JP4512731B2 - 遊技機製品の生産方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば、パチンコ台や遊技盤、スロットマシン等の遊技機製品の生産管理技術に係り、特にその生産・流通過程において個々の遊技機製品に関する情報を正確に管理するための設備・システム等に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
この種の技術に関連するものとして、遊技機の製造ラインから送り出される完成品に表示された識別情報を読み取るとともに、当該完成品が梱包された後、読み取り済みの識別情報を完成品対応情報として梱包体に記録する遊技機後処理装置が従来から知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この公知の後処理装置は遊技機の製造ラインに付設されたコンピュータシステムを備えており、このコンピュータシステムにはCCDカメラや自動梱包機、印刷機等が接続されている。製造ラインから送り出された完成品はローラコンベア等の搬送経路に沿って自動倉庫に向けて搬送されており、この搬送過程で先ずCCDカメラにより証紙・定格シール等から画像認識により識別情報が読み取られる。読み取られた識別情報はコンピュータシステムに入力され、ここで既存のデータとの照合が行われる。次に自動梱包機により完成品のビニール梱包が行われると、これに対応する完成品対応情報(機械番号、機種名等)が印刷機によってビニール梱包体の外面に印字されるものとなっている。
【0004】
上述した公知の後処理装置によれば、完成品ごとに識別情報の読み取り・梱包・情報印字の作業を全て機械的に行うことができるので、それ以前から人手を介して行っていた作業がなくなり、人為的なミスによる完成品情報の取り違えを防止できると考えられる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−276335号公報(第1−3頁、図1、図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の遊技機製品はその生産から流通、回収処理の段階に至るまで、あらゆる場面において個体ごとの機械番号によって所在が厳格に管理されている。例えば、遊技機製品の生産過程では個体ごとに機械番号が割り振られ、全ての機械番号はその出荷先とともに記録に残される。また、遊技場に設置される遊技機製品(遊技台としての枠や交換式の遊技盤を含む)にあっては、その全てについて機械番号を公安機関へ届け出て許可を受ける必要があり、それ以外の遊技機製品を遊技場に設置して営業を行うことは許可されない。さらに、遊技場において不要となった遊技機製品は所定の回収機構を通じて適正に回収処理される必要があり、みだりに不要品を投棄したり自由に処分したりすることは好ましくない。
【0007】
一方、遊技機製品はその遊技動作を制御するための制御装置を備えており、この制御装置により実行されるプログラムの内容は各種の規制に適合するべく厳格に定められている。このため、所定の公的機関で検定を受けた制御装置(ハードウェアおよびソフトウェア)のみが真正品であって、これに何らかの改変を加えたものは不正品として摘発の対象となる。このような不正を防止する目的で制御装置にもそれぞれ機械番号が割り振られており、これにより制御装置と遊技台等との対応関係を機械番号によって管理することができる。
【0008】
前述した公知の後処理装置は、遊技機製品の生産から出荷に至る段階で機械番号を正確に取り扱う用途には適するものの、その後の流通・回収段階では何ら有効に機能し得ない。このため公知の後処理装置は、製品出荷後において遊技台の設置状況やその回収状況までをも管理することはできないし、制御装置に対する不正については対処の術すらもたない。
【0009】
そこで本発明は、遊技機製品の生産段階にとどまらず、その後の流通・回収過程においても管理能力を発揮することができる技術の提供を課題としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明は、遊技機本体の構成部品に、固有の識別情報が記憶された制御装置が取り付けられた後、当該制御装置の作動検査を行う検査工程と、固有の機械情報が記録された所定の証票を、前記検査工程における検査を通過した前記遊技機本体の構成部品に取り付けられた少なくとも前記制御装置に、貼付する証票貼付工程と、前記制御装置に貼付された前記所定の証票に記録された前記固有の機械情報、および、前記制御装置に記憶された前記固有の識別情報を読み取る情報読取工程と、前記情報読取工程にて読み取られた、前記制御装置に貼付された前記所定の証票に記録された前記固有の機械情報と、当該制御装置に記憶された前記固有の識別情報とを、関連付けて記録する情報記録工程とを有し、前記制御装置に記憶された前記固有の識別情報は、当該制御装置が通電された状態であるときに、当該制御装置の電子回路から、読み取り可能となるIDコードであり、前記証票が貼付される前に前記制御装置が通電状態とされるとともに、当該制御装置が通電された状態で当該証票が貼付された後に、当該制御装置に記憶された前記固有の識別情報を読み取るようにしたことを要旨とする。
