JP4516780B2 - 重金属固定化材、セメント系固化材、重金属固定化材の製造方法、地盤改良材の製造方法、及び処理対象土の処理方法 - Google Patents

重金属固定化材、セメント系固化材、重金属固定化材の製造方法、地盤改良材の製造方法、及び処理対象土の処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、セメントや汚染土壌等に含まれる重金属の不溶化効果に優れた重金属固定化材、その製造方法、その重金属固定化材を利用した地盤改良材の製造方法、処理対象土の処理方法、及びセメント系固化材に関するものである。
重金属等によって汚染された土壌に対する対応は現代社会の抱える大きな問題の一つであり、その恒久対策の一つとして、セメントあるいは固化材による汚染土壌の封じ込めが一般的に適用されている。しかし、この方法は土壌の性状(粒度、含水比、有機物量)の影響を受けやすく、結果として、重金属の固定化には限界があった。また、土質によっては、セメントに由来する六価クロムが土壌環境基準を超えて溶出するといった問題があった。
このような問題に対し、セメント系固化材による固化処理土からの六価クロム溶出対策としては、各種の還元剤の添加が知られている(例えば、特許文献1)。還元剤としては、硫酸第一鉄、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、硫黄、硫化カルシウム、硫化鉄等の硫化物や、これらの硫化物を含むスラグ、硫化水素等の水素化物、Na、K、Mg、Fe、Zn等の金属粉が使用される。これらの還元剤は、六価クロム溶出対策として有用であるが、一般には、添加量が多いと固化処理土の強度が低下することが知られている。
このうち、還元剤として例えば硫酸第一鉄を添加した場合、ある程度の即効性はあるものの、セメントが水和反応する過程で、六価クロムは徐々に溶出してしまう。このように、還元剤としての硫酸第一鉄は、中・長期的な還元作用の持続性という点で問題がある。また、例えば、セメント中の六価クロムを比較的溶出しやすい火山灰質粘性土を処理対象土とし、この処理対象土から六価クロムの溶出を抑制するために、還元剤として硫化物を含有するスラグを火山灰質粘性土とセメントとの混合物に添加する場合には、30%以上ものスラグを添加しなければならない。このように多量の硫化物含有スラグを添加すると、硬化させた固化処理土の強度は著しく低下してしまう。そのため、地盤改良材には不向きである。
また、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、硫黄、硫化鉄、Mg、Fe、Znは、重金属固定化効果が不十分であり、硫化水素、Na、Kは、その毒性や安定性等の面から取扱いが難しいという問題があった。
これに対して、硫化カルシウムは、上記のような問題は生じにくく、また重金属の不溶化効果が特に大きく、少量の添加により十分な重金属溶出抑制性能を発揮する。したがって、硫化カルシウムは、固化処理土の強度を低下させることなく、重金属の固定化を行う上で有用であると言える。
このような硫化カルシウムの製造方法としては、リン酸石膏に石炭あるいは一酸化炭素を加えて還元することにより硫化カルシウムを製造する方法(非特許文献1)が公知である。この方法はリン酸石膏に還元剤を石膏の還元に必要な当量数以上(還元剤の還元当量数/石膏の酸化当量数≧1)以上となるよう添加して加熱処理し、純度が30質量%以上の硫化カルシウムを得るものである。
特開2003−146728号公報 US Depertment of The Interior,Report of invrdtigation No.9323 14p 「Recovery of sulfur from phosphogypsum:Conversion of calcium sulfate to calcium sulfide」
しかしながら、上記の非特許文献1の方法で得られた硫化カルシウムは、十分な重金属固定化能を発揮させるために平均粒径で2〜20μmまで粉砕し、硫化カルシウム粒子の比表面積を大きくする必要がある。そのため、硫化カルシウムの粉砕に時間を要し、エネルギーコストが高くなるだけでなく、微粉となるためハンドリング性が悪い等の問題があった。
さらに、硫化カルシウムは、貯蔵や輸送、更にはセメントや固化材等との混合時に、空気中の水分及び二酸化炭素の作用により硫化水素を発生し、その臭気が問題となる。特に、雨天等により相対湿度が80%程度になると、硫化水素の発生が激しく、取扱いが非常に困難であった。
そこで、本発明は、重金属の固定化性や固化処理土の強度発現性にも優れ、高湿下においても硫化水素の発生が低減された重金属固定化材、その製造方法、その重金属固定化材を利用した地盤改良材の製造方法及び処理対象土の処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、重金属固定化材として、硫化カルシウムのみならず、硫酸カルシウムをも含むものを用い、且つ、これらがそれぞれ特定の割合で含有される場合に上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、上記課題を解決するため、本発明に係る重金属固定化材は、石膏の酸化当量数に対する還元剤の還元当量数の比が0.3〜0.9となるように石膏と還元剤とを含む原料を、還元雰囲気下で加熱処理して得られ、硫化カルシウムを4〜19質量%、硫酸カルシウムを57〜95質量%含有することを特徴とする
