JP4510712B2 - マルチキャリア信号受信機及びマルチキャリア信号受信方法 - Google Patents
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MMSE合成の方法を用いたCDMA方式のマルチキャリア信号受信機については非特許文献1に記載されている。また、フレームの前後にパイロットチャネルPICHを挿入するだけでなく、フレームの中心にパイロットチャネルPICHを挿入するフレーム構成も提案されている(非特許文献2)。
「信学技報RCS2001−166」、社団法人電子情報通信学会、2001年10月発行 「信学技報RCS2002−85」、社団法人電子情報通信学会、2002年6月発行
すなわち、フレームの時間間隔は、伝搬路の変動の速い(ドップラ周波数が高い)場合においても伝搬路の変動が十分に小さくなるよう設定されるのが通常であるため、ほとんどの場合は、フレームの前後で単調なわずかな変化が生じるが、これが受信信号の復調時に悪影響となることはない。しかしながら、伝搬路推定値hmと実際の伝搬路の差が、フレームの中間点近傍では非常に小さいのに対して、フレームの前後では多少の差が生じ、この差が雑音電力推定値に大きく利いてしまって、上記問題を生じる原因となる。その他に、パイロットチャネルPICHの電力を大きくした場合は、チャネル変動成分がパイロットチャネルPICHの電力に比例するのに対し、雑音電力はパイロットチャネルPICHの電力とは独立であるため、パイロットチャネルPICHの電力を大きくした場合には、チャネル変動成分が雑音成分に比して拡大されて観測されてしまい、上記問題を生じる原因となる。
これにより、伝搬路の変動状況に応じて雑音電力推定方法を変化させることができるため、伝搬路の変動状況に応じた雑音電力推定方法を使用することにより、マルチキャリア受信機の伝送時のスループットを向上させることができる。
始めに、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明のマルチキャリア信号受信機により受信する受信信号のフレームの構成の一例を示す図である。図では、1フレームの前後及び真ん中付近に伝搬路推定のためのパイロットチャネルPICHが時間多重されており(つまり、1シンボル目、26シンボル目、27シンボル目、52シンボル目のパイロットチャネルPICH(1)、PICH(26)、PICH(27)、PICH(52))、その間にデータの伝送を行うデータトラフィックチャネルDTCHが存在する(つまり、2〜25シンボル目、28〜51シンボル目のデータトラフィックチャネルDTCH(2)〜DTCH(25)、DTCH(28)〜DTCH(51))。この点を図1の時間軸方向に示す。また周波数軸方向には複数のサブキャリアが並んでいる。また、異なる直交コードを用いて複数のデータトラフィックチャネルDTCHが同一周波数、同一時間で伝送される。この点を時間軸方向と周波数軸方向とに直交するコード軸方向に示す。
無線周波数変換部102では、アンテナ部101より無線周波数変換部102に入力された信号の周波数変換を行い、ベースバンド信号処理部103では前記無線周波数変換部102より出力されたベースバンド信号に対して数値演算処理を行うことにより受信信号データを取り出す。
また、メディアアクセスコントロール部104では、前記ベースバンド信号処理部103より取り出された受信信号が、制御チャネルであるか音声信号などの伝送データであるかの判断をし、適切な信号を受信できるように制御したり、上位層に伝送データの受け渡しをしたりする。
A/D変換部201は、無線周波数変換部102(図3)から出力される受信信号をデジタル信号に変換する。フィルタ部202は、A/D変換部201から出力される信号から所望帯域の信号のみを取り出す。
GI除去部203は、フィルタ部202から出力される信号からGIを除去する。高速フーリエ変換部204は、GI除去部203から出力される信号を周波数変換して、各サブキャリアの信号成分ym(i)を分波して取り出す。逆拡散部205は、高速フーリエ変換部204から出力される信号に対して、サブキャリア毎に拡散コードsmの乗算を行う。
また、チャネル推定部210は、高速フーリエ変換部204の出力信号ym(i)及び参照信号dm(i)を用いて、伝搬路推定値hm、雑音電力推定値N、コード多重数Cmuxの推定を行う。重み付け係数演算部211は、チャネル推定部210から出力される伝搬路推定値hm、雑音電力推定値N、コード多重数Cmuxに基づいて重み付け係数wmを計算し、重み付け部206に出力する。
