JP4510008B2 - 洗濯機又は食器洗い機中で使用する洗浄組成物 - Google Patents

洗濯機又は食器洗い機中で使用する洗浄組成物 Download PDF

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Description

本発明は、自動洗い、特に、洗いプロセスの異なるサイクルに異なる組成物を放出するように構成された複数の機能部分を含む洗浄組成物に関する。
現今、最新の洗濯機又は食器洗い機は、それらが運転する洗いプログラムに関して非常に様々であり得るが、後者は、実際に、温度及び個々の基本サイクルの持続時間が著しく異なる場合がある。しかし、自動洗い運転は、典型的には、4つの主要サイクル、即ち、予洗いサイクル、本洗いサイクル、1回又は数回のすすぎサイクル、及び脱水サイクルを含むことが認識されている。自動機械に使用するのに好適な組成物は、一般に、数種類の活性化合物を含み、それらは、全洗いサイクル中、特定の段階でしか、それらの機能を果たさない。
長い間、バルク包装された商品形態の洗濯洗剤又は食器洗い洗剤が消費者に提供され、用途の必要に応じて洗剤を計量分配することは、使用時に消費者に委ねられた。しかし、計量分配が更に容易で便利な洗濯洗剤又は食器洗い洗剤を有するという消費者の希望を考慮して、これらの洗剤は、ますます、計量分配の必要がない形態で提供され、1回の洗い運転に必要な構成成分全てを含む所定の部分に配合された。固体製品の場合、このような部分は、液中に全量として計量分配される、顆粒、ビーズ、錠剤、キューブ、ブリケットなどの形状に形成されることが多い。錠剤の形状の洗剤組成物には、取り扱い、輸送及び貯蔵の容易さなどの追加の利点がある。消費者は、分配トレー(dispensing drawer)を介して計量分配できる成形された洗剤組成物の便利さを特に好む。
これらの解決法の欠点は、洗い運転中に必要な成分全てが、同時に水溶液に運ばれ、洗い液中の特定の構成成分の化学的不適合が起こることである。例えば、酵素又は香料は、漂白剤系の酸化作用によって迅速に不活性化される場合があり、陽イオン性活性分子は陰イオン性界面活性剤によって沈殿する。したがって、幾つかの活性剤の送達を、洗いサイクル中の後の方か、又はすすぎサイクル中に遅延することが極めて望ましい。
EP−A−481547は、報告によれば、食器洗い組成物及びすすぎ補助組成物の逐次的な放出を提供できる、食器洗い洗剤錠剤を開示している。EP−A−481547の錠剤は、全面がバリア層で完全に包囲されている内層を有し、また、バリア層は外層で完全に包囲されている。PCT国際公開特許WO−A−00/04129は、中に少なくとも1つの型を有する成形体の形態の第1の相と、前記型内で圧縮された微粒子の固体の形態の第2の相とを含む多相洗剤錠剤を記載している。PCT国際公開特許WO−A−00/04129に開示されている錠剤の好ましい実施形態では、第2の相は第1の相の前に溶解する。米国特許出願2001/0031714は、温度制御を受けない、又は独占的に受けない、放出制御(物理)化学的スイッチを含む多層錠剤を記載している。
しかし、効果剤(類)と配合された従来技術の錠剤の多くに関連して、幾つかの問題がある。これらの錠剤は、活性物質類放出を効果的に制御しない場合が多い。効果剤の多くは、すすぎサイクルに放出されるとき、より効果的に作用する。しかし、活性物質を含有する粒子を含む錠剤の場合、前記粒子は、活性物質(類)を放出する機会を有する前に、すすぎサイクルの前に、本洗いからの洗い液と共に被洗物から排出されることが非常に多い。粒子がすすぎサイクルまで残ったときでも、それらは効果を被洗物じゅうに均一に送達しないことが多い。
本発明の目的は、洗濯機又は食器洗い機の全洗いサイクル中の適切な時機まで、活性物質の送達を効果的に遅延するように設計された洗浄組成物を提供することである。特に、本発明は、選択されたアセチル化度を有するアミノ−アセチル化多糖類を含む、pH感受性放出制御手段を含有する洗浄組成物に関する。
pH依存溶解度を示す構成成分は、当該技術分野で、特に薬学から周知である。好適な化合物は、好ましくは本質的に塩基性であり、特に、塩基性ポリマーである。高pH感受性可溶性塩基性ポリマーの使用は、洗濯用又は食器洗い用錠剤分野などの、他の状況でも考慮されてきた。また、米国特許出願2001/0031714は、pH依存可溶性ポリマーを含む放出制御(物理)化学的スイッチを含む多層錠剤を開示している。好適なポリマー材料は、8〜10のpH範囲で溶解度が変化し、好ましくはアミノアルキルメタクリレートコポリマーである。CA−A−2338710及びCA−A−2304526は、空洞内に配置されたコーティング済み粒子を含む複合錠剤を記載している。前記コーティングは、pH感受性であると記載され、保留の塩基性官能基(pending basic function)を含む高分子炭水化物から製造される。
本発明の洗浄組成物は、例えば、貯蔵時又は洗い液中における相互に不適合な成分の分離、及び異なる物理的形態で提供される成分の分離などができる融通性のある配合が可能である。本発明による組成物は、異なる製品を異なるサイクルに逐次的に制御放出することが可能であり、このようにして、最適化された洗いプロセスが提供される。
更に、選択されたアセチル化度を有するアミノ−アセチル化多糖類を含む少なくとも1種類の放出制御手段を含有する洗浄組成物を設計することによって、その異なる構成要素の優れた逐次放出が可能になるだけでなく、様々な有益なケア特性も提供される。
本発明によれば、特に好ましいアミノ−アセチル化多糖類はキトサンである。キトサンは、甲殻類の殻、昆虫の外皮、きのこ類に広く分布する多糖類キチンから製造される天然高分子材料である。具体的には、キトサンは、キチン又はポリ−N−アセチル−D−グルコサミンから商業的に製造されるが、これは、脱アセチル化され、ポリマーを希釈した有機酸に容易に溶解できるようにするのに十分な遊離アミノ基を提供する。
キトサン及びその誘導体は、抗微生物特性を有し、多数の病原性真菌を抑制することが知られている。これらの理由から、高品質のキトサンが開発され、食品、化粧品、製薬、及び吸収剤、植物細胞用の活性化剤、廃水処理用の凝集剤などの様々な産業分野で広く使用されてきた。
英国特許GB−A−2363614には、キトサンベースのポリマー材料を布地処理剤として利用する洗濯及び/又は布地ケア組成物が記載されており、このような材料を含有する洗い溶液中で洗濯される布地又は織物に布地外観及び一体性の利益を付与することができる。
特に、最近、改善された布地柔軟性効果、布地手触り効果、衣類形状保持効果、弾性効果、アイロン掛けが容易である効果、香料効果、皺防止効果、カラーケア効果(染料固定又は移染防止など)、又はこれらの任意の組み合わせなどの効果をもたらすためのキトサンの使用が記載された。
本発明は、自動洗濯機又は食器洗い機で使用する洗浄組成物の状況で、選択されたアセチル化度を有するアミノ−アセチル化多糖類のpH感受性材料としての最初の使用を記載している。
本発明による洗浄組成物のその他の目的及びより具体的な特性は、本発明の以下の説明を読めば明らかになるであろう。
本発明の第1の実施形態によれば、自動洗濯機又は食器洗い機で使用する洗浄組成物が提供され、本組成物は、一次機能部分及び二次機能部分を含む少なくとも2つの機能部分を含み、本洗いサイクル及びすすぎサイクルを有する自動洗濯機又は食器洗い機中で使用する際、一次機能部分は本洗いサイクルに一次組成物を放出し、二次機能部分はすすぎに二次組成物を放出し、本洗浄組成物は、前記二次組成物が本洗い液中に放出されるのを防止することができる少なくとも1つの放出制御手段を更に含み、前記手段は、選択されたアセチル化度を有するアミノ−アセチル化多糖類を含む。
好ましい実施形態では、本発明は、該一次機能部分内に形成された少なくとも1つの空洞が設けられている錠剤の形態の洗浄組成物に関し、該空洞は少なくとも1つの粒子の形態の二次機能部分を収容し、前記二次機能部分の外面は選択されたアセチル化度を有するアミノ−アセチル化多糖類を含むコーティングで完全に被覆されている。
