JP4515871B2 - 詰替パウチ - Google Patents

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Description

本発明は、洗剤、漂白剤、柔軟剤、洗濯糊、シャンプー、リンス等の詰替用容器などとして用いられ、これらの内容物を他の容器に詰め替えて使用するにあたり、内容物を取り出すためのノズル部を設けた詰替パウチに関する。
近年、リサイクル意識の高まりとともに、プラスチックボトルやガラス瓶等の他の容器に内容物を詰め替えて使用する詰替用の容器として、内容物を取り出すためのノズル部を設けた詰替パウチが多く用いられるようになってきている。この種の詰替パウチとしては、例えば、図8に示すようなものが知られている。
図8に示す詰替パウチ110は、樹脂フィルム等の軟包材で形成された胴部111と底部112とから構成されている。胴部111の側部周縁にはサイドシール113が施され、頂部にはトップシール115が施されているとともに、胴部111と底部112との間には、ボトムシール114が施されている。また、胴部111上部のコーナー部には、斜め上方に突出するノズル部116が形成されている。そして、このノズル部116の先端部分119を切取り線118で切り取って開封することで、内容物を取り出す注出口が形成されるようになっている。
このような詰替パウチ110から、プラスチックボトルやガラス瓶等の他の容器に内容物を詰め替えるには、開封したノズル部116を他の容器の注入口に挿入し、詰替パウチ110を傾けながら他の容器の中に内容物を注ぎ込んでいく。
この際、最後まで安定した流れを保ちながら、内容物を詰替パウチ110から取り出せることが求められるが、詰替パウチ110を傾けてノズル部116側に内容物を移動させると、詰替パウチ110のノズル部116の基部に相当する部分が膨らむと同時に、注出口を閉塞させる方向に付勢力が作用してノズル部116の内面を密着させ、内容物の取り出しを困難にするという問題がある。
一方、ノズル部116の長さを短くして、内容物を取り出す際に可能な限り注出口が閉塞しないようにした詰替パウチもあるが、ノズル部116の長さを短くすると内容物を詰め替える他の容器の注入口への挿入が難くなる。このため、ノズル部116の長さを単に短くしただけでは、内容物を詰め替える際にノズル部116が注入口から外れるなどして、内容物をこぼしてしまうという問題がある。
そこで、本出願人は、先に出願した特許文献1や特許文献2等において、ノズル部を開封して内容物を取り出す際に、ノズル部の注出口が閉塞することなく、最後まで安定した流れを保ちながら内容物を容易に取り出すことができる注出機能付き袋状容器(詰替パウチ)を提案した。
特開2003−137319号公報 特開2004−090932号公報
本出願人が提案した詰替パウチは、ノズル部の基部の近傍に、詰替パウチの一方の変形をノズル基部における他方の変形に変換するガイド部や、袋内方に沿う谷折り線からなる閉塞防止機構を設けるというものであり、ノズル部の注出口が閉塞するのを防止する上で、絶大の効果を奏するものである。
しかしながら、前記ガイド部や、前記閉塞防止機構は、通常、谷折り線や山折り線等を組み合わせた立体加工を樹脂フィルム等に施すことにより実現されている。一般に、この種の詰替パウチは、内容物を詰め替えた後はそのまま廃棄されるためコスト管理が特に厳しく、樹脂フィルム等に立体加工を施すには、加工に手間を要し、加工コストも高くなってしまうという不利がある。
また、製造された詰替パウチは、通常は箱詰めされて内容物の充填工程まで搬送されるが、箱詰めする際に立体加工が施された部分が嵩張り、箱詰めできる量も自ずと制限されてしまう。このため、搬送コストの面でも不利があり、これらの改善が求められている。