この重金属固定化材によれば、重金属の固定化性、中・長期的な還元作用の持続性、及び固化処理土の強度発現性に優れ、高湿下においても硫化水素の発生が低減される。なお、硫化カルシウムの含有率が4質量%より少ない場合、重金属固定化材をセメント等へ添加して固化材としたとき、重金属固定化効果が不十分となり、また、重金属固定化材中の硫化カルシウムが19質量%よりも多い場合には、高湿環境下において硫化水素の発生が多量となるため好ましくない。また、硫酸カルシウムが57質量%よりも少ない場合は、セメント等に添加して固化材としたとき、固化処理後のエトリンガイト生成量が不十分となり、固化処理土の強度が低下するため好ましくない。また、硫酸カルシウムが57質量%よりも少ない場合に、重金属固定化材の添加量を増加させてセメント等へ添加しても、固化材中のセメントクリンカ量が減少するため、十分な強度発現性が得られない。硫酸カルシウムが95質量%よりも多い場合は、相対的に硫化カルシウム含有量が少なくなり、十分な重金属固定化能が得られなくなるため好ましくない。なお、この重金属固定化材により固定化される重金属としては、Cd、Cr、Hg、Se、PbやAs等が挙げられる。
ここで、重金属固定化材は、容器容積(mL)/重金属固定化材重量(g)比=10となるように容器内に気密に収容されて、初期相対湿度80%で20℃に維持されたとき、24時間静置後におけるその容器内の硫化水素濃度が2.0ppm以下となるとものであると好適である。
このような重金属固定化材であれば、雨天等により相対湿度が80%程度にまで高湿になったとしても、臭気が問題とならないため、取扱いが容易となる。
また、本発明に係る重金属固定化材の製造方法は、石膏の酸化当量数に対する還元剤の還元当量数の比が0.3〜0.9となるように石膏と還元剤とを含む原料を還元雰囲気下で加熱処理して重金属固定化材を製造することを特徴とする。
この重金属固定化材の製造方法によれば、石膏が還元されて、硫化カルシウム4〜19質量%及び硫酸カルシウム57〜95質量%を含有する重金属固定化材を製造することができる。
この重金属固定化材の製造方法においては、原料を600℃〜1100℃で加熱処理することが好ましい。加熱処理温度が600℃よりも低いと、600℃以上の場合に比べて、石膏の還元反応は十分に進行しない傾向がある。また、加熱処理温度が1100℃よりも高い場合には、1100℃以下の場合に比べて石膏の一部が分解し硫黄酸化物が生成するため、排ガスの環境対策が必要となる。
また、還元剤は、炭素含有物を含有することが好ましい。ここで、炭素含有物とは、炭素を含有する物質をいい、炭素単体の他、炭素原子を構成の一部に含む有機化合物をも含む。炭素含有物を還元剤として用いることにより、石膏の還元を促進させることができる。
また、本発明に係る地盤改良材の製造方法は、上述の重金属固定化材とセメントとを含有するセメント系固化材、及び処理対象土の混合物を硬化させることを特徴とする。
この製造方法によれば、嵩のある処理対象土とセメント系固化材との混合物を硬化させると、十分な容積の地盤改良材を得ることができる。加えて、重金属固定化材が優れた重金属固定化機能を持つため、重金属固定化材によりセメントに含まれる重金属が十分に固定化される。したがって、地盤改良材を得ることができる。ここで、処理対象土としては、例えば建設工事にともなって発生する火山灰質粘性土等を有効利用することができる。
この地盤改良材の製造方法において、セメント系固化材は、硫化カルシウムを0.5質量%以上含有し、三酸化硫黄を5.5質量%以上含有していると好ましい。これにより、例えば、火山灰質粘性土を処理対象土とした場合であっても、重金属をより十分に固定化でき、硬化した地盤改良材においてもより十分な強度が得られる。
また、本発明に係る処理対象土の処理方法は、重金属を含む処理対象土に、上述の重金属固定化材とセメントとを含有するセメント系固化材を混合して硬化させることを特徴とする。
この処理方法によれば、処理対象土が、セメントによって固化されると共に、上述の重金属固定化材の優れた重金属固定化機能により、処理対象土中の重金属の溶出が十分に抑制される。
この処理対象土の処理方法において、セメント系固化材は、硫化カルシウムを0.5質量%以上含有していると良い。これにより、処理対象土に含まれる重金属をより十分固定化することができる。
本発明に係る重金属固定化材によれば、重金属の固定化性、中・長期的な還元作用の持続性や固化処理土の強度発現性に優れ、高湿下においても硫化水素の発生が低減される。
