JP2002103438A - 熱成形装置および熱成形方法 - Google Patents

熱成形装置および熱成形方法

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JP2002103438A
JP2002103438A JP2000300319A JP2000300319A JP2002103438A JP 2002103438 A JP2002103438 A JP 2002103438A JP 2000300319 A JP2000300319 A JP 2000300319A JP 2000300319 A JP2000300319 A JP 2000300319A JP 2002103438 A JP2002103438 A JP 2002103438A
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heating table
mirror surface
thermoforming
heating
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俊広 高井
Akio Yoshikoshi
昭雄 吉越
Kenichi Mizoguchi
憲一 溝口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱テーブルの当接面を吸引気体の流路を確
保するために、粗面にすると、当該粗面状の細かい凹凸
が樹脂シートに転写されてしまい、透明の樹脂シートに
ついて成形を行う場合、成形品の透明性が低下してしま
うという課題があった。 【解決手段】 樹脂シート搬送部13を樹脂シート搬送
ガイドロール13aと待機位置から成形位置に移動可能
な加熱テーブル13bとにより構成するとともに、樹脂
シート搬送ガイドロール13aと鏡面板13b1との間
に介在する樹脂シートSに所定の押圧をかけて、樹脂シ
ートSを鏡面板13b1上に略密着させることにより、
樹脂シートSをしごくようにして鏡面板13b1に略密
着させつつ載置させることが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱成形装置および
熱成形方法に関し、特に、接触加熱成形を行う熱成形装
置および熱成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】接触加熱式の熱成形を行なう熱成形装置
においては、シート状に形成された軟化熱可塑性の樹脂
シートを加熱テーブルに搬送して、同加熱テーブル上で
樹脂シートを接触させて加熱し、加熱後に加熱テーブル
と対面する所定の成形型面に樹脂シートを当接させて成
形品を形成している。このとき、加熱テーブルにて加熱
した樹脂シートに加熱ムラがあると、成形品に肉厚ムラ
が発生するなどの原因になることから、均一に熱伝導を
行わせるために加熱テーブルと成形型面とに小穴を設け
て、同加熱テーブルの小穴を介して樹脂シートを吸引す
るとともに、成形型面の小穴を介して圧縮空気等で加熱
テーブルに押圧しつつ接触加熱を行っていた。
【0003】かかる熱成形装置では加熱テーブルでの吸
引時に、吸引漏れなどによって、樹脂シートと、加熱テ
ーブルとの当接面にエア溜まりが発生することが有り、
このエア溜りにより、成形品にレインドロップと呼ばれ
る雨滴状の模様が生じてしまうことがある。そこで、従
来の熱成形装置においては、加熱テーブルの当接面を所
定の粗面に形成することによって、吸引時のエアが抜け
る吸引気体流路を確保し、エア溜まりの発生を防いでい
た。また、接触加熱式の熱成形を行なう他の熱成形装置
としては、所定の材質を利用して加熱テーブルの上面を
鏡面に形成するとともに、上述と同様に、この加熱テー
ブルと成形型面とに小穴を設けて、同加熱テーブルの小
穴を介して樹脂シートを吸引し、成形型面の小穴を介し
て圧縮空気等で押圧しつつ接触加熱を行う方法があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の接触加
熱式を採用した熱成形装置において、前者の場合では、
加熱テーブルの当接面を吸引気体の流路を確保するため
に、粗面にすると、エア溜まりの発生を防いでレインド
ロップが生じないようにすることができるものの、加熱
テーブルの当接面が粗面であるために、当該粗面状の細
かい凹凸が樹脂シートに転写されてしまい、透明の樹脂
シートについて成形を行う場合、成形品の透明性が低下
してしまうという課題があった。また、後者の場合で
は、小穴周辺にエアが溜りレインドロップが発生してし
まうという課題があった。
【0005】本発明は、上記課題にかんがみてなされた
もので、成形品の透明性を確保することができるととも
に、レインドロップの発生をも防止し、高品位な樹脂成
形品を成形することが可能な熱成形装置および熱成形方
法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる発明は、上面が鏡面に形成され、
所定の待機位置と成形位置との間を相互に移動するとと
もに、同待機位置から成形位置に移動する際に、樹脂シ
ートを上記鏡面上に載置しつつ搬送する加熱テーブル
と、上記待機位置にて上記鏡面と所定の押圧により略当
接するとともに、上記加熱テーブルの上記成形位置への
移動に合せて回転動作し、上記押圧により上記樹脂シー
トを上記鏡面上に押し当てつつ載置させる回転ロール
と、上記成形位置に移動した上記加熱テーブルと相対し
て配置され、同成形位置に搬送された上記鏡面上に載置
された樹脂シートを所定形状の成形型により熱成形する
熱成形機構とを具備する構成としてある。
【0007】上記のように構成した請求項1にかかる発
明においては、加熱テーブルの上面を鏡面に形成し、こ
の加熱テーブルを所定の待機位置と成形位置との間を相
互に移動可能とする。そして、当該加熱テーブルは、上
記待機位置から成形位置に移動する際に、樹脂シートを
上面に形成された鏡面上に載置しつつ成形位置に搬送す
る。このとき、回転ロールは、待機位置にて上述した加
熱テーブルと所定の押圧により略当接しており、当該回
転ロールは、加熱テーブルが待機位置から成形位置に移
動するのに合せて回転動作する。ここで、回転ロール
は、加熱テーブルと所定の押圧により略当接しているの
