JP4517110B2 - パチンコ機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技球を転動せしめるためのステージが形成されたセンター役物を遊技領域に備えているパチンコ機に係り、特に、ステージ上での遊技球の転動に一層の変化をもたせて遊技者を楽しませることが出来る、新規な構造のパチンコ機に関するものである。
従来から、パチンコ機の遊技というのは、パチンコ機に突設された操作ハンドルに対して回動可能に装着された発射レバーを遊技者が回動操作し、遊技領域に向けて遊技球を発射することによって行われるようになっており、このように遊技領域に向けて発射された遊技球は、遊技領域に打ち込まれた多数の遊技釘や各種構造物等に当たりながら遊技領域を流下するようになっている。それ故、遊技領域を流下する遊技球というのは、遊技釘や各種構造物に当たる毎に、その流下方向が変化せしめられることとなり、このように遊技球の流下方向が変化せしめられることによって、遊技者を楽しませるようになっている。
ところで、パチンコ機というのは、一般的に、遊技領域において、そのパチンコ機の機種を特徴付けるようなセンター役物が配設されている。例えば、液晶表示器の表示画面の周囲に配設されたセンター飾り等が、それである。そして、多くの場合、このようなセンター役物には、遊技球を転動させるためのステージが形成されており、センター役物に形成された案内通路等を通ってステージ上に案内されてきた遊技球は、ステージ上を転動せしめられるようになっている。
そこにおいて、パチンコ機によっては、センター役物の下方において、遊技者に有利な特典遊技を可能にするか否かの抽選を行うための始動入賞装置が配設されたものがある。そして、このようなパチンコ機においては、ステージ上を転動せしめられる遊技球の始動入賞装置への入賞を容易にするために、ステージにおける始動入賞装置の上方に位置せしめられる部分に対して傾斜面等が形成されていることが多い。それ故、遊技者は、ステージ上において転動せしめられる遊技球の行方(転動方向)に対して、非常に関心が高くなっている。
また、近年のパチンコ機においては、大型の液晶表示器を採用する傾向があり、このような大型の液晶表示器を採用することに起因して、センター役物が大きくなり、それによって、センター役物の遊技領域に占める割合が大きくなってきており、その結果、遊技領域が狭くなってきている。
従って、センター役物に形成されたステージの存在が非常に重要となってきており、かかるステージが遊技領域の一部を構成しているといっても過言ではない。
そこで、特許文献1に記載されているように、上下方向において所定の隙間で対向位置せしめられるようにして、二つの棚板を配設し、上側の棚板には、一対の磁石付回転体を設ける一方、下側の棚板には、球受部を備えた第一の回転体と、該第一の回転体の両側において起立片状をした一対の第二の回転体を設け、磁石付回転体によって下側の棚板に案内されてきた遊技球が、第二の回転体によって、第一の回転体に形成された球受部に誘導されるようにしたパチンコ機が提案されている。
しかしながら、このようなパチンコ機においては、喩え、上側の棚板を透明板で構成したとしても、遊技者の興味が、遊技者にとって見易い上側の棚板における遊技球の転動に対して、惹きつけられ易くなってしまい、その結果、下側の棚板における遊技球の転動を遊技者に十分に見せることが難しくなってしまう。そのために、下側の棚板の上を第二の回転体によって不規則に転がる遊技球の転動を見ることの楽しみが十分に達成されないという問題がある。
特開2003−159408号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであり、その解決課題とするところは、センター役物に形成されたステージ上を転動せしめられる遊技球の動きを遊技者に対して十分に見せることが出来、ステージ上を転動せしめられる遊技球に対して遊技者の興味を惹きつけて、遊技者を楽しませることが出来る、新規な構造のパチンコ機を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体に記載されたもの、或いは、それらの記載から当業者が把握することができる発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
本発明の第一の態様は、遊技球を転動せしめるためのステージが形成されたセンター役物を遊技領域に備えたパチンコ機において、前記ステージが、手前側フロアと、該手前側フロアよりも奥側で高位置にある奥側フロアを含んで構成されており、該奥側フロアには、該奥側フロアを転動せしめられる遊技球を該手前側フロアに誘導するための第一の誘導傾斜面と、該奥側フロアを転動せしめられる遊技球を該奥側フロアの奥方に形成された奥側入球口に誘導するための第二の誘導傾斜面が形成されている一方、該手前側フロアには、駆動モータによって略鉛直方向に延びる回転中心軸回りに回転せしめられる回転体が、該手前側フロアのフロア面と略同じ高さの上面をもって、該手前側フロアの奥行方向に略直交する方向に並ぶようにして二つ配されており、該手前側フロアを転動せしめられる遊技球が、該駆動モータによって回転せしめられている該回転体の該上面に突出形成された突起によって、該回転体よりも奥側に形成されて該手前側フロアを転動せしめられる遊技球が入球可能な手前側入球口に誘導されるようにして、且つ、前記二つの回転体が互いに異なる方向に回転せしめられるようにすると共に、前記センター役物を前方から見た際に、前記手前側入球口が前記二つの回転体のそれぞれの回転中心軸に挟まれるような位置に形成されており、該二つの回転体のそれぞれが回転中心軸よりも他方の回転体側に位置せしめられる部分において手前側から奥側に向かって回転せしめられるようにしたことを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされたパチンコ機においては、ステージの一部を構成する手前側フロアにおいて、駆動モータによって略鉛直方向に延びる回転中心軸周りに回転せしめられる回転体が、手前側フロアのフロア面と略同じ高さの上面をもって、手前側フロアの奥行方向に略直交する方向に並ぶようにして二つ配されており、手前側フロアを転動せしめられる遊技球が、駆動モータによって回転せしめられている回転体の上面に突出形成された突起によって、回転体の奥側に形成された入球口に誘導されるようになっていることから、手前側フロアにおける遊技球の転動が遊技者にとって予測し難くなり、それによって、手前側フロアを転動せしめられる遊技球に対して遊技者の興味を惹きつけて、遊技者を楽しませることが可能となる。
そこにおいて、本態様のパチンコ機では、手前側フロアの奥側において、該手前側フロアよりも高位置に奥側フロアが設けられていることから、奥側フロアにおける遊技球の転動および手前側フロアにおける遊技球の転動の両方を遊技者に十分に見せることが可能となり、遊技者の興味を手前側フロアおよび奥側フロアを含んで構成されたステージにおける遊技球の動きに対して惹きつけることが可能となる。
特に、本実施形態では、奥側フロアが手前側フロアよりも高位置にあることから、奥側フロアにおける遊技球の転動を遊技者が覗き込むような姿勢で見る必要がなくなる。また、傾斜面(第一の誘導傾斜面)を形成することによって、奥側フロアから手前側フロアへ遊技球を誘導することが可能となり、奥側フロアから手前側フロアへ遊技球を誘導するための機構を、傾斜面という極めて簡単なものにすることが可能となる。
更にまた、本実施形態では、回転体が手前側フロアにおけるフロア面と略同じ高さの上面をもって配されていることから、回転体の上面を遊技球が通過することが可能となり、それによって、手前側フロアにおいて回転体が配される位置が限定されないようにすることが可能となる。
また、本態様においては、手前側フロアにおいて二つの回転体が配されていることから、回転体の一つ配されている場合に比して、手前側フロアを転動せしめられる遊技球が、回転体に突出形成された突起に当たることにより、その転動方向が変化せしめられる可能性が高くなり、それによって、手前側フロアを転動せしめられる遊技球に対する遊技者の興味を一層高めることが可能となる。
さらに、本態様においては、手前側フロアの奥行方向に略直交する方向に並ぶようにして、二つの回転体が配されていることから、手前側フロアにおける奥行寸法を必要以上に大きくしないようにすることが可能となる。
なお、回転体の上面は、中央部分から外周縁部に向かって下る傾斜が付されていることが望ましく、それによって、回転体の上面において遊技球が停留してしまうことを有利に防止することが可能となる。
また、本態様に従う構造とされたパチンコ機においては、手前側フロアを転動せしめられる遊技球が、回転体に突出形成された突起に当たって、その転動方向が変化せしめられる可能性を高くし、手前側フロアを転動せしめられる遊技球の動きを一層予測し難いものにすることが可能となる。
さらに、本態様に従う構造とされたパチンコ機においては、手前側入球口が、センター役物を前方から見た際に、二つの回転体のそれぞれの回転中心軸に挟まれるような位置に形成されており、また、二つの回転体は、その回転中心軸よりも他方の回転体側において、それぞれ、手前側から奥側に向かって回転せしめられるようになっていることから、このように回転体において手前側から奥側に向かって回転せしめられている部分において、回転体の上面に突出形成された突起により、手前側入球口に向けて遊技球が誘導されるようになっている。
そこにおいて、本態様においては、回転体における回転中心軸よりも他方の回転体側において、手前側から奥側に向かって回転せしめられるようになっていることから、回転体における回転中心軸よりも他方の回転体側とは反対側において、奥側から手前側に向かって回転せしめられるようになっており、それによって、手前側フロアを転動せしめられる遊技球が回転体に突出形成された突起によって手前側入球口に誘導されるためには、先ず、回転体において奥側から手前側に向かって回転せしめられている部分で突起に当たること等によって邪魔されずに、回転体において手前側から奥側に向かって回転せしめられている部分にまで至る必要があり、その結果、遊技者に対して、手前側フロアを転動せしめられる遊技球の動きであって、回転体における手前側から奥側に向かって回転せしめられている部分にまで至るか至らないかということに関しても、興味をもたせることが可能となる。
また、本態様においては、二つの回転体の何れであっても、手前側フロアを転動せしめられる遊技球を、手前側入球口に誘導することが可能となる。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係るパチンコ機において、前記奥側入球口から入球した遊技球が通過する球通路が前記センター役物に形成されていると共に、前記手前側入球口から入球した遊技球が該球通路を通過するようにしたことを、特徴とする。このような本態様に従う構造とされたパチンコ機においては、奥側入球口から入球した遊技球が通過する球通路を、手前側入球口から入球した遊技球が通過するようになっていることから、例えば、奥側入球口に遊技球が入球することによって遊技者に何等かの利益がもたらされるようになっている場合には、喩え、遊技球が奥側フロアを転動せしめられている際に奥側入球口に入球しなかったとしても、手前側フロアを遊技球が転動せしめられている際に、手前側入球口に遊技球が入球して、奥側入球口に入球した場合と同様な利益を得ることが出来るかもしれないとの期待感を遊技者に抱かせることが可能となり、それによって、奥側フロアにおける遊技球の転動のみならず、手前側フロアにおける遊技球の転動に対しても、遊技者の興味を十分に惹きつけることが可能となり、その結果、遊技者を楽しませることが可能となる。