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、コストの上昇を伴うことなく、より簡易な構造で内容物を取り出す際の注出口の閉塞を防止して、プラスチックボトルやガラス瓶等の他の容器に内容物を容易に詰め替えることができる詰替パウチの提供を目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために、ノズル部のどの位置に注出口を形成すれば、注出口の閉塞という問題を解決できるかという観点から鋭意研究を重ねた結果、注出口が閉塞しないノズル部上の位置を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る詰替パウチは、内容物を取り出すためのノズル部、及び前記ノズル部の先端部分を切り取って、内容物を取り出す注出口を形成するための切取り線を設けた詰替パウチであって、前記切取り線は、前記ノズル部の中心線近傍における部分が、前記ノズル部の中心線と、前記ノズル部の中心線と40〜50度の角度で交差し、かつ前記ノズル部の基部の内側縁に接する直線との交点よりも前記基部側を通るとともに、前記切取り線の他の部分が、前記中心線から離れるにしたがって前記ノズル部の先端側に向かって延長し、前記交点よりも前記ノズル部の先端側に位置するように形成した構成としてある。
上記構成を採用することにより、ノズル部の先端部分を切り取って形成される注出口から内容物を取り出す際に、注出口の閉塞を防止することができる。
このとき、前記ノズル部を、上方のコーナー部、又はその近傍に形成し、前記ノズル部の中心線と頂部とのなす角度が20〜70度となるようにすることで、注出口の逆閉塞を有効に回避することができる。
また、上記構成を採用することで、注出口の閉塞を防止しつつ、ノズル部全体の長さを確保することができるが、その具体的態様として、前記基部側に凸状に湾曲する曲線部分を含むように前記切取り線を形成してもよく、前記基部側に凸となるV字状に前記切取り線を形成してもよい。切取り線をこのように形成することで、ノズル部の断面積を実質的に拡げることにもなる。
また、本発明に係る詰替パウチにあっては、ノズル部の先端部分を切取り線で切り取って形成される注出口がひし形に開口し易くなるように、前記切取り線が、前記切取り線の最も前記基部側の部分を前記ノズル部の中心線上に位置するように形成することもできる。
注出口が開口し易くなるように、前記ノズル部の側面には、前記ノズル部の中心線に沿って立体加工線を形成することもできる。この場合、前記立体加工線は、前記切取り線との間に一定の間隔をあけて形成するのが好ましい。これにより、立体加工線の形成位置がずれても、注出口の開口形状に及ぼす影響が少なくなり、立体加工線を形成する際の製造公差に余裕を持たせることができる。
本発明によれば、ノズル部を短くすれば注出口が閉塞しないようにすることができる一方で、単にノズル部を短くしただけでは他の容器の注入口にノズル部を挿入し難くなるというように、トレードオフの関係にある上記問題をバランスよく同時に解決することができ、コストの上昇を伴うことなく、より簡易な構造で内容物を取り出す際の注出口の閉塞を防止して、プラスチックボトルやガラス瓶等の他の容器に内容物を容易に詰め替えることができる詰替パウチを得ることができる。
以下、本発明に係る詰替パウチの好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る詰替パウチの概略を示す平面図である。
図1に示す詰替パウチ10は、樹脂フィルム等の軟包材で形成された胴部11と底部12とから構成されている。胴部11の側部周縁には、底部12を折り畳んだ状態でサイドシール13が施されているとともに、胴部11と底部12との間には、ボトムシール14が施されている。
図1に示す例では、詰替パウチ10の頂部に、トップシール15が施されているが、通常、詰替パウチ10の頂部は、未シール状態で内容物Mの充填工程まで搬送され、内容物Mが充填された後にトップシール15が施される。そして、内容物Mが充填された詰替パウチ10は、折り畳まれた状態の底部12が折り線12aのところで拡がって、詰替パウチ10が円錐又は角錐状になって、自立させることが可能となる。
また、胴部11の上部のコーナー部には、斜め上方に突出するノズル部16が形成されている。そして、このノズル部16の先端部分19を切取り線18で切り取って開封することで、図2に示すように内容物Mを取り出す注出口16aが形成されるようになっている。
