JP4511770B2 - スライド操作体のスライド移動力の変換機構及びラッチ装置 - Google Patents
スライド操作体のスライド移動力の変換機構及びラッチ装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、スライド操作体のスライド移動力を回転力に変換する変換機構及びかかる変換機構を利用したラッチ装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
スライド操作体のスライド移動力を回転力に変換することは、一方の軸端における回動中心に対し偏心した位置に当該スライド操作体のスライド操作により当該スライド操作体の一部に押し当てられる当接部を有すると共に、当該押し当てによって回動して当該スライド操作体のスライド移動力を回転力に変換する回動体を、ハウジングに形成させた軸穴に前記スライド操作体が設けられる側の穴口より回動可能に入れ込み設けることにより、確保させることができる。
【0003】
すなわち、このようにすることによって、前記回動体を介して前記スライド操作体のスライド移動力を、当該回動体の前記当接部が設けられた側の軸端と反対の軸端側から回転力として出力させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、このような変換機構にあっては、前記回動体と軸穴との間のクリアランスに格別の配慮をしないと、前記スライド操作体のスライド操作に伴なう当該回動体の回動にあたり、当該回動体がその回動軸線に交叉する向きにブレたり、当該回動軸線に沿った向きにズレを生じさせてしまうことが予想される。また、こうしたブレなどによって、異音の発生を生じさせることも予想される。だからといって、こうしたクリアランスを厳格に設定することは実際上困難であり、特に、こうした変換機構を構成する各部材をプラスチック成形品として提供しようとする場合には、かかる厳格な設定は一層困難となる。
【0005】
そこで、この発明は、スライド操作体のスライド移動力を当該スライド操作体のスライド操作によって回動される回動体によって回転力に変換させる機構において、かかる回動体と当該回動体を納める軸穴との間のクリアランスに格別の配慮をしなくとも、前記スライド操作体のスライド移動力を当該回動体によって、円滑に回転力に変換して出力させることができるようにすること、及び、かかる変換機構を利用したラッチ装置を提供することを主たる目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明にあっては、スライド移動力の変換機構が、以下の(1)〜(8)の構成を備えたものとした。
(1)スライド操作体と、
(2)一方の軸端における回転中心に対し偏心した位置に当該スライド操作体のスライド操作により当該スライド操作体の一部に押し当てられる当接部を有すると共に、当該押し当てによって回動して当該スライド操作体のスライド移動力を回転力に変換する回動体と、
(3)当該回動体を前記スライド操作体が設けられる側の穴口より回動可能に受け入れる軸穴を備えたハウジングとを備えており、
(4)前記回動体は、
太軸部と、
細軸部と、
この太軸部と細軸部との寸法差により形成された周回段差面と、
前記スライド操作体の一面に常時弾性的に先端を押し付けるように、前記一方の軸端に形成された弾性片とを備えており、
(5)前記軸穴は、
大径部と、
小径部と、
この大径部と小径部との寸法差により形成された周回段差面とを備えており、
(6)前記回動体の周回段差面は、前記太軸部の側から細軸部の側に向けて次第に当該回動体を細める向きに傾斜した面となるようにしてあると共に、
(7)前記軸穴の周回段差面は、前記大径部の側から小径部の側に向けて次第に当該軸穴を狭める向きに傾斜した面となるようにしてあり、
(8)しかも、前記回動体が前記軸穴に、当該回動体の周回段差面を当該軸穴の周回段差面に前記弾性片の弾性により押し付けさせた状態で、納められている。
【0007】
かかる構成によれば、前記スライド操作体のスライド操作によるスライド移動力を、前記回動体によって、当該回動体の前記当接部が設けられた軸端と反対の軸端側から回転力に変換して出力させることができる。
【0008】
また、前記弾性片の弾発によって、かかる回動体は前記軸穴に、当該回動体の周回段差面を当該軸穴の周回段差面に押し付けさせた状態で納められ、この状態で回動されることから、かかる回動において当該回動体は当該回動体の回動軸線に交叉する向きにガタつき難く、さらに、当該回動体の回動軸線方向にもガタつき難い。
【0009】
この結果、かかる変換機構によれば、前記回動体と軸穴との間のクリアランスに格別の配慮をしなくても、前記スライド操作体のスライド操作によるスライド移動力を、異音などを発生させることなく、前記回動体によって、当該回動体の前記当接部が設けられた軸端と反対の軸端側から円滑に回転力に変換して出力させることができる。
【0010】
また、請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の発明のスライド移動力の変換機構における、回動体の周回段差面と軸穴の周回段差面とがいずれも、当該回動体の回動軸線に平行な仮想の線分に対しほぼ等しい角度分傾斜した面となるようにしてあることを特徴としている。
【0011】
かかる構成によれば、かかる周回段差面を円錐周面含む仮想の円錐の中心軸を前記回動軸線とすることができ、ブレなく前記回動体を前記スライド操作体のスライド操作によって回動させることができる。
【0012】
また、請求項3記載の発明にあっては、請求項1又は請求項2記載のスライド移動力の変換機構における、弾性片の先端が回動体のほぼ回動軸線上においてスライド操作体の一面に押し当てられるようにしてあることを特徴としている。
【0013】
