JP4512378B2 - 拡散反射板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、拡散反射板及びこの拡散反射板を製造するためのフォトマスクに関する。
2インチから4インチ程度の小型の液晶表示素子は、携帯電話や携帯型情報端末において使用されることが多い。このような小型の液晶表示素子においては、省エネルギー性の要求等から、バックライトを光源として利用しない反射型の液晶表示素子と、バックライトおよび外光の両方を光源として利用できる半透過反射型の液晶表示素子とが用いられている。
反射型の液晶表示素子では、外光を反射する拡散反射板が必要であり、拡散反射板は、拡散反射板の法線方向から10〜30度ずれた角度から入射する外光を散乱して観察者側に散乱光を反射する。
半透過反射型の液晶表示素子では、上記拡散反射板に、バックライトの光を透過させるための開口部が形成されている。そして、このような半透過反射型の液晶表示素子は、反射型表示時には、観察者側から入射される外光を拡散反射板における開口部を除く部分で反射することにより反射型表示を行い、透過型表示時には、バックライトからの光源光を拡散反射板の開口部を通して観察者側に出射させることで透過型表示を行う。
このような拡散反射板の製造方法としては、ガラスや金属板をサンドブラスト加工し、薬液処理により平滑化する方法や、積層膜の熱応力によって発生する凹凸を利用する方法など、自然現象として発生する構造を利用する方法がある。これらの方法を用いると、凹凸が完全にランダム配置された散乱構造を形成でき、散乱構造に起因する干渉が発生しない利点はあるが、特定の散乱構造を精度よく形成することができないため、高い散乱輝度を得ることは難しい。また、このような配置は自然現象に拠るものであるため再現性に乏しく、品質管理が困難である。
そこで、拡散反射板の製造には、生産性に優れることから大面積のフォトマスクを用いたプロキシミティー露光(一括露光)によるフォトリソグラフィー技術が通常用いられる(例えば、特許文献1参照)。このようなフォトマスクには、拡散反射板の表面に滑らかな凹凸を形成するために、例えば凹凸を構成する凹部の形状に対応する光透過部が配置されている。
プロキシミティー露光では、高価な大面積のフォトマスクを使用するため、フォトマスクの破損や汚染を回避する意味で、フォトマスクと感光性樹脂(レジスト)表面との間隔(露光ギャップ)は通常数十〜数百μmで保持される。このようなプロキシミティー露光装置の解像限界は10μm前後である。露光ギャップは、フォトマスクに配置された孤立する光透過部の外径と、フォトマスクを構成するガラス基板の厚さと、拡散反射板を構成するガラス基板の厚さとから決定される。
上述のような拡散反射板として、凹凸の配置を決定する際に数列を利用したものが知られている(例えば、特許文献2参照)。この拡散反射板では、凹凸が螺旋状に配置されている。
特開平11−326615号公報 特開2002−14211号公報
しかしながら、上述のような拡散反射板では得られる散乱輝度が不十分となるおそれがあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、散乱輝度の高い拡散反射板及びこのような拡散反射板を製造できるフォトマスクを提供することを目的とする。
拡散反射板は、表面に凹部又は凸部が複数配置された拡散反射板であって、凹部又は凸部の各中心点は、平面内に最密充填された軟質粒子の画像から読み取った軟質粒子の中心点座標から決定され、凹部又は凸部を拡散反射板の法線方向から見た場合において、凹部又は凸部の各中心点を頂点とするドロネー三角形群の各辺の長さをそれぞれ中心点間距離とし、中心点間距離のうち累積相対度数が90%となる中心点間距離をR90、累積相対度数が10%となる中心点間距離をR10とした場合、凹部又は凸部は、以下の条件(1)を満たすように配置される。
1<R90/R10<1.6…(1)
ここで、凹部の中心点とは、凹部の底を規定する点を意味するものとする。また、凸部の中心点とは、凸部の頂点を意味するものとする。
90/R10の値は、凹部又は凸部の中心点同士の位置関係によって決定される。このR90/R10の値が1.6以上であると、中心点間距離の分布のバラツキは大きくなり過ぎる。すなわち、過度に大きい中心点間距離及び過度に小さい中心点間距離が多く存在することとなる。拡散反射板の表面における中心点間距離が大き過ぎる領域では、散乱に寄与しない平坦表面の面積が増加してしまうので、拡散反射板の散乱輝度が低下してしまう。一方、中心点間距離が小さ過ぎる領域では、隣り合う凹部又は凸部同士が異常に接近することにより、散乱に寄与する凹凸が形成されないおそれがある。このような場合、拡散反射板の散乱輝度は低下してしまう。
また、上記R90/R10の値が1であると、バラツキが小さ過ぎるので同じ値の中心点間距離の数が増加する。このため、凹部又は凸部の中心点が規則的に配置されることとなる。この場合、光の干渉により散乱光が著しく着色してしまう。
これに対して、本発明の拡散反射板では上記R90/R10の値が1を超え、且つ1.6未満であるので、中心点間距離の分布におけるバラツキが好適な範囲となる。このため、本発明の拡散反射板は高い散乱輝度を有しており、散乱光が光の干渉により着色することも抑制される。
また、上記拡散反射板では、中心点間距離の平均値が5〜30μmであると好ましく、14〜18μmであると特に好ましい。
