JP4513606B2 - 捕捉部材用含浸液、インクジェットプリンタ用捕捉部材、及びインクジェットプリンタ - Google Patents

捕捉部材用含浸液、インクジェットプリンタ用捕捉部材、及びインクジェットプリンタ Download PDF

Info

Publication number
JP4513606B2
JP4513606B2 JP2005063481A JP2005063481A JP4513606B2 JP 4513606 B2 JP4513606 B2 JP 4513606B2 JP 2005063481 A JP2005063481 A JP 2005063481A JP 2005063481 A JP2005063481 A JP 2005063481A JP 4513606 B2 JP4513606 B2 JP 4513606B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
methacrylate
acrylate
ink
capturing member
soluble resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005063481A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006247850A (ja
Inventor
英彦 小松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2005063481A priority Critical patent/JP4513606B2/ja
Priority to PCT/JP2006/304499 priority patent/WO2006095785A1/ja
Priority to US11/885,616 priority patent/US20100039483A1/en
Priority to EP06715419A priority patent/EP1864817A1/en
Publication of JP2006247850A publication Critical patent/JP2006247850A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4513606B2 publication Critical patent/JP4513606B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Description

本発明は、捕捉部材用の含浸液、インクジェットプリンタ用の捕捉部材、及びインクジェットプリンタに関する。本発明によれば、例えば、インクジェット記録方式による縁無印刷において、記録媒体以外の領域に吐出させるインク滴を捕捉する捕捉部材の状態を長期間にわたって良好な状態に維持することができる。
インクジェット記録方式においても、銀塩写真と同様の縁無印刷が行われている。縁無印刷では、記録媒体の縁端部に非画像領域(余白)を全く残さずに、全表面を画像領域とする必要がある。そこで、記録媒体の表面から縁端部の外側にまで、プリンタヘッドからインク滴を連続的に吐出させることにより、記録媒体の縁端部にまで適正な画像を形成させることができる。このように、従来から行われている縁無印刷の原理を、以下、添付図面に沿って説明する。
最初に、縁無印刷の原理を模式的に図1及び図2に示す。図1は、インクジェット記録方式による縁無印刷の工程を模式的に示す要部拡大斜視図であり、図1(A)は、記録媒体前縁部を印刷している状態を示し、図1(B)は記録媒体側縁部を印刷している状態を示し、図1(C)は記録媒体後縁部を印刷している状態を示す。図2は、図1(A)の状態の模式的要部側面図である。
図1及び図2に示すように、インクジェット記録装置10は、主走査方向(すなわち、記録用紙11の幅方向;図1の矢印Bの方向)に延びるガイド軸12に沿って往復移動するキャリッジ14に搭載された記録ヘッド13と、この記録ヘッド13の下方に対向して配置されたプラテン(図示せず)を有しており、記録用紙11は、前記記録ヘッド13と前記プラテンとの間を、紙送り手段(図示せず)によって副走査方向(図1及び図2の矢印Aの方向)に搬送される。
記録用紙11の前縁部11aが記録ヘッド13の下方まで搬送されると、図1(A)及び図2に示すように、前縁部11aの印字が開始される。すなわち、記録ヘッド13は、ガイド軸12に沿って主走査方向(矢印B方向)に往復移動しながら、記録用紙11の方向に向けてインク滴19を吐出させることにより印刷が開始される。このとき、記録用紙11の前縁部11aに余白を残さずに印刷を実行するために、記録用紙11の前縁部11aの外側にもインク滴19を吐出させる。記録用紙11の外側に吐出されたインク滴19は、プラテンに設けた捕捉部材30に直接に付着し、更に捕捉部材30の内部に浸透して、インク液捕捉領域31を形成する。
記録用紙11の前縁部11aの印刷が終了すると、記録用紙11が副走査方向(矢印A方向)に搬送され、記録用紙11の中央部の印刷が行われる。中央部の印刷においては、記録用紙11の両側の側縁部11bに余白を残さずに印刷を実行するために、図1(B)に示すように、記録用紙11の側縁部11bの外側にもインク滴19を吐出させ、このように外側に吐出されたインク滴19は、プラテンに設けた捕捉部材30に直接に付着して捕捉される。更に、記録用紙11の中央部の印刷が終了すると、記録用紙11が副走査方向(矢印A方向)に搬送され、記録用紙11の後縁部11cの印刷が行われる。後縁部11cの印刷においても、記録用紙11の後縁部11cに余白を残さずに印刷を実行するために、図1(C)に示すように、記録用紙11の後縁部11cの外側にもインク滴19を吐出させ、そのインク滴19は、プラテンに設けた捕捉部材30に直接に付着して捕捉される。
図1及び図2に示すように、縁無印刷を実施するには、記録用紙11の外側にもインク滴19を吐出させる。従って、記録用紙11の外側に吐出されたインク滴19が記録用紙11の裏面などを汚すことを防止する目的で、プラテンに捕捉部材を設ける必要がある。このような捕捉部材をプラテンに設けた代表的なインクジェット記録装置を図3〜図5に示す。
図3は、代表的なインクジェット記録装置10Aの斜視図であり、そのケースカバー1を開放して、特に印刷機構部を示す。印刷機構部には、インクカートリッジ2,3や記録ヘッド4Aを搭載したキャリッジ4と、その移動経路に対向する位置にプラテン5が配置されており、更にそのプラテン5を挟む位置に、記録用紙の排出方向の上流側に第1の紙押えローラ6が配置され、下流側に第2の紙押えローラ7が配置されている。図4は、図3に示すインクジェット記録装置10の印刷機構部の部分平面図であり、図5は、図3に示すインクジェット記録装置10の印刷機構部の部分断面図である。
