JP4515370B2 - 高強度鋼板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は冷間曲げ加工性に優れた高強度鋼板に関する。
建築用や橋梁用で一般に使用されている引張強さ490MPa級の鋼板は厳しい曲げ加工を受ける場合がある。例えば鉄骨用角型冷間コラムの場合、曲げ半径が板厚の3.5倍(表面部の歪みが14%程度)になる冷間曲げ加工が行われている。しかし高強度鋼板では、表面が硬すぎ延性が低下しており、表面から割れる危険性がある。高強度鋼板で、490MPa級鋼板のような厳しい冷間曲げを行うのは難しい。
例えば、従来の一般的な引張強さ700MPa以上の高強度鋼板は、C量が0.10質量%超の成分鋼を焼入れ焼戻しすることによって製造されており、金属組織は高Cのマルテンサイト組織や下部ベイナイト組織を主体とするものになっている。このような硬質組織が形成されてしまうと、曲げ加工性は著しく劣化する。さらにこのような高強度鋼板は、一般に、表面部が板厚中心部よりもかなり硬くなっている(例えば、Hv50超)。特に板厚が厚くなるほど硬度差が大きくなり、表面硬さが増す結果、曲げ加工がさらに困難になる。
近年、厳しい冷間曲げ加工を行っても割れが生じないような高強度鋼板が開発されつつある。例えば鋼板をフェライト−オーステナイト二相域温度に加熱した後、焼入れ処理すると、硬質相であるベイナイトやマルテンサイト主体の組織中に軟質相であるポリゴナルフェライト組織を板厚方向に分布させることができ、低降伏比化を達成できる結果、曲げ加工性が高まることが知られている。そしてこの技術を応用した曲げ加工性に優れた高強度鋼板が開発されている(特許文献1〜2)。特許文献1には、所定の化学組成の鋼片を熱間圧延した後、焼入れし、次いでAc1点以上Ac3点未満の二相域温度に加熱して焼きならしすることによってマルテンサイトやベイナイトなどの硬質組織にポリゴナルフェライトからなる軟質組織を導入している。特許文献2では、オンラインで圧延・冷却・復熱をコントロールすることにより、内部組織をベイナイトやマルテンサイト主体とする一方、表層をポリゴナルフェライト組織にして降伏比を下げ、曲げ加工性を高めている。
しかし特許文献1〜2などのように降伏比(YR)を下げる技術では、曲げ加工性を高めることはできても、ポリゴナルフェライトを利用している為に高強度化には限界がある。実際、特許文献1〜2で降伏比(YR=YS/TS)が下がっているのは、引張強さ(TS)が高まった為ではなく、降伏強さ(YS)が下がった為である。例えば特許文献1のYSは、491〜592MPa程度である。また特許文献2の降伏強さも最大で517MPa程度である。建築や橋梁では、降伏強さを基準にして強度設計がなされるため、降伏強さを下げて降伏比を下げても、建築や橋梁の高強度化に貢献することはできない。
さらに言及すると、特許文献1の方法は、熱処理を利用する技術であるため、熱処理による材質バラツキが出にくい比較的薄い板厚の鋼板(実施例では25mm以下)にしか適用できない。また、従来と同様の溶接性を確保しつつ降伏強度を向上させるのも困難である。
また特許文献2の方法は鋼板表面にポリゴナルフェライトを70%以上導入している。この組織は490MPa級鋼板の組織に対応するため、鋼板全体として570MPa級の引張強さは確保できても700MPa以上にすることは困難である。
特開平5−156349号公報(特許請求の範囲、段落0003〜0004) 特開2003−321727号公報(特許請求の範囲、段落0005、0015、0026)
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、引張強さ700MPa以上、降伏強さ650MPa以上の高強度を維持しながら、冷間曲げ加工性も向上できる技術を確立することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、
1)先行文献などが教示するようにしてポリゴナルフェライトを活用するのではなく、むしろポリゴナルフェライトの生成を抑えることが引張強さ700MPa以上、降伏強さ650MPa以上の高強度鋼板では曲げ加工性の向上につながること、すなわち複合組織ではなく低Cのベイナイト主体(90面積%以上)の組織にして組織(材質)バラツキを軽減することが曲げ加工性向上の点で極めて重要であること、