中心点間距離の平均値が5〜30μmであると、上記拡散反射板を製造する際に、プロキシミティー露光用の露光装置、ステッパー、ミラープロジェクション型の露光装置等を好適に用いることができる。特に生産性の高いプロキシミティー露光用の露光装置を用いる場合には、中心点間距離の平均値が14〜18μmであると好ましい。
また、凹部又は凸部は、以下の条件(2)を満たすように配置されると好ましい。
1.3<R90/R10<1.6…(2)
この場合、上記R90/R10の値が1.3を超えるので、散乱光が光の干渉により着色することが更に抑制される。
また、フォトマスクは、孤立する遮光パターン又は光透過パターンが複数配置されたフォトマスクであって、遮光パターン又は光透過パターンの各中心点は、平面内に最密充填された軟質粒子の画像から読み取った軟質粒子の中心点座標から決定され、遮光パターン又は光透過パターンの各中心点を頂点とするドロネー三角形群の各辺の長さをそれぞれ中心点間距離とし、中心点間距離のうち累積相対度数が90%となる中心点間距離をL90、累積相対度数が10%となる中心点間距離をL10とした場合、遮光パターン又は光透過パターンは、以下の条件(3)を満たすように配置される。
1<L90/L10<1.6…(3)
このようなフォトマスクを用いて感光性樹脂を露光、現像し、拡散反射板を形成することにより、上記R90/R10の値が1を超え、且つ、1.6未満である拡散反射板が好適に製造される。なお、本発明のフォトマスクにおける遮光パターン又は光透過パターンの中心点は、本発明の拡散反射板における凹部又は凸部の中心点に対応する。
また、上記フォトマスクでは、中心点間距離の平均値が5〜30μmであると好ましく、14〜18μmであると特に好ましい。
このフォトマスクを用いて製造される拡散反射板では、中心点間距離の平均値が好適な範囲となる。
また、遮光パターン又は光透過パターンは、以下の条件(4)を満たすように配置されると好ましい。
1.3<L90/L10<1.6…(4)
このフォトマスクを用いて製造される拡散反射板では、上記R90/R10の値が1.3を超えるので、散乱光が光の干渉により着色することが更に抑制される。
本発明の拡散反射板の製造方法は、表面に凹部又は凸部が複数配置された拡散反射板の製造方法であって、凹部又は凸部の各中心点を、平面内に最密充填された軟質粒子の画像から読み取った軟質粒子の中心点座標から決定し、凹部又は凸部を当該拡散反射板の法線方向から見た場合において、凹部又は凸部の各中心点を頂点とするドロネー三角形群の各辺の長さをそれぞれ中心点間距離とし、中心点間距離のうち累積相対度数が90%となる中心点間距離をR 90 、累積相対度数が10%となる中心点間距離をR 10 とした場合、凹部又は凸部を、以下の条件:
1<R 90 /R 10 <1.6
を満たすように配置する。
本発明によれば、散乱輝度の高い拡散反射板及びこのような拡散反射板を製造できるフォトマスクを提供することができる。
以下、図面とともに本発明の実施形態に係る拡散反射板及びフォトマスクについて説明する。なお、図面の説明においては、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致していない。
<第1実施形態>
(拡散反射板及びカラーフィルタ)
まず、本発明の第1実施形態に係る拡散反射板R及びこれを用いたカラーフィルタCFについて説明する。図1は、反射型の拡散反射板Rを有するカラーフィルタCFの断面を示すものであり、図2は、図1のカラーフィルタCFの透明基板21及び拡散反射板Rの平面図である。
カラーフィルタCFは、図1に示すように、主として、ガラス等の透明基板21と、透明基板21上に設けられその表面に凹凸パターンが形成された拡散反射板Rと、拡散反射板R上に並設された着色樹脂24R,24G,24B(着色材)と、着色樹脂24R,24G,24B上にわたって設けられた保護膜26と、保護膜26上に設けられた透明電極27と、を有する。
拡散反射板R上の着色樹脂24R,24G,24Bは、各々、一画素を構成する赤、緑、青の光を各々透過させるものである。この着色樹脂24R,24G,24Bを合わせた一組が一画素に対応する。この着色樹脂24R,24G,24Bとしては、染色された樹脂、染料分散された樹脂、顔料分散された樹脂などを利用できる。特に、製造プロセスの簡便さや耐候性などの面から、着色樹脂24R,24G,24Bには、顔料分散された樹脂を用いることが好ましい。樹脂として、具体的には、例えば、アクリル、ポリビニルアルコール、ポリイミドを含む樹脂を使用することができる。なお、着色樹脂24R,24G,24Bに代えて、例えば、任意の波長の光のみを透過するように膜厚制御された無機膜を使用してもよい。要は、後述する液晶中に表示不良の原因となる不純物を溶出しない着色材であれば良い。
着色樹脂24R,24G,24B上には必要に応じて透明な保護膜26が設けられ、その上にITO等により形成される液晶駆動用の透明電極27が形成されている。
拡散反射板Rは、表面に凹凸パターンが形成された樹脂層31と、この樹脂層31の上面に形成された反射膜32とを有している。
反射膜32としては、純アルミニウム、アルミニウム合金(Al−Nd合金など)や銀合金(Ag−Pd−Cu合金)等の高反射率の金属膜を採用でき、たとえば、蒸着等の手法によって形成すればよい。