本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係るパチンコ機において、前記突起が前記回転体の上面に沿って延びるように形成されていることを、特徴とする。このような本態様に従う構造とされたパチンコ機においては、突起が回転体の上面に沿って延びるように形成されていることから、遊技球が突起に当接している時間を有利に確保することが可能となり、それによって、手前側フロアを転動せしめられる遊技球の手前側入球口への誘導を容易に行うことが可能となる。
本発明の第の態様は、前記第一乃至第の何れかの態様に係るパチンコ機において、前記パチンコ機の遊技動作を全体的に制御する主制御部が設けられており、該主制御部による遊技処理が行われる以前において、前記駆動モータへの電源の供給が開始されるようにし、該主制御部による遊技処理が行われている際には、該駆動モータによって前記回転体が回転せしめられているようにしたことを、特徴とする。このような本態様に従う構造とされたパチンコ機においては、主制御部による遊技処理が行われる以前において、駆動モータへの電源供給が開始され、主制御部による遊技処理が行われている際には、駆動モータによって回転体が回転せしめられていることから、主制御部は、遊技処理を行う際に、駆動モータの駆動を開始したり停止したり等する必要がなくなり、それによって、主制御部による遊技処理の負担を軽減することが可能となる。
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされたパチンコ機においては、手前側フロアに配された回転体の上面に突出形成されている突起によって手前側フロアを転動せしめられる遊技球を手前側入球口に誘導するようになっていることから、手前側フロアを転動せしめられる遊技球の動きが遊技者にとって予測し難いものとなり、遊技者の興味を手前側フロアを転動せしめられる遊技球に惹きつけることが可能となり、その結果、遊技者を楽しませることが可能となる。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。なお、以下の説明において、左右方向とは、原則として、遊技者からみた左右方向をいうものとする。
図1には、本発明の一実施形態のパチンコ機10が示されている。このパチンコ機10は、縦長な方形状に枠組みされた外枠12を備えており、かかる外枠12には、その一側において開閉自在に軸支された状態で中枠14が組み付けられている。また、中枠14の表側には、中枠14に対して取り付けられた遊技盤16を透視保護するためのガラス板を備えたガラス枠18と、上皿20を備えた皿板22が、それぞれ、中枠14の一側に開閉自在に軸支された状態で組み付けられている。更にまた、上皿20の下方には、下皿24が設けられており、かかる下皿24の右方には、発射ハンドル26が突設されている。そして、遊技者が発射ハンドル26に対して回動可能に装着された発射レバー28を回動操作することにより、上皿20に貯留された遊技球が球送り機構(図示せず)を介して、発射装置(図示せず)に送られた後、遊技盤16に形成された遊技領域30に向けて発射されるようになっている。
続いて、遊技盤16の構造について、説明する。遊技盤16は、表面に合成樹脂製のシートが被着された遊技板を備えており、かかる遊技板の表面側に固定されたガイドレール32によって囲まれた略円形の遊技領域30には、液晶表示器34や始動入賞装置36,特別可変入賞装置38等が設けられている。なお、図示はされていないが、遊技番16の遊技領域30には、周知の如く多数の遊技釘や風車等が設けられている。
そして、遊技領域30に向けて発射された後、遊技領域30を流下せしめられる遊技球が始動入賞装置36に入賞すると、液晶表示器34の表示画面において、複数の特別図柄(図示せず)の変動表示が開始され、それら複数の特別図柄の変動表示が所定時間行われる。その後、複数の特別図柄が特定の停止表示態様で停止表示されると、それまで特別可変入賞装置38の入口を塞いでいた扉40が予め定められた作動条件に従って、開閉作動せしめられるようになっている。これにより、特別可変入賞装置38の入口が開放されて、特別可変入賞装置38への遊技球の入賞が可能となり、その結果、遊技者は、特別可変入賞装置38に遊技球を入賞させるために、特別可変入賞装置38に向けて遊技球を発射する特典遊技を行うことが可能となる。そして、遊技者は、通常の遊技では得ることが出来ない利益(賞球)を得ることが可能となる。
また、液晶表示器34の表示画面の周囲には、液晶表示器34の周囲を装飾するためのセンター役物としてのセンター飾り42が配設されている。このセンター飾り42は、図2および3にも示されているように、本体枠44の周上の適数箇所において、板状の取付部46が外方に突出するようにして一体形成された構造とされており、遊技板に形成された取付孔(図示せず)に本体枠44が挿通された状態で、取付部46によって遊技板の表面側から取り付けられるようになっている。そこにおいて、本実施形態では、本体枠44に形成されている貫通孔48における他方の開口端の断面の大きさおよび形状は、液晶表示器34の表示画面の大きさおよび形状に対応しており、遊技盤16(遊技板)の裏側に配設された液晶表示器34の表示画面が貫通孔48を通じて視認可能とされている。
さらに、本体枠44の一方の端部には、貫通孔48の上方から側方に亘って手前側に突出する庇50が形成されており、それによって、液晶表示器34の表示画面の前方を遊技球が流下することを防止するようになっている。