請求項2に記載された発明は、請求項1において、前記遊技機製品が前記制御装置を装備した遊技盤のみからなる場合、前記情報読取工程では、前記遊技盤の前面とその後側に位置する前記制御装置の外面とにそれぞれ前記証票が貼付された後、当該制御装置の外面に貼付された前記証票から前記固有の機械情報を読み取ることを要旨とする。
請求項3に記載された遊技機は、請求項1において、前記遊技機製品が前記制御装置を装備した遊技盤とこの遊技盤を収容する枠とから構成される場合、前記情報読取工程では、前記遊技盤の前面、その後側に位置する前記制御装置の外面、および前記枠の外面にそれぞれ前記証票が貼付された後、当該制御装置の外面に貼付された前記証票から前記固有の機械情報を読み取ることを要旨とする。
【0011】
(解決手段1)
上記の課題を解決するため、本発明では生産ライン上で遊技機の機械番号を読み取るとともに、この読み取った機械番号を記録しておくこととしている。すなわち、生産ラインでは遊技機本体の構成部品に制御装置を取り付けるとともに、遊技機本体および制御装置にそれぞれ所定の証票を貼付することで完成品が生産される。生産ラインには読取手段が付設されており、この読取手段により証票に表された機械番号を読み取ることができる。そして、読取手段により読み取られた機械番号を記録手段により記録することで、遊技機製品が出荷された後の流通・回収段階においても容易に機械番号を管理することが可能となる。
(解決手段2)
本発明は、遊技機製品の番号による管理に加えて、制御装置の不正防止についても有効な対策を有する。すなわち本発明は、遊技機製品の生産段階から流通・回収段階に至る様々な場面において遊技機製品を適正に管理するための管理システムとして実現される。この管理システムでは、予め固有の識別情報が組み込まれた電子回路を用いて遊技動作を制御する制御装置を備えた遊技機製品が対象となり、かつ、遊技機製品は制御装置を含む本体に所定の製造情報を表す証票が貼付されることで出荷可能となる。なお、対象となる遊技機製品には、例えば遊技台としての弾球遊技機(遊技盤および枠を含むもの)だけでなく、既存の枠に付け替え可能な遊技盤も含まれるし、スロットマシン等の回胴式遊技機も含まれる。
【0012】
遊技機製品の管理システムは、各種の設備や装置から構成することができる。具体的には、遊技機製品の生産過程でその本体の構成部品に制御装置が取り付けられた後、証票が貼付される前に制御装置に通電した状態でその作動を検査可能とする検査設備と、この検査設備での検査を通過して本体に証票が貼付された後、制御装置に通電した状態で電子回路から識別情報を読み取り可能とし、かつ、証票から製造情報を読み取り可能とする情報読取設備と、この情報読取設備にて読み取られた各情報を遊技機製品の個体ごとに関連づけて記録する情報記録装置とを備えることで遊技機製品の管理システムが構成される。
【0013】
上述の検査設備は、制御装置を含めた遊技機製品が正常に動作するか否かを検査するためのものであり、ここでの検査を通過したものに証票が貼付されてはじめて遊技機製品として出荷可能となる。これに対し、検査を通過しなかったものは不良品として処理され、このような不良品には証票が貼付されない。証票には例えば、遊技機製品ごとに割り振られた機械番号や生産主体の標識、生産時期等の製造情報が表されており、こうした製造情報を生産主体が記録しておくことで、その流通・回収段階においても遊技機製品の所在を明確に管理することができる。
【0014】
情報読取設備は、制御装置の電子回路に組み込まれた識別情報および証票に表された製造情報をそれぞれ機械的に読み取り可能な構成を有しており、上述した検査設備とともに管理システムの一部をなす。一方、電子回路の識別情報は遊技機製品が遊技場に設置された状態であっても、所定の読取用機器を用いることで随時読み取りが可能となっている。例えば、遊技機製品の出荷後において制御装置が不正品に取り替えられた疑いがある場合、公安機関等の権限で制御装置に読取用機器を接続し、その電子回路から識別情報を読み取ることでそれが真正品のものであるか否かを生産主体に照会することができる。
【0015】
このため本発明の管理システムは、情報読取設備にて読み取られた識別情報および製造情報を遊技機製品の個体ごとに関連づけて記録することにより、生産主体において出荷後の遊技機製品の所在を明確に管理するとともに、あわせて制御装置の真正についてもこれを明確に管理することが可能である。このような管理システムにおいては、遊技機製品ごとの製造情報と制御装置の識別情報とが一元的に管理されているので、例えば公安機関から照会があった際に製造情報と識別情報とが出荷時のものと一致しているか否かを直ちに回答することができる。
【0016】
また、電子回路から識別情報を読み取るために制御装置への通電が必要であっても、検査設備において制御装置に通電した状態でその作動が検査されることから、検査終了後のタイミングで識別情報を読み取る態様はきわめて利便かつ合理的である。
【0017】
(解決手段3)
遊技機製品が制御装置を装備した遊技盤のみからなる場合、管理システムの情報読取設備は、遊技盤の前面およびその後側に位置する制御装置の外面にそれぞれ証票が貼付された後、制御装置の外面に貼付された証票から製造情報を読み取り可能な構成を有する。
【0018】