また、本発明に係る重金属固定化材の製造方法によれば上述のような重金属固定化材を製造することができる。
また、本発明に係る地盤改良材の製造方法によれば、上述のような重金属固定化材を利用することにより、重金属の溶出が十分に抑制された地盤改良材を製造することができる。
さらに、本発明に係る処理対象土の処理方法によれば、上述のような重金属固定化材を利用することにより、処理対象土に含まれる重金属の溶出を十分に抑制することができる。
以下、本発明に係る重金属固定化材、重金属固定化材の製造方法、地盤改良材の製造方法、及び処理対象土の処理方法の好適な実施形態について説明する。
<重金属固定化材>
まず、本発明に係る重金属固定化材の実施形態について説明する。重金属固定化材は硫化カルシウムを4〜19質量%、硫酸カルシウムを57〜95質量%含有する。ここで、硫化カルシウムは、汚染された土壌やセメント、セメント系固化材に含まれる重金属の溶出を抑制する作用を有する。したがって、この重金属固定化材によれば、セメントクリンカ、セメント、固化材等に添加して、土壌を固化処理した場合、硫化カルシウムの作用により、土壌やセメントに含まれるCd、Cr、Hg、Se、Pb及びAs等の重金属が硫化物とされて不溶化される。そのため、固化処理された土壌からの重金属の溶出を防止することができる。
なお、硫化カルシウムが4質量%より少ない場合、4質量%以上の場合に比べてセメント等へ添加して固化材としたときに、十分な重金属固定化機能が得られないため好ましくない。また、硫化カルシウムが4質量%よりも少ない場合に、重金属固定化材の添加量を増加させてセメント等へ添加すれば、重金属は固定化されるが、重金属固定化材の添加量を増加させた分、セメント系固化材におけるセメントクリンカの割合が減少するため、十分な強度発現性が得られない。重金属固定化材中の硫化カルシウムが、19質量%よりも多い場合には、20℃初期相対湿度80%において、容器容積(ml)/試料(重金属固定化材)重量(g)比=10となるように容器内に重金属固定化材を収容して密栓し、24時間静置すると、容器内の硫化水素濃度が2.0ppmよりも高くなるため、好ましくない。
また、硫酸カルシウムはエトリンガイトを生成し、固化処理した土壌に十分な強度を発現させる。硫酸カルシウムが57質量%よりも少ない場合は、セメント等に添加して固化材としたとき、固化処理後のエトリンガイト生成量が不十分となり、固化処理土の強度が低下するため好ましくない。また、硫酸カルシウムが57質量%よりも少ない場合に、重金属固定化材の添加量を増加させてセメント等へ添加しても、固化材中のセメントクリンカ量が減少するため、十分な強度発現性が得られない。硫酸カルシウムが95質量%よりも多い場合は、相対的に硫化カルシウム含有量が少なくなり、十分な重金属固定化能が得られなくなるため好ましくない。
図1は、重金属固定化材粒子の断面を示す概略図である。図1に示すように、重金属固定化材は、主に硫化カルシウム及び硫酸カルシウムからなり塊状の硫酸カルシウムの表面に硫化カルシウムが付着している。このため、この重金属固定化材における硫化カルシウムの比表面積は、硫化カルシウムと硫酸カルシウムとが均質に混和しているような従来の重金属固定化材における硫化カルシウムの比表面積よりも大きい。したがって、従来の重金属固定化材は平均粒径2〜20μmまで粉砕されなければ十分な重金属固定化機能を発揮しなかったのに対し、硫酸カルシウムの表面に硫化カルシウムが付着している重金属固定化材は、平均粒径が300μm以下に、より好ましくは平均粒径100μm以下に粉砕する程度で、優れた重金属の固定化機能を発揮することが可能となる。なお、重金属固定化材の平均粒径は、レーザー回折式粒度計により計測することができる。
ところで、汎用のセメント系固化材は、通常、セメントクリンカ及び無水石膏、半水石膏、二水石膏等の石膏類より構成される。石膏類の配合量は、少ない場合には固化処理後のエトリンガイト生成量が不足し、粘性土や有機質粘性土等で十分な強度発現性が得られない。また、石膏の配合量が多すぎる場合には、相対的にセメントクリンカ配合量が減少するだけでなく、エトリンガイト生成量が多過ぎるために、過大な膨張を招くため、十分な強度発現性が得られない。このため、汎用のセメント系固化材としては、通常、石膏を三酸化硫黄換算で6〜9質量%配合されたものが使用される。
<重金属固定化材の製造方法>
次に、本発明に係る重金属固定化材の製造方法の実施形態について説明する。
重金属固定化材の製造方法は、石膏の酸化当量数に対する還元剤の還元当量数の比が0.3〜0.9となるように石膏と還元剤とが混合された原料を、還元雰囲気下で加熱処理するものである。この製造方法によれば、石膏が還元されて、硫化カルシウム4〜19質量%及び硫酸カルシウム57〜95質量%を含有する重金属固定化材を生成することが可能になる。