また、センター飾り42には、庇50の内部および本体枠44の内部を利用してワープ通路52が形成されており、庇50における貫通孔48の左側方に位置せしめられる部分の外側に形成されたワープ入口54から入った遊技球が、ワープ通路52を通って、ワープ出口56から本体枠44の下端内周面に形成されたステージ58に案内されるようになっている。
このステージ58は、本体枠44の下端内周面において、本体枠44の一方の側から本体枠44の中間部分に亘って形成されている。そこにおいて、本実施形態のステージ58は、その奥行方向中間部分において、本体枠44の一方の側と他方の側に分割されており、本体枠44の一方の側よりも他方の側のほうが高くなっている。なお、以下の説明において、ステージ58における本体枠44の一方の側を手前側フロア60と称し、ステージ58における本体枠44の他方の側を奥側フロア62と称することにする。
奥側フロア62は、左右方向中央部分を中心として左右対象となる波状に湾曲せしめられたフロア面64を備えており、左右方向中央部分において上側に凸となっている一方、左右方向両端において左右方向中央部分に向かって下る傾斜が付されている。また、奥側フロア62の左端付近には、ワープ出口56が位置せしめられており、それによって、ワープ出口56からステージ58に案内されてきた遊技球が、奥側フロア62を転動せしめられるようになっている。
更にまた、奥側フロア62には、左右方向中央部分において、奥方に向かって下る第二の誘導傾斜面としての奥方誘導傾斜面66が形成されており、遊技球は、かかる奥方誘導傾斜面66上を転動せしめられることによって、奥側フロア62よりも奥側に形成された奥側入球口68に入球せしめられるようになっている。
このようにして、奥側入球口68に入球せしめられた遊技球は、図4に示されているように、本体枠44内に形成された球通路70を通って、本体枠44の一方の開口端面に形成された開口部72から遊技領域30に放出されるようになっている。そこにおいて、本実施形態では、かかる球通路70の出口となる開口部72の下方において、始動入賞装置36が位置せしめられており、それによって、球通路70を通って開口部72から遊技領域30に放出される遊技球というのは、始動入賞装置36に入賞しやすくなっているのである。なお、このことから明らかなように、奥側入球口68によって球通路70の入口が構成されている。
また、奥側フロア62には、奥方誘導傾斜面66が形成された左右方向中央部分の左右両側において凹んでいる部分のそれぞれに対して手前側フロア60に向かって下る第一の誘導傾斜面としての手前側誘導傾斜面74が形成されており、かかる手前側誘導傾斜面74によって、奥側フロア62を転動せしめられる遊技球が手前側フロア60に誘導されるようになっている。
更にまた、奥側フロア62における手前側の端部には、上方に突出して奥側フロア62の左右方向に沿って延びる縦壁76が形成されており、かかる縦壁76において手前側誘導傾斜面74が形成されている位置に対応する箇所にのみ切欠78が形成されている。これにより、奥側フロア62を転動せしめられる遊技球は、手前側誘導傾斜面74を通ることによってのみ、手前側フロア60に誘導されるようになっている。
この手前側フロア60は、左右方向中央に向かって、左右両側から下がる傾斜が与えられたフロア面80を備えており、かかるフロア面80の奥行き寸法は、奥側フロア62のフロア面64よりも十分に大きくされている。また、奥側フロア62には、その左右方向中央部分において、奥側フロア62の左右方向に並ぶようにして、二つの回転体82,82が配設されている。
そこにおいて、本実施形態では、これら二つの回転体82,82は、互いに同じ形状および大きさとされており、各回転体82は、図5および図6に示されているように、軸方向下方から上方に行くに従って次第に縮径する笠状の回転板84の下面に対して、大径の外側筒部86と、小径の内側筒部88が、同一中心軸上で一体形成された構造とされている。また、回転板84の上面90に対して、中心から外周縁部に向かって下る方向に付されている傾斜は、水平方向に対して5〜10度であることが望ましい。因みに、本実施形態では、6度に設定されている。また、笠状の回転板84における上面90には、複数(本実施形態では、4つ)の突起92が、それぞれ、上方に向かって突出形成されている。
そこにおいて、本実施形態では、回転板84に突出形成された各突起92は、回転板84の外周縁部において、周方向に所定の間隔でもって位置せしめられており、周方向で隣り合う二つの突起92,92の間隔は、それぞれ、遊技球の直径よりも十分に大きくされている。また、本実施形態では、各突起92は、回転板84の外周縁部から中心に向かって延びるように形成されており、その延出方向の寸法は、回転板84の直径の略半分程度の大きさとされている。これにより、回転板84の上面90の中心付近には、突起92が形成されていないスペースが存在することとなる。特に、本実施形態では、回転板84の上面90における突起92が形成されていないスペースは、遊技球が転動可能な程度の広さとなっている。
また、各突起92は、延出方向において、僅かに湾曲せしめられており、それによって、各突起92における周方向一方の側の面が凹状湾曲面とされている一方、周方向他方の側の面が凸状湾曲面とされている。
このような構造とされた二つの回転体82,82は、それぞれ、手前側フロア60に形成された凹所94,94に対して、外側筒部86および内側筒部88が形成された側から嵌め込まれるようにして、凹所94内に収容位置せしめられるようになっている。そこにおいて、本実施形態では、二つの凹所94,94は、手前側フロア60の左右方向に沿って、二つ並ぶようにして形成されており、その形成位置は、手前側誘導傾斜面74,74よりも手前側フロア60の左右方向中央側とされている。そして、各凹所94に回転体82が収容位置せしめられることによって、手前側フロア60の左右方向に沿って二つの回転体82,82が並ぶようにして配されているのである。