なお、一例として重み付け係数wmは、以下の式(1)で表される。この係数を用いることにより、伝搬路推定値hmが小さい場合の補正と、その際の雑音電力推定値Nの強調を抑圧することができる。
伝搬路推定部301は、参照信号dm(i)及び受信信号ym(i)を用いて伝搬路推定値hmを求める。なお、参照信号dm(i)は、既知の、フレーム内のi番目のパイロットチャネルPICHシンボルであってm番目のサブキャリアのものを示す。ドップラ周波数推定部302は、伝搬路推定部301から出力される伝搬路推定値hmを用いてドップラ周波数fdを求める。
雑音電力推定部303は、伝搬路推定部301から出力される伝搬路推定値hm、参照信号dm(i)及び受信信号ym(i)を用いて雑音電力推定値Nを求める。なお、この雑音電力推定部303は、後述するように、ドップラ周波数推定部302から出力されるドップラ周波数fdも受ける。また、コード多重数推定部304は、雑音電力推定値N及び受信信号ym(i)を用いてコード多重数Cmuxを推定する。なお、コード多重数Cmuxは、コード多重数推定部304により推定せずに、制御信号を用いて送信機から通知してもよい。
信号選択部402には、既知の系列である参照信号dm(i)の共役であるdm *(i)が入力され、パイロットチャネルPICHに相当する信号のみが乗算器403に出力される。ここでは、全ての参照信号dm(1)、dm(26)、dm(27)、dm(52)の共役dm *(1)、dm *(26)、dm *(27)、dm *(52)が乗算器403に対して出力される。乗算器403では、信号選択部402から出力される信号と、スクランブリングコードcmの共役であるcm *とが乗算される。乗算器404では、信号選択部401から出力される信号と乗算器403から出力される信号の乗算を行う。したがって、乗算器404から平均化部405に対して、cm *・dm *(i)・ym(i)の信号が出力される。
平均化部405では、平均値が求められて伝搬路推定値hm=Σcm *・dm *(i)・ym(i)/Npとして出力される。ここでは、サブキャリア毎に4シンボル分平均化され、Np=4である。したがって、伝搬路推定値hm(hm=(hm(1)+hm(26)+hm(27)+hm(52))/4)が求められる。
ドップラ周波数の求め方についてはさまざまな方法がある(2004年電子情報通信学会総合大会B−5−77参照)。本実施形態では、その一例を示す。
遅延部501は、伝搬路推定値hmをT時間だけ遅延させる。ドップラ周波数算出部502は、伝搬路推定部301により推定された伝搬路推定値hmと、T時間前の伝搬路推定値とを用いて、ドップラ周波数を算出する。T時間前のサブキャリアの伝搬路推定値をhm’とすると、ドップラ周波数fdmは以下の式(2)により求めることができる。
乗算器604は、信号選択部603から出力される上述の信号と、スクランブリングコードcmを乗算する。乗算器605は、乗算器604から出力される信号と、伝搬路推定部301で推定した伝搬路推定値hmを乗算することによりレプリカ信号を作成する。このレプリカ信号は、雑音のない伝搬状態において受信すべき理想の受信信号を示す。
減算器606は、乗算器605から出力されるレプリカ信号を、信号選択部602から出力される受信信号ym(i)、すなわちパイロットチャネルに相当する受信信号ym(i)、ym(26)、ym(27)、ym(52)から減算して、ym(i)−hm・cm・dm(i)を算出する。
自乗器607は、減算器606から出力される信号を自乗し、平均化部608に対して(ym(i)−hm・cm・dm(i))2という信号を出力する。平均化部608は、自乗器607から出力される信号を各サブキャリアについて求めて、次に推定方法決定部601で選択されたパイロットチャネルPICHのシンボル数Nsとサブキャリア数Ncを乗算した値で平均化することにより1サブキャリア当りの雑音電力を算出し、雑音電力推定値N=Σ(ym(i)−hm・cm・dm(i))2/(Ns・Nc)として出力する。
なお、閾値fdthは、雑音電力推定方法A、Bの雑音電力推定誤差対ドップラ周波数曲線の交点に相当するドップラ周波数である。そこで、図中の閾値fdthを雑音電力推定方法を切り替える閾値とすることにより、伝搬路の時間変動に対して対応可能となり、所期のとおり、最大伝送速度(最大スループット)の増大を実現できる。
