JP4514791B2 - 肝線維症の診断方法 - Google Patents

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Description

本発明は肝臓病学および肝線維症の分野に関する。特に、肝線維症の診断、なかでも慢性C型肝炎ウィルス感染による肝線維症の診断に使用することができる血清学的マーカーパネルに関する。これらのマーカーは肝線維症の治療処置をモニタリングするために使用できる。
線維性肝疾患は世界中で8番目に多い死亡原因であり、毎年130万人が死亡している(Murray and Lopez, 1997, Lancet 349, 1269-1276)。線維症の細胞メカニズムは複雑である。例えば、慢性C型肝炎ウィルス(HCV)感染、B型肝炎ウィルス(HBV)感染、アルコール性もしくは脂肪性肝疾患、薬物性肝疾患または原発性胆汁性肝硬変により引き起こされる肝傷害に応答して、通常は静止状態の肝星細胞が増殖型筋線維芽細胞へと活性化される。これらの細胞は細胞外マトリックスタンパク質を産生し、また瘢痕の分解に関与するメタロプロテイナーゼと結合し不活化するメタロプロテイナーゼの組織阻害剤を放出する。その結果、組織やコラーゲンのようなタンパク質の産生が増加し、これらの化合物の分解が減少することにより、線維化および瘢痕が蓄積し得、そのため肝機能が損なわれる(McHutchinson 2004, CME Newsletter Tx Reporter Gastroenterology, 2-4)。
肝線維症は細胞外マトリックスの蓄積に至る可逆過程であるのに対し、肝硬変は実質を完全に取り囲んで結節を形成する厚い基質層が特徴の不可逆過程である。もし治療しないままでいると、肝線維症は肝硬変になり、癌となる可能性がある。これらの理由のため、迅速かつ正確な肝線維症の診断が効果的な治療をするために必須である。
現在においても肝生検は線維症および炎症の評価のための、いわゆる黄金基準として考えられている。肝生検は、疾患を等級化および段階化し、診断を確定し、そして予後診断および治療の必要性を決定する際の補助となる改善または病気の進行を立証するための基準を設定するために推奨される(上記McHutchinson、総説としてはGebo et al. 2002 Hepatology 36, 161-172参照)。
慢性C型肝炎患者における肝線維症および炎症の度合いを半定量化するために使用されている組織学的グレーディングシステムが非常に多く存在する。最もよく使用されているグレーディングシステムの1つは、METAVIRシステムである(Bedossa et al. 1994, Hepatology, 20, 15-20)。METAVIRは肝線維症をF0からF4の範囲の5段階に分類する。F0は線維症ではなく、F1は軽度の線維症(隔膜の無い門脈線維症)に相当する。中程度から重度の線維症はF2からF4に分類され(F2:わずかに隔膜あり、F3:肝硬変は無いが多くの隔膜あり)、F4段階は肝硬変の最終段階に相当する。線維症はF2以上から臨床的に有意であると見なされる。
しかし、線維症を診断および段階化するために肝生検を適用する場合には、いくつか不都合な点がある。少量のサンプルでは肝臓全体の実際の状態を反映していない可能性があるために、肝線維症はサンプリング誤差を受けやすい。そのため、持続的分解の動的過程の正確なマーカーではない。さらに病理学者は10〜20%の生検において観測者間および観測者内誤差が起こる組織学サンプルのデータを認めないことがよくある(Cadranel et al 2000, Hepatology 32, 477-481)。
肝生検は患者にとって侵襲的であり、痛みを伴う処置である。サンプリング後に出血およびその他の合併症の危険も伴う。さらに、予期される合併症が部分的な原因となって患者が入院することもあり、費用のかかる方法である。