本発明の別の実施形態は、本発明の洗浄組成物を製造する方法に関し、本方法は、a)二次組成物を含む二次機能部分を調製する工程、その後、b)工程(a)で形成された二次機能部分を、30%〜80%の範囲に含まれるアセチル化度を有するアミノ−アセチル化多糖類誘導体を含むフィルム又はコーティングでコーティングする工程、及びc)一次組成物を含む一次機能部分を調製し、工程(b)で形成された該コーティング済み二次機能部分を封入する工程を含む。
更に別の実施形態によれば、本発明は、30%〜80%、好ましくは45%〜75%の範囲に含まれるアセチル化度を有するアミノ−アセチル化多糖類を含む、pH感受性フィルム又はコーティング組成物を対象とする。
(機能部分)
第1の実施形態では、本発明は、少なくとも2つの機能部分と少なくとも1つの放出制御手段とを含む洗浄組成物に関し、後者は、選択されたアセチル化度を有するアミノ−アセチル化多糖類を含む。
本発明の文脈では、「機能部分」という表現は、全洗いプロセスの特定の段階で、特定の機能を果たすことが意図された洗浄組成物の一部のことをいう。一次及び二次機能部分は、パウチ、カプセル、錠剤、又は顆粒の形態とすることができる。したがって、それらは、六角形、正方形、長方形、円筒状、球状などのいかなる好適な形状を採用してもよい。更に、各機能部分は、一体であっても、又は層などの別個の部分からなってもよい。
好ましくは、一次機能部分は錠剤の形態であり、二次機能部分は少なくとも1つの粒子の形態である。
自動洗濯機又は食器洗い機で使用されるとき、一次機能部分は、本洗いに一次組成物を放出し、二次機能部分は二次組成物をすすぎに放出するように意図されている。一次組成物及び二次組成物は、自由流動性粉末、圧縮粉末、液体、液体−固体懸濁液、ゲル又はペーストの形態で提供されてもよい。
(一次組成物)
本発明によれば、一次組成物は、好ましくは、以下の非限定的な成分の列記から選択される化合物及びこれらの混合物を含む。
(界面活性剤)
好ましくは、本発明の製品に使用する界面活性剤は、低起泡性界面活性剤単独か、又は他の構成成分(即ち、泡抑制剤)と組み合わせた低起泡性界面活性剤である。本明細書で好適な界面活性剤には、アルキル、アルケニル、又はアシル部分がC5〜C20、好ましくはC10〜C18の直鎖又は分枝鎖である、アルキルサルフェート類、アルキルエーテルサルフェート類、アルキルベンゼンスルホネート類、アルキルグリセリルスルホネート類、アルキル及びアルケニルスルホネート類、アルキルエトキシカルボキシレート類、N−アシルサルコシネート類、N−アシルタウレート類、並びにアルキルサクシネート類及びスルホサクシネート類などの陰イオン性界面活性剤;残りのN位がメチル基、ヒドロキシエチル基、又はヒドロキシプロピル基で置換されている、クロリンエステル類(米国特許出願第4228042号、米国特許出願第4239660号、及び米国特許出願第4260529号)及びモノC6〜C16N−アルキル又はアルケニルアンモニウム界面活性剤などの陽イオン性界面活性剤;非イオン性アルコキシル化界面活性剤類(とりわけ、C6〜C18の第一級アルコール類から誘導されるエトキシレート類)、エトキシル化−プロポキシル化アルコール類(例えば、BASFポリ−タージェント(Poly-Tergent)(登録商標)SLF18)、エポキシ末端処理されたポリ(オキシアルキル化)アルコール類(例えば、BASFポリ−タージェント(登録商標)SLF18B、PCT国際公開特許WO−A−94/22800参照)、エーテル末端処理されたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤、並びにミシガン州ワイアンドットのBASF−ワイアンドット社(BASF-Wyandotte Corp.,Wyandotte,Michigan)によるプルロニック(Pluronic)(登録商標)、リバースト・プルロニック(Reversed Pluronic)(登録商標)及びテトロニック(Tetronic)(登録商標)などのブロックポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリマー化合物を含む、低曇点及び高曇点の非イオン性界面活性剤及びこれらの混合物;C12〜C20アルキルアミンオキシド類(本明細書で使用するのに好ましいアミンオキシド類には、C12ラウリルジメチルアミンオキシド、C14及びC16ヘキサデシルジメチルアミンオキシドが挙げられる)、及びミラノール(Miranol)(商標)C2Mなどのアルキル両性カルボン酸界面活性剤などの両性界面活性剤;並びにベタイン類及びスルタイン類などの双極性界面活性剤;並びにこれらの混合物が挙げられる。本明細書で好適な界面活性剤類は、例えば、米国特許出願第3,929,678号、米国特許出願第4,259,217号、EP−A−0414549、PCT国際公開特許WO−A−93/08876、及びPCT国際公開特許WO−A−93/08874に開示されている。
(ビルダー)
本明細書で使用するのに好適なビルダーには、水溶性ビルダー(クエン酸塩類、炭酸塩類、及び、例えば、トリポリリン酸ナトリウム及びトリポリリン酸ナトリウム六水和物、トリポリリン酸カリウム、並びにトリポリリン酸ナトリウム及びカリウムの混合塩類などのポリリン酸塩類など)、及び部分水溶性又は水不溶性のビルダー(結晶性層状ケイ酸塩類(EP−A−0164514及びEP−A−0293640)並びにゼオライト類A、B、P、X、HS及びMAPを含むアルミノケイ酸塩類など)が挙げられる。ビルダーは、典型的には、組成物の約1重量%〜約80重量%、好ましくは約10重量%〜約70重量%、最も好ましくは約20重量%〜約60重量%の濃度で存在する。また、ビルダーとして好適なものには、コポリマーポリカルボキシレート、とりわけ、アクリル酸のメタクリル酸とのコポリマーポリカルボキシレート、及びアクリル酸又はメタクリル酸のマレイン酸とのコポリマーポリカルボキシレートがある。特に好適であると考えられるコポリマーには、アクリル酸を50重量%〜90重量%及びマレイン酸を50重量%〜10重量%含有する、アクリル酸とマレイン酸とのコポリマーである。
(酵素)
本明細書で好適な酵素には、ケアザイム(Carezyme)及びセルザイム(Celluzyme)(ノボ・ノルディスクA/S(Novo Nordisk A/S))などの細菌及び真菌セルラーゼ類;ペルオキシダーゼ類;アマノ−P(Amano-P)(天野製薬株式会社(Amano Pharmaceutical Co.))、M1リパーゼ(M1 Lipase)(登録商標)及びリポマックス(Lipomax)(登録商標)(ヒスト・ブロカデス(Gist-brocades))、並びにリポラーゼ(Lipolase)(登録商標)及びリポラーゼ・ウルトラ(Lipolase Ultra)(登録商標)(ノボ(Novo))などのリパーゼ類;クチナーゼ類;エスペラーゼ(Esperase)(登録商標)、アルカラーゼ(Alcalase)(登録商標)、デュラザイム(Durazym)(登録商標)及びサビナーゼ(Savinase)(登録商標)(ノボ(Novo))、並びにマキサターゼ(Maxatase)(登録商標)、マキサカール(Maxacal)(登録商標)、プロペラーゼ(Properase)(登録商標)、マキサペム(Maxapem)(登録商標)(ヒスト・ブロカデス(Gist-brocades))、並びにプロテアーゼA(Protease A)(登録商標)、プロテアーゼB(Protease B)(登録商標)、プロテアーゼC(Protease C)(登録商標)、プロテアーゼD(Protease D)(登録商標)(EP−A−1201743)などのプロテアーゼ類;ピュラフェクトOx Am(Purafect Ox Am)(登録商標)(ジェネンコア(Genencor))並びにターマミル(Termamyl)(登録商標)、バン(Ban)(登録商標)、フンガミル(Fungamyl)(登録商標)、デュラミル(Duramyl)(登録商標)及びナタラーゼ(Natalase)(登録商標)(ノボ(Novo))などのα及びβアミラーゼ類;ペクチナーゼ類;並びにそれらの混合物が挙げられる。酵素は、本明細書では、好ましくは、プリル、顆粒、又は共顆粒として、通常は組成物の約0.0001重量%〜約2重量%の範囲の純酵素濃度で加えられる。