特に、図4及び図5に示すように、プラテン5の一部に、プラテン開口部5a,5b,5cを設け、プラテン5の下方部には捕捉部材20を配置する。プラテン開口部5aは、記録用紙Pの前縁部印刷の際に、プラテン5の表面にインク滴を付着させたり、インクミストを発生させたりせずに、捕捉部材20に直接捕捉させるための窓であり、プラテン開口部5b及びプラテン開口部5cは、それぞれ、記録用紙Pの側縁部印刷及び後縁部印刷の際に用いる窓である。すなわち、記録ヘッド4Aから吐出されたインク滴の内、記録用紙Pの外側に吐出されたインク滴の全ては、プラテン開口部5a,5b,5cを通過して、捕捉部材20に直接捕捉される。なお、記録用紙Pの裏面は、プラテン5の表面と接触しながら搬送され、その際に記録用紙Pの裏面が、捕捉部材20の上面と接触することのない高さに捕捉部材20を配置する必要がある。
捕捉部材20は、図5に示すように、支持部材8に担持されており、更に、その支持部材8には支持部材開口部8aが設けられており、この支持部材の下方には廃インクタンク9が設けられているので、捕捉部材20に一時的に捕捉されたインク液は、支持部材開口部8aから徐々に、廃インクタンク9に導かれ、廃インクタンク9に通常設けられている吸収保持材に吸収されて保持される。
なお、本明細書において、プリンタに関して「下方」又は「上方」は、プリンタによって印刷が行われている状態での重力方向に関する下方又は上方を意味する。
最近は印刷物の保存性の向上を主な目的として、顔料インクが採用されている。前記のような捕捉部材は、通常、多孔質材料(例えば、ウレタンフォーム)から形成されているので、特に顔料インクの場合には、溶剤成分のみが内部に浸透し、顔料粒子が多孔質捕捉部材の表面に残留して、堆積する傾向がある。顔料粒子の堆積が、多孔質捕捉部材の表面上で次第に成長してプラテン開口部の上方に突出すると、記録用紙の裏面に顔料粒子が付着したり、更に、その記録用紙の裏面からプラテン表面に転写されて、別の記録用紙の裏面まで汚したりすることになる。
このような顔料粒子の堆積を防止する技術は、既に、提案されており、例えば、前記の捕捉部材に有機溶剤を含浸させる技術が知られている(特許文献1)。また、顔料インクの色種に対応して選択した有機溶剤を含浸させる技術も知られている(特許文献2)。更に、前記の捕捉部材を受容層と拡散層との2層又はそれ以上の多層構造とする技術も知られている(特許文献3)。更にまた、前記の捕捉部材に貫通孔を設けて浸透を促進する技術も知られている(特許文献4)。
特開2003−191545号公報 特開2004−174978号公報 特開2003−39754号公報 特開2004−1485号公報
本発明者は、多孔質捕捉部材表面上での顔料粒子堆積を防止する技術を鋭意研究していたところ、従来提案されているものとは異なる手段、すなわち、捕捉部材に水難溶性樹脂を予め含浸させておくことによって、顔料粒子の表面堆積を極めて有効に防止することができることを見出した。
本発明者が見出した前記の手段は、後述する実施例に示すとおり、捕捉部材に有機溶剤を含浸させる前記特許文献1に記載の技術と比較しても、その効果が優れており、多孔質捕捉部材表面上での顔料粒子堆積を有効に防止することができる。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、インクジェット記録用プリンタヘッドから吐出されるインク滴のうち、記録媒体以外の領域に吐出されるインク滴を直接に捕捉する捕捉部材に含浸させる含浸液であって、水難溶性樹脂を含有することを特徴とする、前記含浸液に関する。
本発明による含浸液の好ましい態様においては、前記水難溶性樹脂として、アクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、ビニル系モノマー、マレイン酸、無水マレイン酸、スチレン、イタコン酸、N−ビニルピロリドン、アクリルアミド、メタクリルアミド、及びそれらの誘導体からなる群から選んだモノマーを重合してなる水難溶性樹脂を含有する。
その更に好ましい態様においては、前記メタクリル系モノマーが、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル(EMA)、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル(BMA又はNBMA)、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル(EHMA)、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル(LMA)、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、エトキシトリエチレングリコールメタクリレート(ETEGMA)、メタクリル酸2−エトキシエチル、メタクリロニトリル、メタクリル酸2−トリメチルシロキシエチル、メタクリル酸グリシジル(GMA)、メタクリル酸p−トリル、メタクリル酸(MAA)、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(DMAEMA)、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸t−ブチルアミノエチル、及びメタクリル酸ソルビルからなる群から選んだモノマーである。
その更にまた好ましい態様においては、前記アクリル系モノマーが、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリロニトリル、アクリル酸2−トリメチルシロキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸p−トリル、アクリル酸ソルビル、アクリル酸、アクリル酸ジメチルアミノエチル、及びアクリル酸ジエチルアミノエチルからなる群から選んだモノマーである。
また、本発明による含浸液の別の好ましい態様においては、水溶性溶剤を更に含む。
また、本発明による含浸液の更に別の好ましい態様においては、前記水溶性溶剤の少なくとも1種は、20℃における蒸気圧が0.01mmHg以下である。
本発明は、インクジェット記録用プリンタヘッドから吐出されるインク滴のうち、記録媒体以外の領域に吐出されるインク滴を直接に捕捉する捕捉部材であって、水難溶性樹脂を含浸して含むことを特徴とする、インクジェットプリンタ用の前記捕捉部材にも関する。
本発明による捕捉部材の好ましい態様においては、水難溶性樹脂を湿潤状態又は乾燥状態で担持する。