2)ただしこの場合、C量が低減されており確実に引張強さを700MPa以上、降伏強さ650MPa以上にするためにはさらなる工夫が必要であること、そしてCr、Mn、Bを添加し、かつTi析出物を粗大化を防止しながら利用すると、曲げ加工性に悪影響を与えることなく所定の引張強さ及び降伏強さを確保できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明に係る冷間曲げ加工性に優れた引張強さ700MPa以上、降伏強さ650MPa以上の高強度鋼板は、C:0.01〜0.10%(元素量について使用する「%」は質量%を意味する。以下、同じ)、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜2.5%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Cr:0.4〜2%、Ti:0.04〜0.15%、B:0.0005〜0.005%、Al:0.1%以下を含有し、残部はFe及び不可避不純物である鋼板であって、
N:0.006%以下、Ti−3.4N:0.02%以上を満足し、ベイナイト組織の面積率が90%以上であり、
鋼板を厚さ方向に切断し、この切断面において2mm×2mmであって鋼板表面に接する視野を設定し、この視野内における円相当径30μm以上の介在物の個数が1個未満であり、
鋼板の表側表面から深さ1mmの箇所の硬さと、裏側表面から深さ1mmの箇所の硬さがいずれもHv300以下である点に要旨を有する。
前記高強度鋼板は、さらにCu:2質量%以下、Ni:2.5質量%以下、Mo:1質量%以下、Nb:0.05質量%以下、V:0.1質量%以下、Ca:0.005質量%以下、REM:0.05質量%以下などを含有していてもよい。また前記高強度鋼板では、鋼板の表面から深さ1mmの箇所、深さ1/4t(tは板厚;以下、同じ)の箇所、及び深さ3/4tの箇所、並びに裏側表面から深さ1mmの箇所の合計4箇所間での硬さの差の最大値が、通常、40Hv以下であり、鋼板の先端又は後端の切断面から100mm以内の箇所における引張強さTS1と、鋼板中央部の引張強さTS2との差(TS1−TS2)の最大値が、通常、50MPa以下である。さらに前記高強度鋼板では、マルテンサイト組織とポリゴナルフェライト組織の合計の面積率が10%以下になっている。
本発明の高強度鋼板は、前記成分組成を有する鋼片を加熱して鋼片内の最高表面温度を1000℃以上、鋼片表面の板面内の最大温度差を80℃以下にした後、圧延し、その後1〜50℃/秒の速度で冷却することによって製造できる。冷却の後、必要に応じてさらに500℃以上Ac1点以下に再加熱し、次いで冷却してもよい。
本発明によれば、低Cのベイナイト組織化した鋼板において、Cr、Mn、Bを添加し、かつ粗大化を防止しながらTi析出物を有効に利用しているため、極めて高い強度(鋼板の長手方向中央部で測定した引張強さが700MPa以上、降伏強さが650MPa以上)と、極めて優れた冷間曲げ加工性(例えば曲げ半径が板厚の3.5倍以下になる加工を行っても割れが発生しない)とを両立することができる。
本発明の鋼板は、ベイナイト組織を主体とする。組織をベイナイト主体とすることで、鋼板を均質化することができ、鋼板中心部と鋼板表面との間の硬さの差を小さくすることができ、鋼板強度を高めてもその表面の過度な高硬度化を防止できる。また板厚方向の硬さ分布を均一にすることで、曲げ加工時の内表面の硬さを抑えて圧縮変形を容易にすることができる為、外表面部の引張変形を緩和することができ、外表面からの割れをさらに高度に防止できる。
特に本発明は、C量を0.10%以下に低減し、ベイナイト組織の面積率を90%以上にしている。このようにすれば、板厚方向の硬さの差[例えば、板の表側表面から深さ1mmの箇所、深さ1/4tの箇所、及び深さ3/4tの箇所、並びに裏側表面から深さ1mmの箇所の合計4箇所間での硬さの差の最大値(絶対値)]を、例えば、40Hv以下、好ましくは30Hv以下にまで低減することができ、冷間加工時の表面の割れを防止することができる。