樹脂層31は、感光性樹脂に対してフォトリソグラフィーを適用することにより形成されている(詳しくは後述)。このような感光性樹脂としては、例えば、ノボラック樹脂系ポジ型レジスト、(メタ)アクリル樹脂系ポジ型レジスト等を用いることができる。さらに好ましくは、この感光性樹脂として、カーボンブラックや色素を添加して露光光に対して吸光性を付与したポジ型レジストを用いることができる。なお、これらのポジレジストは、フォトリソグラフィーにおいて露光工程、現像工程後に行われる加熱工程で硬化する性質を有し、その表面が平滑化するので、なだらかな凹凸面の形成が実現できて拡散反射板として好適である。
図2に例示された拡散反射板Rは、一画素に対応する300μm×300μmの正方形の画素領域PXをマトリクス状に隣接して複数有している。この各画素領域PXは、各々3原色に対応するR部37R、G部37G、B部37Bを有している。各R部37R、G部37G、B部37Bは、各々300μm×100μmの大きさの矩形形状を呈する。
そして、拡散反射板Rは、同一の外形寸法を有し表面に同一形状の凹凸パターンが形成された複数の単位反射領域P(反射領域)を有している。単位反射領域Pの表面には、全面にわたって凹部Bがランダムに多数配置されている。このような多数の凹部Bによって凹凸パターンは構成されている。これらの単位反射領域Pは、各々外形寸法が600μm×600μmの正方形であり、互いに隣接して行列状に配置されている。
ここで、本実施形態では、一画素の大きさである画素領域PXを4つ分、正方形状にまとめた領域が、単位反射領域Pに対応する。本実施形態の拡散反射板Rを液晶表示素子に用いる場合には、モアレパターンの発生を抑制する観点等から、単位反射領域Pの外形寸法は画素領域PXの外形寸法の整数倍(2倍以上)であると好ましい。
図3は、拡散反射板Rの法線方向から見た単位反射領域Pの一例を模式的に示す平面図である。この単位反射領域Pの表面には、図2の凹部Bとして、例えば開口面が円形の凹部B1、凹部B2、…、及び、凹部B15(以下、凹部B1〜B15のように記す)が配置されている。凹部B1〜B15は、例えば拡散反射板Rの法線方向において開口面から底に向かうに連れて徐々に窄まる形状、すなわちすり鉢状又は椀状の形状を有している。なお、実際には、凹部Bは単位反射領域P内に多数配置されるが、説明の便宜上、図3では15個配置されるとして説明する。
ここで、凹部B1〜B15の底を規定する点をそれぞれ凹部B1〜B15の中心点C1〜C15とする。すなわち、中心点C1〜C15は、拡散反射板Rの法線方向において凹部B1〜B15の開口面から最も遠くに位置する。また、凹部B1〜B15を拡散反射板Rの法線方向から見た場合、中心点C1〜C15は、凹部B1〜B15の開口面を構成する円の中心点と重なる。これにより、各中心点C1〜C15を頂点とするドロネー三角形群Dsが特定される。ここで、ドロネー三角形について説明する。平面上に点群が配置されているとき、どの点に最も近いかによって点群を分割してできる図(ボロノイ図)において、この分割された領域をボロノイ領域という。この隣接するボロノイ領域の母点同士を結んでできる各三角形をドロネー三角形といい、このドロネー三角形は点群の接続関係を示す手法として用いられる。
ドロネー三角形群Dsは、複数のドロネー三角形D1〜D16から構成されている。例えば、ドロネー三角形D1は中心点C1,C2,C6を頂点としており、中心点C1と中心点C2とを結んだ辺の長さはR1である。また、中心点C1と中心点C6とを結んだ辺の長さはR2、中心点C2と中心点C6とを結んだ辺の長さはR3である。したがって、ドロネー三角形群Dsの各辺の長さはR1〜R30となる。これらの各辺の長さR1〜R30をそれぞれ中心点間距離R1〜R30として、以下説明する。なお、本実施形態では、単位反射領域Pにおける中心点間距離R1〜R30の数は30個存在することとなる。
ここで、30個の中心点間距離R1〜R30のうち累積相対度数が90%となる中心点間距離をR90、累積相対度数が10%となる中心点間距離をR10とする。この場合、単位反射領域Pにおいて、凹部B1〜B15の中心点C1〜C15は以下の条件(1)を満たすように配置されている。
1<R90/R10<1.6…(1)
90/R10の値は凹部の位置関係によって決定される。このR90/R10の値が1.6以上であると、中心点間距離の分布のバラツキが大きくなり過ぎてしまう。つまり、そのような拡散反射板の単位反射領域内には、過度に大きい中心点間距離及び過度に小さい中心点間距離が多く存在することとなる。過度に大きい中心点間距離が存在すると、その中心点間の領域では、散乱に寄与しない平坦表面の面積が増加してしまうので、得られる拡散反射板の散乱輝度が低下してしまう。一方、過度に小さい中心点間距離が存在すると、その中心点間の領域では、隣り合う凹部同士が異常に接近することにより、散乱に好適な凹凸が形成されないおそれがある。このような場合、拡散反射板の散乱輝度は低下してしまう。
また、R90/R10の値が1であると、バラツキが小さ過ぎるので同じ値の中心点間距離の数が増加する。このため、単位反射領域内で凹部の中心点が規則的(周期的)に配置されることとなってしまう。このような拡散反射板では、光の干渉により散乱光が著しく着色してしまうため、色付きが見られてしまう。
これに対して、本実施形態の拡散反射板Rでは上記R90/R10の値が1を超え、且つ1.6未満であるので、中心点間距離R1〜R30の分布におけるバラツキが好適な範囲となる。このため、拡散反射板Rは高い散乱輝度を有する。また、光の干渉を引き起こす規則性が弱められるので、散乱光が光の干渉により着色することを抑制できる。