肝線維症は肝硬変および非代償性肝疾患の発症につながる慢性C型肝炎ウィルス感染の主要な合併症である。従って、線維症の発症および進行を調べる直接的な検査はこれらの患者を効果的に管理するのに必要不可欠である。進行性線維症の評価は線維症の中間段階を判別することが可能な非侵襲的検査を用いることが最適である。様々な単一マーカーおよびマーカーパネルアルゴリズムが公表されているが、信頼できる線維症の予測(診断精度>80%)を可能とする有力な単一バイオマーカーまたはバイオマーカースコアは現在のところ得られていない。肝線維症の非侵襲的動的測定の開発についての更なる研究が2002年の国立衛生研究所コンセンサス開発会議により強く推奨された。特に、肝生検の代替法に関する研究なよって、参照規準の妥当性をリーダーに納得させるために、生検法についての充分な詳細(生検サンプルの平均サイズ、組織学的に十分特徴付けられた定性パネル)が得られるべきである。肝生検は最適化された性能基準に強く依存しており、観測者間誤差およびあまりにも小さいサンプルサイズ (10 mm未満)が原因で組織学的段階を誤って分類する可能性がある。
肝疾患における線維形成過程を反映し、肝生検の代わりに用いることが可能な生化学的または血清学的マーカーの幅広い調査がなされてきた。この数年間で、2〜3種の非侵襲的または低侵襲的な生化学的および血清学的マーカーが肝疾患の診断を補助するために研究された。特に、マーカーの組み合わせが線維症の段階もしくは程度に応じて患者を分類するために使用されている。
US 6,631,330はα‐2‐マクログロブリン、アスパルテートアミノトランスフェラーゼ、γ‐グルタミルトランスペプチダーゼ、γ‐グロブリン、総ビリルビン、アルブミン、α1‐グロブリン、α2‐グロブリン、ハプトグロビン、β‐グロブリン、アポA1、IL‐10、TGF‐β1、アポA2およびアポBから成る群から選択される少なくとも4種の生化学的マーカーを組み合わせて使用することを記載している。これらのマーカーのうち4種から得られた値を数学的に組み合わせて肝線維症の存在を判断する。このマーカーパネルを用いると約80%の診断精度を得ることができる。
国際特許出願WO2003/073822には、患者の肝線維症の存在または重症度を診断する方法が記載されている。この方法はα‐2‐マクログロブリン、ヒアルロン酸およびメタロプロテイナーゼ1の組織阻害剤(TIMP-1)の少なくとも3種のマーカーを組み合わせて使用する。この方法を用いて約80%の診断精度を得ることができる(McHutchinson, 2004, 上記参照)。
US 6,631,330 WO 2003/073822 Murray and Lopez, 1997, Lancet 349, 1269-1276 McHutchinson 2004, CME Newsletter Tx Reporter Gastroenterology, 2-4 Gebo et al. 2002 Hepatology, 36, 161-172 Bedossa et al. 1994, Hepatology, 20, 15-20 Cadranel et al. 2000, Hepatology, 32, 477-481
肝線維症を判断する診断精度を高めるため、および治療処置の間に線維症の臨床での進行がモニタリング可能なように、当該技術分野でこれまでに知られているものよりも信頼性のある方法で異なる段階の線維症を分類および判別するための非侵襲的または低侵襲的な方法の開発が必要とされている。さらに、そのような方法は自動分析における連続検査に適しているべきである。
上記課題は本発明の方法によって解決される。患者における肝疾患の存在および/または重症度を判断する方法は下記の段階を含む。
a) 前記患者からサンプルを得る
b) 前記サンプル中のTIMP-1(メタロプロテイナーゼIの組織阻害剤)を測定する
c) 前記サンプル中のフェリチンを測定する
d) 前記サンプル中のA2M(α‐2‐マクログロブリン)およびPI(プロトロンビン指数)から成る群から選択される少なくとも1種の付加的なパラメーターを測定する
e) 場合により、前記サンプル中の少なくとも1つの付加的な生化学的または臨床的パラメーターを測定する
f) TIMP-1、フェリチンならびに段階d)および段階e)に従い測定したパラメーターの存在または測定レベルに基づいて肝疾患の存在および/または重症度を診断する。
本発明はF2/F3/F4段階からF0/F1段階の線維症を高い信頼性をもって識別することが可能である。さらに肝疾患の治療を管理する治療モニタリングを本発明の方法により行うことができる。
