JP2010106287A - 疲労特性に優れた高張力鋼材およびその製造方法 - Google Patents

疲労特性に優れた高張力鋼材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】引張強度が1000MPa以上の疲労特性に優れる高張力鋼材として好適な疲労特性に優れた高張力鋼材ならびにその製造方法を提供する。
【解決手段】ラスマルテンサイト鋼中の平行に並んだ同じ晶癖面を持つラスの集団として定義されるパケットのアスペクト比が、3以上、かつ、パケット境界上におけるP原子の偏析量が1mass%以下で、更に、セメンタイトの平均粒子径が70nm以下で、フェライトの面積率が3%以下である鋼材。質量%で、C:0.02〜0.25%、Si:0.01〜0.8%、Cr:0.3〜1%、Mn:0.8〜2%、Al:0.005〜0.1%、N:0.0005〜0.008%、Ca:0.0005〜0.005%、P:0.02%以下、S:0.004%以下,更に、必要に応じて、Mo、Nb、V、Ti、Cu、Ni、Wの一種または二種以上の元素を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼を鋳造後、Ar変態点以下に冷却することなく、あるいはAc変態点以上に再加熱後、未再結晶域における圧下率が30%以上の熱間圧延後、Ar変態点以上から直接焼入れ、あるいは加速冷却によって350℃以下の温度まで冷却した後、特定条件で焼戻しを行う。
【選択図】なし

Description

本発明は、疲労特性に優れた高張力鋼材ならびにその製造方法に関し、特に引張強度が1000MPa以上の疲労特性に優れる高張力鋼材として好適なものに関する。
近年、建設産業機械・タンク・ペンストック・ラインパイプ等の鋼材使用分野では、構造物の大型化を背景として、使用する鋼材の高強度化が指向されている。
しかし、一般的に鋼材の10回あるいは10回の疲労限は、引張強さが1000MPa程度以下では、表面破壊により、疲労限が引張強さの1/2程度となり、一方、引張強さが1000MPa程度以上では、内部破壊を生じるため、疲労限がほぼ飽和することが知られており、特に1000MPa程度以上の高強度材の疲労寿命を長くすることが望まれてきた。
このため、非特許文献1等で、改良オースフォームの適用や微細なVCの析出強化の活用によって、疲労特性を改善する等、疲労特性に優れた鋼板の製造方法が提案されてきた。
蛭川寿、古谷佳之、松岡三郎:鉄と鋼,91(2005),390.
しかしながら、上記非特許文献1等に記載されている方法によっても、疲労限は、引張強さの65%程度に留まっており、特に引張強さが1000MPa程度以上の高いレベルで、より疲労特性に優れた高張力鋼材ならびにその製造方法が求められていた。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、強度が1000MPa以上、特に1200MPa以上で、従来の鋼材より疲労特性に優れた高張力鋼材ならびにその製造方法を提供することを目的とする。
引張強さが1000MPa程度以上の高強度鋼では、介在物や組織割れを起点とした内部破壊が生じるため、一般的には、疲労限がほぼ500〜700MPaに飽和することが知られている。このため、高強度鋼の疲労限を向上させる基本的な指針として、起点となる介在物の寸法を小さくすること、介在物を軟質化すること、または、母地組織の均一・微細化を図ることの3つが挙げられる。