本発明による捕捉部材の別の好ましい態様においては、多層構造である。
本発明は、前記の捕捉部材を備えることを特徴とする、インクジェットプリンタにも関する。
本発明によるインクジェットプリンタの好ましい態様においては、使用するインクの着色剤が顔料である。
本発明によれば、後述する実施例に示すとおり、インクジェット記録方式による縁無印刷に利用されている捕捉部材の表面上での顔料粒子の堆積発生を有効に防止ないし抑制することができる。
インクジェット記録方式に通常用いられている水系顔料インク組成物では、その組成物中で顔料粒子が充分に安定に分散されている。それにもかかわらず、捕捉部材の表面で顔料粒子の堆積が発生する機構の詳細は、現在のところ解明されていない。従って、水難溶性樹脂を予め捕捉部材に含浸させておくことによって顔料粒子の堆積発生を有効に抑制ないし防止することができる機構も不明である。
しかしながら、後述する実施例に示すとおり、捕捉部材に水難溶性樹脂を予め含浸させておくことにより、捕捉部材に付与されたインク組成物における分散系の破壊が防止ないし抑制されるものと思われ、捕捉部材としての機能を長期間にわたって良好な状態に維持することができるので、その結果として、捕捉部材の長寿命化を実現することができる。
本発明による含浸液は、水難溶性樹脂を含有する。この水難溶性樹脂は、水性エマルジョンポリマーの形態で本発明の含浸液に含まれる。
本発明で用いる水難溶性樹脂は、アクリル系モノマー;メタクリル系モノマー;ビニル系モノマー(例えば、酢酸ビニル又は塩化ビニル);マレイン酸;無水マレイン酸;スチレン;イタコン酸;N−ビニルピロリドン;アクリルアミド;メタクリルアミド;及びそれらの誘導体からなる群から選んだモノマーから調製することができる。
代表的なアクリル系又はメタクリル系モノマーには、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル(EMA)、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル(BMA又はNBMA)、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル(EHMA)、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル(LMA)、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、エトキシトリエチレングリコールメタクリレート(ETEGMA)、メタクリル酸2−エトキシエチル、メタクリロニトリル、メタクリル酸2−トリメチルシロキシエチル、メタクリル酸グリシジル(GMA)、フルオロメタクリル酸ゾニル、メタクリル酸p−トリル、メタクリル酸ソルビル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリロニトリル、アクリル酸2−トリメチルシロキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸p−トリル、アクリル酸ソルビル、メタクリル酸(MAA)、アクリル酸、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(DMAEMA)、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸t−ブチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、メタクリルアミド、アクリルアミド、及びジメチルアクリルアミドがある。好ましいアクリル系又はメタクリル系モノマーは、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ブチルとメタクリル酸メチルとの組合せ、メタクリル酸、又はメタクリル酸ジメチルアミノエチルから調製した水難溶性樹脂である。
本発明で用いる水難溶性樹脂は、エチレングリコールジメタクリレート又はエチレングリコールトリアクリレート等のような架橋性モノマーを少量含んでいることもできる。また、前記水難溶性樹脂は、一般式 :
CH=C(X)(Y’)
〔式中、Xは、H又はCHであり、Y’は、C(O)OH、C(O)NR、C(O)ORNR、C(O)OR、又はそれらの塩であり、R及びRは、それぞれ独立してH、もしくは炭素原子数1〜9のアルキル基、アリール基又はアルキルアリール基であり、Rは炭素原子数1〜5のアルキレン基であり、そしてRは、場合によりヒドロキシ基又はエーテル基を含んでいることのある炭素原子数1〜20のアルキレン基である〕
で表される親水性モノマーを更に含有して、溶解性をある程度まで変化させることもできる。しかし、水難溶性樹脂又はその塩を完全に水溶性にするのに十分な量の親水性モノマーを、水難溶性樹脂中に存在させるべきではない。
本発明で用いる水難溶性樹脂は、モノマー性又はポリマー性の安定剤で安定化させることもできる。有用なモノマー性安定剤には、N,N,N−トリメチル−1−ドデカニニウムクロリド、ジ−メチル−ドデカニニウムクロリド、アルキルフェノールのポリエチレングリコール誘導体、硫酸ラウリルナトリウム、及びN−アルキルトリメチル塩化アンモニウムがある。市販のモノマー性安定剤としては、例えば、ドデシルトリメチル塩化アンモニウム〔Arquad(登録商標);Akzo Chemicals Inc.〕を挙げることができる。有用なポリマー性安定剤には、(ジブロック及びトリブロックポリマーのような)ブロックポリマー、並びにグラフトポリマーからなる群より選ばれる構造性ポリマーが含まれる。有用なジブロックポリマーとしては、例えば、米国特許第5,085,698号に開示の化合物を用いることができ、また、有用なトリブロックポリマーとしては、例えば、米国特許第5,519,085号に開示の化合物を用いることができる。有用なグラフトポリマーとしては、例えば、米国特許第5,231,131号に開示の化合物を用いることができる。
本発明による含浸液は、前記水難溶性樹脂の他に、例えば水溶性溶剤を含有することができる。水溶性溶剤としては、例えば、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、2−ブテンー1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等の多価アルコール類、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ペンタノール等の炭素数1〜5のアルキルアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルなどのグリコールエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンアルコール類、ジオキサン等のエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、スルホラン等を挙げることができる。これらの水溶性溶剤は1種又は2種以上を用いることができる。また、捕捉部材に捕捉されたインクの乾燥防止の観点から、これらの水溶性溶剤の少なくとも1種は20℃における蒸気圧が0.01mmHg以下である高沸点低揮発であることが好ましく、20℃における蒸気圧が0.005mmHg以下であることがより好ましい。