石膏に対する還元剤の添加量は、例えばカーボン等の還元当量の計算が容易な還元剤については、石膏の還元に必要な当量数の0.3〜0.9倍量、すなわち、石膏の酸化当量数に対する還元剤の還元当量数の比が0.3〜0.9となる量とする。木材や廃プラスチックを還元剤として用いる場合には、炭化して生成するカーボン以外に炭化水素、水素、一酸化炭素等の乾留ガスによる還元も考慮して還元当量を計算し、石膏の酸化当量数に対する還元剤の還元当量数の比が0.3〜0.9となる量とする。また、内熱式ロータリーキルンや、乾留ガスを燃焼させて熱源とする炭化炉等を使用する場合のように、発生した乾留ガスの一部が石膏の還元に寄与しない場合には、還元反応に寄与しない乾留ガスを差し引いた上で、還元剤の還元当量数と石膏の酸化当量数の比が0.3〜0.9となるよう還元剤を添加すると良い。
なお、石膏の酸化当量数に対する還元剤の還元当量数の比が0.3よりも少ない場合には、加熱処理後の重金属固定化材中の硫化カルシウム含有量が4質量%よりも少なくなる傾向があるため好ましくなく、還元剤の還元当量数と石膏の酸化当量数の比が0.9を超えた場合には、硫化カルシウム含有量が19質量%以上を超える傾向にあるため好ましくない。
石膏及び還元剤を含む原料は粉砕後、好ましくは600〜1100℃、より好ましくは700〜1000℃で加熱処理される。加熱処理温度が600℃よりも低いと、600℃以上の場合に比べて石膏の還元反応が十分に進行しない傾向がる。加熱処理温度が1100℃よりも高い場合には、石膏の一部が分解し硫黄酸化物が生成するため、排ガスの環境対策が必要となる。
原料を加熱処理するための加熱炉は、内燃バーナー式ロータリーキルン、外熱式ロータリーキルン、二重筒ロータリーキルン式炭化炉、バッチ式炭化炉等を採用することができ、所定の温度に加熱できるものであれば特に限定されない。
ここで、原料は、石膏を主成分とするものであれば特に限定はされず、市販の無水石膏、半水石膏、二水石膏や石膏ボード、鋳込み成型用石膏型、工業模型用石膏型等の石膏廃材が使用できるが、経済面や環境保全等の面から石膏廃材の使用がより好ましい。石膏ボード廃材を使用する場合には、石膏ボードに例えば約7質量%の紙が付着しているが、石膏廃材を還元雰囲気で加熱処理するため、付着紙を分離除去する必要はない。この場合、付着紙は、石膏に添加する還元剤の一部として有効に機能する。また、石膏廃材に含まれる金属類は、破砕処理後、磁選機、篩等を用いて除去しておくことが好ましい。また、原料として使用する石膏は、粉砕されて使用されるが、還元剤と均一に混合する場合には粒径10mm以下に粉砕することが好ましい。
石膏の還元剤は、炭素含有物を含有することが好ましい。炭素含有物には、炭素を含有する物の他、炭素を構成の一部に含む有機化合物等が含まれる。還元剤に用いる炭素含有物としては、カーボン、石炭、コークス、木炭、木材等の他に、石炭火力発電所から排出する未燃炭素を含む石炭灰、石炭ガス化炉から排出されるガス化スラグ、製紙工場から排出されるパルプスラッジや廃プラスチック、廃木材、伐採木等の廃棄物を挙げることができる。
以上のようにして製造された重金属固定化材によれば、容器容積(mL)/重金属固定化材重量(g)比=10となるように容器内に気密に収容し、初期相対湿度80%で20℃に維持したとき、24時間静置後におけるその容器内の硫化水素濃度を2.0ppm以下とすることが可能となる。このような重金属固定化材であれば、雨天等により相対湿度が80%程度にまで高湿になったとしても、硫化水素の発生による臭気も問題とならないため、取扱いが容易となる。
また、上記の重金属固定化材の製造方法によれば、原料である石膏粒子と還元剤の接触面で石膏が硫化カルシウムに還元されるため、重金属固定化材の表面において部分的に硫化カルシウムが付着するように形成され、残りの部分が硫酸カルシウムにより構成される。このため、硫化カルシウムの比表面積は、硫化カルシウムと硫酸カルシウムとが均質に混在する場合よりも大きくなる。そのため、重金属固定化材を、径300μmの編目を有する篩を通過する粒度、より好ましくは径100μmの網目を有する篩を通過する粒度に粉砕する程度で、優れた重金属の固定化機能を発揮する。
さらに、この重金属固定化材は、セメント系固化材用の原料として好適であり、ボールミル、竪型ローラーミル、振動ミル、ピンミル等公知の装置を用いて粉砕し、セメントクリンカ、セメント、固化材等と混合して使用したり、または、セメントクリンカ等に混合してセメントクリンカ等と共に粉砕して使用することが可能である。
ここで、原料の加熱処理時に排出される排ガス中の二酸化硫黄に対しては、公知の方法により脱硫することができ、脱硫方法は特に限定されない。脱硫の方法は、例えば、石灰石−石膏法方式の脱硫装置を使用することができる。この脱硫装置は、吸収塔に石灰石紛及び水からなる石灰石スリラーを充填しておき、この吸収塔に排ガスをバブリングさせ、排ガス中の二酸化硫黄SOを石膏CaSOや亜硫酸カルシウムCaSOに変化させて吸収する装置である。なお、吸収材として石灰石の代わりに水酸化マグネシウム等を使用してもよい。また、排ガスを排出する煙道内に消石灰を吹き込み、排ガス中の二酸化硫黄と反応させ、石膏にしてバッグフィルタ等で集塵し回収するように構成してもよい。このような脱硫装置によって、二酸化硫黄濃度を硫黄酸化物の排出基準にまで低減することができる。