で、樹脂シートを鏡面上に載置する場合は、この略当接
箇所に樹脂シートを噛み込ませ、当該回転ロールの回転
動作、および、加熱テーブルの成形位置への移動によっ
て、樹脂シートを鏡面上に押し当てつつ、当該鏡面上に
載置する。このように、加熱テーブルの鏡面上に押し当
てられつつ載置された樹脂シートは、成形位置に移動
し、この成形位置にて加熱テーブルと相対して配置され
ている成形機構によって所定形状の成形型によって熱成
形される。
【0008】このように、本発明では、加熱テーブルの
上面を真空で引込むための小穴は設けないで鏡面に形成
し、上記回転ロールと加熱テーブルの鏡面とに相互に働
く所定の押圧によって、樹脂シートを鏡面上に押し当て
つつ略密着させて載置させる。そして、この状態で熱成
形を行なう。これにより、樹脂シートを加熱テーブルに
略密着させるために、当該加熱テーブルに小穴を設け
て、この小穴を介して真空によって樹脂シートを引き込
むことにより発生するエア溜りによるレインドロップを
防止することができるとともに、空気退避路を設ける為
に、加熱テーブルの表面を粗面にする必要もないことか
ら、成形品の透明性を確保できることになる。
【0009】回転ロールは鏡面に所定の押圧により略当
接し、当該回転ロールの回転動作および加熱テーブルの
移動動作によって、樹脂シートを鏡面上に押し当てつつ
載置させることができれば良い。従って、鏡面と略当接
する回転ロールの外周面を形成する素材は特に限定され
るものではない。一方で、鏡面上に樹脂シートを押し当
てるにあたり、樹脂シート面に損傷を与えない素材が適
していることは言うまでもない。かかる場合、外周面に
弾性素材を採用すれば良く、例えば、ゴムであったり、
樹脂を採用することができる。また、回転ロールの外周
面に適用する弾性素材の他の好適な一例として、請求項
2にかかる発明は、上記請求項1に記載の熱成形装置に
おいて、上記回転ロールは、上記鏡面上と略当接する外
周面がシリコンにて形成される構成としてある。上記の
ように構成した請求項2にかかる発明においては、鏡面
上と略当接する回転ロールの外周面をシリコンにて形成
する。これにより、回転ロールと加熱テーブルとにより
介在する樹脂シートを所定の押圧にて押し付けても当該
樹脂シートの表面に損傷を付けることを回避できる。
【0010】回転ロールが樹脂シートを鏡面上に所定の
押圧で押し当てる場合、この押圧は、回転ロールの外周
面と鏡面上との間で発生させるようにすれば良い。この
場合、回転ロールの外周面を鏡面に押し付けることによ
って、当該押圧を発生させても良いし、鏡面を回転ロー
ルに押し付けることによって、当該押圧を発生させても
良い。この前者を採用した態様として、請求項3にかか
る発明は、上記請求項1または請求項2のいずれかに記
載の熱成形装置において、上記所定の押圧は、上記回転
ロールを上記加熱テーブルの鏡面に向かって押し付ける
ことによって形成される構成としてある。上記のように
構成した請求項3にかかる発明においては、待機位置に
て鏡面上と回転ロールとの間に介在する樹脂シートを押
し当てる所定の押圧を形成させるために、回転ロールを
加熱テーブルの鏡面に向かって押し付ける。
【0011】一方、後者を採用した態様として、請求項
4にかかる発明は、上記請求項1または請求項2のいず
れかに記載の熱成形装置において、上記所定の押圧は、
上記加熱テーブルの鏡面を上記回転ロールに向かって押
し付けることによって形成される構成としてある。上記
のように構成した請求項4にかかる発明においては、待
機位置にて鏡面上と回転ロールとの間に介在する樹脂シ
ートを押し当てる所定の押圧を形成させるために、回転
ロールを加熱テーブルの鏡面に向かって押し付ける。
【0012】このように、所定の押圧は、回転ロールを
鏡面に押し付けるようにして形成しても良いし、反対に
鏡面側を回転ロールに押し付けるようにして形成しても
良い。ここで、この所定の押圧は、樹脂シートの素材あ
るいは厚さ等を考慮して適宜変更できると好適である。
そこで、請求項5にかかる発明は、上記請求項1〜請求
項4のいずれかに記載の熱成形装置において、上記所定
の押圧を調整する押圧調整機構を備える構成としてあ
る。上記のように構成した請求項5にかかる発明におい
ては、本熱成形装置に押圧の圧力を調整することが可能
な押圧調整機構を備えさせる。そして、熱成形される樹
脂シートの素材や厚さを考慮して適宜押圧の圧力を調整
する。この押圧調整機構は、適宜押圧の圧力を調整可能
に圧力を発生させることができればよく、油圧シリンダ
や空気圧シリンダであっても良いし、サーボモータであ
っても良く、適宜採用可能である。
【0013】本発明においては、樹脂シートを回転ロー
ルを利用して加熱テーブルの鏡面に押し付けて略密着さ
せることによって、樹脂シートと加熱テーブルに空気が
入らないようにしている。かかる場合、回転ロールにて
樹脂シートを鏡面に押し付ける前に、樹脂シートがある
程度加熱軟化していると、より効果的に樹脂シートを鏡
面上に略密着させることが可能になる。
【0014】そこで、請求項6にかかる発明は、上記請
求項1〜請求項5のいずれかに記載の熱成形装置におい
て、上記回転ロールが上記樹脂シートを上記加熱テーブ
ルの鏡面上に押し当てつつ載置させる前に、加熱された
樹脂シートを同回転ロールに供給する加熱樹脂シート供
給機構を備える構成としてある。上記のように構成した
請求項6にかかる発明においては、本熱成形装置に回転
ロールが樹脂シートを加熱テーブルの鏡面上に押し当て
つつ略密着させて載置させる前に、樹脂シートを加熱
し、この加熱された樹脂シートを回転ロールに供給する
加熱樹脂シート供給機構を備えさせる。
【0015】上記加熱樹脂シート供給機構の一態様とし
て、請求項7にかかる発明は、上記請求項6に記載の熱
成形装置において、上記加熱樹脂シート供給機構は、外
周面を鏡面に形成された所定の加熱回転ロールを有する
とともに、同加熱回転ロールの回転動作によって、樹脂
シートを加熱しつつ上記回転ロールに供給する構成とし
てある。上記のように構成した請求項7にかかる発明に
おいては、加熱樹脂シート供給機構を外周面を鏡面に形
成された所定の加熱回転ロールを有する構成とし、この
加熱回転ロールにて樹脂シートを加熱しつつ回転動作さ
せて、樹脂シートを巻き出すことによって回転ロールに
