JP2004264718A - 液晶表示装置用カラーフィルタ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明基板上にブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜、光散乱膜が形成された液晶表示装置用カラーフィルタで、製造中のいづれの時点においても、着色画素の色度測定、及び光散乱膜のヘイズ値測定を行うことができる液晶表示装置用カラーフィルタ、及びその製法を提供すること。
【解決手段】カラーフィルタの表示部以外dの透明基板上1に、ブラックマトリックス4、着色画素2、透明導電膜3で構成される色度測定用パターン12と、光散乱膜9で構成されるヘイズ値測定用パターン13を設けたこと。表示部以外の透明基板上に、表示部の形成と同時に色度測定用パターンを形成し、表示部の形成と同時にヘイズ値測定用パターンを形成すること。
【選択図】図7
【解決手段】カラーフィルタの表示部以外dの透明基板上1に、ブラックマトリックス4、着色画素2、透明導電膜3で構成される色度測定用パターン12と、光散乱膜9で構成されるヘイズ値測定用パターン13を設けたこと。表示部以外の透明基板上に、表示部の形成と同時に色度測定用パターンを形成し、表示部の形成と同時にヘイズ値測定用パターンを形成すること。
【選択図】図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置用カラーフィルタに関するものであり、特に、カラーフィルタの色度とヘイズ値の測定を容易に行うことのできる液晶表示装置用カラーフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は自発光型の表示装置ではないので、その表示には他からの光を必要とし、例えば、その後方にバックライトを設け、後方からの光によって表示を行っている。このような液晶表示装置は透過型液晶表示装置と称され、主に屋内のような暗い環境下で用いられる。
また、例えば、その後方に光反射層を設け、液晶表示装置を観視する際の周囲からの外光によって表示を行う液晶表示装置がある。このような液晶表示装置は反射型液晶表示装置と称され、主に屋外のような周囲が明るい環境下で用いられる。
【0003】
主に屋内のような暗い環境下で用いられる透過型液晶表示装置は、屋外のような周囲が明るい環境下では、その表示が見にくいといった欠点がある。また、反射型液晶表示装置は、主に屋外のような周囲が明るい環境下で用いられるものであり、屋内のような暗い環境下では、その表示が見にくいといった欠点がある。
【0004】
このような透過型液晶表示装置、反射型液晶表示装置に対し、半透過型液晶表示装置と称される液晶表示装置は、1基の液晶表示装置において透過型と反射型の両機能を兼ね備えた液晶表示装置である。
この半透過型液晶表示装置は、屋外のような明るい環境下でも、屋内のような暗い環境下でも用いることができるものであり、モバイル機器に用いられる液晶表示装置として期待されている液晶表示装置である。
【0005】
反射型液晶表示装置、及び半透過型液晶表示装置は、前方から入射した屋内光あるは自然光などの外光を光源として利用するので、これらの液晶表示装置の背面側電極基板の表面には、前方から入射した光を反射する反射電極を有し、また、表示装置内のいずれかの場所に観察者が識認する角度、すなわち、視野角を広くするために射出される光を散乱する光散乱機能を有する構造となっている。
【0006】
反射型液晶表示装置において、光を散乱させる方式は基本的には二つに大別できる。即ち、図1に示すように、液晶セル内部の反射電極に凹凸を設け入射光を散乱させる方式と、図2に示すように、光の屈折と回折を利用した光散乱膜を介して入射光及び反射光を散乱させる方式とである。
図1に示す反射型液晶表示装置(50)は、外部よりの入射光(21)を液晶セル内部の凹凸を設けた反射電極(15)で散乱させる方式であり、外部からの入射光21は、凹凸を設けた反射電極(15)の吸収以外にロスが少ないので光の利用率では極めて優れている。
しかし、凹凸を設けた反射電極(15)の凹凸加工にフォトグラフィー法を利用した際など、安定した品質の反射電極を製造することは困難なものである。
【0007】
図2に示す反射型液晶表示装置(30)では、入射光(21)は光散乱膜(9)で散乱してカラーフィルタ(7)を通過し、更に反射電極(5)で折り返して再度光散乱膜(9)で散乱する。
この光散乱膜(9)は、液晶セル外部の、観察者側の透明基板(1)上に位置するために、製造が容易であるという反面、画像が観察者側の透明基板(1)の厚みを介して散乱される為、解像性が劣るという品質上の欠点を有している。
【0008】
これに対し、図3に示す反射型液晶表示装置(40)は、図2に示す反射型液晶表示装置(30)の欠点である解像性の低下を防いだものである。すなわち、光散乱膜(9)を液晶(24)に近い位置に設け、液晶表示装置としての解像性の劣化を防いだ方式である。
【0009】
図4は、光散乱膜を液晶に近い位置に設けた液晶表示装置用カラーフィルタの一例を模式的に示した平面図である。また、図5は、図4に示す液晶表示装置用カラーフィルタのX−X’線における断面図である。
図4、及び図5に示すように、この液晶表示装置用カラーフィルタ(20)は、透明基板(1)上にブラックマトリックス(4)、着色画素(2)、透明導電膜(3)、及び光散乱膜(9)が順次に形成されたものである。
図4、及び図5はカラーフィルタを模式的に示したもので、着色画素(2)は12個表されているが、実際のカラーフィルタにおいては、例えば、対角3.5インチの画面に数百μm程度の着色画素が多数個配列されている。
【0010】
ブラックマトリックス(4)は、着色画素(2)間のマトリックス部(4A)と、着色画素(2)が形成された領域の周辺部を囲む額縁部(4B)とで構成されている。
ブラックマトリックスは、カラーフィルタの着色画素の位置を定め、大きさを均一なものとし、また、表示装置に用いられた際に、好ましくない光を遮蔽し、表示装置の画像をムラのない均一な、且つコントラストを向上させた画像にする機能を有している。