本発明者らは、上記の観点で高強度鋼の疲労特性を向上させるために鋭意研究を重ねた結果、未再結晶域における圧延加工による結晶粒の展伸および変形帯の導入、更に不純物元素であるPの含有量の低下によって、ラスマルテンサイト鋼の有効結晶粒として機能するパケット境界に偏析するP原子の偏析量が低下し、パケット境界の強度低下が抑制され、更に、セメンタイトの微細化を通じて、セメンタイトが疲労破壊の起点として作用しにくくなることによって、従来材よりも優れた疲労特性を有する高張力鋼材が得られることを見出した。
本発明は、以上に示した知見に基づき、更に検討を加えてなされたものであって、以下の疲労特性に優れた高張力鋼材ならびにその製造方法を提供する。
1.ラスマルテンサイト鋼中の平行に並んだ同じ晶癖面を持つラスの集団として定義されるパケットのアスペクト比が、3以上、かつ、パケット境界上におけるP原子の偏析量が1mass%以下で、更に、セメンタイトの平均粒子径が70nm以下で、フェライトの面積率が3%以下であることを特徴とする、疲労特性に優れた高張力鋼材。
2.鋼組成が、質量%で、C:0.02〜0.25%、Si:0.01〜0.8%、Cr:0.3〜1%、Mn:0.8〜2%、Al:0.005〜0.1%、N:0.0005〜0.008%、Ca:0.0005〜0.005%、P:0.02%以下、S:0.004%以下の元素を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする1に記載の疲労特性に優れた高張力鋼材。
3.更に、鋼組成が、質量%で、Mo:1%以下、Nb:0.1%以下、V:0.5%以下、Ti:0.1%以下、Cu:2%以下、Ni:6%以下、W:2%以下の一種または二種以上を含有することを特徴とする、2に記載の疲労特性に優れた高張力鋼材。
4.更に、鋼組成が、質量%で、B:0.003%以下、REM:0.02%以下(注:REMとはRare Earth Metalの略、希土類金属)、Mg:0.01%以下の一種または二種以上を含有することを特徴とする、2または3に記載の疲労特性に優れた高張力鋼材。
5.2乃至4のいずれか一つに記載の鋼組成を有する鋼を鋳造後、Ar変態点以下に冷却することなく、あるいはAc変態点以上に再加熱後、未再結晶域における圧下率が30%以上の熱間圧延によって所定の板厚とし、引続きAr変態点以上から直接焼入れ、あるいは加速冷却によって350℃以下の温度まで冷却した後、圧延機および直接焼入れ装置もしくは加速冷却装置と同一の製造ライン上に直結して設置された加熱装置を用いて、370℃から所定の焼戻し温度までの板厚中心部の平均昇温速度を1℃/s以上として、板厚中心部の最高到達温度を400℃以上Ac変態点以下に焼戻すことを特徴とする疲労特性に優れた高張力鋼材の製造方法。
6.更に、焼戻し開始温度から370℃までの板厚中心部の平均昇温速度が2℃/s以上であることを特徴とする、5に記載の疲労特性に優れた高張力鋼材の製造方法。
本発明によれば、引張強度が1000MPa以上、特に1200MPa以上の、疲労特性に極めて優れた高張力鋼材およびその製造方法が得られ、産業上極めて有用である。
本発明におけるミクロ組織の限定理由について述べる。
本発明に係る高張力鋼材はラスマルテンサイト鋼であって、ミクロ組織中で平行に並んだ同じ晶癖面を持つラスの集団として定義されるパケットのアスペクト比を、3以上、好ましくは4以上とする。
アスペクト比を3以上とすることによって、焼戻し処理時にパケット境界に偏析するP等の粒界偏析量を低減させ、疲労特性を向上させる。好ましくは4以上である。
パケットのアスペクト比は、例えば、EBSP(Electron Back Scattering Pattern;電子後方散乱パターン)法による結晶方位測定結果からパケット粒を同定し、画像解析にて、20個以上のパケットのアスペクト比を求め、単純平均値とする。
パケット境界上におけるP原子の偏析量を1mass%以下、好ましくは0.6mass%とする。パケット境界上におけるP原子の偏析量を1mass%以下とすることによって、パケット境界の強度低下を抑制し、疲労特性を向上させる。
