丘陵面71bが形成されている。また、それら丘陵の頂部には、平坦部72が形成されている。73a、73bは倣い具70を面清掃具に取付けた際、高さ方向を調整するための長穴である。
なお、本実施例において、図12に示すように、倣い具70には以下の特徴がある。平坦部72の長さLXは、面清掃具40aと40bの平坦部の、長さ方向の総和Ldよりも両端に等しく大きくなるようにしてある。また、この平坦部の長さは面清掃具40a,40b,40cのヘッド移動方向の吸引溝42a,42b,42cの開始点から終了点までの距離より長く設けてある。そして、丘陵面71a、71bの角度は絶対値として同一としてある。
倣い具70は、面清掃機構部S2Xの両側面に、各高さ固定具と、対応する各嵌穴とによって共締めされ取付けられる。その際、平坦部72と代表する面清掃具の平坦部(面清掃具40aの平坦部のことであり、定義の詳細は図6の説明文を参照)とが規定の高さh2(図7ないし図11(b)参照)となるようにする。取付け後、各面清掃具と倣い具70は一体となり、各プランジャが許容する高さ範囲内で上下可能となる。また、倣い具70は、倣い機構部として作用するために、周縁部23の最外周面に接触することになる。なお、倣い具70は、面清掃具に取付け、その取付け面から目視した際に,面清掃具の平坦部近辺を覆い隠す大きさとなるようにしてある。
続いて、倣い機構部を設けた面清掃機構部S2Xの面清掃動作を図11を用いて説明する。前述図8において、本塗布装置の動作ステップが、ステップ102ないし103に達し、充填機構部S1によって充填動作が完了し、塗布ヘッド5が図7の如き状態となる。この時、塗布ヘッド5底面と面清掃具40aが略同一平面Fに位置しているものとする。
この状態から、面清掃機構部S2を塗布ヘッド5の面清掃開始位置P1(図13参照)へ平行移動する。三方弁34を面清掃機構部S2側に切替え、充填機構部側の開閉弁52aを閉じ、面清掃機構部側の開閉弁52bを開く。ここで真空発生装置46を起動し、面清掃機構部S2を規定の速度で矢印64の方向へ移動させる(図13参照)。
ここで、図11(a)の如く塗布ヘッド5の進入方向側の端面C1と、丘陵面70aとが線接触し、この状態のままさらに塗布ヘッド5が矢印64の方向へ平行移動すると、この接触したときの力はガイド41a、41b、41cによって矢印64に対して垂直の移動力に変換され、プランジャ49a、49b、49cを押込む。
結果的に、塗布ヘッド5の端面C1と丘陵面70aとが線接触している間、各面清掃具は同時に、自動的に下降する。なお、各プランジャの押込みストロークは、前記下降量よりも大きく設定してある。
やがて、塗布ヘッド5の端面C1が、丘陵面71aと平坦部72との境界線に到達する。端面C1が平坦部72領域内を超え、塗布ヘッド5周縁部23が平坦部72と接触している間(図11(b)参照)、面清掃具はそのままの位置を維持する。その間、面清掃機構部S2Xは、塗布ヘッド5底面の面清掃が必要な領域に対して面清掃を実施する。まず、塗布ヘッド5の面清掃開始位置P1に達した時点で、真空発生装置46によって吸引力を各面清掃具の吸引溝に発生させ、水滴62の吸引除去を開始する。また、同様に面清掃力変更位置P3、P4に達した時点で、吸引溝42aからの吸引力を流路調整弁43aによって逐次可変させる。そして、面清掃終了位置P4に達した時点で、真空発生装置46を停止させる。
面清掃が終了し、塗布ヘッド5がそのまま平行移動を続けると、今度は塗布ヘッド5の進入方向とは逆側の端面C2が、平坦部72と丘陵面71bとの境界線に到達する。ここで、端面C2と、丘陵面71bとが線接触し、この状態のままさらに塗布ヘッド5が矢印64の方向へ平行移動すると、プランジャ49a、49b、49cのバネ復元力によって端面C2と丘陵面71bとを常に線接触させる作用が働き、結果的に面清掃具が上昇する(図11(c)参照)。やがて、塗布ヘッド5と丘陵面71bとが離れ、面清掃機構部S2Xが元の状態に戻る。
各プランジャが完全に復元し、塗布ヘッド5が規定の平行位置に到達した時点で、面清掃は完了となる。
以上のように、倣い具70の各丘陵面を塗布ヘッド5底面が伝うように移動することで、塗布ヘッド5底面と各面清掃具の平坦面とが、規定の高さ、すなわち面清掃効果が最大に発揮し得る規定の高さh2を維持することが可能となる。この倣い機構部は、例えば、製作誤差やヘッド取付誤差により塗布ヘッド5底面の平面度の誤差が大きいものや、充填動作完了後、何らかの理由で規定の高さh2に到達する前に塗布ヘッド5が平行移動を開始したときのための安全装置となる。安全装置として機能させるためには、少なくとも塗布ヘッド5が、パッキン30を押潰した後の規定の高さh4(図5参照)の状態で平行移動が開始してしまった時、端面C1が丘陵面71aに接触可能となるように、面清掃機構部S2Xの位置を調整しておくと良い。
なお、倣い具70の材質は、本実施例では繰返し運転に耐え、かつ丘陵面に潤滑性があり、塗布ヘッド5底面に傷を付けないといった特性を有する素材、例えば四ふっ化エチレン樹脂(商品名:テフロン)を使用しているが、上記特性を満たしていれば他の素材を使用しても良い。
図15に、本発明の他実施例となる塗布装置に用いるクリーニング装置の、さらに面清掃機構部S2Xに用いる倣い具の、他の形状概略図を示す。また、図18に、同じく他の形状を用いた場合の動作概念図を示す。前述した倣い具70の形状は、図15に示した構成としても、面清掃効果を発揮することができる。