【0011】
着色画素(2)は、例えば、赤色、緑色、青色のフィルタ機能を有するものであり、透明導電膜(3)は、透明な電極として設けられたものである。
透明導電膜(3)上に設けられた光散乱膜(9)は、透明樹脂と、これに分散された異なる屈折率を有する微粒子を主成分とするものであり、膜厚は、2μm〜4μm程度のものである。
【0012】
図4、及び図5に示す液晶表示装置用カラーフィルタ(20)は、1基の液晶表示装置に対応した1枚のカラーフィルタを表しており、カラーフィルタを大量に製造する際には、一基の液晶表示装置に対応したカラーフィルタを大サイズのガラス基板に面付けした状態で製造する。
図6は、例えば、対角3.5インチの液晶表示装置用カラーフィルタ(20)を370mm×470mm程度の大サイズのガラス基板(60)に24面付けして製造する一例を示した平面図である。
尚、図6中(14)は、ブラックマトリックスの額縁部の周縁部を示すものであり、本発明では、この領域内をカラーフィルタの表示部と称している。
【0013】
透明導電膜上に光散乱膜を設けていない液晶表示装置用カラーフィルタ、すなわち、透明基板(1)上にブラックマトリックス(4)、着色画素(2)、透明導電膜(3)が順次に形成された液晶表示装置用カラーフィルタを製造する場合、カラーフィルタの品質を管理するために行われる着色画素の色度測定は、着色画素が形成された時点で容易に行うことができ、また、着色画素上に透明導電膜が形成された時点でも容易に行うことができる。
すなわち、液晶表示装置用カラーフィルタが製品として仕上がり、カラーフィルタメーカーから液晶表示装置メーカーへ納入する状態においても着色画素の色度測定を容易に行うことができる。
【0014】
しかし、透明導電膜上に光散乱膜を設けた液晶表示装置用カラーフィルタを製造する場合、例えば、図5に示すような、透明基板(1)上にブラックマトリックス(4)、着色画素(2)、透明導電膜(3)、及び光散乱膜(9)が順次に形成された構成の液晶表示装置用カラーフィルタの際には、着色画素が形成された時点、及び着色画素上に透明導電膜が形成された時点では、着色画素の色度測定は容易に行うことができるが、光散乱膜が形成されてしまうと、測定光が散乱され着色画素の色度測定を行うことはできない。
すなわち、液晶表示装置用カラーフィルタが製品として仕上がり、カラーフィルタメーカーから液晶表示装置メーカーへ納入する状態での着色画素の色度測定は出来ないものとなる。
【0015】
また、例えば、透明基板(1)上にブラックマトリックス(4)、着色画素(2)、光散乱膜(9)、及び透明導電膜(3)が順次に形成された構成(図示せず)の液晶表示装置用カラーフィルタの際には、着色画素が形成された時点では、着色画素の色度測定は容易に行うことができるが、着色画素上に光散乱膜が形成された時点以降においては、着色画素の色度測定は出来ないものとなる。
【0016】
このような、フォトリソグラフィ法によって透明基板上に着色画素を形成するカラーフィルタの品質を管理する技術として、例えば、特開平1−138503号公報には、カラーフィルタの着色画素を形成する部分(表示部)以外のところに、カラーフィルタと近似する構造の品質チェック用の小規模カラーフィルタを形成することが開示されている。
しかし、この技術は、光散乱膜が着色画素上に設けられた構成のカラーフィルタに関するものではない。
【0017】
【特許文献1】
特開平1−138503号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、透明基板上に、少なくともブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜、光散乱膜が形成された液晶表示装置用カラーフィルタにおいて、その構成が、透明基板上にブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜、及び光散乱膜が順次に形成された構成の液晶表示装置用カラーフィルタであっても、或いは、透明基板上にブラックマトリックス、着色画素、光散乱膜、及び透明導電膜が順次に形成された構成の液晶表示装置用カラーフィルタであっても、或いは、ブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜、光散乱膜が他の順序で形成された構成の液晶表示装置用カラーフィルタであっても、着色画素が形成された時点以降のいづれの時点においても、着色画素の色度測定を容易に行うことができ、且つ、光散乱膜が形成された時点以降のいづれの時点においても、光散乱膜のヘイズ値測定を容易に行うことができる液晶表示装置用カラーフィルタを提供することを課題とするものである。
また、上記液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法を提供することを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、透明基板上に、少なくともブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜、光散乱膜が形成された液晶表示装置用カラーフィルタにおいて、カラーフィルタの表示部以外の透明基板上に、ブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜で構成される色度測定用パターンと、光散乱膜で構成されるヘイズ値測定用パターンを設けたことを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタである。
【0020】
また、本発明は、透明基板上に、少なくともブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜、光散乱膜で構成される表示部を有する液晶表示装置用カラーフィルタの、該表示部以外の透明基板上に、色度測定用パターンとヘイズ値測定用パターンが設けられた液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法において、