パケット境界上のP原子の偏析量は、例えば、オージェ電子分光分析によって15点以上のパケット境界を分析し、Feのオージェピーク強度に対する各元素のピーク強度比の単純平均値を求めた上で、濃度既知の試料で測定したFeに対するPの相対感度係数を用いて、算出する。
本発明では、セメンタイトの平均粒子径を70nm以下、好ましくは60nm以下とする。セメンタイトの平均粒子径を70nm以下とすると、疲労の内部破壊の起点として作用しにくくなり、疲労特性を向上させる。
セメンタイトの平均粒子径は、例えば、抽出レプリカ法にて作製した試料をTEM観察し、写真撮影を行い、画像解析にて、50点以上のセメンタイトの平均粒子径を求め、単純平均値とする。
更に、本発明では、フェライトの面積分率を3%以下とする。不均一組織は疲労の内部破壊の起点として作用して、疲労特性を劣化させる要因となるが、不均一組織がラスマルテンサイト組織を主体とする組織の場合、フェライトの面積分率を3%以下とすることによって、内部破壊の起点として作用しにくくなり、疲労特性の劣化を抑制する。
フェライトの面積分率は、例えば、ナイタルエッチングにて現出した組織を光学顕微鏡にて写真撮影し、画像解析にて、20個以上の旧オーステナイト粒中のフェライトの面積分率を求め、単純平均値とする。
上述のミクロ組織を備えた高張力鋼材として好ましい成分組成と製造条件は以下のとおりである。
[成分組成]化学成分組成を示す%は、何れも質量%である。
C:0.02〜0.25%
Cは、強度を確保するために含有するが、0.02%未満ではその効果が不十分であり、一方、0.25%を超えると母材および溶接熱影響部の靭性が劣化するとともに、溶接性が著しく劣化する。従って、C含有量を0.02〜0.25%に限定する。
Si:0.01〜0.8%
Siは、製鋼段階の脱酸材および強度向上元素として含有するが、0.01%未満ではその効果が不十分であり、一方、0.8%を超えると粒界が脆化し、低温靭性を劣化させる。従って、Si含有量を0.01〜0.8%に限定する。
Cr:0.3〜1%
Crは、セメンタイト中に分配し、セメンタイトの成長速度を低下させる効果を有する。含有量が0.3%未満ではその効果が不十分であり、セメンタイトが粗大化するため疲労特性が劣化する。一方、1%を超えて含有すると溶接性が劣化する。したがって、Cr含有量を0.3〜1%に限定する。
Mn:0.8〜2%
Mnは、セメンタイト中に分配し、セメンタイトの成長速度を低下させる効果を有する。含有量が0.8%未満ではその効果が不十分であり、セメンタイトが粗大化するため疲労特性が劣化する。一方、2%を超えて含有すると、Mn偏析部が硬化し、靭性が劣化する。したがって、Mn含有量を0.8〜2%に限定する。
Al:0.005〜0.1%
Alは、脱酸材として添加されると同時に、結晶粒径の微細化にも効果があるが、0.005%未満の場合にはその効果が十分でなく、一方、0.1%を超えて含有すると、鋼板の表面疵が発生し易くなる。従って、Al含有量を0.005〜0.1%に限定する。
N:0.0005〜0.008%
Nは、Tiなどと窒化物を形成することによって組織を微細化し、母材ならびに溶接熱影響部の靭性を向上させる効果を有するために添加する。0.0005%未満の添加では組織の微細化効果が充分にもたらされず、一方、0.008%を超える添加は固溶N量が増加するために母材および溶接熱影響部の靭性を損なう。従って、N含有量を0.0005〜0.008%に限定する。
Ca:0.0005〜0.005%