また、凹部B1〜B15は以下の条件(2)を満たすように配置されると好ましい。この場合、上記R90/R10の値が1.3を超えるので、光の干渉を引き起こす規則性が弱められる。このため、条件(2)を満たす拡散反射板Rでは、散乱光が光の干渉により着色することが更に抑制される。
1.3<R90/R10<1.6…(2)
さらに、凹部B1〜B15が以下の条件を満たすように配置されると更に好ましい。R90/R10の値がこの範囲であると、更に高い散乱輝度を有すると共に色付きが更に抑制された拡散反射板が得られる。
1.4<R90/R10<1.5
また、拡散反射板Rにおいて、中心点間距離R1〜R30の平均値(加重平均値)RAVEが5〜30μmであると好ましく、14〜18μmであるとより好ましい。平均値RAVEが5〜30μmであると、拡散反射板Rを製造する際に、プロキシミティー露光用の露光装置、ステッパー、ミラープロジェクション型の露光装置等を好適に用いることができる。特に生産性の高いプロキシミティー露光用の露光装置を用いる場合には、平均値RAVEが14〜18μmであると好ましい。
以上説明したように、本実施形態に係る拡散反射板Rは、高い散乱輝度を有すると共に、散乱光の色付きが低減されたものである。
(液晶表示素子)
次に反射型の液晶表示素子LCDについて説明する。図4は、液晶表示素子LCDの断面図である。この液晶表示素子LCDは、カラー液晶表示素子である。液晶表示素子LCDは、主として、上述の拡散反射板Rを有するカラーフィルタCFと、このカラーフィルタCFに対向配置されたTFD基板300とを有している。
TFD基板300は、ガラス基板101と、ガラス基板101上に画素毎に形成され、図示しないTFD(Thin Film Diode)に接続された透明な画素電極111と、ガラス基板101を挟んで画素電極111と反対側に形成された偏光膜115とを有している。
TFD基板300とカラーフィルタCFとはシール部材113を介して互いに対向するように固定されており、TFD基板300とカラーフィルタCFとの間に所定の厚みの空間が形成されている。そして、この空間内には液晶120が充填されている。
このような液晶表示素子LCDは、観察者側(図示上方から)から入射される外光をカラーフィルタCFの拡散反射板Rで反射することにより反射型表示を行う。
そして、液晶表示素子LCDは上述の拡散反射板Rを有しているので、観察者側からみたときに高い輝度を示す。また、液晶表示素子LCDでは、表示部における色付きが低減されて視認性が向上する。
(フォトマスク)
続いて、上述の拡散反射板Rの製造に用いるフォトマスクMについて図5及び図6を参照して説明する。
図5は、第1実施形態に係るフォトマスクMの平面図である。このフォトマスクMはプロキシミティー露光に用いられるものであり、拡散反射板Rの凹凸パターンに対応したパターンの光を感光性樹脂層に照射させるためのものである。
フォトマスクMは、光を透過させるガラス基板2上に、光を遮蔽可能な金属膜3が形成されてなる。金属膜3には、孤立する多数の光透過パターンMBが形成されている。光透過パターンMBは、主として回折光を透過させ、上述の拡散反射板Rの凹凸パターンに対応する光を対象となる感光性樹脂層に照射させるためのものである。この光透過パターンMBは、拡散反射板Rの凹部Bに対応する。
ここで、光透過パターンMBの外径は、3μm以上20μm以下、より好ましくは3μm以上15μm以下であることが好適である。外径が20μm以上の場合には、光が透過する際に光の回折が少ないため連続したエネルギー分布を有する露光像を感光性樹脂に形成することが困難となる傾向がある。一方、外径が3μm以下の場合には、一括露光法(プロキシミティー露光法)で最低限必要とされる露光ギャップでは光が拡散してしまい、感光性樹脂の表面に安定な露光像を形成しにくい傾向がある。
光透過パターンMBは、600μm×600μmの正方形の単位パターン領域MP(パターン領域)毎に各々同一のランダム配列で多数配置され、さらに、この単位パターン領域MPが互いに隣接して行列状にマスク領域MPP内に繰り返し設けられている。すなわち、マスク領域MPPにおいては、同一の外形寸法で、かつ、多数の光透過パターンMBを含む同一のパターンが形成された単位パターン領域MPが、複数繰り返し形成されている。ここで、この単位パターン領域MPは、拡散反射板Rの単位反射領域Pに対応する。また、マスク領域MPPは拡散反射板Rの凹凸パターンに対応する。
単位パターン領域MPは、上述したカラーフィルタCFの拡散反射板Rにおける1画素の大きさ(画素領域PX)に対応する300μm×300μmの正方形の画素領域MPXを、互いに隣接して行列状に複数含んでいる。本実施形態では、単位パターン領域MP内に4つの画素領域MPXが含まれている。また、各画素領域MPXは、この画素領域MPXを図示横方向に同じ大きさの縦長の領域に3つに分割してなるR部7R、G部7G、B部7Bを各々有しており、これらはカラーフィルタCFの拡散反射板RにおけるR部37R、G部37G、B部37Bに対応する。
図6は、単位パターン領域MPの一例を模式的に示す平面図である。この単位パターン領域MPには、図5の光透過パターンMBとして、例えば円形の光透過パターンMB1、光透過パターンMB2、…、及び、光透過パターンMB15(以下、光透過パターンMB1〜MB15のように記す)が配置されている。光透過パターンMB1〜MB15は、拡散反射板Rにおける凹部B1〜B15にそれぞれ対応する。なお、実際には、光透過パターンMBは単位パターン領域MP内に多数配置されるが、説明の便宜上、図6では15個配置されるとして説明する。
