JP4514587B2 - 基板保持部材 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体製造装置に用いられる半導体ウェハ固定用の基板保持部材に関し、特にCVD、PVD、スパッタリング等の成膜工程やエッチング工程などで用いられる基板保持部材に関する。
従来、半導体デバイスを製造する半導体ウェハ(以下、ウェハという)の処理工程であるCVD、PVD、スパッタリング等の成膜工程やエッチング工程では、被処理物であるウェハに均一な厚みで均質な膜を成膜することや、成膜した膜に均一な深さでエッチングを施すことが重要であり、ウェハの温度管理が容易な基板保持部材が使用されている。
基板保持部材として、例えば板状基体の一方の主面をウェハを載せる載置面とするとともに、上記板状基体中の載置面側に吸着用の電極を備え、ウェハを載置面に載せウェハと電極との間に静電吸着力を発現させることによりウェハを載置面に吸着固定する静電チャックがある。
また、板状基体の他方の主面近傍に加熱用の電極を備えており、ウェハを加熱することができる基板保持部材もある。上記静電吸着用の電極及び加熱用の電極には、それぞれ給電端子が電気的に接続されており、ウェハを載置面に載せ給電端子に電圧を印加することにより、ウェハと電極との間に静電吸着力を発現させてウェハを載置面に強固に吸着固定することができる。また、同時に上記加熱用の電極によりウェハを高温に加熱することができる。
また、板状基体の下面に金属製の台座を接合した基板保持部材は、上記台座と対向電極との間に高周波電力を印加して、ウェハの上方にプラズマを効率的に発生させることが可能である。
近年、LSIの大規模化によりSiウェハの大口径化が進み、単位時間内に処理可能なウェハ数量(スループット)の向上、より均一な成膜精度、エッチング精度が要求され、均熱性と共に高い冷却能力を備えた基板保持部材が求められていた。半導体製造装置において、プラズマ雰囲気下でウェハにエッチング処理等施す場合、基板保持部材の載置面に載せられたウェハの表面はArなどのプラズマに曝されて高温になり、表面のレジスト膜が焼き付く等の問題が生じる。そこで、この温度上昇を抑える為に、ウェハを載せている板状基体の下面に温度調整機能を有する台座が設けられ、ウェハの温度調整を行っていた。
特許文献1には図3に示すように、Alからなる台座26とAlからなる板状基体21とを接合する面にIn層をメッキして融着させ、板状基体21と台座26を連通する貫通孔24からガス等を供給し、載置面21aに載せられているウェハWを冷却する基板保持部材20が提案されている。
特許文献2には図4に示すように、板状基体31と、SiCとAlとからなる台座34とがロウ材またははんだ等の金属接合材33を介して接合され、台座34底面に冷却ジャケット等を当接させることにより、載置面31aに載せられているウェハWを冷却する基板保持部材30が提案されている。
特許文献3には板状基体が、炭素材料あるいは炭素の複合材料からなる台座の上にロウ付けされ、台座の底面に冷却媒体循環用の溝を穿設し、溝に冷却媒体を流すことによりウェハWを冷却する基板保持部材が提案されている。
特開平3−3249号公報 特開平10−32239号公報 特開平8−107140号公報
しかしながら、図4に示す従来の基板保持部材は、台座34の大きさが大きく熱容量を考慮した設計になっていないため熱容量が概ね大きく、冷却部材を台座の下面に取り付けただけでは、熱を効率良く基板保持部材の外に放散することが不十分であった。そこで例えば、プラズマ発生直後からプラズマ雰囲気の熱がウェハに伝わりウェハの温度が上昇しつづけるとの問題があった。つまり、ウェハに加わる熱量と基板保持部材30から流出する熱量とがバランスするまでの時間が長く、ウェハW表面の温度が一定の温度となる定常状態になるまでの時間が長いという問題があった。
また、図3に示す従来の基板保持部材は、載置面21aに載せられたウェハW表面の温度分布は、中央部及び外縁部の温度が低く、その中間部の温度が高いリング状となり、ウェハWに均一な厚みで均質な膜を成膜することや、成膜した膜に均一な深さでエッチング加工を施すことが困難であった。
また、プラズマで加熱されたウェハWの熱を効率よく逃がすためには、台座の熱伝導率を大きくする必要がある。そこでAlからなる台座26と板状基体21とを接合しているが、CVD、PVD、スパッタリング等の成膜工程やエッチング工程において要求される−40〜100℃の冷熱サイクルを繰り返すと、Alからなる台座26と板状基体21の熱膨張係数の差により接合界面に発生する応力が大きく、板状基体21と台座26との接合面に隙間が生じる虞があった。このため、接合面の熱伝達率が部分的に変化し、プラズマ発生直後にウェハW表面の部分的な温度が上昇したり、ウェハWの温度が定常状態になるまでの時間が長く、ウェハ表面の温度差が大きいとの問題があった。
また、複合材料からなる台座の底面に冷却媒体循環用の溝を穿孔し、溝に冷却媒体を直接流した基板保持部材は、台座にクラック等が入った際、クラックを通じて真空チャンバーに冷却媒体が漏れ、それが原因で真空チャンバー自体が使用できなくなる虞があった。
また、半導体製造装置では載置面等に堆積した汚れやパーティクルを洗い落とすため、定期的に基板保持部材を装置から取り外すことが必要であった。しかし、上記溝に冷却媒体を流すため、何らかの手段で台座に直接冷却媒体用の配管等を取り付ける必要があり、容易に基板保持部材の取り付けや取り外しができないとの問題があった。