本図は、前述の図14の倣い具70を分割し、各面清掃具を塗布ヘッド5底面に合わせて独立に動作させるようにした倣い具に関する図である。図15において、それぞれ、丘陵面81a、81b、平坦部82(倣い具80)、丘陵面86a、86b、平坦部87(倣い具85)、丘陵面91a、91b、平坦部92(倣い具90)が設けられている。本形状では、倣い具80は面清掃具40bに、倣い具85は面清掃具40cに、それぞれ1つずつ取付けられることになる。また、各丘陵面に共通の角度θWは、塗布ヘッドの端面C1(図11参照)が各丘陵面に線接触した際に、スムーズに各面清掃具が下降可能な角度に調整されている。倣い具80、85、90に合わせて、面清掃具40a、40b、40cの形状を変更する。すなわち、倣い具の取付け面から目視した際に,面清掃具の平坦部近辺を覆い隠す形状となるようにする。また、それぞれの倣い具を面清掃具に取り付ける際、倣い具の各平坦部と面清掃具の上面(吸引溝が設けられている面)とを、規定の高さh2となるようにする。
倣い具80、85、90を設けた面清掃機構部は、図18に示す如く、各面清掃具それぞれに、独立して規定の高さ(図7、図13参照)h2a、h2b、h2cを与えることが可能であるため、塗布ヘッド5底面に対して、より一層の面清掃効果が得られる。
図16に、本発明の他実施例となる塗布装置に用いるクリーニング装置の、さらに面清掃機構部S2Xに用いる倣い具の、倣いの対象となる部位に関する概念図である。本図は、本実施例による面清掃動作中の倣い状態を、塗布ヘッド5の進行方向から見た図である。
本実施例で述べた倣い機構部は、図16(a)に示す如く、塗布ヘッド5底面のうち、周縁部23の最外周面を伝って動作するよう構成されている。ここで、この最外周面に対しても面清掃動作が必要な場合、図16(b)に示す如く、ヘッドブラケット7底面に倣い機構部を作用させることで、塗布ヘッド5底面全面を面清掃することが可能である。
図16(b)は、倣い具70のみを、その形状を拡張した例である。この場合、ヘッドブラケット7底面と塗布ヘッド5底面(少なくとも射出口面24ないしその周縁部23)とが可能な限り平行となるようにする。
なお、本実施例では、倣い機構を作用させる面にヘッドブラケット7底面を利用したが、ヘッドブラケット7底面に限らず、塗布ヘッド5底面と限りなく平行な面を有する機器、部材を新設し、それに倣い機構を作用させても良いのは言うまでもない。
図17に、本発明の他実施例となる塗布装置に用いるクリーニング装置の、さらに面清掃機構部S2Xに用いる倣い具の、塗布ヘッド5底面以外の面を倣いの対象とした場合の倣い動作概略図を示す。本図はまた、前述図16(b)の状態を正面から見た図である。
本図での規定の高さh1、h2の定義は、前述図11と同一である。倣い具70をh2だけヘッドブラケット7より突出した状態として、ヘッドブラケット7により倣い具70を押し下げる構成としたものである。そのため、ヘッドブラケット部が倣い具の傾斜に沿って移動して倣い具を押し下げ、スムーズに倣い具に沿って移動可能となる。また、ヘッド端面部まで清掃することが可能となる。その他、面清掃機構部の動作要領は、前述図7、図11、図13と同一となる。なお、この例は、今まで述べた全ての倣い具を用いた面清掃機構部S2Xに適用が可能である。
これら述べた全ての実施例において、規定の位置に到達したか否かの判定手段や、面清掃を行う位置に到達したか否かの判定手段については、本発明では特に規定していない。例えば、塗布動作に用いる絶対位置座標に規定の位置をプリセットしておき、その位置座標に塗布ヘッド5が到達したか否かによって判定しても良い。他にも、移動速度と移動に要した時間との関係から求められる結果的な移動距離またはカウント数から判定しても良いし、または、フォトセンサ等の物体検出手段や、CCDカメラ等の画像認識手段(いずれも図示しない)によって塗布ヘッド5の移動状態または位置を監視し、判定しても良い。
1…架台、2…門型フレーム、3…Z軸ステージ3、4…Z軸駆動モータ4、5…塗布ヘッド、6…ゴニオステージ、7…ヘッドブラケット、8…塗布ヘッド制御部、9…Y軸ステージ、10…Y軸駆動モータ、11…X軸ステージ、12…X軸駆動モータ、13…θ軸回転ユニット、14…吸着プレート、15…クリーニング装置、16…塗布材料ボトル、17…ボトルホルダ、19…洗浄液ボトル、18…PC、29…基板、20…供給口、21…供給管、23…周縁部、24…射出口面、25…射出口、71…三方分岐部、72a…開閉弁、72b…開閉弁、S1…充填機構部、S2…面清掃機構部、30…パッキン、31…充填具の溝、32…継手受口、33…継手、34…三方弁、35…充填具、40a、40b、40c…面清掃具、41a、41b、41c…ガイド、42a、42b、42c…吸引溝、43a、43b、43c…流路調整弁、44…集合継手、45…廃液ボトル、46…真空発生装置、48…面清掃機構部取付ブラケット、49a、49b、49c…プランジャ、50…大気開放弁、51…廃液配管、52a…充填機構部側の開閉弁、52b…面清掃機構部側の開閉弁、70…倣い具、63a、63b、63c、63d…止め具。