円形の光透過パターンMB1〜MB15の中心点MC1〜MC15は、拡散反射板Rにおける中心点C1〜C15にそれぞれ対応する(図3参照)。そして、各中心点MC1〜MC15を頂点とするドロネー三角形群MDsが特定される。このドロネー三角形群MDsは、複数のドロネー三角形MD1〜MD16から構成されている。例えば、ドロネー三角形MD1は中心点MC1,MC2,MC6を頂点としており、中心点MC1と中心点MC2とを結んだ辺の長さはMR1、中心点MC1と中心点MC6とを結んだ辺の長さはMR2、中心点MC2と中心点MC6とを結んだ辺の長さはMR3である。したがって、ドロネー三角形群MDsの各辺の長さはMR1〜MR30となる。これらの各辺の長さMR1〜MR30をそれぞれ中心点間距離して説明する。
ここで、単位パターン領域MPにおける中心点間距離MR1〜MR30のうち累積相対度数が90%となる中心点間距離をL90、累積相対度数が10%となる中心点間距離をL10とする。この場合、光透過パターンMB1〜MB15は以下の条件(3)を満たすように配置されている。このようなフォトマスクMを用いて感光性樹脂を露光、現像し、拡散反射板Rを形成することにより、上記条件(1)を満たすような拡散反射板Rが好適に製造される。
1<L90/L10<1.6…(3)
また、光透過パターンMB1〜MB15は以下の条件(4)を満たすように配置されると好ましい。このようなフォトマスクMを用いれば、上記条件(2)を満たすような拡散反射板Rが好適に製造される。
1.3<L90/L10<1.6…(4)
さらに、光透過パターンMB1〜MB15が以下の条件を満たすように配置されると更に好ましい。
1.4<L90/L10<1.5
また、フォトマスクMでは、単位パターン領域MPにおける中心点間距離MR1〜MR30の平均値(加重平均値)LAVEが5〜30μmであると好ましく、14〜18μmであると特に好ましい。このようなフォトマスクMを用いれば、前述の平均値RAVEが好適な数値範囲内であり、高い散乱輝度を有し且つ散乱光の着色が少ない拡散反射板Rが好適に製造される。
上述のフォトマスクMは、例えば、ガラス基板2上に、金属膜3、図示しないレジスト膜を順次形成した後、電子線等によってレジストパターンを形成し、これをマスクとして金属膜3をエッチング除去して光透過パターンMBを形成し、レジストパターンを除去することにより容易に形成できる。
また、図6に示された光透過パターンMB1〜MB15の配置は、例えば以下のようにして決定される。
まず、単位パターン領域MPに対応する平面内に多数の軟質粒子を最密充填させ、これらの軟質粒子の拡大写真を顕微鏡により撮影する。これにより、多数の軟質粒子の配列画像が得られる。
軟質粒子としては、所定の弾性を有しており且つ直径が略同一の球状体が好ましく、直径が概ね揃った水面の気泡、ポリマー粒子、ラテックス粒子、相分離構造を有するポリマー粒子等が挙げられる。具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル等の単一成分の重合体を含む粒子や、ポリエチレン−ポリビニルエステル共重合体、ポリエチレン−ポリブタジエン共重合体、ポリスチレン−ポリメタクリル酸メチル共重合体、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体、ポリスチレン−ポリ芳香族ビニル重合体等の乳化重合粒子又は懸濁重合粒子を用いることができる。
また同様に、軟質粒子として、ポリスチレン−b−ポリブタジエン共重合体、ポリスチレン−b−ポリイソプレン共重合体、ポリスチレン−b−ポリビニルピリジン重合体等のブロックポリマー、すなわち構造が制御された重合物を含む粒子を用いることも可能である。このような重合物は相分離構造を有する。
そして、得られた配列画像中の軟質粒子の中心点座標を、画像処理等の手法を用いて読み取る。この際、読み取った中心点座標のデータを可視化した上でディスプレイ画面に表示させる。さらに、コンピュータ等を用いて中心点座標を以下のように適宜修正してもよい。
例えば、中心点が密集している領域では、余分な中心点を削除し、中心点があまり存在しない領域では、新たな中心点を追加する。具体的には、まず、中心点座標のデータを用いてドロネー三角形群を作成し、このドロネー三角形群の各辺の長さを算出する。これにより得られた各辺の長さを中心点間距離として、中心点間距離の平均値(加重平均値)を算出する。そして、各中心点間距離と平均値との差分を算出して当該差分が過度に大きいものや過度に小さいものを少なくするように適宜中心点の削除及び追加を行う。なお、簡便には中心点間距離の散布グラフを用いて目視により平均値に対する各中心点間距離の偏りを判断するとしてもよい。
上述のようにして決定された各々の中心点座標に所定の定数を乗ずることにより、中心点間距離の平均値を調整する。この平均値は、拡散反射板を製造する装置や拡散反射板の材料等に応じて適宜決定される。例えば、液晶表示素子に用いられる大型のプロキシミティー露光装置及びポジ型レジストを用いた場合には、中心点間距離の平均値が14〜18μm程度となるように調整する。このようにして単位パターン領域MPを得る。
(拡散反射板、カラーフィルタ、液晶表示素子の製造方法)
次に、上述のフォトマスクMを用いて、拡散反射板R、カラーフィルタCF及び、液晶表示素子LCDを製造する方法について説明する。