かかる構成によれば、かかる弾性片によって、前記回動体を前記軸穴内において傾かせることなく前記両周回段差面を押し付け合わせるように押圧することができ、一層ブレなく前記回動体を前記スライド操作体のスライド操作によって回動させることができる。
【0014】
また、前記目的を達成するために、請求項4記載の発明にあっては、ラッチ装置が、以下の(1)〜(11)の構成を備えたものとした。
(1)可動部材側に取り付けられると共に、当該可動部材の所定の移動停止位置において、固定部材側に形成された掛合穴に入り込んで当該掛合穴に掛合する掛合爪体を備えた差込部と、
(2)スライド操作により当該掛合爪体と掛合穴との掛合を解く向きに当該掛合爪体を引き込み移動させるスライドノブと、
(3)回動中心に対し偏心した位置に当該スライドノブのスライド操作により当該スライドノブの一部に押し当てられる当接部を有すると共に、当該押し当てによって回動される回動体と、
(4)当該回動体を前記スライドノブが設けられる側の穴口より回動可能に受け入れる軸穴と、
(5)当該掛合爪体を突出位置に常時付勢する付勢手段と、を備えたラッチ装置であって、
(6)前記回動体の当接部が設けられた側と反対の側には、前記スライドノブのスライド操作による当該回動体の回動によって、前記掛合爪体の突出側と反対の側に形成された接触部に押し当たって、前記付勢手段の付勢に抗して当該掛合爪体を引き込み移動させる引き込み面が形成してあると共に、
(7)前記回動体は、
太軸部と、
細軸部と、
この太軸部と細軸部との寸法差により形成された周回段差面と、
前記スライドノブの一面に常時弾性的に先端を押し付けるように、前記当接部の設けられている当該回動体の一方の軸端に形成された弾性片とを備えており、
(8)前記軸穴は、
大径部と、
小径部と、
この大径部と小径部との寸法差により形成された周回段差面とを備えており、
(9)前記回動体の周回段差面は、前記太軸部の側から細軸部の側に向けて次第に当該回動体を細める向きに傾斜した面となるようにしてあると共に、
(10)前記軸穴の周回段差面は、前記大径部の側から小径部の側に向けて次第に当該軸穴を狭める向きに傾斜した面となるようにしてあり、
(11)しかも、前記回動体が前記軸穴に、当該回動体の周回段差面を当該軸穴の周回段差面に前記弾性片の弾性により押し付けさせた状態で、納められている。
【0015】
かかる構成によれば、前記可動部材の所定の移動停止位置に向けた移動によって前記差込部を入れ込ませるようにすることにより、前記掛合爪体を前記付勢手段の付勢に抗して一旦引き込み移動させた後、この掛合爪体の先端が前記掛合穴の入れ込み先側にある穴縁を乗り越えた位置で、当該掛合爪体を前記付勢手段により突出位置に再び移動させて、かかるラッチ装置を介して当該可動部材を当該所定の移動停止位置において当該固定部材に掛合させるようにすることができる。
【0016】
また、このようにラッチ装置を介して前記可動部材を前記所定の移動停止位置において前記固定部材に掛合させた状態から、前記スライドノブをスライド操作することにより、当該スライドノブの一部に前記回動体の当接部を押し当てさせて、前記軸穴内で当該回動体を回動させることができる。
【0017】
これにより、前記スライドノブのスライド操作によって前記のように回動される回動体の前記引き込み面によって当該引き込み面に前記接触部を接しさせる前記掛合爪体を、前記付勢手段の付勢に抗して引き込み移動させることができ、当該掛合爪体と前記掛合穴との掛合を解いて、再び当該掛合穴から前記差込部を抜き出させる向きに前記可動部材を移動させることができる。
【0018】
また、前記弾性片の弾発によって、かかる回動体は前記軸穴に、当該回動体の周回段差面を当該軸穴の周回段差面に押し付けさせた状態で納められ、この状態で回動されることから、かかる回動において当該回動体は当該回動体の回動軸線に交叉する向きにガタつき難く、さらに、当該回動体の回動軸線方向にもガタつき難い。
【0019】
この結果、かかるラッチ装置によれば、前記回動体と軸穴との間のクリアランスに格別の配慮をしなくても、前記スライドノブのスライド操作によるスライド移動力を、異音などを発生させることなく、前記回動体によって、当該回動体の前記当接部が設けられた軸端と反対の軸端側から円滑に回転力に変換して出力させることができ、これにより前記掛合爪体を前記付勢手段の付勢に抗して円滑に引き込み移動させることができる。
【0020】
また、請求項5記載の発明にあっては、請求項4記載のラッチ装置における、回動体の周回段差面と軸穴の周回段差面とがいずれも、当該回動体の回動軸線に平行な仮想の線分に対しほぼ等しい角度分傾斜した面となるようにしてあることを特徴としている。
【0021】
かかる構成によれば、かかる周回段差面を円錐周面含む仮想の円錐の中心軸を前記回動軸線とすることができ、ブレなく前記回動体を前記スライドノブのスライド操作によって回動させることができる。
【0022】
また、請求項6記載の発明にあっては、請求項4又は請求項5記載のラッチ装置における、弾性片の先端が回動体のほぼ回動軸線上においてスライドノブの一面に押し当てられるようにしてあることを特徴としている。
【0023】
かかる構成によれば、かかる弾性片によって、前記回動体を前記軸穴内において傾かせることなく前記両周回段差面を押し付け合わせるように押圧することができ、一層ブレなく前記回動体を前記スライドノブのスライド操作によって回動させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図34に基づいて、この発明の典型的な実施の形態、すなわち、スライド移動力の変換機構Hkと、この変換機構Hkを利用したラッチ装置R1とについて説明する。
【0025】
なお、ここで図1は、変換機構Hkを利用して構成されたラッチ装置R1を斜視の状態で、また、図2及び図3は、かかるラッチ装置R1を構成する各部材を分離して斜視の状態として示している。また、図4ないし図6は、かかるラッチ装置R1をそれぞれ異なる向きから見て示しており、また、図7は、かかるラッチ装置R1を断面にして示している。
