JP6610520B2 - 鋼矢板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、鋼の成分組成とミクロ組織とを規定したYP460MPa以上の高強度鋼矢板が提案されている。この特許文献1では、炭素含有量を0.01〜0.04質量%と比較的低くし、Nbを添加した成分組成とすることで、パーライト量を10%以下、残部フェライト(ベイナイトなどを含む)の鋼組織とする提案がなされている。また、特許文献2には、C:0.005〜0.030質量%の極低炭素鋼にNbやBを添加した、水中溶接性に優れた鋼矢板の製造方法が提案されている。さらに、特許文献3では、C:0.03〜0.19質量%の低炭素鋼にNbを0.051〜0.10質量%添加することを骨子とする、YP430MPa以上の鋼矢板を提案している。この他、特許文献4や特許文献5には、成分組成を規定した鋼矢板が提案されている。
1.質量%で、
C:0.05〜0.18%、
Si:0.05〜0.55%、
Mn:1.00〜1.65%、
sol.Al:0.080%以下、
Nb:0.030〜0.060%、
V:0.030〜0.080%および
Ti:0.005〜0.025%
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物であり、該不可避的不純物としてのP、SおよびBは、P:0.025%以下、S:0.020%以下およびB:0.0003%以下である成分組成を有し、
ウェブにおけるミクロ組織がポリゴナルフェライト主体組織であり、該ポリゴナルフェライトの平均粒径が15μm以下であり、前記ミクロ組織中に占める島状マルテンサイトの面積率が3%以下である鋼矢板。
Cu:0.50%以下、
Ni:0.50%以下、
Cr:0.50%以下、
Mo:0.30%以下、
Ca:0.0050%以下および
REM:0.005%以下
のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする前記1に記載の鋼矢板。
C:0.05〜0.18%、
Si:0.05〜0.55%、
Mn:1.00〜1.65%、
sol.Al:0.080%以下、
Nb:0.030〜0.060%、
V:0.030〜0.080%および
Ti:0.005〜0.025%
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物であり、該不可避的不純物としてのP、SおよびBは、P:0.025%以下、S:0.020%以下およびB:0.0003%以下である成分組成を有する素材を、1200℃〜1350℃に加熱し、少なくともウェブ相当部分の1000℃以下での圧下率が20〜60%かつ中間圧延終了温度が800〜950℃である熱間圧延を施し、その後、爪曲げ成形圧延を行う、ウェブのミクロ組織がポリゴナルフェライト主体組織であり、該ポリゴナルフェライトの平均粒径が15μm以下であり、前記ミクロ組織中に占める島状マルテンサイトの面積率が3%以下である鋼矢板の製造方法。
Cu:0.50%以下、
Ni:0.50%以下、
Cr:0.50%以下、
Mo:0.30%以下、
Ca:0.0050%以下および
REM:0.005%以下
のうちの1種または2種以上を含有する前記4に記載の鋼矢板の製造方法。
[成分組成]
Cは、鋼矢板の強度を安定して確保するために必要な元素であり、0.05%以上含有されている必要がある。特に、後述するように、NbやVを添加し析出強化による高強度化を図る場合には、溶接時に溶接熱影響部に粒界破壊が生じる虞れがあり、これを防止する観点からもCは0.05%以上で含有させる必要がある。一方、Cが0.18%を超えて含有されると、溶接性が阻害されるばかりでなく、ミクロ組織に、島状マルテンサイト(以下、MAとも云う)を含むベイナイトからなる第二相が生成するため、MA量の増加により靭性が低下する。また、溶接部についても同様の問題が生じる。したがって、C含有量の上限は0.18%とした。好ましくは、0.07〜0.16%である。
ここで、島状マルテンサイト(MA:Martensite−Austenite Constituent)とは、炭素が濃縮したマルテンサイトと残留オーステナイトとからなる混合組織であり、靭性に対して極めて有害な組織である。
