JP4512054B2 - ナノチューブの分離およびアラインメント用装置及び、原子顕微鏡の位置合わせ装置 - Google Patents

ナノチューブの分離およびアラインメント用装置及び、原子顕微鏡の位置合わせ装置 Download PDF

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Description

本発明はソリッド・ステート・ナノ構造デバイス及び原子顕微鏡装置の分野に関する。
米国特許1,877,140(Lilienfeld、1932年9月)、及び、“電子工学タイムズ”(1998年11月16日p.67)にナノ構造に関する記載がある。笠貫他、米国特許5,418,771、及び、柳澤他、米国特許5,519,686及び5,721,721に原子記録技術及び原子顕微鏡の位置合わせ技術についての記載がある。S. Tans他“ネィチャ”(1997年4月3日、pp.474−477、7、1998年5月、pp.49−52、及び、1998年8月20日、pp.761−764)、並びに、R. Martel他、“応用物理学レターズ”(1998年10月26日、pp.2447−2449)、及び、A. Hassanien他、“応用物理学レターズ”(1998年12月28日、pp.3839−3841)に、バルク・シリコンゲートを備えたいわゆるナノチューブ“トランジスタ”についての記載がある。L. Venema他、“応用物理学レターズ”(1997年11月3日、pp.2629−2631)には元の位置でナノチューブを切断する方法が示されている。Z. Ren他“サイエンス”(1998年11月6日、pp.1105−1107)には、独立の、位置合わせを行った、離間配置された多数のカーボン・ナノチューブを作る方法が示されている。
したがって、改善された面密度と、速度と、安定性とを備えた特性を持つデバイスを提供するためにナノチューブの利用方法を提供することが本発明の目的である。
ほんのわずか改変した既存の装置技術を利用して製造可能なナノスイッチを提供して、ナノチューブとその他のナノ構造とを操作して数Åの精度で所望の位置に位置合せを行えるようにすることが本発明のさらなる目的である。
従来の“ドーピング”やナノチューブそれ自体に対する他の構造的改変をまったく伴わずに、同一のナノチューブ上に相補型スイッチング・デバイスを設けることが本発明のさらなる目的である。
ナノチューブの縦軸方向に実質的電界成分を有する局在電場を生み出すゲーティング構造を形成することが本発明のさらなる目的である。
CMOSシリコン回路からなるナノインバータ回路に類似するナノインバータ回路を形成して、効率良く信号処理を行うようにすることがさらなる本発明の目的である。
同名のCMOSシリコン回路からなるマルチバイブレータに類似した、ナノマルチバイブレータ(フリップ・フロップ)回路を形成して、効率良く信号処理を行うようにすることがさらなる本発明の目的である。
ナノマルチバイブレータ(フリップ・フロップ)カウントダウン・チェーンを形成して、非常に高い周波数パルスを迅速にカウントする手段を提供することがさらなる本発明の目的である。
急勾配の比類無く高いスルー・レートを持つナノスイッチを形成して、おそらく従来のシリコンより数千倍の高速スイッチングを行うようにすることがさらなる本発明の目的である。
前例のない高いスルー・レートとパワー処理能力とを持つハイパワー・スイッチとハウジングとを提供することがさらなる本発明の目的である。
パワー・ナノスイッチ・デバイスのRC時定数ゲーティング・ラグを補償する構造的方法を提供して、そのデバイス全体が同じ瞬間に導通しそれによって非常に高いスルー・レートを出力するようにすることが本発明のさらなる目的である。
パワー・ナノスイッチ・デバイスのRC時定数ゲーティング・ラグを補償する構造的方法を提供し、各作動に対して、ほぼデバイス全体が同じ瞬間に導通し、ほぼデバイス全体が同じ瞬間に停止し、それによって導通と停止の双方の作動に対して非常に高いスルー・レートを出力するようにすることが本発明のさらなる目的である。
ナノメータ・サイズの物体の非常に精密な吸引と蒸着が可能な、新規の原子顕微鏡用プローブの設計を行うことが本発明のさらなる目的である。
従来の原子位置合わせ顕微鏡用の新規の操作用装置ヘッド・アセンブリを提供して、デバイス・エレメントをピックアップし、これらのデバイス・エレメントを運び、操作し、位置合わせを行い、Åのオーダーの非常に精密な許容範囲の位置へこれらのデバイス・エレメントを蒸着することが可能な装置を、既存の位置合わせ装置技術のわずかな改変だけで達成可能にすることが本発明のさらなる目的である。
ナノチューブの分離、選択、歪み取り、切断を行い、その他の発明目的の実行を可能にする装置および方法を提供することが本発明のさらなる目的である。
本発明の第1の態様に係るナノチューブの分離およびアラインメント用装置は、
ナノチューブの分離およびアラインメント手段と、
前記ナノチューブの分離およびアラインメント手段の1つの端縁に沿って音響波を発生させるための矩形の音響トランスジューサと、
前記分離およびアラインメント手段内に定在波と定在波ノードとをつくるための、前記矩形の音響トランスジューサと接続された信号源であって、前記定在波ノードに沿ってナノチューブを分離し、位置合わせを行うようにする信号源と、を有し、
前記装置がさらに、
a.所定の横断面を持つ、低いファンデルワールス力溶媒で満たされた矩形の貯槽であって、
前記矩形の音響トランスジューサが前記矩形の貯槽の矩形の1つの側壁に沿って位置合わせされ、
前記矩形の音響トランスジューサと接続された前記信号源が、平らな定在波と、前記低いファンデルワールス力溶媒の中に少なくとも1つの平らな定在波ノードとをつくるように成す前記矩形の貯槽と、
b.低いファンデルワールス力溶媒を持つ矩形平板であって、
前記矩形の音響トランスジューサが前記矩形平板の1つの端に沿って位置合わせされ、
前記矩形の音響トランスジューサと接続された前記信号源が平らな定在波と、少なくとも1つの平らな定在波ノードとを前記矩形平板上で前記低いファンデルワールス力溶媒の中につくるように成す矩形平板と、のa.とb.のうちの一方を有することを特徴とするナノチューブの分離およびアラインメント用装置。
本発明の第2の態様に係る原子顕微鏡の位置合わせ装置は、
ナノ構造X−Y軸輸送および操作のための改善されたヘッド・アセンブリにおいて、
前記改善されたヘッド・アセンブリ用の基準符号化用STMプローブと、前記改善されたヘッド・アセンブリの正確なX−Y平面位置を決定するための、前記基準符号化用STMプローブと関連して用いられる基準符号化位置合わせ手段と、
ナノ構造の構成用基板と、
前記少なくとも1つのプローブの真下に、電場と、時間変動する磁場のうちの少なくとも一方を局在化するための前記ヘッド・アセンブリ内の少なくとも1つのプローブであって、回転用回路によって制御される回転メカニズムと接続された前記少なくとも1つのプローブと、
円錐形状で、かつ、先細り状たがねの矩形形状をさらに有する前記少なくとも1つのプローブであって、接点を備えた導電性材料から作られ、絶縁被膜と、螺旋状の磁気コイルを載置し、駆動回路構成および駆動電流センサ回路構成と接続される前記少なくとも1つのプローブと、
前記基準符号化用STMプローブと、前記駆動回路構成および駆動電流センサ回路構成と、前記少なくとも1つのプローブと、前記回転メカニズムおよび前記回転用回路と、接続されたコンピュータと、を有し、
これにより、ナノチューブを含むナノ構造をピックアップし、操作し、位置合わせを行い、次いで、約1原子直径の範囲の精度で、所望のロケのーションと位置まで所定の方法で降ろすことが可能で、前記コンピュータに置かれた所定のプログラムとプログラム命令に従って前記基板上に所定のナノ構造を形成するように成すことを特徴とするヘッド・アセンブリ。
本発明の様々な態様の追加的目的と利点は、好適な実施例についての以下の説明から明らかになる。該説明は添付図面と関連して考慮することが望ましい。
“ナノチューブ”という用語を使用するとき、この用語には、カーボン・ナノチューブが含まれるだけでなく、BN、MoS及び適切な電気的属性と機械的属性とを有するような構造の形成が可能な任意の他の材料や合成物から作られるナノチューブも含まれるものとする。
“ナノ構造”とは、任意の蛋白質、化学分子、ポリマー、または少なくとも1つの次元でナノメータのオーダーからなる任意のその他の構造と解釈される。M. Dresselhaus他著“フラーレンとカーボン・ナノチューブの科学”(著作権 1996年、アカデミック・プレス社)等に記載されているような、ナノチューブを表す従来の六方グラフィン・カイラル・ベクトル指数が使用される。
量子力学だけを用いてナノ構造を完全に理解することは可能ではあるが、この理解には広範囲にわたる計算が伴い、多くの場合これは本発明の理解には必要ではない。したがって、本発明の利用と理解の容易さを図るために従来の静電気用語を用いて本発明について説明し、多くの場合、これで十分であるが、通常の研究者であれば、必要な場合にはいつでも本発明を量子力学の形式へ容易に書き直すことが可能であることを理解するであろう。