本発明による含浸液は、前記水難溶性樹脂及び水溶性溶剤の他に、例えば固体保湿剤、pH調整剤、界面活性剤、防腐・防カビ剤等を含有することができる。
固体保湿剤としては、融点が20℃以上で、かつ20℃における水への溶解度が5重量%以上のものが該当し、具体的には、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール等のアルコール類、炭酸エチレン等のエステル類、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、2−ピロリドン、ε−カプロラクタム、尿素、チオ尿素、N−エチル尿素等の窒素化合物、ジヒドロキシアセトン、エリトリトール、D−アラビノース、L−アラビノース、D−キシロース、2−デオキシ−β−D−リボース、D−リキソース、L−リキソース、D−リボース、D−アラビトール、リビトール、D−アルトロース、D−アロース、D−ガラクトース、L−ガラクトース、D−キノボース、D−グルコース、D−ジギタロース、D−ジギトキソース、D−シマロース、L−ソルボース、D−タガトース、D−タロース、2−デオキシ−D−グルコース、D−フコース、L−フコース、D−フルクトース、D−マンノース、L−ラムノース、D−イノシトール、myo−イノシトール、D−グルシトール、D−マンニトール、メチル=D−ガラクトピラノシド、メチル=D−グルコピラノシド、メチル=D−マンノピラノシド、N−アセチルキトビオース、イソマルトース、キシロビオース、ゲンチオビオース、コージビオース、コンドロシン、スクロース、セロビオース、ソホロース、α,α−トレハロース、マルトース、メリビオース、ラクトース、ラミナリビオース、ルチノース、ゲンチアノース、スタキオース、セロトリオース、プランテオース、マルトトリオース、メレジトース、ラクト−N−テトラオース、ラフィノース等の糖類を挙げることができる。
pH調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアミン類等を用いることが出来る。また、必要に応じて、コリジン、イミダゾール、燐酸、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、硼酸等を挙げることができる。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤を含有することができる。ノニオン性界面活性剤の具体例として、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン系界面活性剤、その他フッ素アルキルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等の含フッ素系界面活性剤等を挙げることができる。上記ノニオン性界面活性剤の中でも特にアセチレングリコール系界面活性剤及びアセチレンアルコール系界面活性剤が発泡も少なく、また優れた消泡性能を有する点で好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤及びアセチレンアルコール系界面活性剤の更なる具体例としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどを挙げることができるが、市販品で入手も可能で、例えば、エアープロダクツ社のサーフィノール104、82、465、485、TGや日信化学社製のオルフィンSTG、オルフィンE1010等を挙げることができる。
防腐剤・防かび剤としては、例えば安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビタン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、又は1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(Arch Chemicals Inc.のプロキセルBZ、プロキセルBD20、プロキセルGXL、プロキセルXL2、又はプロキセルTN)等を挙げることができる。
本発明による含浸液は、水系であることが好ましい。主要な溶媒成分は水である。本発明による含浸液は、前記の水難溶性樹脂及び場合により前記の水溶性溶剤を水と単に混合することによって調製することができる。
本発明の含浸液における水難溶性樹脂の含有量は、特に限定されるものでなく、本発明の含浸液を捕捉部材に担持させることにより、捕捉部材上での顔料粒子の堆積発生を防止ないし抑制することができれば、特に限定されず、使用するインクにより調製することができる。
本発明の前記含浸液は、捕捉部材に含浸させて使用する。本明細書において「捕捉部材」とは、インクジェット記録用プリンタヘッドから吐出されるインク滴のうち、記録媒体以外の領域に吐出されるインク滴を直接に着弾させて捕捉する部材として使用されるものであり、従来から同様の目的で、インクジェット記録用プリンタにおいて「インク吸収材」などと称されて使用されている。また、「記録媒体以外の領域」とは、記録媒体表面以外にインク滴を吐出する任意の領域であり、代表的には、縁無印刷の際の記録媒体周縁に隣接する外側領域であり、更には、プリンタヘッドのクリーニング処理の際の吐出領域を含む。前記のクリーニング処理は、記録媒体が搬送されない所定のホームポジションにおいて、プリンタヘッドにインク組成物を強制的に通過・吐出させてプリンタヘッドの吐出不良を回避する目的で実施する処理である。このホームポジションにも前記の捕捉部材を設けることができる。
本発明で用いる捕捉部材は、従来の同種の捕捉部材と同様に、インクヘッドから吐出されたインク滴を直接に着弾させて受け入れ、完全に捕捉する必要がある。例えば、縁無印刷の際に、記録媒体の外側領域に吐出されるインク滴が完全に捕捉されずに記録媒体の周縁部でミスト化された状態で浮遊すると、記録画像や記録媒体を汚染し、更にはプラテン表面の記録媒体接触面を汚染することがある。また、捕捉部材にインク液が捕捉されている状態で、プリンタ設置場所の変更などの際にプリンタが90°程度回転させられることがあっても、インク液を漏出させない程度の保持能を有することが好ましい。更に、捕捉部材は、捕捉したインク液を、順次、廃インクタンクに移動させ、次のインク滴を捕捉するための受容能を維持する必要がある。