ベイナイト組織の面積率は高いほど、板厚方向の硬さの差を小さくするのに有効である。従って好ましいベイナイト組織の面積率は、例えば、92%以上、特に95%以上である。面積率の上限は、通常、100%(例えば99%)程度である。また本発明の鋼板において、マルテンサイト組織とポリゴナルフェライト組織の合計の面積率は、10%以下(例えば8%以下、好ましくは5%以下)、0%以上(例えば1%以上)程度である。マルテンサイト組織は破壊や割れの起点となり、ポリゴナルフェライトは強度低下の原因になるためである。
なお本発明でベイナイト組織とは、上部ベイナイト組織、下部ベイナイト組織のみならず、ベイニティックフェライト組織、グラニュラーベイニティックフェライト組織を含み、明らかなフェライト組織、ポリゴナルフェライト組織は除外される。また本発明のマルテンサイト組織には島状マルテンサイト(MA:martensite-austenite constituent)も含まれる。
C量も低減したのは、マルテンサイトなどの様な延性の低い硬質組織の生成を抑え、硬さの低い低Cのベイナイト組織(ベイニティックフェライト組織など)を形成するためであり、このことによって板厚方向の硬さの差を小さくでき、また鋼板表面の硬さを小さくできる為である。C量は、好ましくは0.08%以下、さらに好ましくは0.07%以下、特に0.06%以下である。ただしC量が少なすぎると、鋼板の強度が過度に低下する。従ってC量は、0.01%以上、好ましくは0.02%以上、さらに好ましくは0.03%以上である。
ところで高Cのマルテンサイト組織化を避け、上述のように低Cのベイナイト組織(ベイニティックフェライト組織など)にすると、鋼板の強度が低下し易くなる。そこで本発明では、Cr、Mn、Bを所定量以上添加し、さらにはTiを添加すると共に鋼中のN量を制御することにした。このようにすれば、曲げ加工性に悪影響を与えることなく、引張強さ及び降伏強さを高めることができる。
Crは、特に強度向上とベイナイト単一組織化に有効である。Crを添加すれば、冷却時の変態温度を下げることができ、強度と靭性の良い均一なベイナイト組織にできる。Cr量は、0.4%以上、好ましくは0.5%以上、さらに好ましくは0.6%以上である。一方、Crが過剰になると溶接性が劣化する。従ってCrは、2%以下、好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1.0%以下にする。
Mnもまた強度と靭性を向上させるのに有効である。Mn量は、0.5%以上、好ましくは1.0%以上、さらに好ましくは1.2%以上である。一方、Mnが過剰になると溶接性が劣化する。従ってMnは、2.5%以下、好ましくは2.3%以下、さらに好ましくは2.0%以下である。
Bは、焼入れ性を向上させ、ベイナイト均一組織を生成させ、強度を確保するのに有効である。B量は、0.0005%以上、好ましくは0.0007%以上、さらに好ましくは0.0010%以上である。一方、Bを過剰にすると焼入性が高くなりすぎ、溶接性が劣化する。従ってBは、0.005%以下、好ましくは0.004%以下、さらに好ましくは0.0035%以下である。
また鋼板中のTi量及びN量は、下記(1)、(2)、及び(3)を満足する。
Ti:0.04〜0.15% …(1)
N :0.006%以下 …(2)
Ti−3.4N:0.02%以上 …(3)
Tiは、TiCやTiCNを析出し、強度を大きく向上させるのに有効である。またTiはフリーNを固定し、Bの焼入性確保に極めて有効である。これらの観点からTi量は、0.04%以上、好ましくは0.05%以上、特に0.06%以上とした。なおTi量が多くなると、粗大なTi析出物が析出し易くなる。従ってTi量は、例えば、0.15%以下、好ましくは0.12%以下、さらに好ましくは0.10%以下である。
Nを0.006%以下にしたのは、粗大化し易いTiNの形成を低減するためである。粗大なTiNは、冷間曲げ加工部の歪時効による靭性劣化を引き起こす。好ましいN量は、0.005%以下、特に0.004%以下である。なおN量は冷間曲げ加工性の観点からは少ない方が好ましいが、コスト高につながる。従ってN量の下限は、例えば0.001%、好ましくは0.002%、さらに好ましくは0.003%程度である。