【0026】
また、図8は、スライド操作体1、ここでは、スライドノブ1aをスライド操作する前のラッチ装置R1の初期状態を、また、図9は、かかるスライドノブ1aをスライド操作させ切った状態を、それぞれ示している。図8および図9における(イ)図は、ラッチ装置R1を平面視した状態で、前記スライドノブ1aを二点鎖線で表して、このスライドノブ1aのスライド操作によって回動される回動体2の様子が分かるように表したものであり、図8および図9における(ロ)図は、ハウジング3の下部空間3hを断面にした状態で、当該ハウジング3の上部3e側から当該ハウジング3内を見て表わすと共に、第一及び第二の掛合爪体6、6の接触部6gに前記回動によってこの第一及び第二の掛合爪体6、6を付勢手段7の付勢に抗して引き込み移動させるように押し当てられる前記回動体2の引き込み面10aとの関係が分かるように、この回動体2に形成された隆起部10を二点鎖線で併せて表したものである。
【0027】
また、図10および図11は、かかるラッチ装置R1の使用状態をそれぞれ示したものであり、図11は、図10の上方からかかる使用状態を表したものである。
【0028】
また、図12ないし図18は、前記スライドノブ1aを、図19ないし図23は、前記ハウジング3を、図24ないし図30は、前記回動体2を、図31ないし図34は、前記第一の掛合爪体6及び前記第二の掛合爪体6を、それぞれ表している。
【0029】
この図1ないし図34に示されるラッチ装置R1は、
(1)スライド操作体1と、
(2)当該スライド操作体1のスライド操作により回動して当該スライド操作体1のスライド移動力を回転力に変換する回動体2と、
(3)当該回動体2を前記スライド操作体1が設けられる側の穴口より回動可能に受け入れる軸穴3aを備えたハウジング3とを備えて構成される、
前記スライド操作体1のスライド移動力の変換機構Hkをラッチ装置R1に適用したものである。
【0030】
そして、かかるラッチ装置R1は、可動部材100側に取り付けられると共に、当該可動部材100の所定の移動停止位置において固定部材200側に形成された掛合穴201にその一部を入り込ませた状態で当該掛合穴201に掛合して、当該可動部材100を当該所定の移動停止位置において保持するように用いられるものである。
【0031】
可動部材100としては、典型的には、各種の蓋体が予定される。また、固定部材200としては、典型的には、こうした蓋体によって開口を閉塞されるように当該蓋体を当該開口を開放させる向きに移動可能に備えた当該開口を有する各種の物品が予定される。
【0032】
例えば、自動車の車室内に設けられるグローブボックスの開口を閉塞するリッドを、当該開口を閉塞する移動停止位置において、当該グローブボックス本体側に掛合させて保持させるように用いることができる。
【0033】
(変換機構Hk)
そこで先ず、前記スライド操作体1のスライド移動力の変換機構Hkについて説明する。
【0034】
かかる変換機構Hkは、前記のように、スライド操作体1と、回動体2と、ハウジング3とを備えて構成されている。
【0035】
(ハウジング3)
前記ハウジング3は、この図1ないし図34に示される例にあっては、
(1)上部3eと、
(2)底部3fと、
(3)この上部3eと底部3fとの間に亙る一対の側部3g、3gと、
(4)この上部3eと底部3fと一対の側部3g、3gとによって構成される下部空間3hと、
(5)前記上部3eの外面と当該上部3eの内面とにおいてそれぞれ開放されて、ハウジング3の内外を連通させる軸穴3aとを備えている。
【0036】
かかる軸穴3aは、当該軸穴3aの穴軸線に交叉する向きの断面形状を、当該穴軸線方向にある各所においてそれぞれ、円形とするように構成されている。
【0037】
そして、このように構成されるハウジング3の軸穴3aに、前記上部3eの外面側にある穴口から前記回動体2が回動可能に納められると共に、このように回動体2を納めた状態で前記上部3eの外面部に前記スライド操作体1がスライド操作可能に組み付けられるようにしてある。
【0038】
(スライド操作体1)
前記スライド操作体1は、この図1ないし図34に示される例にあっては、スライドノブ1aとして構成されている。
【0039】
かかるスライドノブ1aは、
(1)当該スライドノブ1aのスライド移動方向に直交する向きにある一方の縁部に指の引っかけ部1cを備えたノブ本体1bと、
(2)このノブ本体1bの裏面側、つまり、前記ハウジング3の上部3eの外面に向き合った側に形成された、当該ハウジング3の上部3eへの組み付け部1dとを備えている。
【0040】
かかる組み付け部1dは、
(1)前記スライドノブ1aのスライド移動方向に沿って形成されると共に、他方のガイド側部1eとの間に間隔を開けて形成された一対のガイド側部1e、1eと、
(2)このガイド側部1eにおける他方のガイド側部1eに向き合う側と反対の側、つまり、当該ガイド側部1eの外面に、当該ガイド側部1eの延長方向に沿って形成されたガイドリブ1fと、
(3)当該一対のガイド側部1e、1eの下端部間に亘るように、前記ノブ本体1bの裏面との間に間隔を開けて形成された摺接板部1gと、
(4)この摺接板部1gにおける前記引っかけ部1cと反対の板縁側において外方に開放されると共に、当該引っかけ部1c側に内奥部を配するように、当該摺接板部1gに形成された割欠き部1hとを備えている。
【0041】
そして、この図1ないし図34に示される例にあっては、かかるスライドノブ1aの摺接板部1gに形成された割欠き部1hの内奥部が、このスライドノブ1aのスライド操作により後述する回動体2の当接部2aを押圧する構成としてある。
【0042】