上述したように、図8の雑音電力推定部303の構成要素である推定方法決定部601には、閾値fdthが予め設定されている。この閾値fdthは、図10の雑音電力推定誤差対ドップラ周波数曲線をシミュレーションで求めることにより、2つの曲線の交点から得られるが、この方法に限定されない。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図11は、本発明の第2の実施形態において用いるフレームの構成の一例を示す図である。図11において、縦軸は送信電力を示している。1フレームの前後及び真ん中付近に伝搬路推定のためのパイロットチャネルPICHが時間多重されている。第1の端末へのデータの伝送を行うデータトラフィックチャネルDTCH1(DTCH1(2)〜DTCH1(25)、DTCH1(26)〜DTCH1(51))、第2の端末へのデータの伝送を行うデータトラフィックチャネルDTCH2(DTCH2(2)〜DTCH1(25)、DTCH2(26)〜DTCH1(51))、第3の端末へのデータ伝送を行うデータトラフィックチャネルDTCH3(DTCH3(2)〜DTCH3(25)、DTCH3(26)〜DTCH3(51))、第4の端末へのデータ伝送を行うデータトラフィックチャネルDTCH4(DTCH4(2)〜DTCH4(25)、DTCH4(26)〜DTCH4(51))がコード多重されている。
そのため、送信側は送信電力情報としてパイロットチャネルPICHとデータトラフィックチャネルDTCHの送信電力比PPICH/DTCHを受信側に通知し、受信側ではパイロットチャネルPICHの受信電力と通知される送信電力比PPICH/DTCHからデータトラフィックチャネルDTCHの受信振幅を推測し復調を行う。
図13は、本発明の第2の実施形態に係るベースバンド信号処理部1103のブロック図である。図4とほとんど同様であるが、メディアアクセスコントロール部1104から出力される送信電力情報である送信電力比PPICH/DTCHがチャネル推定部1210に入力されるところが異なる。
図14は、本発明の第2の実施形態に係るチャネル推定部1210のブロック図である。図5とほとんど同様であるが、雑音電力推定部2210にマルチメディアアクセスコントロール部1104(図12)から出力される送信電力情報である送信電力比PPICH/DTCHが入力されるところが異なる。
ここで、雑音電力推定方法を決定する方法について説明する。パイロットチャネルPICHの送信電力を大きくすること、つまり、送信電力情報である送信電力比PPICH/DTCHを大きくすることにより、雑音電力に対する耐性を高め、伝搬路推定の精度を向上させることが考えられている。
本実施形態では、送信電力比PPICH/DTCHに応じて閾値fdthを変化させることにより、高精度に雑音電力を推定し、正しい重み付け係数wmを算出することが可能となって、所期のとおり、最大伝送速度(最大スループット)の増大を実現できる。すなわち、送信電力比PPICH/DTCHである送信電力情報に応じて、送信電力が大きくなれば、予め設定されている閾値fdthの値を小さくする。
上述したように、本実施形態では送信電力比PPICH/DTCHに応じて雑音電力推定方法を切り替えるための閾値fdthを変化させる。この閾値fdthは、送信電力比PPICH/DTCHの関数でもある図17の雑音電力推定誤差対ドップラ周波数曲線をシミュレーションで求めることにより、2つの曲線の交点から得られるが、この方法に限定されない。この送信電力比PPICH/DTCHは、各ユーザの拡散率を変えることによっても変わる。もちろんパイロットチャネルPICHの送信電力を送信電力情報として、これに応じて閾値fdthを変化させてもよい。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。ここでは、図2に示すフレーム構成の信号が2フレーム続いて受信され、この2フレームに含まれるパイロットチャネルPICHを用いて伝搬路推定値hmを求める場合について示す。
図18は、本発明の第3の実施形態において用いるフレームの構成の一例を示す図である。ここでは、図18に示すように、時間間隔t4からなる2フレームに含まれる全てのパイロットチャネルPICHを用いて、伝搬路推定値hmを導出し、時間間隔t4、及び、時間間隔t4の中に含まれる小時間間隔t’4、t’’4を用いて雑音電力推定値Nを導出する場合について説明する。なお、図中のhm(i、j)はiフレーム目のjシンボル目から導出されたm番目のサブキャリアの伝搬路推定値hmを示す。また、パイロットチャネルPICH(i、j)はiフレーム目のjシンボル目のパイロットチャネルを示す。