本発明で用いる捕捉部材は、前記の機能を有する任意の材料から調整することができ、従来から、捕捉部材として用いられている多孔質材料からなることが好ましく、特に好ましくは、個々の気孔が連通している連続多孔質材料からなることがより好ましい。
多孔質材料としては、例えば、プラスチック製の発泡体シート又は有孔体シート、あるいは繊維質材料(例えば、ウエブ、網状体、織物、編物、又は不織布)のシートを用いることができる。プラスチック製発泡体としては、例えば、ポリウレタンフォーム、ポリビニルアルコール(PVA)スポンジ、フッ素樹脂多孔質体などを挙げることができる。
本発明で用いる捕捉部材は、単層構造であることも、2層以上の多層構造であることもできる。2層からなる場合は、インク受容層とインク拡散層とからなることが好ましい。前記インク受容層は、プリンタヘッドから吐出されたインク滴を直接に着弾させて、捕捉する層であり、前記インク拡散層は、インク受容層に捕捉されたインク液を保持しつつ、廃インクタンクに移動させる層である。インク受容層とインク拡散層は少なくともその一部を接触させ、インク拡散層にインク受容層よりインク吸収性の高い材料を用いることがより好ましい。また、これらのインク受容層及びインク拡散層が、それぞれ、2層以上の多層構造を有することもできる。
前記インク受容層と前記インク拡散層との組合せとしては、例えば、撥水性を有する高分子化合物製(例えば、フッ素樹脂製)の網状シートと、親水性高分子化合物製の多孔質シートやフェルト材との組合せ、あるいはポリウレタンフォームシートとPVAスポンジシートとの組合せを挙げることができる。
本発明で用いる捕捉部材に、前記水難溶性樹脂を含浸させ、担持させる方法は、特に限定されず、例えば、浸漬、噴霧、又は塗布などの方法を用いることができる。また、本発明で用いる捕捉部材は、こうして含浸された前記水難溶性樹脂を湿潤状態又は乾燥状態で含むことができるが、湿潤状態である方が好ましい。
本発明で用いる捕捉部材に担持させる前記水難溶性樹脂の量は、捕捉部材表面上での顔料粒子堆積を有効に防止することができる量であれば、特に限定されず、使用するインク組成や捕捉部材の種類に応じて、当業者が適宜決定することができる。例えば、ポリウレタンフォームよりなる捕捉部材の場合には、前記水難溶性樹脂を5mg/g以上の量で担持させることが好ましく、より好ましくは20mg/g以上であり、更により好ましい担持量は50mg/g以上である。
本発明で用いるインクジェットプリンタは、前記の捕捉部材を配置可能である限り特に限定されず、通常のプリンタをそのまま利用することができる。インクジェット記録方式の種類も限定されず、記録信号によってピエゾ振動子を振動させることによって液滴を噴射させる装置、あるいは、記録ヘッド室内の記録液に記録信号に対応した熱エネルギーを与え、そのエネルギーにより液滴を発生させる装置などに利用することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。以下の実施例において、部及び%は、特に断らない限り、重量による。
<実施例1>
(1)反応物Aの調製
機械的撹拌機、温度計、N入口、乾燥管出口、及び添加用漏斗を備えた12Lフラスコに、テトラヒドロフラン(THF)4002g及びp−キシレン7.7gを仕込んだ。次いで、触媒として、テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートの1.0Mアセトニトリル溶液2.0mLを加えた。開始剤として、1−メトキシ−1−トリメチルシロキシ−2−メチルプロペン155.1g(0.891M)を注入した。メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル2801g(17.8M)の供給を開始し、45分間かけて供給を行った。この供給が完了(99%を越えるモノマーが反応)してから100分経過後、メタクリル酸ブチル2045g(14.4M)の供給を開始し、30分間かけて供給を行った。400分経過した時点で、乾燥メタノール310gを前記溶液に加え、蒸留を開始した。溶媒1725g(合計)を除去した。蒸留完了後、イソプロパノール1783gを加えた。こうして、メタクリル酸ブチル/メタクリル酸ジメチルアミノエチル(20/20)ジブロックポリマー(固形分=49.6%)を製造した。次いで、このポリマーを、濃リン酸2052g(17.8M)で中和し、水に転化して、ポリマー系塩の反応物Aの15%溶液を製造した。
(2)エマルジョンの調製
水233g、メタクリル酸n−ブチル25g、及び前記反応物A25gを反応器内部で還流させた。還流した時点で、水27.5gとVA−044(和光純薬製)0.68gとを加えた。別のフラスコ内で、水561g、メタクリル酸n−ブチル225g、及び反応物A142gを、エッペンバッハホモジナイザーを用いてよく混合した。次いで、前記混合物を、100分間かけて反応フラスコに加えた。前記混合物の添加が完了したら、反応フラスコの内容物を更に60分間還流させた後、水(12.5g)とVA−044(0.68g)との混合物を反応フラスコに加えた。反応フラスコの内容物を更に60分間還流し、次いで室温に冷却してエマルジョンを得た。得られたエマルジョンの固形分は、23%であった。こうしてエマルジョンAを得た。
上記で調製したエマルジョンA30%、グリセリン54%、トリエチレングリコールモノブチルエーテル10%、1,2−ヘキサンジオール5%、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(プロキセルXL2;Arch Chemicals株式会社製)0.1%、及びトリエタノールアミン0.9%を混合して含浸液Aとした。
<実施例2>
(1)反応物Bの調製
撹拌機、温度計、N入口、乾燥管出口、及び添加用漏斗を備えた12Lフラスコに、テトラヒドロフラン(THF)3027g及びp−キシレン6.2gを仕込んだ。次いで、触媒として、テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートの1.0Mアセトニトリル溶液2.5mLを加えた。開始剤として、1,1−ビス(トリメチルシロキシ)−2−メチルプロペン234.4gを注入した。テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートの1.0Mアセトニトリル溶液2.5mLの供給を開始し、150分間かけて全量を加えた。続いて、メタクリル酸トリメチルシリル1580gの供給を開始し、30分間かけて全量を添加した。前記の供給が完了してから120分間経過後、メタクリル酸ブチル1425g及びメタクリル酸メチル503gの供給を開始し、30分間かけて全量を加えた。320分間が経過した時点で、乾燥メタノー650gルを上記溶液に加え、蒸留を開始した。第一段階の蒸留の間、1250.0gの物質をフラスコから除去した。イソプロパノール1182gを加えた。蒸留を続け、合わせて2792gの溶媒を除去した。