本発明の方法は肝線維症の十分特性化されたMetavir段階と強く相関している。先行技術の方法と比較して、本発明の方法の特別な利点は病理学的観測および統計モデルによる誤判別を最小限にする定性パネルを使用することである。
本発明の方法はいくつかの方法(肝生検および線維症の領域または面積を決定するその他の方法)により判断された線維症の重症度に非常に密接に関連する非侵襲的な方法からなる。
本発明の方法は、全範囲のMetavir段階を網羅する十分特性付けられた肝線維症患者検体および組織学的所見より肝線維症でない(Metavirスコア:0)患者検体の統計学的に相関のある集団に基づいている。検体の最初の選択基準はMetavirスコアである。この参照基準は二重評価で、また15mmより大きいサイズの検体を使用する最適化された方法により確立される。
本発明の方法は少なくとも82%、好ましくは少なくとも84%の診断精度(DA)で線維症の信頼性のある予測を可能とする。参照基準(reference standard)でさえ線維化段階を時々誤って判別するために肝線維症の黄金基準ではなく、さらに患者に痛みや健康上のリスクが伴うため、本発明の方法は肝生検に代わる方法となる。
本方法は線維症の発症と進行の検査を可能にし、そのため慢性HCV患者を効率的に管理することができる。慢性HCV患者の疾病モニタリングは肝生検と比較して短い時間間隔で行うことができる。本方法は抗線維化治療の成否をモニタリングすることができる。
本方法はまた慢性肝障害患者における線維症の発症と進行の検査も可能にする。慢性肝障害は、最小の症状ではあるが長期にわたり有意な疾病率および死亡率のリスクを有する比較的一般的な障害であり、多くの場合線維症を伴う肝臓における進行性肝壊死および炎症によって病理学的に決定される。HCVは慢性肝障害の最も一般的な形態である。本方法はさらに他の形態の慢性肝障害に適用することができる(例えばアルコール性脂肪性肝炎(ASH)、アルコール性脂肪肝疾患(AFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)または非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD))。本発明の方法はNASHおよびNAFLDの重症度をモニターすることができる。該方法はウィルス性肝炎(例えばA型、B型、C型もしくはD型肝炎ウィルスまたはヒト免疫不全ウィルス(HIV))、慢性遷延性もしくは慢性活動性肝炎、自己免疫肝疾患(例えば自己免疫性肝炎)、薬剤性肝疾患、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、胆道閉鎖症、薬物誘発性肝疾患または先天性肝疾患における肝線維症の診断に使用できる。本発明は肝疾患を起こす危険のある薬を用いた治療をモニタリングすることができる。本方法は肝臓に限られない様々な線維症(例えば、肺線維症、腎線維症、前立腺線維症、乳腺線維症および他の疾患における別の線維症)の存在または重症度を診断するため、および線維症をモニタリングするために使用できる。
本発明において、好ましいパラメーターの組み合わせは82.6%の診断精度であるTIMP-1、フェリチンおよびA2M(SNIFF3aとも呼ばれ、SNIFFはscore non-invasif de fibrose du foieというフランス語の略語であり、英語ではnon-invasive score of liver fibrosisである)、84%の診断精度であるTIMP-1、フェリチンおよびPI(SNIFF3)、ならびに84.7%の診断精度であるTIMP-1、フェリチン、PI、PLT、尿素および年齢である。これらの好ましい組み合わせは表3でも確認できる。
本発明において、特定の用語および表現は次のように理解されたい。
診断精度(DA)は検査自体の正確さである。これは真の陽性または真の陰性である全ての検査の割合を意味する。診断精度が高くなるにつれ検査結果の信頼性が高まる。DAは真の陽性および真の陰性の合計をサンプル結果の合計で割ることにより計算され、分析した集団内の線維症の有病率によって影響を受ける。