本実施形態のベースバンド信号処理部の構成は、図4のベースバンド信号処理部103の構成と同様である。また、チャネル推定部の構成は、図5のチャネル推定部210の構成と同様である。また、伝搬路推定部の構成は、図6の伝搬路推定部301の構成と同様である。
ただし、信号選択部401は、参照信号dm(i)については、全ての参照信号の共役dm *(1、1)、dm *(1、26)、dm *(1、27)、dm *(1、52)、dm *(2、1)、dm *(2、26)、dm *(2、27)、dm *(2、52)を出力する。また、信号選択部402は、受信信号ym(i)については、全てのパイロットチャネルの信号ym(1、1)、ym(1、26)、ym(1、27)、ym(1、52)、ym(2、1)、ym(2、26)、ym(2、27)、ym(2、52)を出力する。
したがって、平均化部405は、全てのパイロットチャネルに相当するシンボルについての伝搬路推定値の8シンボル分の平均を伝搬路推定値hm(hm=Σcm *・dm *(i)・ym(i)/Np)として出力する。すなわち、Np=8である。
それら3種類の雑音電力推定方法の推定誤差を図19に示す。図の様に、ドップラ周波数が閾値fdth1より低いところでは雑音電力推定方法C、閾値fdth1と閾値fdth2の間では雑音電力推定方法D、閾値fdth2より高いところでは雑音電力推定方法Eを用いて求めた雑音電力推定値Nの誤差が最も小さくなっている。雑音電力推定部には、予め雑音電力推定方法D〜Eを切り替えるための閾値として閾値fdth1と閾値fdth2が記録されている。
なお、上記説明では連続した2フレームを例に挙げて説明したが、これは連続したnフレーム(nは2以上の整数)において、上記と同様の処理を行うこともできる。
また、それぞれの雑音電力推定方法により求めた雑音電力推定値を比較することにより、これらの差が大きければチャネル変動が速いと判断するなど、チャネル変動の速さを推定してもよい。
なお、上述した実施形態では、雑音電力推定値N、伝搬路推定値hmを算出するために使用する複数のパイロットチャネルPICHがあるときは、連続している場合について説明したが、これに限定されるものではない。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図20は、本発明の第4の実施形態おいて用いるフレームの構成を示す図である。ここでは、時間間隔t5からなる1フレームに含まれる全てのパイロットチャネルPICHを用いて、復調用伝搬路推定値hmを導出する。雑音電力推定方法は、時間間隔t5に含まれるすべてのパイロットチャネルPICHから求めた伝搬路推定値hmから生成したレプリカを用いて、時間間隔t5に含まれるすべてのパイロットチャネルPICHから雑音電力を推定する方法と、時間間隔t’5に含まれるパイロットチャネルPICH(PICH(1)とPICH(2))から求めた伝搬路推定値hmから生成したレプリカを用いて、時間間隔t’5に含まれるパイロットチャネルPICHから雑音電力を推定する方法の2種類の方法を備えている。
また、時間間隔t5の中の小時間間隔t’5に含まれる連続するパイロットチャネルPICH(例えば、PICH(1)、PICH(2))を用いてレプリカ作成用伝搬路推定値hm’及び雑音電力推定値Nを導出する場合について説明する。なお、小時間間隔とは、第1の実施形態の説明の個所において上述したものと同様である。
また、本実施形態のベースバンド信号処理部の構成は、図4のベースバンド信号処理部103の構成と同様である。しかし、本実施形態のチャネル推定部は異なった構成を有する。
図21は、本発明の第4の実施形態に係るチャネル推定部1101のブロック図である。チャネル推定部1101は、伝搬路推定部301(図5と同様)、ドップラ周波数推定部302(図5と同様)、雑音電力推定部303(図5と同様)、コード多重数推定部304(図5と同様)、レプリカ作成用伝搬路推定部1102を有する。
伝搬路推定部301は、時間間隔t5からなる1フレームに含まれる全てのパイロットチャネルに関する参照信号dm(i)及び受信信号ym(i)を用いて復調用伝搬路推定値hmを求める(この復調用伝搬路推定値hmは、重み付け係数演算部(図4の重み付け係数演算部211)へ直接引き渡される)。レプリカ作成用伝搬路推定部1102は、ドップラ周波数推定部302から出力されるドップラ周波数推定結果に基づいて、伝搬路推定を行うために時間間隔t5内にある6つのパイロットチャネルPICHを使うか、時間間隔t’5内にある2つのパイロットチャネルPICHを使うかを選択し、伝搬路推定を行う。