図1aの従来技術によるナノデバイスは図1bに図示のような、人を当惑させるある特徴を持っている。従来技術によるナノデバイスは、“正孔”の中を通る伝導が行われるデバイスであるという、R. Martel他およびA. Hassanien他による上掲書に記載のような説明ではデータと適切に符合しない。特に、ゲーティング電圧Vが次第に負になるにつれて、すべてのソース/ドレイン電圧VSDについてソース/ドレイン伝導電流ISDが増加し続けるという実験による観察は最も厄介な問題である。さらに、“正孔”についての思いつきの説明はおそらく誤解を招くものである。シリコンの中で、アクセプタ原子はシリコンに対して“ドープされ”、それによって移動する正電荷が形成されるが、このドーピングにはシリコンの荷電中立状態と“正孔”の局在とを伴う。この場合、ナノチューブの実際の“ドーピング”が存在しないことに起因して、これらの“正孔”はたとえ存在したとしても、それはナノチューブ内での実際の荷電のインバランスに起因するものであり、ナノチューブの平衡状態は電界方程式の非常に複雑で、かつ、包括的な解を含意する。なぜなら、この解はほんのわずかなバイアスによって著しく変化し、有用な方法でナノチューブの利用方法についての明瞭な理解へつながるものではないからである。
しかし、最も重要なことは、ナノチューブが伝導電子を有することに起因して、これらの結果が、このデバイスと似ているシリコン内の類似の空乏モードN型チャネル絶縁ゲート電界効果デバイスについて予想されることと全く正反対であることが細密な検査によって判明したという点である。以下に見るように、この異常な、しかし、明らかに未だ理解されていない正確な性質が或るモデルを用いて説明される。このモデルで、関係する実際の力にさらに厳密にアプローチし、これらの異常な結果をさらに完全に説明し、それによって本発明のモデルの基礎が形成される。
本出願においては、ナノデバイスが開示され、ゲーティング部材150、153'−157が、導電性ナノチューブ150をクロスするか、あるいは、導電性ナノチューブ(153'−157)をほぼ取り囲むかのいずれかを行うことが可能となる。
本出願においては、疑似P型チャネル・ナノスイッチ構成(150−151−152−153、並びに、擬似CMOSナノインバータ170−171−173−174−177−179が開示され、ナノマルチバイブレータ170−171−174−179−170'−171'−174'−179'と、ナノマルチバイブレータ周波数分割チェーン構成174−190−190'−192−193とが開示され、これらはサブピコ秒の範囲で作動する。疑似P型チャネル拡張機能モード・パワー・ナノスイッチ・デバイス(259、259')が開示され、該デバイスは、RC時定数補償方式(247i、241i)を用いて好適に使用され、パワー・ナノスイッチ全体(259、259)にわたってほぼ同時にスイッチングが行われる。本発明を利用するナノチューブの分離およびアラインメント用装置(300、300')、並びに、改善された原子顕微鏡用プローブ(281−282−283−284−285−286−287、291−292−293−294−295−297−298)とヘッド(310)が開示される。
図2aは、このモデルに準拠するゲート・バイアスをかけない(V=0)ナノチューブの新規の分析横断面を図示する。本発明者の分析結果から、この図には、ナノチューブ140の外側部分と、内側部分141と、導電性ナノチューブ140の固有の自由な伝導電子142と、絶縁体として機能する障壁材料料143と、ゲーティング電位Vの電源と結合されたゲート電極自体144とが示されている。ゲート障壁材料料143の電子親和力(χ、この場合絶縁体)はきわめて臨界的であり、本発明者の分析によれば、導電性ナノチューブ140が143と接触する部分で導電性ナノチューブ140から電子を完全に空乏化できるほどこの電子親和力が十分であることは明らかである。この場合、約8Åのナノチューブの円周が障壁材料料143と接触し、これは145によって示されている。本発明者の分析によれば、ナノチューブのような伝導電子に富む材料が十分に高い電子親和力(χ)を有する障壁材料料と接触する場合はいつでも、146のような電子が145においてナノチューブ導体140−141−142から引き出され、146としてこの図に示されている接触面で局所的に結合(捕捉)される。これによって、これらの電子は固定した、動かない正の荷電の中心145を後に残すことが可能となる。高い電子親和力(χ)を有する障壁材料料143の表面は、言うまでもなくさらに大きな引力を誘起し、それによって、より小さな電子親和力を有する障壁材料料に比べてより扁平化するかつより多くの電荷移動が誘起される。重要な点は、小さな直径の導電性ナノチューブ140についても、この導電性ナノチューブが載っているゲート障壁材料143との有限の扁平化する密接な相互作用がこのモデルでは固有のものとして常時存在するということである。上述の例では、チューブのサイズは(10,10)に近づくので、十分に大きな電子親和力(χ)を持つ障壁材料の絶縁体SiO上に約8Åの接触面積が予想される。SiOは、その非晶質構造内に存在する固有の多くの未結合手のためにシリコン電場では悪評高いものであり、約0.9−1.0eVの電子親和力(χ)を有する。
一般に、SiOを不活性化する従来の1つの方法として、これらの未結合手を除去するために、不活性化剤として水素を用いる方法がある。この場合、水素はその電子を提供して、SiOによって未完成のままに残されている未結合手を完成し、その結果SiO:H(水素を含む二酸化シリコン)と一般に呼ばれる構成が形成される。この構成によってSiO:Hの電子親和力(χ)が未処理のSiOの親和力以下まで低下する。SiOから未結合手を除去し、電子親和力(χ)を低下させるさらに効果的な別の方法として、フッ素処理を利用して任意の未結合手と反応させる方法がある。この結果得られる生成物は一般にSiO:F(フッ素を含む二酸化シリコン)と呼ばれる。特に、この後者は一般に比較的高い電子親和力を持つ障壁材料(SiO)を比較的低い電子親和力を持つ障壁材料に変化させる。その理由として、これらの未結合手のすべての電子がフッ素と緊密に結合していることが挙げられる。このため、フッ素処理された障壁層材料の電子親和力(χ)はきわめて低くなる。
図2aには、146によって示されるように、導電性ナノチューブ140内で利用可能なおそらく8%程度の電子が障壁層絶縁体143/ナノチューブ140インターフェースにおいて捕捉されるためこれらの電子は移動せず、伝導には貢献しないことが示されている。しかし、図2bでは、正電圧がデバイスのゲート部材144に印加される。この場合、導電性ナノチューブ140内の自由電子142が正電圧の方へ引かれ、最高の正電圧の下で、ほとんどすべての自由な伝導電子146'が140と143との間のインターフェースにおいて捕捉されるため伝導が著しく低下する。この場合、図1bに実験的に示されるように、このモデルの下でのゲーティング部材144への正電圧の印加によって、伝導の低下が生じるという直感に反する実験結果が導かれる。
図2cに図示のように、ゲーティング部材144への負電圧の印加により、全く正反対の結果が示される。印加されたゲーティング電圧は障壁層の絶縁材143の固有の電子親和力(χ)に打ち克ち、元のナノチューブ140の導体部の中へ捕捉電子146”を打ち込み、それによってナノチューブ140内の伝導に利用可能な電子の数を増加させる。実際、この増加の事実は図1bに示されている。すなわち該図で、100mVのソース/ドレインVSDについて、V=−6Vのバイアスをゲーティング部材144に印加した場合、導電率が約8%程度増加する。この結果、比較的高い負電圧の印加では、従来のシリコン回路で予想されるような伝導チャネルのピンチオフは見られない。これは、導電性ナノチューブ140とゲートとがほぼ共直線性を有し、電子の除去が可能な、ナノチューブの軸方向の電場成分が存在しないという事実に起因するものである。したがって、対称性によって“ピンチ・オフ”を得ることはできない。この電場は、その範囲のほとんど全体にわたってゲーティング絶縁体143表面に対して全く正常であるため、導電性ナノチューブ140内の電子には“エスケープ(escape)”が与えられない。
このモデルでは、伝導が正孔を持たずに、電子を伴っている場合であっても、ナノスイッチは高度に非最適化した疑似P型チャネル空乏モードスイッチとして作動する。このナノスイッチは“疑似”スイッチと呼ばれる。その理由として、この荷電捕捉モデルに従う実際の内部動作が全く異なるものであるにもかかわらず、このナノスイッチが外面的にはシリコンP型チャネルのように機能するということが挙げられる。再言するが、上記の事実は、シリコンデバイスについての予想可能な結果とは直感的に反するものであり、本発明者が発見した重要な特性、及び、従来のシリコン構造の特性との差異を示すものである。すなわち、カーボン・ナノチューブは、導電性ナノチューブから得られる移動キャリアを空乏化できるほど十分に高い電子親和力(χ)を有する障壁層が導電性ナノチューブとゲーティング部材構造との間に存在するとき、等価的疑似P型チャネル・シリコンデバイスとして機能することが可能である。本発明の教示によるナノチューブも空乏化を行うことはできるが、この空乏化は、ゲーティング部材/ナノチューブインターフェースの選択された位置で障壁材料の電子親和力(χ)を変化させることによってしか可能ではない。したがって、異なる電子親和力(χ)からなる2つの阻止領域を持つ単一のナノチューブを構成し、さらにコンパクトな構成で相補型シリコンデバイスのすべての利点を持つことが可能となる。シリコン半導体技術では正反対の伝導性をもつ井戸領域を設けなければならないが、本発明に準拠するナノチューブ技術ではこの井戸領域は完全に取り除かれる。したがって、例えば、シリコンCMOSインバータがあるチップ面積(〜μm)を持っている場合、ナノチューブ・インバータは、250,000倍狭い面積である約4nmの大きさの面積を持つことが可能となる。これはデバイスの記録密度の著しい改善であると思われる。