そこで、本発明者は上記課題に鑑み、鋭意研究の結果、半導体製造装置内で使用することに好適な基板保持部材を提案した。すなわち、本発明は、板状基体の一方の主面がウェハを載せる載置面とされ、他方の主面が板状の台座の一方の主面に接合された基板保持部材であって、上記台座は、上記板状基体より熱伝導率の大きなものが用いられ、かつ、他方の主面の中央部にリング状の凹部が形成され、該凹部には冷却媒体を通す流路を内蔵する冷却部材が、上記板状基体および上記台座の接合体を上記冷却部材上に載置することにより配設されていることを特徴とする。
上記板状基体の内部に吸着用の電極を備えたことを特徴とする。
上記凹部の直径が、上記載置面の直径より小さいことを特徴とする。
上記凹部の深さtcが、上記台座の厚みtの0.3〜0.7倍であることを特徴とする。
上記凹部のコーナ部のC面及び、又はR面の大きさが0.5〜5.0mmであることを特徴とする。
上記凹部により形成される凸部に上記板状基体と上記台座とを貫通する貫通孔を備え、該貫通孔と連通する溝を上記載置面に形成したことを特徴とする。
上記台座の熱伝導率が160W/(m・K)以上であることを特徴とする。
上記板状基体は、窒化物及び炭化物の何れか一つを含むセラミックからなることを特徴とする。
上記台座が金属とセラミックとからなる複合材料であることを特徴とする。
上記台座がAlとSi及びSiCを主成分とすることを特徴とする。
本発明の基板保持部材は、台座の他方主面の中央部にリング状の凹部を設けることにより、台座全体の熱容量を小さくして凹部内面から熱を効率よく取り除くことができる。即ち、プラズマ発生直後のプラズマ雰囲気からの熱がウェハWに伝わりやすくできることからウェハW温度が高められ載置面から熱が台座に伝わっても凹部により熱が効率よく伝わりやすくウェハW温度の上昇を抑えウェハWの表面温度が一定温度となる定常状態になるまでの時間を短縮することができる。
また、台座の他方主面の中央部にリング状の凹部を設けることにより、ウェハW表面の中心部と周辺部を除く中間部の熱を奪うことが可能となるため、ウェハW表面の温度差が小さく均一となり、ウェハWに均一な厚みで均質な膜を成膜することや、成膜した膜に均一な深さでエッチング加工を施すことができる。
また、板状基体と台座を接合し、台座の材質として複合材料を使用したことから、CVD、PVD、スパッタリング等の成膜工程やエッチング工程において要求される−40〜100℃の冷熱サイクルをかけても、板状基体と台座の熱膨張差により発生する接合界面の熱応力が小さくなり、板状基体と台座の接合面に隙間が発生する虞がない。このため、接合面での熱伝達係数のバラツキがなく、プラズマ発生直後のウェハW温度の上昇時間が短く、ウェハW面内の温度差が小さい基板保持部材を安定して供給することができる。
また、台座に直接冷却媒体を流さないので、真空チャンバー内に冷却媒体が漏れることがない。また、冷却部を台座に内蔵していないので、基板保持部材の取り付けや取り外しを簡単に行うことができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1(a)は本発明の基板保持部材1の一例である静電チャックの斜視図であり、図1(b)は(a)のX−X線断面図を示す。
板状基体2の一方の主面をウェハWを載せる載置面2aとし、上記板状基体2の内部には一対の吸着用の電極3が備えられており、上記板状基体2の下面に上記電極3へ通電するための給電端子4が取り付けられている。上記板状基体2の他方の主面には金属接合層6を介して台座7の一方の主面が接合されている。また、上記台座7の他方の主面の中央部にはリング状の凹部7aが設けられ、凹部7aの中央に凸部7bを形成している。また、上記板状基体2の載置面2aには溝2bが形成され上記凸部7bに備えられた板状基体2と台座7を連通する貫通孔5からArガス等が供給されウェハWと溝2bで形成された空間にガスが充填され、ウェハWと載置面2aの間の熱伝達を高め、ウェハWの熱を逃がすようになっている。
図2(a)は図1で示す基板保持部材1のリング状の凹部7aに、冷却媒体を通す流路8aを内蔵した冷却部材8が配設された斜視図であり、図2(b)は(a)のX−X線断面図を示す。上記流路8aには一対の冷却配管9が溶接等により取り付けられている。
そして、載置面2a上にウェハWを載せ、一対の吸着用の電極3との間に数百Vの吸着電圧を給電端子4から印加して、電極3とウェハWの間に静電吸着力を発現させ、ウェハWを載置面2aに吸着し固定することができる。また、台座7と対向電極(不図示)との間に高周波電圧を印加するとウェハWの上方にプラズマを効率的に発生させることができる。更に、冷却部材8中の流路8aに冷却媒体を流すことにより、凹部7aの内面を介してプラズマ等の雰囲気からウェハWに伝わった熱を効率良く外部に放散することが可能であり、ウェハWの温度を冷却媒体の温度でコントロールすることが容易となる。
本発明の基板保持部材1は、板状基体2の一方の主面をウェハWを載せる載置面2aとし、上記板状基体2の他方の主面に上記板状基体2より熱伝導率の大きな板状の台座7の一方の主面を接合し、該台座7の他方の主面の中央部にリング状の凹部7aを設けたことを特徴とする。その理由は、板状の台座7の熱伝導率が板状基体2の熱伝導率より大きいことにより、ウェハWから板状基体2に伝わった熱は、板状基体2から台座7を経由して凹部7aの界面を介して効率良く基板保持部材1の外部に放散することが可能となる。このため、ウェハWがプラズマ雰囲気等で加熱されてもウェハW表面の温度が一定となる定常状態になるまでの時間を短縮することができる。