切取線18は、例えば、光学反射式のレーザーマーカーを使用して、軟包材の表面に溝加工を施すことで形成することができる。光学反射式のレーザーマーカーは、ミラーの光軸(角度)を操作することによってレーザーの焦点を移動させることができ、ミラーの光軸(角度)操作により複雑な模様やパターンを容易に加工することができる。レーザーとしては、樹脂フィルムの種類に応じた選択的な加工が可能となる炭酸ガスレーザを用いるのが好ましい。
このとき、切取り線18は、1本の連続する溝や、1本の破線状の溝により形成するのではなく、例えば、連続する複数の溝を並列させた溝の集合として形成するのが好ましい。これにより、ノズル部の開封性や、開封時の方向安定性が向上し、ノズル部の先端部分を指で切り取って容易に所定の形状の注出口を形成することが可能となる。なお、このような切取り線18には、本出願人が特開2003−94532号で提案した易開封加工を適用することができる。
本実施形態にあっては、上記のようにして形成される切取り線18の一部が、少なくともノズル基部16bの近傍においてノズル部16の両内側縁16c,16cからの距離が等しい直線(以下、「中心線」という)Cと、ノズル基部16bの内側縁16dに接し、40〜50度、好ましくは45度の角度θで中心線Cと交差する直線Lとの交点Xよりも、ノズル基部16b側に位置している。そして、切取り線18の他の部分は、交点Xよりも、ノズル部16の先端側に位置している。
具体的には、切取り線18は、ノズル部16の中心線C近傍における部分が、交点Xよりもノズル基部16b側を通るとともに、その他の部分が、中心線Cから離れるにしたがってノズル部16の先端側に向かって延長し、交点Xよりもノズル部16の先端側に位置するように形成されており、先端部分19を切り取った後のノズル部16上に、交点Xが位置しないようにしている(図2参照)。切取り線18をこのように形成することで、ノズル部16の先端部分19を切取り線18で切り取って形成された注出口16aから内容物Mを取り出す際に、注出口16aが閉塞してしまうのを防ぐことができる。
このような本実施形態が奏する効果を、図3を参照しながら具体的に説明する。図3(a)は、内容物Mを注出する際の注出口16aの状態を示すノズル部16の部分拡大斜視図であり、図3(b)は、図3(a)のA−A端面図である。
図3(a)に示すように、ノズル部16の先端部分19を切り取って形成した注出口16aから内容物Mを取り出すにあたり、詰替パウチ10を傾けて内容物Mをノズル部16に送ると、図3(b)に示すように、詰替パウチ10の内部で内容物Mによりノズル部16に向けて圧力Pが作用する。すると、この圧力Pによってノズル基部16bが符号IIの方向に持ち上げられる一方で、ノズル基部16bに連なる注出口16aには符号Iで示す方向、すなわち、ノズル部16の先端側の内面どうしを接触させる方向に力が作用する。
このとき、ノズル部16の先端側の内面どうしが接触して、互いに密着すると注出口16aは閉塞してしまうが、切取り線18の一部を交点Xよりもノズル基部16b側に位置させ、このような切取り線18でノズル部16の先端部分19を切り取って注出口16aが形成されるようにすることで、ノズル部16先端側の内面どうしの接触を有効に回避することができ、たとえ、ノズル部16先端側の内面が接触しても、ノズル部16先端側の内面が互いに密着しようとする力は、内容物Mが注出口16aから流れ出ようとする力よりも小さくなり、内容物Mの流れにより注出口16aが押し拡げられて、注出口16aが閉塞するのを防止することができる。
このように、本実施形態によれば、ノズル部16の先端部分19を切り取って注出口16aを形成するための切取り線18の一部を、交点Xよりもノズル基部16b側に位置させるという非常に簡易な構成により、内容物Mを取り出す際の注出口16aの閉塞を防止することができる。
また、ノズル部16は、詰め替え作業に際して、内容物Mが詰め替えられる他の容器の注入口に挿入されるが、前述したように、ノズル部16が短いとノズル部16の挿入が難しくなり、詰め替え作業の際に内容物Mをこぼしてしまうことがある。このため、本実施形態では、切取り線18の一部を交点Xよりもノズル基部16b側に位置させるとともに、他の部分を交点Xよりもノズル部16の先端側に位置させており、その具体的態様として、ノズル基部16b側に凸状に湾曲する曲線により切取り線18を形成している。