<地盤改良材の製造方法>
次に、本発明に係る地盤改良材の製造方法の実施形態について説明する。
本実施形態における地盤改良材の製造方法は、例えば火山灰質粘性土等の処理対象土に対し、上述の重金属固定化材とセメントとを混合して硬化させる。セメントには微量の重金属が含まれているが、重金属の固定化機能に優れる重金属固定化材によって、セメントに含有される重金属が固定化される。しかも、砂質土や粘性土のみならず、火山灰質粘性土等を用いても、十分な容積の地盤改良材を得ることができる。
このとき、重金属固定化材には、硫化カルシウムは0.5質量%以上含有され、三酸化硫黄量は5.5質量%以上含有されていることが好ましい、この場合、重金属をより十分固定化でき、硬化した地盤改良材もより十分な強度が得られる。
<処理対象土の処理方法>
次に、処理対象土の処理方法の実施形態について説明する。
本実施形態における処理対象土の処理方法は、汚染された土壌など重金属を含む処理対象土に上述の重金属固定化材とセメントとを混合し硬化させる。上述の重金属固定化材は、重金属の固定化機能に優れているため、汚染された処理対象土に含まれる重金属が固定化され、重金属の溶出を十分に抑制することができる。ここで、重金属固定化材には、硫化カルシウムは0.5質量%以上含有されていることが好ましい。この場合、重金属をより十分固定化することができる。
以下、実施例を用いて、本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
< 地盤改良材の作製 >
[ 重金属固定化材の原料の作製 ]
石膏ボード (厚さ9.5mm、二水石膏量約93質量%、紙約7質量%)を、ジョークラッシャーで粉砕して紙を分離した後、アトマイザーを用いて、径3mmの編目を有する篩を全通する粒度に粉砕した。また、石炭ガス化炉から排出されたスラグ(以下「石炭ガス化スラグ」と略す。炭素70.8質量%)を、レーザー回折式粒度計により計測して平均粒径が120μmとなるようボールミルを用いて粉砕した。そのうえで、表1に示すように、廃石膏ボード粉砕物と石炭ガス化スラグ粉砕物を質量比で97:3〜74:26となるように混合し、No.A,B,C,D−1〜D−6,E,Fの原料を作製した。各原料について、石膏と石炭ガス化スラグの質量比及び重量を表1の「原料配合」欄に示す。
Figure 0004516780
また、各原料No.A〜Fにおける、石炭ガス化スラグの還元当量数(a)、原料中の石膏の酸化当量数(b)、及び石膏の酸化当量数に対する石炭ガス化スラグの還元当量数の比(a/b)を次の(イ)、(ロ)、(ハ)式より算出した。これらの値を表1に示す。
原料中の石炭ガス化スラグの還元当量数(a)
=石炭ガス化スラグの原料配合重量×0.708÷炭素1還元当量の重量・・・(イ)
原料中の石膏の酸化当量数(b)=石膏の原料配合重量÷石膏1酸化当量の重量・・・(ロ)
石膏の酸化当量数に対する石炭ガス化スラグの還元当量数の比=a/b・・・(ハ)
[ 原料の加熱処理 ]
次いで、上記各原料No.A〜Fについて、原料40gを船型るつぼに入れ、ガス流通可能な管状電気炉(内径60mm×高さ1000mm)内で、窒素ガスをガス流量0.5L/分で送入しながら、500〜1200℃で4時間加熱処理した。こうして重金属固定化材を得た。各原料No.A〜Fの加熱処理条件は、表1の「加熱処理温度(℃)」の欄に示す通りとした。
[ 固定化処理対象土 ]
地盤改良材を作製するための固定化処理対象土としては、火山灰質粘性土(自然含水比103.1%、非汚染土、千葉県(関東ローム))を用いた。
[ セメント系固化材の作製 ]
各原料No.A〜Fから得られた各加熱処理物を、(株)堀場製作所製レーザー回折式粒度計LA−500により計測して平均粒径が90μmになるまでボールミルを用いて粉砕した。次いで、その粉砕物が10質量%となるよう、粉砕物を普通ポルトランドセメント(三酸化硫黄含有量2.0質量%)に添加してセメント系固化材を作製した。表2の「固化材割合」の欄に、セメント系固化材を作製する際における、普通ポルトランドセメント及び重金属固定化材の混合割合を示す(No.1〜12)。なお、比較例として、一般軟弱土用セメント系固化材のみで固化材を構成しているものも作製した(No.13)。
[ 固定化処理対象土の硬化処理 ]
上記セメント系固化材による、火山灰質粘性土(非汚染土)の処理は次のように行った。すなわち、上記セメント系固化材を火山灰質粘性土に添加、攪拌混合し、型枠(径5cm×高さ10cm)に充填した後締固め、20℃、相対湿度80%の恒温室で密封養生し硬化させた。7日経過後、型枠から脱型して硬化した地盤改良材(供試体)を得た。なお、比較例として一般軟弱土用セメント系固化材(三酸化硫黄含有量6.5質量%)を用い、上記と同様の処理を行い、供試体を得た(No.13)。
ここで、処理対象土である火山灰質粘性土1mに対する固化材の添加量(kg/m)は、200kgとした。ここで「固化材添加量」における「固化材」は、表2の「固化材割合」の欄に示された普通ポルトランドセメント及び重金属固定化材の混合割合に従って混合された「固化材」を意味する。