また、リング状の凹部7aを設けることにより、台座7が凹部のない平面形状である場合に比べ、台座7全体の熱容量が小さくなるとともに、台座7の剛性が大きくなり、しかも広い面積を有する凹部7aの内面でウェハWの表面温度差を小さくする効果を備えて冷却することができる。そして、ウェハW表面の熱を効率良く基板保持部材1の外部に放散することができることから、ウェハWの温度が定常状態になるまでの時間を短縮することができる。
また、凹部7aをリング状とすることにより、載置面2a上のウェハW面内の温度差が小さくなるとともに、冷却部材8中の冷却媒体の流れがスムースになり淀みが発生しないことから、熱交換がスムースに行われ均熱性のよい基板保持部材1が得られる。
台座7の熱容量は該台座7の厚みを薄くすれば小さくなるが、台座7の厚みが薄くなる程、凹部7aの加工が困難になる上、板状基体2と上記台座7を接合する際に、該台座7に変形が発生する虞があり好ましくない。上記台座7の最大厚みは、5〜25mmとすることが好ましい。
また、本発明の基板保持部材1は、板状基体2の内部に吸着用の電極3を備えることが好ましい。その理由は、板状基体2の内部にウェハWの吸着用の電極3を設けることにより、ウェハWを載置面2aに強固に吸着固定することが可能となるため、ウェハWと載置面2aの間の熱伝導率が高まり、ウェハWの熱を効率的に板状基体2に伝える事ができる。そして、プラズマ発生後にウェハWの温度が定常状態になるまでの時間をより小さくすることができる。
板状基体2中に埋設する電極3としては、上記板状基体2の反りや割れ等を防ぐために上記板状基体2と熱膨脹係数が近似した材質が良く、例えば4〜6×10−6/℃の熱膨張係数を有するタングステン(W)やモリブデン(Mo)などの高融点金属がより好ましく、これらの合金、あるいは炭化タングステン(WC)、炭化チタン(TiC)、窒化チタン(TiN)を用いることができる。
また、板状基体2に埋設する吸着用の電極3は膜状のものに限らず、金属箔などの板状体やメッシュ体、さらにはコイルであっても良い。電極3の形状は、半円形や櫛歯形状等があり機能に応じて様々なパターン形状に形成することが可能である。
また、本発明の基板保持部材1は、凸部7bに板状基体2と台座7を貫通する貫通孔5を備え、該貫通孔5と連通する溝2bを載置面2aに備えることが好ましい。その理由は、凸部7bに備えられた板状基体2と台座7とを貫通する貫通孔5にガスを供給することにより、上記貫通孔5と連通する載置面2a上の溝2bとウェハWで形成された空間にガスが充填され、ウェハWと載置面2aの間の熱伝導を高め、ウェハWの熱を板状基体2へ逃がすことが更に容易となるからである。よって、載置面2a上に溝2bを設けない場合に比べ、ウェハWから板状基体2への熱の伝わり方が良くなり、プラズマ等からウェハWに熱が伝わってもウェハWの温度を急激に上昇させることなく短時間で一定の温度に保持することができる。
図3に示す従来の基板保持部材20では、板状基体21と台座26を連通する貫通孔24から供給されたガスはウェハW裏面中央部から外縁部に向かって円周方向に均一に拡散するが、ウェハWの中央部は常にガスが供給され続けているため冷却され易く、外縁部は基板保持部材を収納する容器の壁面への熱引けがあることからウェハWの表面温度は、中央部及び外縁部の温度が低くなり、その中間部の温度が高いリング状となる。それに対し本発明の基板保持部材1は、台座7の底面にリング状の凹部7aを備えたことにより、ウェハW上の温度が高い中間部の熱を効率よく奪い載置面2aの全面を冷却することが可能となりウェハW上の面内温度差がより小さくなる。そして、最新の微細な回路素子に対応してウェハWに均一な厚みで均質な膜を成膜することや、成膜した膜に均一な深さでエッチング加工を施すことが可能となる。
また、本発明の基板保持部材1は、凹部7aの直径が、載置面2aの直径より小さいことが好ましい。その理由は、凹部7aの直径が載置面2aの直径を超えると、ウェハWの外周部の温度は容器壁面への熱引けに加え、凹部7aの周辺から冷却部材8により更に冷却されるため温度が低くなり、ウェハW表面の温度差が大きく不均一となる虞があるからである。
尚、上記載置面2aの直径は、板状基体2の上面の最大直径であり、上記凹部2aの直径は、凹部2aの内面の最大径を4箇所測定したその平均値である。
また、本発明の基板保持部材1は、凹部7aの深さtcが、台座7の厚みtの0.3〜0.7倍であることが好ましい。その理由は、凹部7aの深さtcが台座7の厚みtの0.3倍未満では、凹部7aの深さtcが浅いため、凹部7a内面の面積が小さく、また、台座7全体の熱容量が小さくならないことから、ウェハW表面の熱を効率よく基板保持部材1の外に放出できない虞があるからである。一方、凹部7aの深さtcが台座7の厚みtの0.7倍を超えると、凹部7aの深さtcが深いため凹部7a部分の台座7の厚みが薄くなり、冷熱サイクルをかけると台座7にクラックが発生する虞がある。また、深さtcが厚みtの0.7倍を超えると、凹部7aの底面に近いウェハW表面は冷却が速いが、凸部7bの熱が逃げ難いことからタイムラグが発生しウェハWの面内温度差が大きくなる虞があるからである。