切取り線18をノズル基部16b側に凸状に湾曲する曲線により形成すれば、ノズル部16の開封性を損なわない範囲で、ノズル部16の先端部分19を切り取って注出口16aを形成した後のノズル部16の両側縁16e,16eの長さを長くすることができる(図2参照)。これにより、ノズル部16全体の長さを確保することができ、内容物Mが詰め替えられる他の容器の注入口に、ノズル部16を容易に挿入することができるようになり、詰め替え作業の際に内容物Mがこぼれたりするのを防ぐことができる。
さらに、切取り線18を上記したように形成すれば、注出口16aが湾曲状に形成され、図4に概略を示すように、ノズル部16の断面積を実質的に拡げることができる。すなわち、ノズル部16の断面積A2に対して、注出口16aの断面積A1を大きくすることができる。このように、注出口16aの断面積(開口面積)を拡げることで、内容物Mの注出量を増大させ、詰め替え作業を迅速に終了させることができる。
本実施形態にあっては、上記した理由から、切取り線18を、ノズル基部16b側に凸状に湾曲する曲線により形成しているが、同様の効果が得られる限り、切取り線18の具体的態様は特に限定されない。例えば、図5(a)に示すように、ノズル部16の中心線C近傍だけをノズル基部16b側に凸状に湾曲する曲線とし、それ以外の部分は直線状にしてもよい。また、図5(b)に示すように、ノズル基部16b側に凸となるV字状に形成してもよく、図5(c)に示すように、ノズル基部16b側に凸状に湾曲する曲線と、直線とを組み合わせた形状としてもよい。
また、内容物Mを取り出すにあたり、注出口16aは、通常、ノズル部16を形成する軟包材が屈曲して開口する。このとき、注出口16aは、図6(a)に示すようにひし形(好ましくは正方形)に開口すると、開口面積が大きくなる。さらに、注出口16aがひし形に開口すると、注出口16aの縦方向の長さHと、横方向の長さWのバランスがよくなり、内容物Mが詰め替えられる他の容器の注入口に、ノズル部16を挿入し易くなる。一方、図6(b)に示すように注出口16aがひし形に開口しないと、ひし形に開口する場合に比べて、注出口16aが横方向に拡がり難くなり、注出口16aの開口面積が小さくなってしまうだけでなく、注出口16aの縦方向の長さHが長くなって、他の容器の注入口にノズル部16を挿入し難くなってしまう。
内容物Mを取り出す際に、ノズル部16の幅方向中央で軟包材が屈曲すれば注出口16aはひし形に開口するが、通常、ノズル部16を形成する軟包材は、ノズル部16の中心線Cに沿った方向の長さが他の部位よりも短くなっているところで屈曲する傾向にある。
このため、切取り線18を形成するにあたり、図1及び図2に示すように、切取り線18の最もノズル基部16b側の部分をノズル部16の中心線C上に位置させ、ノズル部16の先端部分19を切り取って注出口16aを形成した後のノズル部16の幅方向の中央における中心線Cに沿った方向の長さが、他の部分に比べて短くなるようにするのが好ましい。これにより、注出口16aがひし形に開口し易くなる。
また、ノズル部16の側面には、図7(b)に示すような山折り線を形成するか、図7(c)に示すような摘み加工を施すなどして、詰替パウチ10が嵩張らない程度に立体加工線17を形成することにより、注出口16aが開口し易くなるようにすることもできる。ここで、図7(a)は、立体加工線17を形成したノズル部16の部分拡大図であり、図7(b)及び図7(c)は、図7(a)のB−B端面に相当する端面図である。
このとき、これらの立体加工線17は、上記した理由から、通常は、ノズル部16の中心線Cに沿って形成して、注出口16aの開口形状がひし形になり易くなるようにするが、包装容器10を製造する際に、立体加工線17の形成位置にずれが生じると、形成位置がずれた立体加工線17に沿って軟包材が屈曲してしまい、注出口16aが思い通りの形状に開口しなくなってしまう。