供給する。
【0016】上述したように、加熱テーブルは待機位置
と成形位置との間を移動する。この移動する移動量は、
成形機構の成形型に依存することは言うまでもない。そ
こで、請求項8にかかる発明は、上記請求項1〜請求項
7のいずれかに記載の熱成形装置において、上記加熱テ
ーブルの移動動作する移動長さを上記成形機構にて成形
を行なうに際して必要となる樹脂シート長に調整可能な
移動長調整機構を備える構成としてある。上記のように
構成した請求項8にかかる発明においては、本熱成形装
置に加熱テーブルが移動動作する移動長さを成形機構に
て成形を行なうに際して必要となる樹脂シート長に調整
可能な移動長調整機構を備えさせる。
【0017】加熱テーブルにおいては、その上面を鏡面
に形成できればよく、その製法や素材等は様々である。
その構成の一例として、請求項9にかかる発明は、上記
請求項1〜請求項8のいずれかに記載の熱成形装置にお
いて、上記加熱テーブルの鏡面は、硬質クロムメッキに
て形成される構成としてある。上記のように構成した請
求項9にかかる発明において、加熱テーブルと樹脂シー
トとが当接する面である表面板上の鏡面は、硬質クロム
メッキにて形成されている。すなわち、種々の材料を鏡
面に形成するためには、ある程度の硬度や耐磨耗性等の
性質が要求される。そこで、表面板に対して、簡単に形
成することが可能であり、空気中で安定,光沢の変化が
少ない,硬い,耐磨耗性が良い等の好適な性質を有する
硬質クロムメッキを使用する。
【0018】さらに、このように回転ロールと加熱テー
ブルの鏡面上とにて形成される所定の押圧によって、樹
脂シートを同鏡面上に押し当てつつ載置し、この載置さ
れた樹脂シートを熱成形する手法は必ずしも実体のある
熱成形装置に限られる必要はなく、その方法としても機
能することは容易に理解できる。
【0019】このため、請求項10にかかる発明は、加
熱テーブルに載置された樹脂シートを成形する熱成形方
法であって、上面が鏡面に形成され、所定の待機位置と
成形位置とを相互に移動する上記加熱テーブルを樹脂シ
ートを鏡面上に載置しつつ同待機位置から成形位置に移
動させることにより、同樹脂シートを同成形位置に搬送
する樹脂シート搬送工程と、上記樹脂シート搬送工程に
て樹脂シートを搬送するにあたり、上記待機位置にて上
記加熱テーブルの鏡面と所定の押圧にて略当接し、上記
移動に合せて回転動作する回転ロールによって、上記樹
脂シートを同加熱テーブルの鏡面上に押し当てつつ載置
する樹脂シート載置工程と、上記成形位置にて上記加熱
テーブルと相対して配置され、同成形位置に搬送された
加熱テーブルの鏡面上の樹脂シートを所定形状の成形型
にて成形する樹脂シート成形工程とを具備する構成とし
てある。すなわち、必ずしも実体のある熱成形装置に限
られず、熱成形方法としても有効であることに相違はな
い。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、回転ロー
ルと加熱テーブルの鏡面とにて相互に発生させる所定の
押圧にて樹脂シートを当該鏡面上に押し付けることによ
って、回転ロールを回転させると同時に加熱テーブルを
待機位置から成形位置に移動させたときに、上記樹脂シ
ートを鏡面上に略密着させることが可能になり、これに
より、樹脂シートの加熱ムラを無くすことができるとと
もに、かかる状態で後工程である成形機構に樹脂シート
を搬入するため、成形品の肉厚ムラを無くすことがで
き、より品質の高い熱成形品を製造することが可能な熱
成形装置を提供することができる。また、請求項2にか
かる発明によれば、回転ロールにて樹脂シートを鏡面上
に押し当てても当該樹脂シートを損傷することがなくな
り、より品質のよい熱成形品を製造することが可能にな
る。
【0021】さらに、請求項3にかかる発明によれば、
所定の押圧を発生させる一態様を提示することができ
る。さらに、請求項4にかかる発明によれば、所定の押
圧を発生させる他の一態様を提示することが可能にな
る。さらに、請求項5にかかる発明によれば、所定の押
圧を樹脂シートの素材や厚さ等の仕様によって適宜調整
することが可能になる。さらに、請求項6にかかる発明
によれば、加熱テーブルに載置する前に予備加熱するこ
とによって、樹脂シートの鏡面に対する略密着度をより
向上させることが可能になり、より高品位な熱成形品を
提供することが可能になる。さらに、請求項7にかかる
発明によれば、加熱樹脂シート供給機構の具体的態様を
提示することが可能になる。
【0022】さらに、請求項8にかかる発明によれば、
成形機構にて成形に必要となる樹脂シート長に適宜調整
して加熱テーブルを移動させることが可能になる。さら
に、請求項9にかかる発明によれば、鏡面を形成する素
材として硬質クロムメッキを採用することによって、簡
単に加熱テーブルの上面を鏡面に形成することが可能に
なる。さらに、請求項10にかかる発明によれば、回転
ロールと加熱テーブルの鏡面とに相互に発生させる所定
の押圧にて樹脂シートを当該鏡面上に押し付けることに
よって、回転ロールを回転させると同時に加熱テーブル
を待機位置から成形位置に移動させたときに、上記樹脂
シートを鏡面上に略密着させることが可能になり、これ
により、樹脂シートの加熱ムラを無くすことができると
ともに、かかる状態で後工程である成形機構に樹脂シー
トを搬入するため、成形品の肉厚ムラを無くすことがで
き、より品質の高い熱成形品を製造することが可能な熱
成形方法を提供することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面にもとづいて本発明の
実施形態を説明する。図1は本発明にかかる熱成形装置
の概略構成を示した構成図である。同図において、本熱
成形装置10は、樹脂シート供給部11と、樹脂シート
予備加熱部12と、樹脂シート搬送部13と、樹脂シー
ト熱成形部14と、樹脂シートトリミング部15とを備
える構成となっている。この樹脂シート供給部11は、
ペイオフリール11aと、ピンチロール11bと、樹脂
シートガイド11cとを備えている。ペイオフリール1
1aには、樹脂シートSが巻き回しされた樹脂シートロ
ール11a1が備え付けられている。この樹脂シートS
は、樹脂シートロール11a1からペイオフリール11
aおよびピンチロール11bの回転駆動により巻き出さ