カットオフ値は健康状態および疾患状態を識別するための単一バイオマーカーまたは複数のバイオマーカーの組み合わせを算術計算した濃度である。本発明を理解するにあたり、カットオフは0.5のスコアを意味する。もしこの値が0.5以上であれば、線維症ではない、または軽度の線維症(Metavir段階F0もしくはF1)と臨床的に有意な線維症(CSF)(Metavir段階F2、F3、F4)とを区別するMetavir段階F2に達していることを意味する。
陽性的中率(PPV)は真の陽性である陽性検査の割合である。
陰性的中率(NPV)は真の陰性である陰性検査の割合を意味する。
スコアは線維症に関連する複数のバイオマーカーの算術的組み合わせを意味する。特に、ここで使用されるスコアは0(最小の線維症)から1(CSF:臨床的に有意な線維症)の間の範囲を有する。
AUROCは受信者動作特性曲線下の面積を意味する。この曲線においては感度が特異性の逆数に対してプロットされる。1.00のROC曲線下面積は理想的な100%の感度および100%の特異性を示す。曲線の初めの傾斜が大きくなるほど検査の感度および特異性の間の相関が良くなる。
感度は疾患、危険因子またはその他の健康状態の患者において陽性の検査結果となる確率である。
特異性は疾患を有しない患者において陰性の検査結果となる確率である。
TIMP-1(メタロプロテイナーゼIの組織阻害剤)は間質性コラゲナーゼ、MMP-1、ストロメライシンまたはゲラチナーゼBのようなメタロプロテイナーゼを阻害する28.5 kDaの分子量を持つ184個のアミノ酸シアロ糖タンパク質である(例えば、Murphy et al Biochem J. 1981, 195, 167-170参照)。本発明を理解するにあたり、「TIMP-1」という用語はメタロプロテイナーゼのタンパク分解活性を阻害するヒトTIMP-1とかなりの構造的相同性を持つタンパク質を含む。ヒトTIMP-1の存在はTIMP-1のエピトープを特異的に検出する抗体を使用することにより検出できる。TIMP-1は対応するmRNAのような関連する核酸を検出することによっても確認されうる。
フェリチンは鉄含有量に依存する少なくとも440 kDaの分子量を持つ巨大分子であり、24のサブユニットから成るタンパク質の殻(アポフェリチン)および平均約2500のFe3+イオンを含む鉄の核から成る(肝臓および脾臓におけるフェリチン)。フェリチンはオリゴマーを形成する傾向がある。等電点電気泳動法によって少なくとも20のイソフェリチンを識別することができる。この微小不均一性は酸性のHおよび弱塩基性のLサブユニットの含有量の違いが原因である。塩基性イソフェリチンは長期間の鉄貯蔵機能を担っており、主に肝臓、脾臓または骨髄で見られる。
フェリチンを測定することは鉄の代謝状態を解明するのに適切な方法である。治療初期におけるフェリチンの測定値は体内量の基準となる。臨床的に約20 ng/mlの閾値は潜在的鉄欠乏の発見に役立つことが証明されている。この値はヘモグロビン合成のために使用され得る貯蔵鉄を使い果たしたことを示す信頼性のある指標である。潜在的な鉄欠乏は12 ng/mlの閾値よりも下がることとして定義されている。体内の鉄過剰を明らかにするためには、400 ng/mlを超える閾値が有用であると見なされる。
フェリチンを検出するためには、フェリチンに特異的な2つの抗体を用いてサンドウィッチ複合体を形成させる古典的なサンドウィッチ免疫測定法が検査に使用されうる。抗体の1つが固相に結合し、もう1つの抗体がラベルをもっており、その信号をフェリチンの存在を検出するための手段として使用する。
PI(プロトロンビン指数)は凝固系における干渉を検出するのに有用であり、トロンボプラスチンを血漿サンプルに加え、凝固時間を秒単位で測定すること(いわゆるQuick-time)により決定することができる。この値は使用したトロンボプラスチンの感度を考慮にいれた補正因子を含む国際標準比と関連する。
組織液から活性プロテアーゼを除去するためのプロテアーゼ結合タンパク質として機能するA2M(α‐2‐マクログロブリン)は保存タンパク質であり、血漿中に多く存在する。A2Mはプロテアーゼの触媒活性を不活化しないが、プロテアーゼの周りを取り囲み、目的のプロテアーゼを物理的に捕捉することにより機能する。A2Mにより捕捉されたプロテアーゼはその基質タンパク質を分解することを立体的に阻害される。本発明での意味として、A2Mは当業者に公知な検査形式に応じた特異的抗体を使用する免疫アッセイにより検出されうる。A2Mは対応するmRNAのような関連する核酸を検出することによっても確認されうる。