これにより、数平均分子量(Mn)が2900で、固形分が50.5%の、メタクリル酸ブチル/メタクリル酸メチル//メタクリル酸ABブロックポリマー(10/5//10)を製造した。このポリマー396g、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)68g、及び脱イオン水1536gを一緒にして混合し、反応物Bの水溶液を形成した。
(2)エマルジョンの調製
メタクリル酸メチル637g及びメタクリル酸n−ブチル63gを、高速撹拌装置(ホモジナイザー)内で、前項(1)で調製した反応物B700g及び脱イオン水315gに加えることによって、エマルジョンを調製した。固形分が45重量%はある、あらかじめ乳化した混合物が形成するまで、およそ30分間撹拌を続けた。この乳化した混合物を入れた滴下漏斗、空気撹拌機、窒素入口、及び加熱用マントルを備えた樹脂製の釜で、実験室規模の重合を行った。最終生成物の固形分が25%となるような量の脱イオン水を、釜に加えた。釜内部の空気を窒素置換して、水を70〜72℃に加熱した。次いで、あらかじめ乳化した混合物の10分の1と、重亜硫酸ナトリウムの2%水溶液及び0.25%(乳化した混合物に用いたモノマーの重量に基づく)の過硫酸アンモニウムを6.5重量%の水溶液としたものとを、樹脂製の釜に加えた。温度を80℃に上げ、この温度を重合の間中保持した。残りの乳化した混合物と、重亜硫酸ナトリウム溶液を、75分間かけて加えた。加えた亜硫酸物の合計量は、モノマー濃度に基づいて0.14%であった。二倍量の水性過硫酸アンモニウム溶液を調製し、三回に分けて加えた。一回目は、乳化した混合物と亜硫酸ナトリウム添加の中間の時点で行い、二回目は、これらの物質の添加が終わったときに行い、そして三回目は、その15分後に行った。得られるラテックスを、80〜85℃で120分間保持し、次いで冷却し、濾過した。こうしてエマルジョンBを得た。
上記で調製したエマルジョンB15%、グリセリン50%、ポリエチレングリコール#400を30%、1,2−ヘキサンジオール4%、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(プロキセルXL2;Arch Chemicals株式会社製)0.3%、及びトリエタノールアミン0.7%を混合して含浸液Bとした。
<実施例3>
水難溶性樹脂としてスチレンアクリル共重合体樹脂(ジョンクリル631;ジョンソンポリマー株式会社製)10%、トリプロパノールアミン1%、及び水89%を混合して含浸液Cとした。
<実施例4>
水難溶性樹脂としてスチレンアクリル共重合体樹脂(ジョンクリル790;ジョンソンポリマー株式会社製)10%、水酸化カリウム0.1%、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(プロキセルXL2;Arch Chemicals Inc.製)0.1%、及び水89.8%を混合して含浸液Dとした。
〔物性評価〕
(1)捕捉部材(フォーム)の調製
前記実施例1〜4で調製した含浸液を含浸させる捕捉部材として、軟質ポリウレタンフォームを準備した。具体的には、ポリオール(V3030;株式会社ダウ製)100部、トリレンジイソシアネート(TDI80;日本ポリウレタン社製)50部、水4部、アミン系触媒(DABCO−33LV;三井エアープロダクツ製)0.3部、スズ触媒(スタナスオクトエート;日東化成社製)0.3部、及びシリコーン整泡剤(L−520;日本ユニカ社製)1部から、ワンショット法で軟質ポリウレタンフォームを得た。圧縮度が×5となるように熱圧縮した。得られたフォームは通気度が、2.0cm/cm/secの連続多孔質体である。
(2)含浸処理
続いて、前記の捕捉部材用フォーム(100cm×100cm×0.5cm)に、実施例1〜4で調製した各含浸液A〜Dを、重量あたり5g/gの量で均一に含浸させて、実験用の捕捉部材を調製した。比較用として、含浸液を含浸させていない捕捉部材用フォームを準備した(比較例1)。
(3)印刷試験
前項(2)で得た含浸捕捉部材を、インクジェットプリンタ(PX−V500;セイコーエプソン社)のプラテン部に装着し、40℃及び相対湿度20%の環境下において、インクジェット印刷用葉書用紙に縁無印刷を連続して実施し、裏面汚れが発生するまでの印刷回数(枚数)を調べた。なお、裏面汚れの発生は、印刷後の葉書用紙を目視によって判断した。その結果を、以下の表1に示す。
Figure 0004513606
本発明による水難溶性樹脂含有含浸液は、例えば、インクジェット記録方式による縁無印刷において、記録媒体以外の領域に吐出させるインク滴を直接に着弾させて捕捉する捕捉部材に含浸させて用いることができ、捕捉部材の表面上での顔料粒子の堆積発生を有効に防止ないし抑制することができる。
また、本発明の捕捉部材は、前記含浸液を含浸させて水難溶性樹脂を担持した後に、インクジェット記録方式による縁無印刷において、記録媒体以外の領域に吐出させるインク滴を直接に着弾させて捕捉する捕捉部材として用いることができ、捕捉部材の表面上での顔料粒子の堆積発生を有効に防止ないし抑制することができる。
更に、本発明によるインクジェットプリンタは、前記捕捉部材を備えており、捕捉部材の表面上での顔料粒子の堆積発生を有効に防止ないし抑制することができる。
インクジェット記録方式による縁無印刷の工程を模式的に示す要部拡大斜視図である。 図1(A)の状態の模式的要部側面図である。 代表的なインクジェット記録装置の斜視図である。 図3に示すインクジェット記録装置の印刷機構部の部分平面図である。 図3に示すインクジェット記録装置の印刷機構部の部分断面図である。
符号の説明
1・・・ケースカバー;2,3・・・インクカートリッジ;4・・・キャリッジ;
4A・・・記録ヘッド;5・・・プラテン;5a,5b,5c・・・プラテン開口部; 6・・・第1の紙押えローラ;7・・・第2の紙押えローラ;
8・・・支持部材;8a・・・支持部材開口部
9・・・廃インクタンク;10,10A・・・インクジェット記録装置;
11・・・記録用紙;11a・・・記録用紙の前縁部;11b・・・記録用紙の側縁部;11c・・・記録用紙の後縁部;12・・・ガイド軸;13・・・記録ヘッド;
14・・・キャリッジ;19・・・インク滴;20・・・捕捉部材;
30・・・捕捉部材;31・・・インク液捕捉領域。