れて、樹脂シートガイド11cにて搬送経路を形成され
ることにより後工程に供給される。
【0024】樹脂シート予備加熱部12は、樹脂シート
ガイドロール12aと、プレヒータロール12bとを備
えている。上記樹脂シートガイド11cを通過した樹脂
シートSは、樹脂シートガイドロール12aにてプレヒ
ータロール12bに巻き回されるように導かれ、このプ
レヒータロール12bの外周に接触する。プレヒータロ
ール12bは、所定の手法によりその外周が加熱されて
いるため、樹脂シートSは、プレヒータロール12bの
外周に接触することによって、加熱されることになる。
本実施形態では、この加熱を予備加熱と言い、当該予備
加熱を実施することから、この範囲を樹脂シート予備加
熱部12と言う。そして、この加熱された樹脂シートS
は、樹脂シートガイドロール12aおよびプレヒータロ
ール12bの回転動作によって樹脂シート搬送部13に
供給される。
【0025】樹脂シート搬送部13は、樹脂シート搬送
ガイドロール13aと、加熱テーブル13bと、加熱テ
ーブル駆動部13cとを備えるとともに、加熱テーブル
13bの上面は鏡面板13b1が形成されている。上述
したように、樹脂シートSは樹脂シート予備加熱部12
から樹脂シート搬送部13に供給される。この樹脂シー
ト搬送部13は、加熱テーブル13bの上面にある鏡面
板13b1に樹脂シートSを略密着させて、後工程の樹
脂シート熱成形部14に搬送する。このとき、樹脂シー
ト搬送ガイドロール13aは、鏡面板13b1と所定の
押圧を形成して略当接した位置関係に設置される。
【0026】樹脂シート予備加熱部12から供給された
樹脂シートSは、この樹脂シート搬送ガイドロール13
aと鏡面板13b1との間に供給される。そして、樹脂
シートSを樹脂シート熱成形部14に搬送するに際し
て、樹脂シート搬送ガイドロール13aを回転動作させ
るとともに、この回転動作に同期して、加熱テーブル1
3bを樹脂シート熱成形部14の方向に対して移動させ
る。この加熱テーブル13bの移動は、図示しない駆動
モータや駆動軸が配設された加熱テーブル駆動部13c
にて行なわれる。これにより、樹脂シートSは、樹脂シ
ート搬送ガイドロール13aにて鏡面板13b1上に押
し付けられつつ、加熱テーブル13bの移動に伴う当該
鏡面板13b1の移動によって、この鏡面板13b1の
上面に載置されることになる。
【0027】このとき、上述したように、樹脂シートS
は、樹脂シート搬送ガイドロール13aにて鏡面板13
b1上に押し付けられているため、略密着して鏡面板1
3b1上に載置されることになる。ここで、図において
は、樹脂シート熱成形部14に搬送された加熱テーブル
13b、および、鏡面板13b1を点線枠にて示してい
る。この加熱テーブル13bは、所定の手法によって加
熱されており、鏡面板13b1に載置された樹脂シート
Sは、接触加熱されることによって可塑化することにな
る。本実施形態においては、樹脂シート搬送ガイドロー
ル13aは、その外周がシリコンにて形成され、樹脂シ
ートSを鏡面板13b1に対して所定の押圧で押し付け
ても当該樹脂シートSの表面が損傷しないようにしてあ
る。また、本実施形態においては、図にて実線で示した
加熱テーブル13bの位置を加熱テーブル13bの待機
位置とし、図にて点線で示した加熱テーブル13bの位
置を加熱テーブル13bの成形位置とする。
【0028】樹脂シート熱成形部14は、上テーブル1
4aと、成形型14bと、上テーブル14aにリンク構
造を介して接続する上テーブル駆動部14cと、真空発
生部14dと、送りロール14eとを備えている。樹脂
シート搬送部13によって鏡面板13b1上に樹脂シー
トSが略密着されて載置された加熱テーブル13bが樹
脂シート熱成形部14に搬送されると、上テーブル14
aが、上テーブル駆動部14cの動作によって、樹脂シ
ートSに向かって下降する。この上テーブル14aの樹
脂シートSに対面する側には、雌型である成形型14b
が型面を樹脂シートSに向けて配設されており、各雌型
の型間は上テーブル14aの下降によって樹脂シートS
に略当接する。
【0029】これにより、樹脂シートSと成形型14b
の内面とは略密封された状態になる。このとき、真空発
生部14dを作動させることにより、この略密封状態の
空間から空気を吸引すると、樹脂シートSは、成形型1
4bの型内面に吸い付けられる。これによって、樹脂シ
ートSに対する熱成形が行なわれる。真空発生部14d
の作動により熱成形品が樹脂シートSに形成されると、
上テーブル駆動部14cの動作によって、上テーブル1
4aが上昇し、熱成形が終了する。熱成形が終了した樹
脂シートSは、送りロール14eによって、樹脂シート
トリミング部15に搬送される。
【0030】樹脂シートトリミング部15は、成形樹脂
シート受け台15aと、上テーブル15bと、トリミン
グ刃型15cと、上テーブル15bにリンク構造を介し
て接続する上テーブル駆動部15dとを備えている。樹
脂シートトリミング部15は樹脂シート熱成形部14の
送りロール14eによって熱成形品が形成されている樹
脂シートSの供給を受ける。この樹脂シートSは、成形
樹脂シート受け台15aに搬入され、この搬入を受け
て、上テーブル15bが上テーブル駆動部15dの動作
によって、樹脂シートSに向かって下降する。この上テ
ーブル15bの樹脂シートSに対面する側には、トムソ
ン刃にて構成されるトリミング刃型15cが刃型面を樹
脂シートSに向けて配設されており、各トリミング刃型
15cは上テーブル14aの下降によって樹脂シートS
に略当接する。これにより、樹脂シートSに形成されて
いる熱成形品がトリミングされることになる。
【0031】以上の一連の動作が本熱成形装置10にて
実施される熱成形品形成サイクルにおける樹脂シート供
給部11,樹脂シート予備加熱部12,樹脂シート搬送
部13,樹脂シート熱成形部14,樹脂シートトリミン
グ部15の動作であり、これらの動作は、樹脂シート熱
成形部14での熱成形インターバルに基づいて、適宜同
期して動作することになる。
【0032】図2は、樹脂シート搬送部13の外観を斜
視した外観斜視図であるとともに、図3は、当該樹脂シ
ート搬送部13を側面から見た側面図である。図におい
て、樹脂シート搬送部13は、上記した樹脂シート搬送
ガイドロール13a,加熱テーブル13b,鏡面板13
