JP4511755B2 - 車両のアウトハンドル装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のアウトハンドル装置に関し、特に、ドアのアウターパネルの外側に配置されるとともに一端部がアウターパネルに回動可能に支承されるハンドル本体と、該ハンドル本体の他端側で前記アウターパネルにボルトにより取付けられるベース部材と、前記ハンドル本体の他端に対向するようにして前記ベース部材に装着されるアウターカバーと、車両ユーザのドア施錠意思を確認するための施錠意思確認手段とを備える車両のアウトハンドル装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
このようなアウトハンドル装置は、携帯送・受信機を有する車両ユーザが車両から離れることにより、前記携帯送・受信機と、車両側に配設される車両側送・受信機との間での信号の送・受信が不能となることによってドアを自動的にロックするようにしたスマートエントリーシステム等で用いられており、車両ユーザが車両から遠ざからないとロック状態とならないのでは防盗性が低下するので、従来のアウトハンドル装置では、車両ユーザのドア施錠意思を確認するための施錠意思確認手段であるスイッチが、車両ユーザが触れることにより施錠意思を確認すべくハンドル本体に配設されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のようにハンドル本体にスイッチが配設される構成では、車両ユーザがドアを開放操作するためにハンドル本体を握ったときにスイッチに誤って触れる可能性があり、そのスイッチの誤操作による誤作動を生じてしまう可能性もある。
【0004】
そこでハンドル本体の他端に対向するようにしてアウターパネルに装着されるアウターカバー側に、施錠意思を確認するためのスイッチを配設すれば、スイッチに誤って触れる可能性を少なくし、スイッチの誤操作による誤作動が生じる可能性も少なくすることができるであろう。
【0005】
しかるに車両ユーザが触れるだけでスイッチング態様を変化させるスイッチを施錠意思確認手段として用いるのであれば、アウターカバー側に設けることで誤操作の可能性を少なくすることが可能とはなるが、車両ユーザがアウターカバーに無意識で触れることも考慮すれば誤操作の可能性を確実に解消することは不可能である。しかもアウターカバーが設置されるスペースは、施錠意思確認手段を配設するにあたって充分に大きいとは言えず、施錠意思確認手段の配設にも工夫が必要である。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、施錠意思確認手段の誤操作が生じることを回避可能とするとともに、施錠意思確認手段を省スペースで配設可能とした車両のアウトハンドル装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、ドアのアウターパネルの外側に配置されるとともに一端部がアウターパネルに回動可能に支承されるハンドル本体と、該ハンドル本体の他端側で前記アウターパネルにボルトにより取付けられるベース部材と、前記ハンドル本体の他端に対向するようにして前記ベース部材に装着されるアウターカバーと、車両ユーザのドア施錠意思を確認するための施錠意思確認手段とを備える車両のアウトハンドル装置において、前記ボルトには貫通孔が同軸に設けられ、制限された範囲での軸方向移動を可能として前記貫通孔に挿通されるとともに軸方向外方に向けてばね付勢されるロッドと、前記アウターカバーに設けられた操作孔に臨んで前記ロッドの外端に設けられる押しボタンと、前記ロッドの内端が所定ストローク以上作動するのに応じてスイッチング態様を変化させるようにして前記アウターパネルの内方で前記ベース部材に固定支持されるマイクロスイッチとで、前記施錠意思確認手段が構成されることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、車両ユーザがドアを開放すべくハンドル本体を握って開放操作しても、ユーザの手がアウターカバーに接触する機会は少なく、したがって施錠意思確認手段の誤操作が生じることを極力回避することができる。しかも施錠意思確認手段で車両ユーザの施錠意思を確認するにあたっては、押しボタンを所定ストローク以上押込む操作が必要であり、車両ユーザが施錠意思を持たずにアウターカバーに触れたとしても、施錠意思確認手段のマイクロスイッチがスイッチング態様を変化させることはなく、施錠意思確認手段の誤操作が生じることをより確実に回避することができる。