(漂白剤)
本明細書で好適な漂白剤には、酸素系漂白剤(とりわけ、一次組成物中)及び塩素系漂白剤(とりわけ、二次組成物中)が挙げられる。好ましい酸素系漂白剤は、無機過水和物塩(過ホウ酸ナトリウム一水和物及び四水和物など)、及び放出速度を制御するために任意にコーティングされる過炭酸ナトリウム(例えば、硫酸塩/炭酸塩コーティングに関してはGB−A−1466799参照)、予備形成された有機ペルオキシ酸類、並びにこれらと有機ペルオキシ酸漂白剤前駆体及び/又は遷移金属含有漂白剤触媒(とりわけ、鉄、マンガン又はコバルト)との混合物である。他の好適な漂白剤には、いわゆる、光漂白剤がある。本明細書で使用するのに好ましい塩素系漂白剤は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属次亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩付加生成物、クロラミン類、クロリミン類、クロラミド類、及びクロリミド類を含む、水溶液中で次亜塩素酸塩種を生成するものである。このタイプの化合物の具体例には、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、一塩基性次亜塩素酸カルシウム、N−クロロスルファミド、クロラミンT、ジクロラミンT、クロラミンB、及びジクロラミンBが挙げられる。
一次組成物は、二次組成物に関して以下に記載される幾つかの効果剤も含むことができる。
(二次組成物)
本発明によれば、二次組成物は、活性物質及び効果剤を含み、これらは、好ましくは、以下の非限定的な成分のリスト、及びこれらの混合物から選択される。
(柔軟化剤)
本発明による洗浄組成物は、柔軟化剤を含んでもよい。好ましくは、本明細書で使用する柔軟化剤は、陽イオン性柔軟化剤の群から選択される。いかなる好適な陽イオン性柔軟化剤を本明細書で使用してもよいが、四級アンモニウム剤が好ましい。本明細書で使用するとき、「四級アンモニウム剤」という用語は、四級窒素原子を有し、且つ6個以上の炭素原子を含有する部分を1つ以上、好ましくは2つ有する化合物又は化合物の混合物を意味する。本明細書で使用するのに好適な陽イオン性柔軟化剤は、例えば、EP−A−1201741に開示されている。他の好適な柔軟化剤は、粘土柔軟化剤である。いかなる好適な粘土柔軟化剤を使用してもよいが、粘土鉱物化合物及び任意に粘土凝集剤を含むものが好ましい。粘土鉱物化合物は、好ましくは、米国特許出願第3,862,058号、米国特許出願第3,948,790号、米国特許出願第3,954,632号、及び米国特許出願第4,062,647号に開示されているもののような、スメクタイト粘土化合物である。
本発明の組成物に含まれてもよい別の種類の柔軟化剤には、シリコーンベースの柔軟化剤が挙げられる。好適なシリコーン柔軟化剤は、好ましくは、PCT国際公開特許WO02092666、EP−B−0422787、及び米国特許出願第4,757,121号に記載されているような、アミノ置換オルガノポリシロキサン、エポキシ変性オルガノポリシロキサン及びポリジオルガノシロキサンなどのポリオルガノシロキサン類をベースにするものである。
好ましくは、本洗浄組成物は、柔軟化剤を全組成物の0.1重量%〜40重量%、より好ましくは0.5重量%〜15重量%含む。
(有機ポリマー化合物)
本発明の洗浄組成物は、有機ポリマー化合物を含むことができる。有機ポリマー化合物は、基本的に、分散剤、再付着防止、汚れ放出又は他の洗剤特性を有する洗剤組成物中に通常見出される有機化合物を意味する。有機ポリマー化合物は、典型的には、本発明の組成物に、組成物の0.01重量%〜30重量%、好ましくは0.05重量%〜15重量%、最も好ましくは0.01重量%〜10重量%の濃度で組み込まれる。
有機ポリマー化合物の例には、水溶性有機ホモポリマー若しくはコポリマーポリカルボン酸類、変性されたポリカルボキシレート類、又はそれらの塩が挙げられる。分子量5000〜10000、より好ましくは20000〜100000の、アクリル酸と無水マレイン酸とのコポリマーが好ましい。分子量15000未満の市販されている好ましいアクリル酸含有コポリマーには、BASF社(BASF Gmbh)によりソカラン(Sokalan)PA30、PA20、PA15、PA10、及びソカランCP10、CP5の商品名で販売されているもの、並びにローム・アンド・ハース(Rohm and Haas)によりアクゾル(Acusol)45N、480N、460Nの商品名で販売されているものが挙げられる。
他の任意のポリマーは、ポリビニルアルコール類及びポリ酢酸ビニル類(変性されたものと変性されていないものの両方)、セルロース系及び変性されたセルロース系、ポリオキシエチレン類、ポリオキシプロピレン類、並びにこれらのコポリマー(変性されたものと変性されていないものの両方)、エチレン若しくはプロピレングリコールのテレフタレートエステル類又はこれらとポリオキシアルキレン単位との混合物であってよい。好適な例は、例えば、米国特許出願第5,591,703号、米国特許出願第5,597,789号、及び米国特許出願第4,490,271号に開示されている。
(湿潤剤)
本明細書で使用するのに好適な湿潤剤は界面活性剤であり、陰イオン性、両性、双極性、非イオン性及び半極性界面活性剤が挙げられる。好ましい非イオン性界面活性剤には、シルウェット(Silwet)コポリマーなどのシリコーン界面活性剤が挙げられ、好ましいシルウェットコポリマーには、シルウェット(Silwet)L−8610、シルウェットL−8600、シルウェットL−77、シルウェットL−7657、シルウェットL−7650、シルウェットL−7607、シルウェットL−7604、シルウェットL−7600、シルウェットL−7280及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書に用いるのに好ましいのは、シルウェット(Silwet)L−77である。
(香料)
本発明の香料構成成分は、カプセル化香料、香料前駆体(properfume)、純粋な香料材料、及びこれらの混合物を含んでもよい。
本明細書の状況において、「香料」という用語は、悪臭中和剤として作用するいかなる芳香材料をも意味する。本発明で使用する香料又は防臭材料は、ほとんどの場合、室温で液体であるが、当技術分野で既知の様々な樟脳系(tamphoraceous)香料のように固体であり得る。アルデヒド類、ケトン類、エステル類などの材料を含む多種多様な化学物質が、香料製造業での使用で知られている。更に一般的には、天然の植物油及び動物油、並びに様々な化学構成成分の複雑な混合物を含む滲出物が香料として使用されることが知られており、このような材料を本明細書で使用することができる。本明細書の香料は、組成が比較的単純なものであっても、又は、天然及び合成の化学構成成分からなる極めて高度で複雑な混合物を含んでもよく、全て、任意の所望の臭気をもたらすように選択される。
(錠剤コーティング)
好ましくは、本発明の洗浄組成物はコーティングされている。コーティングは、組成物の機械的特性を改善すると同時に、溶解を維持又は改善できる。コーティングは、また、組成物類の水分吸収を緩速にするか、又は阻止することができる。本明細書で使用するのに好ましいコーティング又は方法は、EP−A−846754に記載されている。特に好適なコーティング成分は、例えば、シュウ酸、マロン酸(malonic acdi)、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸及びこれらの混合物から選択されるものなどのジカルボン酸類(dicarbolylic acids)である。アジピン酸が最も好ましい。