このため、ノズル部16の側面に立体加工線17を形成する場合には、立体加工線17の形成位置がずれても、注出口16aの開口形状に影響が及ぼされないように、切取り線18から一定の間隔tをあけて形成するのが好ましい。これにより、立体加工線17の形成位置のずれに対する許容範囲が広がり、製造公差に余裕を持たせることができる。このとき、間隔tは、ノズル部16の形状や寸法などに応じて適宜設定されるが、一般に、1〜5mmであるのが好ましく、より好ましくは2〜4mmである。
さらに、このような立体加工線17が、切取り線18と交わる位置に形成されていると、切取り線18をレーザー加工によって形成するときに、立体加工線17を越えたところでレーザーの飛びが生じてしまい、その部分で切取り線18が未形成となってしまう。このような切取り線18の未形成部分があると、ノズル部16の開封が困難になる。このような不具合を解消する上でも、立体加工線17は、切取り線18から一定の間隔をあけて形成するのが好ましい。
また、図1に示す例では、詰替パウチ10の頂部とノズル部16の中心線Cが約45度の角度をなすように、ノズル部16を傾けて形成している。ノズル部16を傾ける角度は、詰め替え作業時の詰替パウチ10の持ち易さや、内容物Mの取り出し易さなどを考慮して適宜設定することができるが、例えば、詰替パウチ10の上方のコーナー部、又はその近傍にノズル部16を設ける場合、ノズル部16の中心線と詰替パウチ10の頂部とのなす角度αは、20〜70度であるのが好ましく、より好ましくは、30〜60度である。
この種の詰替パウチ10にあっては、その構造上、内容物Mが容器側面を押圧して、側部周縁から中央に向かう(図1中、矢印Y方向)付勢力が働き、詰替パウチ10の側縁が中央に引き寄せられる傾向にある。このため、上記範囲を超えてノズル部16を設け、ノズル部16の中心線Cと、詰替パウチ10の側縁との相互の位置関係が平行に近づくと、詰替パウチ10の側縁を中央に引き寄せようとする力が、注出口16aを開口させようとする方向に作用するようになる。その結果、注出口16aが横方向に拡がりすぎてしまい、逆閉塞という問題が新たに生じてくる。上記範囲でノズル部16を傾けて形成すれば、このような問題を有効に回避することができる。
また、詰替パウチ10に使用する軟包材の材料としては特に制限はない。軟包材を構成するのに適した樹脂材料としては、例えば結晶性ポリプロピレン、結晶性プロピレン−エチレン共重合体、結晶性ポリブテン−1、結晶性ポリ4−メチルペンテン−1、低−、中−、或いは高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)等のポリオレフィン類;ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体等の芳香族ビニル共重合体;ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン樹脂等のハロゲン化ビニル重合体;アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体の如きニトリル重合体;ナイロン6、ナイロン66、パラまたはメタキシリレンアジパミドの如きポリアミド類;ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート等のポリエステル類;各種ポリカーボネート;ポリオキシメチレン等のポリアセタール類等の熱可塑性樹脂等を挙げることができる。また、これらの熱可塑性樹脂の他に、紙を使用しても良い。これらの材料からなる軟包材は、未延伸、一軸延伸、あるいは二軸延伸して用いられる。
さらに、詰替パウチ10に使用する軟包材は、これらの軟包材を単層で、或いは、二種以上を積層して構成することができ、また、これらの軟包材の一種、あるいは、二種以上と、アルミニウム等の金属箔、金属又は金属酸化物の蒸着フィルム,紙、セロファン等を貼合わせて構成することもできる。好ましい軟包材としては、例えば、延伸ナイロンフィルムを外層とし、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルムを内層とする二層構成、延伸ポリエステルフィルムを外層とし、ポリオレフィンフィルムを内層とする二層構成、及びこれらの内、外層フィルム間にアルミニウム等の金属箔を積層した三層構成のフィルム等が挙げられ、これらの積層フィルムの製造に際しては、各層間に必要に応じて接着剤、アンカー剤を介在させることもできる。