また、このように回転体82が凹所94内に収容位置せしめられた状態下において、回転体82における内側筒部88は、凹所94内に設けられた突部96に外挿されており、突部96の先端が回転板84の下面に当接せしめられている。これにより、回転体82は、凹所94内において、突部96の中心軸回りに回転可能に支持されている。そこにおいて、本実施形態では、突部96の中心軸は、略鉛直方向に延びており、それによって、回転体82は、略鉛直方向に延びる回転中心軸周りに回転可能とされている。
また、回転体82が凹所94内に収容位置せしめられた状態で、回転体82における回転板84の上面90は、その外周縁部が手前側フロア60のフロア面80よりも僅かに高い位置にあると共に、回転板84における外周面と凹所94の内周面との隙間寸法が遊技球の直径よりも十分に小さくされており、それによって、遊技球の手前側フロア60のフロア面80から回転板84の上面90への移動および回転板84の上面90から手前側フロア60のフロア面80への移動が容易に可能とされている。
更にまた、回転体82における外側筒部86の外周面には、係止歯98が形成されている。そして、上述の如く、二つの回転体82,82が、それぞれ、凹所94内に収容位置せしめられた状態下において、左側の凹所94に収容位置せしめられた回転体82における外側筒部86の外周面に形成された係止歯98には、中継歯車100が噛合せしめられており、かかる中継歯車100には、駆動モータ102の出力軸に固設された出力歯車104が噛合せしめられている。また、右側の凹所94に収容位置せしめられた回転体82における外側筒部86の外周面に形成された係止歯98には、出力歯車104が噛合せしめられている。
これにより、駆動モータ102の駆動力が、出力歯車104,中継歯車100を介して、左側の凹所94に収容位置せしめられた回転体82に伝達されるようになっている一方、駆動モータ102の駆動力が、出力歯車104を介して、右側の凹所94に収容位置せしめられた回転体82に伝達されるようになっており、その結果、二つの回転体82,82が、それぞれ、略鉛直方向に延びる回転中心軸回りに回転せしめられるようになっている。
そこにおいて、本実施形態では、これら二つの回転体82,82は、互いに反対方向に回転せしめられるようになっており、左側の凹所94に収容位置せしめられた回転体82が、左回り(反時計回り)に回転せしめられるようになっている一方、右側の凹所94に収容位置せしめられた回転体82が、右回り(時計回り)に回転せしめられるようになっている。即ち、本実施形態では、左側の凹所94に収容位置せしめられた回転体82における回転中心軸よりも右側の凹所94側に位置せしめられる部分が手前側から奥側に向かって回転せしめられるようになっている一方、右側の凹所94に収容位置せしめられた回転体82における回転中心軸よりも左側の凹所94側に位置せしめられた部分が、手前側から奥側に向かって回転せしめられるようになっている。そして、本実施形態では、左側の回転体82が、突起92における凹状湾曲面が形成されたほうに向かって回転せしめられるようになっている一方、右側の回転体82が、突起92における凸状湾曲面が形成されたほうに向かって回転せしめられるようになっている。また、本実施形態では、二つの回転体82,82の回転スピードは、それぞれ、1分間に10〜15回転程度とされている。
なお、駆動モータ102は本体枠44に対して固定されるようになっている。また、中継歯車100は、図面上では明示されていないが、例えば、本体枠44と本体枠44に対して固定される取付部材によって固定された支持ピン回りに回動可能な状態で配設されるようになっている。更にまた、本実施形態では、駆動モータ102として、従来から公知のDCモータが採用されている。
また、これら二つの回転体82,82の奥側には、手前側入球口106が形成されており、かかる手前側入球口106から入球した遊技球は、奥側入球口68から入球した遊技球が通過する球通路70を通って、開口部72から遊技領域30に放出されるようになっている。従って、本実施形態では、手前側入球口106から入球した遊技球も、奥側入球口68に入球した遊技球と同様に、始動入賞装置36への入賞が容易となっているのである。なお、上述の説明から明らかなように、手前側入球口106が球通路70の入口を構成している。
そこにおいて、本実施形態では、センター飾り42を正面から見た際に、二つの回転体82,82のそれぞれの回転中心軸の間において、手前側入球口106が形成されており、それによって、二つの回転体82,82の何れであっても、遊技球を手前側入球口106に誘導することが可能となっている。
更にまた、手前側フロア60の手前側端部には、上側に突出して手前側フロア60の左右方向に沿って延びる縦壁108が形成されており、かかる縦壁108における左右方向中央部分に対して、一対の切欠110,110が形成されている。特に、本実施形態では、かかる一対の切欠110,110は、センター飾り42を前方から見た場合に、二つの回転体82,82の正面に位置せしめられている。
また、手前側フロア60におけるフロア面80には、各凹所94の周囲において、縦壁108に形成された切欠110に向けて下る傾斜が付されており、それによって、手前側フロア60を転動せしめられる遊技球のうち、手前側入球口106に入球しなかった遊技球が、かかる切欠110から遊技領域30に放出されるようになっている。そこにおいて、本実施形態では、かかる切欠110は、球通路70の出口となる開口部72の左右両側にそれぞれ形成されており、それによって、切欠110から遊技領域30に放出された遊技球は、始動入賞装置36に入賞し難いようになっている。