(塗布工程)
まず、図7(a)に示すように、透明基板21上に感光性樹脂層72を形成する。
ここで、感光性樹脂層72としては、例えば、その感光域での透過率を示す吸光係数が0.01/μm以上0.3/μm以下となるように吸光性等を設定したポジ型レジストを用いることができる。感光性樹脂層72の感光域での吸光係数が0.01/μm未満である場合には、加工性が悪く、凹凸を形成するために多くの露光エネルギーを必要とする傾向がある。一方、吸光係数が0.3/μmを超える場合には、加工深さが露光や現像条件に対して急峻に変化するため、安定した凹凸の構造を形成することが難しくなる傾向がある。
(露光工程)
次に、図7(b)に示すように上述のフォトマスクMを用いて感光性樹脂層72に対して一括露光(プロキシミティー露光)を行う。これにより、感光性樹脂層72には、フォトマスクMの光透過パターンMBに対応した露光部72aが形成される。ここで、露光時間等の条件は、感光性樹脂層72において、光透過パターンMBに対応する部分が回折光によって感光性樹脂層72の上部のみが凹凸状に感光する程度に設定する。
(現像工程)
次に、露光された感光性樹脂の現像、洗浄及び熱処理を行うことにより、図7(c)に示す樹脂層31を得る。ここでは、感光性樹脂に応じた現像液を適宜選定して使用すればよく、例えば、ナトリウムやカリウム等の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩といった無機アルカリ、有機アンモニウムなどの有機アルカリ等の溶液を現像液として使用できる。具体的には、20℃〜40℃の条件で、現像液中に感光性樹脂を浸漬し、または、感光性樹脂に現像液をシャワーすればよい。
そして、現像後の感光性樹脂を純水で充分に洗浄したのち、感光性樹脂の熱処理を行う。熱処理工程では、感光性樹脂が硬化に先だって溶融軟化し、感光性樹脂層の表面の微細な凹凸が消失してなだらかな凹凸パターンが形成される。熱処理温度としては120〜250℃が好ましく、150〜230℃がより好ましい。また、熱処理時間としては10〜60分が好ましい。
これにより、フォトマスクMの光透過パターンMBに対応する凹部Bが表面に形成された樹脂層31が得られる。すなわち、樹脂層31の表面に形成される凹凸パターンは、凹部Bから構成される。
(反射膜形成工程)
次に、図8(a)に示すように樹脂層31上に金属等の反射膜32を形成する。反射膜32を構成する材料としては純アルミニウム、アルミニウム合金(Al−Nd合金など)や銀合金(Ag−Pd−Cu合金)などが好ましい。反射膜32の厚みは、0.1〜0.3μmの範囲が好ましく、0.15〜0.25μmの範囲がより好ましい。ここでは、例えば、上述の合金を全面に亘って蒸着して金属層を形成した後、エッチング等により金属層の不要部分、すなわち、開口部25内に形成された金属層等を除去すればよい。また、このとき図示しないマーク類を形成することもできる。これにより、表面に多数の凹部Bが配置された拡散反射板Rが完成する。
(カラーフィルタ作成工程)
さらに、拡散反射板R上に、図8(b)に示すように、赤、緑、青の着色樹脂24R,24G,24Bを形成し、さらに、保護膜26、及び、ITO等の透明電極27を公知の方法により順次形成し、拡散反射板Rを備えたカラーフィルタCFが完成する。
(液晶表示素子作成工程)
引き続いて、図4に示すように、公知の方法によって製造したTFD基板300と、上述のカラーフィルタCFとを、シール部材113を介して張り合わせ、内部に液晶120を注入し、さらに、TFT基板300に偏光膜115を形成することにより、液晶表示素子LCDが完成する。
上述の製造方法によれば、高い散乱輝度を有すると共に散乱光の色付きが低減された拡散反射板R、カラーフィルタCF及び液晶表示素子LCDが好適に得られる。
次に、第2実施形態に係る拡散反射板及びフォトマスクについて、図9〜図12を参照して説明する。
<第2実施形態>
図9は、半透過型の拡散反射板としての拡散反射板R1を有するカラーフィルタCFの断面を示すものであり、図10は、図9のカラーフィルタCF1の透明基板21及び拡散反射板R1の平面図である。拡散反射板R1は、第1実施形態に係る拡散反射板RのR部37R、G部37G、B部37Bの略中央部に各々開口部25を形成したものである。拡散反射板R1の表面には、開口部25を除くように凹部Bが形成されており、この凹部Bが凹凸パターンを構成している。この場合であっても、拡散反射板R1は、拡散反射板Rと同様、高い散乱輝度を有すると共に散乱光の色付きが低減されたものである。
開口部25は、透明基板21に直交する方向からみて矩形形状を有している。これにより、透明基板21を挟んで拡散反射板R1とは反対側から入射する光を透過させることができる。この開口部の矩形の大きさは、20〜80×20〜280μm程度である。そして、図9に示すように、着色樹脂24R,24G,24Bは、拡散反射板R1の開口部25にも充填されており、これらはこの開口部25で各々透明基板21に接している。
カラーフィルタCF1は、上述のカラーフィルタCFにおける拡散反射板Rを拡散反射板R1に置換したものである。この場合であっても、カラーフィルタCF1は高い散乱輝度を有すると共に散乱光の色付きが低減されたものである。
図11は、カラーフィルタCF1を有する液晶表示素子LCD1の断面図である。液晶表示素子LCD1は上述の液晶表示素子LCDにおけるカラーフィルタCFをカラーフィルタCF1に置換したものである。この場合であっても、液晶表示素子LCD1は高い散乱輝度を有すると共に散乱光の色付きが低減されたものである。
