JP4513096B2 - 改質された樹脂類の製造法及びその用途 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂、ゴム類、ワックス類、油類等の樹脂類の改質、具体的には、かかる樹脂類の難燃性、熱安定性、相溶性、接着性、被覆性、染色性等表面特性、電気特性等の向上及び改質をせしめるのに有用な方法、及びそれらの用途に関するものである。
一般に、樹脂類は、電気的性質、機械的性質、加工性等に優れた特性を有し、建築用材料、電気用材料、自動車等車両用材料、繊維用材料、機器材料、家庭用品等の広範囲の産業分野において使用されている。
しかしながら、これらの樹脂類は、極めて燃え易く、広範囲な使用にともない火災における有力な発生源あるいは燃料源となることが著しく増加し、産業資材として高い安全性の要求も高く、樹脂類の難燃性、耐熱性等の性能が十分でない、熱、光等により劣化を惹起し易く熱安定性等が実用上十分でない、濡れ性、接着性、被覆性、染色性等の表面特性が不良のため用途に著しい制約がある等の欠陥を有する。
又、かかる樹脂類の用途の多様化に伴い、要求される性能、特性の高度化は著しく、要求を満足する新種の樹脂類を開発し個々に対応していくのは技術的、経済的に著しく制約を受けている。かかる樹脂類の既特性を損うことなく性能の向上、付与等の要求が望まれ、樹脂類の改質、複合化による新素材の開発は産業上において極めて重要な課題である。
特開平08−143630号公報 特開2004−042421号公報 特開平07−173222号公報 特表2004−514701号公報 特開昭51−125790号公報 特開2004−091766号公報 欧州特許第0698620号(B1)明細書
A.従来、かかる樹脂類の性質を向上、付与せしめる方法として、新規な原料、合成、重合技術等を用い、新種の樹脂類を提供する方法、既に得られている樹脂類を用いて各種性能を向上、付与させ改質せしめる方法等が知られている。
前者の方法においては、要求を満足する新種の樹脂類を創出することが実用上難しい或いは技術的に極めて困難であるばかりでなく、経済的にも著しい制約がある等の欠陥を有する。
一方、後者の方法においては、樹脂類が容易に入手でき、特性が把握できていること等の優れた点を有し、これらの樹脂類への官能基の導入反応等による改質方法が経済的、技術的に優れ、多くの提案がなされている。
かかる改質方法として、官能基を有する反応剤等を用いて変性反応等を行う方法が知られているが、かかる官能基が樹脂類の特殊な構造を有する末端位置にのみに結合したり、官能基量に著しい制約がある等のために、改質を十分に行うことが難しいこと、かかる官能基を用いての改質、変性が難しい、更には殆ど有用でない等の欠陥を有する。
又、ポリオレフィン樹脂等の官能基を含有しない樹脂類に無水マレイン酸、アクリル酸等の反応剤とBPO等の過酸化物とを共に用いて官能基を導入、更にこれを用いる変性反応等により改質を行う方法等も知られている。かかる改質方法は、改質、改質二次変性として用い易いカルボキシル基等の官能基を導入することができること、製造方法が比較的容易であること等の利点を有するが、過酸化物の併用を要するため、かかる樹脂類の分解等による分子量の著しい低下、着色、変質等を惹起すること、官能基数を多量に導入することが難しく樹脂類の改質に制約があること、熱安定性、耐熱性等の低下を惹起し、更にはかかる官能基の離脱により樹脂類の分解が著しく促進すること、用いる反応剤自身の重合等による反応物が生成し易く樹脂類の物性等の低下を惹起し易いこと等の欠陥を有する。これらの変性反応等により改質を行う方法は、製造工程において、改質せしめた樹脂類中に過酸化物の分解物、未反応物等が残存し、これらの物性等を著しく損なう残存物等を除去するため煩雑な除去工程を要すること、変性反応の系中にシクロペンタジエン等の副生ガスが発生し脱ガス等のため煩雑な排気工程を要すること等の欠陥を有し、技術的、経済的に著しく制約を受けていた。
更には、改質、性能付与等に優れている官能基を導入することが著しく難しく、かかる官能基等を含有する改質剤の添加等の方法も用いられるが、かかる樹脂類の物性、特性の低下を惹起し易い等の欠陥を有する。
これらの公知の改質方法は未だ実用上不十分であり、技術的、経済的に著しく制約を受けていた。
本発明者は、かかる樹脂類の改質方法における上記の欠陥を克服すべく鋭意検討した結果、公知の方法とは構造、特性を全く異にする化合物と樹脂類とを、特定の反応条件下にて反応を行うことにより、官能基を多量に導入しても改質された樹脂類の分子量の低下、物性の低下、変質等を惹起し難いこと、導入官能基量を広範囲にわたり選定することができ、改質、性能付与等を制御し易いこと、過酸化物等を併用する必要がなく、改質反応条件、工程が簡易であり、副反応による樹脂類の分解等による変質が見られないこと、改質、性能付与等に優れた官能基を含有する化合物等を添加混合することなく樹脂類に結合導入することができるため、かかる樹脂類の物性等を損ない難いこと、カルボキシル基、アミノ基、二重結合基等の官能基を含有しない樹脂類についても官能基導入等の改質、性能付与等を行うことができること、熱等による劣化を惹起し難い、更には耐熱性を著しく向上させる官能基の結合導入を行うことができること、難燃性、相溶性、濡れ性、接着性、被覆性、染色性等の表面特性、電気特性、成形性等を向上せしめる官能基の結合導入による改質、性能付与等を行うことができること等の優れた特徴を有する改質された樹脂類の製造法を提供することができることを見出した。更に、かかる改質された樹脂類の製造法は、改質された樹脂類中に物性等を著しく損なう分解物、未反応物等を殆ど含有しないこと、かかる反応の系中に副生ガス等の発生が殆どないこと等の優れた特徴を有し、煩雑な除去工程、排気工程等を必要とせず極めて簡便に製造することができ、技術的、経済的に極めて優れ、実用上非常に有用な製造法を提供することができることを見出し、本発明に到達した。
B.又、かかる樹脂類の難燃性を向上すべく種々の方法が提案され、例えば、難燃化剤を添加する方法、樹脂類製造時に難燃性付与原料(含ハロゲンモノマー等)を用い樹脂類骨格に組み込む方法等が提案されている。
これらの方法の中、前者の樹脂類に対して難燃化剤を添加する方法が一般的に多く用いられ、かかる難燃化剤として、ハロゲン含有化合物、リン含有化合物、無機系化合物、窒素含有化合物等が知られている。
これらの公知の難燃化剤において、ハロゲン含有化合物を用いた場合、一般に耐熱性が不良である、昇華、ブリード等が発生し易い、三酸化アンチモンと共用しないと効果が得難いことが多い、火災時に極めて有害なハロゲン含有ガスを大量に排出する等の欠点を有する。リン含有化合物を用いた場合には、単独では効果が少ない、ハロゲン含有化合物と併用することが多く上述した欠点を有する等の欠陥を有する。又、無機系化合物を用いた場合、三酸化アンチモン等のように稀少資源のため、原料入手、価格等に問題があったり、水酸化アルミニウム等のように効果が小さく大量添加が必要であり、比重増大、物性、成形性等の低下、含有水分により耐熱性が悪化する等の欠陥を有する。更に、窒素含有化合物を用いた場合、トリアジン系に代表されるが、成型時に昇華、ブリード等が発生し易い、製造が難しく原料費が高い、かかる添加剤の混合により樹脂類の物性、特性等の低下を惹起し易い、かかる添加剤の経時に伴う消失、分散、混和性不良等により難燃効果の低下が著しい、かかる添加剤を多量に必要とする為かかる樹脂類の特性、物性を著しく損なう等の欠陥を有する。
後者の方法においては、難燃性付与原料として臭素、リン等を含有する原料を用い、製造時に樹脂類に組込む方法が知られ、難燃性の有効成分の消失、分散不良等による効果の低下が少ない、かかる樹脂類の物性、特性等を維持し易い等の点に優れ有用である。しかしながら、かかる難燃性付与原料の製造が難しいこと、原料費が高いこと、樹脂類の製造に適した原料の入手に著しい制約があり、更には技術的にも得ることが殆ど難しいこと、樹脂類の製造上の制約によりかかる難燃性付与原料を結合導入することが難しい、あるいは全くできない等の為要求される樹脂類を提供することに著しい制約があること、かかる原料の熱安定性が不良の為得られる樹脂類の熱安定性、耐熱性等が劣ること、火災時に大量の有害ガスが排出すること等の欠陥を有する。
これらの公知の樹脂類の難燃化方法は未だ実用上不十分であり、技術的、経済的に著しく制約を受けていた。
本発明者は、かかる樹脂類の難燃化方法における上記欠陥を克服すべく鋭意検討した結果、上記の方法で得られる改質された樹脂類を用いることにより、難燃付与成分が樹脂類に導入結合している為、かかる成分の分散、混和性の不良がなく、かかる樹脂類の難燃性を著しく向上させることができること、メラミン等の難燃剤添加方法に比して昇華、ブリード等の発生が見られないこと、チャーの生成等が極めて良好であり油滴、溶融物の垂れ、落下が著しく少ないこと、有害ガスの排出が殆どないこと、難燃付与成分の結合導入が製造上難しい樹脂類に対してもかかる官能基を容易に結合導入させることができること、樹脂類の製造後にかかる官能基を結合導入でき、製造が簡易であり且つ安価に得られること等の優れた樹脂類の難燃化方法を提供することができることを見出し、更には、上記した樹脂類とリン類、イソシアヌル酸類、シアヌル酸類、アミノ基含有化合物等とを併用することにより、一層向上した難燃性が得られる樹脂類の難燃化方法を提供することができることを見出し、本発明に到達した。
C.かかる樹脂類は、熱、光、その他外部からのエネルギーの供給、更には酸素、重金属類の存在により脆化、分解、着色等が起こりやすく、樹脂類の長期耐熱性、耐候性が不十分であり、更には熱時安定性が不良の為、成形加工性に制約が大きく、成形加工性向上のための他樹脂類ブレンド等を必要とし、樹脂類の特性、物性等を損なう等それらの樹脂類が優れた特性を有するにも拘わらず産業上の利用が制約されていた。従来、これらを改善すべく種々の提案がなされているが、上記の欠点を克服するためには未だ不十分であり、はなはだしい場合にはその優れた特性をも失われ全く実用に供しないものもある。
かかる従来の熱安定化方法の具体例としては、例えば、ベンゾエート類、アミン類,アリールフォスフォニックジアミド類、有機フォスファイト、ヒンダードフェノール、メラミン、ベンゾグアナミン、フタログアナミン、スピログアナミン類等の熱安定化剤を添加せしめてなる樹脂類組成物の熱安定化方法(特公昭51−47739等)等が提案されている。
しかしながら、これらの方法は、耐紫外線性、耐候性等が劣り変色等が著しいこと、高温時の成形加工を行う場合、着色、変色等が著しいこと、熱安定性効果が未だ十分でないこと、これらの熱安定化剤自身が加工時等において熱分解を受け易く、熱安定性効果が著しく不良であり、更に高温成形加工を要する樹脂類等については全く効果がないこと、熱安定化剤の経時変化にともなう消失、ブリード等の分散不良により効果が著しく低下し、更には全く失われること等の欠陥を有し、これらの樹脂類の熱安定化方法は未だ実用上不十分であり、技術的、経済的に著しく制約を受けていた。
本発明者は、かかる樹脂類の熱安定化方法における上記欠陥を鑑みて鋭意検討した結果、上記した製造法により特定の官能基を結合導入せしめて得られる改質された樹脂類を用いることにより、耐紫外線性、耐候性、熱安定性、耐熱性が著しく改良され、熱安定化成分が樹脂類に結合導入されているため分散、混和性等の不良がなく、かかる効果が著しく優れている、比較的高温下での長時間の使用に際しても劣化が抑制され、かかる樹脂類自身が高温でも分解し難く長期耐熱性が優れている、熱安定化成分の消失が極めて少ない為熱安定性効果の低下を惹起し難く、取扱い、物性、特性等の保持に優れている、銅等の重金属イオンによる樹脂類の分解劣化を著しく抑制する、高温にて成形加工を行う場合にも樹脂類の熱劣化、着色、変色が少なく、更にはかかる樹脂類の5%熱時減量等の温度が著しく改良され、熱安定性、耐熱性が著しく向上して高温成形加工が極めて容易になり、例えば、従来技術では高温成形加工に著しい制約があったポリフェニレンエーテル樹脂等において、成形性改良剤等が不用となり安価で且つ優れた物性、特性を有する新素材を提供することができる等の優れた樹脂類の熱安定化方法を提供することができることを見出し、本発明に到達した。
D.また、かかる樹脂類は、優れた特性を有し広範囲の産業分野において使用されているが、樹脂類のかかる特性を損うことなく、各種性能の向上、新しい性能を付与させる樹脂類の改質方法として、ポリマーアロイ化方法が各種提案されている。
従来、かかる樹脂類のポリマーアロイ化方法として、樹脂類自体に改質、性能付与せしめて行う方法、相溶化剤等の第3成分を添加する方法等が提案されている。
前者の方法においては、樹脂類の相溶性、溶解性が優れていること、改質された樹脂類の性能等が均質なものが得やすいこと等に優れ有用である。しかしながら、樹脂類の改質反応が難しい、改質時の樹脂類の分子量低下、着色、変質等により特性が低下する等の欠陥を有する。又、後者の方法においては、第3成分の含有量により樹脂類の耐熱性、耐候性、耐水性、特性等が低下する、相溶化剤の製造工程が煩雑である、製造コストが高い、かかる第3成分の分散不良等により樹脂類の性能等が均質なものが得難い、更には優れた物性、特性の改質された樹脂類が得難い等の欠陥を有する。
本発明者は、かかる樹脂類の相溶化方法における上記欠陥を克服すべく鋭意検討した結果、上記の方法で得られた改質された樹脂類を用いることにより、異種の樹脂類間の相溶化、樹脂類の溶融性に優れ、又耐熱性、耐候性、耐水性、耐薬品性等に優れ、更には製造が簡易、製造コストが安価である樹脂類の相溶化方法を提供することができることを見出し、本発明に到達した。
E.更に、かかる樹脂類は、加工性、機械的性質、電気的性質等に優れた特性を有し、広範囲の産業分野において用いられているが、用途の多様化、高度化等に伴いかかる樹脂類の表面特性、異種材料との複合化等にかかわる性能の付与、向上が強く望まれている。かかる樹脂類における表面の被覆性、異種材料等との接着性、濡れ性、染色性、撥水撥油性、耐溶剤性等の表面特性、帯電性、導電性等の電気特性等の表面改質は、産業上重要な課題となっている。
従来、かかる樹脂類の表面改質方法として、かかる表面を酸化剤、コロナ放電等による表面改質方法、添加剤を含有せしめて行う表面改質方法等が提案されている。前者の方法においては、成形加工等の後に表面処理を行うため処理工程が著しく煩雑になる、種々の形状物に処理を行うことが難しい、改質効果が実用上十分でない等の欠陥を有する。又、後者の方法においては、添加剤の経時等による消失により効果が短期に著しく低下する、かかる樹脂類と添加剤との相溶性、溶解性不良を惹起し易く十分な表面改質効果が得られない等の欠陥を有し、これらの樹脂類の表面改質方法は、未だ実用上十分でなく、技術的、経済的に著しく制約を受けている。
本発明者は、かかる樹脂類の表面改質方法における上記の欠陥を克服すべく鋭意検討した結果、上記の方法で得られた改質された樹脂類を用いることにより、かかる樹脂類の濡れ性、被覆性、接着性、染色性、撥水撥油性等の表面特性、帯電性、導電性等の電気特性を著しく向上させることができる、樹脂類自体の改質ができるため高温安定性、不揮発性に優れ、表面改質成分の消失等による効果の低下を惹起し難い、各種形状物に対し良好な均質な表面改質を行うことができる、接着性、被覆性、染色性等の表面特性に著しい制約を有するポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン繊維を著しく改質することができる等の点に優れた樹脂類の表面改質方法を提供することができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明により(イ) 樹脂類と、式(1)
Figure 0004513096
(式中、R1はエテニル、1−メチルエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル及び3−ブテニルからなる群より選ばれる種であることを示す)で表される基を少なくとも1個有するアミノトリアジニル基含有化合物の中から選ばれる少なくとも1種とを温度250℃〜450℃の範囲で反応を行なわしめることを特徴とする改質された樹脂類の製造法、(ロ) 式(1)におけるアミノトリアジニル基含有化合物が、式(2)
Figure 0004513096
(式中、R2、R3、R4及びR5は水素原子及び炭素数1個以上を有する基からなる群より選ばれる種であることを示し、R2、R3、R4及びR5は同じ種でも異なった種でもよい)で表される化合物である上記(イ)項記載の改質された樹脂類の製造法、(ハ) 式(1)におけるアミノトリアジニル基含有化合物が、式(2)のR2、R3、R4及びR5からなる群の少なくとも1種が水素原子である化合物と、場合により共縮合可能な化合物とともに、アルデヒド類とを付加縮合反応させることにより得られる数平均重合度が1より大きい縮合物である上記(イ)項記載の改質された樹脂類の製造法、(ニ) 反応を温度255℃〜400℃の範囲で行う上記(イ)項記載の改質された樹脂類の製造法、(ホ) 反応をリアクティブプロセシングにより行う上記(イ)項記載の改質された樹脂類の製造法、(ヘ) 樹脂類が、樹脂、ゴム類、ワックス類及び油類からなる群より選ばれる少なくとも1種である上記(イ)項記載の改質された樹脂類の製造法、(ト) 樹脂類が、ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂及びオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも1種である上記(イ)項記載の改質された樹脂類の製造法、(チ) 上記(イ)〜(ハ)項記載の改質された樹脂類からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂類を用いることを特徴とする樹脂類の難燃化方法、(リ) リン単体及びリン原子を含有する化合物からなるリン類、式(3)
Figure 0004513096
(式中、R6、R7及びR8は、水素原子、炭素数1〜3個を有するアルキル基、炭素数1〜3個を有するオキシアルキル基、フェニル基又はグリシジル基を示し、R6、R7及びR8は同じ種でも異なった種でもよい)で表されるイソシアヌル酸類、式(4)
Figure 0004513096
[式中、R6、R7及びR8は式(3)と同じ意味を示す]で表されるシアヌル酸類及びアミノ基含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を成分として含有せしめることを特徴とする上記(チ)項記載の難燃化方法、(ヌ) 上記(イ)〜(ハ)項記載の改質された樹脂類からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂類を用いることを特徴とする樹脂類の熱安定化方法、(ル) 樹脂類が、ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂及びオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも1種である上記(ヌ)項記載の熱安定化方法、(ヲ) 上記(イ)〜(ハ)項記載の改質された樹脂類からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂類と、異なる1種以上の樹脂類とを相溶化せしめることを特徴とする樹脂類の相溶化方法、(ワ) 樹脂類が、ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエーテルスルホン及び熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも1種である上記(ヲ)項記載の相溶化方法、(カ) 上記(イ)〜(ハ)項記載の改質された樹脂類からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂類を用いることを特徴とする樹脂類の表面改質方法が提供される。
A.本発明に係わるアミノトリアジニル基含有化合物において、式(1)中のR1は、エテニル、1−メチルエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル及び3−ブテニルからなる群より選ばれる種であり、その立体配置等は特に制限されるものではないが、R1がエテニルであるアミノトリアジニル基含有化合物が原料の入手し易さ、反応、取扱いの容易さ等から好ましい。又、かかる式(1)で表される基を2個以上有する化合物において、1化合物中のR1が同じ種でも異なった種でもよく、使用目的に応じて適宜選定することができる。
又、かかるアミノトリアジニル基含有化合物は、式(1)で表される基を少なくとも1個有するものであり、かかる基の個数は、使用目的等により適宜選定することができるが、かかる化合物の入手のし易さ等により、通常1〜20個、好ましくは1〜10個、更に好ましくは1〜5個である。
更に、R1が異なる化合物及び/又は式(1)で表される基の個数が異なる化合物の2種以上を混合あるいは別々に配合し用いて改質された樹脂類の製造を行うこともでき、使用目的等に応じて適宜選定することができる。
更に、式(1)で表される基において、アミノ基の結合種は特に制限されるものではなく、かかる基の構造を有する化合物が本発明の改質された樹脂類の製造法及びその用途に有用であるが、アミノ基の結合種としては、かかるアミノ基と結合し得る基であればいずれも有用であるが、例えば水素原子、ハロゲン原子、置換基を有することもある炭素数1個以上を有する脂肪族基、脂環族基、芳香族基、複素環族基、置換基を有することもあるケイ素数1個以上を有する基等が挙げられ、又、アルデヒド類、エポキシド類、カルボン酸(無水物)類、イソシアナート類、オキサゾリン類、有機ハロゲン化物、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル剤等シラン類、ビニルシラン、エポキシシラン、含フッ素シラン等のシランカップリング等とかかるアミノ基とを反応せしめた反応残基、リン酸等の鉱酸、有機酸等とかかるアミノ基等との反応生成塩の残基等も挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に係わるアミノトリアジニル基含有化合物の具体例としては、式(1)で表される基のアミノ基の結合種が全て水素原子であるアミノトリアジニル基含有化合物、例えば2,4−ジアミノ−6−エテニル−1,3,5−トリアジン(エチレンカルボグアナミン)、2,4−ジアミノ−6−(1−メチルエテニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(1−プロペニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(3−ブテニル)−1,3,5−トリアジン、上記した化合物のアミノ基の一部又は全部が置換されたN−モノ置換誘導体、N−ジ置換誘導体、N−トリ置換誘導体、N−テトラ置換誘導体、例えば2―アミノ−4−メチルアミノ−6−エテニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)−6−エテニル−1,3,5−トリアジン、2―アミノ−4−ジメチルアミノ−6−エテニル−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−(フェニルアミノ)−6−エテニル−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−(2−モルホリノエチルアミノ)−6−エテニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(ジメトキシメチルアミノ)−6−エテニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(ジn−ブトキシメチルアミノ)−6−エテニル−1,3,5−トリアジン、N,N’−ビス(4−アミノ−6−エテニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)メチレンジアミン、N,N’−ビス(4−メトキシメチルアミノ)−6−エテニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)メチレンジアミン、N,N’−ビス[4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−6−エテニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]メチレンジアミン、2−アミノ−4−エチルアミノ−6−(1−メチルエテニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(iso−プロピルアミノ)−6−(1−メチルエテニル)−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−6−(1−メチルエテニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)−6−(1−メチルエテニル)−1,3,5−トリアジン、2−メトキシメチルアミノ−4−ジメトキシメチルアミノ−6−(1−メチルエテニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(ジn−ブトキシメチルアミノ)−6−(1−メチルエテニル)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ビス[4−アミノ−6−(1−メチルエテニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]メチレンジアミン、N,N’−ビス[4−メトキシメチルアミノ−6−(1−メチルエテニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]メチレンジアミン、N−(4−アミノ−6−エテニル−1,3,5−トリアジン−2−イル),N’−[4−アミノ−6−(1−メチルエテニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]メチレンジアミン、2−アミノ−4−メトキシメチルアミノ−6−(1−プロペニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(メチルアミノ)−6−(1−プロペニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)−6−(1−プロペニル)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ビス[4−アミノ−6−(1−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]メチレンジアミン、2−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−6−(2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(n−ブトキシメチルアミノ)−6−(2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン、N−(4−アミノ−6−エテニル−1,3,5−トリアジン−2−イル),N’−[4−アミノ−6−(2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]メチレンジアミン、2−アミノ−4−ジメチルアミノ−6−(3−ブテニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)−6−(3−ブテニル)−1,3,5−トリアジン、式(2)で表されるアミノトリアジニル基含有化合物のうちアミノ基の結合種の少なくとも1つが水素原子である化合物とアルデヒド類との付加縮合物、更にアルコール類とエーテル化反応せしめて得られるエーテル化縮合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
尚、かかるアミノトリアジニル基含有化合物において、式(2)で表される化合物及びこれらの化合物とアルデヒド類の付加縮合物は、これらの化合物が入手し易いこと、反応、取扱いが容易であること等の優れた点を有するため特に好ましい。
本発明に係わるアミノトリアジニル基含有化合物[式(2)]において、R2、R3、R4及びR5は水素原子及び炭素数1個以上を有する基からなる群より選ばれる種であり、R2、R3、R4及びR5は同じ種でも異なった種でもよく、その個数、位置等は特に制限されるものではないが、かかる炭素数1個以上を有する基としては、炭素数1個以上を有し水酸基、エステル基、エーテル基、カルボキシル基、カルボニル基、アミド基、イミド基、ニトロ基、スルホン酸基、スルホン酸アミド基、アミノ基、イミノ基、不飽和基等の官能基、分枝鎖等を有することもある脂肪族基、脂環族基、芳香族基、複素環族基が有用である。
かかる具体例としては、例えば水素原子、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、2−エチルヘキシル、オクタデシル、アリル、オレイル、4−メチルシクロヘキシル、フェニル、o−トリル、α−ナフチル、ベンジル、β−フェネチル、o−メトキシカルボニルフェニル、p−エトキシカルボニルフェニル、メトキシメチル、ブトキシメチル、ステアリルオキシメチル、4−メトキシフェニル、テトラヒドロフルフリル、2−(1−ピペラジニル)エチル、2−(ピペラジノ)エチル、2−(モルホリノ)エチル、2−(1−ピロジニル)エチル、2−ピリジニル、メチロール、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、12−ヒドロキシドデシル、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−プロペニル、1−(2−ヒドロキシエチル)−4−オキサヘキシル、4−ヒドロキシシクロヘキシル、4−ヒドロキシフェニル、4−(ヒドロキシメチル)フェニル、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル、3−ヒドロキシピリジン−2−イル、8−ヒドロキシキノリン−4−イル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に係わるアミノトリアジニル基含有化合物[式(2)]の具体例としては、2,4−ジアミノ−6−エテニル−1,3,5−トリアジン(エチレンカルボグアナミン)、このN−モノ(ジ/トリ/テトラ)置換−エチレンカルボグアナミン類、例えばN−ヒドロキシメチル−エチレンカルボグアナミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−エチレンカルボグアナミン、N−(5−ヒドロキシ−3−オキサペンチル)−エチレンカルボグアナミン、N−メトキシメチル−エチレンカルボグアナミン、N−ブトキシメチル−エチレンカルボグアナミン、N−ステアリロキシメチル−エチレンカルボグアナミン、N−エチル−エチレンカルボグアナミン、N−オクチル−エチレンカルボグアナミン、N−シクロヘキシル−エチレンカルボグアナミン、N−フェニル−エチレンカルボグアナミン、N−(2−モルホリノエチル)−エチレンカルボグアナミン、式(2)で表される化合物とアルデヒド類との付加縮合物、更にアルコール類とエーテル化反応せしめて得られるエーテル化縮合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記した式(2)で表されるN−置換アミノトリアジニル基含有化合物及びこれらの縮合物の製造に用いられるアルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、パラホルム、ヘキサメチレンテトラミン、メチルヘミホルマール、ブチルヘミホルマール、ホルムアルデヒド重亜硫酸ソーダ付加物等のホルムアルデヒド類、グリオキザール、アセトアルデヒド、トリメチロールアセトアルデヒド、アクロレイン、ベンズアルデヒド、フルフラール、フタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド等が挙げられ、好ましくはホルムアルデヒド類、グリオキザール、より好ましくはホルムアルデヒド水溶液、パラホルムであるが、これらに限定されるものではない。又、アルデヒド類の使用量は、上記したアミノトリアジル基含有化合物[式(2)]及び場合により用いられる共縮合可能な化合物からなるアミノ化合物1モルに対して、通常0.5〜20モル、より好ましくは0.7〜10モルである。
又、これらの縮合物の製造においてエーテル化反応させるのに用いられる上記アルコール類としては、炭素数1〜20個を有する飽和又は不飽和脂肪族アルコール、脂環族アルコール、エーテル基を有するアルコール、芳香族基を有するアルコール等が有用であり、例えばメチルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、ter−ブチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、n−ノニルアルコール、n−オクタデシルアルコール、n−エイコシルアルコール、シクロヘキシルアルコール、シクロヘキセニルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に係わる縮合物におけるアミノトリアジニル基含有化合物[式(2)]の使用比率は、所望の性能により適宜選定することができるが、樹脂類への溶解性、分散性が良好であり且つ優れた難燃性、熱安定性、相溶性、添加剤との混和性、表面改質性、被覆性、接着性、染色性、電気特性、成形性、耐溶剤性、耐候性、耐衝撃性、耐摩耗性等を有する改質された樹脂類を得るためには、上記したアミノトリアジニル基含有化合物[式(2)]及び場合により用いられる共縮合可能な化合物からなるアミノ化合物中40重量%以上の量であることが好ましく、更には60重量%以上であることがより好ましい。
更に、これらの縮合物の製造において、上記した如く場合により共縮合可能な化合物を用いることができるが、かかる共縮合可能な化合物としては、例えばメラミン、N−メチルメラミン、N−(2−ヒドロキシエチル)メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミン、ノルボルナンカルボグアナミン、ノルボルネンカルボグアナミン、ctu−グアナミン、アジポグアナミン、ジシアンジアミド、尿素、アルキル尿素、チオ尿素、アルキルチオ尿素、グアニジン、ウレタン、フェノール、p−メチルフェノール、ノニルフェノール、レゾール、アニリン、テトラメチレンジアミン、フルフラール、フルフリルアルコール、p−トルエンスルホン酸アミド、o−トルエンスルホン酸アミド、ベンゼンスルホン酸アミド、テトラリンスルホン酸アミド、カルボン酸アミド、スルフリルアミド、ジアミド窒化リン低重合体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。かかる化合物の使用量は、本発明に係わるアミノトリアジニル基含有化合物[式(2)]を用いる意義を損なわない範囲であればよく、アミノ化合物中60重量%未満の量であることが好ましい。
上記したアミノトリアジニル基含有化合物[式(2)]のN−メチロール化物類は、例えば溶媒中、必要により塩基性化合物の存在下で、pH8.0〜13.0、好ましくはpH8.5〜11.5、反応温度30℃以上、好ましくは40〜80℃の条件下にて行う時、反応は急速に且つ円滑に進み、上記に少なくとも1個のHOCH基を有する化合物を得ることができるが、更に、高度にメチロール化されたNーメチロール化物を得る場合には、水、アルコールの量を低減させて行うと、高純度で且つ収率よく得ることができるが、過度に低減を行うと攪拌効果の低下、反応温度の不均一化等を招き、円滑な反応を阻害する為好ましくなく、かかる反応を円滑に行わしめる為、水と実質的に不溶であり反応を阻害しない溶媒、例えば芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、脂肪族エーテル等の存在下に行う方法、アミン類、例えば脂環族アミン、脂肪族アミン、芳香族アミン、アンモニア等の助剤を、アルデヒド類に対し0.01〜10モル%添加して行う方法等が有用であるが、場合により適宜選定することができ、これらの方法に限定されるものではない。
上記したアミノトリアジニル基含有化合物[式(2)]のエーテル化物類は、例えば、上記で得られるN−メチロール化物をpH2〜4の酸性条件下に40〜80℃の温度で、エーテル化反応を行わしめる上記したアルコール類存在下にて1〜8時間反応させることにより得ることができるが、特に反応系中の水分量をできるかぎり低減させ、反応仕込モル比をN−メチロール化物1モルに対し上記したアルコール類を10モル以上にて行うことが好ましい。
又、本発明に係わる縮合物を得る方法は、特に制限されるものではないが、上記したアミノ化合物とアルデヒド類を、水、アルコール類、芳香族化合物類等の1種又は2種以上の溶媒を用いて攪拌混合した混合液を、pH8.0以下あるいはpH13.0以上の条件下に40〜100℃の温度にて反応を行なわしめることにより得ることができる。
更に、上記したエーテル化縮合物は、例えば上記の方法で得られるN−メチロール化物又はこれらの縮合物をpH1.0〜5.0の酸性条件下に50〜120℃の温度にてエーテル化反応を行なわしめる上記したアルコール類存在下にてエーテル化反応あるいはエーテル化反応と縮合反応を同時に行なわしめることにより得ることができるが、これらの方法に限定されるものではない。
かかる縮合物の数平均重合度は、1より大きいものであれば有用であり、改質された樹脂類の用途等により適宜選定することができるが、かかる縮合物の入手し易さ、取扱い易さ、改質反応のし易さ等の点から、通常20以下であり、好ましくは10以下である。
又、上記したアミノトリアジニル基含有化合物式[(2)]及びこれらの縮合物、更にはエーテル化縮合物を、硬化剤、例えば鉱産類、カルボン酸類、スルホン酸類、これらのアンモニウム塩、金属と硝酸、硫酸、リン酸等の酸との水溶性金属塩の製造条件下でプロトンを放出、あるいは形成する化合物等を用いて、縮合度を大きくした縮合物、硬化物、ポリマー微粒子等も同様に有用である。
本発明の製造法において、上記したアミノトリアジニル基含有化合物の樹脂類に対する使用量は、使用目的等により適宜選定することができるが、通常樹脂類に対して、0.01重量%以上、好ましくは0.01〜60重量%、更に好ましくは0.01〜40重量%である。かかるアミノトリアジニル基含有化合物を大量に使用した場合においても、改質された樹脂類の着色、分子量の著しい低下等による物性の低下、変質が極めて惹起し難い為、広範囲に極めて有用である。
本発明に係わる改質された樹脂類の製造法は、樹脂類と上記したアミノトリアジニル基含有化合物とを温度250℃〜450℃の範囲で反応せしめて行なわれるが、かかる反応の温度範囲は、使用されるアミノトリアジニル基含有化合物の種類により多少異なるが、上記した(イ)〜(ハ)項記載のアミノトリアジル基含有化合物を用いるとき、温度250℃〜450℃の範囲で反応せしめて行われ、好ましくは温度255℃〜400℃、更に好ましくは温度260℃〜400℃の範囲である。250℃より低い場合には、反応が著しく遅く、反応収率が著しく低く、かかる化合物が樹脂類中に未反応物として混合物、組成物のかたちで多量に残存し、本発明に係わる改質された樹脂類の優れた性能等が極めて得難いばかりでなく、成形時に昇華、ブリード等が発生し易い、経時に伴うブリード、消失等が生じ易い、分散、混和性不良が発生し易い等の為、かかる樹脂類の物性、特性の低下等を著しく惹起し易い為好ましくない。又、上限温度については樹脂類の劣化等が惹起し難い範囲の温度であればよく、通常、450℃、好ましくは400℃以下の温度である。
又、上記した反応は、溶媒存在下あるいは不存在下にて行うことができ、原料、製造条件等により溶媒を適宜選定して用いることができるが、溶媒不存在下にて行うことが好ましい。
かかる反応方法は、特に制限はなく、バッチ式反応系、連続式反応系等いずれの形態でもよく、公知の溶液法、溶融法、樹脂類の加工工程等で反応せしめる方法(リアクティブプロセシング)等が適用可能であり、場合により適宜選定することができるが、かかる樹脂類と上記したアミノトリアジニル基含有化合物とを、溶媒を存在させずに窒素雰囲気下、混練機、例えば単軸、二軸スクリュー等の押出機、加熱ロール、バンバリミキサー、ニーダー等にて混練し、反応を行った後あるいは反応を行いながら押出す方法は、極めて短時間かつ複雑な工程を要せずに1段階の押出処理等で行うことができ、連続一貫して改質された樹脂類を得ることができる等の点に優れている為に、好ましい。
又、上記した反応の系は、常圧下あるいは密閉容器中にて自然発生圧力下、加圧下あるいは減圧下にて行うことができ、必要により適宜選定することができる。かかる反応は、改質された樹脂類中に物性等を著しく損なう分解物、未反応物等を殆ど含有しないこと、反応の系中にシクロペンタジエン等の副生ガスの発生が殆どないこと等の優れた特徴を有し、煩雑な除去工程、排気工程等を必要とせず、極めて簡便に且つ安全に改質された樹脂類の製造を行うことができる。
更には、かかる製造法において、反応触媒、開始剤等の添加を要しないが、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化ジクミル等の有機過酸化物を開始剤として場合により添加し用いることもでき、本発明の意義を損なわない範囲で適宜選定することができる。しかしながら、かかる開始剤を用いる時、かかる樹脂類の分子量の低下等による機械的性質、電気的特性等の性能の低下、熱劣化、変色、変質、耐熱性、熱安定性の低下等を惹起しやすい欠陥を有する為、これらの使用は著しい制約を有し、用いないことが好ましい。本発明の製造法は、かかる開始剤等の添加を要せずに樹脂類の改質を行うことができ、これらの欠陥を有さない為極めて優れたものである。
本発明に係わる樹脂類としては、炭化水素基を含有する樹脂類であればいずれも有用であり、かかる樹脂類の分子量は、樹脂、ゴム類の如き高分子量材料のものからワックス類、油類の如き低分子量材料のものまで、更に溶融粘度、ムーニー粘度は高粘度材料から低粘度材料のものまで有用であり、使用目的に応じて適宜選択することができる。かかる改質された樹脂類の製造法は、かかる樹脂類の製造時に導入結合させることが難しい官能基、官能基量を導入結合させ改質を行うことができるため、樹脂、ゴム類の如き高分子材料、官能基を含有しない樹脂類、例えばポリオレフィン樹脂、EPゴム、EPDM、EOR等のオレフィン系熱可塑性エラストマー、炭化水素系合成ワックス、炭化水素油等には、特に有用である。
本発明に係わる樹脂類としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム類、これらのブレンド品、ブロック共重合体、グラフト共重合体、ゴム変性重合体等の変性された樹脂、天然樹脂、ワックス類、油類等が有用である。
かかる樹脂類の具体例としては、樹脂、例えばポリスチレン、スチレンと他の単量体[例えば無水マレイン酸、α−メチルスチレン、ブタジエン、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル等]との二元、三元共重合体、ゴム変性ポリスチレン、ゴム変性スチレン−アクリロニトリル共重合体、ゴム変性スチレン−無水マレイン酸等のポリスチレン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチン、ポリ−3−メチルブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、EPDM等のポリオレフィン樹脂、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン612、共重合ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフテレート、ポリブチレンテレフトレート等の飽和ポリエステル樹脂、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、これらの末端がキャップされたポリフェニレンエーテル樹脂、これらをスチレン樹脂、ポリアミド樹脂等により変成した樹脂等のポレフェニレンエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、塩化ビニルと他の単量体[例えば酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、スチレン、イソブチレン、塩化ビニリデン、無水マレイン酸、アクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン、塩素化プロピレン、(メタ)アクリル酸エステル等]との二元、三元共重合体、ポリ臭化ビニル、臭素化ポリエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、四フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミドイミド、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォン樹脂、ポリアミンサルフォン、ポリカーボネート、液晶(ポリエステル)ポリマー、環状ポリオレフィン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂及びこれらの樹脂のブレンド品、ブロック共重合体、グラフト共重合体、ゴム変性重合体等の熱可塑性樹脂、ジアリルフタレート、ジアリル−2,6−ナフタレンカルボキシレート等のジアリルフタレート樹脂、マレイン酸(フマル酸)含有ポリエステル−スチレン系樹脂等の不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、アミノ系樹脂及びこれらの樹脂のブレンド品、ゴム類等により変性された樹脂等の熱硬化性樹脂、石油樹脂、DCPD樹脂、セルロース粉末、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリグルタミン酸、ポリテルペン等の天然樹脂、これらの変性樹脂等が挙げられる。
更に、かかる樹脂類の具体例として、ゴム類、例えばSBR、BR、IR、EPゴム、EPDMゴム、NBR、EOR、クロロプレンゴム、IIR,ウレタンゴム、シリコーンンゴム、多硫化ゴム、水素化ニトリルゴム、ポリエーテル系ゴム、フッ素ゴム、四フッ化エチレン・プロピレンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、プロピレンオキサイドゴム、エチレン・アクリルゴム、液状ゴム、ノルボルネンゴム、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー等の合成ゴム、天然ゴム等、ワックス類、例えばパラフィンワックス、ミクロクリスタリンワックス、ポリエチレン系ワックス、ポリプロピレン系ワックス、フィッシャートロプシュワックス等の合成ワックス、カルナバロウ、カンショロウ、パームロウ、木ロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、モンタンワックス等の天然ワックス等、油類、例えば炭化水素油、シリコーンオイル、潤滑油、天然油脂、更には、これらのブレンド品、変性品等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の製造法により、樹脂類に各種の官能基を導入することができる為、上記の方法で得られた改質された樹脂類を用いて更に変性反応を行い改質を進めることも有用である。式(2)で表されるアミノトリアジル基含有化合物を用いて得られる改質された樹脂類は、反応性に優れた活性アミノ基を有し、アルデヒド類、カルボン酸(無水物)類、イソシアナート類、有機ハロゲン化物、有機酸ハロゲン化物、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキサゾリン類、シラン類、シランカップリング剤等との変性反応により改質を進めることができ、各種の優れた材料を提供することができ好ましい。
B.本発明に係わる樹脂類の難燃化方法において、上記した(イ)〜(ハ)項記載の改質された樹脂類からなる改質樹脂類の使用量は、樹脂類中の全量あるいは部分量でもよく適宜選定することができるが、かかる樹脂類中にトリアジン核の重量として2〜40重量%であり、好ましくは4〜30重量%の量である。2重量%未満の場合は十分な難燃性改良効果が得難く、40重量%を越える場合には、この樹脂類の成形性が不良になったり、樹脂類の劣化が起こる等により物性の低下をきたし好ましくない。
上記した樹脂類の難燃化方法においては、リン単体及びリン原子を含有する化合物からなる群から選ばれたリン類を本発明に係わる改質樹脂類とともに樹脂類に包含せしめて用いる時、難燃性効果を一層向上させるという相乗効果を付与することができ、特に好ましい。これは、難燃材料表面において比較的揮発性が低い難燃性皮膜の形成をより容易にするばかりでなく、チャー生成をより一層促進させてチャー層を増加させ、燃焼表面への酸素に拡散の防止、材料部から可燃性ガスの発生の抑制、材料部への熱伝導の減少等の働きによりかかる優れた相乗効果を生ずるものと思われる。
かかるリン類としては、例えば赤リン等のリン単体、リン酸、ポリリン酸、亜リン酸、ホスホン酸、リン酸塩、ポリリン酸塩、亜リン酸塩、ホスホン酸塩等のリン系酸類、リン酸トリエステル、ポリリン酸エステル、酸性リン酸エステル及びこれらの塩等のリン酸エステル類、亜リン酸トリエステル、亜リン酸ジエステル等の亜リン酸エステル類、ホスホン酸エステル、酸性ホスホン酸エステル及びこれらの塩等のホスホン酸エステル類、ホスフィン、ホスフィンオキサイド、ホスホニウム塩等のホスフィン類、更にはジアルキルチオリン酸及びこれらの塩等の含硫黄リン化合物等が有用であるが、これらに限定されるものではない。
かかるリン系酸類としては、例えばリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸、亜リン酸、ホスホン酸等の酸、更に、これらをアンモニア、アミン、アルカリ金属、アルカリ土類金属等塩基により一部又は全部を中和して得られる塩、リン酸アンモニウム、リン酸エチレンジアミン塩、リン酸ソーダ、リン酸カルシウム、ピロリン酸メラミン塩、ピロリン酸ソーダ、トリポリリン酸アンモニウム、トリポリリン酸ソーダ、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸ソーダ、亜リン酸アンモニウム、亜リン酸カルシウム、ホスホン酸アンモニウム等が挙げられ、一般式(NHm+23m+1(式中、mは5より大きい整数を示す)で表されるポリリン酸アンモニウムが好ましいが、これらに限定されるものではない。
上記した一般式(NHm+23m+1(式中、mは5より大きい整数を示す)で表されるポリリン酸アンモニウムにおいて、難燃性効果、樹脂類の物性等の点から、mは水溶解性を小さくするために十分に大きいことが好ましく、mが50より大きい整数である塩が特に好ましく、実際上メタホスフェート(NHPOに対応するものである。
かかるポリリン酸アンモニウムの例としては、商品名「エキソリット(Exolit)263」、「エキソリット(Exolit)422)」(ヘキスト社製)、商品名「ホスチェック(Phoscheck)P/30」(モンサント・ケミカル・カンパニー製)等が挙げられる。
かかるリン酸エステル類としては、例えばトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリラウリルホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリス(ブトキシエチル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレンジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、イソプロピルジフェニルフォスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、ステアリルジフェニルホスフェート、オレイルジフェニルホスフェート、ブチルジクレジルホスフェート、ラウリルジクレジルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニル)ホスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニル)ホスフェート、ビスフェノールAビス(ジクレジル)ホスフェート、ジフェニル−2−メタクロイルオキシエチルホスフェート、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート等のリン酸トリエステル、モノ/ジメチルアシッドホスフェート、モノ/ジエチルアシッドホスフェート、モノブチルアシッドホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルホスフェート、モノ/ジラウリルアシッドホスフェート、モノ/ジステアリルアシッドホスフェート、モノ/ジオレイルアシッドホスフェート、モノ/ジ2−クロロエチルアシッドホスフェート、モノ/ジブトキシエチルアシッドホスフェート、エチレングリコールアシッドホスフェート、ジプロピルピロホスフェート、モノ/ジフェニルアシッドホスフェート、モノ/ジクレジルアシッドホスフェート、モノ/ジキシレニルアシッドホスフェート等の酸性リン酸エステル、ジメチルホスフェート・アンモニウム塩、エチルホスフェート・アンモニウム塩、ジn−ブチルホスフェート・アンモンニウム塩、ジブトキシエチルホスフェート・トリエタノールアミン塩、ジオクチルホスフェート・モルホリン塩、モノn−ブチルホスフェート・ソーダ塩、ジフェニルホスフェート・アンモニウム塩、ジフェニルホスフェート・メラミン塩、ジフェニルホスフェート・ピペラジン塩、フェニルホスフェート・アンモニウム塩、ジクレジルホスフェート・エチレンジアミン塩、クレジルホスフェート・ソーダ塩、ジキシレニルホスフェート・メラミン塩等の酸性リン酸エステルのアンモニア、アミン、メラミン、アルカリ金属、アルカリ土類金属塩等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