ところで、上述の如き駆動モータ102による回転体82の駆動は、本実施形態では、パチンコ機10に電源が供給されることによって開始されるようになっており、パチンコ機10に電源が供給されている限りは、駆動モータ102による回転体82の駆動は継続されるようになっている。
より詳細には、本実施形態のパチンコ機10は、制御処理を実行するCPU,制御プログラム等が記憶されたROM,制御処理に必要なデータが記憶されるRAM等を含んで構成された主制御回路を備えており、かかる主制御回路を構成するCPUが、始動入賞装置36内に設けられた始動入賞スイッチ等からの入力信号に基づいて、制御処理に必要なデータを生成し、かかるデータを液晶表示器34における特別図柄の変動表示等を制御する表示制御回路等に送信して、表示制御回路に送信したデータに基づく特別図柄の変動表示等を行わせること等によって、遊技処理を実行するようになっている。そして、このような遊技処理は、所定周期(例えば、4ms)毎に発生する割り込み信号が入力される度に、ROMに記憶されている制御プログラムに従って行われるようになっている。
そこにおいて、パチンコ機10に電源が投入されると、CPUは、割り込みを禁止して、CPU周辺のデバイスの初期設定等を行ってから割り込みを許可する電源投入時に行われる処理し、それから上述の如き遊技処理を実行するのであるが、本実施形態では、このようなCPUによる処理とは別に、主制御回路が形成された基板を介して、パチンコ機10への電源投入を契機として駆動モータ102への電源の供給が開始されるようになっている。即ち、本実施形態では、パチンコ機10に電源が投入された後は、常時、回転体82が一定速度でもって一方向に回転しつづけるようになっている。なお、上述の説明から明らかなように、本実施形態では、CPUによって主制御部が構成されている。
続いて、本実施形態のパチンコ機10の作動について、説明する。本実施形態のパチンコ機10では、遊技者が発射レバー28を回動操作することによって、遊技球が遊技領域30に向けて発射されるようになっており、このようにして遊技領域30に案内された遊技球は、遊技領域30を流下せしめられるようになっている。
そこにおいて、遊技球が遊技領域30を流下せしめられている際に、センター飾り42に形成されたワープ入口54に入球すると、ワープ通路52を通ってワープ出口56からステージ58に排出されるようになっている。このようにしてワープ出口56からステージ58に排出された遊技球は、奥側フロア62を転動せしめられるようになっており、奥側フロア62を転動せしめられている際に、奥側フロア62における波状に湾曲せしめられたフロア面64によって、転動の勢いが徐々に弱められるようになっている。
そして、奥側フロア62における左右方向での転動の勢いが弱められた位置が、奥側誘導傾斜面66が付された位置である場合には、遊技球は、奥側誘導傾斜面66によって奥側入球口68に向かって転動せしめられて、奥側入球口68に入球するようになっている。このようにして奥側入球口68に入球した遊技球は、球通路70を通って開口部72から遊技領域30に排出されるようになっており、かかる開口部72の下方に位置せしめられた始動入賞装置36に入賞しやすくなっている。
一方、奥側フロア62における左右方向での転動の勢いが弱められた位置が、手前側誘導傾斜面74が付された位置である場合には、遊技球は、手前側誘導傾斜面74によって手前側フロア60に向かって転動せしめられて、手前側フロア60に誘導されるようになっている。
このように手前側フロア60に誘導されてきた遊技球は、手前側フロア60のフロア面80に付されている傾斜によって、手前側フロア60の左右方向中央部分に向かって転動せしめられるようになっている。そして、転動の勢いが弱く、回転体82に乗り上げることが出来なかった場合、或いは、転動に勢いはあるが、回転体82に突出形成された突起92に当たって、回転体82に乗り上げることが出来なかった場合には、遊技球は、手前側フロア60のフロア面80に付された傾斜に沿って切欠110が形成された位置に向かって誘導されるようになっており、かかる切欠110から遊技領域30に放出されるようになっている。そこにおいて、このように切欠110から遊技領域30に放出された遊技球は、切欠110の下方に始動入賞装置36が位置せしめられていないことから、始動入賞装置36への入賞が困難になっている。
一方、転動に勢いがあって、しかも、回転体82に突出形成された突起92に当たることなく回転体82に乗り上げることが出来た場合、遊技球は、回転体82における回転板84の上面90を転動せしめられることとなる。
そして、転動に勢いがない場合、或いは、転動に勢いがあるが、回転体82の上面90を転動せしめられている際に、突起92に当たって勢いが弱められたり、転動方向が変化せしめられた場合には、回転体82における回転板84の上面90に付された傾斜によって外周縁部側に向かって転動せしめられることとなり、その途中において、回転板84に突出形成された突起92に当たらなかった場合や、突起92に当たったとしても、凸状湾曲面の側に当たった場合には、遊技球は、再び手前側フロア60のフロア面80を転動せしめられることとなる。このような遊技球は、再び回転体82に乗り上げることが出来る程度に転動の勢いがなくなっており、再び回転体82に乗り上げることなく、手前側フロア60のフロア面80に付された傾斜によって切欠110が形成された位置に向かって転動せしめられ、かかる切欠110から遊技領域30に放出されるようになっている。