1)表示部のブラックマトリックスの形成と同時に色度測定用パターンのブラックマトリックスを形成し、
2)表示部の着色画素の形成と同時に色度測定用パターンの着色画素を形成し、
3)表示部の透明導電膜の形成と同時に色度測定用パターンの透明導電膜を形成して、
ブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜で構成される色度測定用パターンを設け、
4)表示部の光散乱膜の形成と同時にヘイズ値測定用パターンの光散乱膜を形成して、光散乱膜で構成されるヘイズ値測定用パターンを設ることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図7は、本発明による液晶表示装置用カラーフィルタの一実施例を示す平面図である。図7に示すように、本発明による液晶表示装置用カラーフィルタ(10)は、例えば、対角3.5インチの液晶表示装置用カラーフィルタ(11)を24面付けして製造したものである。図7は、24面付け中の4面を示したものであり、点線の部分で断裁され1基の液晶表示装置に対応した対角3.5インチ大の1枚の液晶表示装置用カラーフィルタとなる。
【0022】
図8は、1枚に断裁された液晶表示装置用カラーフィルタ(11)の、図7中、P−P’線における断面を模式的に示したものである。
図7、及び図8に示すように、液晶表示装置用カラーフィルタ(11)は、透明基板(1)上にブラックマトリックス(4)、着色画素(2)、透明導電膜(3)、及び光散乱膜(9)が順次に形成された構成の液晶表示装置用カラーフィルタである。
【0023】
本発明による液晶表示装置用カラーフィルタ(10)には、液晶表示装置用カラーフィルタ(11)と液晶表示装置用カラーフィルタ(11)の間の透明基板(1)上に、すなわち、表示部以外の透明基板(1)上に色度測定用パターン(12)とヘイズ値測定用パターン(13)が設けられている。
【0024】
図9は、図7におけるO−O’線の断面を拡大したものであり、色度測定用パターン(12)を模式的に示す断面図である。
図9に示すように、色度測定用パターン(12)は、ブラックマトリックス(マトリックス部(4A))、着色画素(2)、透明導電膜(3)で構成されたものである。色度測定用パターン(12)のサイズは、一辺(a)が5〜10mm程度のものであり、形状は、例えば、正方形である。
【0025】
着色画素(2)の色度測定は、15〜20μm角程度の大きさであれば測定することが可能であるが、測定の精度を上げるために、サイズは一辺(a)が5〜10mm程度のものが好ましい。色度測定用パターン(12)は、表示部内と同一のブラックマトリックス(マトリックス部(4A))、着色画素(2)、透明導電膜(3)で構成されたパターンである。
色度測定用パターン(12)のサイズは、また、透明導電膜(3)が形成された後に測定する場合を考慮し、透明導電膜(3)が均一に形成されるために必要な5〜10mm程度のものが好ましい。
【0026】
図10は、図7におけるQ−Q’線の断面を拡大したものであり、ヘイズ値測定用パターン(13)を模式的に示す断面図である。
図10に示すように、ヘイズ値測定用パターン(13)は、図9に示す表示部内の光散乱膜(9)と同一の光散乱膜で構成されている。
ヘイズ値測定用パターン(13)の形状は、例えば、円形であり、サイズは、測定の精度を上げるために直径(b)が30mm程度のものが好ましい。
【0027】
光散乱膜が光を散乱させる度合いをヘイズ値(濁度)と称し、本発明におけるヘイズ値とは、光散乱膜を通過した直進光をI0 とし、散乱光をI1 とした際に、[I1 /(I0 +I1 )]×100で表される値である。
カラーフィルタの品質を管理するために行われる光散乱膜のヘイズ値測定には、このヘイズ値測定用パターンが用いられる。
【0028】
光散乱膜(9)は、透明樹脂(15)と、これに分散された異なる屈折率を有する微粒子(16)を主成分とするものである。
微粒子(16)としては、無機物からなる微粒子、及び有機ポリマーからなる微粒子があげられる。無機物微粒子としては、シリカやアルミナの酸化物等の非結晶微粒子、有機ポリマー微粒子としては、シリコン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂等の微粒子が使用できるがこれに限定されるものではない。また、必要に応じて2種以上の微粒子を混合して用いてもよい。
微粒子の粒径としては、特に限定されないが、好ましい粒径の範囲としては、平均粒径1.5μm〜3.0μmである。
【0029】
透明樹脂(15)としては、可視光線の透過率が高く、また、液晶表示装置の製造工程中における熱処理や薬品処理に対する十分な耐性を有するものが好ましい。例えば、屈折率の高い樹脂として、エポキシ変成アクリル樹脂、フローレン樹脂、ポリイミド樹脂が、また屈折率の低い樹脂として、フッソ変成アクリル樹脂、シリコン変成アクリル樹脂があげられる。
その他アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂等が適宜使用できる。
光散乱膜をフォトリソグラフィ法でパターン状に設ける場合には、感光性を有するアクリル系樹脂やエポキシ系樹脂が使用できる。また、熱硬化性樹脂や紫外線硬化型樹脂を使用することも可能である。
【0030】
微粒子の屈折率が、例えば、1.49のアクリル系微粒子である場合、透明樹脂は屈折率は1.55〜1.65であることが好ましい。また、微粒子の屈折率が1.42〜1.45のシリカ微粒子或いはシリコン樹脂微粒子である場合、透明樹脂は屈折率は1.50〜1.60であることが好ましい。
【0031】
上記のように、本発明による液晶表示装置用カラーフィルタは、カラーフィルタの表示部以外の透明基板上に、ブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜で構成される色度測定用パターンと、光散乱膜で構成されるヘイズ値測定用パターンを設けた液晶表示装置用カラーフィルタであるので、着色画素が形成された時点以降のいづれの時点においても、着色画素の色度測定を容易に行うことができ、且つ、光散乱膜が形成された時点以降のいづれの時点においても、光散乱膜のヘイズ値測定を容易に行うことができる。