例えば、パチンコ機等の弾球遊技機では、既存の枠に対して付け替え可能な遊技盤のみが製品個体として出荷される場合がある。このような出荷形態では、遊技盤の生産過程で盤面構成部品とともに制御装置が取り付けられ、さらに検査設備での検査を通過した後に遊技盤の前面および制御装置の外面の適宜位置にそれぞれ証票が貼付されることでその出荷が可能となる。通常、制御装置は遊技盤の背面側に位置するため、例えば遊技盤を直立させた状態で情報の読み取り作業を行う場合、盤面の後側の位置で製造情報と識別情報とを合わせて読み取ることができるので、利便かつ合理的に作業を行うことができる。
【0019】
(解決手段4)
遊技機製品が制御装置を装備した遊技盤とこの遊技盤を収容する枠から構成される場合、管理システムの情報読取設備は、遊技盤の前面とその後側に位置する制御装置の外面および枠の外面にそれぞれ証票が貼付された後、制御装置の外面に貼付された証票から製造情報を読み取り可能な構成を有する。
【0020】
1台の遊技機製品として遊技盤と枠とがセットで出荷される形態では、遊技盤の完成後に検査を通過しても、このタイミングで証票は貼付されず、この後の生産過程において遊技盤が枠と組み合わされた後、検査設備において最終的な検査が行われる。最終的な検査を通過すると、このタイミングで遊技盤の前面、制御装置の外面および枠の外面の合計3箇所に証票が貼付されて遊技機製品が出荷可能な状態となる。この場合も同様に、枠を直立させた状態で情報の読み取り作業を行う場合、その背面側の位置で製造情報と識別情報とを合わせて読み取ることができるので、利便かつ合理的に作業を行うことができる。
【0021】
(解決手段5)
管理システムの情報読取設備は、制御装置に接続することでその外部から電子回路との通信を可能とする通信手段と、この通信手段を通じて電子回路から識別情報を読み出し、この読み出した識別情報を情報記録装置に入力する入力手段とを含んでいる。
【0022】
例えば、多数の遊技機製品が検査設備から情報読取設備に順次送り出されてくる場合、その一つ一つについて識別情報および製造情報の読み取り作業を流れ作業で行う形態がきわめて効率的である。このような作業形態では、作業ラインの一定箇所に通信手段と入力手段とを設置しておき、作業ラインに沿って順次流れてくる遊技機製品に通信手段を接続することで効率的な情報読取作業が実現される。
【0023】
(解決手段6)
また本発明の管理システムにおいては、情報読取設備での各情報の読み取り動作および情報記録装置による各情報の記録動作に用いられる電力が無停電電源装置により供給されている態様が好ましい。
【0024】
上述のように、情報読取設備において多数の遊技機製品を順次流れ作業で処理する場合、製品個体ごとに読み取られた各情報の蓄積・記録が情報記録装置による電算処理によって行われる態様が最も効率的である。多くの場合、電算処理による情報の蓄積には揮発性の一時記憶装置等が用いられるため、これらが媒体に書き込まれる前に停電があると、それまでに蓄積された情報が消失してしまう。このため本発明の管理システムでは、無停電電源装置からの電力供給によって情報記録動作の確実性を期することができる。また、無停電電源装置は内蔵電池からインバータ等によって交流を生成できるため、管理システムの電力供給経路上に重畳したノイズが介入するのを防止することができる。
【0025】
(解決手段7)
あるいは、情報読取設備での各情報の読み取り動作および情報記録装置による各情報の記録動作に用いられる電力の供給経路中にノイズ干渉を除去するフィルタが設置されていてもよい。特に、管理システムの検査設備においては実際に遊技球やメダル等の遊技媒体を投入・流動させながら制御装置の検査が行われているため、周囲の環境はきわめてノイズレベルが高いといえる。このため管理システムは、その電力供給経路中にフィルタを設置することで、電子機器を用いた情報の読み取り動作や記録動作に対するノイズの影響を極力排除している。
【0026】
(解決手段8)
本発明の管理システムは、以下の具体的態様を想定して構築されている。すなわち遊技機製品に装備される制御装置は、電子回路としてのCPUが実装された制御基板であり、その識別情報はCPUに記録されたIDコードである。制御基板のなかでも遊技動作を制御するものは主基板であり、そのCPU(中央処理装置)には固有のIDコードが記録されたものを用いることが本発明の管理システムにおいて想定されている。こうした固有のIDコードを持つCPUはセキュリティチップ等と称され、生産主体が真正品のIDコードを把握しておくことで、出荷後における不正基板への交換を容易に発覚させられる仕組みを構築することができる。
【0027】
(解決手段9)
また、遊技機製品に貼付される証票は所定の発行機関により交付される証紙シールであり、この証紙シールには製造情報としての機械番号が二次元コード化された状態で記録されている。コード化された機械番号は、専用器による機械的な読み取りが容易であるため、情報読取設備での作業性をより向上することができる。また二次元コードは情報密度が高く、必要な情報を最少面積で表すことができるので、極端に証紙シールを大きくする必要がない。このため、遊技盤のように装飾性の高い製品の前面に証紙シールが貼付されていても、その美観を損ないにくいという利点がある。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、遊技機製品の管理システムに関する一実施形態を説明する。この種の遊技機製品について既存の生産ラインを保有する生産主体(遊技機メーカー)であれば、これに簡易な付加要素や改作を加えるだけで管理システムを容易に構築することができる。また、新たに生産ラインを設計する場合にあっても、管理システムの実現に必要な設備要素は特に大型なものを必要としないため、追加分の設備投資は最少に抑えられる。
【0029】
図1は、遊技盤1の生産ラインにおける最終処理を概略的に示している。生産ラインは、遊技盤1を直立させた状態でその幅方向に移送可能な移送経路2を有しており、この移送経路2は遊技盤1の板材を上下から挟み込むようにして支持している。もちろん、生産主体の違いによって生産ラインの詳細な形態が図1と異なることはあるものの、それは本発明の管理システムを構築するにあたって本質的な障害とはならない。
【0030】
パチンコ機のように、交換式の遊技盤1だけを製品個体として出荷する場合もあれば、遊技盤1とその周りの枠をも含めたパチンコ台全体を製品個体として出荷する場合もある遊技機製品にあっては、それぞれの出荷形態に合わせた生産計画がなされる。前者の出荷形態を採用する場合、図1に示される最終処理を経て遊技盤1が製品として出荷可能な状態となる。
【0031】
図1に示される最終処理は、先ず遊技盤1の検査工程から始まる。これ以前の工程において既に必要な組み立て作業は全て完了しており、それゆえ、遊技盤1には盤面構成要素をはじめ各種電子部品、制御装置等が全て取り付けられた状態にある。
【0032】
検査工程は、生産ラインに付設された検査設備を用いて実行することができる。検査設備には例えばトロリー線4や検査装置6が含まれており、これらを既に保有する生産主体であれば、既存の検査設備を流用して管理システムを構築することができる。
【0033】
生産ライン上の前工程から組み立て済みの遊技盤1が送出されてくると、検査設備ではトロリー線4から制御装置に電力を供給することでこれを通電状態にすることができる。さらに制御装置に検査装置6を接続し、これを用いて所定の動作検査が行われる。検査装置6は例えば、装飾ランプ類の点灯検査や液晶表示装置の表示検査のほか、各種の可動体や電動役物の動作検査、盤面外観検査、入賞時における入賞信号の出力検査、そして、音響信号の出力検査等を行えるだけの機能を有している。
【0034】
上述した検査設備での検査を通過すると、遊技盤1は次に移送経路2に沿ってその先へ移送され、そこで2枚の証紙シールS1,S2を貼付される。このうち一方の証紙シールS1は遊技盤1の前面の所定位置に貼付され、他方の証紙シールS2はその背面側にある制御装置の外面に貼付される。なお、検査を通過できなかったものは不良品として生産ラインの外へはねられ、不良箇所の修理に回される。
【0035】
図2は、証紙シールS1,S2を具体的に示している。これら証紙シールS1,S2は所定の発行機関(例えば日本遊技機工業組合)から生産主体に交付される。証紙シールS1,S2には、例えば生産主体別に割り当てられた機械番号、生産主体の識別記号、生産年を表す記号等の製造情報が印字されているほか、これらを二次元コード化して表したQRコードCが印刷されている。
【0036】
図3は、遊技盤1の前面の一部を拡大して示している。証紙シールS1は、例えば前面からみて遊技盤1の左下隅あたりに縦長の状態で貼付される。この位置に貼付された証紙シールS1は、遊技機製品としての遊技盤1に割り当てられた機械番号を表す証票となる。この機械番号は、例えば生産主体ごとに発行機関で割り当てられた通し番号となっている。
【0037】
一方、図4は遊技盤1の背面を示している。上述のように遊技盤1の背面には制御装置が装備されており、この制御装置は主基板8および演出制御基板10、そして図示されていない液晶制御基板から構成されている。これら基板はいずれも樹脂製のボックス内に収容されており、証紙シールS2は特に主基板ボックス8aの外面に貼付される。この位置に貼付された証紙シールS2は、真正品としての主基板8に割り当てられた機械番号(基板管理番号)を表す証票となる。
【0038】
なお、証紙シールS1,S2の貼付を同一方向から行えるようにするため、移送経路2の特定の位置に水平方向のターンテーブル(図示していない)を設置してもよい。この場合、ターンテーブル上で遊技盤1の向きを反転させれば、一箇所で証紙シールS1,S2の貼付作業を行うことができる。
【0039】
証紙シールS1,S2の貼付がなされると、遊技盤1は次に情報読取工程に移行される。情報読取工程もまた、生産ラインに付設された情報読取設備を用いて実行することができる。管理システムの情報読取設備は、主基板8に給電するための電源のほかに後述するQRリーダやIDリーダを含むものとなる。
【0040】
図5はさらに、図4中の制御装置を取り立てて示している。主基板8には各種のコネクタが設けられており、このうち電源コネクタ8bには、主基板8に給電するための電力線が接続されるものとなっている。図4,5には配線コードが示されていないが、この段階で既に主基板8と演出制御基板10、さらに液晶制御基板とは相互に配線コードを介して接続されている。
ここで主基板8にはRAMやROMを内蔵したCPUと、電気的な入出力素子(いずれも図示されていない)が実装されており、特にそのCPUはIDコードが組み込まれたタイプのものとなっている。この種のCPUはセキュリティチップ等と称され、予め半導体メーカーによって固有のIDコードが割り当てられており、出荷後においてもIDコードによって個体を判別可能となっている。合わせて半導体メーカーからは専用のIDリーダ(図示されていない)が提供されており、このIDリーダを主基板8に接続することでIDコードの読み取りが可能となっている。主基板8にはIDリーダを接続するためのコネクタ8cが設けられており、このコネクタ8cに専用コードを介してIDリーダを接続することができる。またIDリーダを主基板8に接続することで、CPUのハードウェアパラメータ設定エリアに書き込まれた製品CDを読み取ることもできる。なお製品CDは、生産主体が遊技プログラムを作成する際に定義される。
【0041】
こうした情報読取設備を用いて、情報読取工程では主基板8に通電した状態でCPUからIDコードと製品CDが読み取られ、さらにQRリーダを用いて証紙シールS2からQRコードが読み取られる。情報読取工程を終えると、次に遊技盤1は出荷処理に回される。これにより、遊技機製品としての遊技盤1が実際に出荷可能な状態となる。
以上は遊技盤1のみの出荷形態に関する生産ラインと検査設備、情報読取設備等の概要であるが、遊技盤1とこれを取り付けた枠を合わせたパチンコ機が全体として出荷される場合には以下の概要となる。
【0042】
図6は、パチンコ機20の生産ラインにおける最終処理を概略的に示している。この生産ラインは、パチンコ機20を直立させた状態でその幅方向に移送可能な移送経路22を有しており、この移送経路22はパチンコ機20の枠(前面枠やガラス枠、機構盤等を含むもの)24を上下から挟み込むようにして支持している。ここでも同様に、生産主体の違いによって生産ラインの詳細な形態が異なっても特に問題はない。
【0043】
図6に示される最終処理もまたパチンコ機20の検査工程から始まる。これ以前の工程において既に枠24の組み立てと遊技盤1の組み立て、そして、枠24と遊技盤1との組み付け作業は全て完了している。なお、遊技盤1はそれ単独での検査が既に図1と同様の検査工程で行われているため、図6の検査工程では主に枠24に付属する制御装置や電子機器、機構部品等の動作検査が行われる。
【0044】
ここでも同様に、生産ラインに付設する検査設備を検査工程に用いることができ、その前工程から組み立て済みのパチンコ機20が送出されてくると、トロリー線4から枠24に付属する電源基板(参照符号なし)に電力を取り込むことで、主基板8を含む全ての電子機器類に給電することができる。この状態で、枠24に付属する発射装置や賞球装置、音響機器等の最終的な動作検査が行われる。
【0045】
検査設備での検査を通過すると、パチンコ機20は次に移送経路22に沿ってその先へ移送され、そこで3枚の証紙シールS1,S2,S3を貼付される。このように、パチンコ機20が製品個体として出荷される形態にあっては、遊技盤1のみの検査を通過してもその時点で証紙シールS1,S2は貼付されず、図6の検査工程による最終的な検査を通過してはじめて遊技盤1に証紙シールS1,S2が貼付され、さらに枠24の背面の位置に証紙シールS3が貼付される。一方、検査を通過できなかったものは不良品として生産ラインの外へはねられ、不良箇所の修理等に回される。なお、ここでも同一の方向から証紙シールS1,S2,S3の貼付作業を行えるようにするため、移送経路22の途中にターンテーブル(図示していない)を設置することができる。
【0046】
図7は、背面からみた枠24の右下隅部分を示している。証紙シールS3は図2中(a)に示される証紙シールS1と同様の形態であり、この部分に貼付された証紙シールS3は、遊技機製品としてのパチンコ機20または枠24に割り当てられた機械番号を表す証票となる。
【0047】
証紙シールS1,S2,S3が貼付されると、パチンコ機20は次に情報読取工程に移行される。図6の生産ラインにも情報読取設備が付設されており、ここでもトロリー線4を用いて主基板8への通電が確保されている。また別途、図6の生産ラインに付設してQRリーダおよびIDリーダが配置されており、この情報読取工程では主基板8に通電した状態でCPUからIDコードと製品CDが読み取られ、さらにQRリーダを用いて証紙シールS2からQRコードが読み取られる。こうして情報読取工程を終えると、最終的にパチンコ機20が出荷処理に回される。
【0048】
図8は、管理システムの一角をなす情報記録装置の構成を概略的に示している。情報記録装置はサーバ機器28と、これにネットワーク26を介して接続された複数台(この例では2台)のクライアント機器30,32とを備えている。これらクライアント機器30,32は遊技盤1の生産ラインL1およびパチンコ機20の生産ラインL2にそれぞれ対応して設置されている。このうち、生産ラインL1の一部において図1に示される最終処理が行われ、また生産ラインL2の一部において図6に示される最終処理が行われる。
【0049】
上述の情報読取設備に含まれるQRリーダ34およびIDリーダ36もまた、生産ラインL1,L2にそれぞれ対応して一式ずつ配置されている。そして、これらQRリーダ34およびIDリーダ36はそれぞれ対応するクライアント機器30,32に接続されている。QRリーダ34には市販のものを適用してもよいし、あるいは、管理システムに専用のものを用意してもよい。
【0050】
次に、図8の情報記録装置を用いた情報記録手順について説明する。先ず遊技盤1のみの出荷形態にあっては、図1に示される情報読取工程においてQRリーダ34を用いて証紙シールS2からQRコードCが読み取られるとともに、IDリーダ36を用いて主基板8のCPUからIDコードと製品CDが読み取られる。これら読み取り済みの各コード情報はその都度、クライアント機器30に入力される。クライアント機器30では専用の読取プログラムが実行されており、この読取プログラムはQRコードとIDコードとを遊技盤1の製品個体ごとに関連づけて処理する機能を有している。この読取プログラムでは、その立ち上げ完了後に先ず生産年月日、製品区分(例えば「パチンコ」、「スロットマシン」、「パロット(パチンコ球使用のスロットマシン)」等の別)の基本情報が入力される。これら基本情報の入力が完了すると、読取プログラムにおいて実際に読取情報の入力と蓄積が可能となる。
【0051】
図9は、クライアント機器30により表示される情報読取画面を概略的に示している。この情報読取画面では、処理される情報が全てSQL番号によって分類されており、このSQL番号は稼働日ごとに連番で与えられる。また、処理される情報には、製品個体である遊技盤1ごとの基板管理番号(機械番号)、製品CDおよびIDコードが含まれており、このうち基板管理番号は証紙シールS2のQRコードから読み取り可能であり、また製品CDおよびIDコードは主基板8のCPUから読み取り可能となっている。
【0052】
情報読取画面の最上段はカレント行となっており、現時点で読み取り作業の対象となっている遊技盤1の情報はこのカレント行に表示される。カレント行よりも下段の行には、これまでに読み取り済みの情報が最大で10件表示可能であり、ここでは3件の最新情報が降順で表示されている。
【0053】
遊技盤1が流れ作業で情報読取工程に移行されてくると、ここで先ずQRリーダ34により証紙シールS2のQRコードCが読み取られる。この読取動作が正常に行われると、カレント行の基板管理番号欄に例えば7桁の番号が表示される。なお、QRコードCの汚損・欠損等によってQRリーダ34による読み取りが正常に行われない場合、画面上にある「基板管理番号手入力」のボタンにカーソルを合わせてこれをクリックすることにより、クライアント機器30に付属のキーボードから基板管理番号を手入力することも可能である。基板管理番号が入力されると、カレント行ではカーソルがIDコード欄に移動する。
【0054】
次に、主基板8に接続されたIDリーダ36によりCPUのIDコードが読み取られ、このとき合わせて製品CDもまた読み取られる。例えば、IDリーダ36には読取実行ボタンや表示LED(いずれも図示されていない)が付属しており、主基板8にIDリーダ36が接続された状態で読取実行ボタンが操作されると、IDリーダ36とCPUとの間で通信が行われる。これによってIDコードの読み取り動作が正常に行われると、その旨が表示LEDにより表示される。そして、情報読取画面ではIDコードとともに製品CDがカレント行に表示された後、カレント行の情報は読み取り済みのものとして下段の行に移動される。これにより、カレント行には次のSQL番号が付与されて次の遊技盤1についての待ち受け状態となる。
【0055】
生産ラインL1では、以上の情報読取動作が流れ作業で繰り返され、クライアント機器30に所定数分の情報が蓄積されると、これらはクライアント機器30からネットワーク26を通じてサーバ機器28に送信される。サーバ機器28は受け取った情報をSQL番号ごとに分類し、所定の情報記録媒体に記録する。あるいは、ネットワーク26を用いずにクライアント機器30において記録媒体に一旦情報を記録しておき、後でこれをサーバ機器28に移し替えるようにしてもよい。いずれにしても、情報記録装置によって遊技盤1の製品個体ごとに基板管理番号(QRコード)とIDコードとが関連づけて記録される。
【0056】
以上は遊技盤1のみの出荷形態についての情報読取動作の説明であるが、パチンコ機20全体を製品個体として出荷する形態においても、ほぼ同様の手順で情報読取動作が行われる。
【0057】
すなわち、生産ラインL2上でパチンコ機20が情報読取工程に移行されてくると、ここで先ずQRリーダ34により証紙シールS2のQRコードCが読み取られる。次に、主基板8に接続されたIDリーダ36によりCPUのIDコードが読み取られ、このとき合わせて製品CDも読み取られる。こうした情報読取動作が流れ作業で繰り返され、所定数分の情報がクライアント機器32に蓄積されると、これらはネットワーク26を通じてサーバ機器28に送信される。サーバ機器28は受け取った情報をSQL番号ごとに分類し、所定の情報記録媒体に記録する。これにより、情報記録装置ではパチンコ機20の製品個体ごとに基板管理番号(機械番号)とIDコードとが関連づけて記録される。
【0058】
なお、生産ラインL1,L2において多数の遊技盤1やパチンコ機20を流れ作業で扱う場合、QRコードCの読み取り動作とIDコードの読み取り動作との間で製品個体を取り違えるおそれがある。このため、図6の貼付工程では最初に遊技盤1に証紙シールS1を貼付し、次に枠24に証紙シールS3を貼付して、最後に基板ボックス8aに証紙シールS2を貼付する手順が採用されている。そして、情報読取工程では基板ボックス8aに証紙シールS2が貼付された後でそのQRコードCを読み取り、同じ主基板8にIDリーダ36を接続してIDコードの読み取り動作を行うようにすれば、製品個体の取り違えを防止することができるためより好ましい作業態様となる。
【0059】
また、管理システムは無停電電源装置38を備えており、情報記録装置には無停電電源装置38から必要な電力が供給されている。無停電電源装置38は図示しない商用電源から取り込んだ電力を内蔵電池に蓄えるとともに、内蔵電池から交流を生成して情報記録装置に供給している。これにより、各クライアント機器30,32のRAM等に蓄積された情報が突然の停電によって消失するのを防止し、既に情報読取工程を通過してしまった遊技盤1まで遡って情報読取作業をやり直しするような事態が回避される。