台座7の他方の主面に設けた凹部7aの深さtcを台座7の厚みtの0.3〜0.7倍とすることにより、台座7全体の熱容量が低下することから、例えばプラズマからの熱がウェハWに注がれても載置面2aから凹部7aに向けて熱を迅速に移動させさせることが可能となるため、熱を効率良く基板保持部材1の外部に放散することが可能となり、ウェハWの温度が定常状態になるまでの時間をより短縮することができる。また、台座7の熱容量を抑えながらも、台座7の剛性を高める事ができる。更に、本発明の基板保持部材1の凹部7aの深さtcは、台座7の厚みtの0.45〜0.7倍であることがより好ましい。
また、本発明の基板保持部材1は、凹部7aの底面に冷却部材8を配設することが好ましい。その理由は、凹部7aの内面に冷却部材8を配設することにより、台座7の凹部7aから冷却部材8に熱を伝えることができ冷却効率が向上するからである。また、台座7に直接冷却媒体を流すことがなく、真空容器内に冷却媒体が漏れる虞がない。また、冷却部材8を台座7に内蔵していないため、基板保持部材1の取り付け/取り外し等の交換が容易となる。尚、凹部7aと冷却部材8の界面には熱伝導率の大きなグリース等を介在させることが好ましい。
また、上記冷却部材8中には冷却媒体を流す流路8aが備えられており、流路8aと交差する一対の冷却配管9が溶接等の方法により取り付けられている。上記冷却配管9は、冷却媒体の吸込及び吹出を行っており、流路8aを通って循環されプラズマ等の雰囲気からウェハWに伝わった熱を効率良く外部に放散する。なお、冷却部材8及び冷却配管9はステンレス鋼で作製することが好ましい。
また、本発明の基板保持部材1は、凹部7aのコーナ部のC面及び、又はR面の大きさが、0.5〜5.0mmであることが好ましい。その理由は、凹部7aと接触する側の冷却部材8の面には、凹部7aの底面に設けられているコーナ部の大きさに合わせてコーナ部が設けられており、このことにより、凹部7aと冷却部材8との間に隙間が発生せず、上記凹部7aと上記冷却部材8との熱的接触面積を大きくしているが、凹部7aのコーナ部のC面及び、又はR面の大きさが、0.5mm未満では、冷熱サイクルをかけると台座7が熱膨張するため、コーナ部に応力が集中し、コーナ部からクラックが発生する虞があるからである。一方、凹部7aのコーナ部のC面及び、又はR面の大きさが、5.0mmを超えると、上記凹部7aのコーナ部の大きさに合わせて、冷却部材8のコーナ部を精度よく加工することが困難となり凹部7aの内面で冷却部材8と熱的に接触する接触面積が小さくなる虞があるからである。
更に、凹部7aのコーナ部のC面及び、又はR面の大きさは、0.5〜2.0mmの大きさであることが好ましい。
また、本発明の基板保持部材1は、台座7の熱伝導率が160W/(m・K)以上であることが好ましい。その理由は、台座7の熱伝導率が160W/(m・K)未満では、板状基体2の熱を効率よく台座7に伝えることができない虞があるからである。台座7の熱伝導率を160W/(m・K)以上とすることにより、板状基体2から台座7への熱の流れがスムースとなり、プラズマ雰囲気等からの熱がウェハWかた板状基体2に伝わり台座7の凹部7aから容易に系外へ取り除く事ができるからである。
また、本発明の基板保持部材1は、板状基体2が、窒化物及び炭化物の何れか一つを含むセラミックからなることが好ましい。その理由は、窒化物及び炭化物等のセラミックスは耐プラズマ腐食性に優れているため、プラズマによるダメージを受け難くウェハW上に不純物が付着し難いからであり、また、高熱伝導率が100W/(m・K)〜300W/(m・K)と大きく、ウェハ面内の温度差がより小さくなるからである。上記の窒化物及び炭化物としては、AlN、SiC、Siがあり、AlN、SiCが特に好ましい。
また、本発明の基板保持部材1の台座7は、金属とセラミックとからなる複合材料であることが好ましい。その理由は、台座7を熱膨張係数の大きな金属と熱膨張係数の小さなセラミックスとの複合材料とすることにより台座7の熱膨脹係数を板状基体2の熱膨脹係数に近づけることが可能であるため、CVD、PVD、スパッタリング等の成膜工程やエッチング工程において要求される−40〜100℃の冷熱サイクルをかけても、板状基体2と台座7の接合面に隙間が発生し難く、ウェハW表面の一部の温度が部分的に上昇することなく均一な温度とすることができるからである。
また、本発明の台座7は、AlとSi及びSiCを主成分とすることが好ましい。その理由は、熱膨張係数の小さなSiCを骨材として、台座7として製造した際にAlとSiはAl・Si系の共晶材料を形成していることから、台座7の接合表面に形成された金属層との密着性が改善されるからである。上記金属層は、金属接合層6と板状基体2や台座7の濡れ性を良くするために、板状基体2及び台座7の接合表面に、メッキなどの方法を用いて設けられている。Si自体の金属層との密着性が好ましいため、台座7では板状基体2との強固な接合が得られるので、板状基体2と台座7の熱交換効率が良くなるため、プラズマ発生直後のウェハ温度の上昇や変化に対して基板保持部材1の温度を追従させることが可能となるため、熱を効率良く基板保持部材1の外部に放散することが可能となり、ウェハWの温度が定常状態になるまでの時間を短縮することができる。また、台座7の接合表面に形成された金属層は、金属接合層6との濡れが大幅に改善され、台座7と金属接合層6との間に空洞が発生しないため、CVD、PVD、スパッタリング等の成膜工程やエッチング工程において要求される−40〜100℃の冷熱サイクルをかけても、板状基体2と台座7の接合面に隙間が発生する虞が小さくなるからである。