【0032】
図11(イ)〜(ハ)は、本発明による液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法の一例を示す断面図である。図11(イ)に示す断面図は、透明基板(1)上にブラックマトリックス及び着色画素を設けた段階のものである。
表示部(c)には、表示部のブラックマトリックス(4)及び着色画素(2)が、また、表示部以外(d)である表示部間には、色度測定用パターン(12)のブラックマトリックス(4)及び着色画素(2)が設けられている。
色度測定用パターンのブラックマトリックスは、表示部のブラックマトリックスの形成と同時に形成され、また、色度測定用パターンの着色画素は、表示部の着色画素の形成と同時に形成されたものである。
【0033】
次に、図11(ロ)に示すように、表示部及び色度測定用パターンの着色画素上に透明導電膜(3)を同時に形成し、続いて、光散乱膜用の感光性樹脂組成物を塗布し、フォトリソグラフィ法によって、表示部の透明導電膜上に光散乱膜(9)を形成し、同時に表示部間の透明基板(1)上に光散乱膜で構成されるヘイズ値測定用パターン(13)を形成し、図11(ハ)に示すように、ブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜、光散乱膜で構成される表示部と、ブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜で構成される色度測定用パターン(12)と、光散乱膜で構成されるヘイズ値測定用パターン(13)を有する液晶表示装置用カラーフィルタ(10)を得る。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、カラーフィルタの表示部以外の透明基板上に、ブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜で構成される色度測定用パターンと、光散乱膜で構成されるヘイズ値測定用パターンを設けた液晶表示装置用カラーフィルタであるので、その構成が、例えば、透明基板上にブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜、及び光散乱膜が順次に形成された構成の液晶表示装置用カラーフィルタであっても、着色画素が形成された時点以降のいづれの時点においても、着色画素の色度測定を容易に行うことができ、且つ、光散乱膜が形成された時点以降のいづれの時点においても、光散乱膜のヘイズ値測定を容易に行うことができる液晶表示装置用カラーフィルタとなる。
【0035】
また、本発明は、表示部以外の透明基板上に、1)表示部のブラックマトリックスと同時に色度測定用パターンのブラックマトリックスを形成し、2)表示部の着色画素と同時に色度測定用パターンの着色画素を形成し、3)表示部の透明導電膜と同時に色度測定用パターンの透明導電膜を形成して色度測定用パターンを設け、4)表示部の光散乱膜と同時にヘイズ値測定用パターンの光散乱膜を形成して、ヘイズ値測定用パターンを設る液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法であるので、上記液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶セル内部の反射電極に凹凸を設け入射光を散乱させる方式の説明図である。
【図2】光の屈折と回折を利用した光散乱膜を介して入射光及び反射光を散乱させる方式の説明図である。
【図3】光散乱膜を液晶に近い位置に設けた方式の説明図である。
【図4】光散乱膜を液晶に近い位置に設けた液晶表示装置用カラーフィルタの一例を模式的に示した平面図である。
【図5】図4に示す液晶表示装置用カラーフィルタのX−X’線における断面図である。
【図6】対角3.5インチの液晶表示装置用カラーフィルタを大サイズのガラス基板に24面付けして製造する一例を示した平面図である。
【図7】本発明による液晶表示装置用カラーフィルタの一実施例を示す平面図である。
【図8】図7に示す液晶表示装置用カラーフィルタのP−P’線における断面を模式的に示した断面図である。
【図9】図7に示す液晶表示装置用カラーフィルタのO−O’線における断面を模式的に示した断面図である。
【図10】図7に示す液晶表示装置用カラーフィルタのQ−Q’線における断面を模式的に示した断面図である。
【図11】(イ)〜(ハ)は、本発明による液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・透明基板
2・・・着色画素
3・・・透明導電膜
24・・・液晶
4・・・ブラックマトリックス
4A・・・マトリックス部
4B・・・額縁部
5・・・反射電極
7・・・カラーフィルタ
9・・・光散乱膜
10・・・本発明による液晶表示装置用カラーフィルタ
11・・・対角3.5インチの液晶表示装置用カラーフィルタ
12・・・色度測定用パターン
13・・・ヘイズ値測定用パターン
15・・・凹凸を設けた反射電極
20・・・液晶表示装置用カラーフィルタ
30、40、50・・・反射型液晶表示装置
21・・・21
60・・・ガラス基板
c・・・表示部
d・・・表示部以外
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置用カラーフィルタに関するものであり、特に、カラーフィルタの色度とヘイズ値の測定を容易に行うことのできる液晶表示装置用カラーフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は自発光型の表示装置ではないので、その表示には他からの光を必要とし、例えば、その後方にバックライトを設け、後方からの光によって表示を行っている。このような液晶表示装置は透過型液晶表示装置と称され、主に屋内のような暗い環境下で用いられる。