b1,加熱テーブル駆動部13cとともに、この加熱テ
ーブル駆動部13cの構成として、駆動モータ13c1
と、駆動伝達プーリ13c2と、駆動伝達ベルト13c
3と、駆動伝達プーリ13c4と、ボールネジ13c
5,13c6と、ベアリング部13c7,13c8,1
3c9とを備えている。
【0033】かかる構成において、加熱テーブル13b
が待機位置から成形位置に搬送されるに際して、駆動モ
ータ13c1が回転動作する。この駆動モータ13c1
の回転動作は、駆動伝達プーリ13c2→駆動伝達ベル
ト13c3→駆動伝達プーリ13c4と伝達される。こ
の伝達された回転動作は、ボールネジ13c5,13c
6の回転動作に変換される。ここで、ボールネジ13c
5,13c6は、その両端にベアリング部13c7,1
3c8,13c9が配設されているため、駆動モータ1
3c1の回転動作に合せて回転することが可能になって
いる。
【0034】ここで、本熱成形装置10において、樹脂
シートSを加熱する機構について説明する。図4は、樹
脂シート搬送部13に配置される加熱テーブル13bの
断面を示した断面図である。同図において、加熱テーブ
ル13bの内部には、同加熱テーブル13bの上面に形
成された鏡面板13b1に当接されるようにして加熱板
13b2が配設されている。同加熱板13b2の下部に
は樹脂シートSの搬送方向に対して略直角方向に長い筒
状体からなるヒータ13b3に接続された複数のヒート
パイプ13b4が埋設されており、同ヒートパイプ13
b4は、ヒータ制御部13b5の制御によって加熱板1
3b2を加熱するようになっている。また、鏡面板13
b1の上面は、平面研削後にラッピング処理を行ってか
ら硬質クロムメッキが施されており、さらに同メッキ面
を平面研削後にラッピング処理が施され、さらにバフ研
磨によって所定の鏡面に仕上げられている。
【0035】図5は、プレヒータロール12bの樹脂シ
ート搬送方向に略垂直な平面における断面を示した断面
図である。同図において、プレヒートロール12bは、
樹脂シートSの搬送方向に略直角に向いた軸を有する円
筒状のロールであって、中心に鉄心12b1を備えられ
ており、同鉄心12b1の周りには複数のコイル12b
2が巻き付けられている。そして、鉄心12b1および
コイル12b2の周りには、鉄心12b1と同軸にして
ロール部材12b3が備えられており、同ロール部材1
2b3は、ギヤ12b4に連結されている。このギヤ1
2b4は、プレヒータロール駆動制御部12b5に接続
されており、プレヒータロール駆動制御部12b5の制
御によってギヤ12b4を介してロール部材12b3が
回転動作する。また、コイル12b2は、上記ヒータ制
御部13b5に接続されており、同ヒータ制御部13b
5の制御によりコイル12b2に電力が供給され、電磁
誘導によって発熱させることが可能となっている。
【0036】また、樹脂シートSの搬送経路には、上述
した同プレヒートロール12bより小さい径を有する樹
脂シートガイドロール12aが、搬送経路に沿ってプレ
ヒートロール12bと軸平行に配設されている。この樹
脂シートガイドロール12aの外周面とプレヒートロー
ル12bの外周面とは、搬送される樹脂シートSのシー
ト厚と略同一距離だけ離間され、この離間部分に樹脂シ
ートSを挟み込んで送るようになっている。すなわち、
プレヒートロール12bの下側で樹脂シートガイドロー
ル12aによってガイドすることによって樹脂シートS
をプレヒートロール12bの外周面に当接させて熱的接
触を確保しつつ送るようになっている。
【0037】図6は、樹脂シート搬送部13を、前方、
すなわち、樹脂シートSの搬送経路に対して略垂直に見
た場合における要部の断面を示した前方断面図である。
同図において、上述したように樹脂シート搬送ガイドロ
ール13aは、樹脂シートSを介在させて鏡面板13b
1に所定の押圧にて押し付けられている。この所定の押
圧は、樹脂シート搬送ガイドロール13aの回転軸13
a5に作用するように設置された油圧シリンダ13a1
〜13a4にて形成される。すなわち、鏡面板13b1
に対して、樹脂シート搬送ガイドロール13aを押し付
ける場合は、油圧シリンダ13a1,13a3のシリン
ダを伸長させる。そして、この伸長に対応して油圧シリ
ンダ13a2,13a4のシリンダを短縮させる。これ
によって、回転軸13a5は、樹脂シート搬送ガイドロ
ール13aの外周面と鏡面板13b1の上面にて適切な
間隙が設けられるように位置決めされつつ所定の押圧を
回転軸13a5に作用させることが可能になる。そし
て、この回転軸13a5に作用された所定の押圧によっ
て鏡面板13b1上に樹脂シートSを押し付ける。
【0038】図7は、本熱成形装置10の制御系の構成
を示すブロック図である。同図において、本熱成形装置
10の制御系は、プログラマブルコントローラ60に、
上述したプレヒータロール駆動制御部12b5,ヒータ
制御部13b5が接続されるとともに、加熱テーブル1
3bを待機位置から成形位置に搬送する加熱テーブル駆
動部13cを制御する加熱テーブル駆動制御部13c1
0と、樹脂シート熱成形部14の上テーブル駆動部14
cを制御する樹脂シート熱成形部駆動制御部14c1
と、樹脂シートトリミング部15の上テーブル駆動部1
5dを制御するトリミング部駆動制御部15d1と、入
出力部21とが接続されて構成されている。
【0039】ここで、入出力部21は、操作パネル22
を備えるディスプレイが接続されており、この操作パネ
ル22での所定のキー入力操作によって、樹脂シートS
の素材情報や、熱成形サイクルに必要となる樹脂シート
Sの長さや、樹脂シート搬送ガイドロール13aおよび
鏡面板13b1にて樹脂シートSに作用させる所定の押
圧の圧力等の設定を受け付ける入力インターフェースを
構成するとともに、熱成形装置10の稼動中におけるラ
イン速度や、樹脂シート予備加熱部12、あるいは、加
熱テーブル13bの加熱温度等のステータスを表示する
ことが可能になっている。ここで、図8にこの操作パネ
ル22の一例を示した画面図を示す。このように操作パ
ネル22では、「素材」101にて樹脂シートSの素材
を入力する。
【0040】このとき、素材選択ボタン101bを利用
して適宜素材情報を素材設定欄101aに表示させつ
つ、適宜適切な素材を設定する。また、「厚さ」102
