JP4511709B2 - 熱成形装置および熱成形方法 - Google Patents

熱成形装置および熱成形方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱成形装置および熱成形方法に関し、特に、接触加熱成形を行う熱成形装置および熱成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
接触加熱式の熱成形を行なう熱成形装置においては、シート状に形成された軟化熱可塑性の樹脂シートを加熱テーブルに搬送して、同加熱テーブル上で樹脂シートを接触させて加熱し、加熱後に加熱テーブルと対面する所定の成形型面に樹脂シートを当接させて成形品を形成している。
このとき、加熱テーブルにて加熱した樹脂シートに加熱ムラがあると、成形品に肉厚ムラが発生するなどの原因になることから、均一に熱伝導を行わせるために加熱テーブルと成形型面とに小穴を設けて、同加熱テーブルの小穴を介して樹脂シートを吸引するとともに、成形型面の小穴を介して圧縮空気等で加熱テーブルに押圧しつつ接触加熱を行っていた。
【0003】
かかる熱成形装置では加熱テーブルでの吸引時に、吸引漏れなどによって、樹脂シートと、加熱テーブルとの当接面にエア溜まりが発生することが有り、このエア溜りにより、成形品にレインドロップと呼ばれる雨滴状の模様が生じてしまうことがある。そこで、従来の熱成形装置においては、加熱テーブルの当接面を所定の粗面に形成することによって、吸引時のエアが抜ける吸引気体流路を確保し、エア溜まりの発生を防いでいた。また、接触加熱式の熱成形を行なう他の熱成形装置としては、所定の材質を利用して加熱テーブルの上面を鏡面に形成するとともに、上述と同様に、この加熱テーブルと成形型面とに小穴を設けて、同加熱テーブルの小穴を介して樹脂シートを吸引し、成形型面の小穴を介して圧縮空気等で押圧しつつ接触加熱を行う方法があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の接触加熱式を採用した熱成形装置において、前者の場合では、加熱テーブルの当接面を吸引気体の流路を確保するために、粗面にすると、エア溜まりの発生を防いでレインドロップが生じないようにすることができるものの、加熱テーブルの当接面が粗面であるために、当該粗面状の細かい凹凸が樹脂シートに転写されてしまい、透明の樹脂シートについて成形を行う場合、成形品の透明性が低下してしまうという課題があった。
また、後者の場合では、小穴周辺にエアが溜りレインドロップが発生してしまうという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、成形品の透明性を確保することができるとともに、レインドロップの発生をも防止し、高品位な樹脂成形品を成形することが可能な熱成形装置および熱成形方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、上面が鏡面に形成され、所定の待機位置と成形位置との間を相互に移動するとともに、同待機位置から成形位置に移動する際に、樹脂シートを上記鏡面上に載置しつつ搬送する加熱テーブルと、上記待機位置にて上記鏡面と所定の押圧により略当接するとともに、上記加熱テーブルの上記成形位置への移動に合せて回転動作し、上記押圧により上記樹脂シートを上記鏡面上に押し当てつつ載置させる回転ロールと、上記成形位置に移動した上記加熱テーブルと相対して配置され、同成形位置に搬送された上記鏡面上に載置された樹脂シートを所定形状の成形型により熱成形する熱成形機構とを具備する構成としてある。
【0007】
上記のように構成した請求項1にかかる発明においては、加熱テーブルの上面を鏡面に形成し、この加熱テーブルを所定の待機位置と成形位置との間を相互に移動可能とする。そして、当該加熱テーブルは、上記待機位置から成形位置に移動する際に、樹脂シートを上面に形成された鏡面上に載置しつつ成形位置に搬送する。このとき、回転ロールは、待機位置にて上述した加熱テーブルと所定の押圧により略当接しており、当該回転ロールは、加熱テーブルが待機位置から成形位置に移動するのに合せて回転動作する。ここで、回転ロールは、加熱テーブルと所定の押圧により略当接しているので、樹脂シートを鏡面上に載置する場合は、この略当接箇所に樹脂シートを噛み込ませ、当該回転ロールの回転動作、および、加熱テーブルの成形位置への移動によって、樹脂シートを鏡面上に押し当てつつ、当該鏡面上に載置する。このように、加熱テーブルの鏡面上に押し当てられつつ載置された樹脂シートは、成形位置に移動し、この成形位置にて加熱テーブルと相対して配置されている成形機構によって所定形状の成形型によって熱成形される。
【0008】
このように、本発明では、加熱テーブルの上面を真空で引込むための小穴は設けないで鏡面に形成し、上記回転ロールと加熱テーブルの鏡面とに相互に働く所定の押圧によって、樹脂シートを鏡面上に押し当てつつ略密着させて載置させる。そして、この状態で熱成形を行なう。これにより、樹脂シートを加熱テーブルに略密着させるために、当該加熱テーブルに小穴を設けて、この小穴を介して真空によって樹脂シートを引き込むことにより発生するエア溜りによるレインドロップを防止することができるとともに、空気退避路を設ける為に、加熱テーブルの表面を粗面にする必要もないことから、成形品の透明性を確保できることになる。
【0009】
回転ロールは鏡面に所定の押圧により略当接し、当該回転ロールの回転動作および加熱テーブルの移動動作によって、樹脂シートを鏡面上に押し当てつつ載置させることができれば良い。従って、鏡面と略当接する回転ロールの外周面を形成する素材は特に限定されるものではない。一方で、鏡面上に樹脂シートを押し当てるにあたり、樹脂シート面に損傷を与えない素材が適していることは言うまでもない。かかる場合、外周面に弾性素材を採用すれば良く、例えば、ゴムであったり、樹脂を採用することができる。また、回転ロールの外周面に適用する弾性素材の他の好適な一例として、請求項2にかかる発明は、上記請求項1に記載の熱成形装置において、上記回転ロールは、上記鏡面上と略当接する外周面がシリコンにて形成される構成としてある。