また、例えば、その後方に光反射層を設け、液晶表示装置を観視する際の周囲からの外光によって表示を行う液晶表示装置がある。このような液晶表示装置は反射型液晶表示装置と称され、主に屋外のような周囲が明るい環境下で用いられる。
【0003】
主に屋内のような暗い環境下で用いられる透過型液晶表示装置は、屋外のような周囲が明るい環境下では、その表示が見にくいといった欠点がある。また、反射型液晶表示装置は、主に屋外のような周囲が明るい環境下で用いられるものであり、屋内のような暗い環境下では、その表示が見にくいといった欠点がある。
【0004】
このような透過型液晶表示装置、反射型液晶表示装置に対し、半透過型液晶表示装置と称される液晶表示装置は、1基の液晶表示装置において透過型と反射型の両機能を兼ね備えた液晶表示装置である。
この半透過型液晶表示装置は、屋外のような明るい環境下でも、屋内のような暗い環境下でも用いることができるものであり、モバイル機器に用いられる液晶表示装置として期待されている液晶表示装置である。
【0005】
反射型液晶表示装置、及び半透過型液晶表示装置は、前方から入射した屋内光あるは自然光などの外光を光源として利用するので、これらの液晶表示装置の背面側電極基板の表面には、前方から入射した光を反射する反射電極を有し、また、表示装置内のいずれかの場所に観察者が識認する角度、すなわち、視野角を広くするために射出される光を散乱する光散乱機能を有する構造となっている。
【0006】
反射型液晶表示装置において、光を散乱させる方式は基本的には二つに大別できる。即ち、図1に示すように、液晶セル内部の反射電極に凹凸を設け入射光を散乱させる方式と、図2に示すように、光の屈折と回折を利用した光散乱膜を介して入射光及び反射光を散乱させる方式とである。
図1に示す反射型液晶表示装置(50)は、外部よりの入射光(21)を液晶セル内部の凹凸を設けた反射電極(15)で散乱させる方式であり、外部からの入射光21は、凹凸を設けた反射電極(15)の吸収以外にロスが少ないので光の利用率では極めて優れている。
しかし、凹凸を設けた反射電極(15)の凹凸加工にフォトグラフィー法を利用した際など、安定した品質の反射電極を製造することは困難なものである。
【0007】
図2に示す反射型液晶表示装置(30)では、入射光(21)は光散乱膜(9)で散乱してカラーフィルタ(7)を通過し、更に反射電極(5)で折り返して再度光散乱膜(9)で散乱する。
この光散乱膜(9)は、液晶セル外部の、観察者側の透明基板(1)上に位置するために、製造が容易であるという反面、画像が観察者側の透明基板(1)の厚みを介して散乱される為、解像性が劣るという品質上の欠点を有している。
【0008】
これに対し、図3に示す反射型液晶表示装置(40)は、図2に示す反射型液晶表示装置(30)の欠点である解像性の低下を防いだものである。すなわち、光散乱膜(9)を液晶(24)に近い位置に設け、液晶表示装置としての解像性の劣化を防いだ方式である。
【0009】
図4は、光散乱膜を液晶に近い位置に設けた液晶表示装置用カラーフィルタの一例を模式的に示した平面図である。また、図5は、図4に示す液晶表示装置用カラーフィルタのX−X’線における断面図である。
図4、及び図5に示すように、この液晶表示装置用カラーフィルタ(20)は、透明基板(1)上にブラックマトリックス(4)、着色画素(2)、透明導電膜(3)、及び光散乱膜(9)が順次に形成されたものである。
図4、及び図5はカラーフィルタを模式的に示したもので、着色画素(2)は12個表されているが、実際のカラーフィルタにおいては、例えば、対角3.5インチの画面に数百μm程度の着色画素が多数個配列されている。
【0010】
ブラックマトリックス(4)は、着色画素(2)間のマトリックス部(4A)と、着色画素(2)が形成された領域の周辺部を囲む額縁部(4B)とで構成されている。
ブラックマトリックスは、カラーフィルタの着色画素の位置を定め、大きさを均一なものとし、また、表示装置に用いられた際に、好ましくない光を遮蔽し、表示装置の画像をムラのない均一な、且つコントラストを向上させた画像にする機能を有している。
【0011】
着色画素(2)は、例えば、赤色、緑色、青色のフィルタ機能を有するものであり、透明導電膜(3)は、透明な電極として設けられたものである。
透明導電膜(3)上に設けられた光散乱膜(9)は、透明樹脂と、これに分散された異なる屈折率を有する微粒子を主成分とするものであり、膜厚は、2μm〜4μm程度のものである。
【0012】
図4、及び図5に示す液晶表示装置用カラーフィルタ(20)は、1基の液晶表示装置に対応した1枚のカラーフィルタを表しており、カラーフィルタを大量に製造する際には、一基の液晶表示装置に対応したカラーフィルタを大サイズのガラス基板に面付けした状態で製造する。
図6は、例えば、対角3.5インチの液晶表示装置用カラーフィルタ(20)を370mm×470mm程度の大サイズのガラス基板(60)に24面付けして製造する一例を示した平面図である。
尚、図6中(14)は、ブラックマトリックスの額縁部の周縁部を示すものであり、本発明では、この領域内をカラーフィルタの表示部と称している。
【0013】
透明導電膜上に光散乱膜を設けていない液晶表示装置用カラーフィルタ、すなわち、透明基板(1)上にブラックマトリックス(4)、着色画素(2)、透明導電膜(3)が順次に形成された液晶表示装置用カラーフィルタを製造する場合、カラーフィルタの品質を管理するために行われる着色画素の色度測定は、着色画素が形成された時点で容易に行うことができ、また、着色画素上に透明導電膜が形成された時点でも容易に行うことができる。
すなわち、液晶表示装置用カラーフィルタが製品として仕上がり、カラーフィルタメーカーから液晶表示装置メーカーへ納入する状態においても着色画素の色度測定を容易に行うことができる。
【0014】