にて樹脂シートSの厚さを入力する。このとき、素材選
択ボタン102bを利用して適宜厚さ情報を厚さ設定欄
102aに表示させつつ、適宜適切な厚さを設定する。
そして、「成形長さ」103にて樹脂シートSの熱成形
を行なうにあたり必要となる成形長さを入力する。この
とき、成形長さ選択ボタン103bを利用して適宜成形
長さを成形長さ設定欄103aに表示させつつ、適宜適
切な成形長さを設定する。このように設定された「素
材」101,「厚さ」102は、所定の押圧の圧力値の
算出に利用されるとともに、「成形長さ」103は加熱
テーブル13bの待機位置から成形位置への移動量の算
出に利用される。
【0041】次に、ヒータ制御部13b5は、プレヒー
タロール12bのコイル12b2と、加熱板13b2と
に埋設されるヒートパイプ13b4と、ヒータ13b3
とに接続されており、樹脂シートS搬送時のプレヒータ
ロール12bでの予備加熱と、樹脂シートS搬送時の加
熱テーブル13bでの加熱を所定のタイミングで行うよ
うになっている。また、加熱テーブル駆動制御部13c
10は、図示しないサーボアンプ、あるいは、インバー
タに、加熱テーブル13bの成形位置に対する動作を決
定する所定の位置決め指令値等を出力する。そして、上
述した駆動モータ13c1は、この位置決め指令値に基
づいて回転駆動し、この位置決め指令値は、ボールネジ
13c5,13c6の回転動作を介して実現されること
になる。
【0042】樹脂シート熱成形部駆動制御部14c1
は、樹脂シート搬送部13にて鏡面板13b1上に樹脂
シートSの略密着させられた加熱テーブル13bが成形
位置に搬送されたタイミングで、上テーブル駆動部14
cを制御し、上テーブル14aを下降させるとともに、
熱成形後に上テーブル14aを上昇させる。そして、送
りロール14eの回転動作を制御して、成形後の樹脂シ
ートSを樹脂シートトリミング部15に搬送する。ま
た、トリミング部駆動制御部15d1は、熱成形品が形
成された樹脂シートSが搬送されたタイミングで上テー
ブル駆動部15dを制御し、上テーブル15bを下降さ
せるとともに、トリミング後に上テーブル15bを上昇
させる。
【0043】ここで、上述してきた、樹脂シート搬送ガ
イドロール13aによって樹脂シートSが加熱テーブル
13bの鏡面板13b1に略密着される態様を図9に示
す。同図において、樹脂シート搬送ガイドロール13a
と鏡面板13b1とは図矢印に示すように樹脂シートS
に対して相互によって所定の押圧が作用されている。そ
して、この押圧を作用させながら、樹脂シートSを鏡面
板13b1の上面に略密着させるために樹脂シート搬送
ガイドロール13aを回転軸を固定した状態で矢印方向
に回転動作させつつ、加熱テーブル13bを待機位置か
ら成形位置へと矢印方向に移動させる。すると、樹脂シ
ートSは鏡面板13b1上に略密着されて載置されるこ
とになる。すなわち、本実施形態においては、樹脂シー
ト搬送ガイドロール13aと鏡面板13b1との間での
所定の押圧にて樹脂シートSを「しごく」ことによっ
て、鏡面板13b1に略密着させる。
【0044】このように、樹脂シート搬送ガイドロール
13aと鏡面板13b1との間には所定の押圧が発生す
るようになっている。このとき、成形位置に移動した加
熱テーブル13bを再度、待機位置に移動させる場合、
鏡面板13b1が樹脂シートSに接触してしまうことが
発生する。このように接触すると、樹脂シートSの鏡面
板13b1との接触部位に損傷が発生し熱成形品の透明
度が低下し、品質を損なう原因となり得る。そこで、本
実施形態においては、樹脂シート搬送ガイドロール13
aを上述した油圧シリンダ13a1〜13a4の動作に
よって適宜上昇下降させることにより、成形位置から待
機位置への移動において、樹脂シートSが鏡面板13b
1に接触しないようにする。
【0045】図10〜図12は、上記樹脂シート搬送ガ
イドロール13aの上昇下降を実施した場合であって、
加熱テーブル13bの移動によって樹脂シートSを成形
位置に搬送し、再度、待機位置に移動する際の樹脂シー
ト搬送ガイドロール13aおよび加熱テーブル13bの
動作を示した動作図である。最初、図10に示すように
加熱テーブル13bは、待機位置に停止している。そし
て、樹脂シートSの搬送の開始に伴ない、樹脂シート搬
送ガイドロール13aを回転動作させつつ、加熱テーブ
ル13bを成形位置に移動させる。このときは、樹脂シ
ート搬送ガイドロール13aを下降させる。そして、次
の搬送工程の準備のために、加熱テーブル13bを待機
位置に移動させる前に、樹脂シート搬送ガイドロール1
3aを上昇させる。樹脂シート搬送ガイドロール13a
が上昇すると、加熱テーブル13bを待機位置に移動さ
せ、移動完了後に樹脂シート搬送ガイドロール13aを
下降させる。
【0046】上述してきた各部の動作の内容を考慮し、
本熱成形装置10の動作シーケンスの概略を図13のフ
ローチャートに示す。同図において、熱成形装置を稼動
させるに際して、最初に樹脂シート予備加熱部12のプ
レヒータロール12aを加熱する(ステップS10
0)。次に、樹脂シート搬送部13の加熱テーブル13
bを加熱する(ステップS105)。このように加熱が
必要とされる構成が所定の温度に加熱されると、樹脂シ
ートSを樹脂シート熱成形部14に搬送するために加熱
テーブル13bを待機位置から成形位置に移動させる
(ステップS110)。樹脂シート熱成形部14では、
樹脂シートSの搬送完了に対応して、上テーブル14a
を下降させて成形型14bを樹脂シートSに略当接させ
る(ステップS115)。
【0047】そして、真空発生部14dを動作させて熱
成形を行なう(ステップS120)。熱成形が終了する
と、上テーブル14aを上昇させるとともに(ステップ
S125)、樹脂シート搬送ガイドロール13aを上昇
させる(ステップS130)。次に、加熱テーブル13
bを待機位置に移動させ(ステップS135)、ステッ
プS130にて上昇させた樹脂シート搬送ガイドロール
13aを下降させ、当該樹脂シート搬送ガイドロール1
3aと鏡面板13b1とにて樹脂シートSに所定の押圧
が作用されるようにする(ステップS140)。ここ
で、送りロール14eの回転動作による熱成形品が形成
された樹脂シートSの搬送は、ステップS110の加熱