Caは、圧延によって展伸しやすい介在物であるMnSの代わりに、圧延により展伸しにくい球状介在物であるCaSへと、硫化物系介在物の形態を制御するために添加する。含有量が0.0005%未満では目的とする介在物の形態制御が不十分であり、疲労特性が劣化する。一方、0.005%を超えて含有すると清浄度が低下するため、靭性などの材質が劣化する。したがって、Cr含有量を0.0005〜0.005%に限定する。
P:0.02%以下
不純物元素であるPは、焼戻し処理時にパケット境界等の結晶粒界に偏析しやすく、0.02%を超えると隣接結晶粒の接合強度を低下させ、疲労特性や低温靭性、耐遅れ破壊特性などを劣化させる。従って、P含有量を0.02%以下に限定する。
S:0.004%以下
不純物元素であるSは、非金属介在物であるMnSを生成しやすく、0.004%を超えると、介在物の量が多くなり、内部破壊の起点として作用し、疲労特性を劣化させる。従って、S含有量を0.004%以下に限定する。
本発明では、所望する特性に応じて更に以下の成分を含有することができる。
Mo:1%以下
Moは、焼入れ性および強度を向上する作用を有するが、1%を超える添加は経済性が劣る。従って、Moを添加する場合には、その含有量を1%以下に限定する。ただし、Moは焼戻し軟化抵抗を大きくする作用を有し、強度を1000MPa以上確保するために0.2%以上添加することが好ましい。
Nb:0.1%以下
Nbは、マイクロアロイング元素として強度を向上させると同時に、未再結晶域の上限温度を高温側にシフトさせることによって、比較的高温の圧延でも未再結晶域圧延を行うことを可能にするが、0.1%を越える添加は溶接熱影響部の靭性を劣化させる。従って、Nbを添加する場合には、その含有量を0.1%以下に限定する。
V:0.5%以下
Vは、マイクロアロイング元素として強度を向上させるが、0.5%を超える添加は溶接熱影響部の靭性を劣化させる。従って、Vを添加する場合には、その含有量を0.5%以下に限定する。
Ti:0.1%以下
Tiは、圧延加熱時あるいは溶接時にTiNを生成し、オーステナイト粒の成長を抑制し、母材ならびに溶接熱影響部の靭性を向上させるが、0.1%を超える添加は溶接熱影響部の靭性を劣化させる。従って、Tiを添加する場合には、その含有量を0.1%以下に限定する。
Cu:2%以下
Cuは、固溶強化および析出強化により強度を向上する作用を有している。しかしながら、Cu含有量が2%を超えると、鋼片加熱時や溶接時に熱間での割れを生じやすくする。従って、Cuを添加する場合には、その含有量を2%以下に限定する。
Ni:6%以下
Niは、靭性および焼入れ性を向上する作用を有している。しかしながら、Ni含有量が6%を超えると、経済性が劣る。従って、Niを添加する場合には、その含有量を6%以下に限定する。
W:2%以下
Wは、強度を向上する作用を有している。しかしながら、2%を超えると、溶接性が劣化する。従って、Wを添加する場合は、その含有量を2%以下に限定する。
B:0.003%以下
Bは、焼入れ性を向上する作用を有している。しかしながら、0.003%を超えると、靭性を劣化させる。従って、Bを添加する場合には、その含有量を0.003%以下に限定する。
REM:0.02%以下
REMは、鋼中でREM(O、S)として硫化物を生成することによって結晶粒界の固溶S量を低減して耐SR割れ特性を改善する。しかしながら、0.02%を超える添加は、沈殿晶帯にREM硫化物が著しく集積し、材質の劣化を招く。従って、REMを添加する場合には、その添加量を0.02%以下に限定する。
Mg:0.01%以下
Mgは、溶銑脱硫材として使用する場合がある。しかしながら、0.01%を超える添加は、清浄度の低下を招く。従って、Mgを添加する場合には、その添加量を0.01%以下に限定する。
[製造条件]