本発明のゲーティング部材と、ゲーティング部材と導電性ナノチューブとの間の阻止層とから成る特別の設計は、その構成の中で使用される所望の特定の材料に応じて、いくつかの等価的構成を有する設計のいずれであってもよい。
例示のために、N型チャネル空乏モード・ナノチューブ・スイッチの形の第1の実施例が、立体投影図の形で図3aに、また、導電性ナノチューブ151に沿う横断面図で図3bに図示のように提示されている。この“導電性ナノチューブ”という用語は、+Vと接地電位との電位差、あるいは同じ意味であるが−Vと接地電位との電位差によって、導電性ナノチューブ151の除去部分にバイアスをかけることが可能で、かつ、伝導電流が通過可能なナノチューブを示すために用いられる。このような伝導電流の変調は、好適な制御電圧Vが印加されるゲーティング構造150によって制御される。上述のように、“導電性ナノチューブ”151はいくつかの異なる構成の中の1つであってもよく、“金属性”ナノチューブに限定されるものではない。“導電性ナノチューブ”151は単一壁のナノチューブまたは複数壁(multiwall)のナノチューブとすることも可能である。第1の導電性ナノチューブ151とは異なる特性を持つ、ナノチューブを備えることも可能な別のゲーティング・ナノ構造150が第1の導電性ナノチューブ151に対してクロスされる。この第2のゲーティング・ナノ構造150は単一の壁あるいは複数の壁から成るナノチューブを備えていてもよい。
この第1の好適な実施例の場合、阻止層の電子親和力(χ)の制御等の異なる属性はゲーティング部材150に属し、また、ゲーティング部材150と関連づけられる。
このことが図3aと3bに例示されている。該図で導電性ナノチューブ151はゲーティング部材150に対してクロスされている。ゲーティング部材150は、単一構造150を有するか、あるいは、少なくとも1つの内部層ナノ構造152と、その外周の周りに所定の電子親和力(χ)を持つ障壁材料から成る外層153とを有する合成構造を有するかのいずれかとすることができる。152と153の合成構造はまとめてゲーティング部材150と呼ばれる。
導電性ナノチューブ151とゲーティング部材150との間の接触空乏領域がこの構成では無視できるほど非常に狭いので、高い電子親和力(χ)を示す障壁層材料を含む障壁材料153によって良好なN型チャネル空乏モード・デバイスの製作が可能となる。例えば、ショットキー形成金属や、半導体や、ドープされた半導体や、あるいは合成半導体層等の障壁層材料153が導電性を有する場合、たとえ153の障壁材料が高い電子親和力(χ)を有し、その内部ナノチューブ152からキャリアを完全に空乏化することができても、内部ゲーティング構造のナノチューブ152と共に障壁層材料153を使用することが可能である。この場合、内部ゲーティング部材のナノチューブ152は、この高い電子親和力(χ)を持つ障壁層材料153用の、ゲーティング部材構造150内の非導電性構造支承部材(マンドレル)として機能する。
ガリウム砒素(GaAs)集積回路において役に立つ、高い電子親和力(χ)を持つ材料の1つの固有の組合せとして、内部のナノチューブ152にわたる非ドープGaAsと、非ドープGaAsにわたるN+ドープされたAlGaAsから成る外層とから成る合成層の利用がある。この合成層によって、GaAs/AlGaAsインターフェースにおいてGaAsの内部に2次元電子ガス(“2DEG”)が形成され、非常に導電性の高い手段が提供され、この手段によってゲーティング部材150へのゲーティング電位信号Vをゲーティング構造150の中で伝播することができる。次いで、これによって、GaAs集積回路とナノチューブ集積回路との間に多くの“ブリッジ”の中の1つを形成することが可能となる。上記とは別に、高度にドープされたN+AlGaAs層は内部のナノチューブ152と接触することができ、GaAs層をN+AlGaAsの外側に設けることができる。さらに、このようなナノチューブ/GaAs(N+AlGaAs)/N+AlGaAs(GaAs)の組合せは、超微細GaAs集積回路内の電力と信号用の完全に互換性を持つ導体としてそれ自身有用である。
図3aと3bに図示のように、ゲートの障壁層材料153が、ナノチューブから完全に電子を空乏化することができないほど小さな、部材150の電子親和力(χ)を有し、かつ、ゲーティング絶縁を目的として十分な高さの障壁を有している場合、さらに広範囲の材料を用いて成功する空乏モードN型チャネル・ナノスイッチを得ることが可能となる。この場合、ゲーティング部材150に印加されるゼロ・バイアス電圧Vが存在するとき、導電性ナノチューブ151は、ゲーティング部材150のこの低い電子親和力障壁層材料部分153の存在にほとんど気がつかない。次いで、導電性ナノチューブ151内の電子、並びに、ゲーティング部材150内の電子は自由に伝導する。しかし、十分に負のゲーティング電圧Vがゲーティング部材150に印加された場合、クーロン静電反発力によって、導電性ナノチューブ151とゲーティング構造150間の接触部に隣接する領域全体の154として例示される領域内で導電性ナノチューブ151内の電子が撥ね返され、空乏化されて、導電性ナノチューブ151内の電流は静止することになる。この転送特性が図3cに図示されている。この図で、負のゲーティング電圧V=−VNthで、導電性チャネルはこの閾値電圧でピンチ・オフし、伝導が停止する。導電性ナノチューブ151の直径を完全に空乏化するためには、非常に小さなゲーティング電圧V差しか必要としないので、−VNthにおけるI/Vグラフの勾配(ゲートの“スイッチイング・スルー・レート”ΔI/ΔV)は適度に急勾配である。この場合従来技術との相違点として、ゲーティング構造150の導体部全体が静電表面を形成し、該静電表面が、導電性ナノチューブ151の縦軸に沿う縦方向成分Eと、この縦軸に対して法線を成す横方向成分Eとを持つ空乏層の表面154において電場Eを有するということが挙げられる。この設計の単純さとして、長年世界中の実験室によって作られてきたすべての基本的カーボン・ナノチューブからこの設計を完全に行うことが可能であるという点が挙げられる。導電性ナノチューブ151が、バンドギャップgの半導電性ナノチューブである場合、ゲーティング構造150は、例えば、gとは著しく異なる(g≠g)第2のバンドギャップgを持つ別の半導電性ナノチューブとすることが可能である。したがって、N型チャネル空乏モード・ナノスイッチの場合、導電性ナノチューブ151とゲーティング構造150とを含む、真の金属、半金属、または半導電性ナノチューブから成る広範囲の組み合わせを利用することが可能となり、また、障壁材料153用として広範囲の材料の使用が可能となるが、その際唯一の条件として、導電性ナノチューブ151とゲーティング部材150との間の障壁が、使用可能なゲーティング電圧Vをゲーティング部材150に対して出力できるほど十分な高さの障壁を備えて、故障や望ましくない電子の漏洩を伴わずに導電性ナノチューブ151を完全に空乏化できるようにするという条件がある。
上述のように、図3aと3bの構造設計は、疑似P型チャネル・ナノスイッチにとって好適ではない。これは、基本的に、導電性ナノチューブ151と、ゲーティング構造150の障壁材料153との間の接触面積が狭いということに起因する。言うまでもなく、1つの解決策として、図4aと4bに図示の代替構成のような、障壁材料が導電性ナノチューブと接触するレベルを増加させる方法がある。この実施例では、障壁材料153'が、導電性ナノチューブ151'の領域をほぼ取り囲んだり完全に取り囲み、この十分な接触面積をデバイスに与えるようにすることが望ましい。ゲーティング部材150'によって接触されているとき、障壁材料153'が等電位面を形成するために、固有のものとして十分な導電性を持っていない場合、追加の導電層157を加えて、障壁材料153'と導電性ナノチューブ151'とを取り囲むようにすることが可能である。上述したように、固有のものとして十分な導電性を持つショットキー障壁材料等の多くの材料用としてはこの追加導電層157を不要とすることができ、ゲーティング部材150'が導電性ショットキー障壁材料153'とのオーミック接点となることが可能である限り、追加導電層157を省くことが望ましい。ゲート閾値電圧V=−VPthは特別の障壁材料153'の仕事関数φから得られる直接的結果である。この障壁ゲーティング材153'に対するこの場合の唯一の要件として、導電性ナノチューブ151'が真の金属、半金属、あるいは、半導電性ナノチューブのいずれであるかを問わず、少なくとも部分的に導電性ナノチューブ151'を空乏化するために、ゼロ・ゲーティング・バイアスVで十分に大きな電子親和力(χ)を持つようにすることと、スイッチング・グラフ167、168で図示のように、適切なゲート電圧V=−VPthで十分な高さの障壁を用いて、導電性ナノチューブ151'を補給(undeplete)するに足るほど十分な実際的電位障壁を確立できるようにすることがある。図4aと4bのこの構成を用いてさらなるP型チャネル・ナノスイッチ(空乏モード・デバイス)の作製が可能となる。障壁材料153'が電子を捕捉することができ、しかも、ゼロ・ゲーティング・バイアスVで導電性ナノチューブ151'から電子の空乏化あるいは電子の完全な空乏化を行うには不十分な電子親和力(χ)を持っている場合、ゲーティング構造に対して正のゲーティング電位Vを印加することにより、この正の電位が障壁材料153'を補助し、次いで、障壁材料153'内で自由電子を捕捉し、それによって導電性ナノチューブ151'のピンチオフを行うようにすることができる。このケースが図4cに点線グラフ169で示されている。このようにして、図4dに示すように狭い幅の伝導を持つデバイスを設けることができる。