そして、この例にあっては、前記ハウジング3の上部3eが、当該ハウジング3における前記側部3gが形成されていない両側においてそれぞれ、当該側部3gの縁よりも外方に張り出されていると共に、このように張り出された部分の上面側に前記スライドノブ1aのスライド移動方向に沿って長く続く立ち上がり部3iが形成されている。すなわち、この例にあっては、前記軸穴3aの穴口を間においた両側にそれぞれ、前記側部3gの壁面に交叉する向きに長く続くように、かかる立ち上がり部3iが設けられている。また、この立ち上がり部3iにおける、他方の立ち上がり部3iに向き合った側には、当該立ち上がり部3iの長さ方向に沿った案内溝3jが形成されている。この案内溝3jは、当該立ち上がり部3iの両末端部においてそれぞれ、溝端を外方に開放させている。
【0043】
そして、この例にあっては、前記スライドノブ1aのガイドリブ1fを前記立ち上がり部3iの案内溝3jに当該案内溝3jにおける一方の溝端から入れ込むことにより、当該案内溝3jに沿って当該スライドノブ1aが規則的にスライド移動されるようにハウジング3に組み付けられている。
【0044】
また、この例にあっては、前記ハウジング3の上部3eに形成された一対の立ち上がり部3i、3iの間であって、前記軸穴3aの側方に、当該立ち上がり部3iの延長方向にほぼ交叉する向きに壁面を配する壁部3kが形成されていると共に、
前記スライドノブ1aの摺接板部1gとノブ本体1bの背面との間に当該壁部3kに向けて突き出すバネ端の固定部1iが形成されており、
前記のようにハウジング3の上部3eにスライド移動可能に組み付けられるスライドノブ1aの当該固定部1iに一方のバネ端を固定し、かつ、前記壁部3kに他方のバネ端を固定した状態で、この固定部1iと壁部3kとの間に圧縮された状態で圧縮コイルバネ4が介装される構成としてある。
【0045】
これにより、この例にあっては、前記スライドノブ1aのスライド操作は前記圧縮コイルバネ4の付勢に抗してなされるものとされ、また、かかるスライド操作をし切った位置で当該スライド操作を止めると、当該スライドノブ1aは当該圧縮コイルバネ4の弾発力により当該スライド操作開始前の位置に押し戻されるものとされる。
【0046】
また、この例にあっては、前記ハウジング3の上部3eの外面部であって、前記一対の立ち上がり部3i、3iと前記軸穴3aの穴口との間にそれぞれ、当該立ち上がり部3iの延長方向に沿った溝3mが形成されていると共に、
前記スライドノブ1aの摺接板部1gの外面に、前記案内溝3jへのガイドリブ1fの入れ込みに伴って当該溝3mに入り込む抜け止め突起1jが設けられており、
さらに、かかる溝3mの長さ方向ほぼ中程の位置に、かかる溝3mへの抜け止め突起1jの入れ込みに伴って当該抜け止め突起1jが弾性的に乗り越えると共に、
この乗り越え後は前記圧縮コイルバネ4の付勢により前記抜け止め突起1jが前記溝3m内において引っかかるストッパ突起3nが形成されており、これにより当該ハウジング3と前記スライドノブ1aとの前記組み付け状態が維持されるようにしてある。
【0047】
(回動体2)
前記回動体2は、この図1ないし図34に示される例にあっては、この回動体2の一方の軸端における当該回動体2の回動中心に対し偏心した位置に、前記スライド操作体1のスライド操作により当該スライド操作体1の一部、つまり、前記摺接板部1gの割欠き部1hの内奥部に押圧される当接部2aを有すると共に、当該押圧によって前記軸穴3a内で回動して当該スライド操作体1のスライド移動力を回転力に変換する構成のものとしてある。
【0048】
かかる当接部2aは、この例にあっては、前記ハウジング3の上部3eの外面側の前記軸穴3aの穴口に臨んだ前記回動体2の軸端面から当該軸端面に対しほぼ直交する向きに突き出す突起状をなすように構成されている。
【0049】
また、かかる回動体2は、
(1)前記当接部2aが設けられた軸端側から当該回動体2の長さ方向ほぼ中程の位置までを太軸部2bとし、
(2)この太軸部2bの終了位置から前記当接部2aが設けられた軸端と反対の軸端までの間を当該太軸部2bよりも外径を小さくした細軸部2cとしていると共に、
(3)この太軸部2bと細軸部2cとの間に、当該太軸部2bと細軸部2cとの寸法差により形成された周回段差面2dを有しており、
(4)さらに、前記当接部2aが設けられた軸端に、前記のように軸穴3aに納められた回動体2の前記当接部2aが設けられた軸端面の直上に位置される前記スライド操作体1の一面、この例にあっては、前記摺接板部1gの外面に常時弾性的に先端を押し付けるように、形成された弾性片2eを有している。
【0050】
この例にあっては、かかる弾性片2eは、前記回動体2の軸端面の縁部側から当該回動体2の回動中心に向けて他方の割溝2fとの間に間隔を開けて形成された一対の割溝2f、2fと、この一対の割溝2f、2fにおける当該回動体2の回動中心側にある溝端に両溝端を連通させた状態で当該一対の割溝2f、2f間に亙って設けられた連通割溝2gとによって当該軸端面の一部を区分させることにより形成されている。また、かかる回動体2は、この弾性片2eの形成側に、当該弾性片2eの内面が臨む内部空所2hを有しており、この内部空所2hによって当該弾性片2eの弾性変形が許容されている。また、この例にあっては、かかる弾性片2eの外面先端に、前記軸端面から突き出す円形突子2iが形成されており、このように突き出される円形突子2iが前記摺接板部1gの外面に押し込まれて当該弾性片2eが前記内部空所2hに撓み込まされ、この結果、この弾性片2eが常時その先端、つまり、前記円形突子2iを当該摺接板部1gの外面に押し付けさせるものとされている。
【0051】
また、この例にあっては、前記軸穴3aは、
(1)前記ハウジング3の上部3eの外面の穴口から当該軸穴3aの穴軸線方向ほぼ中程の位置までを大径部3bとし、
(2)この大径部3bの終了位置から前記ハウジング3の上部3eの内面の穴口までの間を当該大径部3bよりも内径を小さくした小径部3cとしていると共に、