Claims (11)

  1. インクジェット記録用プリンタヘッドから吐出されるインク滴のうち、記録媒体以外の領域に吐出されるインク滴を直接に捕捉する捕捉部材に含浸させる含浸液であって、水難溶性樹脂を含有することを特徴とする、前記含浸液。
  2. 前記水難溶性樹脂として、アクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、ビニル系モノマー、マレイン酸、無水マレイン酸、スチレン、イタコン酸、N−ビニルピロリドン、アクリルアミド、メタクリルアミド、及びそれらの誘導体からなる群から選んだモノマーを重合してなる水難溶性樹脂を含有する、請求項1に記載の含浸液。
  3. 前記メタクリル系モノマーが、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル(EMA)、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル(BMA又はNBMA)、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル(EHMA)、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル(LMA)、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、エトキシトリエチレングリコールメタクリレート(ETEGMA)、メタクリル酸2−エトキシエチル、メタクリロニトリル、メタクリル酸2−トリメチルシロキシエチル、メタクリル酸グリシジル(GMA)、メタクリル酸p−トリル、メタクリル酸(MAA)、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(DMAEMA)、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸t−ブチルアミノエチル、及びメタクリル酸ソルビルからなる群から選んだモノマーである、請求項2に記載の含浸液。
  4. 前記アクリル系モノマーが、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリロニトリル、アクリル酸2−トリメチルシロキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸p−トリル、アクリル酸ソルビル、アクリル酸、アクリル酸ジメチルアミノエチル、及びアクリル酸ジエチルアミノエチルからなる群から選んだモノマーである、請求項2に記載の含浸液。
  5. 水溶性溶剤を更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の含浸液。
  6. 前記水溶性溶剤の少なくとも1種は、20℃における蒸気圧が0.01mmHg以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の含浸液。
  7. インクジェット記録用プリンタヘッドから吐出されるインク滴のうち、記録媒体以外の領域に吐出されるインク滴を直接に捕捉する捕捉部材であって、水難溶性樹脂を含浸して含むことを特徴とする、インクジェットプリンタ用の前記捕捉部材。
  8. 水難溶性樹脂を湿潤状態又は乾燥状態で担持する請求項7に記載の捕捉部材。
  9. 多層構造である、請求項7又は8に記載の捕捉部材。
  10. 請求項7〜9のいずれか一項に記載の捕捉部材を備えることを特徴とする、インクジェットプリンタ。
  11. 使用するインクの着色剤が顔料である、請求項10に記載のインクジェットプリンタ。
JP2005063481A 2005-03-08 2005-03-08 捕捉部材用含浸液、インクジェットプリンタ用捕捉部材、及びインクジェットプリンタ Expired - Fee Related JP4513606B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005063481A JP4513606B2 (ja) 2005-03-08 2005-03-08 捕捉部材用含浸液、インクジェットプリンタ用捕捉部材、及びインクジェットプリンタ
PCT/JP2006/304499 WO2006095785A1 (ja) 2005-03-08 2006-03-08 捕捉部材用含浸液、インクジェットプリンタ用捕捉部材、及びインクジェットプリンタ
US11/885,616 US20100039483A1 (en) 2005-03-08 2006-03-08 Impregnation Fluid for Capturing Member, Capturing Member for Ink-Jet Printer, and Ink-Jet Printer
EP06715419A EP1864817A1 (en) 2005-03-08 2006-03-08 Impregnation fluid for capturing member, capturing member for ink-jet printer, and ink-jet printer