好ましくは前記二次組成物中に含まれる他の好適な効果剤の群は、蛍光増白剤、紫外線保護物質、染料、銀保護剤、香料及び芳香剤、蛍光剤、活性抗微生物物質、皺低減剤、キレート化剤、塩化物捕捉剤、染料、泡抑制剤、再付着防止剤、灰色化防止剤、移染防止剤、布地磨耗低減ポリマー、腐食防止剤、キレート剤/重金属イオン封鎖剤、結晶成長防止剤、結合剤、崩壊助剤、アイロン掛け補助剤、表面染色性改質ポリマー(surface substantive modifying polymer)、並びにこれらの混合物である。
二次組成物は、また、一次組成物に関して前述される成分の幾つかも含むことができる。
(放出制御手段)
本発明の洗浄組成物は、前記二次組成物が本洗い液中に放出されるのを防止できる、少なくとも1つの放出制御手段を更に含む。
「放出制御手段」という表現は、所望の時点より前に組成物が溶解しないように保護し、前記組成物を洗浄運転中の所望の時機に送達することを可能にする手段を表すことを意図している。特に、本発明で使用するとき、「放出制御手段」は、本洗浄組成物の二次組成物が本洗いサイクルに溶解することを防止し、前記二次組成物をすすぎ液に送達できる手段を表す。
放出制御手段は、典型的には、その直面する環境の変化、例えば、洗い液の特定の特性の変化に反応して、その化学的又は物理的特性が変化し、それにより、二次組成物の洗い液中への放出を防止するか又は可能にする少なくとも1つの構成成分を含む。
その結果、異なる組成物の異なるサイクルへの逐次送達は、制御手段として作用するように選択される特定の構成成分に応じて、物理的、化学的又は機械的に制御される放出制御手段を含むことによって達成されることができる。ひいては、これらの後者は、pH、温度、伝導度、pCa、pKa、酸化還元電位、イオン濃度、酵素反応又は時間の1つ以上の変化に応答することができる。
本発明の状況では、洗浄組成物は、選択されたアセチル化度を有するアミノ−アセチル化多糖類を含む、少なくとも1つの放出制御手段を含む。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記放出制御手段はpH制御され、そのため、洗い液のpH変化に応答する。現在市販されている洗濯機及び食器洗い機の大部分では、洗い液のpH変化は、アルカリ性洗剤処方で単なる希釈により、典型的には本洗いサイクルとすすぎサイクルとの間で観察されることが当該技術分野で周知である。このpH変化は、水の温度とは無関係に起こり、pH単位約1〜2の範囲である。
pH変化の具体的な値は機械中に残存する残留液の量に依存するが、典型的な洗濯機では、本洗い液のpHは約10〜9、すすぎ液中では9〜8の範囲であることが考えられる。食器洗い機の場合、本洗い液のpHは約11〜10、すすぎ液中では10〜9の範囲である。
本発明によれば、効果剤のすすぎ液への制御放出を実施するため、pHのこのような1単位の変化を利用する。本発明の好ましい実施では、pH制御される放出手段は、11〜7、好ましくは10〜8の範囲の洗い液のpH変化に応答する。
特に好ましい実施形態では、本発明の洗浄組成物には、アミノ−アセチル化多糖類を含むpH制御される放出手段が設けられており、これは、11〜7、好ましくは10〜8の範囲の洗い液のpH変化の結果として、その溶解度が変化し、好ましくは水中における溶解度が増大する。
洗濯物用の洗濯機で使用されることを意図されているとき、洗浄組成物に、洗い液のpH範囲9〜8で増大した溶解度を示すpH制御される放出手段が設けられていることが特に好ましい。前記pH制御される放出手段に含まれる前記アミノ−アセチル化多糖類は、pH10〜9(洗い条件)では全く溶解しないか又は溶解度が低く、pH9〜8(すすぎ条件)では完全に溶解するか又はほぼ完全に溶解することが、特に好ましい。
食器洗い機での使用を想定すると、前記pH制御される放出手段に含まれる前記アミノ−アセチル化多糖類は、pH11〜10(洗い条件)では全く溶解しないか又は溶解度が低く、pH10〜9(すすぎ条件)では完全に溶解するか又はほぼ完全に溶解することが、特に好ましい。
本発明の洗浄組成物で使用するのに好適な溶解度特性を示すようにするため、前記アミノ−アセチル化多糖類のアセチル化度を慎重に選択しなければならないことが驚くべきことに分かった。
アセチル化度が30%〜80%、好ましくは45%〜75%の範囲に含まれるとき、前記アミノ−アセチル化多糖類は、アセチル化度が典型的には25%未満の市販の化合物と比較して、広い溶解度範囲対pHを示すことが、意外にも分かった。特に、15%のアセチル化度を有する市販のアミノ−アセチル化多糖類は、pH6.5未満でしか溶解できないが、45%〜55%に含まれるアセチル化度を有する合成アミノ−アセチル化多糖類は、8.5までのpH値で水性媒体中に溶解できる場合がある。
洗濯物用の洗濯機で使用するため、前記pH制御される放出手段に含まれる前記アミノ−アセチル化多糖類は、30%〜80%、好ましくは40%〜60%、より好ましくは45%〜55%、最も好ましくは45%〜50%に含まれるアセチル化度を有することが特に好ましい。
本発明の洗浄組成物を食器洗い機で使用するとき、前記pH制御される放出手段に含まれる前記アミノ−アセチル化多糖類は、30%〜80%、好ましくは45%〜75%、より好ましくは55%〜75%、最も好ましくは70%〜75%に含まれるアセチル化度を示すことが好ましい。
更に、アミノ−アセチル化多糖類サンプルの平均重量分子量と、それらから製造されるフィルムのpH感受性との間に強い依存性が存在することが、やはり驚くべきことに分かった。具体的には、平均重量分子量が低いほど、水溶性が高い。
本発明の好ましい実施形態では、好適な溶解度特性対pHを達成するため、前記アミノ−アセチル化多糖類の平均重量分子量(Mw)は、10,000Da〜500,000Da、好ましくは50,000Da〜300,000Da、より好ましくは100,000Da〜200,000Daから有利に選択されてもよい。
理論に束縛されることを所望しないが、30%〜80%に含まれるアセチル化度及び低分子量を有するキトサン誘導体の高い水溶性が、ファンデルワールス力などの分子間相互作用の低減に寄与し、分子量が低いほど、分子間引力が小さくなることが考えられる。
本発明の状況では、極めて好ましいアミノ−アセチル化多糖類はキトサンであると選択される。30%〜80%に含まれるアセチル化度及び低分子量のキトサンの製造は、2つの異なる合成方法を使用して、即ち、「完全に」脱アセチル化されたキトサンの均質なアセチル化、又はキチンの均質な脱アセチル化のいずれかによって実施されてもよい。
本発明の好ましい実施形態では、必要なアセチル化キトサンは、脱アセチル化されたキトサンの制御された均質な再アセチル化によって製造される。
理論に束縛されるものではないが、均質条件では、好ましくは、アミノ−アセチル化多糖類ポリマー鎖に沿ったアセトアミド基のランダム分布が得られ、異質条件では、主としてブロックごとの分布が提供されることが考えられる。更に、前記ランダム分布は、好適な溶解度特性を有する化合物を得るのに好都合な影響を与えることが考えられる。
本発明の極めて好ましい実施形態において、また洗濯物用の洗濯機での使用には、前記アミノ−アセチル化多糖類は、45%〜55%に含まれるアセチル化度、100,000Da〜200,000Daに含まれる平均重量分子量、及びポリマー鎖に沿ったアセトアミド基のランダムな分布を有することが好ましい。
食器洗い機で使用するのに非常に好ましい本発明の実施形態では、前記アミノ−アセチル化多糖類は、55%〜75%に含まれるアセチル化度、100,000Da〜200,000Daに含まれる平均重量分子量、及びポリマー鎖に沿ったアセトアミド基のランダムな分布を有することが好ましい。
本発明の放出制御手段は、すすぎサイクルの極初期段階で二次組成物を放出することを可能にし、後者の組成物が本洗いサイクルに放出されることを効果的に防止する。