以下はすべて、シリコンCMOSのすべての利点を有する疑似“CMOS”ナノチューブ・スイッチング・ペア・インバータの形成に必要なエレメントであり、このインバータでは、図5aに示すように、N型チャネルと疑似P型チャネル・ナノスイッチとのゲートとが、同じ負のVスイッチング信号と一緒に接続される。開始ナノチューブ171は、上述した材料である、十分な電子親和力(χb1)を持つ開始障壁材料層173によって被膜されて、ゼロ外部電位バイアスで開始ナノチューブ171からキャリアの空乏化が行われる。図5aに例示されているように、この開始障壁材料層173上に好適な横幅のマスキング用ダミー・ナノチューブ175が配置される。特定イオンのイオン打込みが行われて、開始障壁材料層173は第2の電子親和力(χb2)を持つ第2の障壁材料層174に変換される。この第2の電子親和力は、マスクされていない部分において、上述のようにゼロ・バイアス電位で導電性ナノチューブ171からキャリアを空乏化するには不十分である。この第2の障壁材料層174は、導電性ナノチューブ171を完全に取り囲む、あるいは、少なくともほぼ取り囲むことが望ましいので、回転軸として導電性ナノチューブ171の縦軸を用いて180°のアークでイオン・ソースを移動させることによりこの取り囲みを行うことができる。このように、マスクとして一時ナノチューブ175を用いることにより、また、このような180°のアークで所望のイオンを打込むことにより、最初の障壁材料層173のほとんど全てのマスクされていない部分が新しい材料174へ変換される。これを示す1つの特別の例として、上述したように、導電性ナノチューブ171からキャリアを空乏化するのに十分な電子親和力(χ)を持つ開始障壁材料173として非補償SiOを利用する例があり、これについてはすでに述べた。次いで、水素(H+)またはフッ素(F−)イオンがマスクされていない部分へ打ち込まれ、従来のシリコン処理の場合のように適切に熱処理された場合、すでに説明したように、その障壁材料部分174は、導電性ナノチューブ171からキャリアを空乏化するには不十分な第2の電子親和力(χb2)を持つことになる。この場合、障壁材料層173と174とは異なる表面属性を持つ絶縁体であるため、これらの障壁材料層は検出が可能であり、これら2つの層間の変化は、図5bに例示されているように、トンネル型電子顕微鏡(“TEM”)のプローブ176によって検出が可能である。このようなプローブに印加された電圧が印加電圧パルス(4ボルト未満等)に応じて、高い十分な電場を発生させて図5bに図示のように、この変化部分178で絶縁体173−174を取り除くことができることは当業において公知である。次いで、導電性被覆部177によってこのアセンブリ全体を被覆し、図5cに示すように、プローブ176が変化部分178を再び検出できる所までTEMプローブを戻して、電圧パルスを用いてこの導電被覆部のこの部分178をブラストすることが可能である。次いで、導電性ナノチューブ171にバイアスをかけ、電子エッチング浴(electroetchive
bath)の中へチューブ・アセンブリを入れ、171と直接接触する導電層177の部分のエッチングを最初に行って取り除き、図5dに図示のように障壁材料部分173と174とにわたって導電性被覆部177だけを残すようにすることができる。この処理の1つの代替変更例として、最初の障壁材料173用として適切なショットキー形成金属を利用する例がある。次いで、ここで、図5aの照射部分173の中へ別のタイプの金属イオンを打込み、この照射部分173の合金構成を変更することが可能となる。ゲーティング部材170は図3a−4bの150と150'に対応し、このゲーティング部材170によって、導電性オーバーレイ177の同一の広がりを持つ性質に起因して、Nチャネル型の空乏モード・ナノスイッチ171−174−177と、疑似P型チャネル型の拡張モード・ナノスイッチ171−173−177との共通ゲートが形成される。したがって、図5eで、導電性ナノチューブ179は、P型チャネルとN型チャネルのデバイス間のノードで導電性ナノチューブ171と接触し、インバータの出力信号を形成し、導体177は共通ゲーティング接続部を形成し、ゲーティング部材170は信号入力部を形成する。このようにして、導体部材のドーピングを一切行わずに、同一タイプの導電性ナノチューブ170のすべてを用いて非常にコンパクトな疑似CMOSタイプのインバータの作製が可能となり、さらに、非常にコンパクトな構成で、約50Å程度までに全体の長さを保ちながら、該インバータの作製が可能となる。
図5eのこのCMOS様ナノインバータを用いて、クロス接合されたナノマルチバイブレータ(NMV、フリップ・フロップ)を形成することは簡単である。図5eの構成のナノインバータのうちの2つを採って、それらのうちの一方をもう一方に対して180°回転させ、図6aに図示のように、ゲーティングと出力部との接続の位置合わせを行うようにすることができる。この場合、左側に在るナノインバータは図5eのインバータと同じ名称を有する。右側に在る回転されたナノインバータもプライム記号(')が付けられているだけで、同じ名称を持つ。したがって、左側に在るナノインバータの入力側導電性ナノチューブ170は、右側に在るナノインバータの共通ノードと接続され、次いで、179'と単一の導電性ナノチューブ170−179'とによってこの必須のクロス−接合が形成される。同様にし、左側のナノインバータの共通ノード接続部179は右側に在るナノインバータの出力ゲーティング170'と接続されたクロス−接合である。“−V”と接地電位という用語は、様々な領域に対する電位を示すために用いられるが、それぞれ接地電位と+Vと同等のものと考えることができるという点に留意されたい。これは、“接地電位”の名称の選択の変更にすぎない。ゲーティング電圧は、所望のスイッチングを達成するためにこの場合負であるため、第1の名称である接地電位と−Vのほうがより正確であろう。しかし、従来の工学では、CMOSインバータ等に対して+Vと接地電位という用語が用いられてきたので、この名称も同じ意味で使用することができる。
最初の導電性ナノチューブ171用として(10,10)金属ナノチューブを用い、約30Åの厚さの障壁層173−174と、約10Åの最終導電性被覆部177とを加えた場合、図5eのインバータは約50Åの直径を持つことになり、長さを約50Åにすることができる。2つのナノインバータ間の間隔を約15Åと仮定すると、ナノマルチバイブレータ(NMV)の場合、総面積で約130Å×75Åのセル・ピッチ(約100nm)が生じる。これはおそらく体積では現在製造されているいずれのマルチバイブレータより10分の一小さなものとなる。
ナノマルチバイブレータの性能推定値を出すことが可能である。W. Scott著“電気と磁気”(著作権 1966年、第2版、ニューヨーク、pp.163〜165)等に示されているように、導体基板上の導電性ワイヤのキャパシタンス(C)を
C=2πεL/ln{(d+(d−R)1/2)/R}
(但し、ε=8.85×10−12F/m、d≒25Åは導体軸線から平面までの距離、R=6.5Åは導体半径)、ナノインバータの長さを≒50Å、および、もう一方のインバータまでの出力側の長さを≒130Åと仮定すると、1つのナノインバータ・ノードの総キャパシタンス(C)は、C≒2×10−18Fとなる。このようなナノチューブ導体の検査抵抗が巨視的平均値で400〜750Ω/Åの長さの範囲内にあることを考慮すると、180Åの総インバータおよび出力抵抗の長さは、結果として、RC≒−0.1〜−0.3×10−12秒のオーダーで、すなわちサブ・ピコ秒の範囲でRC時定数となり、現在のシリコン半導体デバイスよりいくぶん高速になる。この推測値は、1999年のI.S.S.C.C.(国際固体素子回路会議)での、類似の構造についてのA. Johnsonの計算および他の人々の計算によって独立に確証された値である。