本発明では、付加的な生化学的または臨床的パラメーターを測定することもある。付加的な生化学的パラメーターは例えば、尿素、GGT(γ‐グルタミルトランスフェラーゼ)、ヒアルロン酸、AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)、MMP-2(マトリックスメタロプロテイナーゼ-2)、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)、PIIINP(III型プロコラーゲンN末端プロペプチド)、ビリルビン、ハプトグロビン、アポA1、PLT(血小板数)のような直接的または間接的に肝臓の代謝または機能と関連する任意のパラメーターでよい。ヘプシジンまたはアディポネクチンも測定されうる。
ヘプシジンは肝臓タンパク質であり、最初は循環抗菌ペプチドとして同定された。ヘプシジンは体内鉄貯蔵と腸内吸収細胞に関する情報伝達における中心物質である。アディポネクチンは脂肪細胞から分泌され、代謝機能に影響を与えるように比較的高い全身濃度で循環する。血清アディポネクチン濃度の低下は、例えば重篤な非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)のような疾患の危険が高まっていることを示す。
付加的な臨床的パラメーターは例えば、患者の年齢、性別、体重、栄養習慣から決定されうる。
尿素、GGT(γ‐グルタミルトランスフェラーゼ)、ヒアルロン酸、AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)、MMP-2、PIIINP、ビリルビン、ハプトグロビン、アポA1、ヘプシジンおよびアディポネクチンは当業者に公知の免疫学的または測光方法により、市販の検査キットを用いて測定される。適切な場合には、被分析物またはパラメーターに特異的な核酸(例えば対応するmRNA)を検出するためのハイブリダイゼーション法もパラメーターを測定するために使用されうる。
PLT(血小板数)は血小板の数であり、市販の計測器を使用して血小板を数えることにより決定する。
本発明は複数のパラメーターの測定を利用する。従って、固相を使用した検査形式において行われる、本発明の生化学的および血清学的パラメーターの検出は、好ましくはUS 2003/0017616またはWO 99/67643に記載されているような小型化アレイに基づく検査システムにおいて行われる。これらの検査システムはそれぞれが単一の特異的な被分析物またはパラメーターを検出するために使用可能な、空間的に複数に区切られた検査部位を有する。従って、複数の被分析物を1度の検査で検出できる。
「固相上の定められた検査領域」という用語は、その検査領域が好ましくは不活性領域により他の検査領域から空間的に隔てられている定められた固相領域を含むということを意味すると理解される。定められた検査領域は好ましくは直径10μmから1 cmであり、特に好ましくは10μmから5 mmである。直径10μmから2 mmの小型化検査領域は最も好ましい。複数の検査領域を持つ固相はアレイシステムとも呼ばれ、好ましい。そのようなアレイシステムは、例えばEkins and Chu(Clin. Chem. 37, 1995, 1955-1967)、US 5,432,099、US 5,516,635およびUS 5,126,276に記載されている。前記のように、アレイシステムの利点は、複数の被分析物および対照物を1つのサンプルに対して同時に測定することが可能であることである。サンプルの非特異的な結合および/または干渉を検出するために、対照領域を使用することで、特に小型化アレイ検査システムを用いた結果の信頼性を大幅に改善することができる。
本発明において、TIMP-1、A2Mおよびフェリチンの検出、または可能性のある付加的な別の生化学的パラメーターの検出は、例えばアレイに基づく検査システムを使用することにより同時に行うことができる。