(3)この大径部3bと小径部3cとの間に、当該大径部3bと小径部3cとの寸法差により形成された周回段差面3dとを備えている。
【0052】
また、前記回動体2の周回段差面2dは、前記太軸部2bの側から細軸部2cの側に向けて次第に当該回動体2を細める向きに傾斜した面となるようにしてあると共に、
前記軸穴3aの周回段差面3dは、前記大径部3bの側から小径部3cの側に向けて次第に当該軸穴3aを狭める向きに傾斜した面となるようにしてある。
【0053】
そして、この例にあっては、前記スライドノブ1aの摺接板部1gに弾性的に押し付けられる前記弾性片2eの弾発によって、前記回動体2が前記軸穴3aに、当該回動体2の周回段差面2dを当該軸穴3aの周回段差面3dに押し付けさせた状態で、納められる構成とされている。
【0054】
(変換機構の機能)
以上に説明した変換機能は、以上に説明した構成を備えていることから、
(1)前記スライドノブ1a、すなわち、前記スライド操作体1のスライド操作によるスライド移動力を、前記回動体2によって、当該回動体2の前記当接部2aが設けられた軸端と反対の軸端側から回転力に変換して出力させることができる。
(2)また、前記弾性片2eの弾発によって、かかる回動体2は前記軸穴3aに、当該回動体2の周回段差面2dを当該軸穴3aの周回段差面3dに押し付けさせた状態で納められ、この状態で回動されることから、かかる回動において当該回動体2は当該回動体2の回動軸線に交叉する向きにガタつき難く、
(3)さらに、当該回動体2の回動軸線方向にもガタつき難い。
(4)この結果、かかる変換機構Hkによれば、前記回動体2と軸穴3aとの間のクリアランスに格別の配慮をしなくても、前記スライド操作体1のスライド操作によるスライド移動力を、異音などを発生させることなく、前記回動体2によって、当該回動体2の前記当接部2aが設けられた軸端と反対の軸端側から円滑に回転力に変換して出力させることができる。
【0055】
また、この例にあっては、前記回動体2の周回段差面2dと軸穴3aの周回段差面3dとがいずれも、当該回動体2の回動軸線に平行な仮想の線分に対しほぼ等しい角度分傾斜した面となるようにしてある。
【0056】
この結果、この例にあっては、かかる周回段差面2d、3dを円錐周面含む仮想の円錐の中心軸を前記回動軸線とすることができ、ブレなく前記回動体2を前記スライド操作体1のスライド操作によって回動させることができる。
【0057】
また、この例にあっては、前記弾性片2eの先端、つまり、円形突子2iが、前記回動体2のほぼ回動軸線上においてスライド操作体1の一面、つまり、前記摺接板部1gに押し当てられるようにしてある。
【0058】
この結果、この例にあっては、かかる弾性片2eによって、前記回動体2を前記軸穴3a内において傾かせることなく前記両周回段差面2d、3dを押し付け合わせるように押圧することができ、一層ブレなく前記回動体2を前記スライド操作体1のスライド操作によって回動させることができる。
【0059】
(ラッチ装置R1)
次いで、以上に説明した変換機構Hkを備えて構成されたラッチ装置R1について説明する。
【0060】
かかるラッチ装置R1は、
(1)可動部材100側に取り付けられると共に、当該可動部材100の所定の移動停止位置において、固定部材200側に形成された掛合穴201に入り込んで当該掛合穴201に掛合する掛合爪体6を備えた差込部5と、
(2)スライド操作により当該掛合爪体6と掛合穴201との掛合を解く向きに当該掛合爪体6を引き込み移動させるスライドノブ1aと、
(3)回動中心に対し偏心した位置に当該スライドノブ1aのスライド操作により当該スライドノブ1aの一部に突き当てられる当接部2aを有すると共に、当該突き当てによって回動される回動体2と、
(4)当該回動体2を前記スライドノブ1aが設けられる側の穴口より回転可能に受け入れる軸穴3aと、
(5)当該掛合爪体6を突出位置に常時付勢する付勢手段7と、
を備えている。
【0061】
具体的には、図1ないし図34に示される例にあっては、
前記変換機構Hkのハウジング3における下部空間3hに前記掛合爪体6を、当該下部空間3hから前記付勢手段7によって常時側方に突出されるように納めると共に、
前記スライドノブ1aのスライド操作に伴う前記回動体2の回動によって、当該付勢手段7の付勢に抗して当該掛合爪体6が引き込み移動されるようにして、ラッチ装置R1を構成させている。
【0062】
すなわち、この例にあっては、前記ハウジング3の下部空間3h側が前記差込部5として機能されるようにしてある。
【0063】
この例にあっては、かかるハウジング3を構成する上部3eのうち、前記立ち上がり部3iが設けられた張り出し部の張り出し端部にそれぞれ、前記可動部材100の外面部への取付部8が設けられている。
【0064】
より具体的には、この例にあっては、かかる取付部8は、一端面を前記立ち上がり部3iの突き出し端面と同面上に位置させ、かつ、他端面を前記張り出し部の下面、つまり、前記ハウジング3の下部空間3h側に向けられた当該張り出し部の面と同面上に位置させると共に、当該両端面間に亘ってネジ穴8aを貫通状態に備えた柱状をなすように構成されている。
【0065】
そして、この例にあっては、前記可動部材100に形成させた取付穴101に対し当該取付部8における前記底部3f側に向けられた端面が当該取付穴101の側方にある当該可動部材100の外面部に突き当てられる位置まで当該取付穴101に前記ハウジング3を前記底部3f側から入れ込ませた状態で、当該取付部8に形成させたネジ穴8aを利用して当該可動部材100に当該ハウジング3が取り付けられるようにしてある。そして、このように取り付けられるハウジング3における前記可動部材100の取付穴101から当該可動部材100の内面部側より突き出された部分が、前記差込部5となるようにしてある。
【0066】