【0060】
また無停電電源装置38を用いることで、サーバ機器28やクライアント機器30,32への電力供給経路40に重畳したノイズが介入するのを防止することができる。特に検査工程では実際にパチンコ球を用いた入賞動作や発射・払出動作等の検査が行われることから、パチンコ球の流動によって常にノイズが発生しており、生産ラインL1,L2の周囲はきわめてノイズレベルの高い環境にある。このため、無停電電源装置38を用いたノイズ対策はデータ消失の防止とともにきわめて効果的な手段である。また、特にノイズ対策を重要視するのであれば、無停電電源装置38の代わりに電力供給経路40にノイズフィルタを配置してもよいし、あるいはこれらを併用してもよい。
【0061】
図10は、管理システムの運用例を図式的に示している。管理システムは生産主体が保有するものであるが、その運用は社会的に幅広く行われる。
具体的には、パチンコ店等の遊技場運営主体から生産主体に対して遊技機製品の発注があると、これを受けて生産主体は、発行機関に対し発注台数に応じた枚数の証紙シールの発行を要請する。発行機関は生産主体ごとに機械番号を決定し、これを印刷した証紙シール(S1〜S3)を発行する。そして、生産主体は発行機関から証紙シールを購入するとともに、このとき採番された機械番号を遊技場運営主体に通知する。この通知を受けると、遊技場運営主体は新たに設置しようとする遊技機製品についてその機械番号とともに公安機関に許可申請を提出する。
【0062】
一方で生産主体は、発行機関から受領した証紙シール(S1〜S3)の機械番号を控えるとともに、上述のように生産ライン中で自己の生産に係る遊技機製品に証紙シール(S1〜S3)を貼付する。さらに生産主体は、上述のように管理システムによって機械番号(上述の例では基板管理番号)を読み取り、これを遊技機製品ごとにIDコードと関連づけて記録する。
【0063】
生産主体から出荷された遊技機製品が遊技場運営主体に納入・設置された後、遊技場運営主体は公安機関の検査を受ける。この検査において申請に係る機械番号の遊技機製品が設置されているか否かが証紙シール(S1〜S3)によって確認されると、公安機関により遊技場運営主体の営業が承認される。
【0064】
遊技場運営主体において既存のパチンコ台を撤去し、新規に台を入れ替える場合、生産主体からパチンコ機20全体が遊技機製品として出荷される形態となるので、便宜上、1台のパチンコ機20に貼付される証紙シールS1〜S3は全て同一の番号で統一される。したがって、管理システムでは1枚の証紙シールS2からQRコードCを読み取るだけで、遊技盤1の機械番号と枠24の機械番号、そして制御装置(主基板8)の機械番号を全て読み取ることができる。
【0065】
一方、遊技場運営主体において遊技盤1だけを交換する場合は遊技盤1のみの出荷形態となるので、生産主体が製品1単位について発行機関から購入するのは証紙シールS1,S2のみとなる。この場合も便宜上、証紙シールS1,S2は同一の番号で統一されるが、既存枠の機械番号と新規な遊技盤1の機械番号とは相互に一致しなくなる。ただし、受注の際に遊技場運営主体から既存枠の機械番号が通知されるので、生産主体としては既存枠の機械番号と新たに出荷される遊技盤1の機械番号との組み合わせを把握することができる。したがって、いずれの出荷形態であっても管理システムには機械番号とIDコードとが全ての出荷製品ごとに関連づけて記録されることとなる。
【0066】
このような特性を利用して、本発明の管理システムは不正品の早期発見と不法投棄の抑止という2つの社会目的に資することができる。
具体的には、パチンコ機20または遊技盤1の出荷後に制御装置(主基板8)が不正品に取り替えられた疑いがある場合、公安機関の権限で遊技場運営主体に立ち入り検査をすることができる。公安機関には半導体メーカーから専用のIDリーダが提供されており、これを実際に設置されているパチンコ機の主基板に接続することで、そのCPUからIDコードを読み取ることができる。そして、公安機関は読み取ったIDコードとともに証紙シール(S1〜S3)の機械番号を生産主体に通知し、それが真正品のものであるか否かを照会することができる。このような照会に対し、生産主体はその管理システムにおいてIDコードおよび機械番号を検索することにより、それが自己の出荷に係る真正品のものであるか否かを正確かつ早期に回答することが可能となる。
【0067】
また、遊技場運営主体において遊技盤や新台の入れ替えが行われた場合、不要となった遊技盤や枠は所定の回収機構を通じて適正に生産主体に回収されることとなっている。こうした正規の回収ルートを外れて不法投棄された製品が発見された場合であっても、管理システムによって機械番号やIDコードから出荷先を検索することで、その不法投棄に関与した主体を容易に特定することができる。しかも管理システムでは、貼付された証紙シールの機械番号とIDコードの両方から出荷先を特定できるので、たとえ故意に証紙シールが剥がされる等で機械番号が読み取り不能となっていたとしても、CPUのIDコードから出荷先を特定できる。
【0068】