テーブル13bの待機位置から成形位置への移動に対応
して行なわれることになる。
【0048】上述してきた実施形態においては、加熱テ
ーブル13bを成形位置から待機位置に移動させるに際
して、樹脂シート搬送ガイドロール13aを上昇させる
ことによって、樹脂シートSと鏡面板13b1とが接触
しないようにした。このように、樹脂シートSと鏡面板
13b1とが接触しないようにする手法は、樹脂シート
搬送ガイドロール13aを動作(上昇)させる手法に限
定されるものではなく、加熱テーブル13bを動作させ
る手法を採用しても良い。
【0049】図14は、このように加熱テーブル13b
を動作させることが可能な樹脂シート搬送部13の態様
を示した場合の側面図である。同図においては、加熱テ
ーブル13b,ボールネジ13c5,13c6等の構成
を油圧シリンダ30の上部31に配置する。このとき、
樹脂シート搬送ガイドロール13aは、この油圧シリン
ダ30とは個別の筐体部分あるいは地面に固定される。
そして、この油圧シリンダ30を上昇下降させることに
よって、樹脂シート搬送ガイドロール13aと鏡面板1
3b1との間が接触しない隙間を形成するようにする。
【0050】図15および図16は、上述した樹脂シー
ト搬送部13にて樹脂シートSを待機位置から成形位置
に搬送する際の動作を示した動作図である。図において
は、上述してきた実施形態では、樹脂シート搬送ガイド
ロール13aの回転軸13a5に油圧シリンダ13a1
〜13a4を作用させて所定の押圧が形成されるように
したが、この実施形態では、樹脂シート搬送ガイドロー
ル13aの回転軸13a5は固定し、油圧シリンダ30
によって、上部31を上昇させることによって所定の押
圧を図矢印方向に発生させる。
【0051】そして、この押圧にて樹脂シートSをしご
きながら、成形位置に加熱テーブル13bを搬送する。
成形位置に加熱テーブル13bが搬送され、樹脂シート
熱成形部14にて熱成形が行なわれると、油圧シリンダ
30は、上昇させた上部31を下降させる。そして、待
機位置に加熱テーブル13bを移動させる。これによ
り、加熱テーブル13bを成形位置から待機位置に移動
する場合に、樹脂シートSと鏡面板13b1との間に隙
間Δlを形成することが可能となり、樹脂シートSと鏡
面板13b1とを接触しないようにすることが可能とな
る。
【0052】このように、樹脂シート搬送部13に油圧
シリンダ30を適用した場合に、上述してきた各部の動
作の内容を考慮した本熱成形装置10の動作シーケンス
の概略を図17のフローチャートに示す。同図におい
て、熱成形装置を稼動させるに際して、最初に樹脂シー
ト予備加熱部12のプレヒータロール12aを加熱する
(ステップS200)。次に、樹脂シート搬送部13の
加熱テーブル13bを加熱する(ステップS205)。
このように加熱が必要とされる構成が所定の温度に加熱
されると、樹脂シートSを樹脂シート熱成形部14に搬
送するために加熱テーブル13bを待機位置から成形位
置に移動させる(ステップS210)。樹脂シート熱成
形部14では、樹脂シートSの搬送完了に対応して、上
テーブル14aを下降させて成形型14bを樹脂シート
Sに略当接させる(ステップS215)。
【0053】そして、真空発生部14dを動作させて熱
成形を行なう(ステップS220)。熱成形が終了する
と、上テーブル14aを上昇させるとともに(ステップ
S225)、上部31を下降させる(ステップS23
0)。次に、加熱テーブル13bを待機位置に移動させ
(ステップS235)、ステップS230にて下降させ
た上部31を上昇させ、樹脂シート搬送ガイドロール1
3aと鏡面板13b1とにて樹脂シートSに所定の押圧
が作用されるようにする(ステップS240)。ここ
で、送りロール14eの回転動作による熱成形品が形成
された樹脂シートSの搬送は、上述と同様にステップS
210の加熱テーブル13bの待機位置から成形位置へ
の移動に対応して行なわれることになる。
【0054】このように、樹脂シート搬送部13を樹脂
シート搬送ガイドロール13aと待機位置から成形位置
に移動可能な加熱テーブル13bとにより構成するとと
もに、樹脂シート搬送ガイドロール13aと鏡面板13
b1との間に介在する樹脂シートSに所定の押圧をかけ
て、樹脂シートSを鏡面板13b1上に略密着させるこ
とにより、樹脂シートSを適切に鏡面板13b1に載置
させることが可能になるとともに、上述したように、樹
脂シートSを鏡面板13b1上に略密着させるために、
加熱テーブル13bに吸引機構を設置する必要がなくな
り、熱成形装置10の構成を簡素化することが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる熱成形装置の概略構成を示した
構成図である。
【図2】樹脂シート搬送部13の外観を斜視した外観斜
視図である。
【図3】樹脂シート搬送部13を側面から見た側面図で
ある。
【図4】樹脂シート搬送部に配置される加熱テーブルの
断面を示した断面図である。
【図5】プレヒータロールの樹脂シート搬送方向に略垂
直な平面における断面を示した断面図である。
【図6】樹脂シート搬送部を樹脂シートの搬送経路に略
垂直に見た場合における要部の断面を示した前方断面図
である。
【図7】熱成形装置の制御系の構成を示すブロック図で
ある。
【図8】操作パネルの表示画面の一例を示した画面図で
ある。
【図9】樹脂シート搬送ガイドロールによって樹脂シー
トが加熱テーブルの鏡面板に略密着される態様を示した
図である。
【図10】樹脂シートを成形位置に搬送し、再度待機位
置に移動する際の樹脂シート搬送ガイドロールおよび加
熱テーブルの動作を示した動作図である。
【図11】樹脂シートを成形位置に搬送し、再度待機位
置に移動する際の樹脂シート搬送ガイドロールおよび加
熱テーブルの動作を示した動作図である。
【図12】樹脂シートを成形位置に搬送し、再度待機位
置に移動する際の樹脂シート搬送ガイドロールおよび加
熱テーブルの動作を示した動作図である。
【図13】熱成形装置の動作シーケンスの概略を示した
フローチャートである。
【図14】加熱テーブルを動作させることが可能な樹脂
シート搬送部の態様を示した場合の側面図である。
【図15】樹脂シート搬送部にて樹脂シートを待機位置
から成形位置に搬送する際の動作を示した動作図であ
る。