また、この例にあっては、かかる差込部5となる前記ハウジング3の底部3f側に形成された前記下部空間3h内に、二つの掛合爪体6、6、すなわち、第一の掛合爪体6と第二の掛合爪体6が、その先端を当該下部空間3hに連通した突出開口9から前記付勢手段7の付勢によりそれぞれ常時突き出すようにした状態で、納められている。
【0067】
この例にあっては、前記下部空間3hは、前記上部3eと底部3fと一対の側部3g、3gとによって構成されており、この一対の側部3g、3gによって閉塞されていない前記ハウジング3の底部3f側にそれぞれ、かかる下部空間3hに連通した前記突出開口9が形成されている。
【0068】
そして、前記第一の掛合爪体6が、このように形成された突出開口9の一方からその先端を前記付勢手段7の付勢により突き出し、かつ、前記第二の掛合爪体6が、このように形成された突出開口9の他方からその先端を前記付勢手段7の付勢により突き出すように構成されている。
【0069】
かかる第一及び第二の掛合爪体6、6はそれぞれ、前記付勢手段7の付勢による前記突出開口9からの突出側であって、前記スライドノブ1aに向けられた側に前記固定部材200に設けられる掛合穴201への掛合面6aを、前記ハウジング3の底部3fに向けられた側にこれら掛合爪体6の先端に向かうに連れて次第にこれら掛合爪体6の肉厚寸法を狭めさせる向きに傾斜した傾斜面6bを備えている。
【0070】
これにより、この例にあっては、前記差込部5を前記掛合穴201に入れ込むように前記可動部材100を移動させることに伴って、前記固定部材200の外面側202にある当該掛合穴201の穴縁部に突き当てられる前記傾斜面6bの傾斜により、前記付勢手段7の付勢に抗して前記第一及び第二の掛合爪体6、6を徐々に引き込み移動させることができ、かかる差込部5を掛合穴201に入れ込むにあたっては前記スライドノブ1aをスライド移動させなくても当該第一及び第二の掛合爪体6、6の先端が固定部材200の内面側203にある前記掛合穴201の穴縁から先に入り込む位置まで差込部5を入れ込むことができるようにしてある。
【0071】
また、この例にあっては、前記第一及び第二の掛合爪体6、6は、ほぼ同寸、同形をなすように構成されている。
【0072】
また、かかる第一及び第二の掛合爪体6、6はいすれも、前記突出側と反対の側に、
(1)これら掛合爪体6の前記付勢手段7の付勢に抗した又は付勢による移動方向に沿って延びる一対の脚片6c、6cと、
(2)この一対の脚片6c、6c間にあって、当該脚片6cと同じ向きに突き出すバネ端部の固定突部6fと、
(3)この一対の脚片6c、6cのうちの、一方の脚片6cの先端側であって、前記軸穴3aの穴口の直下に位置される部分に前記上部側に向けて突き出すピン状をなす接触部6gとを有している。
【0073】
また、この例にあっては、かかる一対の脚片6c、6cの一方の上面6d(前記軸穴3aの穴口側に位置される面)と、かかる一対の脚片6c、6cの他方であって前記接触部6gが設けられた脚片6cの下面6e(当該上面6dと反対の側に位置される前記底部3fに向けられた面)とがほぼ同面に位置されるように、かかる一対の脚片6c、6cが段違いに設けられており、
前記第一の掛合爪体6の接触部6gが設けられた脚片6cの下方に前記第二の掛合爪体6の接触部6gが設けられていない脚片6cを入り込ませると共に、当該第二の掛合爪体6の接触部6gが設けられた脚片6cの下方に前記第一の掛合爪体6の接触部6gが設けられていない脚片6cを入り込ませるようにして、
前記スライドノブ1aのスライド操作により前記回動体2が回動されることに伴って前記付勢手段7の付勢に抗して第一及び第二の掛合爪体6、6がいずれも引き込み移動されるようにしてある。(図8から図9)
【0074】
また、この例にあっては、前記付勢手段7は、一方のバネ端からバネ内側に前記第一の掛合爪体6の固定突部6fを入れ込ませて当該一方のバネ端を当該第一の掛合爪体6に押し当てさせると共に、他方のバネ端からバネ内側に前記第二の掛合爪体6の固定突部6fを入れ込ませて当該他方のバネ端を当該第二の掛合爪体6に押し当てさせるように、当該第一及び第二の掛合爪体6、6間に圧縮方向に弾性変形させられた状態で納められた圧縮コイルバネ7aとして構成されている。
【0075】
また、この例にあっては、前記回動体2における前記当接部2aが設けられた側と反対の軸端に、前記スライドノブ1aのスライド操作による当該回動体2の回転によって、前記第一及び第二の掛合爪体6、6の接触部6gに押し当たって、前記付勢手段7の付勢に抗して当該第一の及び第二の掛合爪体6を引き込み移動させる引き込み面10aが形成してある。
【0076】
この例にあっては、かかる引き込み面10aは、前記回動体2の前記当接部2aが設けられた側と反対の軸端面から突き出して前記軸穴3aから下部空間3h内に入り込むと共に、その突き出し端面(前記底部3fの内面に向けられた面)を前記第一及び第二の掛合爪体6、6の接触部6gが設けられた脚片6cの上面の上方に位置させる隆起部10に形成してある。
【0077】
具体的には、かかる隆起部10は、前記回動体2の軸端面において、当該回動体2の回動中心から当該回動体2の直径方向両側に向けて延びるように形成されていると共に、回動体2の軸端面を巡る縁部側にそれぞれ前記接触部6gに対し前記付勢手段7の付勢により側方から引っかかる顎部10bを備えている。
【0078】
すなわち、この例にあっては、かかる隆起部10の一方の顎部10bが前記第一の掛合爪体6の接触部6gに対し前記付勢手段7の付勢により側方から引っかかると共に、かかる隆起部10の他方の顎部10bが前記第二の掛合爪体6の接触部6gに対し当該付勢手段7の付勢により側方から引っかかるように構成されており、