Ti−3.4Nは、全Ti量からTiN化合物に使われるTi量を差し引いたものであり、TiCを析出させるための有効Ti量に相当する。なお3.4NはフリーNと結合するTi量を意味し、TiとNの原子量の比(化学量論比)に基づいて規定したものである。Ti−3.4Nを大きくすることによって、粗大化し易いTiNの形成を極力防止しながら、微細なTiCやTiCNを十分に析出させることができる。Ti−3.4Nは、0.02%以上、好ましくは0.03%以上、特に0.04%以上である。
粗大介在物(円相当径30μm以上の介在物。特にTiNなどのTi介在物)の量は、冷間曲げ加工に悪影響を与え易い鋼板表面でカウントするのが合理的である。本発明の鋼板では、鋼板を厚さ方向に切断し、この切断面において2mm×2mmであって鋼板表面に接する視野を設定し、この視野内における円相当径(投影面積円相当径)30μm以上の介在物の個数をカウントしたとき、円相当径30μm以上の介在物の数が、1個未満、好ましくは0.8個以下、さらに好ましくは0.5個以下になっている。なお前記介在物の個数は、1視野当たりの平均の数を意味し、視野数は、通常、3〜5程度である。
本発明の鋼板は、前記C、Cr、Mn、B、Ti、N以外に、Si、Al、P、Sなども含有している。その量及び理由は以下の通りである。
Si:0.5%以下
Al:0.1%以下
Si及びAlは、これら元素を添加して脱酸した場合に鋼中に残存する。鋼板中のSi残存量及びAl残存量は脱酸時のこれら元素の添加量によるが、Si脱酸した場合のSi残存量は0.05%以上(好ましくは0.08%以上、さらに好ましくは0.10%以上)であり、Al脱酸した場合のAl残存量は0.01%以上(好ましくは0.015%以上、さらに好ましくは0.020%以上)である。なおSi及びAlは、一方だけ添加してもよく、両方を添加してもよい。しかしSiが過剰に残存すると溶接性が劣化し、Alが過剰に残存すると靭性が劣化する。従ってSi残存量は、0.5%以下(好ましくは0.45%以下、さらに好ましくは0.40%以下)にする必要があり、Al残存量は0.1%以下(好ましくは0.07%以下、さらに好ましくは0.05%以下)にする必要がある。
P:0.05%以下
S:0.01%以下
これらは不純物であり、極力低減するのが望ましい。Pは靭性を劣化させる。Sは板厚方向の性能を劣化させる他、板厚中心部にMnS系介在物を生成し、曲げ加工時にその界面が割れの起点になる。好ましいP量は、0.03%以下、特に0.02%以下である。また好ましいS量は、0.007%以下、特に0.005%以下である。なおPやSを0%にするのは困難であり、通常、0%超である。
本発明の鋼板は、必要に応じて他の元素(例えば、Cu、Ni、Mo、Nb、V、Ca、REMから選択される1種以上)を添加してもよく、残部はFe及び不可避不純物であってもよい。前記他の元素の好ましい添加量及び添加理由は以下の通りである。
(1)Cu、Ni、Moについて
Cu:2%以下
Ni:2.5%以下
Mo:1%以下
これらCu、Ni、及びMoは、いずれも強度確保に有用な元素である。特にCuは、固溶強化および析出強化によって強度[引張強さ(TS)と降伏強さ(YS)]を高めるために有効に作用する。Cuは0%超であればよいが、前記作用効果を明瞭に発揮させるには、0.05%以上、特に0.10%以上含有させることが望ましい。しかし過剰に含有させると、熱間加工性を阻害させるため2%以下、好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1.0%以下にする。
Niは、鋼板の強度と靭性を同時に向上させる元素である。Niは0%超であればよいが、前記作用効果を明瞭に発揮させるには、0.05%以上、特に0.10%以上含有させることが好ましい。しかし過剰にすると、コストアップにつながるため2.5%以下、好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下にする。