本発明の別の実施形態では、放出制御手段は、追加のポリマー材料を更に含んでもよい。ポリマー材料として使用するのに好適な、好ましいポリマー、コポリマー又はこれらの誘導体は、ポリビニルアルコール類(PVA)、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド類、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル類、セルロースエステル類、セルロースアミド類、ポリ酢酸ビニル類、ポリカルボン酸類及びその塩類、ポリアミノ酸類又はペプチド類、ポリアミド類、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、澱粉及びゼラチンを含む多糖類、キサンタム(xanthum)及びカラガム(carragum)などの天然ガムから選択される。より好ましいポリマー類は、ポリアクリレート類及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート類から選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール類、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。
ポリマーの混合物は、これらの用途及び必要な要件に応じて、放出制御手段の機械的特性及び/又は溶解特性を更に制御するのに有益であることができる。好適な混合物には、例えば、あるポリマーが別のポリマーよりも高い水溶性を有し、及び/又はあるポリマーが別のポリマーよりも高い機械強度を有する混合物が挙げられる。また、異なる平均重量分子量を有するポリマーの混合物も好適である。
最も好ましいポリマー材料は、米国インディアナ州ゲーリーのクリス−クラフト・インダストリアル・プロダクツ(Chris-Craft Industrial Products of Gary, Indiana,US)により販売されている商品名モノソル(Monosol)M8630で既知のものなどの、好ましくは1,000Da〜1,000,000Da、より好ましくは10,000Da〜300,000Da、最も好ましくは20,000Da〜150,000Daの平均重量分子量を有するPVAである。
このようなポリマー材料が、アミノ−アセチル化多糖類と一緒に前記放出制御手段に更に含まれる場合、多糖類と追加のポリマー材料との重量比は0.1:100〜50:100、好ましくは1:100〜10:100であることが好ましい。
本発明によれば、放出制御手段は、フィルム、コーティング、凝塊形成材、崩壊剤又はこれらの組み合わせの形態で提供されてもよい。本発明の好ましい実施では、放出制御手段はコーティングの形態で使用される。従来のいかなるコーティング方法も本発明の状況で使用してよい。
本発明の好ましい実施形態では、洗浄組成物の二次組成物は、1種類以上のpH変化増進剤を含んでもよい。これらの化合物は、本洗いサイクルとすすぎサイクルとの間で通常観察される洗い液のpH低下を増大し、pH感受性放出制御手段のすすぎ液への溶解に役立ち、それを加速することが意図されている。前記放出制御手段がコーティングとして塗布されるとき、これらの化合物は、コーティング細片の溶解を特に促進する。
好適なpH変化増進剤は、有機アミノホスホン酸類及びアミノポリホスホン酸類、有機ホスホン酸類及びポリホスホン酸類、ポリカルボン酸類、ポリスルホン酸類、ホウ酸類、アルキル硫酸類、これらの酸類の無水物並びにこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。ポリカルボン酸類(例えば、クエン酸など)は、本発明の洗浄組成物に使用するのに特に好ましい。
一実施形態では、本発明によるpH変化増進剤は、洗浄組成物の二次組成物に組み込まれてもよく、その場合、前記放出制御手段に裂け目が形成されると直ぐ、それらはすすぎサイクル中に作用し始める。代替の実施形態では、pH変化増進剤は、本洗浄組成物の一次組成物に含まれてもよい。この後者の場合、好適な化合物は、本洗いサイクルの終了後、又は後洗いサイクル若しくはすすぎサイクルの開始時に、それらが機能を展開させるように提供されてもよい。pH変化増進剤のこのような制御された送達は、例えば、それらに緩速溶解性コーティング材料をコーティングすることによって達成されてもよい。
本発明の更に好ましい実施形態では、前記二次組成物は分解酵素を含んでもよい。これらの酵素は、すすぎ液に残存する可能性がある放出制御手段の一部を分解することが意図されている。しかし、この特定の実施形態は、前記放出制御手段に含まれるアミノ−アセチル化多糖類によって提供される効果を利用することが意図されていないときだけ好適である。
適切な分解酵素は、キトサナーゼ、キチナーゼ、パパイン、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、リパーゼ、リゾチーム(lysosyme)又は他の加水分解酵素から選択されてもよい。キトサナーゼ及びキチナーゼ、又はこれらの混合物が、特に関心が高い。
(洗浄組成物の代替設計)
本発明の好ましい実施によれば、二次機能部分は、一次機能部分内に封入されている。この後者の実施形態では、本洗浄組成物の特に有利な構成は、前記一次機能部分内に形成された少なくとも1つの空洞が設けられている錠剤にあり、前記空洞には、少なくとも部分的に、少なくとも1つの粒子の形態の前記二次機能部分が充填される。
好ましくは、本発明による錠剤は、六角形、正方形、長方形、円形、楕円形、円筒状及び球状からなる群から選択される、いかなる好適な形状を採用してもよい。
本発明の好ましい実施形態では、前記少なくとも1つの空洞は、前記錠剤の上面から下面まで完全に延びず、窪みを形成するように設計されている。前記窪みは、六角形、正方形、長方形、円形及び楕円形から選択される底面を採用することが特に好ましい。1つの好ましい実施では、粒子又は粒子類は、それらが錠剤表面上に突出しないように、好ましくは空洞又は窪みに受容される。また更なる実施形態では、粒子又は粒子類は、それらが前記空洞又は窪みの開口部を通過できないように、空洞又は窪みに緩く配置されている。
あるいは、錠剤内部の中心に配置される少なくとも1つの空洞が外側から見えないように、それを本発明の洗浄組成物に設けてもよい。
本発明の好ましい一実施形態では、洗浄組成物は、前記一次機能部分内に形成された少なくとも1つの空洞が設けられている錠剤の形態であり、前記空洞は、少なくとも1つの粒子の形態の前記二次機能部分を収容し、前記二次機能部分の外面は、前記アミノ−アセチル化多糖類を含むコーティングで完全に被覆されている。前記粒子それぞれの外面を前記コーティングで被覆することが好ましいが、前記粒子の凝集体の外面を前記コーティングで被覆することが考えられてもよい。この後者の場合、前記アミノ−アセチル化多糖類を含むコーティングも、前記粒子を一緒に凝集体の形態に結合するのに役立つ。
別の好ましい実施形態によれば、本発明の洗浄組成物は、前記一次機能部分内に形成された少なくとも1つの空洞が設けられている錠剤の形態であってよく、前記空洞に少なくとも1つの粒子の形態の前記二次機能部分が少なくとも部分的に充填され、前記空洞の内面は、前記アミノ−アセチル化多糖類を含むコーティングで完全に包囲されている。この実施形態によれば、前記二次機能部分は、前記コーティング内に完全に包み込まれている。
前記空洞又は窪みが外側から見えるように錠剤が設計されている特定の場合、前記コーティングの一部は、前記二次機能部分が本洗い液に早すぎて分散されることを防止する、一種のフタを形成する。
本発明の更に別の好ましい実施では、一次機能部分は、パウチ、好ましくは複数区画のパウチ、とりわけ粉末液体二区画パウチの形態であり、二次機能部分は、圧縮又は圧密化された微粒子体の形態であり、好ましくはパウチの内側、とりわけパウチの粉末区画の内側にあり、放出制御手段は、圧縮体又は圧密体の表面のコーティングの形態である。圧縮体は、圧縮体が本洗い後に洗濯機から流出しないようにするため、少なくとも1つの寸法が約1cmより大きく、好ましくは約2cmより大きいのが好ましい。非常に好ましい実施形態では、コーティングは、55%〜75%のアセチル化度、80,000Da〜140,000Daの平均重量分子量を有するアミノ−アセチル化多糖類を含み、アセトアミド基がポリマー鎖に沿ってランダムに分布する。