雑音電力推定部303は、ドップラ周波数推定部302から出力されるドップラ周波数推定結果に基づいて、伝搬路推定を行うために時間間隔t5内にある6つのパイロットチャネルPICHを使うか、時間間隔t’5内にある2つのパイロットチャネルPICHを使うかを選択し、雑音電力推定を行う。コード多重数推定部304は、雑音電力推定部303から出力される雑音電力推定値Nと、受信信号ym(i)を用いてコード多重数Cmuxを推定する。なお、伝搬路推定部301、雑音電力推定部303は、フレーム中のパイロットチャネルPICHに相当するシンボルの信号を用いてそれぞれ伝搬路推定値hm及び雑音電力推定値Nを求めている。なお、コード多重数Cmuxは制御信号を用いて送信機から通知するようにしても良い。
図22は、本発明の第4の実施形態に係るレプリカ作成用伝搬路推定部1102のブロック図である。レプリカ作成用伝搬路推定部1102は、推定方法決定部1201、信号選択部1202、1203、乗算器403、404、平均化部405を有する。推定方法決定部1201には、雑音電力推定方法を切り替えるためのドップラ周波数の閾値fdthが予め設定されており、ドップラ周波数推定値fdが閾値fdthより大きいときは1、2シンボル目、小さいときは1、2、27、28、51、52シンボル目を使用するよう制御信号を出力する。したがって、平均化部405は、ドップラ周波数推定値fdがある一定の閾値より大きいときはNp=6、小さいときはNp=2として計算を行う。なお、閾値fdthは、ドップラ周波数fdにより、伝搬路の微小な変動が雑音電力推定に与える影響の大小を考慮して決定する。
雑音電力推定部の構成は、図8の雑音電力推定部303の構成と同様である。
すなわち、従来技術におけるように、フレーム全体のパイロットチャネルPICHから伝搬路推定値hmを求め、フレーム全体のパイロットチャネルPICHから雑音電力を推定した場合には、伝搬路の変動が速い環境下においては、伝搬路の微小な変動が雑音電力推定に影響を与え、正しい雑音電力を求められなかったのに対し、本実施形態では、ドップラ周波数に基づき、伝搬路変動が速いときにはフレームの一部に含まれるパイロットチャネルPICHのみを使用してレプリカ作成用伝搬路推定値hm’及び雑音電力推定値Nを求め、伝搬路変動が遅いときにはフレームに含まれる全部のパイロットチャネルPICHを使用してレプリカ作成用伝搬路推定値hm’及び雑音電力推定値Nを求めることにより、いかなる伝搬路状況においても高精度に雑音電力を推定することが可能となる。
これにより、本実施形態に係るマルチキャリア信号受信機を用いた場合には、従来技術によるものと比べて、伝搬路の時間変動に対してより強くなり、パイロットチャネルPICHの電力を大きくとっても正しい重み付け係数wmを算出することが可能となる。なお、先に述べたとおりパイロットチャネルPICHの電力を大きく取ることは、伝搬路推定値hmを正確に求める際に有効に働く。
Claims (12)
- ドップラ周波数推定値を算出するドップラ周波数推定部と、
受信信号に含まれる雑音電力を推定する第1の雑音電力推定方法及び第2の雑音電力推定方法と、使用する雑音電力推定方法を決定するためのドップラ周波数の閾値とを記録し、前記ドップラ周波数推定部が算出するドップラ周波数推定値と、前記閾値とを比較し、その比較結果に応じて前記第1の雑音電力推定方法と前記第2の雑音電力推定方法のどちらの雑音電力推定方法を使用するかを決定し、その決定した雑音電力推定方法を使用して雑音電力推定値を算出する雑音電力推定部とを有し、
前記雑音電力推定部は、
パイロットチャネルの送信電力に基づいて前記閾値を変化させることを特徴とするマルチキャリア信号受信機。 - ドップラ周波数推定値を算出するドップラ周波数推定部と、
受信信号に含まれる雑音電力を推定する第1の雑音電力推定方法及び第2の雑音電力推定方法と、使用する雑音電力推定方法を決定するためのドップラ周波数の閾値とを記録し、前記ドップラ周波数推定部が算出するドップラ周波数推定値と、前記閾値とを比較し、その比較結果に応じて前記第1の雑音電力推定方法と前記第2の雑音電力推定方法のどちらの雑音電力推定方法を使用するかを決定し、その決定した雑音電力推定方法を使用して雑音電力推定値を算出する雑音電力推定部とを有し、
前記雑音電力推定部は、
パイロットチャネルとデータトラフィックの送信電力比に基づいて前記閾値を変化させることを特徴とするマルチキャリア信号受信機。 - 前記第1の雑音電力推定方法と第2の雑音電力推定方法は、前記雑音電力推定値を算出するために使用するパイロットチャネルが含まれる時間間隔が異なることを特徴とする請求項1又は2に記載のマルチキャリア信号受信機。
- 前記雑音電力推定部は、
前記第1の雑音電力推定方法で雑音電力推定値を算出するために使用するパイロットチャネルが含まれる時間間隔が、前記第2の雑音電力推定方法で雑音電力推定値を算出するために使用するパイロットチャネルが含まれる時間間隔よりも大きい場合であって、
前記ドップラ周波数推定部が算出したドップラ周波数推定値が前記閾値よりも小さいときには前記第1の雑音電力推定方法を使用し、ドップラ周波数推定値が前記閾値よりも大きいときには前記第2の雑音電力推定方法を使用することを特徴とする請求項1から3までのいずれかの項に記載のマルチキャリア信号受信機。 - 雑音電力を推定するために使用するパイロットチャネルは、複数の連続したフレームから選択されることを特徴とする請求項3記載のマルチキャリア信号受信機。
- 復調するときに用いるための伝搬路推定値を推定する伝搬路推定部を備え、
前記伝搬路推定部で求めた伝搬路推定値に基づいて前記第1及び第2の雑音電力推定方法を決定する際に、前記雑音電力推定値を算出するために使用するパイロットチャネルが含まれる時間間隔が前記第1の雑音電力推定方法と前記第2の雑音電力推定方法とで異なることを特徴とする請求項4記載のマルチキャリア信号受信機。 - ドップラ周波数推定値を算出する第1のステップと、
受信信号に含まれる雑音電力を推定する第1の雑音電力推定方法及び第2の雑音電力推定方法と、使用する雑音電力推定方法を決定するためのドップラ周波数の閾値とを記録し、前記第1のステップで算出したドップラ周波数推定値と、前記閾値とを比較し、その比較結果に応じて前記第1の雑音電力推定方法と前記第2の雑音電力推定方法のどちらの雑音電力推定方法を使用するかを決定し、その決定した雑音電力推定方法を使用して雑音電力推定値を算出する第2のステップとを有し、
前記第2のステップでは、
パイロットチャネルの送信電力に基づいて前記閾値を変化させることを特徴とするマルチキャリア信号受信方法。 - ドップラ周波数推定値を算出する第1のステップと、
受信信号に含まれる雑音電力を推定する第1の雑音電力推定方法及び第2の雑音電力推定方法と、使用する雑音電力推定方法を決定するためのドップラ周波数の閾値とを記録し、前記第1のステップで算出したドップラ周波数推定値と、前記閾値とを比較し、その比較結果に応じて前記第1の雑音電力推定方法と前記第2の雑音電力推定方法のどちらの雑音電力推定方法を使用するかを決定し、その決定した雑音電力推定方法を使用して雑音電力推定値を算出する第2のステップとを有し、
前記第2のステップでは、
パイロットチャネルとデータトラフィックチャネルの送信電力比に基づいて前記閾値を変化させることを特徴とするマルチキャリア信号受信方法。 - 前記第1の雑音電力推定方法と第2の雑音電力推定方法は、前記雑音電力推定値を算出するために使用するパイロットチャネルが含まれる時間間隔が異なることを特徴とする請求項7又は8に記載のマルチキャリア信号受信方法。
- 前記第2のステップは、
前記第1の雑音電力推定方法で雑音電力推定値を算出するために使用するパイロットチャネルが含まれる時間間隔が、前記第2の雑音電力推定方法で雑音電力推定値を算出するために使用するパイロットチャネルが含まれる時間間隔よりも大きい場合であって、
前記第1のステップで算出したドップラ周波数推定値が前記閾値よりも小さいときには前記第1の雑音電力推定方法を使用し、ドップラ周波数推定値が前記閾値よりも大きいときには前記第2の雑音電力推定方法を使用することを特徴とする請求項7から9までのいずれかの項に記載のマルチキャリア信号受信方法。 - 雑音電力を推定するために使用するパイロットチャネルは、複数の連続したフレームから選択されることを特徴とする請求項9記載のマルチキャリア信号受信方法。
- 復調するときに用いるための伝搬路推定値を推定する第3のステップと、
前記第3のステップで求めた伝搬路推定値に基づいて前記第1及び第2の雑音電力推定方法を決定する際に、前記雑音電力推定値を算出するために使用するパイロットチャネルが含まれる時間間隔が前記第1の雑音電力推定方法と前記第2の雑音電力推定方法とで異なることを特徴とする請求項10記載のマルチキャリア信号受信方法。
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