図6aに示されるようなこのような複数のナノマルチバイブレータ(NMV)を容易に鎖状に結合して、カウントダウン周波数分割器を形成することが可能となる。図6aの基本設計を採用して、鏡像構成の隣接するマルチバイブレータ・ユニットを形成した場合、図6bに示すような、複数の鏡像反転ナノマルチバイブレータ(NMV)を備えた、同一の電源接続部を持つ類似のペアの隣接する導電性ナノチューブが、端部のナノインバータを除いてカウントダウン・チェーンの形で結果として得られる。次いで、ノードと入力/出力接続に対応する領域にわたって2つの長い導電性ナノチューブ190と190'とを配置することができる。各ナノマルチバイブレータ(NMV)用クロス−接合接続を形成するためには、TEMプローブを元に戻して、導電性ナノチューブ190と190'との間を4スペース毎進み、ナノチューブ190、190'をそのポイントで切断するのに十分な4〜6.5ボルトの範囲の電圧をそのスペースに印加するだけでよい。L. Venema他著“走査型トンネル顕微鏡を用いたナノ構造による個々のカーボン・ナノチューブの長さ制御”(“応用物理学レターズ”、Vol.71、No.18、1997年11月3日、pp.2629−2631)等を参照されたい。この切断は図中“X”でマークされている。短いセクションのナノチューブを形成して190、190'に対応するクロス−接合接続を形成する代わりに、単一の長いセクションを使用し、望み通りに、また、指示通りに元の位置で切断を行うことが可能である。したがって、入力側に入力信号を印加し、適切な電源電圧を印加することにより、今日のいずれの技術を用いても可能なものよりはるかに狭い空間内にナノマルチバイブレータ(NMV)周波数分割チェーン構成の配設が可能となる。
パワー・デバイスが電子装置産業において重要な役割を果たしていること、また、非常に高いスイッチング・スルー・レートを持つデバイスが電気通信および送電のような領域で現在きわめて有用であることが理解できる。図4aと4bの疑似P型チャネル・デバイスの設計を使用することにより、パワー・デバイスの適合を容易に行うことが可能となる。
導電性ナノチューブの利用により、上記のような提案されたパワー・デバイスについて従来のシリコン技術に関連する問題点を全く伴わないすべての利点を持つようにすることが可能となる。真の金属、半金属、または、半導体のいずれであるかを問わず、数個、数ダース、数百、数百万、数千億の範囲の複数の導電性ナノチューブを並列に配置し、適切にゲートし、パワー・デバイスの構成を行うことが可能となる。図4aと4bのゲーティング部材150'の主目的は単一の導電性ナノチューブ151'に電位を供給することである。単に、共通のゲーティングと、共通の端接続とに並列に複数のナノスイッチ・チューブをまとめて接続することにより、低下したオン抵抗と増加したパワー処理能力とを持つナノスイッチが実現可能となる。図8aの非常に大きなパワー・デバイスの実施例では、パワー・デバイスを通じて巨視的にゲーティングを行う必要があるので、図4aと4bのゲーティング部材150'に対する特定の限定や制約の多くを緩和することができる。
非常に大きなパワー・デバイス構造のための図4aと4bのナノスイッチのこの改変が以下図7から図示されている。導電性ナノチューブ241は、それが真の金属、半金属、あるいは半導体からなるナノチューブのいずれであるかを問わず、障壁材料243と導電性材料247とによって取り囲まれる。障壁材料243が導体である場合、導電性ナノチューブ241の両端において243と導電性材料247(使用されている場合)とには好適に凹部が設けられる。また別様に、障壁材料243が誘電絶縁体である場合、導電性ナノチューブ241の端部と同一平面に243を設けることが可能である。図4aと4bの実施例の場合と同じように、障壁材料243は、任意の種類の材料とドーピングから成る、III-VとII-VIを含む任意のショットキー形成材料、絶縁体、もしくは半導体材料であってもよい。その結果、障壁材料243の電子親和力(χ)は、ゼロ・ゲーティング電位Vで導電性ナノチューブ241を空乏化するあるいは少なくとも部分的に空乏化できるほど十分になり、その一方でゲーティング制御電圧Vに対して使用可能なゲーティング機能を行うために十分な高さのゲーティング障壁が設けられる。導電性材料247は、障壁材料243に対してゲーティング電位面を提供するだけで十分であり、場合によっては障壁材料243の一部であってもよい。唯一の要件として、導電性材料247あるいは障壁材料243は、単独で用いられる場合、ゲーティング信号Vに対して比較的低いゲーティングRC時定数を与えることができるほど十分な導電性を有すること、および、ショットキー障壁が選択された場合、ショットキー障壁材料の一部を形成できることが挙げられる。しかし、以下に別個に図示するように、このRC時定数要件さえも補償して、非常に大きなパワー・デバイス内で任意の同様のRC時定数遅延を同様に有効に取り消して、パワースイッチのすべてのエレメントが同じ瞬間に完全にスイッチングを行い、それによって前例のない高いスイッチング・スルー・レートのパワー・スイッチを設けることが可能となる。
言うまでもなく、カーボン・ナノチューブをつくる多くの異なる方法が存在し、本発明はそのような工程それ自体を目的とするものではないが、これらの工程の中のいくつかは結果としてナノチューブの絡み合ったロープを生みだし、これらの工程は本発明のほとんどに関して直接適用可能なものではない。しかし、本発明のすべてのモードに対してここで実施される大きな応用性を持つ互換性のある工程の1例として、サイエンス(Vol.282、No.5391、1998年11月6日、pp.1105−1107)に記載されているような、Z. Ren他、“ガラス上に良好に位置合わせしたカーボン・ナノチューブの大きな配列の合成”の例がある。この例の場合、独立の位置合わせを行った離間配置されたカーボン・ナノチューブのニッケル被覆したガラス基板上に一度に数平方センチメートルまで成長が行われる。特に上記文献の図3bは離間して配置されたナノ電柱の森を図示する。この特別の工程は分離したナノチューブを有し、本明細書で使用されるような様々な誘電材料、半導体および導電性材料のための化学蒸着(“CVD”)技術等の標準的シリコン処理技術を可能にする。従来のシリコン技術を用いてチューブを処理できるようにするために、ナノチューブの個々の形成を行ういずれの従来技術による方法もこの場合適用可能である。このようなナノチューブの作成方法を利用することにより、まったく従来のシリコン処理技術を用いて、カーボン導電性ナノチューブ241の表面上に非補償SまたはS障壁材料243などを後で形成することが可能となる。
実際には、数個から、数ダース、数百、数百万、数億、数10億までの任意の数のこれらの導電性ナノチューブ241が一緒に集束されて1つのバンドルにされる。Z. Ren他の上掲書の方法、あるいは、同様のいずれかの方法を用いる場合、様々な蒸着を行った後、チューブが形成されている基板からこれらのチューブをスライスしたり回収したりして、これらのチューブから成る位置合わせを行ったサブ・バンドルまたはサブ・バンドルのグループをつくり、さらなる集束化と統合化とを行うようにすることは簡単である。各導電性ナノチューブ241の外側導体247が金やその他の非常に高い導電性を持つ材料で作られている場合、これらの導電性ナノチューブ241を一緒に形成して、導電性ナノチューブのそれぞれの端部を接続した1つのバンドルまたはサブ・バンドル・グループにすることが可能である。大きな、非常に高いパワーのデバイス用として、例示を目的として示されている図8Aに図示の大きな巨視的バンドルの使用が可能である。この図では、導電性ナノチューブ241からなる集束されたバンドル251用の“ハンバーガー(hockey
puck)"型の形状のハウジングが図示されている。なぜならこの形状が普通のパワー・デバイス・パッケージであるからである。疑似P型チャネル拡張機能モード・パワー・ナノスイッチ・デバイス259は、導電性ナノチューブ241から成る集束されたバンドル251と、すべての導電性ナノチューブ241のすべての導体部分247を第1の共通端子Gと接続する外側ゲーティング電極帯250を備える。導電性ナノチューブ251のバンドルとの接触部からいくぶん持ち上げられて図示されている上部導電性プレート258と、下部導電性プレート257とは、導電性ナノチューブ251のバンドルの頂面と底面の双方、および、その露出した両端部と接触する。図7に図示のような各導電性ナノチューブ・アセンブリの最終的直径が60Åのオーダーである場合、4インチ(100mm)の直径の“ハンバーガー(puck)”内に約2.48×1014の導電性ナノチューブを要する7.8×1017の面積のバンドルが生じることになる。使用可能な長さの導電性ナノチューブがメグオーム(10Ω)のオーダーで個々の抵抗値を持っているという点で、従来技術のナノトランジスタの抵抗値が正確である場合、このP型チャネルのパワー・ナノスイッチは4.0×10−7Ωのオン抵抗値を有することになる。100000アンペア(10Å)の伝導に対して、ナノスイッチの両端にわたる電圧降下は4KWのワット損を使うだけで0.04Vとなり、これは比較可能な従来のいずれのソリッド・ステート・スイッチング・デバイスによる達成可能値よりもはるかに低い値である。さらに、本発明の疑似P型チャネル拡張モードのパワー・ナノスイッチは左右対称であるため、AC電流並びにDC電流で使用可能であり、“ターンオフ”ラッチング問題が生じない。これはシリコン・パワースイッチでは一般に見られない1つの特徴である。したがってこの疑似P型チャネル・パワー・ナノスイッチは送電及び変電の目的のために有用なものとなる可能性がある。