本発明において、固相は検出法において使用する標準的な支持体であり、好ましくは非多孔性のプラスチック、ガラス、金属または金属酸化物表面などの支持体である。テストストリップのような多孔性の支持体もまた適切である。空間的に隔離された領域(検査領域)を支持体上に設置する。固定した固相受容体がこれらの検査領域に使用される。固相受容体は公知の方法により固定する(例えば、直接吸着結合、共有結合またはストレプトアビジン(もしくはアビジン)/ビオチン、抗原/抗体もしくは糖/レクチンのような高親和性結合対による結合)。サンプル中の被分析物の存在または/および量は検出媒体由来の成分との特異的結合(例えば、固相受容体への測定すべき被分析物もしくは被分析物の類似体の結合)により測定し得る。
例えば蛍光マーカー基のような適切なマーカー基を使用する公知の方法を利用することで、本方法において、被分析物の検出および適当な場合には、干渉反応の存在を検出することができる。また、適切な固相を用いて、例えばプラズモン共鳴分光法により各領域の層の厚さを測定することにより、検査領域および場合により対照領域の検出媒体成分との相互作用を検出することも可能である。
1つのサンプルから複数の被分析物を同時に検出するアレイシステムを用いて、複数の異なる被分析物を同時に検出できる汎用マーカー基を異なる検査領域で使用することが好ましい。汎用マーカー基の例は、検査薬の相補的な受容体と特異的に相互作用することができる、例えば測定すべき被分析物または被分析物の類似体に対する可溶性受容体(抗体/抗原またはストレプトアビジン/ビオチンなど)のような受容体を有するマーカー基である。
「サンプル」という用語は本発明の少なくとも1つのマーカーを含む、もしくは含むとされる生物学的検体を意味する。例えば、サンプルとして血液、血清、血漿、尿、唾液、滑液または肝臓組織が使用され得る。液状サンプルは必要ならば分析前に希釈してもよい。
疾患の診断を補助する結果を得るためには、当業者に公知の数学アルゴリズムを使用する。得られたデータを二項ロジスティック回帰分析のような統計的方法により組み合わせ、評価し、スコアを出す。
本発明を次の実施例により詳しく説明する。
市販の検査キットを使用し、全ての検査を表1の製造業者から入手した使用説明書に従い行った。
Figure 0004514791
図1はC型肝炎ウィルスに感染した患者120人のサンプルに基づいて測定された生のデータである。データを得るために前記の検査キットを使用した。
表2に診断精度およびAUROC値を示す。各単一マーカーの診断精度が80%未満であることがわかる。
Figure 0004514791
表3は先行技術とのDA/AUROCの比較を示している。本発明の方法はUS 6,631,330およびWO 2003/07/073822の方法と比較して、二項ロジスティック回帰分析を用いることにより、臨床的に有意な線維症に関して、より優れた診断精度を有することを示す。
Figure 0004514791
C型肝炎ウィルスに感染した120人の患者を測定した生のデータを示す。 C型肝炎ウィルスに感染した120人の患者を測定した生のデータを示す。

Claims (2)

  1. 患者の肝線維症の存在および/または重症度を検出する方法であって:
    a) 該患者からのサンプル中のTIMP-1(メタロプロテイナーゼIの組織阻害剤)を測定する
    b) 前記サンプル中のフェリチンを測定する
    c) 前記サンプル中のA2M(α‐2‐マクログロブリン)およびPI(プロトロンビン指数)から成る群から選択される少なくとも1種の付加的なパラメーターを測定する
    d) 場合により、前記サンプル中の少なくとも1つの付加的な生化学的もしくは臨床的パラメーターを測定する
    e) TIMP-1、フェリチンならびに段階c)および段階d)に従い測定したパラメーターの存在または測定レベルに基づいて肝疾患の存在および/または重症度を判定する;
    ことを含む、前記方法。
  2. 肝線維症の治療処置をモニタリングするために使用される、請求項1に記載の方法。
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