そして台座7の熱膨張係数は板状基体2の熱膨張係数の0.8〜1.2倍であることが好ましい。その理由は、板状基体2の熱膨張係数が台座7の熱膨張係数の0.8倍未満では、板状基体2と台座7の熱膨張差が大きくなるため、板状基体2と台座7の接合面に隙間が発生する虞があるからである。一方、板状基体2の熱膨張係数が台座7の熱膨張係数の1.2倍をえると、板状基体2と台座7の熱膨張差が大きくなるため、やはり板状基体2と台座7の接合面に隙間が発生する虞があるからである。
上記台座7は、金属とセラミックの複合材からなり、三次元網目構造の多孔質セラミック体を骨格とし、その気孔部に隙間なくアルミニウム−シリコン合金を充填した複合材料を使用することが好ましい。このような構造とすることで、板状基体2と台座7の熱膨張係数を近づけることができるとともに、台座7の熱伝導率が大きな材料が得られ、プラズマ等の雰囲気からウェハWに伝わった熱を効率良く外部に放散することが可能となり好ましい。
上記台座7の製造方法としては、所望の形状のセラミックスのポーラスなプレフォームを形成して、非酸化性ガス中にて、溶融したAlとSiの合金を上記のプレフォーム中に含浸させるという方法で作製する。または、セラミックスと溶融したAlとSiの合金をかき混ぜながら分散し、均一に分散されたセラミックスと金属の混合物を所望の形状が得られる鋳型に流し込むことにより作製することができる。
次に、本発明の基板保持部材1のその他の構成について示す。
本発明の基板保持部材1の載置面2aと電極3との間の距離である絶縁膜厚みは、静電吸着力に影響を与える重要な部分であり、厚みは50〜1500μmであり、好ましくは100〜1000μmに設定されている。その理由は、50μm未満だと膜厚が薄すぎるため、充分な耐電圧が得られず、ウェハWを載置面2aに載せ、吸着させた際に絶縁破壊を起こす可能性がある。一方、1500μmをえるとウェハWと電極3の距離が大きくなるため、吸着力が小さくなるからである。
なお、図1及び図2に示す静電チャックは、板状基体2として静電吸着用の電極3を設けた例を示したが、加熱用電極、プラズマ発生用電極の少なくとも1つを備えていても良い。また、これらの電極を全て備えたものであっても構わない。
また、本発明の台座7は、金属接合層6を介して板状基体2に接合されていることが好ましい。その理由は、金属接合層6を介して接合することにより、板状基体2と台座7の接合不良をなくすことが可能となり、−40〜100℃の冷熱サイクルをかけても、板状基体2と台座7の接合面に隙間が発生する虞が少ない。
また、金属接合層6の組成は、Alロウを主成分とし、上記主成分に対し添加成分としてNi、Au、Agから選ばれる少なくとも1種以上を0.01〜10質量%含有することが好ましい。その理由は、金属接合層6と板状基体2や台座7の濡れ性を良くするために、板状基体2及び台座7の接合表面に、メッキなどの方法を用いて金属層を設けてから板状基体2と台座7を金属接合層6で接合するが、接合した後には、必ず、Ni、Au、Agといった金属層は金属接合層6中に拡散してしまう。このためには、接合前には、板状基体2の金属層、金属接合用のロウ材、台座7の金属層と3層になっていたものが、接合後には、金属接合層6の組成としては、Alを主成分とし、上記主成分に対し添加成分としてNi、Au、Agから選ばれる少なくとも1種以上を0.01〜10質量%含有する組成となっていることを見出した。このNi、Au、Agの金属成分は、接合時の金属接合層6の濡れ性を向上するだけでなく、接合終了までに金属接合層6中に拡散し、金属接合層6と板状基体2あるいは台座7の接合を単なるアンカー効果だけではなく、相互拡散により強固なものとしていると考えられる。
主成分に対して添加成分としてNi、Au、Agから選ばれる少なくとも1種以上が0.01質量%未満では、金属接合層6中に拡散する量が少ないため、金属接合層6と板状基体2あるいは台座7の強固な接合が得られず、CVD、PVD、スパッタリング等の成膜工程やエッチング工程において要求される−40〜100℃の冷熱サイクルをかけると、板状基体2と台座7の接合面に隙間が生じるため、プラズマ発生直後のウェハ温度の上昇や変化に対して基板保持部材1の温度を追従させることが困難となるため、熱を効率良くまた、均一に基板保持部材1の外部に放散することができず、ウェハWの温度が定常状態になるまでの時間が長く、均熱性が悪くなるため好ましくない。一方、主成分に対して添加成分としてNi、Au、Agから選ばれる少なくとも1種以上が10質量%を超えると、ロウ材自体が脆くなるため、やはり冷熱サイクル試験でクラックが生じやすくなるために好ましくない。
このため、金属接合層6の組成としては、Alロウを主成分とし、上記主成分に対し添加成分としてNi、Au、Agから選ばれる少なくとも1種以上を0.01〜10質量%含有することにより、−40〜100℃の冷熱サイクルをかけても、板状基体2と台座7の接合面の隙間の発生を防止できるからである。
次に、本発明の基板保持部材1の製造方法を静電チャックを例に説明する。
静電チャックを構成する板状基体2としては、窒化アルミニウム質焼結体を用いることができる。窒化アルミニウム質焼結体の製造に当たっては、窒化アルミニウム粉末に重量換算で10質量%程度の第3a族酸化物を添加し、IPAとウレタンボールを用いてボールミルにより48時間混合し、得られた窒化アルミニウムのスラリーを200メッシュに通し、ウレタンボールやボールミル壁の屑を取り除いた後、防爆乾燥機にて120℃で24時間乾燥して均質な窒化アルミニウム質混合粉末を得る。