さらに、このデバイスのゲーティング・スルー・レートは、一次近似によって、個々の導電性ナノチューブ241の特性に基づき極めて急勾配になることが一般に予想される。しかし、ゲーティング・リング250とつながる第1のゲーティング端子Gが、導電性バンドル251からオフセットされるので、固有のものとして、デバイス全体にわたって250の第1のゲーティング端子Gから導電性ナノチューブ241の個々の部材へのゲーティング信号パルス送信の横方向の非対称並びに半径方向の非対称が生じることになる。このことは図9aに図示されている。この図では、ターンオン・ゲーティング信号Gは、無限のスルー・レートではなく、実際には有限のスルー・レートを持つように実現されている。第1のゲーティング端子Gの中を通ってゲーティング・リング250のゲーティング用入力部に印加される有限のスルー・レート・ゲーティング信号は、最も隣接する導電性ナノチューブ部材241を取り囲む導電性材料247の中を通り抜ける必要がある。次いで、ターンオン・ゲーティング信号が、ナノチューブ241を取り囲む導電性材料247を介して導電性ナノチューブ241の次の隣接するセットへ送信される。250に入力される、第1のゲーティングGに印加されるゲーティング信号は、次いで、ナノチューブの導電性材料247を介して、導電性ナノチューブ241の次の隣接するセットへ送信され、次いで導電性材料247を介して導電性ナノチューブ241の最も末端に在るグループへ送信される等となる。ゲーティング・リング250が非常に高い導電性を有する場合、最も電気的に末端に在る導電性ナノチューブ241のグループ化はハンバーガー・パッケージのほぼ中心で行われることになる。個々の導電性ナノチューブ241のゲーティングは障壁材料243を含むので、250およびGとつながる導電性ナノチューブ241と第1のゲーティング回路との間にキャパシタンスが固有のものとして常時存在することになる。したがって、ゲーティング回路リング250のターンオン・ゲーティング・パルスの外部端子Gへの印加と、疑似P型チャネル・パワー・ナノスイッチ・アセンブリ259の様々な部分への同パルスの送信との間に固有のものとしてRC時定数遅延が常時存在することになる。したがって、これらのナノスイッチが個々に示すことができる極端に高いスルー・レートは、このような実際的ゲーティングRC時定数注意項によって大きく弱められることになる。
しかし、パワー・ナノスイッチ・ナノチューブの様々なセクションとグループの閾値の賢明な選択によって、本発明の時定数の影響の調整を行うことが可能であり、この調整の結果、第1の入力端子Gに最も隣接する導体ナノスイッチ・セクション241のスイッチング閾値Vth1が最高の閾値を持ち、次に最も近い導体ナノスイッチ・セクション241の閾値がより低いスイッチング閾値Vth2を持つなどとなり、最後にGにおいて第1の入力ゲーティング信号に対して最も電気的に末端に在る導体ナノスイッチ・セクション241が最低の閾値Vth4を持つようになる。作動中、有限のゲーティング電圧スルーランプの賢明な選択の結果として、241におけるゲーティング電圧より高い241における同時的ゲーティング電圧が得られる。241におけるゲーティング電圧は241における電圧より大きく、241におけるゲーティング電圧は1つの特定時刻において241での電圧より大きくなる。次いで、ゲーティング・スルー・レート及び/又はゲーティング・スルー・レートの形状、及び、様々な閾値の賢明な選択によって、すべての個々のナノチューブ・セクションが正確に同時刻にスイッチ・オンになる。さらに、特定のデバイスに対するゲーティング・スルー・レートとゲーティング・パルスの形状を調整して、様々なセクション間の時差分を最少化し、それによってデバイスの最適化を行うことが可能となる。この図には、例示を目的として4つのセクションしか図示されていないが、数百あるいは数千の任意の数のセクションを形成すること可能であり、それによって、任意の所望レベルまでゲーティングRC時定数の調整と補償を行うようにすることが可能であることが理解できよう。このようにして、最終の疑似P型チャネル・パワー・ナノスイッチ内で個々の導電性ナノチューブ・スイッチの極端に高いスイッチング・スルー・レートを所望の任意のレベルにまで維持することが可能となる。次いで、これによって前例のないレベルを持つ電源スイッチが形成される。
絶縁体の厚さの変更や他の何らかの手段等の当業において公知の任意の手段により、様々なセクションのゲーティング閾値Vthの制御を行うことが可能である。障壁材料243用として絶縁体が選択された場合、バッチからバッチへ絶縁体の厚さの変更が可能であり、その結果、単一のバッチ内では、任意の個々の導電性ナノチューブ241の端から端まで、絶縁体の厚さは均一になり、また、特定のバッチ内では個々の導電性ナノチューブ241から別の個々の導電性ナノチューブ241まで均一になる。非常に異なる属性を持つ導電性ナノチューブ・スイッチから成る複数の(おそらく数百またはそれ以上)の別個のバッチを形成することにより、きめ細かに階級づけられた閾値を持つナノチューブ・ライブラリの作成を行うことが可能となり、それによって技術者は所定の属性と特性とを備えたナノチューブ・パワースイッチの設計ができるようになる。さらに、等価閾値電圧の調整手段としてナノチューブの直径を含めることができる。その他の閾値調整手段として、障壁材料243のショットキー障壁材料用の非常にきめ細かに分けられ細分化された組成から成る合金の形成、及び、異なる閾値を持つこれらのナノチューブ・ライブラリの形成が含まれ、これらの形成は仕事関数(φ)を調整するためのものである。
図9bは、このようなパワー・デバイスの一定のスルー・レート・ゲーティング・パルスを図示し、この図では、RC時定数注意項は過度のものではなく、様々なナノチューブ・グループ241の閾値を変更することにより、RC時定数注意項の適切な補償が可能となる。しかし、図8aの提案された100mmの直径のデバイスのようなさらに大きなデバイス用として、さらに整形されたゲーティング・パルスの使用が可能であり、場合によってはこのパルスのほうが好まれる。図9cの場合、ゲーティング・ターンオン・パルスの最初の部分には接地電位からの非常に大きなスルー・レートの低下がある。これは、より末端に在る部分の荷電を開始し、末端部分のほとんど閾値電圧にまでゲーティング電圧を上げ、それによってこれらのより末端に在る部分の“プリチャージ”を行うようにするためである。ゲーティング・パルス内でのこの非常に急勾配の下落後、パルスはよりゆっくりと下落して、元のパルス時間が与えられ末端部分に達して荷電が行われる。次いで、ゲーティング・パルスが選択され、すべてのさらなるグループがそのそれぞれの閾値に達し、それによってデバイス全体に同時にスイッチが入ると、該ゲーティング・パルスは隣接グループ閾値Vth1まで低下する。
図8aのこのようなパワー・ナノスイッチを最適化して、図8bと8cに例示されているように同時ターンオフを行うようにすることも可能である。この場合、図9aの第2の外部ゲーティング入力Gの場合のように、外部ターンオフ端子Gのもっとも近くのグループ241は、外部ゲート・デバイス電極Gから最も末端に在る部分で、最低の閾値電圧Vth4を持ち、その後に最大の電圧閾値ターンオフVth1が後続する。そのような場合、上記のように最適化されたターンオフ・デバイスに印加されたターンオフ・ゲーティング・パルスは、ゼロの方へ向かうゲーティング・パルスの最初の立上がりが急勾配となる図9dに図示のように好適に整形されて、最も隣接するグループ241のほとんど閾値電圧まで上昇する最初の高いスルー・レートを持ち、このグループ241によって、Gにおけるゲーティング・ターンオフ信号の最も末端に在るグループ241への送信が可能となり、さらに低いスルー・レートが後続するグループ241の“予備放電”が開始され、その結果、ナノチューブの最も隣接するグループ241がターンオフするとき、241に属するその他のすべてのグループもパワー・ナノデバイス全体にわたって同時にターンオフを行うようになる。
現在までのカーボン・ナノチューブ技術の問題点の1つとして、個々のナノチューブの操作と分離とを容易に行うことができないという問題が存在した。カーボン・ナノチューブは、非常に導電性が高いために、高いファンデルワールス力を有し、乾燥した皿の上のネバネバする調理済みスパゲッティに酷似したものになって互いにくっつき、またその基板にくっつく。
したがって、本発明の別の態様は、ナノチューブやその他の任意のナノ構造を分離し、数Åのレベルで所望の位置へ位置合わせを行うための装置を提供することである。10年以上の間、笠貫他、米国特許5,418,771及び柳澤他、米国特許5,519,686及び5,721,721、及び、その他の多くの現状を打開する研究を通じて、原子記録技術及び原子顕微鏡の位置合わせ技術による装置設計が構成され完成された。この装置設計によって、±数Åの精度でX−Y平面上において所望の位置の原子の直径の精度でプローブの位置合わせが可能になった。したがって、このような装置により、X−Y平面で原子の直径の位置精度でこのような記録/顕微鏡用プローブの位置合わせを行うことが可能であるだけでなく、この装置によって望み通りにプローブの回転を行うことも可能である。これらの装置は、その所望の主な利用機能に応じて、“走査型プローブ顕微鏡(SPM)”、“走査型トンネル顕微鏡(STM)”、“原子力間顕微鏡(AFM)”、“近接場顕微鏡(NFOM)”などの、あるいは、いずれかの同様の他の頭字語で様々に呼ばれる。これらの頭字語は様々なタイプのプローブを精密に制御し、数ÅのX−Y位置精度に合わせて機能するような装置の用途を記述するものである。