また、回転板84の上面90に付された傾斜によって外周縁部側に向かって転動せしめられている際に、突起92の凹状湾曲面側に当たった遊技球は、突起92の凹状湾曲面に当たりながら回転板84の外周縁部に向けて転動せしめられている際に、回転体82が回転せしめられていることから、回転体82の回転方向にも移動せしめられることとなる。そこにおいて、各回転体82における回転中心軸よりも手前側フロア60の左右方向外側部分は、奥側から手前側に向かって回転せしめられていることから、手前側入球口106に遊技球が誘導されることはない。
また、転動に勢いがあって、回転板84に乗り上げてきたほうと反対側に向かって転動せしめられる遊技球は、その途中において、突起92に当たり、突起92の凹状湾曲面に沿って移動しながら、回転体82の回転方向に誘導されることがある。そこにおいて、各回転体82における回転中心軸よりも手前側フロア60の内側部分は、手前側から奥側に向かって回転せしめられていることから、遊技球が手前側入球口106が形成された位置に誘導されることがある。
そして、手前側入球口106に入球した遊技球は、球通路70を通って開口部72から遊技領域30に放出されるようになっており、奥側入球口68から入球した遊技球と同様に、開口部72の下方に位置せしめられた始動入賞装置36に入賞しやすくなっているのである。即ち、本実施形態では、奥側フロア60を転動せしめられていた際に奥側入球口68に入球しなかった場合であっても、手前側入球口106に遊技球が入球することによって、奥側入球口68に入球した場合と同様な利益を遊技者は得ることが可能となる。
また、遊技球が回転板84の上面90を外周縁部側に向かって転動せしめられている際、回転体82は回転せしめられていることから、回転体82の回転方向にも遊技球が移動せしめられるようになっている。従って、回転板84に乗り上げた遊技球は、突起92に当たらなかった場合であっても、手前側入球口106に誘導されることがある。
上述の如き構造とされたパチンコ機10においては、手前側フロア60において突起92を備えた回転体82が回転せしめられていることから、手前側フロア60を転動せしめられる遊技球が、回転体82に突出形成された突起92に当たって、その転動方向が変化せしめられたり、或いは、突起92によって誘導されたりするようになっていることから、手前側フロア60を転動せしめられる遊技球の動きを遊技者が予測し難いようにすることが可能となり、それによって、遊技者の興味を手前側フロア60を転動せしめられる遊技球の動きに惹きつけて、手前側フロア60を転動せしめられる遊技球を見ることに対する楽しみを遊技者に与えることが可能となる。
特に、本実施形態では、手前側フロア60の上方には、手前側フロア60を転動せしめられる遊技球の動きを見る際の邪魔になるような部材等が配設されていないことから、手前側フロア60における遊技球の転動を遊技者に十分に見せることが可能となり、それによって、遊技者に手前側フロア60を転動せしめられる遊技球を見る楽しみを十分に与えることが可能となる。
また、本実施形態では、手前側入球口106に入球した遊技球が、奥側入球口68に入球した遊技球の通過する球通路70を通って開口部72から遊技領域30に放出されるようになっていることから、奥側入球口68に遊技球が入球しなかった場合であっても、手前側フロア60を転動せしめられる遊技球が、手前側入球口106に入球することによって、奥側入球口68に入球した場合と同様な利益を遊技者にもたらすこととなり、その結果、手前側フロア60を転動せしめられる遊技球を見る楽しみをより高めることが可能となる。
さらに、本実施形態では、左側の回転体82が反時計回りに回転せしめられるようになっている一方、右側の回転体82が時計回りに回転せしめられるようになっていることから、各回転体82における手前側フロア60の左右方向外側の部分は、奥側から手前側に向かって回転せしめられることとなり、それによって、遊技球が各回転体82に形成された突起92によって手前側入球口106に誘導されるためには、回転体82に乗り上げて他方の回転体82側に向かって転動する必要があり、その結果、手前側フロア60を転動せしめられる遊技球が回転体82に乗り上げて、各回転体82における他方の回転体82側の部分に至るか至らないかということに対して、遊技者の興味を惹きつけることが可能となり、遊技者を楽しませることが可能となる。
また、本実施形態では、回転体82における回転板82の上面90に付された傾斜が5〜10度とされていることから、手前側フロア60を転動せしめられる遊技球に対して、遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。蓋し、回転板84の上面90に付された傾斜が5度よりも小さい場合には、回転体82に乗り上げた遊技球の転動に勢いがないと、回転体82の乗り上げた状態で遊技球が停留してしまうおそれがあり、また、回転板84の上面90に付された傾斜が10度よりも大きい場合には、遊技球が回転体82に乗り上げることが困難になったり、或いは、回転体82に乗り上げたとしても、回転体82に乗り上げてきたほうと反対側に向かって転動しなくなってしまうおそれがあり、手前側フロア60の全体を有効に利用した遊技球の転動が実現できなくなってしまうおそれがあるからである。
更にまた、本実施形態では、ワープ通路52を通ってステージ58に案内されてきた遊技球のみならず、センター飾り42の周囲に打ち込まれた遊技釘に衝突することによって、手前側フロア60に飛び込んできた遊技球であっても、ワープ通路52を通ってステージ58に案内されてきた遊技球の転動を見るのと同様な楽しみを遊技者に与えることが可能となる。