前記回動体2の回動中心を挟んだ一方であって、前記隆起部10の一方の突き出し方向にある側面(回動体2の回動軸線方向にある面)に前記第一の掛合爪体6の接触部6gが接触し、かつ、当該回動体2の回動中心を挟んだ他方であって、前記隆起部10の他方の突き出し方向にある側面に前記第二の掛合爪体6の接触部6gが接触するように構成されている。(図8(ロ)図)
【0079】
そして、このようにこれら掛合爪体6の接触部6gにそれぞれ隆起部10の顎部10bを引っかけさせる回動体2によって、前記付勢手段7により突出方向に付勢力を受けた状態でこれら掛合爪体6がそれぞれ前記突出位置に保持されるようにしてある。
【0080】
具体的には、この例にあっては、前記軸穴3aにおける前記ハウジング3の上部3eの外面側にある穴口の一部が、前記回動体2におけるこの穴口側にある側部に形成されたストッパ突起11が納まるように外側に広がり出されていると共に、
前記隆起部10を接触部6gに引っかけさせることによって前記付勢手段7の付勢により回動力(図8及び図9における反時計回りの向きの回動力)を受ける回動体2が、このように広がり出された前記軸穴3aの穴口部12と当該軸穴3aの内周面との間に形成された段差面13にかかるストッパ突起11を突き当てさせて、前記各掛合爪体6をそれぞれ前記突出位置に保持するように構成されている。
【0081】
この図1ないし図34に示されるラッチ装置R1は、以上に説明した構成を備えていることから、
(1)向き合った穴縁間の間隔を、突出位置にある前記第一の掛合爪体6の先端と突出位置にある前記第二の掛合爪体6の先端間の寸法よりも小さくする掛合穴201に対し、前記可動部材100の所定の移動停止位置に向けた移動によって前記差込部5を入れ込ませるようにすることにより、当該第一及び第二の掛合爪体6、6の双方を前記付勢手段の付勢に抗して一旦引き込み移動させた後、この第一及び第二の掛合爪体6、6の先端が前記掛合穴201の入れ込み先側にある穴縁を乗り越えた位置で、当該第一及び第二の掛合爪体6、6の双方を前記付勢手段により突出位置に再び移動させて、かかるラッチ装置R1を介して当該可動部材100を当該所定の移動停止位置において当該固定部材200に掛合させることができる。
(2)また、このようにラッチ装置R1を介して前記可動部材100を前記所定の移動停止位置において前記固定部材200に掛合させた状態から、前記スライドノブ1aをスライド操作することにより、当該スライドノブ1aの一部、すなわち、前記摺接板部1gの割欠き部1hの内奥部に前記回動体2の当接部2aを押し当てさせて、前記軸穴3a内で当該回動体2を回動(図8及び図9における時計回りの向きに)させることができる。
【0082】
なお、この例にあっては、前記回動体2は、前記付勢手段7によって前記突出位置に向けて付勢された各掛合爪体6、6によって、前記ストッパ突起11を前記段差面13に突き当てさせた位置から、かかるスライドノブ1aのスライド操作によって当該ストッパ突起11を当該段差面13から離隔させる向き、つまり、前記各掛合爪体6の接触部6gを前記引き込み面10aによって前記ハウジング3の下部空間3hの内方側に向けて押圧させる向きにのみ回動されるように構成としてある。
【0083】
具体的には、前記スライドノブ1aのスライド移動方向に沿った仮想の直線であって前記回動体2の回動中心を通る仮想の線分を挟んだ一方側において前記段差面13とストッパ突起11とが突き当てられると共に、この仮想の線分を挟んだ他方側において前記当接部2aと前記スライドノブ1aの一部、すなわち、前記摺接板部1gの割欠き部1hの内奥部とが接触するようにしてある。(図8(イ)図)
【0084】
また、この例にあっては、かかる時計回りの向きへの回動体2の回動を許容するように、この向きへの回動体2の回動によって、前記隆起部10の顎部10bが設けられた側をそれぞれ納め入れる凹部14が前記ハウジング3の一対の側部の内側に形成されている。
【0085】
(3)これにより、この例にあっては、前記スライドノブ1aのスライド操作によって前記のように回動される回動体2の前記引き込み面10aによって当該引き込み面10aに前記接触部6gを接しさせる前記両掛合爪体6、6をそれぞれ、前記付勢手段7の付勢に抗して引き込み移動させることができ、(図9)
これにより当該第一及び第二の掛合爪体6、6と前記掛合穴201との掛合を解いて、再び当該掛合穴201から前記差込部5を抜き出させる向きに前記可動部材100を移動させることができる。
【0086】
(4)また、このように掛合穴201から差込部5を抜き出させた後に前記スライドノブ1aのスライド操作を止めると、
前記付勢手段7の付勢により、前記第一及び第二の掛合爪体6、6の双方は再び突出位置に移動されると共に、このように移動される両掛合爪体6、6の接触部6gに前記引き込み面10aを接触させる前記回動体2は再び前記スライドノブ1aのスライド操作開始前の回動位置(図8の位置)に復帰される。
【0087】
(5)それと共に、前記スライドノブ1aは前記スライド操作開始前の位置に、当該スライドノブ1aを付勢する前記付勢手段4の付勢により移動され、初期状態への復帰が図られる。
【0088】
【発明の効果】
この発明によれば、スライド操作体のスライド移動力を当該スライド操作体のスライド操作によって回動される回動体によって回転力に変換させる機構および当該機構を利用したラッチ装置において、かかる回動体と当該回動体を納める軸穴との間のクリアランスに格別の配慮をしなくとも、前記スライド操作体のスライド移動力を当該回動体によって、円滑に回転力に変換して出力させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】変換機構Hkを利用したラッチ装置R1の斜視図
【図2】同分解斜視図
【図3】図2と異なる向きからの同分解斜視図
【図4】同側面図
【図5】同平面図
【図6】同底面図
【図7】同縦断面図
【図8】同ラッチ装置R1の初期状態を示す平面構成図((イ)図)およびハウジング3の底部3f側の横断面構成図((ロ)図)