しかし、透明導電膜上に光散乱膜を設けた液晶表示装置用カラーフィルタを製造する場合、例えば、図5に示すような、透明基板(1)上にブラックマトリックス(4)、着色画素(2)、透明導電膜(3)、及び光散乱膜(9)が順次に形成された構成の液晶表示装置用カラーフィルタの際には、着色画素が形成された時点、及び着色画素上に透明導電膜が形成された時点では、着色画素の色度測定は容易に行うことができるが、光散乱膜が形成されてしまうと、測定光が散乱され着色画素の色度測定を行うことはできない。
すなわち、液晶表示装置用カラーフィルタが製品として仕上がり、カラーフィルタメーカーから液晶表示装置メーカーへ納入する状態での着色画素の色度測定は出来ないものとなる。
【0015】
また、例えば、透明基板(1)上にブラックマトリックス(4)、着色画素(2)、光散乱膜(9)、及び透明導電膜(3)が順次に形成された構成(図示せず)の液晶表示装置用カラーフィルタの際には、着色画素が形成された時点では、着色画素の色度測定は容易に行うことができるが、着色画素上に光散乱膜が形成された時点以降においては、着色画素の色度測定は出来ないものとなる。
【0016】
このような、フォトリソグラフィ法によって透明基板上に着色画素を形成するカラーフィルタの品質を管理する技術として、例えば、特開平1−138503号公報には、カラーフィルタの着色画素を形成する部分(表示部)以外のところに、カラーフィルタと近似する構造の品質チェック用の小規模カラーフィルタを形成することが開示されている。
しかし、この技術は、光散乱膜が着色画素上に設けられた構成のカラーフィルタに関するものではない。
【0017】
【特許文献1】
特開平1−138503号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、透明基板上に、少なくともブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜、光散乱膜が形成された液晶表示装置用カラーフィルタにおいて、その構成が、透明基板上にブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜、及び光散乱膜が順次に形成された構成の液晶表示装置用カラーフィルタであっても、或いは、透明基板上にブラックマトリックス、着色画素、光散乱膜、及び透明導電膜が順次に形成された構成の液晶表示装置用カラーフィルタであっても、或いは、ブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜、光散乱膜が他の順序で形成された構成の液晶表示装置用カラーフィルタであっても、着色画素が形成された時点以降のいづれの時点においても、着色画素の色度測定を容易に行うことができ、且つ、光散乱膜が形成された時点以降のいづれの時点においても、光散乱膜のヘイズ値測定を容易に行うことができる液晶表示装置用カラーフィルタを提供することを課題とするものである。
また、上記液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法を提供することを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、透明基板上に、少なくともブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜、光散乱膜が形成された液晶表示装置用カラーフィルタにおいて、カラーフィルタの表示部以外の透明基板上に、ブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜で構成される色度測定用パターンと、光散乱膜で構成されるヘイズ値測定用パターンを設けたことを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタである。
【0020】
また、本発明は、透明基板上に、少なくともブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜、光散乱膜で構成される表示部を有する液晶表示装置用カラーフィルタの、該表示部以外の透明基板上に、色度測定用パターンとヘイズ値測定用パターンが設けられた液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法において、
1)表示部のブラックマトリックスの形成と同時に色度測定用パターンのブラックマトリックスを形成し、
2)表示部の着色画素の形成と同時に色度測定用パターンの着色画素を形成し、
3)表示部の透明導電膜の形成と同時に色度測定用パターンの透明導電膜を形成して、
ブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜で構成される色度測定用パターンを設け、
4)表示部の光散乱膜の形成と同時にヘイズ値測定用パターンの光散乱膜を形成して、光散乱膜で構成されるヘイズ値測定用パターンを設ることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図7は、本発明による液晶表示装置用カラーフィルタの一実施例を示す平面図である。図7に示すように、本発明による液晶表示装置用カラーフィルタ(10)は、例えば、対角3.5インチの液晶表示装置用カラーフィルタ(11)を24面付けして製造したものである。図7は、24面付け中の4面を示したものであり、点線の部分で断裁され1基の液晶表示装置に対応した対角3.5インチ大の1枚の液晶表示装置用カラーフィルタとなる。
【0022】
図8は、1枚に断裁された液晶表示装置用カラーフィルタ(11)の、図7中、P−P’線における断面を模式的に示したものである。
図7、及び図8に示すように、液晶表示装置用カラーフィルタ(11)は、透明基板(1)上にブラックマトリックス(4)、着色画素(2)、透明導電膜(3)、及び光散乱膜(9)が順次に形成された構成の液晶表示装置用カラーフィルタである。
【0023】
本発明による液晶表示装置用カラーフィルタ(10)には、液晶表示装置用カラーフィルタ(11)と液晶表示装置用カラーフィルタ(11)の間の透明基板(1)上に、すなわち、表示部以外の透明基板(1)上に色度測定用パターン(12)とヘイズ値測定用パターン(13)が設けられている。