上記のように構成した請求項2にかかる発明においては、鏡面上と略当接する回転ロールの外周面をシリコンにて形成する。これにより、回転ロールと加熱テーブルとにより介在する樹脂シートを所定の押圧にて押し付けても当該樹脂シートの表面に損傷を付けることを回避できる。
【0010】
回転ロールが樹脂シートを鏡面上に所定の押圧で押し当てる場合、この押圧は、回転ロールの外周面と鏡面上との間で発生させるようにすれば良い。この場合、回転ロールの外周面を鏡面に押し付けることによって、当該押圧を発生させても良いし、鏡面を回転ロールに押し付けることによって、当該押圧を発生させても良い。この前者を採用した態様として、請求項3にかかる発明は、上記請求項1または請求項2のいずれかに記載の熱成形装置において、上記所定の押圧は、上記回転ロールを上記加熱テーブルの鏡面に向かって押し付けることによって形成される構成としてある。
上記のように構成した請求項3にかかる発明においては、待機位置にて鏡面上と回転ロールとの間に介在する樹脂シートを押し当てる所定の押圧を形成させるために、回転ロールを加熱テーブルの鏡面に向かって押し付ける。
【0011】
一方、後者を採用した態様として、請求項4にかかる発明は、上記請求項1または請求項2のいずれかに記載の熱成形装置において、上記所定の押圧は、上記加熱テーブルの鏡面を上記回転ロールに向かって押し付けることによって形成される構成としてある。
上記のように構成した請求項4にかかる発明においては、待機位置にて鏡面上と回転ロールとの間に介在する樹脂シートを押し当てる所定の押圧を形成させるために、回転ロールを加熱テーブルの鏡面に向かって押し付ける。
【0012】
このように、所定の押圧は、回転ロールを鏡面に押し付けるようにして形成しても良いし、反対に鏡面側を回転ロールに押し付けるようにして形成しても良い。ここで、この所定の押圧は、樹脂シートの素材あるいは厚さ等を考慮して適宜変更できると好適である。そこで、請求項5にかかる発明は、上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の熱成形装置において、上記所定の押圧を調整する押圧調整機構を備える構成としてある。
上記のように構成した請求項5にかかる発明においては、本熱成形装置に押圧の圧力を調整することが可能な押圧調整機構を備えさせる。そして、熱成形される樹脂シートの素材や厚さを考慮して適宜押圧の圧力を調整する。この押圧調整機構は、適宜押圧の圧力を調整可能に圧力を発生させることができればよく、油圧シリンダや空気圧シリンダであっても良いし、サーボモータであっても良く、適宜採用可能である。
【0013】
本発明においては、樹脂シートを回転ロールを利用して加熱テーブルの鏡面に押し付けて略密着させることによって、樹脂シートと加熱テーブルに空気が入らないようにしている。かかる場合、回転ロールにて樹脂シートを鏡面に押し付ける前に、樹脂シートがある程度加熱軟化していると、より効果的に樹脂シートを鏡面上に略密着させることが可能になる。
【0014】
そこで、請求項6にかかる発明は、上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の熱成形装置において、上記回転ロールが上記樹脂シートを上記加熱テーブルの鏡面上に押し当てつつ載置させる前に、加熱された樹脂シートを同回転ロールに供給する加熱樹脂シート供給機構を備える構成としてある。
上記のように構成した請求項6にかかる発明においては、本熱成形装置に回転ロールが樹脂シートを加熱テーブルの鏡面上に押し当てつつ略密着させて載置させる前に、樹脂シートを加熱し、この加熱された樹脂シートを回転ロールに供給する加熱樹脂シート供給機構を備えさせる。
【0015】
上記加熱樹脂シート供給機構の一態様として、請求項7にかかる発明は、上記請求項6に記載の熱成形装置において、上記加熱樹脂シート供給機構は、外周面を鏡面に形成された所定の加熱回転ロールを有するとともに、同加熱回転ロールの回転動作によって、樹脂シートを加熱しつつ上記回転ロールに供給する構成としてある。
上記のように構成した請求項7にかかる発明においては、加熱樹脂シート供給機構を外周面を鏡面に形成された所定の加熱回転ロールを有する構成とし、この加熱回転ロールにて樹脂シートを加熱しつつ回転動作させて、樹脂シートを巻き出すことによって回転ロールに供給する。
【0016】
上述したように、加熱テーブルは待機位置と成形位置との間を移動する。この移動する移動量は、成形機構の成形型に依存することは言うまでもない。そこで、請求項8にかかる発明は、上記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の熱成形装置において、上記加熱テーブルの移動動作する移動長さを上記成形機構にて成形を行なうに際して必要となる樹脂シート長に調整可能な移動長調整機構を備える構成としてある。
上記のように構成した請求項8にかかる発明においては、本熱成形装置に加熱テーブルが移動動作する移動長さを成形機構にて成形を行なうに際して必要となる樹脂シート長に調整可能な移動長調整機構を備えさせる。
【0017】
加熱テーブルにおいては、その上面を鏡面に形成できればよく、その製法や素材等は様々である。その構成の一例として、請求項9にかかる発明は、上記請求項1〜請求項8のいずれかに記載の熱成形装置において、上記加熱テーブルの鏡面は、硬質クロムメッキにて形成される構成としてある。
上記のように構成した請求項9にかかる発明において、加熱テーブルと樹脂シートとが当接する面である表面板上の鏡面は、硬質クロムメッキにて形成されている。すなわち、種々の材料を鏡面に形成するためには、ある程度の硬度や耐磨耗性等の性質が要求される。そこで、表面板に対して、簡単に形成することが可能であり、空気中で安定,光沢の変化が少ない,硬い,耐磨耗性が良い等の好適な性質を有する硬質クロムメッキを使用する。
【0018】
さらに、このように回転ロールと加熱テーブルの鏡面上とにて形成される所定の押圧によって、樹脂シートを同鏡面上に押し当てつつ載置し、この載置された樹脂シートを熱成形する手法は必ずしも実体のある熱成形装置に限られる必要はなく、その方法としても機能することは容易に理解できる。
【0019】
このため、請求項10にかかる発明は、加熱テーブルに載置された樹脂シートを成形する熱成形方法であって、上面が鏡面に形成され、所定の待機位置と成形位置とを相互に移動する上記加熱テーブルを樹脂シートを鏡面上に載置しつつ同待機位置から成形位置に移動させることにより、同樹脂シートを同成形位置に搬送する樹脂シート搬送工程と、上記樹脂シート搬送工程にて樹脂シートを搬送するにあたり、上記待機位置にて上記加熱テーブルの鏡面と所定の押圧にて略当接し、上記移動に合せて回転動作する回転ロールによって、上記樹脂シートを同加熱テーブルの鏡面上に押し当てつつ載置する樹脂シート載置工程と、上記成形位置にて上記加熱テーブルと相対して配置され、同成形位置に搬送された加熱テーブルの鏡面上の樹脂シートを所定形状の成形型にて成形する樹脂シート成形工程とを具備する構成としてある。
すなわち、必ずしも実体のある熱成形装置に限られず、熱成形方法としても有効であることに相違はない。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、回転ロールと加熱テーブルの鏡面とにて相互に発生させる所定の押圧にて樹脂シートを当該鏡面上に押し付けることによって、回転ロールを回転させると同時に加熱テーブルを待機位置から成形位置に移動させたときに、上記樹脂シートを鏡面上に略密着させることが可能になり、これにより、樹脂シートの加熱ムラを無くすことができるとともに、かかる状態で後工程である成形機構に樹脂シートを搬入するため、成形品の肉厚ムラを無くすことができ、より品質の高い熱成形品を製造することが可能な熱成形装置を提供することができる。
また、請求項2にかかる発明によれば、回転ロールにて樹脂シートを鏡面上に押し当てても当該樹脂シートを損傷することがなくなり、より品質のよい熱成形品を製造することが可能になる。
【0021】
さらに、請求項3にかかる発明によれば、所定の押圧を発生させる一態様を提示することができる。
さらに、請求項4にかかる発明によれば、所定の押圧を発生させる他の一態様を提示することが可能になる。
さらに、請求項5にかかる発明によれば、所定の押圧を樹脂シートの素材や厚さ等の仕様によって適宜調整することが可能になる。
さらに、請求項6にかかる発明によれば、加熱テーブルに載置する前に予備加熱することによって、樹脂シートの鏡面に対する略密着度をより向上させることが可能になり、より高品位な熱成形品を提供することが可能になる。
さらに、請求項7にかかる発明によれば、加熱樹脂シート供給機構の具体的態様を提示することが可能になる。
【0022】
さらに、請求項8にかかる発明によれば、成形機構にて成形に必要となる樹脂シート長に適宜調整して加熱テーブルを移動させることが可能になる。
さらに、請求項9にかかる発明によれば、鏡面を形成する素材として硬質クロムメッキを採用することによって、簡単に加熱テーブルの上面を鏡面に形成することが可能になる。
さらに、請求項10にかかる発明によれば、回転ロールと加熱テーブルの鏡面とに相互に発生させる所定の押圧にて樹脂シートを当該鏡面上に押し付けることによって、回転ロールを回転させると同時に加熱テーブルを待機位置から成形位置に移動させたときに、上記樹脂シートを鏡面上に略密着させることが可能になり、これにより、樹脂シートの加熱ムラを無くすことができるとともに、かかる状態で後工程である成形機構に樹脂シートを搬入するため、成形品の肉厚ムラを無くすことができ、より品質の高い熱成形品を製造することが可能な熱成形方法を提供することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明にかかる熱成形装置の概略構成を示した構成図である。
同図において、本熱成形装置10は、樹脂シート供給部11と、樹脂シート予備加熱部12と、樹脂シート搬送部13と、樹脂シート熱成形部14と、樹脂シートトリミング部15とを備える構成となっている。この樹脂シート供給部11は、ペイオフリール11aと、ピンチロール11bと、樹脂シートガイド11cとを備えている。ペイオフリール11aには、樹脂シートSが巻き回しされた樹脂シートロール11a1が備え付けられている。この樹脂シートSは、樹脂シートロール11a1からペイオフリール11aおよびピンチロール11bの回転駆動により巻き出されて、樹脂シートガイド11cにて搬送経路を形成されることにより後工程に供給される。
【0024】
樹脂シート予備加熱部12は、樹脂シートガイドロール12aと、プレヒータロール12bとを備えている。上記樹脂シートガイド11cを通過した樹脂シートSは、樹脂シートガイドロール12aにてプレヒータロール12bに巻き回されるように導かれ、このプレヒータロール12bの外周に接触する。プレヒータロール12bは、所定の手法によりその外周が加熱されているため、樹脂シートSは、プレヒータロール12bの外周に接触することによって、加熱されることになる。本実施形態では、この加熱を予備加熱と言い、当該予備加熱を実施することから、この範囲を樹脂シート予備加熱部12と言う。そして、この加熱された樹脂シートSは、樹脂シートガイドロール12aおよびプレヒータロール12bの回転動作によって樹脂シート搬送部13に供給される。
【0025】
樹脂シート搬送部13は、樹脂シート搬送ガイドロール13aと、加熱テーブル13bと、加熱テーブル駆動部13cとを備えるとともに、加熱テーブル13bの上面は鏡面板13b1が形成されている。上述したように、樹脂シートSは樹脂シート予備加熱部12から樹脂シート搬送部13に供給される。この樹脂シート搬送部13は、加熱テーブル13bの上面にある鏡面板13b1に樹脂シートSを略密着させて、後工程の樹脂シート熱成形部14に搬送する。このとき、樹脂シート搬送ガイドロール13aは、鏡面板13b1と所定の押圧を形成して略当接した位置関係に設置される。
【0026】
樹脂シート予備加熱部12から供給された樹脂シートSは、この樹脂シート搬送ガイドロール13aと鏡面板13b1との間に供給される。そして、樹脂シートSを樹脂シート熱成形部14に搬送するに際して、樹脂シート搬送ガイドロール13aを回転動作させるとともに、この回転動作に同期して、加熱テーブル13bを樹脂シート熱成形部14の方向に対して移動させる。この加熱テーブル13bの移動は、図示しない駆動モータや駆動軸が配設された加熱テーブル駆動部13cにて行なわれる。これにより、樹脂シートSは、樹脂シート搬送ガイドロール13aにて鏡面板13b1上に押し付けられつつ、加熱テーブル13bの移動に伴う当該鏡面板13b1の移動によって、この鏡面板13b1の上面に載置されることになる。
【0027】
このとき、上述したように、樹脂シートSは、樹脂シート搬送ガイドロール13aにて鏡面板13b1上に押し付けられているため、略密着して鏡面板13b1上に載置されることになる。ここで、図においては、樹脂シート熱成形部14に搬送された加熱テーブル13b、および、鏡面板13b1を点線枠にて示している。この加熱テーブル13bは、所定の手法によって加熱されており、鏡面板13b1に載置された樹脂シートSは、接触加熱されることによって可塑化することになる。本実施形態においては、樹脂シート搬送ガイドロール13aは、その外周がシリコンにて形成され、樹脂シートSを鏡面板13b1に対して所定の押圧で押し付けても当該樹脂シートSの表面が損傷しないようにしてある。また、本実施形態においては、図にて実線で示した加熱テーブル13bの位置を加熱テーブル13bの待機位置とし、図にて点線で示した加熱テーブル13bの位置を加熱テーブル13bの成形位置とする。
【0028】
樹脂シート熱成形部14は、上テーブル14aと、成形型14bと、上テーブル14aにリンク構造を介して接続する上テーブル駆動部14cと、真空発生部14dと、送りロール14eとを備えている。樹脂シート搬送部13によって鏡面板13b1上に樹脂シートSが略密着されて載置された加熱テーブル13bが樹脂シート熱成形部14に搬送されると、上テーブル14aが、上テーブル駆動部14cの動作によって、樹脂シートSに向かって下降する。この上テーブル14aの樹脂シートSに対面する側には、雌型である成形型14bが型面を樹脂シートSに向けて配設されており、各雌型の型間は上テーブル14aの下降によって樹脂シートSに略当接する。
【0029】
これにより、樹脂シートSと成形型14bの内面とは略密封された状態になる。このとき、真空発生部14dを作動させることにより、この略密封状態の空間から空気を吸引すると、樹脂シートSは、成形型14bの型内面に吸い付けられる。これによって、樹脂シートSに対する熱成形が行なわれる。真空発生部14dの作動により熱成形品が樹脂シートSに形成されると、上テーブル駆動部14cの動作によって、上テーブル14aが上昇し、熱成形が終了する。熱成形が終了した樹脂シートSは、送りロール14eによって、樹脂シートトリミング部15に搬送される。
【0030】
樹脂シートトリミング部15は、成形樹脂シート受け台15aと、上テーブル15bと、トリミング刃型15cと、上テーブル15bにリンク構造を介して接続する上テーブル駆動部15dとを備えている。樹脂シートトリミング部15は樹脂シート熱成形部14の送りロール14eによって熱成形品が形成されている樹脂シートSの供給を受ける。この樹脂シートSは、成形樹脂シート受け台15aに搬入され、この搬入を受けて、上テーブル15bが上テーブル駆動部15dの動作によって、樹脂シートSに向かって下降する。この上テーブル15bの樹脂シートSに対面する側には、トムソン刃にて構成されるトリミング刃型15cが刃型面を樹脂シートSに向けて配設されており、各トリミング刃型15cは上テーブル14aの下降によって樹脂シートSに略当接する。これにより、樹脂シートSに形成されている熱成形品がトリミングされることになる。
【0031】
以上の一連の動作が本熱成形装置10にて実施される熱成形品形成サイクルにおける樹脂シート供給部11,樹脂シート予備加熱部12,樹脂シート搬送部13,樹脂シート熱成形部14,樹脂シートトリミング部15の動作であり、これらの動作は、樹脂シート熱成形部14での熱成形インターバルに基づいて、適宜同期して動作することになる。
【0032】
図2は、樹脂シート搬送部13の外観を斜視した外観斜視図であるとともに、図3は、当該樹脂シート搬送部13を側面から見た側面図である。
図において、樹脂シート搬送部13は、上記した樹脂シート搬送ガイドロール13a,加熱テーブル13b,鏡面板13b1,加熱テーブル駆動部13cとともに、この加熱テーブル駆動部13cの構成として、駆動モータ13c1と、駆動伝達プーリ13c2と、駆動伝達ベルト13c3と、駆動伝達プーリ13c4と、ボールネジ13c5,13c6と、ベアリング部13c7,13c8,13c9とを備えている。
【0033】
かかる構成において、加熱テーブル13bが待機位置から成形位置に搬送されるに際して、駆動モータ13c1が回転動作する。この駆動モータ13c1の回転動作は、駆動伝達プーリ13c2→駆動伝達ベルト13c3→駆動伝達プーリ13c4と伝達される。この伝達された回転動作は、ボールネジ13c5,13c6の回転動作に変換される。ここで、ボールネジ13c5,13c6は、その両端にベアリング部13c7,13c8,13c9が配設されているため、駆動モータ13c1の回転動作に合せて回転することが可能になっている。
【0034】
ここで、本熱成形装置10において、樹脂シートSを加熱する機構について説明する。図4は、樹脂シート搬送部13に配置される加熱テーブル13bの断面を示した断面図である。
同図において、加熱テーブル13bの内部には、同加熱テーブル13bの上面に形成された鏡面板13b1に当接されるようにして加熱板13b2が配設されている。同加熱板13b2の下部には樹脂シートSの搬送方向に対して略直角方向に長い筒状体からなるヒータ13b3に接続された複数のヒートパイプ13b4が埋設されており、同ヒートパイプ13b4は、ヒータ制御部13b5の制御によって加熱板13b2を加熱するようになっている。また、鏡面板13b1の上面は、平面研削後にラッピング処理を行ってから硬質クロムメッキが施されており、さらに同メッキ面を平面研削後にラッピング処理が施され、さらにバフ研磨によって所定の鏡面に仕上げられている。
【0035】
図5は、プレヒータロール12bの樹脂シート搬送方向に略垂直な平面における断面を示した断面図である。
同図において、プレヒートロール12bは、樹脂シートSの搬送方向に略直角に向いた軸を有する円筒状のロールであって、中心に鉄心12b1を備えられており、同鉄心12b1の周りには複数のコイル12b2が巻き付けられている。そして、鉄心12b1およびコイル12b2の周りには、鉄心12b1と同軸にしてロール部材12b3が備えられており、同ロール部材12b3は、ギヤ12b4に連結されている。このギヤ12b4は、プレヒータロール駆動制御部12b5に接続されており、プレヒータロール駆動制御部12b5の制御によってギヤ12b4を介してロール部材12b3が回転動作する。また、コイル12b2は、上記ヒータ制御部13b5に接続されており、同ヒータ制御部13b5の制御によりコイル12b2に電力が供給され、電磁誘導によって発熱させることが可能となっている。
【0036】
また、樹脂シートSの搬送経路には、上述した同プレヒートロール12bより小さい径を有する樹脂シートガイドロール12aが、搬送経路に沿ってプレヒートロール12bと軸平行に配設されている。この樹脂シートガイドロール12aの外周面とプレヒートロール12bの外周面とは、搬送される樹脂シートSのシート厚と略同一距離だけ離間され、この離間部分に樹脂シートSを挟み込んで送るようになっている。
すなわち、プレヒートロール12bの下側で樹脂シートガイドロール12aによってガイドすることによって樹脂シートSをプレヒートロール12bの外周面に当接させて熱的接触を確保しつつ送るようになっている。
【0037】
図6は、樹脂シート搬送部13を、前方、すなわち、樹脂シートSの搬送経路に対して略垂直に見た場合における要部の断面を示した前方断面図である。同図において、上述したように樹脂シート搬送ガイドロール13aは、樹脂シートSを介在させて鏡面板13b1に所定の押圧にて押し付けられている。この所定の押圧は、樹脂シート搬送ガイドロール13aの回転軸13a5に作用するように設置された油圧シリンダ13a1〜13a4にて形成される。
すなわち、鏡面板13b1に対して、樹脂シート搬送ガイドロール13aを押し付ける場合は、油圧シリンダ13a1,13a3のシリンダを伸長させる。そして、この伸長に対応して油圧シリンダ13a2,13a4のシリンダを短縮させる。これによって、回転軸13a5は、樹脂シート搬送ガイドロール13aの外周面と鏡面板13b1の上面にて適切な間隙が設けられるように位置決めされつつ所定の押圧を回転軸13a5に作用させることが可能になる。そして、この回転軸13a5に作用された所定の押圧によって鏡面板13b1上に樹脂シートSを押し付ける。
【0038】
図7は、本熱成形装置10の制御系の構成を示すブロック図である。
同図において、本熱成形装置10の制御系は、プログラマブルコントローラ60に、上述したプレヒータロール駆動制御部12b5,ヒータ制御部13b5が接続されるとともに、加熱テーブル13bを待機位置から成形位置に搬送する加熱テーブル駆動部13cを制御する加熱テーブル駆動制御部13c10と、樹脂シート熱成形部14の上テーブル駆動部14cを制御する樹脂シート熱成形部駆動制御部14c1と、樹脂シートトリミング部15の上テーブル駆動部15dを制御するトリミング部駆動制御部15d1と、入出力部21とが接続されて構成されている。
【0039】
ここで、入出力部21は、操作パネル22を備えるディスプレイが接続されており、この操作パネル22での所定のキー入力操作によって、樹脂シートSの素材情報や、熱成形サイクルに必要となる樹脂シートSの長さや、樹脂シート搬送ガイドロール13aおよび鏡面板13b1にて樹脂シートSに作用させる所定の押圧の圧力等の設定を受け付ける入力インターフェースを構成するとともに、熱成形装置10の稼動中におけるライン速度や、樹脂シート予備加熱部12、あるいは、加熱テーブル13bの加熱温度等のステータスを表示することが可能になっている。ここで、図8にこの操作パネル22の一例を示した画面図を示す。このように操作パネル22では、「素材」101にて樹脂シートSの素材を入力する。
【0040】
このとき、素材選択ボタン101bを利用して適宜素材情報を素材設定欄101aに表示させつつ、適宜適切な素材を設定する。また、「厚さ」102にて樹脂シートSの厚さを入力する。このとき、素材選択ボタン102bを利用して適宜厚さ情報を厚さ設定欄102aに表示させつつ、適宜適切な厚さを設定する。そして、「成形長さ」103にて樹脂シートSの熱成形を行なうにあたり必要となる成形長さを入力する。このとき、成形長さ選択ボタン103bを利用して適宜成形長さを成形長さ設定欄103aに表示させつつ、適宜適切な成形長さを設定する。このように設定された「素材」101,「厚さ」102は、所定の押圧の圧力値の算出に利用されるとともに、「成形長さ」103は加熱テーブル13bの待機位置から成形位置への移動量の算出に利用される。
【0041】
次に、ヒータ制御部13b5は、プレヒータロール12bのコイル12b2と、加熱板13b2とに埋設されるヒートパイプ13b4と、ヒータ13b3とに接続されており、樹脂シートS搬送時のプレヒータロール12bでの予備加熱と、樹脂シートS搬送時の加熱テーブル13bでの加熱を所定のタイミングで行うようになっている。また、加熱テーブル駆動制御部13c10は、図示しないサーボアンプ、あるいは、インバータに、加熱テーブル13bの成形位置に対する動作を決定する所定の位置決め指令値等を出力する。
そして、上述した駆動モータ13c1は、この位置決め指令値に基づいて回転駆動し、この位置決め指令値は、ボールネジ13c5,13c6の回転動作を介して実現されることになる。
【0042】
樹脂シート熱成形部駆動制御部14c1は、樹脂シート搬送部13にて鏡面板13b1上に樹脂シートSの略密着させられた加熱テーブル13bが成形位置に搬送されたタイミングで、上テーブル駆動部14cを制御し、上テーブル14aを下降させるとともに、熱成形後に上テーブル14aを上昇させる。そして、送りロール14eの回転動作を制御して、成形後の樹脂シートSを樹脂シートトリミング部15に搬送する。また、トリミング部駆動制御部15d1は、熱成形品が形成された樹脂シートSが搬送されたタイミングで上テーブル駆動部15dを制御し、上テーブル15bを下降させるとともに、トリミング後に上テーブル15bを上昇させる。
【0043】
ここで、上述してきた、樹脂シート搬送ガイドロール13aによって樹脂シートSが加熱テーブル13bの鏡面板13b1に略密着される態様を図9に示す。
同図において、樹脂シート搬送ガイドロール13aと鏡面板13b1とは図矢印に示すように樹脂シートSに対して相互によって所定の押圧が作用されている。そして、この押圧を作用させながら、樹脂シートSを鏡面板13b1の上面に略密着させるために樹脂シート搬送ガイドロール13aを回転軸を固定した状態で矢印方向に回転動作させつつ、加熱テーブル13bを待機位置から成形位置へと矢印方向に移動させる。すると、樹脂シートSは鏡面板13b1上に略密着されて載置されることになる。すなわち、本実施形態においては、樹脂シート搬送ガイドロール13aと鏡面板13b1との間での所定の押圧にて樹脂シートSを「しごく」ことによって、鏡面板13b1に略密着させる。
【0044】
このように、樹脂シート搬送ガイドロール13aと鏡面板13b1との間には所定の押圧が発生するようになっている。このとき、成形位置に移動した加熱テーブル13bを再度、待機位置に移動させる場合、鏡面板13b1が樹脂シートSに接触してしまうことが発生する。このように接触すると、樹脂シートSの鏡面板13b1との接触部位に損傷が発生し熱成形品の透明度が低下し、品質を損なう原因となり得る。そこで、本実施形態においては、樹脂シート搬送ガイドロール13aを上述した油圧シリンダ13a1〜13a4の動作によって適宜上昇下降させることにより、成形位置から待機位置への移動において、樹脂シートSが鏡面板13b1に接触しないようにする。
【0045】
図10〜図12は、上記樹脂シート搬送ガイドロール13aの上昇下降を実施した場合であって、加熱テーブル13bの移動によって樹脂シートSを成形位置に搬送し、再度、待機位置に移動する際の樹脂シート搬送ガイドロール13aおよび加熱テーブル13bの動作を示した動作図である。最初、図10に示すように加熱テーブル13bは、待機位置に停止している。そして、樹脂シートSの搬送の開始に伴ない、樹脂シート搬送ガイドロール13aを回転動作させつつ、加熱テーブル13bを成形位置に移動させる。このときは、樹脂シート搬送ガイドロール13aを下降させる。そして、次の搬送工程の準備のために、加熱テーブル13bを待機位置に移動させる前に、樹脂シート搬送ガイドロール13aを上昇させる。樹脂シート搬送ガイドロール13aが上昇すると、加熱テーブル13bを待機位置に移動させ、移動完了後に樹脂シート搬送ガイドロール13aを下降させる。
【0046】
上述してきた各部の動作の内容を考慮し、本熱成形装置10の動作シーケンスの概略を図13のフローチャートに示す。
同図において、熱成形装置を稼動させるに際して、最初に樹脂シート予備加熱部12のプレヒータロール12aを加熱する(ステップS100)。次に、樹脂シート搬送部13の加熱テーブル13bを加熱する(ステップS105)。このように加熱が必要とされる構成が所定の温度に加熱されると、樹脂シートSを樹脂シート熱成形部14に搬送するために加熱テーブル13bを待機位置から成形位置に移動させる(ステップS110)。樹脂シート熱成形部14では、樹脂シートSの搬送完了に対応して、上テーブル14aを下降させて成形型14bを樹脂シートSに略当接させる(ステップS115)。
【0047】
そして、真空発生部14dを動作させて熱成形を行なう(ステップS120)。熱成形が終了すると、上テーブル14aを上昇させるとともに(ステップS125)、樹脂シート搬送ガイドロール13aを上昇させる(ステップS130)。次に、加熱テーブル13bを待機位置に移動させ(ステップS135)、ステップS130にて上昇させた樹脂シート搬送ガイドロール13aを下降させ、当該樹脂シート搬送ガイドロール13aと鏡面板13b1とにて樹脂シートSに所定の押圧が作用されるようにする(ステップS140)。ここで、送りロール14eの回転動作による熱成形品が形成された樹脂シートSの搬送は、ステップS110の加熱テーブル13bの待機位置から成形位置への移動に対応して行なわれることになる。
【0048】
上述してきた実施形態においては、加熱テーブル13bを成形位置から待機位置に移動させるに際して、樹脂シート搬送ガイドロール13aを上昇させることによって、樹脂シートSと鏡面板13b1とが接触しないようにした。このように、樹脂シートSと鏡面板13b1とが接触しないようにする手法は、樹脂シート搬送ガイドロール13aを動作(上昇)させる手法に限定されるものではなく、加熱テーブル13bを動作させる手法を採用しても良い。
【0049】
図14は、このように加熱テーブル13bを動作させることが可能な樹脂シート搬送部13の態様を示した場合の側面図である。同図においては、加熱テーブル13b,ボールネジ13c5,13c6等の構成を油圧シリンダ30の上部31に配置する。このとき、樹脂シート搬送ガイドロール13aは、この油圧シリンダ30とは個別の筐体部分あるいは地面に固定される。そして、この油圧シリンダ30を上昇下降させることによって、樹脂シート搬送ガイドロール13aと鏡面板13b1との間が接触しない隙間を形成するようにする。
【0050】
図15および図16は、上述した樹脂シート搬送部13にて樹脂シートSを待機位置から成形位置に搬送する際の動作を示した動作図である。
図においては、上述してきた実施形態では、樹脂シート搬送ガイドロール13aの回転軸13a5に油圧シリンダ13a1〜13a4を作用させて所定の押圧が形成されるようにしたが、この実施形態では、樹脂シート搬送ガイドロール13aの回転軸13a5は固定し、油圧シリンダ30によって、上部31を上昇させることによって所定の押圧を図矢印方向に発生させる。
【0051】
そして、この押圧にて樹脂シートSをしごきながら、成形位置に加熱テーブル13bを搬送する。成形位置に加熱テーブル13bが搬送され、樹脂シート熱成形部14にて熱成形が行なわれると、油圧シリンダ30は、上昇させた上部31を下降させる。そして、待機位置に加熱テーブル13bを移動させる。これにより、加熱テーブル13bを成形位置から待機位置に移動する場合に、樹脂シートSと鏡面板13b1との間に隙間Δlを形成することが可能となり、樹脂シートSと鏡面板13b1とを接触しないようにすることが可能となる。
【0052】
このように、樹脂シート搬送部13に油圧シリンダ30を適用した場合に、上述してきた各部の動作の内容を考慮した本熱成形装置10の動作シーケンスの概略を図17のフローチャートに示す。
同図において、熱成形装置を稼動させるに際して、最初に樹脂シート予備加熱部12のプレヒータロール12aを加熱する(ステップS200)。次に、樹脂シート搬送部13の加熱テーブル13bを加熱する(ステップS205)。このように加熱が必要とされる構成が所定の温度に加熱されると、樹脂シートSを樹脂シート熱成形部14に搬送するために加熱テーブル13bを待機位置から成形位置に移動させる(ステップS210)。樹脂シート熱成形部14では、樹脂シートSの搬送完了に対応して、上テーブル14aを下降させて成形型14bを樹脂シートSに略当接させる(ステップS215)。
【0053】
そして、真空発生部14dを動作させて熱成形を行なう(ステップS220)。熱成形が終了すると、上テーブル14aを上昇させるとともに(ステップS225)、上部31を下降させる(ステップS230)。次に、加熱テーブル13bを待機位置に移動させ(ステップS235)、ステップS230にて下降させた上部31を上昇させ、樹脂シート搬送ガイドロール13aと鏡面板13b1とにて樹脂シートSに所定の押圧が作用されるようにする(ステップS240)。ここで、送りロール14eの回転動作による熱成形品が形成された樹脂シートSの搬送は、上述と同様にステップS210の加熱テーブル13bの待機位置から成形位置への移動に対応して行なわれることになる。
【0054】
このように、樹脂シート搬送部13を樹脂シート搬送ガイドロール13aと待機位置から成形位置に移動可能な加熱テーブル13bとにより構成するとともに、樹脂シート搬送ガイドロール13aと鏡面板13b1との間に介在する樹脂シートSに所定の押圧をかけて、樹脂シートSを鏡面板13b1上に略密着させることにより、樹脂シートSを適切に鏡面板13b1に載置させることが可能になるとともに、上述したように、樹脂シートSを鏡面板13b1上に略密着させるために、加熱テーブル13bに吸引機構を設置する必要がなくなり、熱成形装置10の構成を簡素化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる熱成形装置の概略構成を示した構成図である。
【図2】樹脂シート搬送部13の外観を斜視した外観斜視図である。
【図3】樹脂シート搬送部13を側面から見た側面図である。
【図4】樹脂シート搬送部に配置される加熱テーブルの断面を示した断面図である。
【図5】プレヒータロールの樹脂シート搬送方向に略垂直な平面における断面を示した断面図である。
【図6】樹脂シート搬送部を樹脂シートの搬送経路に略垂直に見た場合における要部の断面を示した前方断面図である。
【図7】熱成形装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図8】操作パネルの表示画面の一例を示した画面図である。
【図9】樹脂シート搬送ガイドロールによって樹脂シートが加熱テーブルの鏡面板に略密着される態様を示した図である。
【図10】樹脂シートを成形位置に搬送し、再度待機位置に移動する際の樹脂シート搬送ガイドロールおよび加熱テーブルの動作を示した動作図である。
【図11】樹脂シートを成形位置に搬送し、再度待機位置に移動する際の樹脂シート搬送ガイドロールおよび加熱テーブルの動作を示した動作図である。
【図12】樹脂シートを成形位置に搬送し、再度待機位置に移動する際の樹脂シート搬送ガイドロールおよび加熱テーブルの動作を示した動作図である。
【図13】熱成形装置の動作シーケンスの概略を示したフローチャートである。