該混合粉末にアクリル系のバインダーと溶媒を混合して窒化アルミニウム質のスリップを作製し、ドクターブレード法にてテープ成形を行う。得られた窒化アルミニウムのテープを複数枚積層し、その上に静電吸着用の電極3としてWをスクリーン印刷法で形成し、無地のテープに所望の密着液を塗り、テープを複数枚重ねてプレス成形を行う。
得られた成形体を非酸化性ガス気流中にて500℃で5時間程度の脱脂を行い、更に非酸化性雰囲気にて1900℃で5時間程度の焼成を行い、電極3を埋設した窒化アルミニウム質焼結体を得る。
こうして得られた窒化アルミニウム質焼結体に所望の形状、所望の絶縁層厚みが得られるように機械加工を施し、板状基体2とした。更に板状基体2に設けられた貫通孔5と連通する所望の溝2bをウェハWの載置面2aにサンドブラストなどの方法で形成した。
そして、メッキ、はんだメッキ、スパッタリング、メタライズなどの方法により、静電吸着部の載置面2aと反対側の面に金属層を形成する。
台座7はSiCからなるセラミックス粒子に溶融したAlとSi金属を含浸させ、含浸中はセラミックス粒子と溶融金属に熱だけを加え、圧力はかけない。含浸が終了した時点で、10〜100rpmの回転数の攪拌ブレードにより溶融金属が含浸されたセラミックス粒子を加熱しながら1〜10時間混合する。
そして、鋳込み成型により底面中央部に凸部7bを備え、上記凸部7bを囲むようにリング状の凹部7aを設け、上記凹部7aの直径が板状基体2の載置面2aの直径より小さくなるよう所望の形状に成型し、その後、上記凸部7bに貫通孔5を設け、更に上記凹部7aの内面をコーナ部のC面及び又はR面の大きさを調整して仕上げ加工した。
そして、SiCとAlとSiからなる台座7の板状基体2との接合面側にもメッキ、はんだメッキ、スパッタリング、メタライズなどの方法により、金属層を形成し、台座7と上記窒化アルミニウム製板状基体2を金属接合層6で接合する。この際、金属接合層6としては、Alを主成分とし、上記主成分に対し添加成分としてNi、Au、Agから選ばれる1種以上を0.01〜10質量%含有する金属接合層6であることが望ましい。
そして、所望の荷重、温度を加えながら非酸化性雰囲気中にて接合するか、あるいはホットプレス法で加圧しながら、所望の温度、所望の圧力下にて接合し、板状基体2及び台座7の接合体を得ることができる。
冷却部材8及び冷却配管9はステンレス鋼で作製され、台座7に設けた凹部7aの底面に配設されている。上記冷却部材8の内部には、冷却媒体を流す流路8aが備えられており、上記流路8aと一対の冷却配管9が溶接等の方法などにより取り付けられている。そして、上記板状基体2及び台座7の接合体を、冷却部材8上に載置することにより、静電チャックを得ることができる。
窒化アルミニウム粉末に重量換算で10質量%の第3a族酸化物を添加し、IPAとウレタンボールを用いてボールミルにより48時間混合し、得られた窒化アルミニウムのスラリーを200メッシュに通し、ウレタンボールやボールミル壁の屑を取り除いた後、防爆乾燥機にて120℃で24時間乾燥して、均質な窒化アルミニウム質混合粉末を得る。この窒化アルミニウム質混合粉末にアクリル系のバインダーと溶媒を混合して窒化アルミニウム質スリップを作製し、ドクターブレード法にてテープ成形を行った。そして、作製したテープを複数枚積層し、その上に電極としてWをスクリーン印刷法で形成し、無地のテープに所望の密着液を塗り、テープを複数枚重ねて板状体を成形した。
上記板状体を非酸化性ガス気流中にて500℃で5時間程度の脱脂を行い、更に非酸化性雰囲気にて1900℃で5時間程度の焼成を行い、誘電体からなる窒化アルミニウム質焼結体を得た。
こうして得られた窒化アルミニウム質焼結体に所望の形状、載置面と電極の絶縁膜が所望の厚みが得られるように機械加工を施し、板状基体とした。更に板状基体に設けられた貫通孔と連通する所望の溝をウェハの載置面にサンドブラストで形成した。
そして、メッキ法により板状基体の載置面と反対側の主面に金属層を形成した。
また、台座はSiC粒子に溶融したAlとSiの合金を含浸させ、含浸中はSiC粒子とAlとSiの合金からなる溶融金属に熱だけを加え、圧力はかけない。含浸が終了した時点で、10〜100rpmの回転数の攪拌ブレードにより溶融金属が含浸されたSiC粒子を加熱しながら1〜10時間混合する。そして、鋳込み成型により底面中央部に凸部を備え、上記凸部を囲むようにリング状の凹部を設け、上記凹部の深さが台座の厚みに対して0.5倍であり、かつ、上記凹部の直径が板状基体の載置面の直径より小さくなるよう所望の形状に成型し、その後、外周部にチャンバー固定用の孔及び凸部に貫通孔を設け、更に上記凹部のコーナ部のR面の大きさが1.0mmとなるよう加工し、複数の台座を作製した。また、上記と同様の方法で、鋳込み成型により底面中央部に円形状の凹部を設け、それ以外はリング状の凹部を設けた台座と同様に作製した。
また、SUS製とAl製の台座を別途作製した。
そして、作製した台座に板状基体と同様に金属層を形成し、Alロウを介して上記板状基体とそれぞれ接合した。
板状基体と台座の接合は1×10−6Pa程度の真空炉中で行い、550〜600℃で98KPaの荷重をかけて接合し、板状基体と台座の接合体を得ることができた。
また、冷却部材及び冷却配管はステンレス鋼で作製され、台座に設けた凹部の底面に配設した。上記冷却部材の内部には、冷却媒体を流す流路が備えられており、上記流路と一対の冷却配管が溶接により取り付けられている。そして、上記板状基体及び台座の接合体を、冷却部材上に載置することにより、静電チャックを形成した。