本発明の更なる好ましい実施形態によれば、二次機能部分は、効果剤を含む複数の離散粒子の形態で提供される。この構成は、剤が被洗物の周りにより均一に分布し、そのため、布地又は食器/食卓用食器具に効果をより均一に適用することを確実にするのに役立つ。
本発明の好ましい態様では、効果剤を含む二次機能部分の粒子は、20℃で脱イオン水に浮遊する。理論に束縛されることを所望しないが、浮遊し得る効果剤を含む粒子を有すると、その結果、前記粒子が洗いサイクル中に自動機械の内部に残存することが考えられる。例えば、多くの効果剤は、すすぎサイクル中に添加されるとき、最もよく機能を果たす。しかし、通常の洗いサイクル中、洗い液は、本洗いサイクルの終了時に機械からポンプで排出され、浮遊しない粒子はどれも水と共に失われやすい。また、粒子が浮遊すると、これらの粒子が機械の機構、又は布地/食器内に捕捉される可能性が低減し、そのため、効果剤の早すぎる放出を引き起こし得る機械的応力が回避される。
あるいは、本発明の洗浄組成物は、前記一次機能部分が少なくとも1つの顆粒の形態であり、前記二次機能部分が、前記アミノ−アセチル化多糖類を含むコーティングで被覆された少なくとも1つの顆粒の形態であるように設計されてもよい。
(方法)
本発明の別の態様によれば、本発明の洗浄組成物を製造する方法が提供され、本方法は、a)二次組成物を含む二次機能部分を調製する工程、b)工程(a)で形成された二次機能部分を、30%〜80%の範囲に含まれるアセチル化度を有するアミノ−アセチル化多糖類を含むフィルム又はコーティングでコーティングする工程、及びc)一次組成物を含む一次機能部分を調製し、工程(b)で形成されたコーティング済み二次機能部分を封入する工程を含む。
本発明の洗浄組成物は、固体成分を一緒に混合し、例えば、製薬業界で使用されるような従来の錠剤機で混合物を圧縮することによって簡単に調製されてもよい。好ましくは、主成分は、微粒子の形態で使用される。どのような液体成分も従来のやり方で固体粒子成分に組み込むことができる。好ましくは、本発明の組成物は、10,000N/cm2未満、より好ましくは3,000N/cm2以下、更により好ましくは750N/cm2以下の力で圧縮される。実際、本発明のより好ましい実施形態は、500N/cm2未満の力で圧縮される。一般に、本明細書の組成物は、迅速に崩壊できるように比較的小さい力で圧縮される。
本発明の錠剤を製造するのに使用される微粒子物質は、どのような粒子形成又は造粒方法でも製造できる。このような方法の一例は、典型的には、600g/l以下の低い嵩密度を生じる(並流又は向流噴霧乾燥塔内での)噴霧乾燥法である。嵩密度のより大きい微粒子物質は、連続造粒及び高密度化方法によって調製できる。他の好適な方法には、流動床法、圧密化法(例えば、ロール圧密)、押出し成形、並びに凝集、結晶化焼結(sentering)などのような任意の化学的方法で製造されるいかなる微粒子物質もが挙げられる。
従来のいかなる手段で微粒子物質の構成成分を一緒に混合してもよい。錠剤形成、ブリケット形成又は押出し成形などのいかなる圧密化法を使用して洗浄組成物を製造してもよいが、錠剤形成が好ましい。好適な装置としては、標準単一ストローク又はロータリープレス(コートイ(Courtoy)(登録商標)、コルシュ(Korsch)(登録商標)、マネスティ(Manesty)(登録商標)、又はボナルス(Bonals)(登録商標)から入手可能なものなど)が挙げられる。好ましくは、錠剤は、型を構成する錠剤を調製できる錠剤機で圧縮することにより調製される。本明細書の組成物は、20mm〜60mm、好ましくは少なくとも35mmで最大55mmまでの直径、及び25g〜100gの重量を有するのが好ましい。本発明による好ましい実施形態では、錠剤は、少なくとも0.5g/cc、より好ましくは少なくとも1.0g/cc、また好ましくは2.0g/cc未満、より好ましくは1.5g/cc未満の密度を有する。
二次機能部分は、錠剤コーティングで既知のものなどの従来の手順を使用してコーティングされてもよい。本発明のアミノ−アセチル化多糖類を二次機能部分に噴霧し、溶融物を形成するか、又は溶液若しくは分散体を形成することができる。この場合、コーティングされる材料は、流動床上、又は錠剤コーティングパン内に配置される。また、コーティングされる材料は、後で噴霧により顆粒状材料を形成するように処理するため、溶融アミノ−アセチル化多糖類中に分散されてもよい。この目的では、既知の噴霧冷却法、噴霧凍結法、又は回転円板法を使用することができる。アミノ−アセチル化多糖類層を、スプレーコーティングの補助により水性溶媒又は別の溶媒から塗布することができる。コーティングされる材料は、この場合、錠剤コーティングパン内又は流動床上に収容される。アミノ−アセチル化多糖類を有する溶液中に、コーティングされる材料を分散させた後、分散体を噴霧乾燥させることも可能である。あるいは、アミノ−アセチル化多糖類をコアセルベーション法で塗布してもよい。
前記コーティングを行うとき、コーティングされる材料に可塑剤を組み込むことが好適な場合がある。本明細書で使用するのに好ましい可塑剤には、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ソルビトール、クエン酸トリアルキル(クエン酸トリエチルなど)、シュウ酸ジエチル、コハク酸ジエチル、フタル酸ジアルキル、セバシン酸ジアルキル(セバシン酸ジエチルなど)、トリアセチン、リン酸トリアルキル(リン酸トリエチルなど)、水、及びこれらの混合物が挙げられる。
本発明の洗浄組成物を製造する方法は、典型的には、一次機能部分に構成された型の中に、コーティング済み二次機能部分を挿入する追加の工程を含み、その結果、型にコーティング済み二次機能部分を部分的に又は完全に充填してもよい。あるいは、この後者は型の中で圧縮されてもよく、又は接着剤で型に固着されてもよい。
本明細書で使用されるパウチは、当該技術分野で既知の方法により調製されることができる。本方法は、典型的には、本発明のアミノ−アセチル化多糖類のフィルム/シートを調製すること、適切なサイズのフィルム/シート片に切断すること、次いで、フィルム/シートを折り畳んで必要な数及びサイズの区画を形成すること、並びにヒートシール又は溶剤シールなどの任意の好適な技術を使用して縁部を封止することを含む。本発明によるパウチを製造するとき、前述されるような可塑剤を組み込むことが好適な場合がある。
本発明の別の態様によれば、自動洗濯機で洗濯物を洗う方法が提供され、前記方法は、洗濯機に本発明による洗浄組成物を投入し、従来の方法で洗うことを含む。本明細書の方法は、典型的には、中に有効量の本発明による洗濯機用洗剤洗浄組成物が溶解又は分散されている洗濯機内の水溶液で汚れた洗濯物を処理することを含む。
別の実施形態では、本発明は、自動食器洗い機で調理器具又は食卓用食器具を洗う方法を提供し、前記方法は、本発明による洗浄組成物を食器洗い機に投入し、従来の方法で洗うことを含む。本明細書の方法は、典型的には、中に有効量の本発明による食器洗い機用洗剤洗浄組成物が溶解又は分散されている食器洗い機内の水溶液で汚れた調理器具/食卓用食器具を処理することを含む。
好ましくは、洗浄組成物は、機械の分配トレーを介して計量分配されるが、洗濯物にそれらを直接添加することができる。洗濯物に直接添加する場合、洗浄組成物は、そのまま、又はEP−A−0118678に記載されるものなどの網状バッグ若しくはパウチなどの分配デバイスと組み合わせて添加することができる。
本発明の特定の実施形態を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、添付の請求項は、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正に及ぶことを意図するものである。
(試験方法)
1.アセチル化度
Y.イノウエ(Y.Inoue)、キチン便覧(Chitin Handbook)、R.A.A.ムッツァレッリ及びM.G.ピーター編(R.A.A.Muzzarelli and M.G.Peter,eds)、欧州キチン協会(European Chitin Society)、1997年、133〜136頁により記載される方法で、アセチル化度を測定した。
2.分子量
M.テルボジェビッチ及びA.コサニ(Terbojevich and A.Cosani)、キチン便覧(Chitin Handbook)、R.A.A.ムッツァレッリ及びM.G.ピーター編(R.A.A.Muzzarelli and M.G.Peter,eds)、欧州キチン協会(European Chitin Society)、1997年、97〜101頁の記載に従って、分子量(平均重量分子量Mw)が測定された。
(実施例1):半N−アセチル化キトサンの一般的調製
脱アセチル化されたキトサン(0.6g)を10%酢酸水溶液(100mL)中に溶解させ、無水酢酸を過剰量添加した。周囲温度で5時間攪拌した後、反応を停止させるため、pHが8〜9に到達するまでNaOH水溶液を添加した。反応混合物を脱イオン水に対して2日間透析し、凍結乾燥した。次いで、アセチル化キトサンを室温で5〜10分間、メタノールKOHで処理し、遠心分離器を使用してメタノールで繰り返し洗浄した。最後に、それを脱イオン水に溶解させ、凍結乾燥した。
試験方法に記載のようにアセチル化度及び分子量を測定し、その結果を下記の表に記載した。あるいは、クリタK.(Kurita K.)らの報告(ケミストリー・レターズ(Chemistry Letters)、1597〜1598頁、1989年)に従って、半N−アセチル化キトサンを得ることができた。
Figure 0004510008
(実施例2):キトサン及びキトサン誘導体のフィルムの一般的調製
実施例1に従って調製したキトサンサンプル5.0gを1%酢酸100mLに溶解させた溶液を蒸発させることによりキトサンフィルムが得られた。したがって、溶液を0.45マイクロメートルのミリポア(Millipore)膜に通してろ過し、直径5cmのペトリ皿に入れ、室温で24時間、空気乾燥させた。完全に乾燥させた後、フィルムは容易に回収された。次いで、それらをメタノール中の希釈アンモニア溶液(33%NH4OH、15mL/蒸留水35mL/メタノール500mL)中に浸漬し、遊離アミノ型のキトサンを再生させた。
(実施例3):キトサン/PVAフィルムの一般的調製
PVA(20g、アルドリッチ(Aldrich))を低温の脱イオン水(100g)中に溶解させた後、グリセロール(7g、アルドリッチ)を添加した。実施例1に従って調製したキトサンサンプル(2g)を1%酢酸(100g)に溶解させた。次いで、キトサン及びPVA溶液を一緒に混合してA4サイズのプラスチックシート上に流し込み、厚さ0.08cm(0.03インチ)にした。溶液層を2時間40℃で乾燥させた後、シートから取り外した。遊離アミノ型のキトサンを再生するため、フィルムをメタノール中の希釈アンモニア溶液(30%NH4OH、15mL/脱イオン水35mL/メタノール500mL)中に5分間浸漬した。
(実施例4):洗剤洗浄組成物
Figure 0004510008
陰イオン性粒塊1は、陰イオン性界面活性剤40%、ゼオライト(Zeolite)A27%及び炭酸ナトリウム33%を含む。
陰イオン性粒塊2は、陰イオン性界面活性剤35%、ゼオライト(Zeolite)A26%、炭酸ナトリウム28%及び無水酢酸ナトリウム11%を含む。
非イオン性粒塊は、非イオン性界面活性剤26%、ルテンジット(Lutensit)K−HD96(BASF製)を6%、無水酢酸ナトリウム40%、炭酸ナトリウム20%及びゼオライト8%を含む。
陽イオン性粒塊は、陽イオン性界面活性剤20%、ゼオライト56%及びサルフェート24%を含む。
層状ケイ酸塩は、SKS−6を95%及びケイ酸塩5%を含む。
漂白活性化剤粒塊は、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)81%、アクリル/マレインコポリマー(酸の形態)17%及び水2%を含む。
EDDS/サルフェート粒子は、エチレンジアミンN,N−二コハク酸ナトリウム塩58%、サルフェート23%及び水19%を含む。
亜鉛フタロシアニンスルホン酸カプセル化物は10%活性である。
泡抑制剤は、シリコーンオイル(ダウ・コーニング製)11.5%、ゼオライト59%及びH2Oを29.5%含む。
結合剤吹付け系は、ルテンジット(Lutensit)K−HD96を0.5部及びポリエチレングリコール(PEG)を2.5部含む。
キトサナーゼは、シグマ・ベルギー(Sigma Belgium)から購入した(C0794)。
キトサン:アセチル化度46.9%、平均重量分子量232kDa、光陽化学(Koyo Chemicals)から入手。
プロライト(Purolite)(商標):英国、ロンザ・サイノン−タフ(Rhonda Cynon-Taff)、プロライト・インターナショナル社(Purolite International Ltd)から入手可能。
1単位:1単位は、37℃、pH5.5で毎分1マイクロモルの還元糖を遊離する。
5分間混合ドラム内で顆粒構成成分を混和して均質な粒子混合物を作り出すことにより、洗剤活性一次組成物を調製した。この混合中、ノズル及び熱風を用い、前述の結合剤組成物を使用して吹付けを実施した。
前述の乾燥混合物が添加される、標準的な攪拌機を有するブラウン(Braun)フードプロセッサーを使用して、二次機能部分を形成する粒子を製造した。混合機を1分間、高速で運転し、押出成形機先端プレートに直径3mmの穴がある不二パウダル・ドームグラン(Fuji Paudal Dome Gran)DGL1(日本)押出成形機に混合物を注ぎ、毎分70回転で運転した。得られる生成物を不二パウダル・マルメライザー(Fuji Paudal Marumerizer)QJ−230に添加し、それを毎分1000回転で5分間運転し、良好な球状化が達成された。
更なる工程では、粒子をN−アセチル化キトサンでコーティングした。これは、噴霧ノズル及び熱風を使用して80℃で4%のN−半アセチル化キトサンと水との混合物(ビーズ重量基準)を従来の混合ドラム内でビーズに噴霧することによって達成された。二次組成物は、酵素プリルキトサナーゼ(ノボ(Novo)製)も含有し得た。
得られる粒子の密度は、700kg/m3であった。ASTM D502−89の方法を使用して粒度を測定し、計算した平均粒度は2.6mmであった。
インストロン4400試験機及び手動錠剤製造用の標準ダイを使用して、多相錠剤組成物を調製した。2.5mmの比を有する縁部の丸い41×41mmのダイ(dye)に洗剤活性一次組成物35gを供給した。錠剤に直径25mm、深さ10mmの凹状の型を形成するのに好適な形状を有するパンチを用いて、1500Nの力で混合物を圧縮した。そのような形状のパンチを慎重に取り外し、錠剤をダイ(dye)の中に残した。一次組成物中に残る型の中に粒子4gを導入し、平坦な通常のパンチを使用して1700Nの最終的な圧縮を加え、多相錠剤を製造した。次いで、錠剤を手でダイ(dye)から取り出す。
次の工程では、前述の方法で製造した錠剤を170℃のコーティングの溶融混合物にそれらを手動で浸漬することによりコーティングし、室温まで冷却して戻し、コーティングを硬化させた。コーティングの組成及びパーセンテージは前述の錠剤組成物に記載されている。
(実施例5):洗剤洗浄組成物
Figure 0004510008
PCA/PEGコフレーク:ペンタアミンコバルト(III)アセテートジクロライド/ポリエチレングリコールコフレーク(co-flake)。
PVA:ポリビニルアルコール、平均重量分子量36kDa、シグマ−アルドリッチ(Sigma-Aldrich)から購入。
キトサン:アセチル化度60%、平均重量分子量120kDa。