本発明の1つの態様は、従来技術のこの基本的プローブ位置合わせ装置を利用し、新規のプローブ設計および新規のプローブ用ヘッド設計を用いてこの装置を改変し、ナノチューブおよび蛋白質や個々の分子等の他の任意のナノ構造用のナノ・マニュピュレータとナノ・トランスポータの機能の全く新しくかつ非自明の機能の実行を図ることである。
図10はこのトランスポータ用プローブの第1の実施例を図示する。この図で、TEM用プローブに類似する、一般に円錐形状の最初のプローブ281は螺旋状の導体282を有し、この導体は円錐の上部からチップまたはチップの近辺部分まで延伸する。螺旋状の導体282の上部283は電流の電源と接続されている。最初のプローブ281は導体であり、ポリマー化した弗化炭素等の極端に低いファンデルワールス力材料を持つ絶縁材料285から成る薄層が最初のプローブ281につけられる。次いで、螺旋状導体は、絶縁されたプローブの表面上に巻かれるか、該プローブの表面上に蒸着された金属であるかのいずれかになり、該蒸着された金属はマイクロマシーン化されるか、エッチングされて金属フィルム抵抗器に酷似した螺旋状パターンに変えられるかのいずれかが行われる。巻かれる場合、その小さなサイズ、大きな強度、高い導電率のために、導体用としてナノチューブを使用することができる。上記いずれの場合にも、螺旋状の導体282には帰還信号用導体284を導体282の側部に設けることができる。電圧が導電性プローブ281に印加された場合、静電場がチップ287の286に集中され、これによって、ナノ材料が導電体であるか誘電体であるかに関らず、その材料中にスイッチ可能な引き付け力を誘起することができる。また、電流が時変電流を含み、螺旋状の導体282に印加された場合、磁束場286の発生が可能となり、プローブ287のチップの真下の286において最大値が達成される。これによって、金またはハンダのナノボールのような導電性ナノ構造をピックアップして、この導電性ナノ構造を所望の最後の位置まで適切に輸送し、次いで、望み通りの蒸着が可能となることが保証される。
長いナノチューブ等の長いナノ材料用として、新規の輸送用プローブ・アセンブリの第2の実施例が図11に図示されている。この図では、ほぼ“V字形”の横断面を持つ、たがねの形状をした、矩形の側部を持つ最初のプローブ291が図10の281のプローブに対応し、このプローブ291は、螺旋状の導体292と、導体チップ293と、リターン導体294とを有する。これらの導体は、それぞれ、図10の281、283、284に対応する。この図では、図10の場合のような点様ではなく、電場及び/又は磁束場が矩形のチップ297全体の下の部分298に矩形様に集中される。このたがねのプローブ幅の長さは、所望のカーボン・ナノチューブの長さのプローブに近似するサイズである。図11のこのプローブ・アセンブリを使用して、ナノチューブや他の任意の矩形の導電性ナノ構造をピックアップし所望のどの場所にでも輸送と蒸着を行うことができる。このプローブは、笠貫他の上掲書に開示されているような1111、1112のプローブと類似の回転手段を利用することを特に意図するものである。この回転装置を用いて、輸送用プローブ291の長さと縦軸の位置合わせを行いながらナノチューブをピックアップし、次いで、所望の他の任意の角位置に回転して、ナノチューブを最終の場所へ輸送したり最終の場所での蒸着を行うことができる。
図10と11の実施例のいずれかでは、螺旋状導体282、292に印加される電流は、DC、正弦波AC、三角鋸波あるいは十分なAC成分を有するその他の同様の任意の波形のいずれであってもよい。低いレベルで、AC信号を用いて、回路の“離調”をモニターすることにより、あるいは、“細線”渦電流検出モードでナノチューブ等のナノ構造がプローブに適切に取り付けられているかどうかの検出を行うことができる。高いACレベルに対してプローブは斥力を誘起し、ナノ構造が導電性を有する場合ナノ構造を基板へ向けて動かすことが可能である。ナノ構造が導電性を有しない場合には、後で取り除くことができる導体でナノ構造を被膜してこの斥力を達成することができる。したがって、電場と磁場の組合せによってあらゆる種類のナノ構造の吸引、分析、蒸着を非常に精密に行うことが可能となる。
本発明者は、弗化炭素を含むフッ化(fluorinated)化合物等の低いファンデルワールス浴の中でのナノチューブの溶解方法を発明し、チューブを互いに分離できるようにした。この方法は本発明の実際的使用時に重要な部分を形成するものである。しかし、ナノチューブのグループを取り囲み、分離する弗化炭素溶媒の場合でさえ、何らかの粘着が生じる場合があり、さらに、ナノチューブの配向という問題が依然として存在する。
図12aはナノチューブの分離およびアラインメント用貯槽デバイス300を図示するものである。図中、好適な弗化炭素等の低いファンデルワールス溶媒で満たされる貯槽300が存在する。このような溶媒の濃度およびその他の属性は、溶媒が各々の被覆を行う特定のナノチューブあるいは他のナノ構造の濃度とほぼ同じになるように選択され、溶媒浴301の間ずっとナノチューブの良好な懸濁を行うようにする。この貯槽アセンブリ300はほぼ三角形の断面を持つ矩形のトラフとなるようにすることが望ましい。貯槽アセンブリ300の一方の側部に矩形の音響トランスジューサ303があり、この音響トランスジューサによって溶媒浴301内に平らな音響波を発生させることが可能である。貯槽300の形状と、信号発生器304の周波数と、浴内での固有の溶媒とを適切に選択し、その結果として、分離およびアラインメント用貯槽アセンブリ300内に平らな定在波が形成される。運転中、ナノチューブはその溶液内に懸濁され、信号発生器304が適切な周波数に同調され、ナノチューブを壊したり劣化させることのない振幅を用いて同調が行われる。この懸濁が適切な濃度であれば、信号発生器304とトランスデューサ303とによって行われる撹拌によってすべてのナノチューブの分離が行われ、溶媒浴301の表面までナノチューブを運んでくることができるほど十分な分離が行われる。平らな音響波305のアクションによってナノチューブ302は徐々にそっと押されて表面まで来るようになり、その結果ナノチューブはその中心ノードに在って最低のエネルギー状態になる。したがって、ナノチューブは、たとえ当初いくぶん曲げられたりしてもまっすぐになり、このようなナノチューブの最低のエネルギー構成であるその中心ノードにおいて溶媒貯槽300の縦方向との完全な位置合わせが行われる。
図12bは、音響プレート300'を備えた、上記分離装置と矩形の位置合わせ装置の変形例を図示する。図12aの場合と同じように、平らな音響トランスジューサ303と信号源304とによって音響プレート300'に対する入力が一方の端で行われ、音響プレート300'が同様に作動して302'に沿って平らな音響ノード302'が形成され、その音響ノード302'の中にナノ構造が配向される。図12bのこの位置合わせ/分離装置は、開示された本発明の可能性以外の、Iビーム部材のような構造設計の形成などのための他の目的のためにも同様に利用することが可能である。
本発明の最後の態様として、これらすべての特徴をまとめて組み合わせて、ナノチューブを含むナノ構造の輸送と位置合わせを行う実際的手段を形成して、回路構成を含む所望の最終的ナノ構造に変える態様がある。すでに提案したように、本発明は、笠貫他および柳澤他等の従来技術の記録装置および顕微鏡用プローブの位置合わせ装置をこのようなナノチューブの輸送とナノチューブの配置を行う目的のために全く新しい方法で利用するものである。本発明に準拠して改変されたそのような1つの装置が図13に示されている。この装置は、柳澤他のプローブ位置合わせ基準およびプローブ装置の極度の精度を備えたマルチプローブ技術と、笠貫他のプローブ回転装置とを組み合わせたものである。この図に、すべてのプローブ316、315、314、312をロックして、互いに対して剛直で、安定したアラインメント状態にするマルチプローブ用ヘッド・アセンブリ310が示されている。当業において一般的であるように、この図のすべてのプローブは垂直位置合わせ能力を有する。この能力は全く従来通りのものであるので図示されていない。ナノチューブの分離とアラインメント用貯槽300あるいはプレート300'には使用するナノチューブまたはその他のナノ構造が保存される。いくつかの異なるタイプや長さのナノチューブが必要な場合、複数のそのような貯槽300を設けて、各タイプのナノチューブについて1つの貯槽を配設することができる。図を単純にするためにこの図では1つの貯槽しか例示していない。
ヘッド・アセンブリ310には図11の矩形の輸送用プローブ312と、関連する回転および垂直位置決めメカニズム311と、図10の円錐状輸送用プローブ314と、標準的STMプローブ315と、さらなる基準符号化用STMプローブ316とを含むことができる。柳澤他に記載されているように、プローブ316はヘッド・アセンブリ310全体に対する基準位置合わせ符号化を行う。基準位置合わせプローブ316を適切な符号化位置合わせ手段317まで移動させることにより、ヘッド・アセンブリ310全体は、柳澤他によって教示されるように、数ÅのレベルでX−Y軸によってその位置決定を行うことが可能となる。基板318は集積化されたナノチューブ基板であり、ナノチューブ基板上に置かれたいずれのナノチューブからもその電子を空乏化し、それによってその電気的特性を変化させるには不十分な電子親和力(χ)を有することが望ましい。但し、基板318はその最終位置にナノチューブを保持するには十分なファンデルワールス力を依然として有しているものとする。