本発明の管理システムは上述した一実施形態に制約されず、その他の形態においても実施可能である。一実施形態では遊技盤1またはパチンコ機20について説明しているが、管理システムにおいて対象となる遊技機製品は弾球遊技機の他に回胴式遊技機やパチンコ球使用のスロットマシン等であってもよい。
【0069】
また各生産ラインL1,L2の情報読取工程において、QRコードCとIDコードとを読み取る順序は特に限定されていない。上述の実施形態では、情報記録装置で用いる読取プログラムの仕様にしたがってQRコードCを先に読み取ることとしているが、IDコード(製品CD)を先に読み取るようにプログラムの仕様に変更してもよい。あるいは、QRコードCの読み取り動作とIDコードの読み取り動作とに順序を設けず、これらが同時に行われるようにすることもできる。
【0070】
図9に示される情報読取画面は好ましい一例であり、情報読取装置により記録される情報はこれだけに限定されない。例えば、各生産ラインL1,L2の情報読取工程において証紙シールS1,S2,S3の全てのQRコードCを読み取り、これらを情報読取画面に表示させることで遊技盤1と制御装置(主基板8)またはこれらと枠24の機械番号の整合性を確認するようにしてもよい。この場合、画面上に表示される項目として、「基板管理番号」の他に「遊技盤管理番号」や「枠管理番号」等が追加される。
【0071】
また、検査設備や情報読取設備での各種作業、証紙シールS1〜S3の貼付作業等は、これらを全て自動機により行うものであってもよいし、その一部を作業者により行うものであってもよい。いずれにしても、生産主体がその生産計画に基づいて生産ラインを設計し、これに付設する検査設備や情報読取設備の仕様を適宜決定することで、本発明の管理システムが各種の態様によって構築される。
【0072】
その他、図示とともに挙げた生産ラインの構成や検査設備、情報読取設備、情報記録装置等の構成はいずれも好ましい例示であり、これらの具体的な態様は個々の生産現場においていかようにも変形可能である。
【0073】
【発明の効果】
本発明の遊技機製品の管理システムは、遊技機製品の生産過程からその先の流通・回収過程においても遊技機製品の出処や所在を明確に管理することで、不正品の早期発見や不法投棄の抑止に多大な効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技盤の生産ラインを部分的に示した斜視図である。
【図2】証紙シールを詳細に示した図である。
【図3】遊技盤の一部を拡大して示した図である。
【図4】遊技盤の背面図である。
【図5】制御装置を取り立てて示した図である。
【図6】パチンコ機の生産ラインを部分的に示した斜視図である。
【図7】枠の一部(裏側)を拡大して示した図である。
【図8】情報記録装置の構成を概略的に示した図である。
【図9】読取プログラムによる情報読取画面の表示例を示した図である。
【図10】管理システムの運用例を概念的に示した図である。
【符号の説明】
1 遊技盤
2 移送経路
4 トロリー線
6 検査装置
8 主基板
8a 基板ボックス
10 演出制御基板
20 パチンコ機
22 移送経路
24 枠
28 サーバ機器
30,32 クライアント機器
34 QRリーダ
36 IDリーダ
38 無停電電源装置
40 電力供給経路

Claims (3)

  1. 遊技機本体の構成部品に、固有の識別情報が記憶された制御装置が取り付けられた後、当該制御装置の作動検査を行う検査工程と、
    固有の機械情報が記録された所定の証票を、前記検査工程における検査を通過した前記遊技機本体の構成部品に取り付けられた少なくとも前記制御装置に、貼付する証票貼付工程と、
    前記制御装置に貼付された前記所定の証票に記録された前記固有の機械情報、および、前記制御装置に記憶された前記固有の識別情報を読み取る情報読取工程と、
    前記情報読取工程にて読み取られた、前記制御装置に貼付された前記所定の証票に記録された前記固有の機械情報と、当該制御装置に記憶された前記固有の識別情報とを、関連付けて記録する情報記録工程と
    を有し、
    前記制御装置に記憶された前記固有の識別情報は、当該制御装置が通電された状態であるときに、当該制御装置の電子回路から、読み取り可能となるIDコードであり、
    前記証票が貼付される前に前記制御装置が通電状態とされるとともに、当該制御装置が通電された状態で当該証票が貼付された後に、当該制御装置に記憶された前記固有の識別情報を読み取るようにした
    ことを特徴とする遊技機製品の生産方法。
  2. 前記遊技機製品が前記制御装置を装備した遊技盤のみからなる場合、
    前記情報読取工程では、
    前記遊技盤の前面とその後側に位置する前記制御装置の外面とにそれぞれ前記証票が貼付された後、当該制御装置の外面に貼付された前記証票から前記固有の機械情報を読み取る
    請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記遊技機製品が前記制御装置を装備した遊技盤とこの遊技盤を収容する枠とから構成される場合、
    前記情報読取工程では、
    前記遊技盤の前面、その後側に位置する前記制御装置の外面、および前記枠の外面にそれぞれ前記証票が貼付された後、当該制御装置の外面に貼付された前記証票から前記固有の機械情報を読み取る
    請求項1に記載の遊技機。
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