Moは、焼入れ性を高めて、鋼板の強度(TSとYS)を確保するのに有用な元素である。またBと併せて含有させることにより、圧延後の冷却時における焼入れ性が制御されて強度(TS)と靭性のバランスを最適化できる。Moは0%超であればよいが、前記作用効果を明瞭に発揮させるには0.05%以上、特に0.10%以上含有させることが好ましい。しかし過剰に含有させると、靭性を劣化させるため、1%以下、好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.4%以下にする。
前記Cu、Ni、及びMoは1種以上を単独で又は適宜組み合わせて添加してもよい。
(2)Nb、Vについて
Nb:0.05%以下
V :0.1%以下
これらNb及びVは、析出強化及び組織微細化効果があり、高強度化に有用な元素である。NbやVは0%超であればよいが、この様な作用を明瞭に発揮させる為には、Nb:0.01%以上(より好ましくは0.02%以上)、V:0.01%以上(より好ましくは0.02%以上)にすることが推奨される。但し、これら元素を過剰に添加しても上記効果が飽和してしまい、経済的に無駄である。従ってNb:0.05%以下(好ましくは0.03%以下)、V:0.1%以下(好ましくは0.05%以下)にする。
Nb及びVは1種以上を単独で又は適宜組み合わせて添加してもよい。
(3)Ca、REMについて
Ca:0.005%以下
REM:0.05%以下
Caは、SをCaSとして固定すると共に、粒状の非金属介在物として形態を制御することにより、靭性を向上させて、偏析部からの破壊を防止するのに有効である。Caは0%超であればよいが、この様な効果を十分に発揮させるには、Caを0.0005%以上(より好ましくは0.0010%以上)含有させることが好ましい。一方、Caを過剰に含有させても、これらの効果は飽和するばかりか靭性が却って劣化する。よってCa含有量は、0.005%以下、好ましくは0.004%以下にする。
REMも、上記Caと同様に硫化物としてSを固定し、偏析部の靭性を向上させるのに有効に作用する。REMは0%超であればよいが、前記効果を十分に発揮させるには、REMを0.005%以上(より好ましくは0.010%以上)含有させることが好ましい。しかし過剰に含有させると、過剰な非金属介在物の存在により、靭性を却って劣化させることになる。よって、REM量は0.05%以下、好ましくは0.03%以下にする。
前記のようにして組織、化学組成、及び介在物を制御することによって、鋼板中央部[板の前後方向(長手方向)の中央部]の引張強さを700MPa以上(例えば700〜900MPa程度)にし、降伏強さを650MPa以上(例えば650〜800MPa程度)に高めても、鋼板表面の硬さの向上を低減でき、冷間曲げ加工性に優れた鋼板を得ることができる。
鋼板表面には、冷間曲げのときに最も歪みが掛かり、例えば曲げ半径が3.5t(tは板厚)の厳しい曲げで表層部には14%の歪みが発生し、曲げ半径が2.5tの曲げで表層部に20%もの歪みが発生する。このような激しい歪みがかかる場合であっても、本発明では上述のようにして組織、化学組成、及び介在物を制御し、鋼板表面の硬さを抑制し、冷間曲げ加工性を高めているため、割れの発生を防止できる。
なお鋼板の表側表面から深さ1mmの箇所の硬さと、裏側表面から深さ1mmの箇所の硬さは、いずれもHv300以下程度、好ましくはHv290以下程度、さらに好ましくはHv280以下程度である。硬さの下限は特に限定されないが、通常、Hv200程度である。
本発明の鋼板は、例えば、以下のようにすれば製造できる。すなわち所定範囲に化学組成が制御された鋼片を、鋼片内の最高表面温度が1000℃以上(例えば1050〜1300℃程度)になるように加熱し、鋼片表面の板面内の最大温度差が80℃以下(例えば40〜70℃程度)になるように均熱した後、圧延し、その後1〜50℃/秒(好ましくは3〜20秒/秒程度)の速度で冷却することによって製造できる。なお冷却後は、500℃以上Ac1点以下の温度に加熱し、焼戻ししてもよい。
前記均熱処理は、鋼板中央部の引張強さ(TS)や降伏強さ(YS)を高めるのに有効であり、またベイナイト組織分率などを所定の範囲まで高めるのに有効である。また均熱処理は、鋼板の板面方向の材質ばらつき(引張強さなど)を低減するのに有効であり、曲げ加工部位(長さ5〜15m程度)の変形ばらつきを抑えることができ、曲げ加工精度を均一にできる。板面方向に引張強さのばらつきがあると、その引張強さに応じて型押しによる曲げ加工後の曲率半径に差異が生じ、狙いの曲率半径に均一に曲げるのが難しくなる。また円形鋼管を制作するときには真円度が悪くなる。