図12は、拡散反射板R1の製造に用いるフォトマスクM1の平面図である。フォトマスクM1は、第1実施形態に係るフォトマスクMのR部7R、G部7G、B部7Bの中央部に各々光透過部10を形成したものである。光透過部10は、フォトマスクM1の表裏面間で光を透過可能とする開口であり、図示上下方向に延びる矩形形状をなす。光透過部10の開口寸法は、例えば60×150μm程度である。光透過部10は、拡散反射板R1における開口部25に各々対応する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形態様をとることが可能である。
例えば、上記実施形態では、拡散反射板の単位反射領域及びこれに対応するフォトマスクの単位パターン領域の外形が正方形となっているが、長方形、平行四辺形、菱形、六角形等の外形としてもよい。いずれの場合も、単位反射領域P、単位パターン領域MPの繰り返し方向における長さが各々600μm以上であると好ましい。
また、上記実施形態では、光透過パターンの外形は、円形でなく、多角形、リング状等でもよく、これらの形状が混合していてもよい。いずれの場合も、光透過パターンの中心点は、光透過パターンの形状の重心位置となる。また、例えば光透過パターンの外形が多角形の場合、光透過パターンに対応する凹部の開口面も多角形状となる。この凹部を拡散反射板の法線方向から見た場合、凹部の中心点は多角形状の開口面の重心位置に重なる。また、光透過パターンの外形がリング状の場合、光透過パターンに対応する凹部の開口面は円形となる。この凹部を拡散反射板の法線方向から見た場合、凹部の中心点は、開口面となる円の中心点に重なる。
また、上記第2実施形態は、半透過型反射板に係る実施形態であり、単位反射領域Pには開口部25が、単位パターン領域MPには光透過部10が、各々形成されているが、他の開口部や光透過部が形成されていてもよい。
また、上記実施形態に係る拡散反射板は、カラーフィルタに用いるだけでなく、その上に配線や駆動素子を形成するための素子基板としても用いることも可能である。
また、上記実施形態では、拡散反射板の表面に凹部が配置されているとしたが、凹部に代えて凸部が配置されているとしてもよい。凸部の形状は例えば半球状であり、このときの凸部の中心点は凸部の頂点となる。また、上記実施形態では、フォトマスクに光透過パターンが配置されているとしたが、光透過パターンに代えて遮光パターンが配置されているとしてもよい。
例えば、光透過パターンが配置されたフォトマスク及びネガ型レジストを用いれば、光透過パターンに対応する凸部が表面に配置された拡散反射板が得られる。また、遮光パターンが配置されたフォトマスク及びポジ型レジストを用いれば、遮光パターンに対応する凸部が表面に配置された拡散反射板が得られる。さらに、遮光パターンが配置されたフォトマスク及びネガ型レジストを用いれば、遮光パターンに対応する凹部が表面に配置された拡散反射板が得られる。
つぎに、本発明の効果を確認すべく、種々の拡散反射板を製造して各拡散反射板の散乱輝度及び色付きを観察した。
(実施例1)
(塗布工程)
まず、ポジ型レジスト(東京応化工業製PR-13)に所定の比率でカーボンブラックを添加し、吸光性を付与したポジ型レジストを調製した。次に、ガラス基板上に、この吸光性レジストを塗布し、ホットプレートで100℃×90秒間プリベークして、吸光性レジスト層を形成した。ここで、プレベーク後における吸光性レジスト層の厚みが1.2μmとなるように、吸光性レジストを塗布した。また、プレベーク後の吸光性レジスト層の主感度波長(405nm)における透過率を示す吸光係数は0.2/μmであった。
(フォトマスク準備工程)
次に、単位パターン領域として、直径9μmの円形の光透過パターンが以下に示す所定の配列に配置され、外形が正方形のものを採用し、この単位パターン領域を行列状に隣接して繰り返し配置した実施例1のフォトマスクを準備した。ここで、単位パターン領域の大きさを600×600μmとした。
光透過パターンの配列を決定するに際し、まず単位パターン領域に対応する所定領域内に多数のポリスチレン−ポリビニルピリジンブロックポリマー粒子を最密充填させ、これらのポリマー粒子を顕微鏡により観察した上で写真撮影を行った。続いて、これにより得られた画像から各々のポリマー粒子の中心点座標を読み取り、これらの中心点群からドロネー三角形群を作成した。そして、このドロネー三角形群を構成する各辺の長さを中心点間距離として、中心点間距離が16μm程度となるように比例定数を各中心点間距離に乗じた。このようにして得られた領域を単位パターン領域とした。
ここで、単位パターン領域における光透過パターンは、上記R90/R10の値が表1に示された値となるように配置されている。このような単位パターン領域の一例を図13に示す。なお、図13中の黒丸が光透過パターンに対応する。
(露光・現像工程)
次に、吸光性レジスト層に対して、実施例1のフォトマスクを介して300mJ/cmのUV光をプロキシミティーギャップ135μmで照射し、露光を行った。次に、露光された吸光性レジスト層を0.5%KOH溶液中で80秒間現像して、所定の凹凸を有する樹脂層を得た。さらに、現像後の樹脂層を洗浄し、乾燥した後、200℃に保持したクリーンオーブン中で樹脂層を20分間熱処理した。
(反射膜形成工程)