【図16】樹脂シート搬送部にて樹脂シートを待機位置
から成形位置に搬送する際の動作を示した動作図であ
る。
【図17】熱成形装置の動作シーケンスの概略を示した
フローチャートである。
【符号の説明】
10…熱成形装置 11…樹脂シート搬入部 11a…ペイオフリール 11a1…樹脂シートロール 11b…ピンチロール 11c…樹脂シートガイド 12…樹脂シート予備加熱部 12a…樹脂シートガイドロール 12b…プレヒータロール 12b1…鉄心 12b2…コイル 12b3…ロール部材 12b4…ギア 12b5…プレヒータロール駆動制御部 13…樹脂シート搬送部 13a…樹脂シート搬送ガイドロール 13a1…油圧シリンダ 13a2…油圧シリンダ 13a3…油圧シリンダ 13a4…油圧シリンダ 13a5…回転軸 13b…加熱テーブル 13b1…鏡面板 13b2…加熱板 13b3…ヒータ 13b4…ヒートパイプ 13b5…ヒータ制御部 13c…加熱テーブル駆動部 13c1…駆動モータ 13c2…駆動伝達プーリ 13c3…駆動伝達ベルト 13c4…駆動伝達プーリ 13c5…ボールネジ 13c6…ボールネジ 13c7…ベアリング部 13c8…ベアリング部 13c9…ベアリング部 13c10…加熱テーブル駆動制御部 14…樹脂シート熱成形部 14a…上テーブル 14b…成形型 14c…上テーブル駆動部 14c1…樹脂シート熱成形部駆動制御部 14d…真空発生部 14e…送りロール 15…樹脂シートトリミング部 15a…成形樹脂シート受け台 15b…上テーブル 15c…トリミング刃型 15d…上テーブル駆動部 15d1…トリミング部駆動制御部 20…プログラマブルコントローラ 21…入出力部 22…操作パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 溝口 憲一 愛知県愛知郡東郷町大字諸輪字北山158番 地の247 株式会社浅野研究所内 Fターム(参考) 4F208 AJ02 AJ05 AJ09 AM24 AM32 AR02 MH06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面が鏡面に形成され、所定の待機位置
    と成形位置との間を相互に移動するとともに、同待機位
    置から成形位置に移動する際に、樹脂シートを上記鏡面
    上に載置しつつ成形位置に搬送する加熱テーブルと、 上記待機位置にて上記鏡面上に樹脂シートを所定の押圧
    にて押し当てるとともに、上記加熱テーブルの上記成形
    位置への移動に合せて回転動作し上記樹脂シートを上記
    鏡面上に略密着させて載置させる回転ロールと、 上記成形位置に移動した上記加熱テーブルと相対して配
    置され、同成形位置に搬送された上記鏡面上に載置され
    た樹脂シートを所定形状の成形型により熱成形する熱成
    形機構とを具備することを特徴とする熱成形装置。
  2. 【請求項2】 上記請求項1に記載の熱成形装置におい
    て、 上記回転ロールは、上記鏡面上と略当接する外周面がシ
    リコンにて形成されることを特徴とする熱成形装置。
  3. 【請求項3】 上記請求項1または請求項2のいずれか
    に記載の熱成形装置において、 上記所定の押圧は、上記回転ロールを上記加熱テーブル
    の鏡面に向かって押し付けることによって形成されるこ
    とを特徴とする熱成形装置。
  4. 【請求項4】 上記請求項1または請求項2のいずれか
    に記載の熱成形装置において、 上記所定の押圧は、上記加熱テーブルの鏡面を上記回転
    ロールに向かって押し付けることによって形成されるこ
    とを特徴とする熱成形装置。
  5. 【請求項5】 上記請求項1〜請求項4のいずれかに記
    載の熱成形装置において、 上記所定の押圧を調整する押圧調整機構を備えることを
    特徴とする熱成形装置。
  6. 【請求項6】 上記請求項1〜請求項5のいずれかに記
    載の熱成形装置において、 上記回転ロールが上記樹脂シートを上記加熱テーブルの
    鏡面上に押し当てつつ載置させる前に、加熱された樹脂
    シートを同回転ロールに供給する加熱樹脂シート供給機
    構を備えることを特徴とする熱成形装置。
  7. 【請求項7】 上記請求項6に記載の熱成形装置におい
    て、 上記加熱樹脂シート供給機構は、外周面を鏡面に形成さ
    れた所定の加熱回転ロールを有するとともに、同加熱回
    転ロールの回転動作によって、樹脂シートを加熱しつつ
    上記回転ロールに供給することを特徴とする熱成形装
    置。
  8. 【請求項8】 上記請求項1〜請求項7のいずれかに記
    載の熱成形装置において、 上記加熱テーブルの移動動作する移動長さを上記成形機
    構にて成形を行なうに際して必要となる樹脂シート長に
    調整可能な移動長調整機構を備えることを特徴とする熱
    成形装置。
  9. 【請求項9】 上記請求項1〜請求項8のいずれかに記
    載の熱成形装置において、 上記加熱テーブルの鏡面は、硬質クロムメッキにて形成
    されることを特徴とする熱成形装置。
  10. 【請求項10】 加熱テーブルに載置された樹脂シート
    を成形する熱成形方法であって、 上面が鏡面に形成され、所定の待機位置と成形位置との
    間を相互に移動する上記加熱テーブルを樹脂シートを鏡
    面上に載置しつつ同待機位置から成形位置に移動させる
    ことにより、同樹脂シートを同成形位置に搬送する樹脂
    シート搬送工程と、 上記樹脂シート搬送工程にて樹脂シートを搬送するにあ
    たり、上記待機位置にて上記加熱テーブルの鏡面上に樹
    脂シートを所定の押圧にて押し当てるとともに、上記移
    動に合せて回転動作する回転ロールによって、上記樹脂
    シートを同加熱テーブルの鏡面上に載置させる樹脂シー
    ト載置工程と、 上記成形位置にて上記加熱テーブルと相対して配置さ
    れ、同成形位置に搬送された加熱テーブルの鏡面上の樹
    脂シートを所定形状の成形型にて成形する樹脂シート成
    形工程とを具備することを特徴とする熱成形方法。
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