前記均熱処理によって得られた鋼板では、鋼板の先端又後端の切断面から100mm以内の箇所における引張強さTS1と、鋼板中央部(長手方向中央部)の引張強さTS2との差(TS1−TS2)の最大値が、例えば50MPa以下(好ましくは40MPa以下、特に30MPa以下)に低減されている。引張強さの差(TS1−TS2)が大きくなると、曲げ加工後の曲率の差が大きくなる。
本発明の鋼板の板厚は、例えば、10mm以上(好ましくは20mm以上、さらに好ましくは30mm以上、特に40mm以上)、100mm以下(例えば80mm以下)程度である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実験例1
表1に示す化学組成の鋼片(厚さ250mm)を温度(鋼片内の最高表面温度)1100℃に加熱し、鋼片表面の板面内の最大温度差(温度偏差)が60℃になるように均熱処理した後、板厚50mmまで圧延(圧延終了温度850℃)し、冷却速度10℃/秒で室温まで冷却した。次いでテンパー温度(再加熱温度)600℃で焼戻しした。
得られた鋼板の特性を以下のようにして評価した。
[組織分率]
鋼板を厚さ(深さ)方向に切断し、鋼板の長手方向中央付近の切断面において、深さ1/4t部(tは板厚)をナイタールで腐食し、走査型電子顕微鏡(SEM:倍率2000倍)観察により組織を同定した後、ベイナイト組織(上部ベイナイト組織、下部ベイナイト組織、ベイニティックフェライト組織、グラニュラーベイニティックフェライト組織)、マルテンサイト組織(島状マルテンサイトを含む)、及びポリゴナルフェライト組織の面積率を求めた。
[介在物個数]
鋼板を厚さ方向に切断し、この切断面のうち鋼板の長手方向中央付近において、2mm×2mmであって鋼板表面に接する視野を5つ設定し、各視野について光学顕微鏡(倍率100倍)で観察した。円相当径が30μm以上になる介在物の個数を求め、視野数で除して平均個数を求めた。
なお本実験例で円相当径が30μm以上になる介在物は、TiN系介在物であった。介在物中の元素の特定及びその量は、特性X線の波長分散分光の強さを測定し検量線法を利用することによって決定できる。
[硬さ]
鋼板を厚さ方向に切断し、鋼板の長手方向中央付近の切断面において、鋼板の表側表面から深さ1mmの箇所、深さ1/4t(tは板厚)の箇所、深さ3/4tの箇所、並びに裏側表面から深さ1mmの箇所の合計4箇所のビッカース硬さ(JIS Z 2244)を測定した。またこれら4点のうち最も硬い部分と最も柔らかい部分の硬さの差を求めた。
[引張強さ、降伏強さ]
鋼板の長手方向中央(かつ1/4t部)から4号試験片(JIS Z 2201)を採取し、引張強さ(TS2)と降伏強さ(YS)を測定した。また鋼板を長手方向先端から1mの箇所で切断し、また後端から1mの箇所でも切断し、これら先後の切断面から100mm以内の箇所(かつ1/4t部)からも4号試験片(JIS Z 2201)を採取し、引張強さ(TS1)を測定した。先端側の引張強さと後端側の引張強さのうち大きい方を鋼板端部の引張強さ(TS1)として採用し、TS1−TS2の値(最大値)を求めた。
[衝撃値]
鋼板の長手方向中央に相当し、かつ1/4t部に相当する箇所からVノッチ試験片(JIS Z 2202)を採取し、温度−40℃でシャルピー衝撃試験(JIS Z 2242)を行った。
[曲げ試験]
鋼板の長手方向中央から曲げ試験片(300mm幅×450mm長さ×50mm厚)を採取し、曲げ半径175mm(板厚50mmの3.5倍に相当)で角度90°の冷間曲げ加工を行った。割れの発生の有無を目視で確認した。
結果を表2に示す。
Figure 0004515370
Figure 0004515370
鋼No.3〜4、7〜8、及び13〜14は、冷間曲げ加工性に劣る。鋼No.3〜4はC含有量が高いためベイナイト組織分率が低く、裏側及び表側の表面が硬くなっているためであり、鋼No.7〜8及び13〜14はNが多く粗大介在物が析出しているためである。