本発明に係る高張力鋼材は、熱間圧延およびその後の冷却、熱処理条件の調整により鋼板、形鋼および棒鋼など種々の形状で上記ミクロ組織を備えた鋼材とすることが可能である。製造条件における温度規定は鋼材中心部のものとし、鋼板は板厚中心、形鋼は本発明に係る特性を付与する部位の板厚中心、棒鋼では径方向の中心とする。但し、中心部近傍はほぼ同様の温度履歴となるので、中心そのものに限定するものではない。
鋳造条件
本発明は、いかなる鋳造条件で製造された鋼材についても有効であるので、特に鋳造条件を限定する必要はない。溶鋼から鋳片を製造する方法や、鋳片を圧延して鋼片を製造する方法は特に規定しない。転炉法・電気炉法等で溶製された鋼や、連続鋳造・造塊法等で製造されたスラブが利用できる。
熱間圧延条件
鋳片を圧延して鋼片を製造する際、Ar変態点以下に冷却することなく、そのまま熱間圧延を開始しても、一度冷却した鋳片をAc変態点以上に再加熱した後に熱間圧延を開始しても良い。
熱間圧延は、未再結晶域における圧下率を30%以上、好ましくは40%以上とし、Ar変態点以上で圧延を終了するものとする。圧下率30%以上の未再結晶域圧延を行うことによって、熱間圧延時にパケットを展伸させる共に変形帯を導入し、焼戻し処理時にパケットに偏析するPの粒界偏析量を低減させる。
本発明ではAr変態点(℃)およびAc変態点(℃)を求める式は特に規定しないが、例えばAr=910−310C−80Mn−20Cu−15Cr−55Ni−80Mo、Ac=854−180C+44Si−14Mn−17.8Ni−1.7Crとする。式において各元素は鋼中含有量(mass%)とする。
直接焼入れあるいは加速冷却
熱間圧延終了後、母材強度および母材靭性を確保するため、Ar変態点以上の温度から350℃以下の温度まで強制冷却を行い、オーステナイトからマルテンサイトもしくはベイナイトへの変態を完了させ、母材を強靱化する。冷却速度は1℃/s以上、好ましくは2℃/s以上とする。
焼戻し
強制冷却後、板厚中心部の最高到達温度が400℃以上Ac変態点以下となるように焼戻す。焼戻しのための加熱は、板厚中心部での温度が370℃からAc変態点以下の所定の焼戻し温度まで、板厚中心部での平均昇温速度を1℃/s以上、好ましくは2℃/s以上として行う。以下、単に焼戻し温度と記載する場合は、焼戻し熱処理における最高到達温度のことを示すものとする。
焼戻し時に生成するセメンタイトは370℃以上から生じ、その生成・成長挙動には焼戻し時の昇温速度が影響を及ぼす。本発明では400℃以上Ac変態点以下の所定の温度で焼戻しを行った後のミクロ組織におけるセメンタイトを微細分散化するため、370℃からの平均昇温速度を1℃/s以上、好ましくは2℃/s以上とする。Ac変態点を越えて加熱すると一部オーステナイト変態を生じるためAc変態点以下とする。
焼戻し開始温度から370℃までは、Pの粒界偏析が生じやすく、この温度域を高速で昇温させることによって、Pの粒界偏析量をより低減して疲労強度の一層の向上が可能となるため、好ましくは焼戻し開始温度から370℃までの板厚中心部の平均昇温速度を2℃/s以上、好ましくは3℃/s以上とする。
焼戻し時の昇温過程は、所定の平均昇温速度が得られれば良く、直線的な温度履歴を取っても、途中温度で滞留するような温度履歴を取っても良く、特に規定しない。
焼戻し温度における保持時間は、生産性や析出物の粗大化に起因する耐遅れ破壊特性の劣化を防止すべく、60s以下とすることが望ましい。
焼戻し後の冷却速度については、冷却中における析出物の粗大化を防止すべく、焼戻し温度〜200℃までの平均冷却速度を0.05℃/s以上とすることが望ましい。
以上の条件によって、疲労破壊の起点として作用するセメンタイトが微細分散化するため、優れた疲労特性が得られる。
なお、焼戻し時の加熱方式は、所要の昇温速度が達成されれば、誘導加熱、通電加熱、赤外線輻射加熱、雰囲気加熱等のいずれの方式でも良い。
焼戻し装置として、圧延機および直接焼入れ装置もしくは加速冷却装置と同一の製造ライン上に直結して設置された加熱装置を用いて行うと、圧延・焼入れ処理から焼戻し処理までに要する時間が短縮し、生産性が向上する。
表1に示す化学成分の鋼A〜Qを溶製してスラブに鋳造し、加熱炉で加熱後、熱間圧延を行い鋼板とした。圧延後、引続き直接焼入れし、次いで、ソレノイド型誘導加熱装置を用いて種々の条件で焼戻し処理を行った。
板厚中心部の平均昇温速度は、鋼板の通板速度によって管理した。なお、焼戻し温度にて保持する場合には、鋼板を往復させて加熱することによって、±5℃の範囲内で保持を行った。
また、加熱後の冷却は空冷とした。焼戻し温度や焼入れ温度などの板厚中心部における温度は、放射温度計による表面の逐次における温度測定結果から、伝熱計算によって求めた。
表2、3に鋼板製造条件、パケット粒のアスペクト比、パケット境界におけるP原子の偏析量、セメンタイトの平均粒子径、フェライトの面積分率を、表4、5に得られた鋼板の降伏強度、引張強度、10回疲労強度、引張強度に対する10回疲労強度の比、疲労破壊起点を示す。
パケットのアスペクト比は、EBSP法による結晶方位測定結果からパケット粒を同定し、画像解析にて、約30個のパケットのアスペクト比の平均値とした。
パケット境界上のP原子の偏析量は、オージェ電子分光分析によって約20点のパケット境界を分析し、Feのオージェピーク強度に対する各元素のピーク強度比の単純平均値を求めた上で、濃度既知の試料で測定したFeに対するPの相対感度係数を用いて、算出した。
セメンタイトの平均粒子径は、抽出レプリカ法にて作製した試料をTEM(透過型電子顕微鏡)観察し、写真撮影を行い、画像解析によって得られた、約70点のセメンタイトの平均粒子径の平均値とした。
フェライトの面積分率は、ナイタルエッチングにて現出した組織を光学顕微鏡にて写真撮影し、画像解析にて、約30個の旧オーステナイト粒中のフェライトの面積分率の平均値とした。
降伏強度および引張強度は、JISZ2201(1980)に準拠して全厚引張試験片により求めた。疲労特性は、最小部直径4mmの試験片を用いて、応力比R=−1で、室温大気中にて、回転曲げ疲労試験に供することによって評価し、10回のサイクルにて破断する強度を10回疲労強度とした。
疲労特性の目標(本発明範囲)は、引張強度に対する10回疲労強度の比が、引張強度が1500MPa未満の場合に関しては、0.65以上、1500MPa以上の場合に関しては、0.50以上とした。
Figure 2010106287
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Figure 2010106287
Figure 2010106287
Figure 2010106287
表3に示した鋼板No.20〜22は、パケット粒のアスペクト比、パケット境界上のPの偏析量、およびセメンタイトの平均粒子径に及ぼす未再結晶域圧下率の影響を調査した結果で、未再結晶圧下率が25%以下の場合、パケット粒のアスペクト比、パケット境界上のPの偏析量、セメンタイトの平均粒子径の少なくとも2つの項目が本発明範囲から外れる。
また、鋼板No.23〜36は、直接焼入れ開始温度、直接焼入れ停止温度、焼戻し温度、370℃から焼戻し温度までの板厚中心部の平均昇温速度がミクロ組織に及ぼす影響を調査した結果で、フェライトの面積率、またはセメンタイトの平均粒子径が本発明範囲から外れている場合を示す。
表2に示した鋼板No.1〜19は、ミクロ組織の規定が本発明を満足し、表4に示すように良好な疲労特性が得られている。