【図9】同ラッチ装置R1の掛合解除状態を示す平面構成図((イ)図)およびハウジング3の底部3f側の横断面構成図((ロ)図)
【図10】同ラッチ装置R1の使用状態を示す側面図
【図11】図10と異なる向きから同ラッチ装置R1の使用状態を示す側面図
【図12】スライドノブ1aの平面図
【図13】同底面図
【図14】同側面図
【図15】図14と異なる向きから同スライドノブ1aを見た側面図
【図16】図14および図15と異なる向きから同スライドノブ1aを見た側面図
【図17】図15におけるA−A線断面図
【図18】図16におけるB−B線断面図
【図19】ハウジング3の側面図
【図20】同平面図
【図21】図19におけるC−C線断面図
【図22】図19におけるD−D線断面図
【図23】図20におけるE−E線断面図
【図24】回動体2の側面図
【図25】図24と異なる向きから同回動体2を見た側面図
【図26】同平面図
【図27】同底面図
【図28】図24におけるF−F断面図
【図29】同回動体2を図24及び図25と異なる向きから見た一部破断側面図
【図30】図25におけるG−G線断面図
【図31】第一及び第二の掛合爪体6、6の側面図
【図32】図31におけるH−H線の矢印方向から見た側面図((イ)図)および図31におけるI−I線の矢印方向から見た側面図((ロ)図)
【図33】第一及び第二の掛合爪体6、6の平面図
【図34】同底面図
【符号の説明】
1 スライド操作体
2 回動体
2a 当接部
2b 太軸部
2c 細軸部
2d 周回段差面
2e 弾性片
3 ハウジング
3a 軸穴
3b 大径部
3c 小径部
3d 周回段差面
Claims (6)
- スライド操作体と、
一方の軸端における回転中心に対し偏心した位置に当該スライド操作体のスライド操作により当該スライド操作体の一部に押し当てられる当接部を有すると共に、当該押し当てによって回動して当該スライド操作体のスライド移動力を回転力に変換する回動体と、
当該回動体を前記スライド操作体が設けられる側の穴口より回動可能に受け入れる軸穴を備えたハウジングとを備えており、
前記回動体は、
太軸部と、
細軸部と、
この太軸部と細軸部との寸法差により形成された周回段差面と、
前記スライド操作体の一面に常時弾性的に先端を押し付けるように、前記一方の軸端に形成された弾性片とを備えており、
前記軸穴は、
大径部と、
小径部と、
この大径部と小径部との寸法差により形成された周回段差面とを備えており、
前記回動体の周回段差面は、前記太軸部の側から細軸部の側に向けて次第に当該回動体を細める向きに傾斜した面となるようにしてあると共に、
前記軸穴の周回段差面は、前記大径部の側から小径部の側に向けて次第に当該軸穴を狭める向きに傾斜した面となるようにしてあり、
しかも、前記回動体が前記軸穴に、当該回動体の周回段差面を当該軸穴の周回段差面に前記弾性片の弾性により押し付けさせた状態で、納められていることを特徴とするスライド操作体のスライド移動力の変換機構。 - 回動体の周回段差面と軸穴の周回段差面とがいずれも、当該回動体の回動軸線に平行な仮想の線分に対しほぼ等しい角度分傾斜した面となるようにしてあることを特徴とする請求項1記載のスライド操作体のスライド移動力の変換機構。
- 弾性片の先端が回動体のほぼ回動軸線上においてスライド操作体の一面に押し当てられるようにしてあることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスライド操作体のスライド移動力の変換機構。
- 可動部材側に取り付けられると共に、当該可動部材の所定の移動停止位置において、固定部材側に形成された掛合穴に入り込んで当該掛合穴に掛合する掛合爪体を備えた差込部と、
スライド操作により当該掛合爪体と掛合穴との掛合を解く向きに当該掛合爪体を引き込み移動させるスライドノブと、
回動中心に対し偏心した位置に当該スライドノブのスライド操作により当該スライドノブの一部に押し当てられる当接部を有すると共に、当該押し当てによって回動される回動体と、
当該回動体を前記スライドノブが設けられる側の穴口より回動可能に受け入れる軸穴と、
当該掛合爪体を突出位置に常時付勢する付勢手段と、
を備えたラッチ装置であって、
前記回動体の当接部が設けられた側と反対の側には、前記スライドノブのスライド操作による当該回動体の回動によって、前記掛合爪体の突出側と反対の側に形成された接触部に押し当たって、前記付勢手段の付勢に抗して当該掛合爪体を引き込み移動させる引き込み面が形成してあると共に、
前記回動体は、
太軸部と、
細軸部と、
この太軸部と細軸部との寸法差により形成された周回段差面と、
前記スライドノブの一面に常時弾性的に先端を押し付けるように、前記当接部の設けられている当該回動体の一方の軸端に形成された弾性片とを備えており、
前記軸穴は、
大径部と、
小径部と、
この大径部と小径部との寸法差により形成された周回段差面とを備えており、
前記回動体の周回段差面は、前記太軸部の側から細軸部の側に向けて次第に当該回動体を細める向きに傾斜した面となるようにしてあると共に、
前記軸穴の周回段差面は、前記大径部の側から小径部の側に向けて次第に当該軸穴を狭める向きに傾斜した面となるようにしてあり、
しかも、前記回動体が前記軸穴に、当該回動体の周回段差面を当該軸穴の周回段差面に前記弾性片の弾性により押し付けさせた状態で、納められていることを特徴とするラッチ装置。 - 回動体の周回段差面と軸穴の周回段差面とがいずれも、当該回動体の回動軸線に平行な仮想の線分に対しほぼ等しい角度分傾斜した面となるようにしてあることを特徴とする請求項4記載のラッチ装置。
- 弾性片の先端が回動体のほぼ回動軸線上においてスライドノブの一面に押し当てられるようにしてあることを特徴とする請求項4又は請求項5記載のラッチ装置。
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