ここで、固化材中の硫化カルシウム量及び三酸化硫黄量は(ニ)、(ホ)式により算出した。それぞれの算出結果を表2の「固化材中の硫化カルシウム量(質量%)」及び「固化材中の三酸化硫黄量(質量%)」の欄に示す。ここで、これらの欄における「固化材」とは、表2の「固化材割合」の欄に示された普通ポルトランドセメント、一般軟弱土用セメント系固化材、及び重金属固定化材の混合割合に従って混合された固化材を意味する。
固化材中の硫化カルシウム量=
重金属固定化材中の硫化カルシウム量×重金属固定化材の固化材配合割合・・・(ニ)
固化材中の三酸化硫黄量=
(セメント中の三酸化硫黄量×セメントの固化材配合割合
+重金属固定化材中の三酸化硫黄量×重金属固定化材の固化材配合割合 )・・・(ホ)
[ 重金属の固定化評価 ]
脱型後の各地盤改良材(供試体)について、重金属溶出量を測定した。その結果を表2の「重金属溶出量」の欄に示す。なお、重金属濃度が検出限界以下のものは「<(検出限界値)」と記載した。
日本国環境省の環境省告示第46号によれば、六価クロムの土壌環境基準値は、0.05mg/L以下である。表1に示すように、重金属固定化材No.B、C、D−2〜D−6は、石膏の酸化当量数に対する還元剤の還元当量数の比が0.3〜0.9であり、かつ、600〜1200℃で加熱処理して得られたものである。これら重金属固定化材No.B、C、D−2〜D−6を普通ポルトランドセメントに添加して作製したセメント系固化材を、火山灰質粘性土に添加したときの六価クロム溶出量はいずれも土壌環境基準値よりも低かった(実施例1〜7)。ところが、500℃で加熱処理して得た重金属固定化材、すなわちNo.D−1(参照表1)の加熱処理物は、土壌環境基準値を超えて六価クロムが溶出した(No.4:比較例2)。なお、重金属固定化材No.B、C、D−2〜D−6を用いた実施例では、いずれも、固化材中に硫化カルシウムを0.5質量%以上含有していた。
Figure 0004516780
[ 一軸圧縮強さの評価 ]
また、各供試体について、JIS A 1216「土の一軸圧縮試験方法」に準拠し一軸圧縮強度を、環境庁告知第46号に準拠し、重金属溶出量を測定した。評価結果を、表2の「一軸圧縮強さ(kN/m)」の欄に示す。
この結果によれば、重金属固定化材No.E,Fを用いたNo.10〜12(比較例3,4,5)の供試体における一軸圧縮強さは、850kN/m以下となり、実施例1〜7における900kN/m以上の一軸圧縮強さよりも小さかった。ここで、固化材中の三酸化硫黄に着目すると、No.10〜12の固化材中の三酸化硫黄は5.5質量%以下であることが分かった。一方、No.1(比較例1)及びNo.4(比較例2)は、一軸圧縮強さが940kN/mと十分高い値となったが、固化材中の硫化カルシウム量は0.5質量%未満であり、六価クロムの溶出量は、土壌環境基準を超えていた。
このことから、固化材中に硫化カルシウムを0.5質量%以上含有し、三酸化硫黄を5.5質量%以上含有すれば、Cr溶出量は土壌環境基準を下回る程、十分な不溶化効果があり、強度発現性も良好であることが確認された。
[ 硫化水素の発生評価 ]
また、加熱処理後の重金属固定化材の硫化水素発生評価も行った。すなわち、20℃、相対湿度80%の恒温恒湿器内に、口径60mm×高さ110mmのポリプロピレン製広口瓶容器を複数用意し、その瓶容器毎に、各原料A〜Fを加熱処理することによって得られた加熱処理物を30gずつ収容し、瓶容器内が気密となるよう密栓した。そして、恒温恒湿器内の温度を20℃に維持して24時間静置後、瓶容器を取り出し、瓶容器内の硫化水素濃度を(株)ガステック社製検知管により測定した。なお、加熱処理物(重金属固定化材)の重量(g)に対する瓶容器の容積(mL)の比は約10である。各原料No.A〜Fの加熱処理物における硫化水素濃度を表3の「硫化水素濃度(ppm)」の欄に示す。
Figure 0004516780
表3に示すように、石膏の酸化当量数に対する還元剤の還元当量数の比が0.3〜0.9(0.3≦(a/b)≦0.9)、かつ、600〜1200℃で加熱処理して得た重金属固定化材、すなわちNo.B,C,D−2〜D−6の加熱処理物(重金属固定化材)は、20℃、相対湿度80%の条件下、24時間経過後における硫化水素の発生量も2.0ppm以下と少なかった。
ここで、硫化水素の発生量と重金属固定化材(加熱処理物)との関係を調べるため、加熱処理物の組成を調べた。すなわち、各原料A〜Fを上述のように加熱処理することにより得られた重金属固定化材について、JIS R 5202「ポルトランドセメントの化学分析方法」により硫化物形態の硫黄及び三酸化硫黄量を測定した。さらに、測定された硫化物形態の硫黄の質量%から硫化カルシウム量の質量%を(ヘ)式より算出し、測定された三酸化硫黄量の質量%から硫酸カルシウム量の質量%を(ト)式より算出した。その結果を表3に示す。