そして、上記軟包材の層構成は、詰替パウチ10に充填する内容物の性状に応じて選択され、例えば、詰替洗剤用の詰替パウチのように低コストが要求される場合は、二層構成の積層フィルムを使用し、調味料の詰替パウチのように保存性が要求される場合は、アルミニウム箔を含む三層構成以上の積層フィルムを使用すれば良い。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、詰替パウチ10の上方のコーナー部にノズル部16を傾けて設けているが、このノズル部16は、前述した逆閉塞が生じない範囲で、詰替パウチ1の上方の中央部、又は中央部寄りに、詰替パウチ10の頂部に対してほぼ垂直に設けてもよい。
また、ノズル部16の形状や寸法は、充填される内容物Mの性状、詰替パウチ10の寸法等に応じて適宜設定することができる。さらに、ノズル部16の形状は、一方の側縁又は両側縁を湾曲させた形状とすることもできる。
以上説明したように、本発明に係る詰替パウチは、洗剤、漂白剤、柔軟剤、洗濯糊、シャンプー、リンス等の詰替用容器などとして好適に用いられる。
本発明に係る詰替パウチの一実施形態の概略を示す平面図である。 ノズル部の先端部分を切り取って注出口を形成した状態を示すノズル部の部分拡大図である。 内容物を注出する際の注出口の状態を示す図であり、図3(a)は、ノズル部の部分拡大斜視図、図3(b)は、図3(a)のA−A端面図である。 ノズル部の断面積と注出口の断面積との関係を示す概略図である。 切取り線の他の例を示すノズル部の部分拡大図である。 注出口の開口形状を説明する概略図である。 ノズル部側面に立体加工線を形成した例を示す図であり、図7(a)は、ノズル部の部分拡大図、図7(b)及び図7(c)は、図7(a)のB−B端面に相当する端面図である。 従来の詰替パウチの一例の概略を示す平面図である。
符号の説明
10 詰替パウチ
16 ノズル部
16a 注出口
16b ノズル基部
16c ノズル部内側縁
16d ノズル基部内側縁
17 立体加工線
18 切取り線
19 先端部分
C 中心線
M 内容物
X 交点

Claims (7)

  1. 内容物を取り出すためのノズル部、及び前記ノズル部の先端部分を切り取って、内容物を取り出す注出口を形成するための切取り線を設けた詰替パウチであって、
    前記切取り線は、前記ノズル部の中心線近傍における部分が、前記ノズル部の中心線と、前記ノズル部の中心線と40〜50度の角度で交差し、かつ前記ノズル部の基部の内側縁に接する直線との交点よりも前記基部側を通るとともに
    前記切取り線の他の部分が、前記中心線から離れるにしたがって前記ノズル部の先端側に向かって延長し、前記交点よりも前記ノズル部の先端側に位置するように形成したことを特徴とする詰替パウチ。
  2. 前記ノズル部が、上方のコーナー部、又はその近傍に形成されており、前記ノズル部の中心線と頂部とのなす角度が20〜70度である請求項1に記載の詰替パウチ。
  3. 前記切取り線が、前記基部側に凸状に湾曲する曲線部分を含んでいる請求項1又は2のいずれか一項に記載の詰替パウチ。
  4. 前記切取り線が、前記基部側に凸となるV字状に形成されている請求項1又は2のいずれか一項に記載の詰替パウチ。
  5. 前記切取り線が、前記切取り線の最も前記基部側の部分を前記ノズル部の中心線上に位置するように形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の詰替パウチ。
  6. 前記ノズル部の側面に、前記ノズル部の中心線に沿って立体加工線が形成された請求項1〜5のいずれか一項に記載の詰替パウチ。
  7. 前記立体加工線が、前記切取り線との間に一定の間隔をあけて形成されている請求項6に記載の詰替パウチ。
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JP6074674B2 (ja) * 2012-02-15 2017-02-08 株式会社フジシール 詰め替え用パウチ

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