配置すべきいくつかのナノチューブが存在する場合、複数の矩形の輸送用プローブ312と、それらに関連する回転手段311とをヘッド・アセンブリ310上に設けることができる。但し、本図では図を単純にするために1つしか図示していない。回転メカニズム311は回転および垂直位置回路321によって制御され、この回路は中央コンピュータ320によって制御される。輸送用プローブ314は電圧と電流の電源319'および回路モニター装置319と接続されている。同様に、ヘッド312はこのヘッドと関連する電源およびモニター装置313'、313と接続されている。ここで、電流センサ313'内で“細線”渦電流解析が利用され、矩形の輸送用プローブ312に対して唯一のナノチューブが適切に取り付けられているかどうかが決定される。2つのナノチューブが誤ってプローブ312に取り付けられている場合、そのことは輸送プローブ312の螺旋状誘導コイル292の離調レベルによって検知される。この場合、これらのナノチューブの一方を落とすことを試みてAC駆動電流を低下させるか、そうでない場合には調整を行うことができる。
次いで、唯一のナノチューブが存在すること、および、符号化位置決めプローブ316と関連して、その唯一のナノチューブが輸送用プローブ312と適切に位置合わせが行われていることが満たされた後、コンピュータ315は、回路基板318を介して所定の位置へ輸送用プローブ312を移動させ、所望の角度に合わせてナノチューブを回転させ、次いで、ヘッドを下げ、ナノ構造を放すことにより正確な所望の位置と角度でナノチューブの蒸着を行う。オーミック接続などを行うために小さなナノボールが必要な場合、円錐状の輸送用プローブ314を同様に利用することができる。
次いで、ナノ回路が構成されている間、標準的STMプローブ315は基板318の上を移動し、それまで配置された様々なナノチューブの位置精度のチェックを行う。次いで、標準的STMプローブ315は、必要に応じて様々なナノチューブ・アセンブリをそっと押して元の適切なアラインメント状態に戻すことができる。さらに、上述のように、標準的STMプローブ315に対して4〜6.5ボルトの範囲の電圧を印加して、ナノチューブを切断したり、低下させた電圧を印加して、特定部分における望まない誘電体やその他の被覆を取り除くように構成することができる。
この装置の1つのさらなる改変例として、ある特定タイプの多数のナノ回路を構成しなければならない場合、基準手段317の中に永久的マーキングを行って装置が次の位置へ高速に移動し、次いで、次のエレメントの配置設定を行うことができるようにする例がある。さらに、この装置を手動操作したり、あるいは、この装置をプログラムして中央コンピュータ320によって無人で自動的に実行できるようにすることが可能である。その際、人間が介在する必要があるのは、様々な分離およびアラインメント用貯槽300の充填だけとなり、従来の自動車の製造工程の場合とよく似ている。
以上、既存技術に対する改変を利用することにより、多くの場合、全く異なるかつ非自明の目的のために既存技術を利用して、ナノチューブ等のナノ構造をN型チャネルと疑似P型チャネル・デバイスとにつくり変えることが可能となることと、これらのデバイスを同一のナノチューブ上で組み合わせることが可能であることと、単純でかつ複合した論理ゲーティングと計数回路の構成が可能であること、さらに、優れた性能を持つパワー・デバイスを簡単に構成できることを説明してきた。上述のように、本発明は、ナノチューブとナノ回路に限定されるものではなく、固有の方法で輸送し構成する必要があるDNA、蛋白質、ポリマー、化学分子等の任意のナノ構造を含むことができる。したがって本発明の教示を用いて、いずれの当業者でも本発明の利用が可能となる。
本発明は、電子装置、計測管理、コンピュータ、生物学、医学、化学、配電と変電、航空機および宇宙船に適した高強度構造において利用可能性を有する。
図1aは、バルク・シリコンゲートを備えた、ナノチューブを用いるスイッチング・デバイスの1つの実施例の従来の構成の断面を図示す。 図1bは該スイッチング・デバイスの電圧/電流特性を図示する。 図2aは、ゼロのバイアスをかけた条件下で、相対的に高い電子親和力を持つ障壁を用いて作動するナノチューブについての本発明を本発明者が決定した形で図示するものである。 図2bは、正のバイアスをかけた条件下で、相対的に高い電子親和力を持つ障壁を用いて作動するナノチューブについての本発明を本発明者が決定した形で図示するものである。 図2cは、正のバイアスをかけた条件下で、相対的に高い電子親和力を持つ障壁を用いて作動するナノチューブについての本発明を本発明者が決定した形で図示するものである。 図3aは、導電性ナノチューブと、クロスするゲーティング部材とを有する、本発明の第1の好適な実施例を立体投影図である。 図3bは、導電性ナノチューブと、クロスするゲーティング部材とを有する、本発明の第1の好適な実施例を横断面図で示す図である。 図3cは、導電性ナノチューブと、クロスするゲーティング部材とを有する、本発明の第1の好適な実施例の作動特性を示す図である。 図4aは、周りを取り囲むためのゲーティング材構造を備えた導電性ナノチューブを有する本発明の第2の好適な実施例を立体投影図である。 図4bは、周りを取り囲むためのゲーティング材構造を備えた導電性ナノチューブを有する本発明の第2の好適な実施例を横断面図とで示す図である。 図4cは、周りを取り囲むためのゲーティング材構造を備えた導電性ナノチューブを有する本発明の第2の好適な実施例の3つの作動特性を示す図である。 図4dは、周りを取り囲むためのゲーティング材構造を備えた導電性ナノチューブを有する本発明の第2の好適な実施例の3つの作動特性を示す図である。 図5aは、第2の好適な実施例のナノチューブ・インバータをつくるための処理ステップを図示する。 図5bは、第2の好適な実施例のナノチューブ・インバータをつくるための処理ステップを図示する。 図5cは、第2の好適な実施例のナノチューブ・インバータをつくるための処理ステップを図示する。 図5dは、第2の好適な実施例のナノチューブ・インバータをつくるための処理ステップを図示する。 図5eは、第2の好適な実施例のナノチューブ・インバータをつくるための処理ステップを図示する。 図6aは、単一のナノマルチバイブレータ(NMV)を示す図である。 図6bは、周波数分割ナノマルチバイブレータのチェーン構成を図示する。 第1の好適な実施例のパワー・ナノスイッチの中で使用される単一の導電性ナノチューブの端部の立体投影図を示す。 図8aは、第1の好適な実施例における、上部接点をわずかに分解した最終的パワー・ナノスイッチとハウジングとを示す立体投影図である。 図8bは、別のターンオフゲーティング構造を備えたパワー・ナノスイッチの第2と第3の実施例の立体投影図を示す。 図8cは、別のターンオフゲーティング構造を備えたパワー・ナノスイッチの第2と第3の実施例の断面図とを示す。 図9aは、パワー・ナノスイッチの等価ゲーティング回路の概略図である。 図9bは、好適なゲーティング・パルスの形状を示す図である。 図9cは、好適なゲーティング・パルスの形状を示す図である。 図9dは、好適なゲーティング・パルスの形状を示す図である。 本発明の第1の好適な実施例に準拠する円錐状の輸送用プローブの側面図である。 本発明の第2の好適な実施例に準拠する矩形の輸送用プローブの側面図を示す。 図12aは、本発明に準拠するナノチューブ分離およびアラインメント用貯槽の立体投影図を示す。 図12bは、本発明に準拠するナノチューブ分離およびアラインメント用貯槽の平板バージョンを示す。 コンピュータ制御の下でナノ構造を形成するためのナノエレメントの組み立ておよび操作用装置を図示する。

Claims (3)

  1. 原子顕微鏡の位置合わせ装置に使用され、ナノ構造用のトランスポータおよびマニュピュレータ用のヘッドアセンブリにおいて、
    電場及び時間変動する磁場を、その下において局在化するプローブを備え、
    前記プローブは、ナノ構造体をピックアップすべく、当該プローブの下に前記電場を局在化可能であるとともに、
    少なくともピックアップされた前記ナノ構造体が導電性を有する場合には当該ピックアップされたナノ構造体のリリースを行うべく、当該プローブの下に前記時間変動する磁場を形成可能な構成であることを特徴とするヘッドアセンブリ。
  2. 前記プローブは、接点を備えた導電性材料によって成形され、
    前記プローブは、その周囲に絶縁性被膜と、螺旋状の磁気コイルとを有することを特徴とする請求項1に記載のヘッドアセンブリ。
  3. 前記プローブは、円錐形状又はたがね形状であり、
    前記螺旋状の磁気コイルが前記プローブの側面に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のヘッドアセンブリ。
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