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005063481A JP4513606B2 (ja) 2005-03-08 2005-03-08 捕捉部材用含浸液、インクジェットプリンタ用捕捉部材、及びインクジェットプリンタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006247850A JP2006247850A (ja) 2006-09-21
JP4513606B2 true JP4513606B2 (ja) 2010-07-28

Family

ID=37088845

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005063481A Expired - Fee Related JP4513606B2 (ja) 2005-03-08 2005-03-08 捕捉部材用含浸液、インクジェットプリンタ用捕捉部材、及びインクジェットプリンタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4513606B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7122825B2 (ja) * 2017-12-27 2022-08-22 株式会社イノアックコーポレーション 防カビ性ポリウレタンフォームとその製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004098400A (ja) * 2002-09-06 2004-04-02 Seiko Epson Corp 液滴吐出装置、液滴吐出方法、デバイスの製造方法、及び電子機器
JP2005014422A (ja) * 2003-06-26 2005-01-20 Seiko Epson Corp インクジェット式記録装置およびインクジェット記録方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004098400A (ja) * 2002-09-06 2004-04-02 Seiko Epson Corp 液滴吐出装置、液滴吐出方法、デバイスの製造方法、及び電子機器
JP2005014422A (ja) * 2003-06-26 2005-01-20 Seiko Epson Corp インクジェット式記録装置およびインクジェット記録方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006247850A (ja) 2006-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5316277B2 (ja) インクジェット式記録装置、記録方法、およびフラッシング方法
JP6051695B2 (ja) 画像形成方法、及び該画像形成方法を実施するためのインクジェット画像形成装置
DE60122428T2 (de) Tintenstrahltinte, Tintenstrahldruckverfahren, Tintenstrahl-Druckvorrichtung,Tintenstrahldruckeinheit und Tintenpatrone
US9011588B2 (en) Inkjet treatment liquid and image forming method using treatment liquid
US7789482B2 (en) Waste ink liquid absorber and inkjet-type recording apparatus including the same
US9238370B2 (en) Liquid accommodating container
JP4437770B2 (ja) インクジェット記録用インク
JP2004276253A (ja) 印刷前処理液及びこれを用いた画像記録方法
JPH10287837A (ja) インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録装置
JP2011051187A (ja) 印刷装置及び印刷方法
JPH11227222A (ja) インクジェット用吸着剤、該吸着剤を用いた吸着部材を備えたインク保持容器及び吸着部材を備えたインク供給システム、インクジェット記録装置
JP2007519772A (ja) インクジェット用インク組成物
JP5880180B2 (ja) インクジェット記録方法
JP2004306441A (ja) インクカートリッジ及びこれを用いたインクジェット記録装置
JP4069430B2 (ja) インクジェット記録方法およびそのためのインクジェット記録装置
JP4513606B2 (ja) 捕捉部材用含浸液、インクジェットプリンタ用捕捉部材、及びインクジェットプリンタ
US7699431B2 (en) Ink jet printing apparatus, method of manufacturing ink absorber, and ink absorber
JP2007030235A (ja) 廃インク液吸収体及びそれを含むインクジェット式記録装置
JP4457892B2 (ja) インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録装置
JP2006272734A (ja) 廃インク液吸収体及びそれを含むインクジェット式記録装置
EP1864817A1 (en) Impregnation fluid for capturing member, capturing member for ink-jet printer, and ink-jet printer
CN111378324A (zh) 油墨组合物及喷墨记录组件
JP2006247852A (ja) 捕捉部材用含浸液、インクジェットプリンタ用捕捉部材、及びインクジェットプリンタ
JP2006272733A (ja) 廃インク液吸収体及びそれを含むインクジェット式記録装置
JP2006239915A (ja) インクジェット記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070404

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070802

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100420

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100503

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4513606

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140521

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees