JP4512841B2 - 霧センサ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
【0002】
【従来の技術】
本出願は、霧センサに関するものである。
従来の霧センサとしては、特開平6−118179、特開平11−271469が ある。
いずれも、立派なものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本出願は 特開平11−271469とは違って、レーダーを使わず、特定の地表付近、たとえば、ハイウエイ沿線にて好適で、より低コストで、かつ、特開平6−118179とは違って 数値計算とゆう間接的な手段によらず、雨と霧の区別が、より確実な霧センサをめざしたものである。
また、維持、運用コストの低い、霧除去装置の実現を、第2の目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光線を発する投光機1と、それを受ける受光機2、および、雨センサ3と、湿度センサ5、さらに、これらと無線または有線で、オンラインで つながり、これらの機器を制御するマイクロプロセサ4から なっている。図1参照。
【0005】
【作用】
晴天時には、投光機1より発した光が、受光機2において そのまま受けとられる。
受光機2の受光量が減衰する時は、雨か、雪か、霧である。(廃棄ガスを大量に出す、廃棄ガス対策の されていない車が、何台も連続して通るときを除けば、一般には 自動車の廃棄ガスは短時間に自然消滅する)。これらの時には、雨センサ3と湿度センサ5の信号が、マイクロプロセサ4により照会される。
【0006】
湿度センサ5により、雪と他の二つが区別できる。湿度が高ければ、(一例 90%以上)雨か、霧である。雨センサ3へファン7で風を送ることにより、霧の時には、雨センサ3への水滴の生成が 遮られる可能性が大である。したがって、受光量が減衰して、湿度センサ5の計測値が高く、雨センサ3がオフならば、霧の可能性が強いと いえる。
( 雨センサ3がオンであれば、雨である。湿度センサ5の計測値が高くない時には、オンライン接続された温度センサ6を通して、周囲温度あるいは季節を総合的に、マイクロプロセサ4に判断させて、雨か雪か区別できる。)
【0007】
【実施例】
投光機1、受光機2は自動車ランプの光を除くために、その光軸が、ハイウエイと直角となるように置かれる。
また、受光機2の上には、太陽光を拾わぬように、板<木またはプラスチックでもよい>が設置される。
湿度センサ5としては、一例塩化リチウム露点計を使える。
雨センサ3としては、電極間の短絡、あるいは、容量変化により、雨を感知するものを使える。
【0008】
雨センサ3の電極へ風を送るためのファン7は、家庭用の扇風機でよい。ただし、常時、動かすのは電気代のムダゆえ、受光機2の受光量が減少した時のみ、ファン7を動かす。これは、ファン7とオンラインで つながるマイクロプロセサ4の制御により、容易に実現できる。もちろん、投光機1から受光機2への投光は、霧の生じる季節には、常時やってよい。
【0009】
本発明のような霧センサは、自動車道路沿い、ことに、道路がカーブしておるところ等、見とおしのわるいところへ優先的に設置される。図2。
【0010】
投光機1から発せられた光に関する、受光機2側での受光量の変化は、常にマイクロプロセサ4により計測されておる。
受光機2側の受光量が変化した時のみ、(減衰した時のみで、受光量が増大することは有り得ない。受光電力が照射電力より高くなるのは、何らかの外乱が入ったケースである)、マイクロプロセサ4は湿度センサ5や雨センサ3による計測を開始せしめる。
【0011】
湿度センサ5の計測値が高いときには、雨か霧と判別できる。本発明は、雪や雨の計測にも使えるが、霧の計測に重点を置く時には、高い湿度が検出された時に始めて、雨センサ3による計測を、マイクロプロセサ4が始めるようにしても良い。
【0012】
この雨センサ3には、その電極に向けて、送風がなされるように、ファン7が併設されている。
ファン7の風により、霧は容易に除去されるし、雨であれば、ファンの風にもかかわらず、雨センサ3の電極を濡らす可能性が大である。ことに、ファン7にヒータを埋め込んで、熱風を送るようにすると、雨なら センサ3の電極を やはり濡らすが、霧なら 空中に溶けこみ、電極を濡らすことは まず無い。(温度が高いほど、より多くの水分を水蒸気として、空気は保持できる。)
雨センサ3がオンであれば、雨であると、また、雨センサ3がオフならば、霧であるとマイクロプロセサ4により判断される。
【0013】
さて、道路がカーブしておると、直線道路の時に比して、濃密な霧が生じた時に、ドライバーの運転への影響が大である。そこで、霧が毎年発生しやすい、しかも、カーブしておる地点へは、ハイウエイに沿って、マイクロプロセサ4とオンライン接続された、複数台の霧除去用の大型の扇風機9を設置できる。
牧野原台地の茶畑にて、地表の空気のかくはん用に用いている扇風機は、その一例だが、霧除去用としては、風量を高めるため、より高速回転するように、調整がなされることになる。
【0014】
ハイウエイの安全のためには、迅速の霧の除去が 必要だからである。
上記の霧計測システムにより、霧の発生が検知された時には、マイクロプロセサ4により、この霧除去用の大型扇風機9が 自動的に運転せられる。
もちろん、霧が観測されなくなったら、電気代の節約のため、この霧除去用の扇風機9の運転は、マイクロプロセサ4により停止される。
この大型扇風機9の回転する羽根へ、ヒータを設けて、羽根を熱して、加熱された空気を送風することは、霧の除去に有効である。
【0015】
マイクロプロセサ4は、受光機2での受光率(受光電力/投光電力)の大小により、霧の薄い、濃いを定量的に把握できるので、受光率が小さく 濃い霧であれば、霧除去用の扇風機9を高速回転せしめ、受光率が高く(1に近く) 薄い霧ならば、扇風機9の回転速度を低減せしめることによっても、維持費を節約しつつ、効率的な霧の除去を、本システムで実現できる。
【0016】
雨センサ3として、電極へ通電して、その短絡により 雨を検出するタイプのものを用いる時には、前記のように、受光機2の受光量が減少し、しかも、計測された湿度が高い時のみ、雨センサ3による計測を行うことにより、雨センサ3の電極の劣化を抑制できる。
また、上記のようなタイプの雨センサ3は、前回の計測で電極が雨で濡れておるならば、再使用のために、その電極を乾燥させる必要が有る。電極が濡れたままでは、いったん雨が止んだ後で、しばらくして(一例 半日)再び降り始める時、その再度の降雨の検出に支障を来すからである。
【0017】
この雨センサ3の電極の乾燥とゆう観点からは、前述のファン7に代えて、マイクロプロセサ4とオンラインで つながる、ヘアドライヤー7’のようなものを用いてもよい。
霧と雨との区別のために送風する時には、(霧への送風、ことに温風により 霧を気中へ水蒸気として溶かしこむことが できる)、加熱を しつつの送風が、勿論 良いが、そのドライヤー7’を弱めに、送風量も やや少なめに運転することが できよう。
一方、電極の乾燥時には、風量を強くし、また、加熱も強くしつつ、送風するのが良かろう。
もちろん、このドライヤー7’の上には、傘の代わりに、板を設置し、ドライヤーへの雨を防ぐことになる。この板は、雨センサ3の電極を覆わぬように設置される。
【0018】
なお、太陽光を拾わぬように、受光機2の上に設けた板を広くし、路上に たまっていた水で、通行車により はねとばされた水が、受光機2を汚さぬようにすることは 意味が有る。
【0019】
雨センサ3の電極の乾燥には、このドライヤー7’に代えて、一例 マイクロプロセサ4とオンラインで つながる食器乾燥機7”を用いることも できよう。
通常の食器乾燥機の蓋に、自動開閉用のモータを付けて、それもマイクロプロセサ4にオンラインで つなぐ。
【0020】
雨センサ3の電極を、食器乾燥機7”の中に設置し、雨センサの計測時には、その蓋をマイクロプロセサ4により自動的に開けて、雨の検知を行わせる。
電極が いったん濡れて、次回の雨の検出のために、電極の乾燥を するときには、マイクロプロセサ4は その蓋を自動的に閉めて、食器乾燥機7”をオンにし、電極の乾燥をさせるのである。
食器乾燥機7”は 蓋の内側へ温風を送風する仕組みを有するが、前記のように雨センサ3による、霧と雨の区別のための計測を行うときには、フタを開けたまま、温風を送風して、霧を気中へ溶かし込むこともできる。この場合、温風により 霧が消えると、電極は乾燥したままで、雨センサは オフのままゆえ、霧と わかる。
雨なら、温風であろうと 電極は濡れ、雨センサは オンとなる。
【0021】
ヘアピン カーブで、しかも、霧の発生が 毎年観測されるところでは、投光機、受光機システムを、2組以上 カーブの内側と外側の各々に設ける。
霧に濃淡が 有る場合の、計測の信頼性向上の観点からは、これらのうち 1組でも、オンなら、ハイウエイに 霧が かかっている、(もしくは 雨か雪である)可能性が大である。
そのような判断のためのソフトウエアは、マイクロプロセサ4上に容易に実現できる。
こうした仕組みにより、場所による 霧の濃度の濃淡の影響を低減できる。
その後、湿度センサ5の計測が なされ、湿度が 高くないなら、雨か 雪で、温度センサ6の計測を併用して、雪か 雨か、判断できる。(計測された、ある湿度に対し、温度が所定値以下なら、雪である。)湿度が 一定値以上であれば、雨か 霧である。
雨センサによる霧と雨の区別についての信頼性の向上の観点からは、ファン7が併設された雨センサ37、ドライヤー7’が併設された雨センサ37’、食器乾燥機7”に設置された雨センサ37”のいずれを用いるにしろ、これらの雨センサを(1種類のみにしろ、2、3種類混用にしろ)3台もしくは複数台 設けて、マイクロプロセサ4が 多数決原理で 計測結果を判断するようにできる。
そのようなソフトウエアは、容易に実現できる。
マイクロプロセサ4による制御で、これらファン7、ドライヤー7’,食器乾燥機7”の運転は、いずれを用いても、(湿度センサによる計測後)、霧もしくは雨の時に限られるので、それらの維持費、電気代も限定されると みてよい。
【0022】
投光機と受光機の間の距離としては、一例として ハイウエイの、当該設置地点(での通行車両の平均速度に対応した)車間距離を用いることが できる。
なお、この投光機と受光機より成る、2組の装置を垂直方向に並べたものを、考えることができる。鹿、猪などの野性動物が 仮に下の方の光路を横切ったとしても、上の方の光路をやや高め、(一例 下方光路の2〜3m上)に設置することにより、そのような外乱は 上方の受光機で計測されることは 無い。図3参照。
このように、垂直方向に2組の投光機、受光機システムを設置するときには、両方が オン、つまり、受光電力の減少が検出された時のみ、霧(もしくは、雨か雪)と、マイクロプロセサ4をして、判断せしめる。そのような、ソフトウエアは容易に実現できる。
また、このような設置により、上方の光路を鳥が横切ることが有ったとしても、上下の両光路を 鳥が横切ることは、集団で野鳥が動くケースを除けば、ありえないので 鳥による、本システムの誤動作も 無くすことが、できよう。
さて、長期の間には、自然界の ほこりが、投光機、受光機の光学部品へかかる。そこで、受光機と同様、投光機の上にも、板を設置する。すると、木の葉・・等を、拾わなくなる。また、投光機や受光機が すっぽり入る、パイプを 水平面で2分したような、半円筒形のパイプで、投光機の投光部、受光機の受光部の上方を おおうのも良い。
このようにしても、太陽光や カーライト等の外乱を防ぎやすい。
なお、完全な円筒だと、木の葉や、ごみが たまるので、底の無い 半円筒、あるいは、底1/3が欠けた円筒にする。
本システムで用いる板、パイプは、落雷の影響を除くために、鉄板等 導電性のものは避ける。
同じ目的のために、本システムの いずれの構成要素からも、十分離れたところへ、避雷針が設置される。
【0023】
光としてレーザー光を用いるときには、何らかの拍子に、ハイウエイ上の車のドライバーを、レーザー光で照射することの無いように、投光機(レーザー発振機)をハイウエイに近い側に、それから遠ざかる方向へ、受光機を設置するのが良かろう。図4参照。
このような受光機の設置は、カーライト の光が、道路のカーブが急であれば、若干 入りやすくなるかもしれないが、レーザー光とカーライトの光を受光機側で、波長等により区別することは、それほど 難しくはない。レーザー光の波長で、感度が鋭敏な受光ダイオード等を用いる。
さて、投光機により、常時 レーザー光が発せられているとしたならば、かなりの霧、雪、豪雨でも、受光機では いくばくかの受光が計測せられると 考えられる。
【0024】
たとえ、1秒とはいえ、受光機へ全くレーザー光が入らぬとしたなら、鳥類などが通りすぎた時である。
もちろん、受光機や投光機(レーザー発振機)の故障時には、長時間に わたり、受光電力は0 となるが、投光機の電源回路の故障など、受光機、投光機の動作状況は、それとオンラインで つながるマイクロプロセサ4にて、把握できる。つまり、マイクロプロセサ4は、受光電力=0 の状況が生じたら、それが 計測装置の故障に依るものか、否かを区別できる。
【0025】
ことに、投光機がオンになっていて、受光機、投光機の自己診断機能により、両者が正常に機能しているとマイクロプロセサには判断される にもかかわらず、受光電力=0 が長時間 続くならば、地震、あるいは、大型ダンプカーの通過に伴う振動、もしくは、車両のガードレールへの衝突による振動、その他の要因で、レーザーの光軸がずれたことが考えられる。
【0026】
このようなケースで、レーザー光の投光を続けることは、計測上 意味をなさないし、なかんずく、付近を通るハイカー等、通りがかりの人へ障害を与える危険性が有る。
レーザー光の受光を遮っているのが、人では なくて、たとえ、野生動物だとしても、動物愛護の観点から、レーザー光の照射を止めるべきである。
【0027】
そこで、各機器が正常にも かかわらず、受光電力=0の状態が続いたなら、(一例 3秒)、マイクロプロセサは、自動的に 投光機をして、レーザー発振を停止せしめる。
このような、ソフトウエアは 容易に実現できる。図7参照。
なお、受光=0の原因が、光軸のずれか、動物または人が 光路を遮っている、等のいずれであるかを、マイクロプロセサ4をして、識別せしめることは、一般には困難ゆえ、安全サイドに立って、投光を止めるのが良かろう。
なお、偶然に通過する鳥類の目を守るため、レーザー出力を弱めに設定しておいても、霧の観測とゆう点からは、不都合は まず無かろう。
【0028】
このような、投光機と受光機をマイクロプロセサにより、全体として一元管理し、受光電力=0 で、レーザー発振を自動的に止める仕組みは、レーザー光を計測に用いる投光、受光システムでは、用途のいかにかかわらず、不測の事態において、周辺を通りすぎる人畜の目の保護のために、絶対に必要である。
【0029】
ところで、雨滴の直径は0.5mm〜5mmであり、したがって、前記 雨センサの電極間隔は一例、1〜2mmにすれば、雨滴による短絡を検出しやすい。一方、雨以外では、唯一 水滴よりなる降水である、霧雨の水滴の直径は0.5mm以下である。
水蒸気が凝結してできた水滴、氷晶からなる霧の直径でもって短絡できるよう、電極間隔を一例10μ〜100μ に微小加工した、いわゆる雨センサの’延長版’を考案できる。
【0030】
このような微細な電極間隔を有する雨センサを、電極を下の方に向けて設置する。
雨や雪は、風で横へ流れることも有るが、基本的に上から下へ落ちる。
しかし、霧は滞空する。粒子の直径が小さく軽いので。
したがって、下向きに設置した、微細な電極間隔に対して、短絡あるいは容量変化を起こさしむるものは、霧のみの はずである。
【0031】
微細加工した電極間隔を短絡する、霧の粒子は ただちに蒸発するのであるが、霧が濃厚であれば、そのさいの瞬間的な通電が 繰り返され、これらのμ sec〜m sec秒の通電を観測することが できる。検出回路にコストを かければ、霧が薄くても、同様に検出できることは ゆうまでもない。
このようなセンサを用い、さらに、横へ流れた雨や雪を拾わぬように、微細加工した電極の回りを、高さ5cm〜10cm前後の板で囲うことで、霧のみを検出できる。つまり、投光、受光システムを使わずとも、霧と雨、雪との区別を つけることも、できよう。
上記の仕組みを用いるときには、湿度センサを使わずとも、本システムは 有効に、霧を検出できると言える。
【0032】
なお、投光・受光システムを用いると、上記 電極の表面における、早朝の露の発生による誤動作を確実に防止できる。
また、霜は電極の温度が0度以下になった時に でき、露は 電極の温度が 0度より上で、そこの空気の露点温度以下に下がったときに できる。
そこで、微細加工を施した電極の、周辺の空気の露点を、マイクロプロセサ4をして 露点温度計により測定しつつ、電極温度を露点より高めに制御することを行えば、投光・受光システムを使わずとも、露の影響を除去できる。
【0033】
霧の検出された時には、前出の霧除去用の大型扇風機9を動かす(ことに、その回転羽根を加熱して、動かすと効果的)他に、ハイウエイ沿いに設置された、道路照明装置10を点灯するのも意味が有る。
なお、霧除去用の大型扇風機9は、(首振り式であろうと、なかろうと)その送風方向が、ハイウエイ上に限られるように設置(そして、動作制御)されておる。
また、雨センサ3で 雨か、霧かの判断を、マイクロプロセサ4が 下した後で、大型扇風機9が 動きだすのだが、その送風の影響を受けないところに、雨センサ3は 設置される。
投光機、受光機システムにて、受光率が 1に なれば、霧が消えたと いえる。
すると、マイクロプロセサ4は、大型扇風機9や道路照明装置をオフにする。したがって、電気代のムダを低減できる。
【発明の効果】
本システムでは、雨センサ3により、雨か 霧かの判別を しているのであり、在来システムのように、数値解析とゆう間接的方法に よらないので、霧か否かの判別が より確実である。
本システムのように、回転羽根に ヒータを付けた、大型扇風機を用いることで、効率良く霧を除去できる。
計測にレーザーを用いているときに、本システムのように、関連機器に故障が検出されぬのに、受光電力が 0 の状態が、一定時間(一例 数秒以上)続いたら、自動的にレーザー光を止める仕組みは、人畜への安全上 有益である。
電極間隔を、一例 10〜100μmに微細加工した、雨センサの”延長版”は、電極を下向きに設けることにより、そのまま 霧センサに なりうるのである。
自然界に存在している霧粒子の大きさは、気象条件により さまざまである といえよう。
そこで、電極間隔を、たとえば 100〜200μm、また、200〜300μm、300〜400μmのように変えた、数種類の霧センサを用意し、それらのうちの1種類にて、霧が検出されたら、マイクロプロセサ4は、霧が 生じていると、判別するようにしても良い。
もちろん、1台の霧センサにおいて、電極間隔を 一定にしたまま、微細加工するのでなく、ある部分で10〜100μm,他の部分で 100〜200μm,残りの部分で 200〜300μm のように、加工したものを用いることも意義が有る。
なお、このように 微細加工を施した電極による雨センサ(=霧センサ)を用いるときには、大型扇風機9の送風の影響を受けないように、特に このタイプの雨センサ(霧センサ)の設置位置に注意を払わねばならない。
本発明は、霧の かかることが多い、無人の飛行場にも有効と思える。
【0034】
投光、受光システムと、既存の雨センサ、湿度センサを組み合わせることで、既存の投光、受光システムの計測結果を数値解析したり、あるいは、画像認識を用いるときよりも、単なる理論を越え、計測現場における、さまざまな霧の発生状況のいずれのケースにも、より有効な、霧検出システムを実現できる。
霧が検出された場合には、霧除去用の大型扇風機を動かしたり、また、前記マイクロプロセサと、その電源回路がオンラインで つながるようにした、ハイウエイぞいの照明灯を自動的に点灯せしめることにより、ハイウエイ上の車両の安全を図ることが できる。
夜明け に生じる霧を、人の目を介して、遠隔監視する手順を用いるときには、早朝勤務をその人々に強いることになるが、本システムでは、霧の認識の確実さについて、上記手順と同程度のものを実現しつつ、無人化を図ることが、できる。
電極間隔を微細に加工した、雨センサを霧センサとして用いるときには、前述のように計測手段を単純化できるので、微細加工に伴うコストアップと、瞬時の通電を検出するための、高感度回路を使用することに伴うコストアップを、かなり 低減できる。
このような、微細加工した電極を持つ霧センサは、投光、受光手段を設置しがたいような、地形状況、その他のケースにて有効である。
なお、雨センサとしては、以下のような すぐれた改良版を、本システムへ用いることもできる。電極の腐食の低減において、すぐれている特開平2−262090、毛管現象を活用した特開平2−57956、夜露によるエラー防止を考慮した特開昭62−112043、圧縮空気を用いた特開平4−194657。本システムにて、これらを活用することも意味があろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】霧計測および霧除去用の、本システムの概略構成図。
【図2】通常光を用いた場合の、霧の計測、除去システムの設置状況の概略図。
図1のように、マイクロプロセサ4と 本システムの その他の構成要素とは、有線または無線で、オンライン接続されているが、本図では その接続状況は省略している。
通常光を用いるときには、ハイウエイ上の車両のドライバーの目の位置と、光路の高さが同程度でもさしつかえない。そこで、ハイウエイの路面から1m〜2mの高さに、投光機、受光機が設置される。雨天時に、通行車両によるハイウエイからの水しぶきで、受光機が汚されぬように との観点からは、このような やや高めの設置は 意味が有る。
受光機は、太陽光や カーライトを拾わぬように、その上と左右側面を板で囲うのであるが、とくに、カーライトの光を避けるべく、急カーブの地点では、ハイウエイに近い側へ受光機を、遠い側へ投光機を設置する。ただし、前記の水しぶきを避けるため、受光機はハイウエイより数m 離す。このようにすると、受光機の近傍にて、投光、受光用の光路に対し、カーライトの光が なす角度が大きくなり、カーライトの影響を小さくできる。
図2にて、温度センサ6、湿度センサ5、および、雨センサ3はファン7や、霧除去用の大型扇風機9からの風の影響を受けないところであれば、どこに設置しても良い。
ただし、ハイウエイの車両の廃棄ガスの影響を受けぬように、ハイウエイから離れたところへ、設けるのが良かろう。もちろん、投光機、受光機の光路と交差せず、離れておることが必要である。マイクロプロセサ4は、ファン7や霧除去用扇風機の風を受ける位置でも良い。
図2は、鳥かん図。
【図3】投光、受光システムを 垂直方向に2組並べて用いるときの霧センサ システム。
垂直に立てた2本の棒に、投光機1と投光機1’、それらに対応した受光機2と受光機2’を設置したもの。図3は、側面方向から見た図。
ドライヤー7’は、その送風により 温度センサ6や湿度センサ5が影響を受けぬならば、どこに設けても良い。
棒11、11’として、太い木柱、強化プラスチック柱等を用いることも可。
【図4】投光機としてレーザー発振機を用いるときの、霧センサの設置状況。
ハイウエイに沿って側面方向から見た図。
投光されたレーザー光は すべて受光機にて受け止められるように、投光、受光機が設置されるのであるが、その光路の延長上、あるいは、受光機の設置場所の周辺が畑、あるいは、山道のように、人が 出入りする可能性の高い場所であるときには、図2の通常光によるシステムの方が、良かろう。
レーザ光を用いるときで、何らかの事情で、受光機をハイウエイに近い側に設置し、投光機をハイウエイから遠いところへ設置せねば ならない時には、レーザー光が 車両のドライバーの目に入らぬように、レーザー光の光路が ドライバーの目の高さ とならぬように、
ハイウエイが高架であるならば、レーザー光の光路が、一例 ハイウエイの路面と同程度の高さとなるように、投光機、受光機を設置する。
ハイウエイが、もし 高架でなく、路面が通常道路と同じ高さなら、子供やペットへの影響を考え、光路を路面上 一例 3〜4mに設けるのが 良い。
雨センサ3を、その蓋の内側に設置した食器乾燥機7”は、受光機側に描かれているが、廃棄ガスの影響を受けないところなら、どこに設置しても良い。
レーザ光を用いるときには、マイクロプロセサ4、温度センサ6、湿度センサ5とも、間違ってレーザー光の照射を受けないように、その設置場所に注意を払うべきである。
本図では、わかりやすさのために、ハイウエイに比し、本システムの各構成要素、特に、センサ類を大きく描いている。(図2にても同様)。
【図5】回転羽根の表面に、ヒータ8を設けた、霧除去用の大型扇風機9。
3枚の回転羽根は、本来 同形であるが、ま正面でなく、少し斜めから見た図ゆえ、違ってみえる。受光率が小さいなら、加熱を強くし、受光率が高いなら、加熱を弱くして良い。
【図6】微細加工した電極を持つ霧センサの一例。
上の図は、電極を拡大(約 x100倍)した模しき図。
図中の電極間隔 50μmは 一例である。150μm,250μmでも良い。
下の図は、微細な電極間隔を有する霧センサの設置例であり、電極面が 下向きになっている。
電極面は、車両などの水しぶき等の影響を受けぬように、四囲をプラスチック等の板で囲われている。また、やや高いところ(一例 地表から2m)へ設置される。
なお、霧が流れ込めるように、装置の下方は解放されている。下図は縮少図(約1/10)
雨天時に、雨の微粒子を拾って、誤動作しないように、通常の雨センサ3を併用し、微細な電極間隔を有する霧センサが、オンになっても、通常の雨センサもオンなら、マイクロプロセサ4は、雨であると判断し、併設した雨センサがオフなら、霧と判断するように するのが良い。
【図7】人畜への安全性向上のための、レーザー光の利用時における、レーザー発振の自動停止のためのフローチャート。
受光機2に故障が有るなら、投光は無意味ゆえ、レーザー発振を ただちに止めることになる。
投光機1に故障が検出された場合、および、上記の場合には、マイクロプロセサ4は、電話回線(有線、もしくは、無線)にて、本システムを運営する、もよりの管理センタへ故障の通報を出すことになる。
【符号の説明】
1は投光機。
2は受光機。
3は雨センサ。
4はマイクロプロセサ。
5は湿度センサ。
6は温度センサ。
7は 雨センサの電極への送風用のファン、扇風機。
コンプレッサーからの空気(空気圧は 低くてよい)をホースで導いて、送風するようにしても良い。
7’は ドライヤーであり、雨センサの電極への送風用に使う。
7”は食器乾燥機であり、上記と同じ目的で使う。
8は、霧除去用の扇風機の回転羽根に設置されたヒータ。
9は霧除去用の扇風機。
10は道路照明装置。
11、11’は 棒もしくは木柱。(落雷の影響を受けぬように、鉄柱は使わぬ。)
Claims (5)
- 光線を発する投光機1と、それを受ける受光機2と、受光機2の受光電力が減少して 霧、雨、雪の存在が仮定される時に、霧であるか否かを識別するための天候情報を得るための、湿度センサ5、雨センサ3を有すると共に、以上の機器を全体として制御するマイクロプロセサ4から成るものであり、雨センサ3の電極が濡れておるなら、雨センサ3の再使用のために、雨センサ3の電極の乾燥用のドライヤー7’、又は、食器乾燥機7”を併設し、湿度センサ5の計測値が高く、雨センサ3が オフなら、霧と判断する霧センサシステム。
- 霧を気中へ溶かし込んで、霧と雨を区別するため、霧の時には ドライヤー7’、又は、食器乾燥機7”、又は、併設したファン7より、雨センサ3の電極へ送風し、雨センサ3への水滴の生成が遮られるようにした、請求項1の霧センサシステム。
- 受光機2の受光量が減少した時のみ、送風用のファン7、又は、ドライヤー7’、又は、食器乾燥機7”を動かすようにし、受光機2の受光量が減少し、しかも、計測された湿度が高い時のみ、雨センサ3による計測を行うことにより、雨センサ3の電極の劣化を抑制できるようにした、請求項1、又は、請求項2の霧センサシステム。
- 自動開閉用のモータを食器乾燥機の蓋に付けた雨センサを用いる、請求項1の霧センサシステム。
- 投光機1にレーザー発振機を用い、投光機1がオンになっていて、受光機2、投光機1の自己診断機能により、両者が正常に機能していると判断されるにもかかわらず、動物または人が光路を遮っていて、受光電力=0 の状態が続いたら、マイクロプロセサ4は 投光機1をして、レーザー発振を停止せしめるようにした、請求項1の霧センサシステム。
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