Siは、固溶強化によって鋼を強化する上で有効な元素であるが、その効果を得るためには0.05%以上で含有されている必要がある。一方、Si含有量が過剰であると、第二相がベイナイト化し易く、MAの生成が促進されて靭性を低下する。よって、Si含有量の上限は0.55%とした。好ましくは、0.10〜0.50%である。
Mnは、鋼矢板の降伏強度YPを440MPa以上とするために、少なくとも1.00%で含有される必要がある。一方、1.65%を超えて含有されると、溶接性が損なわれ、また、ミクロ組織がベイナイト主体となってMAも増加し、靭性を低下させる。さらに、Mnが1.65%を超えると溶接性も低下する。そのため、Mn含有量の上限は、1.65%とした。好ましくは、1.10〜1.60%である。
Alは脱酸材として鋼に添加される。脱酸材としての効果は、sol.Alとして0.080%を超えると飽和することから、sol.Alの上限を0.080%とした。下限については特に特定しないが、脱酸効果を十分に得るためには0.003%以上とすることが望ましい。好適な上限は0.060%である。
Nbは、オーステナイトの再結晶温度域を高温化させ、比較的高温の圧延で制御圧延効果を発現し、ミクロ組織の微細化に有効である。さらに、Nbは、Nb(C,N)としてフェライト中に析出し、析出強化にも寄与する。この効果を所期する場合には、Nbは0.030%以上含有されている必要がある。一方、0.060%を超えて含有されると、熱間変形抵抗が過度に上昇し、圧延時に圧延荷重が高くなり、圧延ロールの割損リスクが高まるため、Nb含有量の上限は0.060%とした。Nbと後述するVとを併用することで、圧延荷重の過度な上昇を抑制させつつ鋼の高強度化を図ることが、本発明における重要な特徴の一つである。なお、圧延荷重の上昇を抑制するためには、Nbの上限は0.055%とすることが好ましい。より好ましくは、0.030〜0.050%である。
Vは、Nbと同様に、V(C,N)の形成による鋼の強度上昇に有効である。一方、V含有量の上昇による熱間での変形抵抗の上昇はさほど大きくない。この熱間変形抵抗の上昇を抑制しつつ鋼の強度を上昇させるという効果を十分発揮させるためには、Vを0.030%以上で含有させる必要がある。一方、V含有量が0.080%を超えると、連続鋳造時の表面割れを助長することから、V含有量の上限は0.080%とした。好ましくは、0.035〜0.078%である。
Tiは、鋼中でTiNを形成する元素であり、素材を再加熱した場合にオーステナイト粒を細粒化させる効果がある、靱性向上に有効な元素である。その効果を得るためには、Ti含有量は0.005%以上である必要がある。一方、Ti含有量が0.025%を超えると、余剰なTiがTiCを形成して脆化が顕著となる。そのため、Ti含有量の上限は0.025%とした。Ti含有量の上限は、好ましくは0.020%である。より好ましくは、0.006〜0.018%である。
Cu:0.50%以下
Cuは、鋼中に固溶し、鋼の強度を向上させる作用を有するとともに、耐食性をも向上させる効果がある。このような効果を得るには、Cuが0.01%以上含有されていることが好ましい。一方、Cu含有量が0.50%を超えると、素材は鋼矢板の表面品質を低下させるので、Cu含有量の上限は0.50%とした。
Niは、Cuと同様に鋼中に固溶し、鋼の強度や靭性を向上させるのに有効な元素であり、さらに、耐食性を向上させる上でも有効な元素である。これらの効果を得るには、Niが0.01%以上含有されていることが好ましい。また、Cuを添加する場合には、Cuによる表面品質の劣化を抑制する観点からCu含有量の半分以上のNiが含有されていることが好ましい。一方、Niは非常に高価な元素であり、コスト上昇を抑制する観点から上限は0.50%とした。
Crも鋼中でマトリクス中に固溶し、鋼の強度を高めるとともに、耐食性を向上する上でも有効な元素である。これらの効果を期待して含有させる場合には、0.01%以上のCrを含有させることが好ましい。一方、Cr含有量が0.50%を超えると溶接性を損なうことから、Cr含有量の上限は0.50%とした。
Moは、鋼の常温強度や高温強度を向上させる元素であり、これらの効果を期待する場合には、0.01%以上のMoを含有させることが好ましい。一方、Mo含有量が0.30%を超えると、溶接性が低下するので、Mo含有量の上限は0.30%とした。