次に、スパッタ装置を用いて樹脂層上にアルミニウム膜を200nm形成し実施例1の拡散反射板とした。ここで、拡散反射板の単位反射領域の大きさは600×600μmの正方形となった。このような拡散反射板の顕微鏡写真を図14に示す。
そして、製造した拡散反射板とカバーグラスとをグリセリンで貼り合せ、評価用のサンプルS1とした。
(比較例1)
フォトマスクの単位パターン領域として、直径9μmの円形の光透過パターンが対数螺旋を描くように配置したものを用いたこと以外は実施例1と同じ操作を行い、比較例1の拡散反射板を得た。このような拡散反射板の顕微鏡写真を図15に示す。そして、この拡散反射板を用いて評価用サンプルR1を作製した。
(比較例2)
フォトマスクの単位パターン領域として、直径9μmの円形の光透過パターンをハニカム状に最密充填させた上で乱数による揺らぎを付加した配列を用いたこと以外は実施例1と同じ操作を行い、比較例2の拡散反射板を得た。このような拡散反射板の顕微鏡写真を図16に示す。そして、この拡散反射板を用いて評価用サンプルR2を作製した。
(比較例3)
フォトマスクの単位パターン領域として、直径9μmの円形の光透過パターンをマトリクス状に規則的に充填させた配列を用いたこと以外は実施例1と同じ操作を行い、比較例3の拡散反射板を得た。そして、この拡散反射板を用いて評価用サンプルR3を作製した。
(評価及び結果)
実施例1及び比較例1,2,3の拡散反射板について、凹部の各中心点を頂点とするドロネー三角形群におけるドロネー三角形の面積の平均値SAVE及び標準偏差Sσを算出した。これらの結果を表1に示す。なお、比較例3の拡散反射板では凹部が規則的に配置されているので、標準偏差Sσを算出しなかった。
ここで、実施例1及び比較例1,2,3の拡散反射板を製造するための各フォトマスクにおいて、光透過パターンの各中心点を頂点とするドロネー三角形群は、各拡散反射板におけるドロネー三角形群と同一のものとなる。このため、各フォトマスクにおけるドロネー三角形群を用いて上記平均値SAVE及び標準偏差Sσを算出した。
また、ドロネー三角形群の各辺の長さに相当する中心点間距離の平均値RAVE、標準偏差Rσ、及び、R90/R10の値をそれぞれ算出した。これらの結果を表1に示す。なお、比較例3の拡散反射板では凹部が規則的に配置されているので、標準偏差Rσを算出しなかった。さらに、中心点間距離の累積相対度数を示すグラフを図17に示す。
また、評価用サンプルS1,R1,R2,R3を外径5.7cmのリング状光源の6.2cm直下に配置し、リング状光源の中央に配置された輝度計を用いてサンプルS1,R1,R2,R3の散乱輝度を評価した。この場合、拡散反射板の法線方向から15度ずれた方向からの入射光を、法線方向へ散乱させることとなる。なお、散乱輝度として、標準白色板の散乱輝度を100%としたときの相対輝度(ゲイン)を用いた。
また、評価用サンプルS1,R1,R2,R3の外観を観察し、光の干渉による色付きを評価した。
これらの評価結果を表1に示す。
Figure 0004512378
表1に示されるように、実施例1の拡散反射板が比較例1,2の拡散反射板に比して十分に高い散乱輝度を有していることが確認された。また、実施例1の拡散反射板では色付きが確認されなかった。
第1実施形態に係る拡散反射板を有するカラーフィルタの断面図である。 図1の基板及び拡散反射板の平面図である。 拡散反射板の法線方向から見た単位反射領域の一例を模式的に示す平面図である。 液晶表示素子の断面図である。 第1実施形態に係るフォトマスクの平面図である。 フォトマスクの単位パターン領域の一例を模式的に示す平面図である。 図7(a)〜図7(c)は、液晶表示素子等の製造方法を説明する断面図である。 図8(a)〜図8(b)は、液晶表示素子等の製造方法を説明する図7(c)に続く断面図である。 第2実施形態に係る拡散反射板を有するカラーフィルタの断面図である。 図9の基板及び拡散反射板の平面図である。 液晶表示素子の断面図である。 第2実施形態に係るフォトマスクの平面図である。 フォトマスクの単位パターン領域の一例を模式的に示す平面図である。 実施例1の拡散反射板の顕微鏡写真である。 比較例1の拡散反射板の顕微鏡写真である。 比較例2の拡散反射板の顕微鏡写真である。 中心点間距離の累積相対度数を示すグラフである。
符号の説明
R,R1…拡散反射板、B…凹部、P…単位反射領域、C1〜C15…凹部の中心点、Ds,MDs…ドロネー三角形群、R1〜R15,MR1〜MR15…中心点間距離、M,M1…フォトマスク、MB…光透過パターン、MP…単位パターン領域、MC1〜MC15…光透過パターンの中心点。

Claims (1)

  1. 表面に凹部又は凸部が複数配置された拡散反射板の製造方法であって、
    前記凹部又は凸部の各中心点を、平面内に最密充填された軟質粒子の画像から読み取った前記軟質粒子の中心点座標から決定し、
    前記凹部又は凸部を当該拡散反射板の法線方向から見た場合において、前記凹部又は凸部の各中心点を頂点とするドロネー三角形群の各辺の長さをそれぞれ中心点間距離とし、
    前記中心点間距離のうち累積相対度数が90%となる中心点間距離をR90、累積相対度数が10%となる中心点間距離をR10とした場合、
    前記凹部又は凸部を、以下の条件:
    1<R90/R10<1.6
    を満たすように配置する拡散反射板の製造方法。
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