上記のように作製した静電チャックを真空処理チャンバー内に設置し、室温25℃において静電吸着用の電極に500Vの直流電圧を印加してウェハWを載置面に吸着させた後、板状基体と台座を連通する貫通孔からArガスをウェハWと溝で形成された空間に充填した。また、冷却部材中の流路に20℃程度の冷却媒体を10リッタ/分で循環させ、プラズマ発生前のウェハ温度を測定点13箇所の測温ウェハWを用いて測定し、13箇所の平均値が20℃となるように冷却媒体の温度を微調整した。そして、酸素とArの混合ガスを流しながら、台座と対向電極との間に200Wの高周波電力を印加して、プラズマ処理を開始した。
台座底面に設けた凹部の形状を変更した場合の、ウェハWの温度が定常状態になるまでに経過した時間及び面内温度差についてそれぞれ測定を行った。定常状態とは、プラズマ発生直後からウェハW中央部の温度を測温ウェハWを用いて連続的に測定し、ウェハWの温度が1秒間に1℃以上変化しない状態を言う。ウェハWの温度が定常状態になるまでの時間が短い試料ほど、冷却能力が優れていると言える。また、定常状態でのウェハWの面内温度差は、測定点13箇所の測温ウェハを用いて最大温度と最小温度の差とした。面内温度差が小さい試料ほど、ウェハWの均熱性が優れていると言える。
なお、本発明の他の形態として、板状基体の内部に電極を設けていない試料を準備し、それ以外は他の試料と同様に作製し、評価を行った。
表1にその結果を示す。
Figure 0004514587
試料No.2は、Al−Si−SiC複合材料からなる台座底面に設けた凹部の形状が円形状であり、ウェハWの温度が定常状態になるまでの時間が25秒と長く、面内温度差も15.4℃と劣っていた。
試料No.4は、SUSからなる台座底面に設けた凹部の形状が円形状であることから、ウェハWの温度が定常状態になるまでの時間が35秒と長く冷却能力が劣っており、また、面内温度差も20.7℃と劣っていた。
それに対し、試料No.1、No.3、No.5、No.6、No.7は台座底面に設けた凹部の形状がリング状であることから、ウェハWの温度が定常状態になるまでの時間が19秒以下と短く冷却能力が優れており、また、面内温度差も9.8℃以下と優れていた。
また、試料No.3、No.5、No.6、No.7は板状基体の内部に電極を備えていることから、ウェハWの温度が定常状態になるまでの時間が16秒以下と短く冷却能力がより優れており、また、面内温度差も9.1℃とより優れていた。
更に、試料No.3及びNo.7は台座が金属とセラミックスとからなる複合材料であることから、ウェハWの温度が定常状態になるまでの時間が12秒以下と短く冷却能力がより優れており、また、面内温度差も4.7℃以下とより優れていた。
また、試料No.3は、台座がAl−Si−SiCを主成分としていることから、ウェハWの温度が定常状態になるまでの時間が9秒以下と短く冷却能力が最も優れており、また、面内温度差も1.5℃以下と最も優れていた。
実施例1と同様に所望の溝と連通する貫通孔を設けた板状基体を作製した。また、台座は鋳込み成型により底面中央部に凸部を備え、上記凸部を囲むようにリング状の凹部を設け、該凹部の直径が板状基体の載置面の直径より小さく、台座の厚みtに対する凹部の深さtcの比(tc/t)を変更して所望の形状に成型した複数の台座を作製し、その後、外周部にチャンバー固定用の孔及び凸部に貫通孔を設け、上記凹部のコーナ部のR面の大きさが1.0mmとなるよう加工した。
そして、実施例1と同様の方法で板状基体と台座をそれぞれ接合した。
上記のように作製した基板保持部材を恒温室に設置し、上記接合体の温度が−40℃となるまで冷気を30分程度恒温室に循環させ、上記接合体の温度が−40℃となった状態で10分間保持した。次に、接合体の温度が100℃となるまで熱気を1時間程度恒温室に循環させ、上記接合体の温度が100℃となった状態で10分間保持した。接合体の温度は、板状基体の表面に熱電対を取り付けて測定した。上記−40℃から100℃の冷熱サイクルを5000回実施した。
そして、上記基板保持部材を実施例1と同様に真空チャンバー内に設置し、プラズマ処理を開始した。
台座の厚みtに対する凹部の深さtcの比(tc/t)を変更した場合の、ウェハWの温度が定常状態になるまでの時間についてそれぞれ測定を行った。台座の厚みt及び凹部の深さtcはマイクロメーター及びノギスによりその最大厚みと最も深い部分の深さを3箇所測定しその平均値とした。
ウェハWの温度が定常状態になるまでの時間は、実施例1と同様の方法で測定を行った。
表2にその結果を示す。
Figure 0004514587
試料No.21は、台座の厚みtに対する凹部の深さtcの比が0.2であることから、台座の耐久性については優れていたが、台座の熱容量が大きいため、ウェハWの温度が定常状態になるまでの時間が18秒と長く冷却能力がやや劣っていた。
試料No.27は、台座の厚みtに対する凹部の深さtcの比が0.8であることから、ウェハWの温度が定常状態になるまでの時間が7秒と短く冷却能力が優れていたが、凹部の深さtcが深いため凹部部分の台座の厚みが薄くなり、冷熱サイクルをかけると台座にクラックが発生したため、台座の耐久性は劣っていた。
これらに対し、試料No.22〜No.26は、台座の厚みtに対する凹部の深さtcの比が0.3〜0.7であることから、台座にクラックの発生もなく、台座の耐久性に優れており、また、ウェハWの温度が定常状態になるまでの時間が15秒以下と短く冷却能力が優れていた。