【0024】
図9は、図7におけるO−O’線の断面を拡大したものであり、色度測定用パターン(12)を模式的に示す断面図である。
図9に示すように、色度測定用パターン(12)は、ブラックマトリックス(マトリックス部(4A))、着色画素(2)、透明導電膜(3)で構成されたものである。色度測定用パターン(12)のサイズは、一辺(a)が5〜10mm程度のものであり、形状は、例えば、正方形である。
【0025】
着色画素(2)の色度測定は、15〜20μm角程度の大きさであれば測定することが可能であるが、測定の精度を上げるために、サイズは一辺(a)が5〜10mm程度のものが好ましい。色度測定用パターン(12)は、表示部内と同一のブラックマトリックス(マトリックス部(4A))、着色画素(2)、透明導電膜(3)で構成されたパターンである。
色度測定用パターン(12)のサイズは、また、透明導電膜(3)が形成された後に測定する場合を考慮し、透明導電膜(3)が均一に形成されるために必要な5〜10mm程度のものが好ましい。
【0026】
図10は、図7におけるQ−Q’線の断面を拡大したものであり、ヘイズ値測定用パターン(13)を模式的に示す断面図である。
図10に示すように、ヘイズ値測定用パターン(13)は、図9に示す表示部内の光散乱膜(9)と同一の光散乱膜で構成されている。
ヘイズ値測定用パターン(13)の形状は、例えば、円形であり、サイズは、測定の精度を上げるために直径(b)が30mm程度のものが好ましい。
【0027】
光散乱膜が光を散乱させる度合いをヘイズ値(濁度)と称し、本発明におけるヘイズ値とは、光散乱膜を通過した直進光をI0 とし、散乱光をI1 とした際に、[I1 /(I0 +I1 )]×100で表される値である。
カラーフィルタの品質を管理するために行われる光散乱膜のヘイズ値測定には、このヘイズ値測定用パターンが用いられる。
【0028】
光散乱膜(9)は、透明樹脂(15)と、これに分散された異なる屈折率を有する微粒子(16)を主成分とするものである。
微粒子(16)としては、無機物からなる微粒子、及び有機ポリマーからなる微粒子があげられる。無機物微粒子としては、シリカやアルミナの酸化物等の非結晶微粒子、有機ポリマー微粒子としては、シリコン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂等の微粒子が使用できるがこれに限定されるものではない。また、必要に応じて2種以上の微粒子を混合して用いてもよい。
微粒子の粒径としては、特に限定されないが、好ましい粒径の範囲としては、平均粒径1.5μm〜3.0μmである。
【0029】
透明樹脂(15)としては、可視光線の透過率が高く、また、液晶表示装置の製造工程中における熱処理や薬品処理に対する十分な耐性を有するものが好ましい。例えば、屈折率の高い樹脂として、エポキシ変成アクリル樹脂、フローレン樹脂、ポリイミド樹脂が、また屈折率の低い樹脂として、フッソ変成アクリル樹脂、シリコン変成アクリル樹脂があげられる。
その他アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂等が適宜使用できる。
光散乱膜をフォトリソグラフィ法でパターン状に設ける場合には、感光性を有するアクリル系樹脂やエポキシ系樹脂が使用できる。また、熱硬化性樹脂や紫外線硬化型樹脂を使用することも可能である。
【0030】
微粒子の屈折率が、例えば、1.49のアクリル系微粒子である場合、透明樹脂は屈折率は1.55〜1.65であることが好ましい。また、微粒子の屈折率が1.42〜1.45のシリカ微粒子或いはシリコン樹脂微粒子である場合、透明樹脂は屈折率は1.50〜1.60であることが好ましい。
【0031】
上記のように、本発明による液晶表示装置用カラーフィルタは、カラーフィルタの表示部以外の透明基板上に、ブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜で構成される色度測定用パターンと、光散乱膜で構成されるヘイズ値測定用パターンを設けた液晶表示装置用カラーフィルタであるので、着色画素が形成された時点以降のいづれの時点においても、着色画素の色度測定を容易に行うことができ、且つ、光散乱膜が形成された時点以降のいづれの時点においても、光散乱膜のヘイズ値測定を容易に行うことができる。
【0032】
図11(イ)〜(ハ)は、本発明による液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法の一例を示す断面図である。図11(イ)に示す断面図は、透明基板(1)上にブラックマトリックス及び着色画素を設けた段階のものである。
表示部(c)には、表示部のブラックマトリックス(4)及び着色画素(2)が、また、表示部以外(d)である表示部間には、色度測定用パターン(12)のブラックマトリックス(4)及び着色画素(2)が設けられている。
色度測定用パターンのブラックマトリックスは、表示部のブラックマトリックスの形成と同時に形成され、また、色度測定用パターンの着色画素は、表示部の着色画素の形成と同時に形成されたものである。
【0033】
次に、図11(ロ)に示すように、表示部及び色度測定用パターンの着色画素上に透明導電膜(3)を同時に形成し、続いて、光散乱膜用の感光性樹脂組成物を塗布し、フォトリソグラフィ法によって、表示部の透明導電膜上に光散乱膜(9)を形成し、同時に表示部間の透明基板(1)上に光散乱膜で構成されるヘイズ値測定用パターン(13)を形成し、図11(ハ)に示すように、ブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜、光散乱膜で構成される表示部と、ブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜で構成される色度測定用パターン(12)と、光散乱膜で構成されるヘイズ値測定用パターン(13)を有する液晶表示装置用カラーフィルタ(10)を得る。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、カラーフィルタの表示部以外の透明基板上に、ブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜で構成される色度測定用パターンと、光散乱膜で構成されるヘイズ値測定用パターンを設けた液晶表示装置用カラーフィルタであるので、その構成が、例えば、透明基板上にブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜、及び光散乱膜が順次に形成された構成の液晶表示装置用カラーフィルタであっても、着色画素が形成された時点以降のいづれの時点においても、着色画素の色度測定を容易に行うことができ、且つ、光散乱膜が形成された時点以降のいづれの時点においても、光散乱膜のヘイズ値測定を容易に行うことができる液晶表示装置用カラーフィルタとなる。