焼戻し開始温度〜370℃までの板厚中心部の平均昇温速度のみが異なる鋼板No.5と鋼板No.6、および鋼板No.11と鋼板No.12とを比較すると、焼戻し開始温度〜370℃までの板厚中心部の平均昇温速度が2℃/s以上の鋼板No.5、11は、それぞれ鋼板No.6、12よりも、パケット境界上のPの偏析量およびセメンタイトの平均粒子径が小さく、優れた疲労特性を有していることが分かる。
一方、表5に示す鋼板No.20〜40は、疲労特性が上記目標範囲を満足しない比較例である。
鋼板No.20〜22は、表3に示すように、未再結晶域圧下率が25%以下で、セメンタイトの平均粒子径が本発明範囲外で疲労特性が目標値に達していない。
鋼板No.23〜25は、表3に示すように直接焼入れ開始温度がAr点以下で低く、フェライトの面積率が過剰で本発明範囲外で疲労特性が目標値に達していない。
鋼板No.26、27は、表3に示すように直接焼入れ停止温度が400℃以上と高く、フェライトの面積率が過剰で本発明範囲外で疲労特性が目標値に達していない。
鋼板No.28〜30は、表3に示すように焼戻し温度がAc変態点以上で高くて、フェライトの面積率が過剰で本発明範囲外で疲労特性が目標値に達していない。
鋼板No.31〜36は、表3に示すように370℃〜焼戻し温度までの板厚中心部の平均昇温速度が1℃/s以下と低く、セメンタイトの平均粒子径が大きくて本発明範囲から外れて疲労特性が目標値に達していない。

Claims (6)

  1. ラスマルテンサイト鋼中の平行に並んだ同じ晶癖面を持つラスの集団として定義されるパケットのアスペクト比が、3以上、かつ、パケット境界上におけるP原子の偏析量が1mass%以下で、更に、セメンタイトの平均粒子径が70nm以下で、フェライトの面積率が3%以下であることを特徴とする、疲労特性に優れた高張力鋼材。
  2. 鋼組成が、質量%で、C:0.02〜0.25%、Si:0.01〜0.8%、Cr:0.3〜1%、Mn:0.8〜2%、Al:0.005〜0.1%、N:0.0005〜0.008%、Ca:0.0005〜0.005%、P:0.02%以下、S:0.004%以下の元素を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1に記載の疲労特性に優れた高張力鋼材。
  3. 更に、鋼組成が、質量%で、Mo:1%以下、Nb:0.1%以下、V:0.5%以下、Ti:0.1%以下、Cu:2%以下、Ni:6%以下、W:2%以下の一種または二種以上を含有することを特徴とする、請求項2に記載の疲労特性に優れた高張力鋼材。
  4. 更に、鋼組成が、質量%で、B:0.003%以下、REM:0.02%以下(注:REMとはRare Earth Metalの略、希土類金属)、Mg:0.01%以下の一種または二種以上を含有することを特徴とする、請求項2または3に記載の疲労特性に優れた高張力鋼材。
  5. 請求項2乃至4のいずれか一つに記載の鋼組成を有する鋼を鋳造後、Ar変態点以下に冷却することなく、あるいはAc変態点以上に再加熱後、未再結晶域における圧下率が30%以上の熱間圧延によって所定の板厚とし、引続きAr変態点以上から直接焼入れ、あるいは加速冷却によって350℃以下の温度まで冷却した後、圧延機および直接焼入れ装置もしくは加速冷却装置と同一の製造ライン上に直結して設置された加熱装置を用いて、370℃から所定の焼戻し温度までの板厚中心部の平均昇温速度を1℃/s以上として、板厚中心部の最高到達温度を400℃以上Ac変態点以下に焼戻すことを特徴とする疲労特性に優れた高張力鋼材の製造方法。
  6. 更に、焼戻し開始温度から370℃までの板厚中心部の平均昇温速度が2℃/s以上であることを特徴とする、請求項5に記載の疲労特性に優れた高張力鋼材の製造方法。
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