かかる亜リン酸エステル類としては、例えばトリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオレイルホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ジノニルフェニルホスファイト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、フェニルジイソオクチルホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、ポリ(ジプロピレングリコール)フェニルホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニル・4,4’−イソプロピリデンジフェニルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルホスファイト、水添ビスフェノールA・ホスファイトポリマー、ペンタエリスリトール・水添ビスフェノールA・トリフェニルホスファイト重合物、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)1,4−シクロヘキサンジメチレンホスファイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス[4,4’−n−ブチリデンビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)]1,6−ヘキサンジオールホスファイト、テトラ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2’−メチル−5’−t−ブチル−4’−オキシフェニル)ブタンジホスファイト等の亜リン酸トリエステル、ジメチルハイドロジェンホスファイト、ジブチルハイドロジェンホスファイト、ジ(2−エチルヘキシル)ハイドロジェンホスファイト、ジラウリルハイドロジェンホスファイト、ジオレイルハイドロジェンホスファイト、ジフェニルハイドロジェンホスファイト等の亜リン酸ジエステル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
かかるホスホン酸類としては、例えばメチルホスホン酸ジメチル、エチルジエチルホスホノアセテート、ビニルホスホン酸ビス(2−クロロエチル)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホン酸ジエチル、ブチルホスホン酸ジブチル、ヒドロキシメチルホスホン酸ジ−2−エチルヘキシル、2−エチルヘキシルホスホン酸ジ−2−エチルヘキシル、フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸ジアリル、フェニルホスホン酸ジオクチル、フェニルホスホン酸ジナフチル等のホスホン酸ジエステル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ2−エチルヘキシル、フェニルホスホン酸モノオクチル等の酸性ホスホン酸エステル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ2−エチルヘキシルアンモニウム塩、フェニルホスホン酸モノオクチル・トリエタノールアミン塩、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ2−エチルヘキシル・メラミン塩、フェニルホスホン酸モノオクチル・ソーダ塩等のホスホン酸エステル塩等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
かかるホスフィン類としては、例えばトリエチルホスフィン、トリn−オクチルホスフィン、トリス(2−シアノエチル)ホスフィン、トリス(3−ヒドロキシルプロピル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリp−トリルホスフィン、トリ(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、9−ホスファビシクロ[3.3.1],[4.2.1]ノナン(混合物)、ビス(1,2−ジフェニルホスフィノ)エタン、ビス(1,4−ジフェニルホスフィノ)ブタン、ジフェニル−p−スチリルホスフィン、ジフェニルホスフィナスクロライド、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン等のホスフィン、トリエチルホスフィンオキサイド、トリn−オクチルホスフィンオキサイド、トリス(2−シアノエチル)ホスフィンオキサイド、トリス(3−カルボキシルエチル)ホスフィンオキサイド、トリス(3−ヒドロキシルプロピル)ホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド、テトラn−ブチルホスホニウムブロマイド、トリn−ブチルアリルホスホニウムブロマイド、エチレンビストリス(2−シアノエチル)−ホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、トリn−オクチルエチルホスホニウムブロマイド、テトラnーブチルホスホニウムO,O−ジエチルホスホロジチオエート、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムサルフェート、テトラn−ブチルホスホニウムヨーダイド、エチルトリフェニルホスホニウムヨ−ダイド、トリエチルベンジルホスホニウムクロライド、テトラn−ブチルホスホニウムクロライド、トリn−ブチルテトラデシルホスホニウムクロライド、トリス(2−シアノエチル)アリルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムクロライド等のホスホニウム塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
かかる含硫黄リン化合物としては、例えばジメチルホスフォロジチオエート、ジn−プロピルホスフォロジオエート、ジエチルホスフォロジチオエート・アンモニウム塩、ジn−プロピルホスフォロジチオエート・メラミン塩、ジメチルホスフォロジチオエート・ソーダ塩、トリラウリルトリチオホスファイト、トリス(ラウリル−2−チオエチル)ホスファイト、ジフェニル・ビス[4,4’−n−ブチリデンビス(2−t−ブチル−5−メチルフェニル)]チオジエタノールジホスファイト、トリフェニルホスフィンサルファイド、トリス(2−シアノエチル)ホスフィンサルファイド、トリn−ブチルホスフィンサルファイド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に係わるリン類の使用量は、かかる樹脂類に対し5〜40重量%であり、好ましくは10〜30重量%である。使用量が、5重量%未満の場合には、難燃性改良の相乗効果が十分でなく、一方、40重量%を超える場合は、物性の低下を惹起する等の影響がでるため実用的に好ましくない。
又、かかるリン類は、かかる樹脂類中に上記した改質樹脂類の成分と別々に存在していても、あるいは、これらの一部又は全部が上記した改質樹脂類と塩類を形成して含有していてもよい。塩類、例えばリン酸、ポリリン酸、亜リン酸、ホスホン酸、酸性ポリリン酸アンモニウム、酸性リン酸エステル、酸性ホスホン酸エステル等の上記した改質樹脂類との生成塩等の態様で含有している場合には、難燃性向上の相乗効果がより優れ好ましい。
又、上記した改質樹脂類は、特定のイソシアヌル酸類および/又はシアヌル酸類と併用し樹脂類に含有せしめて樹脂類の難燃化方法として用いる時、かかる樹脂類の難燃性を一層向上させることができ、好ましい。
すなわち、かかる特定のイソシアヌル酸類及びシアヌル酸類としては、式(3)
Figure 0004513096

(式中、R6、R7及びR8は、水素原子、炭素数1〜3個を有するアルキル基、炭素数1〜3個を有するオキシアルキル基、フェニル基又はグリシジル基を示し、R6、R7及びR8は同種でも異なった種でもよい)で表されるイソシアヌル酸類、及び式(4)
Figure 0004513096

[式中、R6、R7及びR8は、式(3)と同じ意味を示す]で表されるシアヌル酸類が挙げられる。
本発明に係わるイソシアヌル酸類は、式(3)で表される化合物であり、R6、R7及びR8は、水素原子、炭素数1〜3個を有するアルキル基、炭素数1〜3個を有するオキシアルキル基、フェニル基又はグリシジル基からなる群より選ばれる1種であり、R6、R7及びR8は同種でも異なった種でもよく、かかるイソシアヌル酸類の具体例としては、例えばイソシアヌル酸、メチルイソシアヌレート、トリメチルイソシアヌレート、トリエチルイソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、フェニルイソシアヌレート、ジフェニルイソシアヌレート、トリフェニルイソシアヌレート、ジメチルフェニルイソシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
又、本発明に係わるシアヌル酸類は、式(4)で表される化合物であり、R6、R7及びR8は式(3)と同じ意味を示し、R6、R7及びR8は同種でも異なった種でもよく、かかるシアヌル酸類の具体例としては、例えばシアヌル酸、メチルシアヌレート、トリメチルシアヌレート、トリエチルシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)シアヌレート、フェニルシアヌレート、ジフェニルシアヌレート、トリフェニルシアヌレート、ジメチルフェニルシアヌレート、トリグリシジルシアヌレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に係わるイソシアヌル酸類およびシアヌル酸類合計量の使用比率(トリアジン核当量比)は、上記した改質樹脂類中のトリアジン核当量比に対し0.01〜5、好ましくは0.1〜3であり、使用比率が0.01より少ない場合には併用効果が十分でなく、一方、5を超える場合は、物性の低下を惹起する等の影響がでるため実用的に好ましくない。
又、かかるイソシヌル酸類およびシアヌル酸類は、かかる樹脂類中に上記した改質樹脂類の成分と別々に存在し含有していても、あるいは、これらの一部又は全部を上記した改質樹脂類と塩類を形成、反応させて含有していてもよい。塩類、例えばイソシアヌル酸と上記した改質樹脂類との生成塩、反応物、例えばトリグルシジルシアヌレートと上記した改質樹脂類との反応物等を形成し含有している場合には、難燃性効果、耐熱性等がより優れ好ましい。
かかる塩類としては、例えば予め上記したイソシアヌル酸、上記した改質樹脂類を溶媒存在下/不存在下にて溶解又は分散させ加熱反応させて得られる塩等が有用であり、上記した改質樹脂類中のトリアジン核に対しイソシアヌル酸を等当量あるいは数倍当量反応させて得られる塩、これらの反応塩混合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
又、上記した改質樹脂類は、アミノ基含有化合物と併用し材料に含有せしめて樹脂類の難燃化方法として用いる時、かかる材料の難燃性を一層向上させることができ、好ましい。
かかるアミノ基含有化合物は、炭素数2個以上の脂肪族基、脂環族基、芳香族基、複素環族基を有するものであるが、好ましくは炭素数2個以上の脂肪族基、脂環族基、複素環族基を有するものであり、更に好ましくは、
Figure 0004513096
を有する化合物、ジシアンジアミド、グアニジン及びこれらとホルムアルデヒド等のアルデヒド類あるいはエポキシ化合物との反応物である。
かかるアミノ基含有化合物の具体例としては、例えば1,2−エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノプロパン、1,4−ブチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリアルキレンポリアミン、シクロヘキシルアミン、シクロヘキシルジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、アニリン、ベンジルアミン、フルフリルアミン、N−(3−アミノプロピル)モルホリン、N−(2−アミノエチル)モルホリン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(3−アミノプロピル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、N,N’−ビス(2−アミノエチル)ピペラジン、ジシアンジアミド、グアニジン、尿素、ポリアミド樹脂、これらとホルムアルデヒド等のアルデヒド類との反応物、例えばエチレンジアミン−ホルムアルデヒド(1/1)反応物、ピペラジン−ホルムアルデヒド(1/1)反応物、ペンタメチレンヘキサミン、これらの塩等が挙げられるが、これらに限定されるものでない。
本発明に係わるアミノ基含有化合物の使用量は、かかる樹脂類に対し0.01〜10重量%であり、好ましくは0.05〜5重量%である。使用量が0.01重量%未満の場合には、難燃性改良の相乗効果が十分でなく、一方、10重量%を越える場合には物性の低下を惹起する影響がでるため実用的に好ましくない。更に、本発明に係わる樹脂類の難燃化方法において、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、光安定化剤等の添加剤を併用することにより、かかる樹脂類の熱安定性等を向上させることもでき、使用目的に応じて適宜選択することができる。
かかるフェノール系酸化防止剤としては、公知の化合物、例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール系化合物、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のビスフェノール系化合物、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル等の高分子型フェノール系化合物が挙げられる。これらの使用量は、かかる樹脂類に対して0.001〜2.0重量%であり、好ましくは0.05〜1.0重量%である。
かかるアミン系酸化防止剤としては、公知の化合物、例えばフェニル−1−ナフチルアミン、フェニル−2−ナフチルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキシキノリン、ジオクチルイミノジベンジル、ジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、オクタデシルジエタノールアミン、N,N’−ジフェニルエチレンジアミン、トリエチルテトラミン、トリデシルアミンの酸化エチレン4モル付加物、ヘキサデシルアミンの酸化エチレン20モル付加物等が挙げられる。この使用量は、かかる樹脂類に対して0.02〜5.0重量%である。
かかる硫黄系酸化防止剤としては、公知の化合物、例えばジラウリル−3,3’−チオ−ジ−プロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオ−ジ−プロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオ−ジ−プロピオネート、2−メチルメルカプトベンゾイミダゾール、ペンタエリスリトール−テトラキス(β−ラウリル−チオプロピオネート)等が挙げられる。この使用量は、かかる樹脂類に対して0.01〜4.0重量%であり、好ましくは0.05〜2.0重量%である。かかる光安定剤としては、公知の化合物、例えばベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾエート系化合物、蓚酸アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物、有機ニッケル系化合物、ヒンダードアミン系化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
更には、造核剤、例えば4−t−ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸等、金属不活性化剤、例えばオキザニリド、ジカルボン酸ジヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド等、遊離基促進剤、例えば2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン[商品名インタロックスCC DFB(ペロキシド・ケミー・G.m.b.H製造)]、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン[商品名インタロックスCC DFH(ペロキシド・ケミー・G.m.b.H製造)]、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルヘキサン等を適宜選択して用いることができる。
本発明に係わる樹脂類の難燃化方法において、かかる樹脂類の製造法には特に制限はなく、通常かかる樹脂類に粉末状添加物を混合する際に用いられる製造法が適用可能である。例えば、熱可塑性樹脂等の場合、樹脂のペレットあるいはパウダーと添加剤を常温で予め混合した後、押出機、加熱ロール、ニーダー等を用い溶融混合し成形する製造法、添加剤を高濃度に含む樹脂類を予め製造しておき、これと通常の樹脂類を溶融混練後成形する製造法等、また熱硬化性樹脂等の場合、硬化前のモノマー、プレポリマーあるいはこれらに補強材料を添加してなるドープ、コンパウンド中に、本発明に係わる必須成分を添加し混練後成形する製造法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に係わる樹脂類の難燃化方法において、本発明の効果を損なわない範囲において、他の添加剤、例えば、可塑剤、染顔料、分散剤、有機キレート化剤、安定剤、発泡剤、防曇剤、艶消し剤、表面処理剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、三酸化アンチモン、メタホウ酸バリウム、二酸化ジルコニウム、酸化鉛、ホウ酸亜鉛、水酸化アルミニウム、硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム等のアンモニウム塩、塩化シアヌル/アミン類の反応物、メラミン誘導体等のトリアジン核含有化合物等公知の難燃剤、難燃助剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩、ビスアミド等の滑剤、スルホン酸類、第四アンモニウム塩、多価アルコールエステル、アルキルアミド、アルキルアミン、導電性カーボンブラック等の帯電防止剤、ガラス繊維、炭素繊維等の補強材、タルク、クレー、焼成クレー、雲母、ケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、二硫化モリブデン、グラファイト等の充填剤、造核剤、加工助剤、離型剤、他の重合体等を必要に応じて包含させることができる。本発明の樹脂類の難燃化方法においては、リン単体及びリン原子を含有する化合物からなるリン類より選ばれる少なくとも1種を成分として含有せしめることが好ましく、リン類としては、赤リン、リン酸、ポリリン酸、亜リン酸、ホスホン酸、リン酸塩、ポリリン酸塩、亜リン酸塩、ホスホン酸塩、リン酸エステル類、亜リン酸エステル類、ホスホン酸エステル類、ホスフィン類及び含硫黄リン化合物であることがより好ましく、ポリリン酸塩が、一般式(NHm+23m+1(式中、mは5より大きい整数を示す)で表されるポリリン酸アンモニウムであることが更に好ましい。また、式(3)及び(4)で表されるイソシアヌル酸類及びシアヌル酸類より選ばれる少なくとも1種を成分として含有することが好ましい。
又、アミノ基含有化合物より選ばれる少なくとも1種を成分として含有することが好ましく、アミノ基含有化合物が、
Figure 0004513096
を有する化合物、ジシアンジアミド、グアニジン及びこれらとアルデヒド類又はエポキシ化合物との反応物であることがより好ましい。
更に、上記したリン類及びアミノ基含有化合物を成分として含有せしめることが特に好ましい。
又、樹脂類が、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性エラストマーであることが好ましく、熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアクリル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱硬化性樹脂が、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ウレタン樹脂、熱可塑性エラストマーがオレフィン系熱可塑性エラストマーであることがより好ましい。
更に、かかるポリオレフィン樹脂の中においてもポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂は、難燃化がきわめて困難であり、従来技術でトリアジン系化合物、リン系化合物等の添加剤を多量に必要とする為、かかる添加剤の混和性の不良、物性の著しい低下等を惹起する欠陥を有するが、一方、本発明に係わる改質された樹脂を用いる時、かかる樹脂にアミノトリアジニル基が導入結合されている為これらの欠陥を著しく改良することができ、本発明に係わる難燃化方法は、かかる樹脂に対して特に有用である。
C.本発明に係わる樹脂類の熱安定化方法は、上記した(イ)〜(ハ)項記載の改質された樹脂類からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有せしめてなることにより、樹脂類の熱安定性、耐紫外線性、長期耐熱性、耐候性等が著しく改良される、高温加工時樹脂の熱劣化、着色、変色が少なく、優れた成型物を提供することができる、上記の改質された樹脂類が高温安定性、不揮発性に優れ、取扱い等に優れ、更には銅等の重金属イオンによる樹脂類の分解劣化を著しく抑制することができ、優れた樹脂類の改質方法を提供することができる。
更には、かかる樹脂類の1%、5%熱時減量の温度等が著しく改良される為高温加工が容易となり、各種の成形加工ができる。例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂は、高温における熱時物性等が優れているにも拘らず、高温成形加工時に分解、ゲル化等を惹起し、成形性が著しく不良の為、従来、ポリスチレン樹脂等の樹脂類とのブレンド併用により成形加工性を向上させる方法等が用いられ、該樹脂類が本来有している優れた熱時特性等を阻害され、場合によっては全く生かすことができない。本発明に係わる改質された樹脂類は、かかる熱安定性が著しく向上し、高温成形加工が可能となり他樹脂とのブレンド等が極めて少量、あるいは不用となる等、安価で且つ優れた特性を有する新素材を提供することもできる。
本発明に係わる樹脂類の熱安定化方法において、上記した改質された樹脂類の使用量は、樹脂類中の全量あるいは部分量でもよく適宜選定することができるが、樹脂類中にトリアジン核の含有量として0.01〜10重量%、好ましくは0.02〜5重量%の量である。0.01重量%より少ない場合には、熱、光等に対する十分な安定性改良の効果が得難く、又、10重量%より多い場合には、安定性改良の効果は特には向上しないばかりか、経済的にも好ましくない。
本発明の樹脂類の熱安定化方法の対象としうる樹脂類としては前記した難燃化方法の対象樹脂類がほぼ同様に挙げられる。又、本発明に係わる樹脂類の熱安定化方法には前記したフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、光安定剤、造核剤、他の添加剤等の添加剤を前記の量と同量程度併用することにより、又、以下に示すホスファイト系酸化防止剤を併用することにより、本発明に係わる安定性改良の効果を一層向上させることもでき、使用目的に応じて適宜選択することができる。
尚、ホスファイト系酸化防止剤としては、例えばトリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、2−エチルヘキシルジフェニルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、ジフェニルアシドホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリブチルホスファイト、ジラウリルアシドホスファイト、ジトリデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、フェニル・4,4’−イソプロピリデンジフェノール・ペンタエリスリトールジホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、トリス(ラウリル−2−チオエチル)ホスファイト、ジフェニル・ビス[4,4’−n−ブチリデンビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)]チオジエタノールジホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)1、4−シクロヘキサンジメチレンホスファイト、水素化−4、4’−イソプロピリデンジフェノールポリホスファイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス[4,4’−n−ブチリデンビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)]1,6−ヘキサンジオールジホスファイト、テトラトリデシル−4,4’−n−ブチリデンビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、テトラトリデシル−1,1,3−トリス(2’−メチル−5’−t−ブチル−4’−オキシフェニル)ブタンジホスファイト、テトラ(C12−15混合アルキル)4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト等が挙げられる。これらの使用量は、樹脂類に対し0.01〜10重量%が好ましい。
又、本発明に係わる樹脂類の熱安定化方法において、かかる樹脂類の製造法、他の添加剤の使用は前記した樹脂類の難燃化方法におけると同様にして行うことができるが、これらに限定されるものではない。
上記した本発明に係わる樹脂類の熱安定化方法において、かかる樹脂類は熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、合成ワックスであることが好ましく、ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂及びオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、またポリオレフィン樹脂としてポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂及びエチレン−プロピレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが更に好ましい。
D.本発明に係わる樹脂類の相溶化方法は、上記(イ)〜(ハ)項記載の改質された樹脂類からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂類と、異なる1種以上の樹脂類とを相溶化せしめることにより、異なる樹脂類の相溶性、分散性が著しく改良されるばかりでなく物性が改良され新素材が提供できる、高温加工時の樹脂類の熱劣化、着色、変色が少ない、かかる材料が高温安定性、不揮発性に優れ昇華、ブリード等の発生が少なく取扱い、製造が簡易である、溶解パラメーター差が大きい異なる樹脂類間の相溶性、分散性をも改良される為かかる樹脂類の種類の幅広い選択ができ各種の新素材を提供することができる、かかる材料は元の樹脂類の分解、ゲル化等による分子量低下、変質等が殆どない為かかる樹脂類の特性を維持し易く優れた新素材が得られやすい等の点に優れ、更には相溶化して得られる材料の熱安定性等も改良され、優れた樹脂類の改質方法を提供することができる。
本発明に係わる樹脂類の相溶化方法において、上記した改質された樹脂類の使用量は、相当する種の樹脂類の全量あるいは部分量でもよく、場合により適宜選定することができる。改質された樹脂類の使用量は、通常、相当する種の樹脂類中に上記したアミノトリアジニル基含有化合物の含有量として0.1〜30重量%であり、場合により適宜選定することができるが、0.1重量%より少ない場合には十分な相溶性改良の効果が得難く、また30重量%より多い場合には改良効果は特には向上しないばかりか、経済的にも好ましくない。
本発明に係わる樹脂類の相溶化方法において、上記した改質された樹脂類からなる群より選ばれる少なくとも1種と異なる1種以上の樹脂類とを含有せしめる方法、改質された樹脂類からなる群より選ばれる異なる2種以上を含有せしめる方法等が有用であるが、これらに限定されるものではない。
尚、本発明に係わる改質された樹脂類は、各種の官能基を含有する材料を提供することができる為これらを用い更に改質を進めることができ、これらを上記した改質された樹脂類等と同様に本発明に係わる相溶化方法において用いることができる。式(2)で表されるアミノトリアジニル基含有化合物を用いて得られる改質された樹脂類は、反応性に優れた活性アミノ基を有し、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂等のカルボン酸(無水物)類、ポリウレタン樹脂等のイソシアネート類、スチレン−2−ビニル−2−オキサゾリン共重合体とのオキサゾリン類、有機ハロゲン化物、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テレフタルカルバルデヒド等のアルデヒド類等との変性反応により改質を進めることができる為好ましく、これらは上記した改質された樹脂類と同様に本発明に係わる相溶化方法において有用である。
本発明に係わる樹脂類の相溶化方法の対象としうる樹脂類としては、前記した改質された樹脂類の製造法の対象樹脂類がほぼ同様に挙げられるが、ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエーテルスルホン及び熱可塑性エラストマーが好ましい。異なる2種以上の樹脂類の具体例としては、例えばポリオレフィン樹脂とポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、飽和ポリエステル樹脂等との異種二元、多元樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリアミド樹脂、ポリアラミド樹脂、飽和ポリエステル樹脂等との異種二元、多元樹脂、熱可塑性エラストマーとポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、飽和ポリエステル樹脂等との異種二元、多元樹脂、飽和ポリエステル樹脂及びそれ以外の樹脂等との異種二元、多元樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
又、本発明に係わる樹脂類の相溶化方法において、上記した改質された樹脂類の製造法とかかる異なる樹脂類との相溶化方法とを併行して行う方法、改質された樹脂類を別途に得た後、これらを用い異なる樹脂類等と相溶化する方法等が有用であり、場合により適宜選定することができるが、これらの方法に限定されるものではない。
更に、かかる材料を製造する方法には特に制限はなく、通常かかる樹脂類の相溶化方法において用いられる溶液法、ラテックス法、溶融法が適用可能であり、例えば樹脂類のペレットあるいはパウダーを常温で予め混合した後、混練機、例えば、単軸、二軸スクリュー等の押出機、加熱ロール、バンバリミキサー、ニーダー等を用いて溶融混合し成形する方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
又、本発明に係わる樹脂類の相溶化方法には、前記したフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、光安定剤、造核剤、他の添加剤等の添加剤を前記の量と同量程度を併用することもでき、使用目的に応じて適宜選定することができる。
E.本発明に係わる樹脂類の表面改質方法は、上記(イ)〜(ハ)項記載の改質された樹脂類からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂類を用いることにより、かかる樹脂類の濡れ性、接着性、被覆性、染色性、撥水撥油性、耐溶剤性が改良される、低分子量の添加剤でなく高分子量の樹脂類自体の改質、変性ができるため高温安定性、不揮発性に優れ、経時、熱等による改質成分の消失等による効果の低減が惹起し難い、更には、樹脂類との相溶性不良等による改質成分の分離、消失が惹起し難い、表面の濡れ性を使用目的に応じて適宜選定することができる等の点に優れた樹脂類の改質方法を提供することができる。
本発明に係わる樹脂類の表面改質方法は、接着性、被覆性、染色性等の表面特性に著しい制約を有するポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂に特に有用である。かかる樹脂は、優れた物性、特性を有しながらかかる重大な欠点があるため用途に著しい制約を有していたが、上記の方法によりこれらの欠点を克服しより広い用途への展開が可能となった。
更に、ポリプロピレン繊維は、軽い、強い、暖かい、乾き易い等の優れた特性を有するが、染色性が著しく不良であるという重大な表面特性の欠陥を有するため用途に著しい制約がある。
かかる染色性改良方法として、該改質剤の添加、マレイン酸変性ポリプロピレン繊維の利用等多くの提案がなされているが、かかる方法は十分な染色性が得られないこと、改質剤の分散、相溶性が不十分であること、耐熱性が著しく低下すること、耐候性が不良であること等の欠陥を有する。
本発明に係わる樹脂類の表面改質方法は、染色性を著しく改良する官能基を必要な量だけかかる樹脂類に結合導入することができるため、染色性に優れている、分散、相溶性の不安がない、耐熱性、耐候性が優れている、樹脂類の分子量低下等の変質、熱劣化等が著しく少ない等、染色性の改質に極めて優れている。
かかる改質された樹脂類の製造、染色方法は、公知の紡糸方法、染料、染色条件、ソーピング法等により行うことができ、かかる改質された繊維には、アミノトリアジル基が結合導入されているため、酸性染料等の染料が有用であるが、これらに限定されるものではない。
尚、本発明に係わる樹脂類の表面改質方法において、式(2)で表されるアミノトリアジル基含有化合物を用いて得られる改質された樹脂類から提供される樹脂類表面には、反応に優れた活性アミノ基が著しく顕在する為、この樹脂類表面にアルデヒド類、カルボン酸(無水物)類、イソシアナート類、オキサゾリン類、有機ハロゲン化物、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤等のシラン類、ビニルシラン、エポキシシラン、含フッ素シラン等のシランカップリング剤等により反応処理せしめて更に表面を改質することもでき、かかる方法も極めて有用である。
更には、被覆用、接着剤用樹脂組成物中に、上記(イ)〜(ハ)項記載の改質された樹脂類からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂類を用いることにより、かかる樹脂類と良好な相溶性を有するセグメントを含有するため材料との密着性に優れている、耐溶剤性、耐水性等が良好である等の点に優れ、良好な被覆性を有する被覆用樹脂組成物、又、かかる樹脂類と良好な相溶性を有するセグメントと、他基材との接着性に優れたセグメント等とを併せ持つ為、かかる材料に良好な接着性を有する、各種材料を用いた複合材を提供することができる等の点に優れ、良好な接着性を有する接着剤用樹脂組成物をも提供することができる。
本発明に係わる樹脂類の表面改質方法において、改質された樹脂類の使用量は、かかる樹脂類の全量あるいは部分量でもよく、これらの混合あるいは単独にても有用である。例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂等の樹脂類において、通常、物性等の改良のためオレフィン系熱可塑性エラストマー等ゴム類と併用されるが、これらの濡れ性、接着性、被覆性等の表面特性を改質せしめる時に、上記した改質された樹脂及び改質されたゴム類の両方、あるいは何れか一方を、全量あるいは部分量用いる等の方法によりかかる表面特性の改質を行うことができるが、使用目的等により適宜選定することができる。
かかる改質された樹脂類の使用量は、通常、相当する種の樹脂類中に上記したアミノトリアジニル基含有化合物の含量として0.1〜30重量%であり、場合により適宜選定することができるが、0.1重量%より少ない場合には十分な表面改質の効果が得難く、また30重量%より多い場合には改良効果は特には向上しないばかりか、樹脂類の特性の低下等を惹起し易く、更には、経済的にも好ましくない。
又、本発明に係わる樹脂類の表面改質方法において、かかる樹脂類の製造法、他の添加剤の使用は前記した樹脂類の難燃化方法におけると同様にして行うことができるが、これらに限定されるものではない。
又、上記した被覆用樹脂組成物において、改質された樹脂類の使用量は、かかる樹脂組成物の全量あるいは部分量でもよく、これらの混合あるいは単独にても有用である。
又、上記した接着剤用樹脂組成物において、改質された樹脂類の使用量は、かかる樹脂組成物の全量あるいは部分量でもよく、これらの混合あるいは単独にても有用である。
更に、かかる接着剤用樹脂組成物は、溶剤型、無溶剤型、ホットメルト型接着剤等の固形溶融使用タイプ、粘着剤等の室温流動タイプ等いずれの態様でもよく、使用目的等により適宜選定することができる。
以上に記載した本発明に係わる改質された樹脂類等の製造法及びその用途においてそれぞれ次のような発明の効果をもたらす。
本発明に係わる改質された樹脂類の製造法は、上記したアミノトリアジニル基含有化合物と樹脂類とを特定の条件下にて反応を行うことにより、分子量、物性等を損なわずに改質することができる、難燃性、熱安定性、耐熱性、相溶性、濡れ性、接着性、被覆性、染色性等の表面特性、成形特性、電気特性、光沢等の改質に優れた官能基を結合導入することができる優れたものである。又、かかる製造法は、改質された樹脂類中に物性等を著しく損なう分解物等を殆ど含有しないこと、反応系中に副生ガスの発生が殆どないこと等の優れた特徴を有し、かかる樹脂類の製造時に煩雑な除去工程、排気工程等を必要とせず、極めて簡便に且つ安全に改質された樹脂類の製造を行うことができる優れたものである。更に、異なる樹脂類間の相溶性、分散性をより一層良好ならしめる樹脂類を提供できる等に優れたものであり、樹脂類のより広い用途等への展開が可能となり、産業上極めて優れた発明である。
本発明に係わる樹脂類の難燃化方法は、上記したアミノトリアジニル基含有化合物を用いて得られる改質された樹脂類を用いることにより、樹脂類の難燃性を著しく向上させることができる方法である。メラミン等の難燃剤添加方法に比して昇華、ブリード等の発生が見られないこと、難燃性付与成分が樹脂類に結合導入している為かかる成分の経時にともなう消失、ブリード等の分散不良等が惹起し難いため長期に亘り効果を維持することができ、かかる樹脂類の難燃性を著しく向上させ、更には特性、物性を損なわないこと、チャー生成等が極めて良好であり油滴、溶融物の垂れ、落下が著しく少ないこと、更には燃焼時に極めて有害なガス等の排出が見られないこと等の樹脂類の難燃性改良の効果に優れたものであり、更には、上記した材料とリン類、イソシアヌル酸類、シアヌル酸類、アミノ基含有化合物とを併用することにより、相乗効果により一層向上した難燃性が得られる樹脂類の難燃化方法を提供することができ、樹脂類のより広い用途への展開等が可能となり、産業上極めて優れた発明である。
又、本発明に係わる樹脂類の熱安定化方法は、上記したアミノトリアジニル基含有化合物を用いて得られる改質された樹脂類を用いることにより、耐紫外線、熱安定性、耐熱性等が著しく改良され、高温時の成形加工を行う場合にも熱劣化、着色、変色が少なく熱安定性、耐熱性が改良され、比較的高温下での長時間の使用に際して劣化が抑制され物性の保持が著しく改善される、熱安定性付与成分が樹脂類に結合導入されている為経時にともなう消失、ブリード等の分散不良が惹起し難いため長期に亘り効果を維持することができ、且つかかる効果が著しく優れている等熱、光等に対する安定性効果が著しく且つ効果を長期に示し、副次的に弊害を誘発することがないこと、更には、銅等の重金属イオンにより樹脂類の分解劣化が促進される欠点を著しく抑制すること、熱安定性、耐熱性が著しく向上し高温成形加工が極めて容易になり優れた特性を有する新素材を提供することができる等の樹脂類の熱安定性改良の効果に著しく優れたものであり、樹脂類のより広い用途への展開が可能となり、産業上極めて優れた発明である。
更に、本発明に係わる樹脂類の相溶化方法は、上記した改質された樹脂類を含む異なる2種以上の樹脂類に用いることにより、異なる樹脂類の相溶性、分散性が著しく改良されるばかりでなく、耐衝撃性、剛性、難燃性、耐熱性、耐薬品性、バリヤー性、真珠光沢、成形加工性、接着性、被覆性等の新しい性質が付与された新素材が提供できる、高温加工時の樹脂類の着色、変色が少ない、かかる材料が高温安定性、不揮発性に優れ昇華、ブリード等の発生が少なく接着性、電気特性等に優れ、取扱い、製造が簡易である、溶解パラメーター差が大きい異なる樹脂類間の相溶性、分散性をも改良される為かかる樹脂類の種類の幅広い選択ができる、かかる材料は元の樹脂類の分解等による分子量低下、変質等が殆どない為かかる樹脂類の特性等を維持し易い、相溶化せしめる異なる樹脂類自身を用いて改質された樹脂類を得ることができ相溶化のための低分子量化合物等の第三成分の使用を要しないため極めて優れた新素材を提供できる、更には相溶化して得られる材料の熱安定性、耐水性、耐薬品性等も改良することができるものであり、樹脂類のより広い用途への展開等が可能となり、産業上極めて優れた発明である。
又、本発明に係わる樹脂類の表面改質方法は、上記した改質された樹脂類を用いることにより、樹脂類の濡れ性、接着性、被覆性、染色性、撥水撥油性等の表面特性を著しく向上させることができる、表面改質剤等の第三成分の使用を要しないため表面改質化成分の消失等による効果の低下を惹起し難く、かかる樹脂類の物性も低下し難い、成形後等に表面改質を行う必要がない為各種形状物に対し良好な均質な表面改質を行うことができる、特に、接着性、被覆性、染色性等の表面特性に著しい制約を有するポリオレフィン樹脂等の樹脂類にかかる官能基を結合導入して、かかる樹脂、繊維類の表面特性を著しく改質することができる等の優れた点を有するものである。
更に、本発明は、上記した改質材料を用いてなる被覆用樹脂組成物、接着剤用樹脂組成物を提供することができ、かかる被覆用樹脂組成物は、樹脂類との密着に優れ、耐溶剤性、耐水性等にも優れたものであり、接着剤用樹脂組成物は、かかる樹脂類と良好な相溶性を有するセグメントと他基材との接着性に優れたセグメントとを併せ持つ為各種材料との接着性が優れ、新素材をも提供することができるものであり、樹脂類のより広い用途への展開が可能となり、産業上極めて優れた発明である。
本発明の製造法等は、樹脂類の劣化等を惹起し難く且つ難燃性、熱安定性、相溶性、表面改質性等に優れた官能基の導入結合等ができ、これ等の利用により、チャー生成能等が良好な難燃材料、成形物の熱劣化が遅い熱安定性材料、異なる樹脂類等の混和性等に優れた新素材、接着性、被覆性、濡れ性、染色性等に優れた表面改質された材料、被覆用樹脂組成物、接着剤用樹脂組成物等を提供することができ、樹脂類のより広い、産業上極めて優れた用途への利用が可能である。
本発明に係わる改質された樹脂類は、難燃性、熱安定性、耐熱性、耐衝撃性、高強度・高弾性、樹脂相溶性、耐屈曲・疲れ性、耐摩耗性、耐引裂性、寸法安定性、応力緩和性、制振性、耐熱・寒性、耐溶剤(油、水)性、耐候性、光沢、屈折率変化、自己潤滑性、可塑性、ガスバリアー性等の物性、接着性、ガラス繊維等補強剤等の密着性、滑り性、鍍金性、塗料等の被覆性、樹脂類及びこれらのフィラメント・繊維類の染色性、ブロッキング防止剤、制電性、導電性、帯電性、耐トッラキング性等の電気特性、流動性、収縮性、熱溶融強さ、フロー成形性、結晶性、配向性、作業性等の成形加工性、省資源、代用等経済性等の改質、改良に優れ、建築用機材、インテリア製品、バス、トイレ等住宅用機材、インスツルメントパネル、ピラー、メータクラスター、ドアートリム、アームレスト、デフロスターガーニッシュ、コンソールボックス、ポケットデッキ、バンパー、サイドシルガーニッシュ、カウルトップガーニッシュ、ホイールカバー、スポイラー、ヘッドランプインナーパネル等自動車等車両の内、外装等用機材、長短ガラス繊維等強化成形材料、レジスト材料、電気絶縁材等電気部品、トナー等電子写真用材料、フィラメント・繊維用材料、繊維・紙加工材、自動車・家電用塗料、防汚、耐食用塗料、粉体塗料、トラフィックペイント、ホットメルト用接着剤、粘着剤、産業資材等の構造用接着剤、IC封止剤、ゴム類の加硫等改質剤、光学材料、皮革処理剤、農業用資材、医薬用機材、包装材、容器等食品用機材、テント、布、衣類等繊維類、歯車、パッキング等工学材料、配管、タンク等防汚、耐食用機材、耐熱用機材、保温、保冷用材料、油類改質剤、難燃剤、界面活性剤、腐食・酸化防止剤等として産業上極めて広範囲な用途に有用な材料を提供することができるが、これらに限定されるものではない。
次に、本発明を参考例、実施例により詳細に説明する。但し、これらの参考例、実施例記載は、本発明の範囲をこれらのみに限定されるものではない。
[参考例1]
エチレンカルボグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物の合成:2,4−ジアミノ−6−エテニル−1,3,5−トリアジン(以下、エチレンカルボグアナミンと略す)137.2g(1.0モル)に、37%ホルマリン溶液227.0g(2.8モル)を加え、混合攪拌しながら20%苛性カリ水溶液でpH10.5に調整した。この混合物を温度65℃にて1時間攪拌しながら加熱した。加熱終了後、この反応混合物に20%硝酸水溶液を加えてpH4.5に調整した。更に、この反応混合物を温度65℃にて撹拌しながら加熱すると徐々に白濁し、1時間加熱反応を行った。加熱終了後、この反応混合物を20%苛性カリ水溶液でpH7.0に調整した。この反応混合物にベンゼン300gを加えて加熱し、脱ベンゼンを行った後、沈殿物を濾別した。これを蒸留水で十分に洗浄後、減圧乾燥して白色固形分を得た。この固形分を分析した結果、数平均重合度が2.1の縮合物であった。
[参考例2]
エチレンカルボグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物の合成:エチレンカルボグアナミン137.2g(1.0モル)に、37%ホルマリン溶液210.8g(2.6モル)を加え、混合攪拌しながら20%苛性カリ水溶液でpH10.5に調整した。この混合物を温度65℃にて1時間攪拌しながら加熱した。加熱終了後、この反応混合物に20%硝酸水溶液を加えてpH3.1に調整した。更に、この反応混合物を温度70℃にて攪拌しながら加熱すると徐々に白濁し、2.5時間加熱反応を行った。加熱終了後、この反応混合物を20%苛性カリ水溶液でpH7.5に調整した後、沈殿物を濾別した。これを蒸留水で十分に洗浄後、減圧乾燥して白色固形分を得た。この固形分を分析した結果、数平均重合度が3.6の縮合物であった。
改質されたポリエチレン樹脂の製造:ポリエチレン樹脂IDEMITSU HD 230J[出光興産(株)製]100重量部、エチレンカルボグアナミン7重量部及びジラウリルチオジプロピオネート0.1重量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、窒素シールを施した20mmφベント付き二軸スクリュー式押出機にフィードし、混練温度260℃で10分間滞留する条件で混練反応を行い、次いでペレット化した。
このペレットを熱キシロールで溶解させ、メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した後、この濾液にメチルセロソルブを注ぎ、析出した沈殿物を濾別した。これをメチルセロソルブで十分洗浄後、減圧乾燥して白色固形分を得た。この固形分を分析した結果、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン)骨格5.0重量%が結合した改質されたポリエチレン樹脂であった。この固形分の元素分析、赤外線吸収スペクトル分析結果を下記に示す。
元素分析 C H N
測定値: 83.0% 13.8% 3.2%
赤外線吸収スペクトル分析
NHに基づく吸収 3321 , 3250cm−1
C=Nに基づく吸収 1630 , 1549cm−1
トリアジン核に基づく吸収 817cm−1
改質されたポリエチレン樹脂の製造:ポリエチレン樹脂ニポロンハード 6300[東ソー(株)製]100重量部、エチレンカルボグアナミン17重量部及びジラウリルチオジプロピオネート0.1重量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、窒素シールを施した20mmφベント付き二軸スクリュー式押出機にフィードし、混練温度280℃で10分間滞留する条件で混練反応を行い、次いでペレット化した。
このペレットを用いて実施例1と同様にして溶剤処理を行った。この得られた固形分を減圧乾燥後、分析した結果、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン)骨格11.0重量%が結合した改質されたポリエチレン樹脂であった。この固形分の元素分析結果を下記に示す。
元素分析 C H N
測定値: 79.9% 13.1% 7.0%
改質されたポリプロピレン樹脂の製造:ポリプロピレン樹脂IDEMITSU PP J−700GP[出光興産(株)製]100重量部、エチレンカルボグアナミン7重量部及びジラウリルチオジプロピオネート0.1重量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、窒素シールを施した20mmφベント付き二軸スクリュー式押出機にフィードし、混練温度260℃で10分間滞留する条件で混練反応を行い、次いでペレット化した。
このペレットを熱キシロールで溶解させ、メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した後、この濾液にメチルセロソルブを注ぎ、析出した沈殿物を濾別した。これをメチルセロソルブで十分洗浄後、減圧乾燥して白色固形分を得た。この固形分をした結果、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン)骨格4.9重量%が結合した改質されたポリプロピレン樹脂であった。この固形分の元素分析、赤外線吸収スペクトル分析結果を下記に示す。
元素分析 C H N
測定値: 83.1% 13.8% 3.1%
赤外線吸収スペクトル分析
NHに基づく吸収 3321 , 3250cm−1
C=Nに基づく吸収 1629 , 1549cm−1
トリアジン核に基づく吸収 816cm−1
改質されたポリプロピレン樹脂の製造:実施例3におけるエチレンカルボグアナミン7重量部の代わりに、同上化合物17重量部を用いる以外は、実施例3と同様にして混練反応を行い、次いでペレット化した。
このペレットを用いて実施例3と同様にして溶剤処理を行った。この得られた固形分を減圧乾燥後、分析した結果、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン)骨格10.8重量%が結合した改質されたポリプロピレン樹脂であった。この固形分の元素分析結果を下記に示す。
元素分析 C H N
測定値: 80.0% 13.1% 6.9%
又、このペレットのMI値を測定した結果、7.8であった。一方、比較例として、上記のポリプロピレン樹脂のみを同様に混練して得たものは、MI値8.1であり、本発明に係わる該製造法は、樹脂類の分子量に低下、変色等を極めて惹起し難い優れたものであった。
改質されたポリプロピレン樹脂の製造:実施例3におけるポリプロピレン樹脂IDEMITSU PP J−700GP[出光興産(株)製]の代わりに、MI値80の低重合度ポリプロピレン樹脂を用いる以外は、実施例3と同様にして混練反応を行い、次いでペレット化した。
このペレットを用いて実施例3と同様にして溶剤処理を行った。この得られた固形分を減圧乾燥後、分析した結果、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン)骨格4.7重量%が結合した改質されたポリプロピレン樹脂であった。この固形分の元素分析結果を下記に示す。
元素分析 C H N
測定値: 83.2% 13.8% 3.0%
改質されたポリエチレン樹脂の製造:実施例1におけるエチレンカルボグアナミンの代わりに2,4−ビス(メトキシメチルアミノ)−6−エテニル−1,3,5−トリアジンを用いる以外は、実施例1と同様にして混練反応を行い、次いでペレット化した。
このペレットを用いて実施例1と同様にして溶剤処理を行った。この得られた固形分を減圧乾燥後、N含有量測定(元素分析)を行った。その結果を表−1に示す。
改質されたポリエチレン樹脂の製造:実施例1におけるエチレンカルボグアナミンの代わりに2,4−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)−6−エテニル−1,3,5−トリアジンを用いる以外は、実施例1と同様にして混練反応を行い、次いでペレット化した。
このペレットを用いて実施例1と同様にして溶剤処理を行った。この得られた固形分を減圧乾燥後、N含有量測定(元素分析)を行った。その結果を表−1に示す。
改質されたポリエチレン樹脂の製造:実施例1におけるエチレンカルボグアナミンの代わりに参考例1のエチレンカルボグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物を用いる以外は、実施例1と同様にして混練反応を行い、次いでペレット化した。
このペレットを用いて実施例1と同様にして溶剤処理を行った。この得られた固形分を減圧乾燥後、N含有量測定(元素分析)を行った。その結果を表−1に示す。
改質されたポリエチレン樹脂の製造:実施例1におけるエチレンカルボグアナミンの代わりに2,4−ジアミノ−6−(1−メチルエテニル)−1,3,5−トリアジンを用いる以外は、実施例1と同様にして混練反応を行い、次いでペレット化した。
このペレットを用いて実施例1と同様にして溶剤処理を行った。この得られた固形分を減圧乾燥後、N含有量測定(元素分析)を行った。その結果を表−1に示す。
表−1に示した如く、本発明に係わるアミノトリアジニル基含有化合物を用い反応させることにより改質されたポリエチレン樹脂を簡易に且つ収率よく製造できる優れたものであった。
Figure 0004513096
改質されたポリアミド樹脂の製造:ポリアミド樹脂ユニチカナイロン A1030JR[ユニチカ(株)製]100重量部及びエチレンカルボグアナミン7重量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、窒素シールを施した20mmφベント付き二軸スクリュー式押出機にフィードし、混練温度250℃で15分間滞留する条件で混練反応を行い、次いでペレット化した。
このペレットをm−クレゾ−ルで溶解させ、メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した後、この濾液にメチルセロソルブを注ぎ、析出した沈殿物を濾別した。これをメチルセロソルブで十分洗浄後、減圧乾燥して白色固形分を得た。この固形分を分析した結果、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン)骨格5.0重量%が結合した改質されたポリアミド樹脂であった。この固形分の元素分析結果を下記に示す。
元素分析 C H N
測定値: 62.4% 9.5% 14.8%
改質された飽和ポリエステル樹脂の製造:飽和ポリエステル樹脂カネボウPBT PBT720[カネボウ合繊(株)製]100重量部、エチレンカルボグアナミン7重量部及びトリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン0.1重量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、窒素シールを施した20mmφベント付き二軸スクリュー式押出機にフィードし、混練温度260℃で15分間滞留する条件で混練反応を行い、次いでペレット化した。
このペレットをジクロロエタンで溶解させ、メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した後、この濾液にメチルセロソルブを注ぎ、析出した沈殿物を濾別した。これをメチルセロソルブで十分洗浄後、減圧乾燥して白色固形分を得た。この固形分を分析した結果、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン)骨格4.9重量%が結合した改質された飽和ポリエステル樹脂であった。この固形分の元素分析、赤外線吸収スペクトル分析結果を下記に示す。
元素分析 C H N
測定値: 64.1% 5.5% 3.1%
赤外線吸収スペクトル分析
NHに基づく吸収 3321 , 3160cm−1
C=Nに基づく吸収 1629 , 1550cm−1
トリアジン核に基づく吸収 815cm−1
改質されたポリスチレン樹脂の製造:ポリスチレン樹脂トーヨースチロール G320C[東洋スチレン(株)製]100重量部、エチレンカルボグアナミン3重量部及びトリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン0.1重量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、窒素シールを施した20mmφベント付き二軸スクリュー式押出機にフィードし、混練温度250℃で10分間滞留する条件で混練反応を行い、次いでペレット化した。
このペレットをクロロホルムで溶解させ、メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した後、この濾液にメチルセロソルブを注ぎ、析出した沈殿物を濾別した。これをメチルセロソルブで十分洗浄後、減圧乾燥して白色固形分を得た。この固形分を分析した結果、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン)骨格2.1重量%が結合した改質されたポリスチレン樹脂であった。この固形分の元素分析、赤外線吸収スペクトル分析結果を下記に示す。
元素分析 C H N
測定値: 91.0% 7.7% 1.3%
赤外線吸収スペクトル分析
NHに基づく吸収 3313 , 3158cm−1
C=Nに基づく吸収 1629 , 1550cm−1
トリアジン核に基づく吸収 817cm−1
改質されたポリフェニレンエーテル樹脂の製造:極限粘度[η]が0.40であるポリ2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル100重量部、エチレンカルボグアナミン7重量部及びジラウリルチオジプロピオネート0.1重量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、窒素シールを施した20mmφベント付き二軸スクリュー式押出機にフィードし、混練温度320℃で10分間滞留する条件で混練反応を行い、次いでペレット化した。
このペレットをクロロホルムで溶解させ、メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した後、この濾液にメチルセロソルブを注ぎ、析出した沈殿物を濾別した。これをメチルセロソルブで十分洗浄後、減圧乾燥して黄色固形分を得た。この固形分を分析した結果、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン)骨格4.9重量%が結合した改質されたポリフェニレンエーテル樹脂(原料樹脂中に窒素分0.1%重量%含有)であった。この固形分の元素分析結果を下記に示す。
元素分析 C H N
測定値: 77.7% 6.6% 3.2%
改質されたポリメタクリル樹脂の製造:ポリメタクリル樹脂パラペット HR―L[(株)クラレ製]100重量部及びエチレンカルボグアナミン7重量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、窒素シールを施した20mmφベント付き二軸スクリュー式押出機にフィードし、混練温度260℃で15分間滞留する条件で混練反応を行い、次いでペレット化した。
このペレットをメチルエチルケトンで溶解させ、メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した後、この濾液にメタノールを注ぎ、析出した沈殿物を濾別した。これをメタノールで十分洗浄後、減圧乾燥して白色固形分を得た。この固形分を分析した結果、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン)骨格4.9重量%が結合した改質されたポリメタクリル樹脂であった。この固形分の元素分析結果を下記に示す。
元素分析 C H N
測定値: 53.9% 8.9% 3.1%
改質されたオレフィン系熱可塑性エラストマーの製造:オレフィン系熱可塑性エラストマー マルチユーズドレオストマー LJ―3180N[リケンテクノス(株)製]100重量部及びエチレンカルボグアナミン7重量部を、窒素シールを施した20mmφベント付き二軸スクリュー式押出機にフィードし、混練温度250℃で30分間滞留する条件で混練反応を行い、次いで混練物を取り出した。
この混練物を熱キシロールで溶解させ、メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した後、この濾液にメチルセロソルブを注ぎ、固形分を濾別した。この得られた固形分をメチルセロソルブで十分洗浄して減圧乾燥後、N含有量測定(元素分析)を行った。その結果、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン)骨格5.1重量%が結合した改質されたオレフィン系熱可塑性エラストマーであった。
改質されたPEワックスの製造:PEワックス 三井ハイワックス 800P[三井化学(株)製]100重量部、エチレンカルボグアナミン7重量部及びジラウリルチオジプロピオネート0.1重量部を、ベント、撹拌機及び冷却機を装着した500mlオートクレーブに投入した。この系中を窒素にて置換した後、内温260℃にて30分間撹拌しながら反応を行った。反応終了後、樹脂状物の反応混合物を取り出した。
この樹脂状物を熱キシロールで溶解させ、メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した後、この濾液にメチルセロソルブを注ぎ、樹脂状物を分別した。この処理操作を2回繰り返した後、この樹脂状物を減圧乾燥して白色固形分を得た。この固形分を分析した結果、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン)骨格4.9重量%が結合した改質されたPEワックスであった。この固形分の元素分析結果を下記に示す。
元素分析 C H N
測定値: 83.1% 13.8% 3.1%
[比較例1]
ポリエチレン樹脂の改質試験:実施例1におけるエチレンカルボグアナミン7重量部の代わりに、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシル−1,3,5−トリアジン7重量部を用いる以外は、実施例1と同様にして混練反応を行い、次いでペレット化した。
このペレットを用いて実施例1と同様にして溶剤処理を行った。この得られた固形分を減圧乾燥後、元素分析、赤外線吸収スペクトル分析した結果、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン)骨格の含有、結合は見られず、原料ポリエチレン樹脂と同じであり、原料ポリエチレン樹脂は改質されていなかった。
[比較例2]
ポリプロピレン樹脂の改質試験: ポリプロピレン樹脂IDEMITSU PP J−700GP[出光興産(株)製]100重量部、無水マレイン酸7重量部及びジラウリルチオジプロピオネート0.1重量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、窒素シールを施した20mmφベント付き二軸スクリュー式押出機にフィードし、混練温度260℃で10分間滞留する条件で混練反応を行い、次いでペレット化した。
このペレットを熱キシロールで溶解させ、メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した後、この濾液にメタノールを注ぎ、析出した沈殿物を濾別した。これをメタノールで十分洗浄後、減圧乾燥して白色固形分を得た。この固形分を赤外線吸収スペクトル分析した結果、カルボキシル基及び同無水物に基づく吸収(1710、1770、1785、1860cm−1)が見られず、ポリプロピレン樹脂は全く改質されていなかった。
実施例2の方法で得られた改質されたポリエチレン樹脂99重量部、ジラウリルチオジプロピオネート0.6重量部及びペンタエリスリチルーテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.4重量部からなるポリエチレン樹脂組成物を、ミキシングロールにより230℃−5分の条件で混練し、次いで押出機にて混練しペレット化した。これを射出成形機で成形を行い、厚さ1/16インチの燃焼性測定用試験片を作成した。
この試験片を用い、米国Under Writers Laboratories Inc.のSubject 94に示された垂直燃焼試験法に準拠し試験を行った結果、レベルV−1であり、燃焼時の溶融落下物はなく且つ燃焼物の形状保持状態が良好であり、上記したポリエチレン樹脂組成物は優れた難燃性を有するものであった。
実施例4の方法で得られた改質されたポリプロピレン樹脂75重量部、ポリリン酸アンモニウム「エキソリット422」(ヘキスト社製)24重量部、ジラウリルチオジプロピオネート0.6重量部及びペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.4重量部からなるポリプロピレン樹脂組成物を、実施例17と同様にして試験片を作成した。
この試験片を用い、実施例17と同様にして燃焼試験を行った結果、レベルV−0であり且つ燃焼物の形状保持状態が良好であり、上記したポリプロピレン樹脂組成物は優れた難燃性を有するものであった。本発明に係わる改質された樹脂類とリン類とを併用すると、相乗効果により難燃性改良が一層向上することが分かった。
実施例2の方法で得られた改質されたポリエチレン樹脂80重量部、キシレンジフェニルホスフェート20重量部からなるポリエチレン樹脂組成物を、ミキシングロールにより220℃−6分の条件で混練し、次いで押出機にて混練しペレット化した。これを、実施例17と同様にして、燃焼測定用試験片を作成し、試験を行った。その結果を表−2に示す。
実施例19におけるキシレンジフェニルホスフェートの代わりにN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホン酸ジエチルを用いる以外は、実施例19と同様に処理及び試験を行った。その結果を表−2に示す。
表−2に示した如く、本発明に係わる改質されたポリエチレン樹脂とリン類とを併用すると難燃性改良が一層向上し、難燃性に優れていることが分った。
Figure 0004513096
実施例10の方法で得られた改質されたポリアミド樹脂90重量部及びトリス(2−ヒドロキシエチル)シアヌレート10重量部からなるポリアミド樹脂組成物をミキサーで十分混合し、次いでシリンダー温度260℃に設定された押出機にて混練しペレット化した。これを射出成形機で成形を行い、厚さ1/16インチの燃焼性測定用試験片を作成した。
この試験片を用い、実施例17と同様にして燃焼試験を行った結果、レベルV−0であり,且つ燃焼物の形状保持状態が良好であり、上記したポリアミド樹脂組成物は優れた難燃性を有するものであった。
実施例11の方法で得られた改質されたポリエステル樹脂90重量部及びトリフェニルイソシアヌレート10重量部からなるポリエステル樹脂組成物をミキサーで十分混合し、次いでシリンダー温度280℃に設定された押出機にて混練しペレット化した。これを射出成形機で成形を行い、厚さ1/16インチの燃焼性測定用試験片を作成した。
この試験片を用い、実施例17と同様にして燃焼試験を行った結果、レベルV−0であり,且つ燃焼物の形状保持状態が良好であり、上記したポリエステル樹脂組成物は優れた難燃性を有するものであった。
実施例21、22に示した如く、本発明に係わる改質された樹脂類を用いた難燃化方法は、広い範囲の樹脂類において優れた難燃性改良効果を示し、更に本発明に係わる改質された樹脂類とシアヌル酸類、イソシアヌル酸類とを併用すると、相乗効果により難燃性改良が一層向上することが分かった。
実施例2の方法で得られた改質されたポリエチレン樹脂75重量部、ポリリン酸アンモニウム「エキソリット422」(ヘキスト社製)20重量部、ジシアンジアミド4重量%、ジラウリルチオジプロピオネート0.6重量部及びペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.4重量部からなるポリエチレン樹脂組成物を、実施例17と同様の手順で処理及び試験を行った。その結果を表−3に示す。
実施例23におけるジシアンジアミドの代わりにN−(2−アミノエチル)ピペラジンを用いる以外は、実施例23と同様に処理及び試験を行った。その結果を表−3に示す。
表−3の示した如く、本発明に係わる樹脂類の難燃化方法において、本発明に係わる改質された樹脂類からなる組成物は、自消性が著しく優れ且つ燃焼物の形状保持状態が良く、更に本発明に係わる改質された樹脂類とリン類及びアミノ基含有化合物を併用すると、相乗効果により難燃性がより一層改良されることが分かった。
Figure 0004513096
改質されたポリエチレン樹脂の熱安定性試験:実施例2の方法で得られた改質されたポリエチレン樹脂を用い、熱重量測定(TG)を空気雰囲気下、昇温速度10℃/分の条件下で行った結果、質量減少率5%時の温度は383℃であった。
一方、実施例2において用いた原料ポリエチレン樹脂を用い、上記と同条件下にて熱重量測定を行った結果、質量減少率5%時の温度は296℃であった。
改質されたポリプロピレン樹脂の熱安定性試験:実施例3の方法で得られた改質されたポリプロピレン樹脂を用い、実施例25におけると同条件下にて熱重量測定を行った結果、質量減少率5%時の温度は281℃であった。
一方、実施例3において用いた原料ポリプロピレン樹脂を用い、上記と同条件下にて熱重量測定を行った結果、質量減少率5%時の温度は266℃であった。
改質されたポリスチレン樹脂の熱安定性試験:実施例12の方法で得られた改質されたポリスチレン樹脂を用い、実施例25におけると同条件下にて熱重量測定を行った結果、質量減少率5%時の温度は331℃であった。
一方、実施例12において用いた原料ポリスチレン樹脂を用い、上記と同条件下にて熱重量測定を行った結果、質量減少率5%時の温度は298℃であった。
改質されたポリフェニレンエーテル樹脂の熱安定性試験:実施例13の方法で得られた改質されたポリフェニレンエーテル樹脂を用い、実施例25におけると同条件下にて熱重量測定を行った結果、質量減少率5%時の温度は430℃であった。
一方、実施例13において用いた原料ポリフェニレンエーテル樹脂を用い、上記と同条件下にて熱重量測定を行った結果、質量減少率5%時の温度は398℃であった。
改質されたポリメタクリル樹脂の熱安定性試験:実施例14の方法で得られた改質されたポリメタクリル樹脂を用い、実施例25におけると同条件下にて熱重量測定を行った結果、質量減少率5%時の温度は301℃であった。
一方、実施例14において用いた原料ポリメタクリル樹脂を用い、上記と同条件下にて熱重量測定を行った結果、質量減少率5%時の温度は286℃であった。
実施例25〜29に示した如く、本発明に係わる改質された樹脂類は、未改質の樹脂類に比して熱質量減少率5重量%の温度が著しく向上し、熱安定性が著しく改良されたものであった。
ポリエチレン樹脂の熱安定性試験:ポリエチレン樹脂ニポロンハード 6300[東ソー(株)製]94重量部、銅微粉末1重量部及び実施例2の方法で得られた改質されたポリエチレン樹脂5重量部からなるポリエチレン樹脂組成物を、ミキシングロールにより160℃−6分の条件で混練し、次いで150℃、200Kg/cmの条件で5分間圧縮成形しシートフィルムを得た。
このシートフィルムを用い、温度150℃に設定したホットパックオーブンで空気雰囲気下、加熱劣化促進試験を行った。この試験片が変色した時点を劣化開始時とし、この時までの時間により樹脂組成物の熱安定性を判定した。その結果を表−4に示す。
尚、上記のポリエチレン樹脂組成物において、実施例2の方法で得られた改質されたポリエチレン樹脂5重量部を添加しない以外は、上記と同様の手順で処理及び試験を行い、その結果を「比較例3」として表−4に示す。
Figure 0004513096
ポリプロピレン樹脂の熱安定性試験:ポリプロピレン樹脂IDEMITSU PP J−700GP[出光興産(株)製]94重量部、銅微粉末1重量部及び実施例4の方法で得られた改質されたポリプロピレン樹脂5重量部からなるポリプロピレン樹脂組成物を、ミキシングロールにより210℃−6分の条件で混練し、次いで190℃、200Kg/cmの条件で5分間圧縮成形しシートフィルムを得た。
このシートフィルムを用い、実施例30と同様の手順で処理及び試験を行い、その結果を表−5に示す。
尚、上記のポリプロピレン樹脂組成物において、実施例4の方法で得られた改質されたポリプロピレン樹脂5重量部を添加しない以外は、上記と同様の手順で処理及び試験を行い、その結果を「比較例4」として表−5に示す。
Figure 0004513096
飽和ポリエステル樹脂−ポリエチレン樹脂二元系の相溶化試験:飽和ポリエステル樹脂カンボウPBT PBT720[カネボウ合繊(株)製]85重量部及び実施例2の方法で得られた改質されたポリエチレン樹脂15重量部をヘンシェルミキサーで混合し、次いでシリンダー温度260℃に設定された二軸スクリュー型押出機にて混練溶融しペレット化した。
この二元樹脂組成物を電子顕微鏡にて観察した結果、樹脂溶融構造が海島構造をとり且つほぼ径1.8μmに制御された球状物が均一に分散したものであり、相溶性が優れたものであった。
ポリアミド樹脂−ポリプロピレン樹脂二元系の相溶化試験:ポリアミド樹脂ユニチカナイロン A1030JR[ユニチカ(株)製]75重量部、ポリプロピレン樹脂IDEMITSU PP J−700GP[出光興産(株)製]25重量部、参考例2の方法で得られたエチレンカルボグアナミンーホルムアルデヒド縮合物7重量部及びジラウリルチオジプロピオネート0.1重量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、窒素シールを施した20mmφベント付き二軸スクリュー型押出機にフィードし、260℃にて20分間滞留する条件下で混練反応を行い、次いでペレット化した。
この二元樹脂組成物を電子顕微鏡にて観察した結果、樹脂溶融構造が海島構造をとり且つほぼ径0.5μmに制御された球状物が均一に分散したものであり、相溶性が優れたものであった。
ポリフェニレンエーテル樹脂−ポリアミド樹脂二元系の相溶化試験:極限粘度[η]が0.39である2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル75重量部、ポリアミド樹脂ユニチカナイロン A1030JR[ユニチカ(株)製]25重量部及び参考例1の方法で得られたエチレンカルボグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物7重量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、窒素シールを施した20mmφベント付き二軸スクリュー型押出機にフィードし、280℃にて20分間滞留する条件下で混練反応を行い、次いでペレット化した。
この二元樹脂組成物を電子顕微鏡にて観察した結果、樹脂溶融構造が海島構造をとり且つほぼ径0.7μmに制御された球状物が均一に分散したものであり、相溶性が優れたものであった。
ポリフェニレンエーテル樹脂−オレフィン系熱可塑性エラストマー二元系の相溶化試験:実施例13の方法で得られた改質されたポリフェニレンエーテル樹脂75重量部及び実施例15の方法で得られた改質されたオレフィン系熱可塑性エラストマー25重量部をヘンシェルミキサーで混合し、次いでシリンダー温度310℃に設定された二軸スクリュー型押出機にて混練溶融しペレット化した。
この二元樹脂組成物を電子顕微鏡にて観察した結果、樹脂溶融構造が海島構造をとり、且つほぼ径1.4μmに制御された球状物が均一に分散したものであり、相溶性が優れたものであった。
実施例32〜35に示した如く、本発明に係わる樹脂類の相溶化方法において、本発明の改質された樹脂類を用いることにより、異なる樹脂類の相溶化が著しく向上することが分かった。
[比較例5]
実施例33における参考例2の方法で得られたエチレンカルボグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物7重量部を除く以外は、実施例33におけると同様の手順で処理し、ペレット化された樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物を電子顕微鏡にて観察した結果、樹脂溶融構造が海島構造をとるが、全く制御されていない径8〜120μmの広い範囲にわたる球状物、長円球状物が分散したものであり、相溶性が極めて不良であった。
改質されたポリプロプレン樹脂の表面ぬれ性試験:実施例4の方法で得られたポリプロピレン樹脂を熱キシロールで溶解させ、メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した後、この濾液にメチルセロソルブを注ぎ、析出した沈殿物を濾別した。これをメチルセロソルブで十分洗浄後、減圧乾燥して白色固形分を得た。次に、この固形分を温度220℃、プレス圧力50Kg/cm−5分の条件にてプレス成形をし、厚さ1mmの成形板を得た。
この成形板を用い、ぬれ性試験用「ぬれ指数標準液」[和光純薬(株)製]を綿棒にて帯状に塗布し、表面ぬれ性試験を行った結果、37dyne/cm(23±2℃)の標準液を塗布しても、経時後も最初の塗布された帯状のままであり、表面が濡れたままの状態であった。
一方、実施例4において用いられた原料ポリプロピレン樹脂を用い、上記と同条件で成形板を作成した。この成形板を用い、上記と同様にして表面ぬれ性試験を行った結果、32dyne/cm(23±2℃)の標準液を塗布してもすぐ玉状になり、全く濡れなかった。
上記した如く、本発明に係わる改質されたポリプロピレン樹脂は、未改質のポリプロピレン樹脂に比して表面ぬれ性が著しく良好であった。
[比較例6]
ポリプロピレン樹脂組成物の表面ぬれ性試験:ポリプロピレン樹脂IDEMITSU PP J−700GP[出光興産(株)製]100重量部、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシル−1,3,5−トリアジン17重量部及びジラウリチオジプロピオネート0.1重量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、窒素シールを施した20mmφベント付き二軸スクリュー型押出機にフィードし、260℃にて10分間滞留する条件下で混練し、次いでペレット化してポリプロピレン樹脂組成物を得た。
次いで、このペレットを用い、実施例36におけると同様にして成形板を作成し、表面ぬれ性試験を行った。その結果、該成形版は33dyne/cm(23±2℃)の標準液を塗布しても表面は濡れず、未改質のポリプロピレン樹脂と同程度であり、表面ぬれ性は優れなかった。
改質されたポリプロピレン樹脂組成物の被覆性試験:ポリプロピレン樹脂IDEMITSU PP J−700GP[出光興産(株)製]45重量部、実施例4の方法で得られた改質されたポリプロピレン樹脂30重量部、オレフィン系熱可塑性エラストマー マルチユーズドレオストマー LJ−3180N[リケンテクノス(株)製]25重量部及びイルガノックス1010[チバガイギー(株)製]0.05重量部をヘンシェルミキサーで十分混合し、次いでシリンダー温度220℃に設定した二軸スクリュー型押出機にて混練しペレット化した。これを射出成形機で成形を行い、厚さ1/8インチの塗装用試験片を作成した。この試験片を用い、表面を洗浄乾燥し、オレスターQ186[三井化学(株)製、不揮発分50%]100重量部、オレスターNP2000[三井化学(株)製、不揮発分75%]18重量部からなる二液硬化型ポリウレタン樹脂を膜厚14μmに塗布した後、85℃−40分の条件にて硬化させた。
該塗装試験板の塗膜は、ハジキ、フクレ等は見られず、且つ密着性試験(ゴバン目のテープ剥離試験)において剥離は全く見られず、極めて良好であった。
[比較例7]
ポリプロピレン樹脂組成物の被覆性試験:実施例37における実施例4の方法で得られた改質されたポリプロピレン樹脂30重量部の代わりに、ポリプロピレン樹脂IDEMITSU PP J−700GP[出光興産(株)製]30重量部を用いる以外は実施例37におけると同様にして試験片を作成し、該試験板に塗装を行った。
該塗装試験板の塗膜は、密着性試験(ゴバン目のテープ剥離試験)において完全に剥離し、被覆性が著しく不良であった。
上記に示した如く、本発明に係わる改質された樹脂類を用いる時、このポリプロピレン樹脂組成物と被覆組成物との接着性は、未改質の組成物に比し極めて良好であり、表面状態、被覆性が著しく改良されたものであった。
実施例2の方法で得られた改質されたポリエチレン樹脂ペレット75重量部及び実施例15の方法で得られた改質されたオレフィン系熱可塑性エラストマー25重量部をミキサーで十分混合し、次いでシリンダー温度240℃に設定した二軸スクリュー型押出機にて混練しペレット化した。これを射出成形機で成形を行い、厚さ1/8インチの引張りせん断強さ測定用試験片を作成した。
次いで、エポキシ樹脂コニシボンド「クィックメンダー」[コニシ(株)製]主剤50重量部及び硬化剤50重量部を混合してなる接着剤組成物を用いて、上記の試験片と鉄金属試験片とを100℃−24時間の条件下で接着し、JIS K 6850に準拠した試験体を作成した。
この試験体を用い、引張りせん断強さをJIS K 6850に準拠し測定した結果、49Kgf/cmの接着強さであり、良好な接着性を示した。
実施例36〜38に示した如く、本発明に係わる樹脂類の表面改質方法において、本発明の改質された樹脂類を用いることにより、表面ぬれ性、被覆性、接着性等の表面特性が著しく改良されることが分かった。
実施例5の方法で得られた改質されたポリプロプレン樹脂35重量部、実施例15の方法で得られた改質されたオレフィン系熱可塑性エラストマー35重量部及び実施例16の方法で得られた改質されたPEワックス30重量部をミキサーで十分混合し、次いでシリンダー温度220℃に設定した二軸スクリュー型押出機にフィードし混練して、接着剤用樹脂組成物を作成した。
この樹脂組成物を用い、180℃に設定したホットメルト用塗装ガンにて、ポリプロピレン樹脂IDEMITSU PP J−700GP[出光興産(株)製]の厚さ1/8インチ試験板と鉄金属試験板とに塗布接着し、JIS K 6850に準拠して試験体を作成した。
この試験体を用い、引張りせん断強さをJIS K 6850に準拠し測定した結果、53Kgf/cmの接着強さであり、良好な接着性を示した。
上記した如く、本発明の改質された樹脂類は、異種材料の接着性に著しく優れた接着剤用樹脂組成物をも提供することができ、表面特性の改質に極めて優れたものであることが分かった。
改質されたポリプロピレン樹脂の染色性試験:実施例4の方法で得られた改質されたポリプロピレン樹脂を熱キシロールで溶解させ、メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した後、この濾液にメチルセロソルブを注ぎ、析出した沈殿物を濾別した。これをメチルセロソルブで十分洗浄後、減圧乾燥して白色固形分を得た。更に、この固形分を用い、樹脂温度250℃、滞留時間10分、巻取り速度500m/分の条件にて紡糸し、延伸を行って該樹脂の繊維を得た。
次に、この繊維を、30%酢酸にてpH5に調整された酸性染料AmirylBlue E−PRL[住友化学(株)製]の5%溶液に、浴比1:40、90℃―60分間の条件にて浸漬染色を行った。更に、これをエマール40パウダー[花王(株)製]の2g/リットル溶液で浴比1:30,60℃−5分の条件にてソーピングし染色試験を行った。
この改質されたポリプロピレン樹脂より得られた繊維の染色性を肉眼で判定した結果、良好であり、染色性が著しく改質されていた。
[比較例8]
ポリプロピレン樹脂の染色性試験:実施例40における実施例4の方法で得られた改質されたポリプロピレン樹脂の代わりに、実施例4において用いられた原料ポリプロピレン樹脂IDEMITSU PP J−700GP[出光興産(株)製]を用いる以外は、実施例40と同様にして該樹脂の繊維を得、これの染色試験を行った。
このポリプロピレン樹脂より得られた繊維の染色性を肉眼で判定した結果、著しく不良であった。






Claims (14)

  1. 樹脂類と、式(1)
    Figure 0004513096

    (式中、R1はエテニル、1−メチルエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル及び3−ブテニルからなる群より選ばれる種であることを示す)で表される基を少なくとも1個有するアミノトリアジニル基含有化合物の中から選ばれる少なくとも1種とを温度250℃〜450℃の範囲で反応を行なわしめることを特徴とする改質された樹脂類の製造法。
  2. 式(1)におけるアミノトリアジニル基含有化合物が、式(2)
    Figure 0004513096

    (式中、R2、R3、R4及びR5は水素原子及び炭素数1個以上を有する基からなる群より選ばれる種であることを示し、R2、R3、R4及びR5は同じ種でも異なった種でもよい)で表される化合物である請求項1記載の改質された樹脂類の製造法。
  3. 式(1)におけるアミノトリアジニル基含有化合物が、式(2)のR2、R3、R4及びR5からなる群の少なくとも1種が水素原子である化合物と、場合により共縮合可能な化合物とともに、アルデヒド類とを付加縮合反応させることにより得られる数平均重合度が1より大きい縮合物である請求項1記載の改質された樹脂類の製造法。
  4. 反応を温度255℃〜400℃の範囲で行う請求項1記載の改質された樹脂類の製造法。
  5. 反応をリアクティブプロセシングにより行う請求項1記載の改質された樹脂類の製造法。
  6. 樹脂類が、樹脂、ゴム類、ワックス類及び油類からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の改質された樹脂類の製造法。
  7. 樹脂類が、ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂及びオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の改質された樹脂類の製造法。
  8. 請求項1、2又は3に記載の改質された樹脂類からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂類を用いることを特徴とする樹脂類の難燃化方法。
  9. リン単体及びリン原子を含有する化合物からなるリン類、式(3)
    Figure 0004513096


    (式中、R6、R7及びR8は、水素原子、炭素数1〜3個を有するアルキル基、炭素数1〜3個を有するオキシアルキル基、フェニル基又はグリシジル基を示し、R6、R7及びR8は同じ種でも異なった種でもよい)で表されるイソシアヌル酸類、式(4)
    Figure 0004513096


    [式中、R6、R7及びR8は式(3)と同じ意味を示す]で表されるシアヌル酸類及びアミノ基含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を成分として含有せしめることを特徴とする請求項8記載の難燃化方法。
  10. 請求項1、2又は3に記載の改質された樹脂類からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂類を用いることを特徴とする樹脂類の熱安定化方法。
  11. 樹脂類が、ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂及びオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項10記載の熱安定化方法。
  12. 請求項1、2又は3に記載の改質された樹脂類からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂類と、異なる1種以上の樹脂類とを相溶化せしめることを特徴とする樹脂類の相溶化方法。
  13. 樹脂類が、ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエーテルスルホン及び熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項12記載の相溶化方法。
  14. 請求項1、2又は3に記載の改質された樹脂類からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂類を用いることを特徴とする樹脂類の表面改質方法。
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