しかも施錠意思確認手段のロッドは、ベース部材をアウターパネルに取付けるためのボルトに同軸に挿通され、マイクロスイッチはアウターパネルの内方に配置されるので、施錠意思確認手段を配設するのにアウターカバーで必要とするスペースを小さくすることができ、施錠意思確認手段を効果的に配設することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1〜図4は本発明の一実施例を示すものであり、図1は車両のサイドドアの一部側面図、図2は図1の2−2線拡大断面図、図3は図1の3ー3線拡大断面図、図4はキーシリンダ錠およびシリンダカバーの斜視図である。
【0011】
先ず図1において、たとえば乗用車両が備えるサイドドア11のアウターパネル12には、車両の前後方向(図1の左右方向)に延びてアウターパネル12の外側に配置される合成樹脂製のハンドル本体13の一端部(図1の左端部)が、回動可能に支承されており、該ハンドル本体13が非操作状態にあるときにハンドル本体13の他端に滑らかに連なるように見える形状を有した合成樹脂製のアウターカバー14が、ハンドル本体13の他端に対向するように配置される。
【0012】
ところで、このアウトハンドル装置は、サイドドア11のアンロックおよびロックを車両に対する車両ユーザの近接・離反に応じて自動的に切換えるようにしたスマートエントリーシステムで用いられるものであり、車両ユーザのキー操作は基本的には不要であるが、スマートエントリーシステムの故障等の緊急時に対応するためのキーシリンダ錠15が、前記アウターカバー14に対応する位置でアウターパネル12に取付けられ、またスマートエントリーシステムで防盗性を向上すべく車両ユーザの施錠意思を確認するための施錠意思確認手段16もアウターカバー14側に配設される。
【0013】
図2および図3を併せて参照して、ハンドル本体13の他端側でアウターパネル12の内面にはベース部材17が取付けられる。すなわちアウターカバー15で覆われる部分でアウターパネル12には、キーシリンダ錠15が備えるシリンダボディ18の一端部を臨ませる装着孔20が設けられており、シリンダボディ18と一体のブラケット21の先端には、前記ベース部材17に設けられた取付け孔22の周囲で該ベース部材17の内面に係合するとともに取付け孔22に挿入されるナット部23が一体に形成される。一方、拡径頭部24aをアウターパネル12の外面に係合せしめるボルト24がアウターパネル12を貫通して前記ナット部23に螺合され、このボルト24の締付けにより、シリンダボディ18およびベース部材17がアウターパネル12に取付けられ、シリンダボディ18はベース部材17で位置決めされる。
【0014】
キーシリンダ錠15のロータ19は、シリンダボディ18で回動可能に支承されており、このロータ19の一端は前記装着孔20を貫通してアウターパネル12の外方に突出する。
【0015】
ベース部材17には、前記ロータ19の一端を臨ませる窓25を有するシリンダカバー26がボルト27により取付けられており、該シリンダカバー26は、アウターパネル12の外方で前記ロータ19の一端部を覆うように形成される。ベース部材17を介してアウターパネル12に取付けられるシリンダカバー26と、アウターパネル12との間には、前記装着孔20に対応した開口部28を有するシート部材29が介装される。
【0016】
アウターカバー14は、シリンダカバー26を覆うようにして該シリンダカバー26に装着されており、シリンダカバー26の窓25に一部を突入させるガイド筒30が窓25側に向かうにつれて小径となるようにしてアウターカバー14に設けられ、ロータ19の一端に開口したキー孔31にはガイド筒30からキー(図示せず)を挿入可能である。
【0017】
図4を併せて参照して、前記シリンダカバー26には庇壁32が一体に設けられており、この庇壁32は、シリンダボディ18の一端部のうち少なくともアウターパネル12へのキーシリンダ錠15の取付け状態では上部となる部分を囲みつつ、シート部材29の開口部28およびアウターパネル12の装着孔20を貫通してアウターパネル12の内方に延びるように形成される。
【0018】
図2に特に注目して、ベース部材17をアウターパネル12に取付けるボルト24には、軸方向外方側の大径孔部33aと、軸方向内方側の小径孔部33bとが同軸に連なって成る貫通孔33が同軸に設けられる。
【0019】
而して施錠意思確認手段16は、制限された範囲での軸方向移動を可能として前記貫通孔33に挿通されるとともに軸方向外方に向けてばね付勢されるロッド34と、アウターカバー14に設けられた操作孔35に臨んでロッド34の外端に設けられる押しボタン36と、前記ロッド34の内端が所定ストローク以上作動するのに応じてスイッチング態様を変化させるようにしてアウターパネル12の内方に配置されてベース部材17に固定支持されるマイクロスイッチ37とで構成される。
【0020】
ロッド34は、貫通孔33の大径孔部33aに摺動自在に嵌合される軸方向外方側の大径部34aと、貫通孔33の小径孔部33bに摺動自在に嵌合される軸方向内方側の小径部34bとが同軸にかつ一体に連設されて成るものであり、貫通孔33における大径孔部33aおよび小径孔部33b間の段部と、ロッド34における大径部34aおよび小径部34b間の段部との間に、ロッド34を軸方向外方側にばね付勢するばね38が介設される。
【0021】
ロッド34の内端はボルト24の内端から内方に突出しており、ボルト24よりも内方でロッド34の内端部には、被検出腕39の基端が装着される。而して被検出腕39の基端は前記ボルト24の内端に当接可能であり、被検出腕39の基端がボルト24の内端に当接することでロッド24の軸方向外方への移動端が規制される。
【0022】
ロッド34の外端は、ボルト24の外端から外方に突出しており、押しボタン36は、操作孔35の周縁部でアウターカバー14の内面に対向する鍔部36aを有するようにして前記ロッド34の外端に一体に形成される。しかも押しボタン36の非操作時には前記鍔部36aおよびアウターカバー14間に挟まれる環状のシール部材40が、前記ばね38のばね力で圧縮されて充分なシール性能を発揮するようにして押しボタン36の外周に装着される。
【0023】
また押しボタン36は、ボルト24の外端に当接可能であり、押しボタン36がボルト24の外端に当接することでロッド24の軸方向内方への移動端が規制される。
【0024】
マイクロスイッチ37は、前記ロッド34の内端に基端が装着された被検出腕39の先端を検出子37aで検出するようにしてアウターパネル12の内方に固定配置されるものであり、ベース部材17に固定された支持板41に固定される。而してマイクロスイッチ37は、前記ロッド34の内端とともに被検出腕39が所定ストローク以上作動するのに応じてスイッチング態様を変化させる。すなわち押しボタン36が所定ストローク以上押し込まれたことをマイクロスイッチ37が検出することになる。
【0025】
次にこの実施例の作用について説明すると、アウターパネル12に取付けられるキーシリンダ錠15のシリンダボディ18は、アウターパネル12に設けられた装着孔20に一端部を臨ませてアウターパネル12の内方に配置されており、該シリンダボディ18で回動可能に支承されるロータ19の一端部は、前記装着孔20を貫通してアウターパネル12の外方に突出されるとともに、前記装着孔20に対応した開口部28を有するシート部材29をアウターパネル12の外面との間に介在させてアウターパネル12に取り付けられるシリンダカバー26で覆われる。しかもシリンダカバー26には、前記開口部28および前記装着孔20を貫通してアウターパネル12内に延びる庇壁32が一体に設けられており、この庇壁32は、シリンダボディ18の一端部のうち少なくともアウターパネル12へのキーシリンダ錠15の取付け状態では上部となる部分を囲むように形成されている。
【0026】
したがってアウターカバー12の上部およびシート部材29の上部間の間隙ならびにシート部材29の上部およびアウターパネル12間からアウターカバー26の内方側に雨水等の水が浸入したとしても、シリンダボディ18の一端部の上方には庇壁32が配置されることになり、アウターカバー26の内方側に浸入した雨水等の水がシリンダボディ18の一端に水が達することはない。これによりキーシリンダ錠15のシリンダボディ18およびロータ19間に水が浸入することを防止することができ、浸入した水の凍結によるキーシリンダ錠15の作動不良が生じることを防止することができる。
【0027】
またハンドル本体13の他端側でアウターパネル12にベース部材17を取付けるためのボルト24には、貫通孔33が同軸に設けられ、制限された範囲での軸方向移動を可能として貫通孔33に挿通されるとともに軸方向外方に向けてばね付勢されるロッド34と、アウターカバー14の操作孔35に臨んでロッド34の外端に設けられる押しボタン36と、ロッド34の内端が所定ストローク以上作動するのに応じてスイッチング態様を変化させるようにしてアウターパネル12の内方でベース部材17に固定支持されるマイクロスイッチ37とで施錠意思確認手段16が構成される。
【0028】
すなわちスマートエントリーシステムで防盗性を向上するために必要である施錠意思確認手段16が、一端がアウターパネル12で回動可能に支承されるハンドル本体13の他端に対向するアウターカバー14側に設けられるので、車両ユーザがサイドドア11を開放すべくハンドル本体13を握って開放操作しても、ユーザの手がアウターカバー14に接触する機会は少なく、したがって施錠意思確認手段16の誤操作が生じることを極力回避することができる。
【0029】
しかも施錠意思確認手段16で車両ユーザの施錠意思を確認するにあたっては、押しボタン36を所定ストローク以上押込む操作が必要であり、車両ユーザが施錠意思を持たずにアウターカバー14に触れたとしても、施錠意思確認手段16のマイクロスイッチ37がスイッチング態様を変化させることはなく、施錠意思確認手段16の誤操作が生じることをより確実に回避することができる。
【0030】
さらに施錠意思確認手段16のロッド34は、ベース部材17をアウターパネル12に取付けるためのボルト24に同軸に挿通され、マイクロスイッチ37はアウターパネル12の内方に配置されるので、施錠意思確認手段16を配設するのにアウターカバー14で必要とするスペースを小さくすることができ、施錠意思確認手段16を効果的に配設することができる。
【0031】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0032】
たとえば上記実施例では、キーシリンダ錠15が施錠意思確認手段16に隣接してアウターパネル12に設けられたアウトハンドル装置について説明したが、キーシリンダ錠15を有していないアウトハンドル装置に本発明を適用することも可能である。
【0033】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、施錠意思確認手段の誤操作が生じることをより確実に回避することができ、しかも必要なスペースを小さくして施錠意思確認手段を効果的に配設することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両のサイドドアの一部側面図である。
【図2】図1の2−2線拡大断面図である。
【図3】図1の3ー3線拡大断面図である。
【図4】キーシリンダ錠およびシリンダカバーの斜視図である。
【符号の説明】
11・・・ドア
12・・・アウターパネル
13・・・ハンドル本体
14・・・アウターカバー
16・・・施錠意思確認手段
17・・・ベース部材
24・・・ボルト
33・・・貫通孔
34・・・ロッド
35・・・操作孔
36・・・押しボタン
37・・・マイクロスイッチ
Claims (1)
- ドア(11)のアウターパネル(12)の外側に配置されるとともに一端部がアウターパネル(12)に回動可能に支承されるハンドル本体(13)と、該ハンドル本体(13)の他端側で前記アウターパネル(12)にボルト(24)により取付けられるベース部材(17)と、前記ハンドル本体(13)の他端に対向するようにして前記ベース部材(17)に装着されるアウターカバー(14)と、車両ユーザのドア施錠意思を確認するための施錠意思確認手段(16)とを備える車両のアウトハンドル装置において、前記ボルト(24)には貫通孔(33)が同軸に設けられ、制限された範囲での軸方向移動を可能として前記貫通孔(33)に挿通されるとともに軸方向外方に向けてばね付勢されるロッド(34)と、前記アウターカバー(14)に設けられた操作孔(35)に臨んで前記ロッド(34)の外端に設けられる押しボタン(36)と、前記ロッド(34)の内端が所定ストローク以上作動するのに応じてスイッチング態様を変化させるようにして前記アウターパネル(12)の内方で前記ベース部材(17)に固定支持されるマイクロスイッチ(37)とで、前記施錠意思確認手段(16)が構成されることを特徴とする車両のアウトハンドル装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2001
- 2001-03-29 JP JP2001096365A patent/JP4511755B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
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