錠剤は、二次組成物の構成成分を混和することによって調製され、次いで、混合物は従来のロータリープレスのダイに運ばれる。ダイは、直径1.5cmの円形の断面を有する。次に組成物に940kg/cm2の圧縮力がかかり、パンチが上昇し、錠剤が錠剤機から出される。前記の表に明記されている組成物を有する溶液を吹付けることによって錠剤をコーティングした後、放置して乾燥させる。
別に、二区画のPVAパウチ(クリス−クラフト・インダストリアル・プロダクツ(Chris-Craft Industrial Products)により供給されるモノソル(Monosol)M8630フィルム)を形成し、一次組成物を充填する。第1の区画に粉末組成物及びコーティング済み錠剤を充填し、第二の区画に液体組成物を充填する。
ボッシュ・シーメンス(Bosch Siemens)6032食器洗い機の25mlディスペンサー区画にパウチを導入し、ディスペンサーを閉じ、食器洗い機を通常の55℃のプログラムで運転する。本洗いの後、錠剤はまだ溶解しておらず、すすぎ後に完全に溶解する。

Claims (21)

  1. 自動洗濯機又は食器洗い機で使用する洗浄組成物であって、該組成物は、一次機能部分及び二次機能部分を含む少なくとも2つの機能部分を含み、本洗いサイクル及びすすぎサイクルを有する自動洗濯機又は食器洗い機中で使用する際、該一次機能部分は本洗いサイクルに一次組成物を放出し、該二次機能部分はすすぎに二次組成物を放出し、該洗浄組成物は、該二次組成物が本洗い液中に放出されるのを防止することができる少なくとも1つのpH制御される放出制御手段を更に含み、該手段が30%〜80%の範囲に含まれるアセチル化度を有するアミノ−アセチル化多糖類を含み、該放出制御手段がフィルム、コーティング、凝塊形成材、崩壊剤又はこれらの組み合わせの形態であり、該二次組成物が、有機アミノホスホン酸類及びアミノポリホスホン酸類、有機ホスホン酸類及びポリホスホン酸類、カルボン酸類、ポリカルボン酸類、ポリスルホン酸類並びにこれらの混合物からなる群から選択される、1種類以上のpH変化増進剤を更に含み、該放出制御手段がpH9〜10で難溶性であり、かつpH8〜9で完全に溶解する、もしくは、pH10〜11で難溶性であり、かつpH9〜10で完全に溶解する、洗浄組成物。
  2. 前記放出手段が、45%〜75%の範囲に含まれるアセチル化度を有するアミノ−アセチル化多糖類を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
  3. 前記アミノ−アセチル化多糖類の平均重量分子量(Mw)が、10,000Da〜500,000Daである、請求項1または2に記載の洗浄組成物。
  4. 前記アミノ−アセチル化多糖類の平均重量分子量(Mw)が、50,000Da〜300,000Daである、請求項1または2に記載の洗浄組成物。
  5. 前記アミノ−アセチル化多糖類の平均重量分子量(Mw)が、100,000Da〜200,000Daである、請求項1または2に記載の洗浄組成物。
  6. 前記アミノ−アセチル化多糖類が、そのポリマー鎖に沿ってアセチル基がランダムに分布していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
  7. 前記アミノ−アセチル化多糖類がキトサンである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
  8. 前記一次組成物が、洗剤、漂白剤、水軟化剤及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
  9. 前記二次組成物が、すすぎ補助剤、仕上げ剤、柔軟剤、消毒剤、芳香剤、移染防止剤、蛍光増白剤、再付着防止剤、腐食防止剤、銀保護剤、汚れ付着防止剤、静電気防止剤、抗微生物物質、アイロン掛け補助剤及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
  10. 前記すすぎ補助剤がシロキサン界面活性剤などの湿潤剤類を含む、食器洗い機で使用するための、請求項に記載の洗浄組成物。
  11. 前記放出制御手段が、ポリビニルアルコール類、アクリル酸、ポリ酢酸ビニル類、ポリビニルアルコールコポリマー類、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)及びこれらの組み合わせからなる群から選択される追加のポリマー材料類を更に含む、請求項1〜1のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
  12. 前記追加のポリマー材料類がポリビニルアルコール類である、請求項1に記載の洗浄組成物。
  13. 前記二次組成物が、キトサナーゼ、キチナーゼ、パパイン、セルラーゼ、又は他の加水分解酵素類などの分解酵素類、及びこれらの混合物を更に含む、請求項1〜1のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
  14. 前記一次及び/又は二次機能部分が、パウチ、カプセル、錠剤又は顆粒の形態であり、前記放出制御手段がフィルム又はコーティングの形態であり、前記一次及び/又は二次組成物が、自由流動性粉末、圧縮粉末、液体、液体−固体懸濁液、ゲル又はペーストの形態である、請求項1〜1のいずれか一項に記載の組成物。
  15. 前記二次機能部分が前記一次機能部分内に封入されている、請求項1〜1のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
  16. 前記洗浄組成物が、前記一次機能部分内に形成された少なくとも1つの空洞が設けられている錠剤の形態であり、前記空洞が少なくとも1つの粒子の形態の前記二次機能部分を収容し、前記二次機能部分の外面が前記アミノ−アセチル化多糖類を含むコーティングで完全に被覆されている、請求項1〜1のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
  17. 前記洗浄組成物が、前記一次機能部分内に形成された少なくとも1つの空洞が設けられている錠剤の形態であり、前記空洞が少なくとも1つの粒子の形態の前記二次機能部分を収容し、前記空洞の内面が前記アミノ−アセチル化多糖類を含むコーティングで完全に包囲されている、請求項1〜1のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
  18. 前記一次機能部分が、単一区画又は複数区画のパウチの形態であり、該二次機能部分が圧縮体又は圧密体の形態であり、放出制御手段が圧縮体又は圧密体の表面上のコーティングの形態である、請求項1〜1のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
  19. 前記二次機能部分を形成する前記粒子類が20℃の脱イオン水中で浮遊する、請求項1〜19のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
  20. 前記一次機能部分が、少なくとも1つの顆粒の形態であり、前記二次機能部分が、前記アミノ−アセチル化多糖類を含むコーティングで被覆された少なくとも1つの顆粒の形態である、請求項1〜1のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
  21. 請求項1〜19のいずれか一項に記載の組成物を製造する方法であって、
    (a)該二次組成物を含む該二次機能部分を調製する工程、
    (b)工程(a)で形成された該二次機能部分を、30%〜80%の範囲に含まれるアセチル化度を有するアミノ−アセチル化多糖類を含むフィルム又はコーティングでコーティングする工程、及び
    (c)該一次組成物を含む該一次機能部分を調製し、工程(b)で形成された該コーティング済み二次機能部分を封入する工程
    を含む方法。
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