【図14】加熱テーブルを動作させることが可能な樹脂シート搬送部の態様を示した場合の側面図である。
【図15】樹脂シート搬送部にて樹脂シートを待機位置から成形位置に搬送する際の動作を示した動作図である。
【図16】樹脂シート搬送部にて樹脂シートを待機位置から成形位置に搬送する際の動作を示した動作図である。
【図17】熱成形装置の動作シーケンスの概略を示したフローチャートである。
【符号の説明】
10…熱成形装置
11…樹脂シート搬入部
11a…ペイオフリール
11a1…樹脂シートロール
11b…ピンチロール
11c…樹脂シートガイド
12…樹脂シート予備加熱部
12a…樹脂シートガイドロール
12b…プレヒータロール
12b1…鉄心
12b2…コイル
12b3…ロール部材
12b4…ギア
12b5…プレヒータロール駆動制御部
13…樹脂シート搬送部
13a…樹脂シート搬送ガイドロール
13a1…油圧シリンダ
13a2…油圧シリンダ
13a3…油圧シリンダ
13a4…油圧シリンダ
13a5…回転軸
13b…加熱テーブル
13b1…鏡面板
13b2…加熱板
13b3…ヒータ
13b4…ヒートパイプ
13b5…ヒータ制御部
13c…加熱テーブル駆動部
13c1…駆動モータ
13c2…駆動伝達プーリ
13c3…駆動伝達ベルト
13c4…駆動伝達プーリ
13c5…ボールネジ
13c6…ボールネジ
13c7…ベアリング部
13c8…ベアリング部
13c9…ベアリング部
13c10…加熱テーブル駆動制御部
14…樹脂シート熱成形部
14a…上テーブル
14b…成形型
14c…上テーブル駆動部
14c1…樹脂シート熱成形部駆動制御部
14d…真空発生部
14e…送りロール
15…樹脂シートトリミング部
15a…成形樹脂シート受け台
15b…上テーブル
15c…トリミング刃型
15d…上テーブル駆動部
15d1…トリミング部駆動制御部
20…プログラマブルコントローラ
21…入出力部
22…操作パネル

Claims (10)

  1. 上面が鏡面に形成され、所定の待機位置と成形位置との間を相互に移動するとともに、同待機位置から成形位置に移動する際に、樹脂シートを上記鏡面上に載置しつつ成形位置に搬送する加熱テーブルと、
    上記待機位置にて上記鏡面上に樹脂シートを所定の押圧にて押し当てるとともに、上記加熱テーブルの上記成形位置への移動に合せて回転動作し上記樹脂シートを上記鏡面上に略密着させて載置させる回転ロールと、
    上記成形位置に移動した上記加熱テーブルと相対して配置され、同成形位置に搬送された上記鏡面上に載置された樹脂シートを所定形状の成形型により熱成形する熱成形機構とを具備することを特徴とする熱成形装置。
  2. 上記請求項1に記載の熱成形装置において、
    上記回転ロールは、上記鏡面上と略当接する外周面がシリコンにて形成されることを特徴とする熱成形装置。
  3. 上記請求項1または請求項2のいずれかに記載の熱成形装置において、
    上記所定の押圧は、上記回転ロールを上記加熱テーブルの鏡面に向かって押し付けることによって形成されることを特徴とする熱成形装置。
  4. 上記請求項1または請求項2のいずれかに記載の熱成形装置において、
    上記所定の押圧は、上記加熱テーブルの鏡面を上記回転ロールに向かって押し付けることによって形成されることを特徴とする熱成形装置。
  5. 上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の熱成形装置において、
    上記所定の押圧を調整する押圧調整機構を備えることを特徴とする熱成形装置。
  6. 上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の熱成形装置において、
    上記回転ロールが上記樹脂シートを上記加熱テーブルの鏡面上に押し当てつつ載置させる前に、加熱された樹脂シートを同回転ロールに供給する加熱樹脂シート供給機構を備えることを特徴とする熱成形装置。
  7. 上記請求項6に記載の熱成形装置において、
    上記加熱樹脂シート供給機構は、外周面を鏡面に形成された所定の加熱回転ロールを有するとともに、同加熱回転ロールの回転動作によって、樹脂シートを加熱しつつ上記回転ロールに供給することを特徴とする熱成形装置。
  8. 上記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の熱成形装置において、
    上記加熱テーブルの移動動作する移動長さを上記成形機構にて成形を行なうに際して必要となる樹脂シート長に調整可能な移動長調整機構を備えることを特徴とする熱成形装置。
  9. 上記請求項1〜請求項8のいずれかに記載の熱成形装置において、
    上記加熱テーブルの鏡面は、硬質クロムメッキにて形成されることを特徴とする熱成形装置。
  10. 加熱テーブルに載置された樹脂シートを成形する熱成形方法であって、
    上面が鏡面に形成され、所定の待機位置と成形位置との間を相互に移動する上記加熱テーブルを樹脂シートを鏡面上に載置しつつ同待機位置から成形位置に移動させることにより、同樹脂シートを同成形位置に搬送する樹脂シート搬送工程と、
    上記樹脂シート搬送工程にて樹脂シートを搬送するにあたり、上記待機位置にて上記加熱テーブルの鏡面上に樹脂シートを所定の押圧にて押し当てるとともに、上記移動に合せて回転動作する回転ロールによって、上記樹脂シートを同加熱テーブルの鏡面上に載置させる樹脂シート載置工程と、
    上記成形位置にて上記加熱テーブルと相対して配置され、同成形位置に搬送された加熱テーブルの鏡面上の樹脂シートを所定形状の成形型にて成形する樹脂シート成形工程とを具備することを特徴とする熱成形方法。
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