また、台座の厚みtに対する凹部の深さtcの比が0.45〜0.7である試料No.24〜No.26は、台座の耐久性に優れており、また、ウェハWの温度が定常状態になるまでの時間が9秒以下と短く冷却能力がより優れていた。
実施例1と同様に溝と連通する貫通孔を設けた板状基体を作製した。また、台座は鋳込み成型により底面中央部に凸部を備え、上記凸部を囲むようにリング状の凹部を設け、該凹部の深さtcが台座の厚み20mmに対して0.5倍であり、かつ、上記凹部の直径が板状基体の載置面の直径より小さくなるよう所望の形状に成型し、その後、外周部にチャンバー固定用の孔及び凸部に貫通孔を設け、上記凹部のコーナ部のR面の大きさを変更して複数の台座を作製した。なお、凹部底面のコーナ部の大きさはRゲージを用いて測定した。
そして、実施例1と同様の方法で板状基体と台座をそれぞれ接合した。
そして、実施例2と同様に冷熱サイクルを5000回実施して、実施例2と同様に定常状態になるまでの時間を測定した。
表3にその結果を示す。
Figure 0004514587
試料No.31は、凹部のコーナ部のR面の大きさが0.2mmであることから、ウェハWの温度が定常状態になるまでの時間が6秒と短く冷却能力が優れていたが、冷熱サイクルをかけると台座にクラックが発生し、台座の耐久性がやや劣っていた。
試料No.39は、凹部のコーナ部の大きさがC/R6.0であることから、台座の耐久性については優れていたが、凹部の側面と冷却部材とのクリアランスが大きくなるので、ウェハWの温度が定常状態になるまでの時間が18秒と長く冷却能力が劣っていた。
それに対し、試料No.32〜No.38は、凹部のコーナ部のR面の大きさが0.5〜5.0mmであることから、凹部の側面と冷却部材とのクリアランスが冷却効果のある範囲に保たれるので、ウェハWの温度が定常状態になるまでの時間が15秒以下と短く冷却能力が優れ、台座にクラックも無く台座の耐久性に優れていた。
また、試料No.32〜No.35は、凹部のコーナ部のR面の大きさが0.5〜2.0mmであることから、凹部の側面と冷却部材との適度のクリアランスが冷却効果のある範囲に保たれるので、ウェハWの温度が定常状態になるまでの時間が10秒と短く冷却能力がより優れており、また、台座にクラックが発生し難くなるので、台座の耐久性に優れていた。
本発明は、半導体製造装置の基板保持装置に関する。
(a)は本発明の斜視図、(b)は(a)のX−X線断面図を示す。 (a)は本発明の斜視図、(b)は(a)のX−X線断面図を示す。 従来の断面図である。 従来の断面図である。
符号の説明
1:基板保持部材
2:板状基体
2a:載置面
2b:溝
3:電極
4:給電端子
5:貫通孔
6:金属接合材
7:Al−Si−SiC台座
7a:凹部
7b:凸部
8:冷却部材
8a:流路
9:冷却配管
20:基板保持部材
21:板状基体
21a:載置面
22:電極
23:リード線
24:貫通孔
25:金属接合材
26:Alプレート
26a:流路
30:基板保持部材
31:板状基体
31a:載置面
32:電極
33:金属接合材
34:Al−Si−SiC台座

Claims (10)

  1. 板状基体の一方の主面がウェハを載せる載置面とされ、他方の主面が板状の台座の一方の主面に接合された基板保持部材であって、上記台座は、上記板状基体より熱伝導率の大きなものが用いられ、かつ、他方の主面の中央部にリング状の凹部が形成され、該凹部には冷却媒体を通す流路を内蔵する冷却部材が、上記板状基体および上記台座の接合体を上記冷却部材上に載置することにより配設されていることを特徴とする基板保持部材。
  2. 上記板状基体の内部に上記ウェハ吸着用の電極を備えたことを特徴とする請求項1に記載の基板保持部材。
  3. 上記凹部の直径が、上記載置面の直径より小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の基板保持部材。
  4. 上記凹部の深さtcが、上記台座の厚みtの0.3〜0.7倍であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の基板保持部材。
  5. 上記凹部のコーナ部のC面及び、又はR面の大きさが0.5〜5.0mmであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の基板保持部材。
  6. 上記凹部により形成される凸部に上記板状基体と上記台座とを貫通する貫通孔を備え、該貫通孔と連通する溝を上記載置面に形成したことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の基板保持部材。
  7. 上記台座の熱伝導率が160W/(m・K)以上であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の基板保持部材。
  8. 上記板状基体は、窒化物及び炭化物の何れか一つを含むセラミックスからなることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の基板保持部材。
  9. 上記台座が金属とセラミックスとからなる複合材料であることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の基板保持部材。
  10. 上記台座がAlとSi及びSiCを主成分とすることを特徴とする請求項9に記載の基板保持部材。
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