硫化カルシウム量=硫化物形態硫黄量×(72.14/32.06)・・・(へ)
硫酸カルシウム量=三酸化硫黄×(136.14/80.06)・・・(ト)
すると、No.B,C,D−2〜D−6の加熱処理物は、硫化カルシウム含有量が4〜19質量%であることが分かった。また、石膏の酸化当量数に対する還元剤の還元当量数の比が0.9を超える重金属固定化材、すなわちNo.E,F(参照表1)の加熱処理物は、硫化カルシウム含有量が19質量%以上となり、20℃、相対湿度80%、24時間経過後における硫化水素発生量が2.0ppmを超えた。したがって、重金属固定化材における硫化カルシウム含有量は、4〜19質量%であることが好ましいことが分かった。
[ 加熱処理時における二酸化硫黄の発生 ]
また、加熱処理時の排ガスをアルミ製テドラーバッグに採取し、排ガス中の二酸化硫黄濃度を(株)ガステック社製検知管で測定した。その結果を表3の「排ガス中二酸化硫黄濃度(ppm)」の欄に示す。原料No.D−6の加熱処理において、他の原料と比べて多量の二酸化硫黄が発生したが、いずれの原料の加熱処理においても、脱硫装置によって二酸化硫黄を除去した。なお、原料の加熱処理温度を600℃〜1100℃とすれば、原料No.D−6の加熱処理時に発生した二酸化硫黄の量ほどの二酸化硫黄は発生せず、脱硫装置の負荷も低減さ、若しくは不要となる。そのため、原料の加熱処理温度は、600℃〜1200℃よりも、600℃〜1100℃の方がより好ましい。
ところで、500℃で加熱処理して得た重金属固定化材、すなわちNo.D−1(参照表1)の加熱処理物は、土壌環境基準値を超えて六価クロムが溶出した(No.4:比較例2)が、この原料No.D−1の加熱処理物は、硫化カルシウムの含有量(参照表3)が4質量%より少なかった。石膏の酸化当量数に対する還元剤の還元当量数の比が0.3より少ない重金属固定化材、すなわちNo.A(表1参照)の加熱処理物は、土壌環境基準値を超えて六価クロムが溶出した(No.1:比較例1)が、硫化カルシウム含有量が4質量%よりも少なかった。また、十分な一軸圧縮強さを示さなかった比較例3,4,5(参照表2)の原料E,Fの加熱処理物は、硫酸カルシウム含有量が57%よりも少なかった(参照表3)。また、十分な六価クロムの固定化機能を発揮しなかった比較例1の原料No.Aの加熱処理物は、硫酸カルシウム含有量が95%を超えていた(参照表3)。
以上のことから、重金属固定化材No.B、C、D−2〜D−6を用いて処理された火山灰質粘性土は、重金属が固定化された地盤改良材として有効に使用できることが分かった。
< 汚染土の固化処理 >
[ 重金属固定化材 ]
汚染土の固化処理の際に用いる重金属固定化材は、表1に示す原料D−4の加熱処理物を採用した。
[ 固定化処理対象土 ]
固定化処理対象物としては、重金属を含有させた次の3種類の汚染土を作製した。
(I)砂質土(自然含水比18.5%)六価クロム汚染土:環境庁告示第46号による六価クロム溶出量:2.5mg/L
(II)粘性土(自然含水比35.2%)六価クロム汚染土:環境庁告示第46号による砒素溶出量:4.2mg/L
(III)砂質土(自然含水比19.2%)鉛汚染土:環境庁告示第46号による鉛溶出量:4.7mg/L
[ セメント系固化材の作製 ]
セメント系固化材の作製方法は、上記の地盤改良材の製造におけるセメント系固化材の作製と同様である。すなわち、原料No.D−4から得られた加熱処理物を、平均粒径が90μmになるまでボールミルを用いて粉砕し、その粉砕物が10質量%となるよう普通ポルトランドセメント(三酸化硫黄含有量2.0質量%)に添加してセメント系固化材を作製した。表4の「固化材割合」の欄に、セメント系固化材を作製する際の、普通ポルトランドセメント及び重金属固定化材の混合割合を示す(No.14,16,18)。なお、比較例として、一般軟弱土用セメント系固化材のみで固化材を構成しているものも作製した(No.15,17,19)。
[ 固定化処理対象土の硬化処理 ]
上記セメント系固化材による、重金属汚染土(砂質土を用いたクロム汚染土、粘性土を用いた砒素汚染土、砂質土を用いた鉛汚染土)の処理は、上記の地盤改良材の製造における固定化処理対象土の硬化処理と同様である。すなわち、上記セメント系固化材を重金属汚染土に添加、攪拌混合し、型枠(径5cm×高さ10cm)に充填した後締固め、20℃、相対湿度80%の恒温室で密封養生して硬化させた。7日経過後、型枠から脱型して硬化した供試体を得た(参照表4:No.14,16,18)。また、比較例として一般軟弱土用セメント系固化材(三酸化硫黄含有量6.5質量%)を用い、上記と同様の処理を行い、供試体を得た(参照表4No.15,17,19)。
Figure 0004516780
また、処理対象土1mに対する固化材の添加量(kg/m)は、砂質土を用いたクロム汚染土については60kg、粘性土を用いた砒素汚染土は100kg、砂質土を用いた鉛汚染土は60kgとした。
[ 重金属の固定化評価 ]
脱型後の各供試体について、重金属溶出量を測定した。その結果を表4の「重金属溶出量」の欄に示す。