Caは、SやOと結合して球状のCa(O,S)を形成し、これにより鋼中のMnSを減少させて鋼の靭性や延性を向上させる上で有効である。この効果を期待する場合には、Caは0.0005%以上含有されていることが好ましい。一方、Ca含有量が0.0050%を超えると、逆に鋼の清浄度を低下させるので、Ca含有量の上限は0.0050%とした。
REMは、Caと同様にMnSの形態を制御する機能を有し、靭性や延性の向上に有効に作用する。また、溶接部の組織の微細化にも寄与する。こうした効果を期待する場合には、REMは0.001%以上含有されていることが好ましい。一方、REM含有量が0.005%を超えると、逆に鋼の清浄度を低下させるので、REM含有量の上限は0.005%とした。
Pは、不可避的不純物として鋼中に存在するが、P含有量が多いと鋼の脆化を助長するので、その含有量は極力少ないことが望ましい。しかしながら、P含有量を低下させるためには精錬など鋼製造過程における上工程のプロセスが複雑化したり、長時間処理が必要となったりするため、必要以上のP含有量の低減は生産性の低下を招く。したがって、P含有量は、Pによる脆化が顕著にならない0.025%を上限とした。P含有量の下限は特に規定しないが、製鋼プロセスの複雑化を回避する観点から、0.005%を下限とすることが望ましい。
Sは、不可避的不純物として鋼中に混入してMnSを形成し、延性や靭性を低下させる。このため、その含有量は極力低いことが好ましい。しかしながら、S含有量が0.020%以下であれば、上記したSによる悪影響は少ないため、上限を0.020%とした。
Bは、Mn原料などに混入しており低品質な原料を用いた場合、不純物として0.0003%を超えて鋼中に混入する場合がある。この場合、Nbとの相互作用により第二相組織がベイナイトへ変化し、ベイナイト中に靱性に有害な粗悪な島状マルテンサイト(MA)が生成し、鋼の靭性を極端に低下させる。そのため、鋼中へのBの混入は十分に抑制する必要があり、B含有量の上限は0.0003%とした。B含有量は、好ましくは0.0002%以下である。
まず、成分組成が(0.13−0.15)%C−0.45%Si−1.45%Mn−0.015%Ti鋼について、VおよびNbの含有量を変化させた鋼塊を溶製し、板厚12〜17mmの鋼矢板圧延に相当する熱間圧延を行って得た鋼板について、その強度と靭性に与えるミクロ組織の影響について調査、解析を行った。その結果、ミクロ組織として、ポリゴナルフェライト主体組織とすることが、伸びや靭性を高めるのに有効であるとの知見に到った。ここで、ポリゴナルフェライト主体組織とは、面積率で75%以上のポリゴナルが存在することを指す。このポリゴナルフェライトの面積率が75%未満となると、伸びや靭性が低下する虞れがある。
図2から、Nb(C,N)主体の析出物、V(C,N)主体の析出物、そしてNb(C,N)とV(C,N)とが混合した析出物が合計で500個/μm2以上となることにより、YP440MPa以上の高強度が得られることがわかる。ここで、図2に示すグラフは、前記した0.13-0.15%C−0.45%Si−1.45%Mn−0.015%Ti鋼について、VおよびNbの含有量を変化させた鋼塊を溶製し、板厚12〜17mmの鋼矢板圧延に相当する熱間圧延を行って得た鋼板について、Nb炭窒化物、V炭窒化物およびそれらの混合析出物の個数を調べ、この個数と降伏強度YPとの関係として示したものである。
鋼矢板は、一般にスラブ等の鋼片を素材として、この素材に粗圧延、中間圧延、仕上圧延を含む熱間圧延工程による製造される。例えば、図3(a)に示す、ウェブ1aと、該ウェブ1aの両端から斜めに延在する一対のフランジ1b,1cと、両フランジ1b,1cのウェブ1aとは反対側からウェブ1aと平行に延在する腕部1d,1eと、両腕部1d,1eの先端側に設けられた継手1f,1gと、を有するハット形鋼矢板1を例にとると、図4に示すような圧延ラインにより製造される。すなわち、図4の例では、スラブを素材とし、これを加熱炉2で加熱した後、粗圧延機3の孔型K8、K7により複数回(例えば9〜11パス)の粗圧延を行い、引き続き、タンデムに配置した第1中間圧延機4および第2中間圧延機5にて、孔型K6〜K3による中間圧延を行い、さらに、仕上圧延機6の孔型K2およびK1、および爪曲げ装置7を用いて最終製品形状へと仕上げる。
素材を熱間圧延するに先立って、1200〜1350℃に加熱する必要がある。加熱温度が1200℃未満であると、鋼中成分のNbの固溶が不十分となり、後続する圧延過程でNbを、強度に寄与する程度に析出させることができなくなる。さらに、加熱温度が1200℃に満たないと、圧延時の鋼の温度が低くなり、圧延荷重が過度に高くなる。一方、加熱温度が1350℃が超えると、スケールロスが増大することや加熱に時間を費やし生産性を低下させる。そのため、素材の加熱温度は1200〜1350℃とする。
素材を上記の温度範囲に加熱した後、熱間圧延を行うが、ウェブ相当部分について1000℃以下での圧下率が20〜60%の圧延を行う必要がある。この圧下率が20%未満では、ポリゴナルフェライトの平均粒径が15μm以下とならない場合が生じ、最終的に得られた鋼矢板の靭性が不十分となる。一方、1000℃以下での圧下率が60%を超えると、1000℃以下での圧延が行われることとなる中間圧延における圧延荷重が高くなり、中間圧延機のロールの割損リスクが上昇する。そのため、1000℃以下で圧下率20〜60%の圧延を行う必要がある。なお、ここでいう圧下率とは、1000℃となった時点でのウェブの厚さt0と圧延終了後のウェブの厚さt1から、(t0−t1)/t0×100(%)で計算する。
ウェブやフランジを成形する中間圧延の終了温度は、800〜950℃とする。950℃を超えると、最終的に得られる鋼矢板のウェブのミクロ組織中のポリゴナルフェライトの平均粒径が15μmを超えるようになり、靱性が低下する。一方、中間圧延終了温度が800℃未満となると、中間圧延での圧延荷重が高くなり中間圧延機のロール割損のリスクが高まる。なお、中間圧延とは、爪曲げ圧延の前までの圧延のことを指し、ウェブを厚さ方向に圧下する圧延のことである。
鋼矢板のウェブのウェブ幅の1/4位置より、サンプルを採取し、光学顕微鏡により観察し、ポリゴナルフェライトおよび第2相の面積率とMAの面積率とを測定した。島状マルテンサイト(MA)については、電解腐食とナイタールとの2段エッチング処理によりサンプルのセメンタイトを溶解させ、SEMにより倍率500倍程度で5視野以上をランダムに観察して、SEM観察視野における島状マルテンサイト(MA)の存在量を画像処理により求めた。また、ポリゴナルフェライト粒を100個以上トレースして、それらの平均粒径を画像処理で導出した。また、光学顕微鏡の観察結果より、主相(全体の75%以上となっている鋼組織)についても同定した。
鋼矢板のウェブのウェブ幅の1/4位置より、サンプルを採取し、抽出レプリカ法にて電子顕微鏡で150000倍にて5視野観察し、径が2nm以上の析出物について質量分析器(EDX)によりNb炭窒化物、V炭窒化物およびそれらの混合析出物を抽出し、抽出された析出物数をカウントし、単位面積(μm2)あたりの数を測定した。
鋼矢板のウェブのウェブ幅の1/4位置より、JIS 1A号引張試験片を採取し、引張試験を行って、降伏強度YP(MPa)、引張強度TS(MPa)、および、全伸びEl(%)を調査した。
鋼矢板のウェブのウェブ幅の1/4位置より、2mmVノッチシャルピー衝撃試験片を採取し、0℃でシャルピー衝撃試験を行い、吸収エネルギーvEoを求めた。
また、NbおよびVを含有するものの、Nb含有量が本発明範囲よりも低いNo.7では、析出物の個数が十分でなく、降伏強度YPが低い値となった。
B含有量が本発明範囲を超えるNo.8は、ポリゴナルフェライト分率が低く、また、MAの生成量も大きくなったため、0℃でのシャルピー吸収エネルギーvEoが、低い値となった。
Nb含有量が本発明範囲を超えるNo.9は、中間圧延時の圧延荷重が過大となり、ロールの耐荷重を超えたため、圧延を途中で中止した。
本発明の成分組成を満足するものの、圧延前の加熱温度が低いNo.14は、析出物の個数が少なく、降伏強度YPが低い値であった。
本発明の成分組成を満足するものの、1000℃以下での累積圧下率が低いNo.15は、ポリゴナルフェライトの平均粒径が大きくなり、また、MAの面積率が3%を超えたため、0℃でのシャルピー吸収エネルギーvEoが、低い値となった。
No.17では、本発明の成分組成を満足する鋼について、中間圧延温度を低くして圧延しようとしたが、中間圧延時の圧延荷重が過大となり、ロールの耐荷重を超えたため、圧延を途中で中止した。
No.18は、C含有量が本発明範囲よりも高いため、0℃でのシャルピー吸収エネルギーvEoが、低い値となった。
NbおよびVを含有するものの、V含有量が本発明範囲よりも高いNo.19では、0℃でのシャルピー吸収エネルギーvEoが低い値となった。
また、Nb含有量およびV含有量がともに本発明範囲を超えるNo.20は、0℃でのシャルピー吸収エネルギーvEoが低い値となった。
P含有量が本発明範囲を超えるNo.22およびS含有量が本発明範囲を超えるNo.23はいずれも、0℃でのシャルピー吸収エネルギーvEoが低い値となった。
Ti含有量が本発明範囲に満たないNo.24は、ポリゴナルフェライトの平均粒径が大きくなり、0℃でのシャルピー吸収エネルギーvEoが低い値となった。
Ti含有量が本発明範囲を超えるNo.25は、0℃でのシャルピー吸収エネルギーvEoが低い値となった。
本発明範囲を満足する成分組成の鋼ID4を用いたものの、圧延後600〜500℃の滞留時間が短いNo.26は、ポリゴナルフェライトの分率が低くなり、また、MAの分率が高くなったため、0℃でのシャルピー吸収エネルギーvEoが低い値となった。
Claims (4)
- 質量%で、
C:0.05〜0.18%、
Si:0.05〜0.55%、
Mn:1.00〜1.65%、
sol.Al:0.080%以下、
Nb:0.030〜0.060%、
V:0.030〜0.080%および
Ti:0.005〜0.025%
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物であり、該不可避的不純物としてのP、SおよびBは、P:0.025%以下、S:0.020%以下およびB:0.0003%以下である成分組成を有し、
ウェブにおけるミクロ組織は面積率で75%以上のポリゴナルフェライトが存在するポリゴナルフェライト組織であり、該ポリゴナルフェライトの平均粒径が15μm以下であり、前記ミクロ組織は、Nb炭窒化物、V炭窒化物およびそれら混合析出物を合計で500個/μm 2 以上有し、前記ミクロ組織中に占める島状マルテンサイトの面積率が3%以下である鋼矢板。 - 前記成分組成は、さらに質量%で、
Cu:0.50%以下、
Ni:0.50%以下、
Cr:0.50%以下、
Mo:0.30%以下、
Ca:0.0050%以下および
REM:0.005%以下
のうちの1種または2種以上を含有する請求項1に記載の鋼矢板。 - 質量%で、
C:0.05〜0.18%、
Si:0.05〜0.55%、
Mn:1.00〜1.65%、
sol.Al:0.080%以下、
Nb:0.030〜0.060%、
V:0.030〜0.080%および
Ti:0.005〜0.025%
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物であり、該不可避的不純物としてのP、SおよびBは、P:0.025%以下、S:0.020%以下およびB:0.0003%以下である成分組成を有する素材を、1200℃〜1350℃に加熱し、少なくともウェブ相当部分の1000℃以下での圧下率が20〜60%かつ中間圧延終了温度が800〜950℃である熱間圧延を施し、その後、爪曲げ成形圧延を行う、ウェブのミクロ組織は面積率で75%以上のポリゴナルフェライトが存在するポリゴナルフェライト組織であり、該ポリゴナルフェライトの平均粒径が15μm以下であり、前記ミクロ組織は、Nb炭窒化物、V炭窒化物およびそれら混合析出物を合計で500個/μm 2 以上有し、前記ミクロ組織中に占める島状マルテンサイトの面積率が3%以下である鋼矢板の製造方法。 - 前記成分組成は、さらに質量%で、
Cu:0.50%以下、
Ni:0.50%以下、
Cr:0.50%以下、
Mo:0.30%以下、
Ca:0.0050%以下および
REM:0.005%以下
のうちの1種または2種以上を含有する請求項3に記載の鋼矢板の製造方法。
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