また、本実施形態では、駆動モータ102による回転体82の回転駆動が、パチンコ機10に電源が投入されることによって開始されるようになっており、しかも、パチンコ機10の遊技動作を全体的に制御するCPUが割り込み信号に基づいて行う遊技処理を実行する際には、かかるCPUが駆動モータ102の作動制御の監視等を行わないようになっていることから、CPUが遊技処理を実行する際の負担を軽減することが可能となる。
さらに、本実施形態では、奥側フロア62から手前側フロア60へ遊技球を誘導する手前側誘導傾斜面74,74が、センター飾り42を正面から見た際に、手前側フロア60に配された回転体82を挟んだ両側に形成されていると共に、回転体82における回転板84の上面90に対して遊技球が通過可能なスペースが形成されており、回転板84の上面90と手前側フロア60のフロア面80の間を遊技球が容易に移動できるようになっていることから、手前側フロア60の全体を有効に利用した遊技球の転動を実現することが可能となる。
また、本実施形態では、二つの回転体82,82が手前側フロア60の左右方向に沿って並ぶようにして配されていることから、手前側フロア60の奥行寸法を必要以上に大きくしないようにすることが可能となり、それによって、液晶表示器34の表示画面が出来るだけ手前側に位置せしめられることとなり、その結果、液晶表示器34の表示画面を見やすくすることが可能となる。
また、本実施形態では、パチンコ機10の奥行方向に二つのフロア(手前側フロア60と奥側フロア62)を形成するようにしたことから、パチンコ機10の上下方向に遊技球が転動せしめられる二つのフロアを形成する場合に比して、センター飾り42を上下方向(図2中の上下方向)に必要以上に大きくしなくても良く、それによって、遊技領域30を必要以上に狭めないようにすることが可能となる。また、センター飾り42の奥方に配された液晶表示器34の表示画面の大きさを必要以上に制限することもない。このような利点を本実施形態のパチンコ機10は備えており、その上で、広く、且つ変化のある遊技球の転動スペースを効率的に実現することが出来たのである。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、前記実施形態では、突起92は、回転板84の上面90の外周縁部において、4つ形成されていたが、突起92が形成される位置や突起92の数,突起92の形状等は、前記実施形態のものに限定されることはない。具体的には、回転板84の中心を通って回転板84を横断するように延びる突起を採用しても良いし、或いは、回転板84の中心で交わるような十字状の突起を採用しても良い。
また、前記実施形態では、各回転体82の回転は、1秒間に10〜15回転とされていたが、これよりも多くても良いし、少なくても良い。更に、各回転体82の回転方向も前記実施形態のものに限定されることはない。更にまた、各回転体82の形状も前記実施形態のものに限定されない。
さらに、前記実施形態では、各回転体82は一定速度でもって一方向にのみ回転せしめられるようになっていたが、例えば、各回転体82を間欠的に回転せしめたり、各回転体82の回転方向を逆転させたり、各回転体82の回転速度を変化させたりするようにしても良い。また、二つの回転体82,82の何れか一方のみを間欠的に回転せしめたり、何れか一方の回転体82の回転方向を逆転させたり、何れか一方の回転体82の回転速度を変化させたりするようにしても良い。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明の一実施形態のパチンコ機を示す正面図である。 図1に示されたパチンコ機に採用されているセンター飾りの正面図である。 図2に示されたセンター飾りの斜視図である。 図2におけるIV−IV断面図であって、その要部を示すものである。 図2におけるV−V断面図であって、その要部を示すものである。 図2に示されたセンター飾りのステージに配されている回転体の駆動機構を説明するための図面である。
符号の説明
10 パチンコ機
30 遊技領域
42 センター飾り
58 ステージ
60 手前側フロア
62 奥側フロア
66 奥方誘導傾斜面
68 奥側入球口
74 手前側誘導傾斜面
80 フロア面
82 回転体
90 上面
92 突起
102 駆動モータ
106 手前側入球口

Claims (1)

  1. 遊技球を転動せしめるためのステージが形成されたセンター役物を遊技領域に備えたパチンコ機において、
    前記ステージが、手前側フロアと、該手前側フロアよりも奥側で高位置にある奥側フロアを含んで構成されており、該奥側フロアには、該奥側フロアを転動せしめられる遊技球を該手前側フロアに誘導するための第一の誘導傾斜面と、該奥側フロアを転動せしめられる遊技球を該奥側フロアの奥方に形成された奥側入球口に誘導するための第二の誘導傾斜面が形成されている一方、該手前側フロアには、駆動モータによって略鉛直方向に延びる回転中心軸回りに回転せしめられる回転体が、該手前側フロアのフロア面と略同じ高さの上面をもって、該手前側フロアの奥行方向に略直交する方向に並ぶようにして二つ配されており、該手前側フロアを転動せしめられる遊技球が、該駆動モータによって回転せしめられている該回転体の該上面に突出形成された突起によって、該回転体よりも奥側に形成されて該手前側フロアを転動せしめられる遊技球が入球可能な手前側入球口に誘導されるようにして、且つ、
    前記二つの回転体が互いに異なる方向に回転せしめられるようにすると共に、
    前記センター役物を前方から見た際に、前記手前側入球口が前記二つの回転体のそれぞれの回転中心軸に挟まれるような位置に形成されており、該二つの回転体のそれぞれが回転中心軸よりも他方の回転体側に位置せしめられる部分において手前側から奥側に向かって回転せしめられるようにしたことを特徴とするパチンコ機。
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