また鋼No.4〜8は、引張強さ及び降伏強さに劣る。鋼No.4はTiが少なくTi−3.4Nの値が低いためであり、鋼No.5はBが少ないためであり、鋼No.6はCr及びTiが少なくTi−3.4Nの値が小さいためであり、鋼No.7はCrが少ないためであり、鋼No.8はNが多くTi−3.4Nの値が小さいためである。
これらに対して鋼No.1〜2及び9〜12は、化学組成、組織、介在物、鋼板表面硬さなどが適切であり、優れた引張強さ及び降伏強さと、高い冷間曲げ加工性とを両立できている。
実験例2
表3に示す化学組成の鋼片を用い、表3に示す条件で圧延、冷却、再加熱を行う以外は実験例1と同様にした。
結果を表4に示す。
Figure 0004515370
Figure 0004515370
鋼No.16、18、20は、加熱時の温度偏差(鋼片表面の板面内の最大温度差)が大きいため、鋼板中央部における引張強さ及び降伏強さが不十分であった。また鋼板前後端部と中央部の引張強さの差(TS1−TS2)も大きくなっており、ベイナイト組織分率も小さくなっていた。
これらに対して鋼No.15、17、19は、加熱時の温度偏差が小さく、鋼板中央部において十分な引張強さ及び降伏強さを達成できた。

Claims (9)

  1. C:0.01〜0.10質量%、Si:0.5質量%以下、Mn:0.5〜2.5質量%、P:0.05質量%以下、S:0.01質量%以下、Cr:0.4〜2質量%、Ti:0.04〜0.15質量%、B:0.0005〜0.005質量%、Al:0.1質量%以下を含有し、残部はFe及び不可避不純物である鋼板であって、
    N:0.006質量%以下、Ti−3.4N:0.02質量%以上を満足し、ベイナイト組織の面積率が90%以上であり、
    鋼板を厚さ方向に切断し、この切断面において2mm×2mmであって鋼板表面に接する視野を設定し、この視野内における円相当径30μm以上の介在物の個数が1個未満であり、
    鋼板の表側表面から深さ1mmの箇所の硬さと、裏側表面から深さ1mmの箇所の硬さがいずれもHv300以下であることを特徴とする冷間曲げ加工性に優れた引張強さ700MPa以上、降伏強さ650MPa以上、板厚10mm以上の高強度鋼板。
  2. さらにCu:2質量%以下、Ni:2.5質量%以下、及びMo:1質量%以下から選択される少なくとも1種を含有する請求項1に記載の高強度鋼板。
  3. さらにNb:0.05質量%以下、及びV:0.1質量%以下から選択される少なくとも1種を含有する請求項1又は2に記載の高強度鋼板。
  4. さらにCa:0.005質量%以下、及びREM:0.05質量%以下から選択される少なくとも1種を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の高強度鋼板。
  5. マルテンサイト組織とポリゴナルフェライト組織の合計の面積率が10%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の高強度鋼板。
  6. 鋼板の表側表面から深さ1mmの箇所、深さ1/4t(tは板厚)の箇所、及び深さ3/4tの箇所、並びに裏側表面から深さ1mmの箇所の合計4箇所間での硬さの差の最大値が40Hv以下である請求項1〜5のいずれかに記載の高強度鋼板。
  7. 鋼板の先端又は後端の切断面から100mm以内の箇所における引張強さTS1と、鋼板中央部の引張強さTS2との差(TS1−TS2)の最大値が、50MPa以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の高強度鋼板。
  8. 請求項1〜4のいずれかに記載の成分組成を有する鋼片を加熱して鋼片内の最高表面温度を1000℃以上、鋼片表面の板面内の最大温度差を80℃以下にした後、圧延し、その後1〜50℃/秒の速度で室温まで冷却することを特徴とする高強度鋼板の製造方法。
  9. 前記冷却の後、さらに500℃以上Ac1点以下に再加熱し、次いで冷却する請求項8に記載の高強度鋼板の製造方法。
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