日本国環境省の環境省告示第46号によれば、六価クロムの土壌環境基準値は0.05mg/L以下であり、砒素Asの土壌環境基準値は0.01mg/L以下であり、鉛Pbの基準値も0.01mg/L以下である。表4のNo.14(実施例8)に示す結果から、重金属固定化材No.D−4を普通ポルトランドセメントに添加して作製したセメント系固化材を用いて、クロム汚染土を処理することにより、含有された六価クロムが固定化され、六価クロムの溶出が土壌環境基準値以下まで十分に抑制されることが分かった。一方、No.15(比較例7)に示す結果から、重金属固定化材を用いずに、一般軟弱土用セメント系固化材でクロム汚染土を固化した場合、六価クロムの溶出量を土壌環境基準値まで抑制することはできなかった。
また、表4のNo.16(実施例9)に示す結果から、重金属固定化材No.D−4を普通ポルトランドセメントに添加して作製したセメント系固化材を用いて、砒素汚染土を処理することにより、砒素Asが固定化され、砒素の溶出が土壌環境基準値以下まで十分に抑制されることが分かった。一方、No.17(比較例8)に示す結果から、重金属固定化材を用いずに、一般軟弱土用セメント系固化材で砒素汚染土を固化した場合、砒素の溶出量を土壌環境基準値まで抑制することはできなかった。このことから、重金属固定化材No.D−4は、汚染土に対して砒素Asの重金属の溶出を抑制する重金属固定化材として十分機能を果たすことが分かった。
また、No.18(実施例10)に示す結果から、重金属固定化材No.D−4を普通ポルトランドセメントに添加して作製したセメント系固化材を用いて、鉛汚染土を処理することにより、含有された鉛Pbが固定化され、鉛の溶出が土壌環境基準値以下まで十分に抑制されることが分かった。一方、No.19(比較例9)に示す結果から、重金属固定化材を用いずに、一般軟弱土用セメント系固化材で鉛汚染土を固化した場合、鉛の溶出量を土壌環境基準値まで抑制することはできなかった。このことから、重金属固定化材No.D−4は、鉛Pbの溶出を抑制する重金属固定化材として十分機能を果たすことが分かった。
重金属固定化材粒子の断面を示す概略図である。
符号の説明
1…重金属固定化材、2…硫化カルシウム、3…硫酸カルシウム。

Claims (12)

  1. 石膏の酸化当量数に対する還元剤の還元当量数の比が0.3〜0.9となるように前記石膏と前記還元剤とを含む原料を、還元雰囲気下で加熱処理して得られる重金属固定化材であり、
    硫化カルシウムを4〜19質量%、硫酸カルシウムを57〜95質量%含有することを特徴とする重金属固定化材。
  2. 塊状の前記硫酸カルシウムの表面に部分的に前記硫化カルシウムが付着していることを特徴とする請求項1に記載の重金属固定化材。
  3. 平均粒径が300μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の重金属固定化材。
  4. 容器容積(mL)/重金属固定化材重量(g)比=10となるように容器内に気密に収容されて、初期相対湿度80%で20℃に維持されたとき、24時間静置後における前記容器内の硫化水素濃度が2.0ppm以下となることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の重金属固定化材。
  5. 石膏の酸化当量数に対する還元剤の還元当量数の比が0.3〜0.9となるように前記石膏と前記還元剤とを含む原料を還元雰囲気下で加熱処理して、硫化カルシウムを4〜19質量%、硫酸カルシウムを57〜95質量%含有する重金属固定化材を製造することを特徴とする重金属固定化材の製造方法。
  6. 前記原料を600℃〜1100℃で加熱処理することを特徴とする請求項に記載の重金属固定化材の製造方法。
  7. 前記還元剤は、炭素含有物を含有することを特徴とする請求項5又は6に記載の重金属固定化材の製造方法。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の重金属固定化材とセメントとを含有するセメント系固化材、及び処理対象土の混合物を硬化させることを特徴とする地盤改良材の製造方法。
  9. 前記セメント系固化材は、硫化カルシウムを0.5質量%以上含有し、三酸化硫黄を5.5質量%以上含有していることを特徴とする請求項に記載の地盤改良材の製造方法。
  10. 重金属を含む処理対象土に、請求項1〜4のいずれか一項に記載の重金属固定化材とセメントとを含有するセメント系固化材を混合して硬化させることを特徴とする処理対象土の処理方法。
  11. 前記セメント系固化材は、硫化カルシウムを0.5質量%以上含有していることを特徴とする請求項10に記載の処理対象土の処理方法。
  12. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の重金属固定化材とセメントとを含有するセメント系固化材。
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