【0035】
また、本発明は、表示部以外の透明基板上に、1)表示部のブラックマトリックスと同時に色度測定用パターンのブラックマトリックスを形成し、2)表示部の着色画素と同時に色度測定用パターンの着色画素を形成し、3)表示部の透明導電膜と同時に色度測定用パターンの透明導電膜を形成して色度測定用パターンを設け、4)表示部の光散乱膜と同時にヘイズ値測定用パターンの光散乱膜を形成して、ヘイズ値測定用パターンを設る液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法であるので、上記液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶セル内部の反射電極に凹凸を設け入射光を散乱させる方式の説明図である。
【図2】光の屈折と回折を利用した光散乱膜を介して入射光及び反射光を散乱させる方式の説明図である。
【図3】光散乱膜を液晶に近い位置に設けた方式の説明図である。
【図4】光散乱膜を液晶に近い位置に設けた液晶表示装置用カラーフィルタの一例を模式的に示した平面図である。
【図5】図4に示す液晶表示装置用カラーフィルタのX−X’線における断面図である。
【図6】対角3.5インチの液晶表示装置用カラーフィルタを大サイズのガラス基板に24面付けして製造する一例を示した平面図である。
【図7】本発明による液晶表示装置用カラーフィルタの一実施例を示す平面図である。
【図8】図7に示す液晶表示装置用カラーフィルタのP−P’線における断面を模式的に示した断面図である。
【図9】図7に示す液晶表示装置用カラーフィルタのO−O’線における断面を模式的に示した断面図である。
【図10】図7に示す液晶表示装置用カラーフィルタのQ−Q’線における断面を模式的に示した断面図である。
【図11】(イ)〜(ハ)は、本発明による液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・透明基板
2・・・着色画素
3・・・透明導電膜
24・・・液晶
4・・・ブラックマトリックス
4A・・・マトリックス部
4B・・・額縁部
5・・・反射電極
7・・・カラーフィルタ
9・・・光散乱膜
10・・・本発明による液晶表示装置用カラーフィルタ
11・・・対角3.5インチの液晶表示装置用カラーフィルタ
12・・・色度測定用パターン
13・・・ヘイズ値測定用パターン
15・・・凹凸を設けた反射電極
20・・・液晶表示装置用カラーフィルタ
30、40、50・・・反射型液晶表示装置
21・・・21
60・・・ガラス基板
c・・・表示部
d・・・表示部以外
Claims (2)
- 透明基板上に、少なくともブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜、光散乱膜が形成された液晶表示装置用カラーフィルタにおいて、カラーフィルタの表示部以外の透明基板上に、ブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜で構成される色度測定用パターンと、光散乱膜で構成されるヘイズ値測定用パターンを設けたことを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタ。
- 透明基板上に、少なくともブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜、光散乱膜で構成される表示部を有する液晶表示装置用カラーフィルタの、該表示部以外の透明基板上に、色度測定用パターンとヘイズ値測定用パターンが設けられた液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法において、
1)表示部のブラックマトリックスの形成と同時に色度測定用パターンのブラックマトリックスを形成し、
2)表示部の着色画素の形成と同時に色度測定用パターンの着色画素を形成し、
3)表示部の透明導電膜の形成と同時に色度測定用パターンの透明導電膜を形成して、
ブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜で構成される色度測定用パターンを設け、
4)表示部の光散乱膜の形成と同時にヘイズ値測定用パターンの光散乱膜を形成して、光散乱膜で構成されるヘイズ値測定用パターンを設ることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
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JP2007178959A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Dainippon Printing Co Ltd | カラーフィルタの製造方法 |
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-
2003
- 2003-03-04 JP JP2003056687A patent/JP2004264718A/ja active Pending
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